JPH07279082A - パルプシート脱水用プレスロール - Google Patents

パルプシート脱水用プレスロール

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JPH07279082A
JPH07279082A JP6074594A JP6074594A JPH07279082A JP H07279082 A JPH07279082 A JP H07279082A JP 6074594 A JP6074594 A JP 6074594A JP 6074594 A JP6074594 A JP 6074594A JP H07279082 A JPH07279082 A JP H07279082A
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less
stainless steel
duplex stainless
corrosion resistance
roll
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JP6074594A
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Minoru Hineno
実 日根野
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Kubota Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 パルプマシンで漉きとられた厚肉のパルプシ
ートの脱水用プレスロールの腐蝕疲労強度および耐食性
等の改良。 【構成】 ロールの胴部材として、中空円筒体(胴部基
体)の外側周面に溶接肉盛層を形成したものを使用す
る。胴部基体は、析出硬化型二相ステンレス鋼(好まし
くは、C:0.1〜2%,Si:2%以下,Mn:2
%,Cr:24〜30%,Ni:3〜8%,Mo:0.
5〜3%,Cu:4%以下,N:0.01〜0.3%,
残部Fe)からなる遠心力鋳造体であり、溶接肉盛層
は、高耐食性低炭素二相ステンレス鋼(好ましくは、
C:0.08%以下,Si:2%以下,Mn:2%以
下,Cr:20〜30%,Ni:5〜10%,Mo:1
〜5%,N:0.01〜0.3%,残部Fe)からな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、厚肉シート状パルプの
脱水処理用プレスロールに関する。
【0002】
【従来の技術】パルプシートの脱水用ロールであるプレ
スロールは、遠心力鋳造品である耐食合金からなる中空
円筒体を胴部材とし、その両端開口に軸部材が嵌装され
た構造を有している。その胴部材は、パルプシートの水
分を搾出するためのプレス圧の負荷による応力(繰り返
し応力)と、搾出された水分(SO4 --やCl- 等を含
む強酸性腐蝕液である)の接触とが重畳する使用環境に
置かれるので、腐蝕疲労強度にすぐれたものであること
が要求される。従来より、その胴部材として、抄紙工程
の湿潤紙の脱水用ロール(サクションロール)の胴部構
成材料と同種の高耐食合金、例えばJIS G5121 SCS11 二
相スレンレス鋼(C:0.08%以下, Ni:4〜7%,C
r:23〜27%, Mo:1.5 〜2.5 %)、あるいは0.05%
C−19%Ni−5%Cr−2%Mo−3%Cu- Fe系
二相ステンレス鋼(特公昭61-58548号公報)等が使用さ
れてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】パルプシートの脱水ロ
ール(プレスロール)を、湿潤紙の脱水ロール(サクシ
ョンロール)と比較すると、サクションロールの胴部材
は、その周面に多数の小孔(サクションホール)が分散
穿設されているのに対し、プレスロールの胴部材は、無
孔の中空円筒体である。このため、サクションロールで
は搾出された水分(強酸性腐蝕液)が胴部材の外側周面
だけでなく、サクションホールを介して内側周面に廻り
込むが、これと異なってパルプシートのプレスロールで
は、搾出された水分と接触するのは胴部材の外側周面の
みであり、内周面側は冷却水として供給される工業用水
(もしくは水道水)が接触するに過ぎない。従って腐蝕
環境の点からみると、プレスロールの使用条件は、サク
ションロールに比べて緩和ではある。しかし、その反
面、水分の搾出のために負荷されるプレス圧は、サクシ
ョンロールのそれが約80KN/mm2 程度であるのに対
し、約280KN/mm2ないしそれ以上と、サクション
ロールの3倍を超える高負荷である。
【0004】更に、両者の実使用過程におけるロール損
傷の発生形態を対比すると、サクションロールでは、サ
クションホールの周縁部を起点とした腐蝕疲労による亀
裂が生じ易いのに対し、プレスロールでは、胴部材の内
側周面(工業用水等の冷却水が接触する側)に腐蝕疲労
による亀裂を生じ易く、その内周面側の損傷がロール廃
却の主たる原因となっている。このように、パルプシー
トの脱水ロールは、繰り返し応力と腐蝕因子の重畳作用
下に使用される点で湿潤紙の脱水ロールと共通してはい
るものの、具体的使用条件およびロール損傷の発生形態
は、サクションロールとは著しく相違している。従っ
て、パルプシートの脱水用プレスロールの耐久性を高め
脱水操業を効率よく遂行するためのロール胴部材は、サ
クションロールとは異なる使用条件とロール損傷の発生
形態に対応した独自の設計に基づいて構成されるべきで
ある。本発明はかかる観点に基づいてなされたものであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のパルプシート脱
水用プレスロールは、ロール胴部材が、析出強化型二相
ステンレス鋼からなる遠心力鋳造体である中空円筒体を
胴部基体とし、その外側周面に、溶接肉盛層である高耐
食性低炭素二相ステンレス鋼からなる被覆層が形成され
ている二層積層体であることを特徴としている。
【0006】
【作用】ロール胴部材は、析出強化型二相ステンレス鋼
からなる円筒体(遠心力鋳造品)を基体としていること
により、プレス圧の負荷に伴う高い応力の反復作用に対
する高腐蝕疲労強度を有し、かつ低炭素高耐食性ステン
レス鋼でその外周面を被覆保護されていることにより、
パルプシートから搾出される強酸性腐蝕液に対する腐蝕
抵抗性を帯有する。また、胴部基体の被覆層が溶接肉盛
層として形成されてることにより、基体内側周面に圧縮
残留応力が導入され、その圧縮残留応力の導入効果とし
て、脱水操作工程で反復作用する応力が低減緩和され、
胴部材の内周面側の腐蝕疲労に対する抵抗性が高められ
る。更にその圧縮残留応力は、胴部材の内側表面に微細
な亀裂が存在する場合の亀裂閉口に寄与し、表面欠陥の
切り欠き感受性の低減にも奏効する。
【0007】以下、本発明について詳しく説明する。本
発明のプレスロールは、析出強化型二相ステンレス鋼か
らなる円筒状鋳造品を胴部材の基体とする。析出強化型
ステンレス鋼は、低炭素二相ステンレス鋼のような高耐
食材料ではないが、高強度を有することにより、工業用
水等の緩和な腐蝕環境における反復作用応力の高い使用
条件に対し、高度の腐蝕疲労強度を発揮する。その析出
強化型二相ステンレス鋼の好ましい例として、C:0.
1〜2%,Si:2%以下,Mn:2%,Cr:24〜
30%,Ni:3〜8%,Mo:0.5〜3%,Cu:
4%以下,N:0.01〜0.3%,残部実質的にFe
からなるものが挙げられる。このものは、δ−フェライ
ト相とオーステナイト相からなる基地(その二相の量比
「δ−フェライト/オーステナイト」は、好ましくは約
40/60〜70/30である)に、Cr炭化物や、C
uのα’相等の析出物が微細に分散析出した組織を有
し、強度が高く、腐蝕疲労に対する抵抗性に優れてい
る。
【0008】胴部基体の材料として使用される上記析出
強化型二相ステンレス鋼の成分限定理由は次のとおりで
ある。 C:0.1〜2% 固溶強化および炭化物の析出強化作用による合金の強化
のために、0.1%以上を必要とする。添加増量に伴い
その効果を増す。好ましくは、0.5%以上である。し
かし、2%を超えると、靱性および耐食性の不足をきた
すので、これを超えてはならない。好ましくは1.7%
以下である。
【0009】Si:2%以下 合金溶製工程における脱酸剤として添加され、また湯流
れ性の改善効果を有する。このための添加量は2%まで
で十分である。また、それを超えると、合金の靱性の不
足、溶接性の低下をきたす。
【0010】Mn:2%以下 合金溶製工程の脱酸・脱硫元素であり、鋳造性の改善に
も奏効する。2%を超えると効果はほぼ飽和し、それ以
上の増量は合金の耐食性を悪くする。
【0011】Cr:24〜30% フェライト生成元素であり、かつ合金の耐食性改善効果
を有する。2相組織の確保と、耐食性の確保のため、2
4%以上が必要である。30%を上限とするのは、鋳造
性の悪化、および合金の2相組織におけるフェライト量
比の過剰による靱性の低下を回避するためである。好ま
しくは、27%以下である。
【0012】Ni:3〜8% 強力なオーステナイト生成元素であり、2相組織におけ
る所定量のオーステナイト相の生成・安定化、および高
靱性の確保等のために、少なくとも3%を必要とする。
8%を超えると、二相組織における二相の量的バランス
を失する。
【0013】Mo:0.5〜3% Moの一部は基地に固溶して合金の耐食性(孔食,隙間
腐蝕に対する抵抗性)を高め、残部は炭化物を形成し析
出硬化により合金の強度を高める。この効果は0.5%
以上の添加により得られる。3%を超えると効果はほぼ
飽和し、またσ相の生成による合金の脆化,鋳造割れ等
の不具合をきたす。
【0014】Cu:4%以下 オーステナイト相を固溶強化し合金の強度を高めると共
に、耐食性,特に粒界腐蝕抵抗性の向上に寄与する。ま
た、多量(約2%以上)の添加においては、その一部が
α’相として析出することによる強度向上効果を奏す
る。しかし、4%を超えると、合金の靱性が損なわれる
ので、これを越えてはならない。
【0015】N:0.01〜0.3% Nは、合金を固溶強化する。この効果ハ0.01%以上
の添加により現れる。増量により効果を増し、耐食性、
殊に耐孔食性の向上に奏効する。しかし、0.3%を超
えると、窒化物生成量の増大に起因する耐食性の低下を
きたので、これを上限とする。
【0016】胴部基体(析出強化型二相ステンレス鋼か
らなる中空円筒体)の外側周面を被覆保護する溶接肉盛
層は、高耐食性を有する低炭素二相ステンレス鋼により
形成される。プレスロールの外側周面は、内側周面に要
求されるような高い腐蝕疲労強度を必要とせず、パルプ
シートの含有水分(強酸性腐蝕液)に対する十分な耐食
性を帯有することにより、保護層としての役割を果た
す。この溶接肉盛層を形成する低炭素二相ステンレス鋼
は、C:0.08%以下,Si:2%以下,Mn:2%
以下,Cr:20〜30%,Ni:5〜10%,Mo:
1〜5%,N:0.01〜0.3%,残部実質的にFe
からなり、所望によりCu:1%以下を含有する組成を
有するもの(二相の量比「δ−フェライト/オーステナ
イト」は約40/60〜60/40)であってよい。例
えば、従来より抄紙工程の湿潤紙脱水用ロール(サクシ
ョンロール)の胴部材として使用されているSCS11
(C:0.08%以下,Si:1.5%以下,Mn::
1.0%以下,Cr:23〜27%,Ni:4〜7%,
Mo:1.5〜2.5%,N:0.01〜0.3%)
や、SUS329J2L(C:0.03%以下,Si:
1%以下,Mn:1.5%以下,Ni:4.5〜7.5
%,Cr:22〜26%,Mo:2.5〜4%,N:
0.08〜0.3%)等、ここにいう高耐食性低炭素二
相ステンレス鋼の一例として包含される。
【0017】上記胴部基体の被覆層を形成する高耐食性
低炭素二相ステンレス鋼の成分限定理由は次のとおりで
ある。 C:0.08%以下 Cは、高強度を要求される場合における固溶強化および
炭化物の析出強化作用を得るための必須の元素である
が、胴部材の被覆層としての耐食保護機能の点からはそ
のような強化作用の必要はなく、むしろCの存在はCr
等の耐食元素の消耗(炭化物の形成)により耐食性を悪
くする。このため、0.08%以下に制限される。
【0018】Si:2%以下 脱酸作用および融液の流動性の改善効果を有する。2%
を超えると、合金の靱性の低下と溶接性の低下を招く。
【0019】Mn:2%以下 脱酸・脱硫作用を有し、融液の流動性の向上にも奏効す
る。過度の添加は耐食性を損なうので、2%以下に制限
される。
【0020】Cr:20〜30% フェライト生成元素として、また耐食性,特に強酸性腐
蝕環境における孔食,粒界腐蝕に対する抵抗性の確保の
ために、20%以上を必要とする。30%を超えると超
えると、二相組織におけるフェライト相の過剰生成によ
る二相の量的バランスが損なわれる。
【0021】Ni:5〜10% オーステナイト生成元素であり、耐食性および靱性を高
める。そのためには少なくとも5%を必要とするが、1
0%を超える添加は経済性を損なうだけでなく、二相組
織におけるオーステナイト相の過剰による二相の量的バ
ランスを損なう原因となる。
【0022】Mo:1〜5% 耐食性、殊に孔食,隙間腐蝕に対する抵抗性の改善元素
として1%以上添加される。5%を超えると、効果はほ
ぼ飽和し、かつσ相の析出に伴う合金の脆化を招き、ク
ラックを生じ易くなる。
【0023】N:0.01〜0.3% オースナイト生成元素であり、またオーステナイト相に
対するCr,Mo等の耐食元素の分配率を高め、耐食性
(特に耐孔食性)の改善のために、0.01%以上添加
されるが、0.3%を超えると、窒化物の生成に伴い却
って耐食性の低下をきたす。
【0024】Cu:1%以下 Cuはオーステナイト相に固溶し、耐食性を高める。こ
の効果を得るための添加量は1%以下でよい。
【0025】本発明のプレスロールの胴部材は、析出強
化型二相ステンレス鋼からなる遠心力鋳造された中空円
筒体(基体)に、溶体化熱処理を施した後、その処理温
度から緩徐の冷却(空冷ないし炉冷)を行い、ついでそ
の外側面を機械加工後、肉盛溶接により、高耐食性低炭
素二相ステンレス鋼からなる被覆層を積層形成し、所望
により残留応力を調整するための比較的低温度域での焼
鈍処理を施すことにより製造される。胴部材の基体肉厚
は、胴部材の全肉厚(代表的には約70〜100mm)
の大部分を占め、外側表面を被覆する溶接肉盛層の層厚
は、約5〜20mm程度であってよい。
【0026】基体である中空円筒体(遠心力鋳造体)の
溶体化熱処理は、鋳造組織のマクロ・ミクロの成分偏析
を解消して均質性を付与するためであり、その熱処理は
温度約1100〜1250℃に適当時間(肉厚1インチ
当たり約1〜3Hr)加熱保持することにより達成され
る。溶体化処理温度からの冷却を、緩徐の冷却(空冷な
いし炉冷)とするのは、その冷却過程で、Cr炭化物や
Cuのα’相の析出を助長し、析出強化作用を十分に発
現させるためである。所望により、その析出を促進する
ための付加的処理として、溶体化処理後の徐冷につづい
て、温度約500〜700℃に適当時間(肉厚1インチ
当たり約0.5〜1Hr)加熱保持する熱処理(析出強
化熱処理)が施される。
【0027】胴部基体の外側周面を被覆する高耐食性低
炭素二相ステンレス鋼の溶接肉盛の施工は、TIG溶
接,MIG溶接,あるいはプラズマ粉体溶接法等公知の
溶接方式を適用して行えばよい。この被覆層の形成によ
り、パルプシートの含有水分(強酸性腐蝕液)に対する
胴部材の高耐食性が確保されるのみならず、溶接施工に
伴う熱応力として、基体の内側周面に圧縮応力が導入さ
れる。導入される圧縮応力の大きさは、溶接肉盛条件,
胴部材の肉厚等により異なるが、約10〜20Kg/mm2
である。この圧縮応力の残留効果として、胴部材の腐蝕
疲労強度の向上、内周面側の亀裂閉口効果による切り欠
き感受性の低減等の効果が得られる。なお、肉盛溶接施
工により生じる熱歪みが不必要に大きく、熱歪みによる
不具合(溶接肉盛層のクラック発生等)を生じるおそれ
が有るような場合には、熱応力を程よく緩和するための
付加的処理として、焼鈍処理を行うとよい。その焼鈍処
理温度は約650℃以下とし、加熱保持時間は約1Hr
以下とするのがよい。それより高温度・長時間の熱処理
では、残留応力導入の実質的効果が損なわれるからであ
る。
【0028】
【実施例】遠心力鋳造管体に溶体化熱処理を施し、徐冷
後、機械加工を加えてロール胴部基体とし、外側周面に
肉盛溶接を施工して、ロール胴部材として、図1に示す
ような基体1と溶接肉盛層2からなる二層構造を有する
供試材を得る。 (1)基体の溶体化熱処理:1100℃×3Hr。同温度
からの冷却は炉中冷却。 (2)基体の外側周面の肉盛溶接 溶接法:MIG溶接。 溶接電流・電圧:300A,31V、 溶接ワイヤ:径2mm,ワイヤ供給速度3000mm/ 分, 溶接速度:29cm/分,肉盛層数:3層。 溶接施工後、焼鈍処理(650℃×1Hr→空冷)を実
施。
【0029】供試材(ロール胴部材)のサイズは、基体
は外径1200mm,肉厚40mm,長さ6000m
m、肉盛層厚は約3mm(機械加工後)である。この供
試ロールの使用最大応力(円周方向)は、内側面で14
8N/mm2 、外側表面で58N/mm2 である。表1
に、各供試材の基体および溶接肉盛層の化学組成を示
す。表中、No.1およびNo.2は発明例、No.11 およびNo.1
2 は比較例であり、比較例No.11 はSCS11二相ステン
レス鋼相当の単層材の例、No.12 は0.05C-19 Cr-5N
i-2Mo-3Cu- Fe系二相ステンレス鋼(特公昭61-8
4858号公報) 相当の単層材の例である。
【0030】表2は、各供試材の諸特性、および基体内
面側の残留圧縮応力の測定結果を示している。なお、同
表中の強度および腐蝕疲労強度の測定用試験片は、板厚
50mmの板材のV字状の開先(開先角度60°, 開先深さ
45mm, ルート間隔0)に突き合わせ溶接を行って形成
した溶接金属部から切り出して調製したものを使用し
た。 〔腐蝕疲労試験〕 試験片:JIS Z2274 1号平滑疲労試験片(直径10mm)
、 試験液:A 水道水(Cl- 10 ppm, CaCO3 50 pp
m, pH6)、B 白水(Cl- 10000ppm, S2 3 --2
00ppm、pH 3.5)、 試験機:小野式曲げ試験機。回転速度3000rpm 。(試験
液の供給は一般的な滴下法による)。 回転数108 回後における耐久限度(N/mm2 )を測
定。 〔腐蝕試験〕JIS G059の規定に準拠し、全面腐蝕減量を
求める(試験液:5%H2 SO4 水溶液〕。 〔残留応力の測定〕ザックス(Sacks 法) 〔供試材の内
周面に歪みゲージを貼着し、外周面側から切削加工を加
えて肉厚を減じながら歪み量を検出〕による。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】表1および表2に示したように、発明例N
o.1およびNo.2は、積層効果として白水に対する高耐食
性と高負荷の反復作用に対する高い腐蝕疲労強度を有し
ている。また、内周面側に導入された圧縮残留応力は、
実使用過程での作用応力を相殺緩和し腐蝕疲労に対する
抵抗性を高める。
【0034】
【発明の効果】本発明のパルプシート脱水用プレスロー
ルは、異材種の組合せになる二層構造を有する効果とし
て、パルプシートの脱水操業工程における高応力の反復
作用に対する高い腐蝕疲労強度を有すると共に、パルプ
シートから搾出される強酸性腐蝕液に対する良好な耐食
性を具備し、その改良されたロール特性により、パルプ
シートの脱水操業の効率化、ロールメンテナンスの軽減
等の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】プレスロールの胴部材を模式的に示す軸方向断
面図である。
【符号の説明】 1:胴部基体、2:溶接肉盛層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F16C 13/00 A 8613−3J

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロール胴部材が、析出強化型二相ステン
    レス鋼からなる遠心力鋳造体である中空円筒体を胴部基
    体とし、その外側周面に、溶接肉盛層である高耐食性低
    炭素二相ステンレス鋼からなる被覆層が形成されている
    二層積層体であることを特徴とするパルプシート脱水用
    プレスロール。
  2. 【請求項2】 請求項1において、胴部基体を形成する
    析出強化型二相ステンレス鋼が、C:0.1〜2%,S
    i:2%以下,Mn:2%,Cr:24〜30%,N
    i:3〜6%,Mo:0.5〜3%,Cu:4%以下,
    N:0.01〜0.3%,残部実質的にFeからなり、
    被覆層を形成する高耐食性低炭素二相ステンレス鋼が、
    C:0.08%以下,Si:2%以下,Mn:2%以
    下,Cr:20〜30%,Ni:5〜10%,Mo:1
    〜5%,N:0.01〜0.3%,残部実質的にFeか
    らなることを特徴とするパルプシート脱水用プレスロー
    ル。
  3. 【請求項3】 請求項2において、被覆層を形成する高
    耐食性低炭素二相ステンレス鋼が、C:0.08%以
    下,Si:2%以下,Mn:2%以下,Cr:20〜3
    0%,Ni:5〜10%,Mo:1〜5%,N:0.0
    1〜0.3%,Cu:1%以下,残部実質的にFeから
    なることを特徴とするパルプシート脱水用プレスロー
    ル。
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