JPH07275984A - 板金製プーリの製造方法 - Google Patents

板金製プーリの製造方法

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JPH07275984A
JPH07275984A JP7194394A JP7194394A JPH07275984A JP H07275984 A JPH07275984 A JP H07275984A JP 7194394 A JP7194394 A JP 7194394A JP 7194394 A JP7194394 A JP 7194394A JP H07275984 A JPH07275984 A JP H07275984A
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俊明 金光
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 粗胴壁の端部をすり割りして耳部を張出させ
る板金製プーリの製造方法において、耳部成形用ローラ
の先尖り成形面を粗胴壁の端部に十分に喰い込ませて肉
が十分に外方に伸び出すようにする。 【構成】 円板状の素材の外周部を端拡がり状に折り曲
げて傾斜壁を形成した後、この傾斜壁に角張ったコーナ
部14を形成する。角張ったコーナ部14に耳部成形用
ローラの先尖り成形面を押し付けてその箇所をすり割り
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、板金製プーリの製造方
法、特にベルト掛け用の円筒状の胴壁の端部に耳部が環
状に張出されている板金製プーリの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】金属製円板状の素材にプレス工程などを
行って基体と円筒状の粗胴壁とを備えたカップ状の成形
体を製作し、その粗胴壁に耳部やV溝を成形してベルト
掛け用の胴壁とした板金製プーリの製造方法は従来より
知られている。
【0003】図17と図18は従来方法で板金製プーリ
を製造するときに中間工程で得られる成形体B1,B2
の断面形状を順に示したものである。
【0004】図17の成形体B1は金属製円板状の素材
(不図示)にプレスを行って製作されており、平板部5
1とその周囲の傾斜板部52とでなる基体5の外周に円
筒状の粗胴壁61を有している。図18の成形体B2
は、図17の成形体B1の基体5にプレスを行って製作
されており、凹入部53とその周囲の環状部54とを有
している。この成形体B2においては、基体5と粗胴壁
61とにより形成されるコーナ部分aが同図に拡大して
示したように円弧状の輪郭線b1を有する形状になって
いる。そして、耳部は、図18の成形体B2における粗
胴壁61の基体5に連設する側の端部すなわち粗胴壁6
1のコーナ部aに形成される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の製造方法におい
て、図18の成形体B2に耳部を形成する工程を行うと
きは、図19のように、その成形体B2を回転下型20
0と回転上型100との間にセットしてそれらを回転さ
せながら、耳部成形用ローラ300の環状の先尖り成形
面310を基体5の肉厚範囲内に対応する箇所で粗胴壁
61のコーナ部aに押し付けていくという手順を行う。
【0006】ところが、上述したように、粗胴壁61の
コーナ部aが円弧状の輪郭線b1を有しているため、基
体5の肉厚範囲内に対応する箇所で粗胴壁61のコーナ
部aに耳部成形用ローラ300の環状の先尖り成形面3
10を押し付けていくと、どうしてもその先尖り成形面
がコーナ部aにおける円弧状の輪郭線b1のところに当
たることになり、そのために、図19のようにコーナ部
aに先尖り成形面310が十分に喰い込まなくなって耳
部形成箇所に質量不足(肉厚不足)を生じ、その結果、
耳部形成箇所で肉が十分に伸びなくなって、形成された
耳部7の幅が破線7’で示したような適正形状に達し得
なくなる。このような現象は、耳部の形成に先立って粗
胴壁61を厚肉化したとしても発生する。
【0007】本発明は以上の問題に鑑みなされたもので
ある。
【0008】すなわち、本発明は、基体と円筒状の粗胴
壁とを備えた成形体における上記粗胴壁の基体に連設す
る側の端部(すなわちコーナ部)を耳部成形用ローラの
先尖り成形面を押し付けてすり割りしたときに、その先
尖り成形面が粗胴壁の端部に十分に喰い込み、耳部成形
箇所で肉が十分に外方に伸び出て適正形状の耳部を確実
に形成することのできる板金製プーリの製造方法を提供
することを目的とする。
【0009】また、本発明は、上記目的を達成するため
に形成される角張ったコーナ部を、円板状の素材から無
理なく形成することのできる手段を含む板金製プーリの
製造方法を提供することを目的とする。さらに本発明
は、耳部の形成に先立って粗胴壁を厚肉化する手段を含
む板金製プーリの製造方法を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の板金製プ
ーリの製造方法は、基体の外周にベルト掛け用の円筒状
の胴壁が一体に設けられ、この胴壁における上記基体に
連設する側の端部に耳部が環状に張出された板金製プー
リの製造方法において、円板状の素材の外周部を端拡が
り状に折り曲げて傾斜壁を形成した後、この傾斜壁を角
出し部を具備する折曲げ用成形面を備えたプレス成形型
で挾んで上記角出し部により成形された角張ったコーナ
部とそのコーナ部よりも外周側で端拡がり状に傾斜した
粗胴壁相当部とを形成し、次に、粗胴壁相当部を押圧ロ
ーラで内方に押すことによりコーナ部の角張り形状を保
ったまま折り曲げて上記コーナ部を介して上記基体に連
設された円筒状の粗胴壁を形成し、この後、上記コーナ
部よりも内周側の基体の肉厚範囲内に対応する箇所で粗
胴壁の上記コーナ部に耳部成形用ローラの先尖り成形面
を押し付けてその箇所をすり割りすることにより耳部を
環状に張出させるというものである。請求項2記載の板
金製プーリの製造方法は、請求項1記載の方法におい
て、角張ったコーナ部と端拡がり状に傾斜した粗胴壁相
当部とを形成するときに、プレス成形型に具備された位
置規制面に素材の外周端面を当て付けてその素材におけ
る上記コーナ部よりも外周側部分をその沿面軸方向に圧
縮することにより、上記コーナ部を形成することと厚肉
化された粗胴壁を形成することとを併行させるというも
のである。ここで、沿面軸方向とは、端拡がり状に傾斜
した粗胴壁相当部の軸線に沿い、しかもその粗胴壁相当
部の法線に沿う方向のことである(以下、同じ)。請求
項3記載の板金製プーリの製造方法は、請求項1記載の
方法において、円筒状の粗胴壁を形成するときに、粗胴
壁相当部の幅よりも短い間隔寸法を保って配備された一
対の成形面の間にその粗胴壁相当部を押し込んで沿面軸
方向に圧縮することにより、上記粗胴壁を形成すること
と厚肉化された粗胴壁を形成することとを併行させると
いうものである。請求項4記載の板金製プーリの製造方
法は、基体の外周にベルト掛け用の円筒状の胴壁が一体
に設けられ、この胴壁における上記基体に連設する側の
端部に耳部が環状に張出された板金製プーリの製造方法
において、角出し部を具備する折曲げ用成形面を備えた
プレス成形型で円板状の素材を挾むことにより、その素
材の外周部に、角張ったコーナ部とそのコーナ部よりも
外周側で端拡がり状に傾斜した粗胴壁相当部とを形成
し、次に、粗胴壁相当部を押圧ローラで内方に押すこと
によりコーナ部の角張り形状を保ったまま折り曲げて上
記コーナ部を介して上記基体に連設された円筒状の粗胴
壁を形成し、この後、上記コーナ部よりも内周側の基体
の肉厚範囲内に対応する箇所で粗胴壁の上記コーナ部に
耳部成形用ローラの先尖り成形面を押し付けてその箇所
をすり割りすることにより耳部を環状に張出させるとい
うものである。請求項5記載の板金製プーリの製造方法
は、請求項4記載の方法において、角張ったコーナ部と
そのコーナ部よりも外周側で傾斜した粗胴壁相当部とを
形成するときに、プレス成形型に具備された位置規制面
に素材の外周端面を当て付けてその素材における上記コ
ーナ部よりも外周側部分をその沿面軸方向に圧縮するこ
とにより、上記コーナ部を形成することと厚肉化された
粗胴壁を形成することとを併行させるというものであ
る。請求項6記載の板金製プーリの製造方法は、請求項
4記載の方法において、円筒状の粗胴壁を形成するとき
に、粗胴壁相当部の幅よりも短い間隔寸法を保って配備
された一対の成形面の間にその粗胴壁相当部を押し込ん
で沿面軸方向に圧縮することにより、上記粗胴壁を形成
することと厚肉化された粗胴壁を形成することとを併行
させるというものである。
【0011】
【作用】請求項1、請求項2または請求項3記載の発明
による板金製プーリの製造方法によれば、基体に連設す
る粗胴壁の端部が角張り形状のコーナ部になっており、
そこに耳部成形用ローラの先尖り成形面を押し付けて耳
部を環状に張出させるので、先尖り成形面が基体の肉厚
範囲内に対応する箇所で粗胴壁のコーナ部に押し付けら
れるとしても、その先尖り成形面をコーナ部に十分に喰
い込ませることが可能になり、先尖り成形面で粗胴壁の
端部をすり割りするときに質量不足が生じない。また、
素材の外周部を端拡がり状に折り曲げて傾斜壁を形成し
た後、その傾斜壁を角出し部を具備する折曲げ用成形面
を備えたプレス成形型で挾むことによって上記コーナ部
の角張り形状を形成するという手順を採用しているの
で、コーナ部の角張り形状が無理なく確実に形成され
る。
【0012】請求項2または請求項3記載の発明による
板金製プーリの製造方法によれば、粗胴壁相当部を沿面
軸方向に圧縮して厚肉化された粗胴壁を形成するという
工程が、コーナ部を角張り形状に仕上げることの助けに
なる。
【0013】請求項4、請求項5または請求項6記載の
発明による板金製プーリの製造方法によれば、基体に連
設する粗胴壁の端部が角張り形状のコーナ部になってお
り、そこに耳部成形用ローラの先尖り成形面を押し付け
て耳部を環状に張出させるので、先尖り成形面が基体の
肉厚範囲内に対応する箇所で粗胴壁のコーナ部に押し付
けられるとしても、その先尖り成形面をコーナ部に十分
に喰い込ませることが可能になり、先尖り成形面で粗胴
壁の端部をすり割りするときに質量不足が生じない。ま
た、素材の外周部に角張ったコーナ部と傾斜した粗胴壁
相当部とを形成することが、素材をプレス成形型で挾む
ことにより同時にまたは相前後して行われるので、これ
らを別々の工程で行うよりも生産効率が高まる。
【0014】請求項5または請求項6記載の発明による
板金製プーリの製造方法によれば、粗胴壁相当部を沿面
軸方向に圧縮して厚肉化された粗胴壁を形成するという
工程が、コーナ部を角張り形状に仕上げることの助けに
なる。
【0015】
【実施例】図1に請求項1記載の発明の実施例による板
金製プーリの製造方法を説明的に示してある。
【0016】この製造方法においては、所定厚さの円板
状の鋼材やアルミニウム材などの金属製素材が最初に用
意され、この素材をプレスすることによって図1(a)
に示した成形体A1が形成される。この成形体A1は、
上記素材の内周部の絞り加工により形成された凹入部1
1と、その周囲(すなわち素材の外周部)の円環状の水
平部12とを備えており、上記凹入部11はベアリング
などの軸受を取り付けるための軸受嵌着部として利用さ
れる。
【0017】図1(a)の成形体A1に対しては、水平
部12を凹入部11の深さ方向Dに所定角度だけ折り曲
げる加工がなされる。図2にこの折曲げ工程を説明的に
示してあり、同図左側に示したように受面31を備えた
下型32に図1の成形体A1をセットした後、同図右側
に示したように上型34を下降させて成形体A1の水平
部12を押面33で上記受面31に押し付ける。この工
程を経て得られた成形体A2を図3と図1(b)に示し
てあり、折曲げ加工により形成された傾斜壁を符号13
で示してある。
【0018】図1(b)の成形体A2の傾斜壁13に対
して角出し工程が行われる。この角出し工程では、たと
えば図4に説明的に示したプレス成形型が用いられる。
このプレス成形型は、角張った入隅でなる角出し部35
aを具備する折曲げ用成形面35を備えた上型36や、
受面37を備えた下型38などを有している。角出し工
程は、図4左側のように、下型38に成形体A2をセッ
トした後、同図右側に示したように上型36を下降させ
て成形体A2の傾斜壁13を受面37と折曲げ用成形面
35とで挾圧することにより行われる。図1(c)は角
出し工程を経て得られた成形体A3の具体例を説明的に
示したものであり、この成形型A3には角張ったコーナ
部14とそのコーナ部14よりも外周側で端拡がり状に
傾斜した粗胴壁相当部15aが備わっている。この成形
体A3において、コーナ部14は上記折曲げ用成形面3
5の角張った入隅でなる角出し部35aによって成形さ
れているから、その輪郭線に丸み(アール)がないか、
あるいは丸みがあるとしても曲率半径のきわめて小さな
丸みがあるに過ぎない。すなわち、コーナ部14は見掛
け上尖っている。このように、角出し工程を図1(a)
の成形体A1の傾斜壁13に対して行うことによりコー
ナ部14の角張り形状が無理なく確実に形成される。
【0019】図1(c)の成形体A3に対しては、次
に、粗胴壁相当部15aを折り曲げて円筒状の粗胴壁1
5を形成する工程が行われて図1(d)の成形体A4が
得られる。この成形体A4において、円筒状の粗胴壁1
5の端部の角張り形状すなわち上記コーナ部14の角張
り形状はそのまま保たれている。図1(d)の成形体A
4は、たとえば図5に示した上下の回転受型41,42
や押圧ローラ43などを用いて形成される。すなわち、
上下の回転受型41,42の間にセットした図1(c)
の成形体A3を回転させながら、仮想線で示した粗胴壁
相当部15aを矢印aのように押圧ローラ43で内方に
徐々に押し付けていき、粗胴壁相当部15aを凹入部1
1の軸心と平行な円筒状の粗胴壁15に成形して上記成
形体A4を得る。押圧ローラ43で傾斜壁13を内方に
押し付けても、コーナ部14はその角張り形状を保って
いる。
【0020】図1(d)の成形体A4の粗胴壁15に対
しては、耳部16を形成したり、ポリV溝18を形成す
る工程が行われて図1(e)の成形体A5が得られる。
そして、この成形体A5が板金製ポリV溝プーリとして
の用途に供される。耳部16の成形には図6に例示した
ような耳部成形用ローラ44が用いられる。この耳部成
形用ローラ44は先尖り成形面45を環状に備えてい
る。そして、上型46と下型47とをそれらの間にセッ
トされた成形体A4と共に回転させながら、粗胴壁15
のコーナ部14(図4参照)に上記先尖り成形面45を
押し付けていく。粗胴壁15のコーナ部14に対する先
尖り成形面45の押付け箇所は、コーナ部14よりも内
周側の基体10の肉厚範囲内に対応する箇所である。こ
こで、基体10とは、コーナ部14で囲まれた部分、す
なわち上記凹入部11とそれにつながっている傾斜壁1
3の一部である。このようにすると、粗胴壁15のコー
ナ部14に先尖り成形面45が十分に喰い込み、その喰
込みによりコーナ部14が次第にすり割りされていく。
したがって、質量不足を生じることなく、肉が十分に外
方に伸び出て適正形状の耳部16が形成される。ポリV
溝18の成形には図7に示したポリV溝成形用ローラ4
8が用いられる。このポリV溝成形用ローラ48は凹凸
状のポリV溝成形面49を備えており、成形体を回転さ
せながらポリV溝成形面49を粗胴壁15に押し付けて
いくことにより図7のようにポリV溝18が成形され、
図8に示した板金製プーリが得られる。同図の板金製プ
ーリは、凹入部11と傾斜部13の一部とによって形成
される基体10の外周にベルト掛け用の円筒状の胴壁2
0が一体に設けられ、胴壁20の基体10に連設する側
の端部に耳部16が環状に張出された構成を有してい
る。
【0021】以上説明した板金製プーリの製造方法にお
いて、図1(d)の成形体A4の粗胴壁15に対しては
厚肉化が行われていない。すなわち、図1(a)の成形
体A1における水平部12、図1(b)や図1(c)の
成形体A2,A3における傾斜壁13や粗胴壁相当部1
5a、図1(d)の成形体A4における粗胴壁15の各
肉厚は同一または略同一(それぞれの厚さをT1で示し
てある。)である。しかしながら、耳部形成が行われる
前の粗胴壁15のコーナ部14が尖っているので、粗胴
壁15の厚肉化がなされていなくても、また、基体10
の肉厚範囲内に対応する箇所で粗胴壁15のコーナ部1
4に耳部成形用ローラ44の先尖り成形面45を押し付
けても、その先尖り成形面45が粗胴壁15の端部に十
分に喰い込み、耳部成形箇所で肉が十分に外方に伸び出
て、質量不足を生じることなく適正形状の耳部16が形
成される。
【0022】この実施例では、耳部16の形成とポリV
溝18の形成とを別々の工程で行い、図7で説明したポ
リV溝形成のときに耳部16がさらに外方に延び出すよ
うにしているけれども、図7に示したポリV溝成形用ロ
ーラ48だけで耳部形成とポリV溝の成形とを同時に行
うことも可能である。また、この実施例では、円板状の
素材の内周部に、軸受嵌着部として利用される凹入部1
1を形成してあるけれども、このような凹入部11を形
成する必要性は必ずしもなく、たとえば、基体10が平
坦な板状になっているものであってもよい。
【0023】図9に請求項2記載の発明の実施例による
板金製プーリの製造方法を行う途中の過程で得られる成
形体A6,A7の形状を説明的に示してある。
【0024】この実施例においては、図1で説明したと
ころの、角張ったコーナ部14と端拡がり状に傾斜した
粗胴壁相当部15aとを形成するときに、粗胴壁相当部
15aが厚肉化される。すなわち、図1(b)で説明し
た成形体A2の傾斜壁13に対し、図10に示したプレ
ス成形型を用いて、角出しと厚肉化された粗胴壁相当部
15aの形成とが併行される。図10のプレス成形型
は、角張った入隅でなる角出し部35aを具備する折曲
げ用成形面35を備えた上型36や、受面37を備えた
可動下型38aや位置規制面39を備えた固定下型38
bなどを有している。そして、可動下型38aに上記成
形体A2をセットした後、図10左側のように、上型3
6を下降させて受面37と折曲げ用成形面35とで傾斜
壁13を挾み付けることにより、角張ったコーナ部14
とそのコーナ部14よりも外周側で端拡がり状に傾斜し
た粗胴壁相当部15aとを成形する。そして、受面37
と折曲げ用成形面35とで傾斜壁13を挾み付けたま
ま、図10右側のように、上型36と可動下型38aと
を下降させて素材の外周端面(この実施例では粗胴壁相
当部15aの外周端面)を固定下型38bの位置規制面
39に当て付けることにより、コーナ部14よりも外周
側部分をその沿面軸方向(矢印F方向)に圧縮し、粗胴
壁相当部15aを厚肉化する。こうして成形された成形
体A6を図9(a)や図11に示してある。図9(a)
の成形体A6を図1(c)の成形体A3と比べると、図
9(a)の成形体A6は粗胴壁相当部15aの肉厚T2
が図1(c)の成形体A3の粗胴壁相当部15aの肉厚
T1よりも厚くなっている点で異なるだけである。した
がって、折曲げ用成形面35の角張った入隅でなる角出
し部35aによって成形されたコーナ部14は見掛け上
尖っている。
【0025】図9(a)の成形体A6に対しては、次
に、粗胴壁相当部15aを折り曲げて円筒状の粗胴壁1
5を形成する工程が行われて図9(b)の成形体A7が
得られる。この成形体A7の粗胴壁15に対して、図6
や図7で説明した耳部成形やポリV溝18の成形が行わ
れる。
【0026】図9を参照して説明した板金製プーリの製
造方法において、図9(b)の成形体A7の粗胴壁15
は厚肉化されており、しかもコーナ部14は尖ってい
る。そのため、図6や図7で説明したように、基体10
の肉厚範囲内に対応する箇所で粗胴壁15のコーナ部1
4に耳部成形用ローラ44の先尖り成形面45を押し付
けても、その先尖り成形面45が粗胴壁15の端部に十
分に喰い込むようになり、そのために、耳部成形箇所で
肉が十分に外方に伸び出て適正形状の耳部16が形成さ
れるのである。
【0027】図12に請求項3記載の発明の実施例によ
る板金製プーリの製造方法を行う途中の過程で得られる
成形体A8の形状を説明的に示してある。
【0028】この実施例においては、図1で説明したと
ころの、円筒状の粗胴壁15を形成することによって厚
肉化された粗胴壁15が形成される。すなわち、図1
(c)で説明した成形体A3の粗胴壁相当部15aを厚
肉化しながら粗胴壁15に成形することが行われる。こ
の工程では、図13に示したように、成形型A3の粗胴
壁相当部15aの幅Wよりも短い間隔寸法W1を保って
配備された上下一対の成形面81,82の間に上記成形
型A3をセットし、押圧ローラ83によって粗胴壁相当
部15aを矢印aのように内方に押し付けてその粗胴壁
相当部15aを成形面81,82の間に押し込むという
操作が行われる。これにより、粗胴壁相当部15aが沿
面軸方向に圧縮されて厚肉化し、もって厚肉化された粗
胴壁15が形成される。こうして成形された成形体A8
を図12に示してある。図12の成形体A8の形状は図
9(b)の成形体A7と同様に、コーナ部14が見掛け
上尖っている。
【0029】図12の成形体A8の粗胴壁15に対し
て、図6や図7で説明した耳部成形やポリV溝18の成
形が行われる。
【0030】図12を参照して説明した板金製プーリの
製造方法において、成形体A8の粗胴壁15は厚肉化さ
れており、しかもコーナ部14は尖っている。そのた
め、図6や図7で説明したように、基体10の肉厚範囲
内に対応する箇所で粗胴壁15のコーナ部14に耳部成
形用ローラ44の先尖り成形面45を押し付けても、そ
の先尖り成形面45が粗胴壁15の端部に十分に喰い込
むようになり、そのために、耳部成形箇所で肉が十分に
外方に伸び出て適正形状の耳部16が形成されるのであ
る。
【0031】図14に請求項4記載の発明の実施例によ
る板金製プーリの製造方法を説明的に示してある。
【0032】この実施例においては、所定厚さの円板状
の鋼材やアルミニウム材などの素材が最初に用意され、
この素材をプレスすることによって図14(a)に示し
た成形体A1が形成される。この成形体A1は図1
(a)の成形体A1とまったく同じものであり、その製
作手順も同様である。
【0033】図14(a)の成形体A1に対しては、水
平部12に対しプレス加工が行われて図14(b)の成
形体A9が製作される。この成形体A9は、図1(c)
の成形体A3と同じ形状であり、角張ったコーナ部14
とそのコーナ部14よりも外周側で端拡がり状に傾斜し
た粗胴壁相当部15aとが形成されている。この成形体
A9の製作には図1(c)の成形体A3を製作するのに
用いたものと同様のプレス成形型を用いることが可能で
ある。
【0034】図14(b)の成形体A9に対しては、次
に、粗胴壁相当部15aを折り曲げて円筒状の粗胴壁1
5を形成する工程が行われて図14(c)の成形体A1
0が得られる。この成形体A10は図1(d)の成形体
A4と同じ形状であり、製作手順も同じである。
【0035】図14(c)の成形体A10の粗胴壁15
に対しては、耳部16を形成したり、ポリV溝18を形
成する工程が行われて図14(d)の成形体A11が得
られる。耳部16の成形やポリV溝18の成形は、図1
で説明したところと同様にして行われる。
【0036】図14を参照して説明した板金製プーリの
製造方法において、図14(c)の成形体A10の粗胴
壁15に対しては厚肉化が行われていないけれども、耳
部形成が行われる前の粗胴壁15のコーナ部14が尖っ
ているので、基体10の肉厚範囲内に対応する箇所で粗
胴壁15のコーナ部14に耳部成形用ローラ44の先尖
り成形面45(図6・図7参照)を押し付けても、その
先尖り成形面45が粗胴壁15の端部に十分に喰い込む
ようになり、そのために、耳部成形箇所で肉が十分に外
方に伸び出て、質量不足を生じることなく適正形状の耳
部16が形成される。
【0037】図15に請求項5記載の発明の実施例によ
る板金製プーリの製造方法を行う途中の過程で得られる
成形体A12,A13の形状を説明的に示してある。
【0038】この実施例においては、図14(a)で説
明したところの、角張ったコーナ部14と端拡がり状に
傾斜した粗胴壁相当部15aとを形成するときに、粗胴
壁相当部15aが厚肉化される。すなわち、図14
(a)で説明した成形体A1の水平部12に対し、角出
しと厚肉化された粗胴壁相当部15aの形成とが併行さ
れる。この工程は、図10で説明したものと同様のプレ
ス成形型を用いて行うことが可能である。すなわち、こ
の工程では、図10右側のように、折曲げ用成形面35
の角出し部35aで水平部12に角張ったコーナ部14
を成形すると共に、折曲げ用成形面35によって水平部
12を端拡がり状に折り曲げ、さらに、素材の外周端面
(この実施例では粗胴壁相当部15aの外周端面)を固
定下型38bの位置規制面39に当て付けることによ
り、コーナ部14よりも外周側部分をその沿面軸方向
(矢印F方向)に圧縮し、粗胴壁相当部15aを厚肉化
する。こうして成形された成形体A12を図15(a)
に示してある。図15(a)の成形体A12を図14
(b)の成形体A9と比べると、図15(a)の成形体
A12は粗胴壁相当部15aの肉厚T2が図14(b)
の成形体A9の粗胴壁相当部15aの肉厚T1よりも厚
くなっている点で異なるだけである。したがって、折曲
げ用成形面35の角張った入隅でなる角出し部35aに
よって成形されたコーナ部14は見掛け上尖っている。
【0039】図15(a)の成形体A12に対しては、
次に、粗胴壁相当部15aを折り曲げて円筒状の粗胴壁
15を形成する工程が行われて図15(b)の成形体A
13が得られる。この成形体A13の粗胴壁15に対し
て、図6や図7で説明した耳部成形やポリV溝の成形が
行われる。
【0040】図15を参照して説明した板金製プーリの
製造方法において、図15(b)の成形体A13の粗胴
壁15は厚肉化されており、しかもコーナ部14は尖っ
ている。そのため、図6や図7で説明したように、基体
10の肉厚範囲内に対応する箇所で粗胴壁15のコーナ
部14に耳部成形用ローラ44の先尖り成形面45を押
し付けても、その先尖り成形面45が粗胴壁15の端部
に十分に喰い込むようになり、そのために、耳部成形箇
所で肉が十分に外方に伸び出て適正形状の耳部16が形
成されるのである。
【0041】図16に請求項6記載の発明の実施例によ
る板金製プーリの製造方法を行う途中の過程で得られる
成形体A14の形状を説明的に示してある。
【0042】この実施例においては、図14で説明した
ところの、円筒状の粗胴壁15を形成することによって
厚肉化された粗胴壁15が形成される。すなわち、図1
4(b)で説明した成形体A9の粗胴壁相当部15aを
厚肉化しながら粗胴壁15に成形することが行われる。
この工程では、図13で説明した成形型と同じ成形型を
用いることができ、その成形手順も同じである。こうし
て成形された図16の成形体A14の形状は図15
(b)の成形体A13と同様に、コーナ部14が見掛け
上尖っている。
【0043】図16の成形体A14の粗胴壁15に対し
て、図6や図7で説明した耳部成形やポリV溝18の成
形が行われる。
【0044】図16を参照して説明した板金製プーリの
製造方法において、成形体A14の粗胴壁15は厚肉化
されており、しかもコーナ部14は尖っている。そのた
め、図6や図7で説明したように、基体10の肉厚範囲
内に対応する箇所で粗胴壁15のコーナ部14に耳部成
形用ローラ44の先尖り成形面45を押し付けても、そ
の先尖り成形面45が粗胴壁15の端部に十分に喰い込
むようになり、そのために、耳部成形箇所で肉が十分に
外方に伸び出て適正形状の耳部16が形成されるのであ
る。
【0045】図1、図9、図12、図14、図15およ
び図16において、同一または相当する部分には同一符
号を付すことにより詳細な説明を省略してある。
【0046】
【発明の効果】各請求項に記載した発明の板金製プーリ
の製造方法によれば、粗胴壁の角張ったコーナ部に耳部
成形用ローラの先尖り成形面を押し付けてそのコーナ部
をすり割りすることにより環状の耳部が張出されるの
で、先尖り成形面が基体の肉厚範囲内に対応する箇所で
上記コーナ部に押し付けられるとしても、耳部形成に際
して質量不足(肉厚不足)が生じず、適正形状の耳部を
確実に形成することが可能になる。また、円板状の素材
から角張ったコーナ部を無理なく形成することができる
という効果もある。
【0047】そして、特に、請求項4、請求項5または
請求項6に記載の発明による板金製プーリの製造方法に
よれば、工程数が削減されて生産効率が向上し、また、
請求項2、請求項3、請求項5、請求項6のいずれかに
記載の板金製プーリにの製造方法によれば、厚肉化され
た粗胴壁の角張ったコーナ部に耳部成形用ローラの先尖
り成形面を押し付けて粗胴壁のコーナ部をすり割りする
ことにより環状の耳部が張出されるので、適正形状の耳
部をいっそう確実に形成することが可能になるという効
果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(e)は請求項1記載の発明の実施例
による板金製プーリの製造方法を行うことにより得られ
る各成形体の形状を示す説明図である。
【図2】成形体の水平部を折り曲げる加工に用いるプレ
ス成形型の説明図である。
【図3】成形体の水平部を折り曲げことにより成形され
た成形体の部分断面図である。
【図4】成形体の傾斜壁にコーナ部を成形する加工に用
いるプレス成形型の説明図である。
【図5】押圧ローラなどを示す説明図である。
【図6】耳部成形の説明図である。
【図7】耳部成形とポリV溝成形の説明図である。
【図8】成形された板金製プーリの断面図である。
【図9】(a)および(b)は請求項2記載の発明の実
施例による板金製プーリの製造方法を行うことにより得
られる各成形体の形状を示す説明図である。
【図10】成形体の傾斜壁に対する角出しと、厚肉化さ
れた粗胴壁相当部の形成とを行うためのプレス成形型を
示す説明図である。
【図11】角出しと粗胴壁相当部とが形成された成形体
の断面図である。
【図12】請求項3記載の発明の実施例による板金製プ
ーリの製造方法を行うことにより得られる各成形体の形
状を示す説明図である。
【図13】粗胴壁相当部を沿面軸方向に圧縮して厚肉化
する手順の一例を示す説明図である。
【図14】(a)〜(d)は請求項4記載の発明の実施
例による板金製プーリの製造方法を行うことにより得ら
れる各成形体の形状を示す説明図である。
【図15】(a)および(b)は請求項5記載の発明の
実施例による板金製プーリの製造方法を行うことにより
得られる各成形体の形状を示す説明図である。
【図16】請求項6記載の発明の実施例による板金製プ
ーリの製造方法を行うことにより得られる各成形体の形
状を示す説明図である。
【図17】従来方法で板金製プーリを製造するときに中
間工程で得られる成形体の形状を示す断面図である。
【図18】従来方法で板金製プーリを製造するときに中
間工程で得られる他の成形体の形状を示す断面図であ
る。
【図19】従来方法による耳部成形の説明図である。
【符号の説明】
10 基体 13 傾斜壁 14 コーナ部 15 粗胴壁 15a 粗胴壁相当部 16 耳部 35a 角出し部 35 折曲げ用成形面 39 位置規制面 43,83 押圧ローラ 44 耳部成形用ローラ 45 先尖り成形面 F 沿面軸方向 W 粗胴壁相当部の幅 W1 一対の成形面の間隔寸法

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体の外周にベルト掛け用の円筒状の胴
    壁が一体に設けられ、この胴壁における上記基体に連設
    する側の端部に耳部が環状に張出された板金製プーリの
    製造方法において、 円板状の素材の外周部を端拡がり状に折り曲げて傾斜壁
    を形成した後、この傾斜壁を角出し部を具備する折曲げ
    用成形面を備えたプレス成形型で挾んで上記角出し部に
    より成形された角張ったコーナ部とそのコーナ部よりも
    外周側で端拡がり状に傾斜した粗胴壁相当部とを形成
    し、次に、粗胴壁相当部を押圧ローラで内方に押すこと
    によりコーナ部の角張り形状を保ったまま折り曲げて上
    記コーナ部を介して上記基体に連設された円筒状の粗胴
    壁を形成し、この後、上記コーナ部よりも内周側の基体
    の肉厚範囲内に対応する箇所で粗胴壁の上記コーナ部に
    耳部成形用ローラの先尖り成形面を押し付けてその箇所
    をすり割りすることにより耳部を環状に張出させること
    を特徴とする板金製プーリの製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の板金製プーリの製造方法
    において、角張ったコーナ部と端拡がり状に傾斜した粗
    胴壁相当部とを形成するときに、プレス成形型に具備さ
    れた位置規制面に素材の外周端面を当て付けてその素材
    における上記コーナ部よりも外周側部分をその沿面軸方
    向に圧縮することにより、上記コーナ部を形成すること
    と厚肉化された粗胴壁相当部を形成することとを併行さ
    せる板金製プーリの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の板金製プーリの製造方法
    において、円筒状の粗胴壁を形成するときに、粗胴壁相
    当部の幅よりも短い間隔寸法を保って配備された一対の
    成形面の間にその粗胴壁相当部を押し込んで沿面軸方向
    に圧縮することにより、上記粗胴壁を形成することと厚
    肉化された粗胴壁を形成することとを併行させる板金製
    プーリの製造方法。
  4. 【請求項4】 基体の外周にベルト掛け用の円筒状の胴
    壁が一体に設けられ、この胴壁における上記基体に連設
    する側の端部に耳部が環状に張出された板金製プーリの
    製造方法において、 角出し部を具備する折曲げ用成形面を備えたプレス成形
    型で円板状の素材を挾むことにより、その素材の外周部
    に、角張ったコーナ部とそのコーナ部よりも外周側で端
    拡がり状に傾斜した粗胴壁相当部とを形成し、次に、粗
    胴壁相当部を押圧ローラで内方に押すことによりコーナ
    部の角張り形状を保ったまま折り曲げて上記コーナ部を
    介して上記基体に連設された円筒状の粗胴壁を形成し、
    この後、上記コーナ部よりも内周側の基体の肉厚範囲内
    に対応する箇所で粗胴壁の上記コーナ部に耳部成形用ロ
    ーラの先尖り成形面を押し付けてその箇所をすり割りす
    ることにより耳部を環状に張出させることを特徴とする
    板金製プーリの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の板金製プーリの製造方法
    において、角張ったコーナ部とそのコーナ部よりも外周
    側で傾斜した粗胴壁相当部とを形成するときに、プレス
    成形型に具備された位置規制面に素材の外周端面を当て
    付けてその素材における上記コーナ部よりも外周側部分
    をその沿面軸方向に圧縮することにより、上記コーナ部
    を形成することと厚肉化された粗胴壁相当部を形成する
    こととを併行させる板金製プーリの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項4記載の板金製プーリの製造方法
    において、円筒状の粗胴壁を形成するときに、粗胴壁相
    当部の幅よりも短い間隔寸法を保って配備された一対の
    成形面の間にその粗胴壁相当部を押し込んで沿面軸方向
    に圧縮することにより、上記粗胴壁を形成することと厚
    肉化された粗胴壁を形成することとを併行させる板金製
    プーリの製造方法。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59209435A (ja) * 1983-05-11 1984-11-28 Aisin Seiki Co Ltd 鈑金製ポリvプ−リの製造方法

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