JPH07278947A - 中空繊維およびその製造方法 - Google Patents

中空繊維およびその製造方法

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JPH07278947A
JPH07278947A JP6930894A JP6930894A JPH07278947A JP H07278947 A JPH07278947 A JP H07278947A JP 6930894 A JP6930894 A JP 6930894A JP 6930894 A JP6930894 A JP 6930894A JP H07278947 A JPH07278947 A JP H07278947A
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fiber
alkali
hollow
polyester
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JP6930894A
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English (en)
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Seiji Hirakawa
清司 平川
Izumi Wataya
泉 綿谷
Kazuhiko Tanaka
和彦 田中
Hisafumi Takanabe
久文 高鍋
Masao Kawamoto
正夫 河本
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】清涼感、保温性、吸水性、ソフト感、膨らみ等
の特性を兼ね備えた天然繊維に似た風合を有する繊維お
よびその製造方法を提供する。 【構成】吸水率が3%以上である耐アルカリ性ポリマ−
からなり、特定の中空率、中空部の断面積変動係数を有
する中空繊維であり、該繊維は、耐アルカリ性ポリマ−
を鞘成分とし、80℃の温度、濃度40g/lの水酸化
ナトリウム水溶液により処理した時のアルカリ溶解速度
恒数が30×10-8〜100×10-8cm/secの範
囲にあるポリエステルを芯成分とする芯鞘複合繊維を紡
糸した後、アルカリ水溶液で処理して芯成分であるポリ
エステルを分解溶出させて得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、天然繊維に似たソフト
な風合を有し、空気層による断熱効果を利用しての保温
性、クリ−ニング効果、清涼感、軽量性に富んだ中空繊
維を得る製造方法に関するものである。また、アルカリ
水溶液による処理性が良好で、しかも均一性に優れた布
帛が得られる方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルやポリアミド等の合成繊維
は、その優れた物理的、化学的特性によって衣料用のみ
ならず、産業用にも広く使用されており、工業的に重要
な価値を有している。しかしながら、これらの合成繊維
は、その単糸繊度が大きいこと、その横断面形状が単純
であること、その表面の内部構造が均一かつ単純である
こと等からプラスチック的な冷たい感じがあり、冬季の
衣料としての暖かさや保温性が不十分であるという欠点
を有している。また吸水性に乏しく、夏季の衣料とした
場合、気温および温度の高い環境下では着用時にムレ易
く、快適性に劣る欠点を有する。
【0003】そこで、上記のような合成繊維の欠点を改
良するために、複数のポリマ−を複合して複合繊維にし
たり、合成繊維の横断面を異形化したり、繊維を中空化
することが広く行なわれている。しかしながら、清涼
感、吸水性、保温性、軽量性、嵩高性等の性能を兼ね備
えた膨らみのある良好な風合を有する繊維は未だ得られ
てはいない。
【0004】中空繊維の場合、中空紡糸ノズルから紡出
して製造することが一般に行なわれているが、繊維に一
旦中空構造が付与されても固化するまでの間に、溶融状
態にある樹脂の表面張力や紡糸時の引取り張力等によっ
て中空部の割合が減少し易く、中空率の高い中空繊維を
得ることが困難である。また、たとえ中空率の高い繊維
が得られても、後加工工程において中空部が潰れやすい
ので、上記の諸特性を備えた中空繊維は得られていな
い。
【0005】後加工工程における問題点を解決するため
に、鞘成分としてポリアミドを用い、芯成分としてポリ
エステルを用いた芯鞘複合繊維からなる布帛をアルカリ
水溶液処理して芯成分であるポリエステルの一部を溶解
除去し、芯成分と鞘成分との間に中空部を設けてなる布
帛の製造方法が特開平3−124857号公報、特開平
3−124878号公報に提案されている。
【0006】しかしながら、該公報に提案されている中
空繊維は芯成分としてポリエステルが存在するため、中
空率の高い繊維とはならず、必然的に保温性、軽量性に
富んだ繊維とはならない。また、芯成分であるポリエス
テルがポリエチレンテレフタレ−トであるため、アルカ
リ水溶液により該ポリエチレンテレフタレ−トを一部分
解除去する場合の速度が遅く、ポリエチレンテレフタレ
−トの分解に長時間かかり、また高温を必要とするので
アルカリ水溶液が通過する鞘成分であるポリアミドの劣
化が生じる。さらに、芯成分であるポリエステルの分解
により生じた低重合物が除去されにくく、該低重合物が
中空部に付着し、後加工工程中に繊維表面にブリ−ドア
ウトし、繊維の品質を落とすのみならず、処理工程に悪
影響を及ぼす等の問題を有している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、清涼
感、保温性、吸水性、ソフト感、膨らみ等の特性を兼ね
備えた天然繊維に似た風合を有する中空繊維および該繊
維を、ポリマ−設計、繊維化工程におけるトラブル、望
ましくない着色等を生ずることなく得る方法を提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、吸水率が3%
以上であり、耐アルカリ性のポリマ−からなる中空繊維
であって、中空率が30%以上、繊維軸方向における中
空部の断面積変動係数が0.8以下であることを特徴と
する中空繊維であり、該ポリマ−を鞘成分とし、80℃
の温度、濃度40g/lの水酸化ナトリウム水溶液によ
り処理した時のアルカリ溶解速度恒数が30×10-8〜
130×10-8cm/secの範囲にあるポリエステル
を芯成分とする芯鞘複合繊維を紡糸した後、アルカリ水
溶液で処理して、該複合繊維の芯成分であるポリエステ
ルを分解溶出させてなる中空繊維の製造方法である。
【0009】本発明に係わる耐アルカリ性のポリマ−と
は、吸水率が3%以上のポリマ−であることが重要であ
る。ここで「吸水率」とは、厚さ15ミクロンのフィル
ムの形態の吸水率である。吸水率3%未満のポリマ−で
ある場合、芯鞘複合繊維をアルカリ水溶液処理して中空
繊維を製造する際に、アルカリ水溶液が鞘成分ポリマ−
中を容易に拡散通過することができず、芯成分であるポ
リエステルを溶解除去することができない。また、鞘成
分ポリマ−はアルカリ水溶液処理時の劣化、損傷を回避
するために、耐アルカリ性であることも重要である。
「耐アルカリ性のポリマ−」とは、100℃、濃度40
g/l、処理時間1時間の条件での水酸化ナトリウム水
溶液による減量率が0であるポリマ−を示す。
【0010】また、本発明の中空繊維は繊維軸方向にお
ける中空部の断面積変動係数が0.8以下、とくに0.
5以下であることが好ましい。該断面積変動係数とは繊
維の任意の1ケ所の2cmを選び出し、それを1mm間
隔ごとの中空部の断面積の大きさを顕微鏡観察により測
定し、その変化を表したものである。
【0011】このような耐アルカリ性ポリマ−としては
ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610等のポリア
ミド、エチレンビニルアルコ−ル系共重合体等が好適で
あるが、なかでもエチレン含有量が75モル%未満のエ
チレンビニルアルコ−ル系共重合体が好ましい。これら
のポリマ−の重合度は一般衣料用に用いられる範囲であ
り、繊維形成が可能な範囲であれればよい。なお、これ
らのポリマ−には酸化チタン等の艶消剤、紫外線吸収
剤、酸化防止剤等の通常の繊維用添加剤を加えて用いて
もよい。
【0012】芯成分であるポリエステルは、温度80
℃、濃度40g/lの水酸化ナトリウム水溶液により処
理した時のアルカリ溶解度恒数が30×10-8〜130
×10-8cm/secの範囲にあることが重要である。
このようなアルカリ溶解速度恒数を有するポリエステル
であれば、とくにその組成に限定されるものではない。
【0013】本発明におけるアルカリ溶解度は下記式
〔I〕で示される値である。
【数1】 上記の条件において、このアルカリ溶解度恒数の値が3
0×10-8cm/sec未満の場合、芯成分であるこの
ポリエステルをアルカリ水溶液で処理して100%分解
除去するためには長時間を要し、また高温を必要とする
ため、鞘成分であるポリマ−の劣化を招くことになる。
一方、アルカリ溶解度恒数の値が130×10-8cm/
secを越えると、このポリエステルを芯成分とする複
合繊維を紡糸する際、断糸が多発し紡糸することができ
なくなる。複合繊維の紡糸性を良好にし、鞘成分の劣化
を防止するために、該条件におけるアルカリ溶解度恒数
の値が40×10-8〜100×10-8cm/secの範
囲にあることが好ましい。
【0014】このようなアルカリ溶解速度恒数を有する
ポリエステルとして、易アルカリ溶解ポリエステルとし
て公知のポリエステル、たとえばイソフタル酸、アルキ
レングリコ−ル、スルホイソフタル酸アルカリ金属塩等
を共重合させたポリエステルを挙げることができる。な
かでも、エチレンテレフタレ−トを主たる繰り返し単位
とし、かつスルホイソフタル酸アルカリ金属塩、下記式
〔III]で表されるジオ−ル単位、および下記式〔IV〕で
表される側鎖単位を含有した共重合ポリエステルである
ことが好ましい。以下、この共重合ポリエステルについ
て説明する。スルホン酸塩基含有化合物とは、下記式
〔II〕を含む化合物である。
【0015】
【化1】 (式中、Arは3価の芳香族基、Mは金属原子を示す)
【0016】
【化2】 (式中、R1 はアルキレン基、mは10〜100の数を
示す)
【0017】
【化3】 (式中、R2 はアルキレン基、R3 は炭素数1〜18の
炭化水素基、nは10〜100の数、xおよびyはそれ
ぞれ0または1を示す)
【0018】上記式〔II〕で示されるジカルボン酸単位
は、共重合ポリエステルを構成する全酸成分の0.5〜
10モル%、式〔III]で表されるジオール単位および式
〔IV〕で表される側鎖単位は、それぞれ共重合ポリエス
テルの重量に基づいて1〜20重量%含有され、かつ式
〔III]で表されるジオール単位と式〔IV〕で表される側
鎖単位の含有率の合計が共重合ポリエステルの重量に基
づいて2〜40重量%である共重合ポリエステルが好ま
しい。
【0019】上記共重合ポリエステルにおいては、それ
を構成するジカルボン酸単位として、上記の式〔II〕で
表されるジカルボン酸単位[以下、「ジカルボン酸単位
〔II〕」という]が共重合ポリエステルを構成する全酸
成分の0.5〜10モル%、とくに1〜7モル%の割合
で含有されることが好ましい。ジカルボン酸単位〔II〕
の共重合割合が0.5モル%未満であるとアルカリ処理
の際に該共重合ポリエステルが溶解しにくくなり、一方
10モル%を越えるとその金属スルホネート成分のイオ
ン相互作用により、該共重合ポリエステルを製造するた
めの重縮合反応中に増粘が起こり、共重合ポリエステル
が所望の極限粘度になるまで重縮合反応を継続すること
が困難になる。
【0020】ジカルボン酸単位〔II〕においては、Ar
が3価の芳香族基であり、Mは金属原子であり、基Ar
としては1,3,5−ベンゼントリイル基、1,2,3
−ベンゼントリイル基、1,2,4−ベンゼントリイル
基等のベンゼントリイル基;1,3,6−ナフタレント
リイル基、1,3,7−ナフタレントリイル基、1,
4,5−ナフタレントリイル基、1,4,6−ナフタレ
ントリイル基等のナフタレントリイル基などを挙げるこ
とができる。また金属原子Mはナトリウム、リチウム等
のアルカリ金属原子である。該共重合ポリエステルは、
1種類のジカルボン酸単位〔II〕のみを有していてもま
たは2種以上のジカルボン酸単位〔II〕を有していても
よい。
【0021】該共重合ポリエステルはエチレンテレフタ
レ−ト単位を主たる繰り返し単位とするが、テレフタル
酸およびジカルボン酸単位〔II〕以外の共重合され得る
カルボン酸単位として、イソフタル酸、1,4−ナフタ
レンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、
2,5−ナフタレンジカルボン酸、1,6−ナフタレン
ジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、
3,3’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェ
ニルイソプロピリデンジカルボン酸、1,2−ジフェノ
キシエタン−4’,4”−ジカルボン酸、2,5−アン
トラセンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸;β−ヒ
ドロキシエトキシ安息香酸、p−オキシ安息香酸等の芳
香族ヒドロキシカルボン酸;またはそれらのエステル形
成性誘導体から誘導された芳香族ジカルボン酸単位を挙
げることができ、これらの芳香族ジカルボン酸単位は1
種類のみまたは2種以上含まれていてもよい。上記した
芳香族ジカルボン酸単位と共に、アジピン酸、アゼライ
ン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸;シクロヘキ
サンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸やそのエステ
ル形成性誘導体から誘導された単位を含んでいてもよ
い。
【0022】また、該共重合ポリエステルは上記の式
〔III]で表されるジオール単位[以下「ジオール単位
〔III]」という]を共重合ポリエステルの重量に基づい
て1〜20%含有していることがよく、ジオール単位
〔III]の割合が1重量%未満であると、共重合ポリエス
テルのアルカリ溶解性が低下し、一方20重量%を越え
ると紡糸性が困難になる場合がある。ジオール単位〔II
I]において、R1 は炭素数1〜4のアルキレン基である
のが好ましく、エチレン基またはプロピレン基であるの
がより好ましく、R1 がエチレン基であるのがアルカリ
溶解性などの点から特に好ましい。ジオール単位〔III]
において、そのオキシアルキレン単位の重合度を示すm
は上記したように10〜100の範囲内の数であり、m
が20〜80の範囲の数であるのが好ましい。ジオール
単位〔III]において、mが10よりも小さいとアルカリ
溶解性が小さくなり、一方mが100を越えてもアルカ
リ溶解性はさして向上せず、むしろ着色などを生じやす
くなる。ジオール単位〔III]の例としては、mが上記1
0〜100の範囲内であるポリオキシエチレングリコー
ル、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチ
レン/ポリオキシプロピレングリコール等から誘導され
た単位を挙げることができ、該共重合ポリエステルにお
いてジオール単位〔III]は一種のみまたは2種以上含ま
れていてもよい。
【0023】また、該共重合ポリエステルは、エチレン
グリコ−ルおよびジオール単位〔III]以外の他のジオー
ル単位を含有していてもよく、他のジオール単位として
は、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、
テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコー
ル、ヘキサメチレングリコール、ノナメチレングリコー
ル、3−メチルペンタン−1,5−ジオール、2−メチ
ルオクタン−1,8−ジオール、ジエチレングリコール
等の脂肪族ジオール;シクロヘキサンジメタノール等の
脂環族ジオールなどから誘導される単位を挙げることが
でき、これらのジオール単位は1種類のみ含まれていて
も2種類以上含まれていてもよい。
【0024】そして、該共重合ポリエステルは更に上記
の式〔IV〕で表される側鎖単位[以下「側鎖単位〔I
V〕」という]を共重合ポリエステルの重量に基づいて
1〜20重量%有していることがよく、側鎖単位〔IV〕
の割合が1重量%未満であると、アルカリ溶解性が低下
し、一方20重量%を越すと紡糸性が困難になる。側鎖
単位〔IV〕は、例えば下記式〔V〕;
【0025】
【化4】 [式中、Dはジカルボン酸成分やジオールなどと反応し
て、共重合ポリエステルの主鎖に対して、上記した式
〔IV〕で示される側鎖単位〔IV〕を導入し得る基であ
り、R2 、R3 およびnは上記と同じ基、数を示す]で
表される化合物を共重合ポリエステルの製造時に反応さ
せることにより共重合ポリエステル中に導入することが
できる。
【0026】上記式〔V〕で表される化合物において、
エステル形成性の基Dの例としては、例えば下記式;
【化5】 で表されるグリシジル基、または下記式;
【化6】 で表される2,3−ジヒドロキシプロピル基などを挙げ
ることができる。
【0027】側鎖単位〔IV〕において、はR2 は炭素数
1〜4のアルキレン基であるのが好ましく、エチレン基
またはプロピレン基であるのがより好ましく、エチレン
基が特に好ましい。また、R3 の具体例としてはメチ
ル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチ
ル、sec−ブチル、tert−ブチル、nペンチル、
n−オクチル、、2−エチルヘキシル、n−ドデシル、
n−ステアリル、などのアルキル基;シクロヘキシルな
どの炭素数6〜18のアリール基を挙げることができ
る。また、この側鎖単位〔IV〕はエチレン基とプロピレ
ン基が同じ分子中に存在してもよい。さらに、側鎖単位
〔IV〕において、そのオキシアルキレン単位の重合度を
示すnは上記したように10〜100の範囲、とくに2
0〜80の範囲の数であるのが好ましい。nが10より
も小さいとアルカリ溶解性が小さくなり、一方nが10
0を越えてもアルカリ溶解性はさして向上せず、着色の
原因となるだけである。
【0028】側鎖単位〔IV〕の具体例としては、ポリオ
キシエチレングリコール−メチル−グリシジルエーテ
ル、ポリオキシエチレングリコール−メチル−2,3−
ジヒドロキシプロピルエーテル、ポリオキシエチレング
リコール−エチル−グリシジルエーテル、ポリオキシエ
チレングリコール−エチル−2,3−ジヒドロキシプロ
ピルエーテル、ポリオキシエチレングリコール−n−プ
ロピル−グリシジルエーテル、ポリオキシエチレングリ
コール−n−プロピル−2,3−ジヒドロキシプロピル
エーテル、ポリオキシエチレングリコール−t−ブチル
−グリシジルエーテル、ポリオキシエチレングリコール
−t−ブチル−2,3−ジヒドロキシプロピルエーテ
ル、ポリオキシエチレングリコール−n−オクチル−グ
リシジルエーテル、ポリオキシエチレングリコール−n
−オクチル−2,3−ジヒドロキシプロピルエーテル、
ポリオキシエチレングリコール−2−エチルヘキシル−
2,3−グリシジルエーテル、ポリオキシエチレングリ
コール−2−エチルヘキシル−2,3−ジヒドロキシプ
ロピルエーテル、ポリオキシエチレングリコール−n−
ステアリル−グリシジルエーテル、ポリオキシエチレン
グリコール−n−ステアリル−2,3−ジヒドロキシプ
ロピルエーテル、ポリオキシエチレングリコール−フェ
ニル−グリシジルエーテル、ポリオキシエチレングリコ
ール−フェニル−2,3−ジヒドロキシプロピルエーテ
ル、ポリオキシエチレングリコール−ノニルフェニル−
グリシジルエーテル、ポリオキシエチレングリコール−
ノニルフェニル−2,3−ジヒドロキシプロピルエーテ
ル、ポリオキシエチレングリコール−シクロヘキシル−
グリシジルエーテル、ポリオキシエチレングリコール−
シクロヘキシル−2,3−ジヒドロキシプロピルエーテ
ル、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレングリコ
ール共重合体のメチルグリシジルエーテル、ポリオキシ
エチレン/ポリオキシプロピレングリコール共重合体の
メチル−2,3−ジヒドロキシプロピルエーテル、ポリ
オキシエチレン/ポリオキシプロピレングリコール共重
合体のn−プロピル−2,3−ジヒドロキシプロピルエ
ーテルなどから誘導された単位を挙げることができ、こ
れらの単位は共重合ポリエステル中に単独で含まれてい
てもまたは2種以上含まれていてもよい。
【0029】そして、該共重合ポリエステルにおいて
は、ジオール単位〔III]と側鎖単位〔IV〕を合計した含
有率が該共重合ポリエステルの重量に基づいて2〜40
重量%、とくに5〜30重量%の範囲であるのが望まし
い。ジオール単位〔III]および側鎖単位〔IV〕の合計含
有率が2重量%よりも少ないと、アルカリ溶解性が低下
し、一方40重量%を越えると紡糸性が困難になる。
【0030】また、該共重合ポリエステルは、上記した
単位以外にも、たとえばグリセリン、トリメチロールプ
ロパン等のトリオール;ペンタエリスリトール等のテト
ラオール;トリメリット酸、トリメシン酸等のトリカル
ボン酸;ピロメリット酸等のテトラカルボン酸などの4
価以上のポリカルボン酸などの多官能成分から誘導され
た共重合単位をポリエステルの溶融紡糸や溶融成形が可
能な範囲内で少量含んでいてもよい。
【0031】そして、該共重合ポリエステルはフェノー
ルとテトラクロルエタンの等重量混合溶媒中、30℃で
測定した極限粘度が0.5〜1.5dl/g、とくに
0.6〜1.0dl/gであることが、紡糸時の工程性
などの点から好ましい。
【0032】該共重合ポリエステルは上記した各単位を
共重合ポリエステル中に導入し得るジカルボン酸成分、
ジオール成分、上記の式〔V〕で示した側鎖単位〔IV〕
用化合物等を用いて常法により重縮合反応を行わせるこ
とにより製造することができる。たとえば、第一段階で
まずそれらの原料成分を用いてエステル化反応またはエ
ステル交換反応を行って低重合体を生成させ、ついで第
二段階でその低重合体を重合触媒の存在下、減圧下に加
熱して所望の重合度になるまで重縮合させることにより
製造することができるが、勿論この方法に限定されな
い。その際に、重縮合反応の前のエステル化反応または
エステル交換反応工程で、ポリエステルの製造に際して
使用される公知のエステル化触媒およびエステル交換反
応触媒を必要に応じて使用することができる。
【0033】本発明に係わる芯鞘複合繊維の芯成分、鞘
成分の繊維断面における形状と位置関係は、芯成分の周
囲を実質的に鞘成分が覆っている形状であればどのよう
であってもよい。たとえば、同心円状2層芯鞘複合形態
が生産上好ましいが、他の複合形態、たとえば繊維形状
が方形、楕円形、星型等の任意の形状であってもよい
し、芯成分の形状が同様な任意の形状であってもよく、
芯成分と鞘成分とが偏心していてもよい。
【0034】鞘成分と芯成分の複合比は繊維の性能、目
的とする中空率、保温性、清涼感、軽量性等の点から最
適の複合条件を設定すればよい。一般に、鞘成分と芯成
分の複合比は鞘成分/芯成分=7/3〜3/7(重量
比)、とくに鞘成分/芯成分=6/4〜4/6(重量
比)であることが好ましい。鞘成分の比率が大きすぎる
と、アルカリ水溶液処理において、十分な大きさの中空
部を得ることができず、目的とする保温性、軽量性が得
られにくい。また、アルカリ水溶液処理におけるアルカ
リ水溶液の鞘成分への浸透性および分解溶出されるポリ
エステルの除去に時間と高温を必要とするため、鞘成分
ポリマ−の劣化が生じ易い。一方、芯成分の比率が大き
すぎると芯成分ポリマ−を分解溶出してなる中空部の維
持が困難となり、繊維または布帛としての使用耐久性が
低下する場合がある。
【0035】本発明に係る芯鞘複合繊維は、芯成分とし
てたとえば上記の共重合ポリエステルを用い、鞘成分と
して上記の耐アルカリ性のポリマ−を用いて、通常、芯
鞘複合繊維を製造する際に採用されている溶融複合紡
糸、溶融複合紡糸延伸等の方法により製造することがで
きる。このようにして製造された芯鞘複合繊維は、繊維
のまま、あるいは該複合繊維を通常の方法で製織、製編
して布帛とし、ついでアルカリ水溶液中に浸漬して複合
繊維の芯成分であるポリエステルをほぼ100%分解溶
出させ中空繊維となすことが可能である。本発明におい
ては、鞘成分として吸水率が3%以上の耐アルカリ性の
ポリマ−を用い、芯成分として特定のアルカリ溶解速度
恒数を有するポリエステルを用いることにより、アルカ
リ水溶液処理で、芯成分のポリエステルが100%分解
溶出されて、完全中空型の繊維が得られるのである。本
発明の製造方法で得られる中空繊維を用いて製織編する
ことも可能ではあるが、工程性、中空繊維の中空部の維
持等において、製織編後にアルカリ水溶液処理して中空
となすことが好ましい。
【0036】アルカリ水溶液処理は、アルカリの種類、
濃度、処理温度、処理時間により決定されるが、鞘成分
ポリマ−の劣化等を考慮して、一般的には水酸化ナトリ
ウムを用いた場合、濃度は10〜40g/l、温度80
〜100℃を採用することが好ましい。処理温度が10
0℃を越えてもさしつかえないが、この場合は高圧で行
うことが好ましい。処理時間は得られる複合繊維、布帛
の品質の点において短い方がよく、また処理温度は低い
方がよい。
【0037】本発明に係わる芯鞘複合繊維において、芯
成分ポリマ−としてスルホイソフタル酸アルカリ金属塩
を共重合してなるポリエステルを用いた場合、上記アル
カリ水溶液処理を行なうにあたってあらかじめ複合繊
維、または布帛を酸処理して、スルホイソフタル酸アル
カリ金属塩を酸の形に変えておくとアルカリ水溶液処理
を容易に行なうことができるので好ましい。
【0038】本発明でいう「繊維」とは、モノフィラメ
ント等の長繊維、ステ−プル等の短繊維、フィラメント
糸、紡績糸、天然繊維、半合成繊維、他の合成繊維との
混繊糸や混紡糸、合撚糸、交絡糸、捲縮糸、その他の加
工糸を総称するものである。また、「布帛」とは前述の
繊維をその一部または全部として製織、製編された織編
物のみならず、不織布をも含むものである。
【0039】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳述するが、本
発明はこれら実施例により何等限定されるものではな
い。なお、実施例における各物性は以下の方法により測
定した値である。 (1)ポリエステルの極限粘度(dl/g) ポリマ−をテトラクロロエタン/フェノ−ル混合溶媒
(等重量比)に溶解し、30℃で測定した値である。 (2)吸水率(%) ポリマ−から厚さ15ミクロンのフィルムを作製し、こ
のフィルムを水中に30分以上浸漬した後、ろ紙で余分
な水を拭きとり、105℃で4時間乾燥して下記式によ
り求めた。 吸水率(%)={(B−A)/A}×100 A:105℃、4時間乾燥後の重量 B:水中浸漬後、ろ紙で余分な水を拭きとった後の重量 (3)芯鞘複合繊維のアルカリ減量率(%) 芯鞘複合繊維を用いて筒編みにした試料に水酸化ナトリ
ウム水溶液処理を施し、処理前後の重さを測定して減量
率を算出した。 (4)中空率(%) アルカリ水溶液処理後の繊維の断面の走査型電子顕微鏡
写真をとり、該写真を紙に書き写し、芯部、鞘部の割合
を紙の重量により算出し、中空率を求めた。なお、サン
プルは繊維1m当たり5ケ所をとり、その平均値で中空
率を求めた。 (5)空孔度(%) 中空率(実測値)に対する芯鞘の複合比から算出した中
空率(理論値)の比率を算出して求めた。 空孔度(%)=[中空率(実測値)/中空率(理論
値)]×100 (6)中空部の断面積変動係数 繊維の任意の1ケ所の2cmを選び出し、、それを1m
m間隔ごとの中空部の断面積の大きさを、約800倍に
程度に拡大した顕微鏡写真を撮り、20個の断面積を測
定し、その平均値(A)、20個の断面積の標準偏差
(δA)を求めて算出した。 断面積変動係数=(δA)/(A)
【0040】実施例1〜4 5−ナトリウムスルホイソフタル酸、分子量が2000
のポリエチレングリコ−ル、および下記式で示される側
鎖型ポリオキシアルキレン基含有化合物を表1に示され
る割合で共重合したポリエチレンテレフタレ−ト(極限
粘度〔η〕:実施例1=0.51、実施例2=0.7
6、実施例3=0.48、実施例4=0.60)を芯成
分ポリマ−とし、鞘成分ポリマ−として下記のエチレン
ビニルアルコールを用いて、50デニ−ル/24フィラ
メントの芯鞘複合繊維の延伸糸を製造した。 エチレンビニルアルコ−ル:エチレン共重合量44モル
%、ケン化度99%、固有粘度〔η〕=1.5dl/g
(85%含水フェノ−ルを溶剤とし、30℃で測定)
【化7】 得られた延伸糸を用いて筒編地を作成し、アクチノ−ル
R−100(松本油脂製)1g/l、80℃で30分精
練した後、水酸化ナトリウム濃度40g/l、85℃で
アルカリ処理を行った。アルカリ処理後の繊維の中空
率、空孔度、中空部の断面積変動係数を表1に示す。鞘
部ポリマ−の損傷を招くことなく、短時間で、また低い
アルカリ濃度で処理することができ、芯成分がほとんど
完全に溶解除去された中空繊維が得られた。
【0041】比較例1 芯成分ポリマ−として、極限粘度〔η〕=0.65のポ
リエチレンテレフタレ−トを用いる他は実施例1と同様
にして複合紡糸を行い、筒編地を作成した。ついで同条
件でアルカリ処理を行ったが処理時間が1時間では空孔
度が5%であり、空孔度を高めるためには処理時間を長
くせざるを得ず、処理時間を長くして空孔度を高めよう
としたが、鞘成分ポリマ−の膠着・融着が大きくなり、
布帛として用をなさなかった。
【0042】比較例2〜4 芯成分ポリマ−として、イソフタル酸を8モル%共重合
したポリエチレンテレフタレ−ト(極限粘度〔η〕=
0.63、比較例2)、5−ナトリウムスルホイソフタ
ル酸を5モル%共重合したポリエチレンテレフタレ−ト
(極限粘度〔η〕=0.49、比較例3)、分子量が2
000のポリエチレングリコ−ルを15重量%共重合し
たポリエチレンテレフタレ−ト(極限粘度〔η〕=0.
62、比較例4)を用いる他は実施例1と同様にして複
合紡糸を行い、筒編地を作成した。ついで同条件でアル
カリ処理を行ったが、処理時間を1時間にしても空孔度
はそれぞれ6%、50%、8%であり、満足な空孔度を
有しておらず、満足な中空繊維とはならなかった。
【0043】実施例5 芯成分ポリマ−として、実施例1で用いた共重合ポリエ
チレンテレフタレ−トを用い、鞘成分ポリマ−として、
ナイロン6(宇部興産社製)を用いる他は実施例1と同
様にして複合紡糸を行い、筒編地を作成した。ついで処
理温度を95℃にする他は同条件でアルカリ処理を行っ
た。処理時間が2時間で空孔度が100%の中空繊維が
得られた。
【0044】実施例6 芯成分として、5−ナトリウムスルホイソフタル酸を5
モル%共重合したポリエチレンテレフタレ−ト(極限粘
度〔η〕=0.49)を用いる他は実施例1と同様にし
て複合紡糸を行い、筒編地を作成した。ついで同条件で
アルカリ処理を行った。1時間のアルカリ処理により空
孔度は95%であった。
【0045】比較例5 芯成分ポリマ−として、実施例1で用いた共重合ポリエ
チレンテレフタレ−トを用い、鞘成分ポリマ−として、
ポリプロピレン(住友化学社製)を用いる他は実施例1
と同様にして複合紡糸を行い、筒編地を作成した。つい
で同条件でアルカリ処理を行ったが処理時間が1時間で
は空孔度が2%であった。さらに処理を続けて2時間経
過したところで空孔率を測定したが、変化がなかった。
鞘成分ポリマ−であるポリプロピレンの吸水率が0.3
%であるために、アルカリ水溶液が鞘成分ポリマ−中を
容易に拡散通過することができず、芯成分ポリマ−を分
解除去できないので空孔度が低いものであった。
【0046】比較例6〜7 表1に示される共重合ポリエチレンテレフタレ−トを芯
成分ポリマ−として用い(それぞれの極限粘度〔η〕=
0.51)、鞘成分ポリマ−としてナイロン12(三菱
化成社製、比較例6)、ポリブチレンテレフタレ−ト
(三菱化成社製、比較例7)を用いる他は実施例1と同
様にして複合紡糸を行い、筒編地を作成した。ついで処
理温度を95℃に上げて実施例1と同条件で2時間アル
カリ処理を行ったが、比較例6では空孔度が30%であ
り、比較例7では鞘成分ポリマ−のアルカリによる損傷
が大きく布帛の形態を為していなかった。
【0047】比較例8 表1に示される共重合ポリエチレンテレフタレ−ト(極
限粘度〔η〕=0.70)を芯成分ポリマ−として用い
る他は実施例2と同様にして複合紡糸を行い、筒編地を
作成した。ついで同条件でアルカリ処理を行った。芯成
分ポリマ−のアルカリ溶解速度恒数が小さいために、ア
ルカリ処理時間が2時間でも空孔度が75%であった。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、特定のアルカリ溶解速
度恒数を有する芯成分ポリマ−と、特定の吸水率を有す
る耐アルカリ性のポリマ−を鞘成分ポリマ−として用い
ることにより、マイルドな条件でアルカリ処理を施して
繊維軸方向に中空部の断面積の変動がほとんどない完全
な中空繊維を得ることが可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D06M 11/38 (72)発明者 高鍋 久文 岡山県倉敷市酒津1621番地 株式会社クラ レ内 (72)発明者 河本 正夫 岡山県倉敷市酒津1621番地 株式会社クラ レ内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】吸水率が3%以上であり、耐アルカリ性の
    ポリマ−からなる中空繊維であって、中空率が30%以
    上、繊維軸方向における中空部の断面積変動係数が0.
    8以下であることを特徴とする中空繊維。
  2. 【請求項2】吸水率が3%以上であり耐アルカリ性のポ
    リマ−を鞘成分とし、80℃の温度、濃度40g/lの
    水酸化ナトリウム水溶液により処理した時のアルカリ溶
    解速度恒数が30×10-8〜130×10-8cm/se
    cの範囲にあるポリエステルを芯成分とする芯鞘複合繊
    維を紡糸した後、アルカリ水溶液で処理して芯成分であ
    るポリエステルを分解溶出させてなる中空繊維の製造方
    法。
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