JPH0729143A - 磁気記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体及びその製造方法

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JPH0729143A
JPH0729143A JP5168905A JP16890593A JPH0729143A JP H0729143 A JPH0729143 A JP H0729143A JP 5168905 A JP5168905 A JP 5168905A JP 16890593 A JP16890593 A JP 16890593A JP H0729143 A JPH0729143 A JP H0729143A
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film
magnetic
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substrate
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JP5168905A
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Ryuji Sugita
龍二 杉田
Kiyokazu Toma
清和 東間
Tatsuro Ishida
達朗 石田
Kazuya Yoshimoto
和也 吉本
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高いS/Nを有する磁気テープを提供するこ
とを目的とする。 【構成】 磁化容易軸が膜法線16に対して傾斜してお
り6〜35原子%の濃度の酸素を含む膜厚0.1μm以
下のCo基の第1の磁性層12が形成され、その上に磁化
容易軸が膜法線16に対して第1の磁性層12と同方向
に傾斜しており6〜35原子%の濃度の酸素を含む膜厚
0.1μm以下のCo基の第2の磁性層13が形成され
ており、第1の磁性層12の長手方向の保磁力Hc1と第
2の磁性層13の長手方向の保磁力Hc2が1<Hc1/H
c2≦1.5なる関係にあり、かつ第1の磁性層の磁化容
易軸と膜法線とのなす角α1が第2の磁性層の磁化容易
軸と膜法線とのなす角α2よりも小なることを特徴とす
る磁気記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高いS/Nの得られる磁
気記録媒体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気記録再生装置は年々高密度化してお
り、短波長記録再生特性の優れた磁気記録媒体が要望さ
れている。現在では基板上に磁性粉を塗布した塗布型磁
気記録媒体が主に使用されており、上記要望を満足すべ
く特性改善がなされているが、ほぼ限界に近づいてい
る。
【0003】この限界を越えるものとして薄膜型磁気記
録媒体が開発されている。薄膜型磁気記録媒体は真空蒸
着法、スパッタリング法、メッキ法等により作製され、
優れた短波長記録再生特性を有する。薄膜型磁気記録媒
体における磁性層としては、Co、Co−Ni、Co−
Ni−P、Co−O、Co−Ni−O、Co−Cr、C
o−Ni−Cr等が検討されている。磁気テープとして
実用化する際には、製造法として真空蒸着法が最も適し
ており、Co−Ni−Oを磁性層とした蒸着テープが既
にHi8方式VTR用テープとして実用化されている。
【0004】蒸着テープ製造方法の一例を、図2を用い
て以下に説明する。図2は蒸着テープを作製するための
真空蒸着装置内部の構成の一例である。基板としての高
分子フィルム1は円筒状キャン2に沿って矢印6の向き
に走行する。蒸発源8から蒸発した蒸発原子9が、高分
子フィルム1に付着することにより磁性層が形成され
る。その際、蒸発原子の基板への入射角は膜形成開始部
の入射角θiから膜形成終了部における蒸発原子の基板
への入射角θfまで連続的に変化する。ここで蒸発原子
の入射角とは、膜法線から測定した、蒸発原子の基板へ
の平均の入射方向である。蒸発源8としては電子ビーム
蒸発源が適しており、この中に蒸発物質7としてのCo
基の合金を充填する。なお、蒸発源として電子ビーム蒸
発源を用いるのは、Co等の高融点金属を高い蒸発速度
で蒸発させるためである。3A、3Bは不要な蒸発原子
が基板に付着するのを防ぐために設けてある遮蔽板であ
る。10は蒸着時に真空槽内に酸素を導入するための酸
素導入口である。現在市販されているHi8方式VTR
用蒸着テープは、以上の様な方法で製造されている。
4、5はそれぞれ高分子フィルム1の供給ロールと巻き
取りロールである。
【0005】このようにして作製されたCo−Oあるい
はCo−Ni−O磁性層は、磁化容易軸が膜法線に対し
て傾斜している。すなわち、磁化容易軸が膜面内あるい
は膜法線方向にあるのではなく、蒸発原子の基板への入
射方向を含む法面内において、膜法線に対して斜めに傾
斜した方向にある。市販のHi8方式VTR用蒸着テー
プは、磁化容易軸がテープの長手方向を含む法面内にお
いて、膜法線から約70゜傾斜している。ここでテープの
長手方向とは、テープの長さ方向のことであり、図2の
ようにして製造する際には、高分子フィルムの走行方向
のことである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】今後、磁気記録再生装
置はますます小型大容量化の方向にある。これを実現す
るためには、線記録密度及びトラック密度の向上がなさ
れなければならない。従って、磁気テープにおいては高
S/N化、特に短波長領域における高S/N化を達成し
なければならない。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記要望を実現
したものであって、基板上に磁化容易軸が膜法線に対し
て傾斜しており6〜35原子%の濃度の酸素を含む膜厚
0.1μm以下のCo基の第1の磁性層が形成され、そ
の上に磁化容易軸が膜法線に対して第1の磁性層と同方
向に傾斜しており6〜35原子%の濃度の酸素を含む膜
厚0.1μm以下のCo基の第2の磁性層が形成されて
おり、第1の磁性層の長手方向の保磁力Hc1と第2の磁
性層の長手方向の保磁力Hc2が1<Hc1/Hc2≦1.5
なる関係にあり、かつ第1の磁性層の磁化容易軸と膜法
線とのなす角が第2の磁性層の磁化容易軸と膜法線との
なす角よりも小なることを特徴とする。
【0008】
【作用】磁気記録媒体を本発明の構成にすることによ
り、再生出力の向上及びノイズの低減を達成でき、高い
S/Nが得られる。
【0009】
【実施例】次に、本発明の磁気記録媒体について説明す
る。図1は本発明の磁気記録媒体の基本構成を示す。本
発明の磁気記録媒体は、基板11上に磁化容易軸が膜法
線16に対して傾斜しており、6〜35原子%の濃度の
酸素を含む膜厚0.1μm以下のCo基の第1の磁性層
12が形成され、その上に磁化容易軸が膜法線16に対
して第1の磁性層と同方向に傾斜しており6〜35原子
%の濃度の酸素を含む膜厚0.1μm以下のCo基の第
2の磁性層13が形成されており、第1の磁性層12の
長手方向の保磁力Hc1と第2の磁性層13の長手方向の
保磁力Hc2が1<Hc1/Hc2≦1.5なる関係にあり、
かつ第1の磁性層12の磁化容易軸方向14と膜法線1
6とのなす角α1が第2の磁性層13の磁化容易軸方向
15と膜法線16とのなす角α2よりも小なるように構
成されている。
【0010】このような構成にすることにより優れたS
/Nが得られることについては後で詳しく述べることに
し、ここでまず本発明の磁気記録媒体の製造方法の一例
を図2に基づいて説明する。
【0011】第1の磁性層を成膜する際には、高分子フ
ィルム1を円筒状キャン2の表面に沿って矢印6の向き
に走行させる。蒸発源8と円筒状キャン2との間には遮
蔽板3A、3Bが配置されている。この遮蔽板の開口部
を通って蒸発原子9は高分子フィルム1に付着する。蒸
発物質7としてCo、Co−Ni等のCo合金を蒸発源
8に充填する。成膜中には酸素導入口10から真空槽内
に酸素を導入する。第1の磁性層形成時の膜形成開始部
及び膜形成終了部における蒸発原子の高分子フィルム1
への入射角を、それぞれθi1及びθf1とする。
【0012】次に、第2の磁性層の成膜方法を説明す
る。第1の磁性層が形成されて巻き取りロール5に巻き
取られた高分子フィルム1を円筒状キャン2の周面に沿
って矢印6の逆向きに走行させ、供給ロール4に巻き戻
す。この際に、蒸発源の電源は切っておき、蒸発を停止
させておく。あるいは、遮蔽板3A、3Bの間の開口部
をシャッター(図示されていない)により閉じて、蒸発
原子が高分子フィルムに付着するのを防止する。
【0013】次に、この高分子フィルム1を矢印6の向
きに走行させて、第2の磁性層を形成する。この際の膜
形成開始部及び膜形成終了部における蒸発原子の入射角
を、それぞれθi2及びθf2とする。蒸発物質7としては
Co合金を蒸発源8に充填しておく。また、酸素導入口
10から真空槽内に酸素を導入する。
【0014】θi1、θf1、θi2、θf2の関係について
は、少なくともθi1<θi2なる条件を満たす必要があ
る。このようにしないと本発明の構成の媒体は得られな
い。さらに、θf1≦θf2、さらに好ましくはθf1<θf2
とすることにより、本発明の媒体が優れた特性を発揮す
る。θi1、θf1、θi2、θf2の具体的な値としては、6
0゜≦θi1≦85゜、51゜≦θf1≦70゜、θi2≧8
0゜、55゜≦θf2≦75゜が望ましい。
【0015】なお、第1、第2の磁性層とも膜中の平均
の酸素濃度は6〜35原子%の範囲内にする必要があ
る。6原子%未満の酸素濃度では、高保磁力が得られな
いためにS/Nが低く、さらに、耐食性や耐久性が悪
い。また35原子%を越えると、飽和磁化が低下しすぎ
るために高い再生出力が得られない。また、第1、第2
の磁性層ともに膜厚が0.1μmを越えるとノイズが高
くなってしまい、高S/Nが得られない。
【0016】従来、2層構造の磁気記録媒体において高
いS/Nを得るための媒体設計指針は、基板側にある第
1の磁性層の長手方向の保磁力Hc1及び磁化容易軸方向
α1と、表面側にある第2の磁性層の長手方向の保磁力
c2及び磁化容易軸方向α2との関係を、Hc1<Hc2
びα1>α2とすることであると考えられていた。これに
対し本発明は、1<Hc1/Hc2≦1.5かつα1<α2
る関係を満足することを特徴としている。
【0017】このように、本発明の磁気記録媒体が従来
の磁気記録媒体と全く逆の構成になっている理由は、本
発明の磁気記録媒体が膜法線に対し斜め方向が磁化容易
軸である強い磁気異方性を有するためだと考えられる。
すなわち、膜法線に対し斜め方向が磁化容易軸である強
い磁気異方性を有する磁気記録媒体の場合には、リング
形磁気ヘッドで信号を記録する際に、本発明の構成にす
ることにより媒体に強い磁化を残せるものと推定され
る。
【0018】高いS/Nを得るためには、従来と全く逆
のHc1>Hc2かつα1<α2なる条件が必須であるが、さ
らにHc1≦1.5Hc2なる条件も満足する必要がある。
これは、Hc1>1.5Hc2になると、1層目と2層目の
磁性層特性の差が大きくなりすぎてしまうために、S/
Nが低下するからである。
【0019】保磁力は磁気異方性と密接な関係があるの
で、下地や柱状結晶粒の傾斜角により制御できる。第1
の磁性層における長手方向の保磁力を、第2の磁性層に
おける長手方向の保磁力よりも高くする手段としては、
第1の磁性層形成時の基板温度を第2の磁性層形成時の
基板温度よりも高くする、あるいは酸素導入量を調整す
ること等が考えられる。
【0020】これら以外にも、第1の磁性層をイオン処
理あるいは/及び電子ビーム処理した基板上に形成し、
第2の磁性層をそれらの処理を施さない基板上に形成す
る方法もある。このようにして本発明の構成の磁気記録
媒体が得られる理由は、磁性層をイオン処理あるいは/
及び電子ビーム処理した基板上に形成することにより、
保磁力を高くすることが可能だからである。
【0021】また、基板として高分子フィルム上にCo
基の酸化層が形成されたものを用いることが、第1の磁
性層の長手方向の保磁力を第2の磁性層の長手方向の保
磁力よりも高くする手段として有効である。Co基の酸
化層は第1及び第2の磁性層と同様に作製すればよい。
ただし、蒸着時に酸素導入口から導入する酸素量は、付
着した膜が酸化膜になるだけの量にする必要がある。
【0022】本発明の磁性層の磁気異方性は、結晶磁気
異方性と形状磁気異方性に起因している。第1の磁性層
の下地としてのCo基の酸化層は、結晶磁気異方性に大
きな影響を及ぼし、この下地層の作製条件により、本発
明の構成になるように、すなわちα1<α2になるように
磁化容易軸方向を制御できる。
【0023】また、磁化容易軸方向は第1及び第2の磁
性層を構成している柱状結晶粒の方向とも関係してい
る。蒸発原子の入射角を変えると柱状結晶粒の方向が変
化し、結晶磁気異方性及び形状磁気異方性の両者に影響
を及ぼす。第1の磁性層を構成する柱状結晶粒の膜法線
に対する傾斜角が、第2の磁性層を構成する柱状結晶粒
の膜法線に対する傾斜角よりも小なるようにすることに
より、第2の磁性層の磁化容易軸を第1の磁性層の磁化
容易軸よりも傾斜させることが可能である。
【0024】以上述べたように、α1<α2なる条件は下
地あるいは柱状結晶粒の傾斜角、あるいはこれら両者の
制御によっても実現できる。すなわち、Co基の酸化層
と柱状結晶粒の傾斜角を制御することにより、優れた特
性を有する磁気記録媒体が得られる。
【0025】さらに、第1の磁性層よりも第2の磁性層
の充填率を小さくすることにより、さらなるノイズの低
下が期待できる。充填率をこのようにするためには、第
2の磁性層の平均の入射角を第1の磁性層の平均の入射
角よりも大きくする、あるいは第2の磁性層蒸着時に酸
素以外にアルゴンや窒素等のガスを導入することが考え
られる。
【0026】以上のようにして、磁化容易軸が膜法線に
対して傾斜している酸素を含むCo基の第1の磁性層が
形成され、その上に磁化容易軸が膜法線に対して傾斜し
ている酸素を含むCo基の第2の磁性層が形成されてお
り、第1の磁性層の長手方向の保磁力Hc1と第2の磁性
層の長手方向の保磁力Hc2が1<Hc1/Hc2≦1.5な
る関係にあり、かつ第1の磁性層の磁化容易軸と膜法線
とのなす角が第2の磁性層の磁化容易軸と膜法線とのな
す角よりも小なる磁気記録媒体が得られる。
【0027】次に、第1の磁性層と第2の磁性層の長手
方向の保磁力及び磁化容易軸方向と、記録再生特性との
関連について説明する。第1の磁性層の長手方向の保磁
力H c1が130kA/m、第2の磁性層の長手方向の保
磁力Hc2が120kA/mであり、第1の磁性層の磁化
容易軸と膜法線とのなす角α1が70゜、第2の磁性層
の磁化容易軸と膜法線とのなす角α2が73゜の場合、
すなわち本発明の1例の場合を(1)、Hc1が120k
A/m、Hc2が130kA/mであり、α1が70゜、
α2が73゜の場合を(2)、Hc1が130kA/m、
c2が80kA/mであり、α1が70゜、α2が73゜
の場合を(3)、Hc1が130kA/m、Hc2が120
kA/mで、α1が73゜、α2が70゜の場合を
(4)、Hc1が120kA/m、Hc2が130kA/m
であり、α1が73゜、α2が70゜の場合を(5)、H
c1が130kA/m、Hc2が80kA/mでα1が73
゜、α2が70゜の場合を(6)として、それぞれの場
合の再生出力とノイズの1例を(表1)に示す。以上の
特性の磁気記録媒体は成膜時の入射角、導入酸素量等を
変えて作製した。なお記録再生特性測定の際には、媒体
表面に膜厚10nmのカーボン保護膜及び膜厚3nmの
潤滑剤を形成した。再生出力は波長0.5μmの信号を
記録再生した場合の値、ノイズは波長0.5μmの信号
を記録再生した際の波長0.6μmに相当する周波数で
の値である。また、(表1)中の値は(1)の値を0d
Bとして、これに対する相対値で示してある。
【0028】
【表1】
【0029】(2)に対して(1)の再生出力が増加す
るのは、(1)の方が、ヘッド磁界の方向とその方向に
おける保磁力との関係が最適になっているためだと思わ
れる。その結果、ヘッド磁界を有効に生かした記録がで
き、また記録減磁を低下させることもできるものと思わ
れる。(1)と(2)のノイズは、磁性層全体の保磁力
がほぼ同じで磁化容易軸の傾斜角も同じであるためにほ
ぼ同じになっている。
【0030】(3)の再生出力が(1)よりも2dB低
く、(3)のノイズが(1)よりも1dB高いのは、第
2の磁性層の保磁力が第1の磁性層に比べて低すぎるた
めだと思われる。このように、Hc1>1.5Hc2になっ
てしまうと、高いS/Nは得られない。
【0031】(1)よりも(4)及び(5)の再生出力
が低いのは、(4)及び(5)の第2の磁性層の磁化容
易軸の傾斜角が小さいためにスペーシングロスが多くな
り、短波長での出力低下が大きいためだと考えられる。
【0032】(6)は第2の磁性層の磁化容易軸の傾斜
角が小さく、かつ保磁力が低すぎるために、再生出力は
大幅に低くノイズも高い。
【0033】以上説明したように、2層構造の酸素を含
むCo基の斜め蒸着媒体において、本発明の構成が最も
高いS/Nが得られる。
【0034】次に、具体的な実施例について述べる。ま
ず、図2に示す構成で高分子フィルム1上にCo基の酸
化層としてのCoO膜を形成した。蒸発源8に蒸発物質
7としてのCoを充填して、蒸着を行なった。円筒状キ
ャン2の直径は1mであり、その表面温度を室温とし
た。高分子フィルム1としては膜厚7μmのポリエチレ
ンテレフタレートフィルムを用いた。θiは35゜、θf
は20゜に設定した。また、酸素導入口10から3l/
minの量の酸素を真空槽内に導入した。この様にし
て、平均の膜堆積速度を0.5μm/sとして、膜厚
0.02μmの酸化層を形成した。
【0035】次に、巻き取りロール5に巻き取られたC
oO膜の形成された高分子フィルムを、供給ロール4に
巻き戻した。この際に遮蔽板の開口部をシャッター(図
示されていない)により閉じておいた。
【0036】次に、第1の磁性層を形成した。蒸発物質
7としてはCoO膜形成時に充填したCoをそのまま使
用した。円筒状キャンの表面温度は室温とした。θi1
75゜、θf1は55゜に設定した。酸素導入口10から
の酸素導入量は1.2l/minとした。この様にし
て、平均の膜堆積速度を0.3μm/sとして、膜厚
0.05μmの第1の磁性層を形成した。
【0037】次に、巻き取りロール5に巻き取られた、
CoO膜及び第1の磁性層の形成された高分子フィルム
を、供給ロール4に巻き戻した。この際に遮蔽板の開口
部をシャッター(図示されていない)により閉じておい
た。
【0038】最後に、第2の磁性層を形成した。蒸発物
質7としては既に充填されているCoをそのまま使用し
た。円筒状キャンの表面温度は室温とした。θi2は85
゜、θf2は65゜に設定した。酸素導入口10からの酸
素導入量は0.8l/minとした。この様にして、平
均の膜堆積速度を0.2μm/sとして、膜厚0.05
μmの第2の磁性層を形成した。
【0039】第1の磁性層の保磁力は140kA/m、
α1は70゜、第2の磁性層の保磁力は130kA/
m、α2は73゜であった。
【0040】このようにして作製した媒体をテープ状に
スリットし、センダストから成るギャップ長0.18μ
mのリング形磁気ヘッドを用いて記録再生特性の評価を
行なった。この際に、媒体表面に膜厚10nmのカーボ
ン保護膜及び膜厚3nmの潤滑剤を形成した。その結
果、市販のHi8方式VTR用蒸着テープに対して、記
録波長5μmで2dB、0.5μmで7dB、0.4μ
mで8dB高い再生出力が得られた。また、ノイズは全
帯域にわたって、約1dB低かった。このように本発明
の磁気テープは、従来の蒸着テープに比べて大幅に高い
S/Nを有している。
【0041】以上では、θi1を75゜、θf1を55゜、
θi2を85゜、θf2を65゜に設定してCo−Oから成
る第1及び第2の磁性層を形成すると、市販の蒸着テー
プを越える高いS/Nを有する媒体が得られることを説
明した。しかし、これ以外の製造条件、製造方法あるい
は組成であっても、第1の磁性層の長手方向の保磁力H
c1と第2の磁性層の長手方向の保磁力Hc2が1<Hc1
c2≦1.5なる関係にあり、かつ第1の磁性層の磁化
容易軸と膜法線とのなす角が第2の磁性層の磁化容易軸
と膜法線とのなす角よりも小なるようにすることによ
り、高いS/Nを達成できる。
【0042】以上では磁性層の組成として、Co−Oの
例について説明したが、これに限ったものではなく、C
o−Ni−O、Co−Fe−O、Co−Ni−Fe−O
等の組成でも、本発明の構成にすることにより、高いS
/Nが得られる。また、基板については、ポリエチレン
テレフタレートフィルムについて説明したが、ポリエチ
レンナフタレートフィルム、ポリイミドフィルム、ポリ
アミドフィルム、ポリエーテルイミドフィルム等の高分
子フィルムでも、全く同様であることは言うまでもな
い。
【0043】また、以上では第1の磁性層の上に直接第
2の磁性層を形成する例についてのみ説明したが、両磁
性層の間に非磁性中間層を形成してもよい。なお、この
場合に非磁性中間層の膜厚を0.02μm以下にしない
と、再生出力が低下してしまう。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、高いS/Nを有する磁
気記録媒体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気記録媒体の基本構成を示す図
【図2】従来及び本発明の磁気記録媒体の製造方法を説
明するための真空蒸着装置内部の概略を示す図
【符号の説明】
1 高分子フィルム 2 円筒状キャン 3A、3B 遮蔽板 4 供給ロール 5 巻き取りロール 6 基板走行方向 7 蒸発物質 8 蒸発源 9 蒸発原子 10 酸素導入口 11 基板 12 第1の磁性層 13 第2の磁性層 14 第1の磁性層の磁化容易軸方向 15 第2の磁性層の磁化容易軸方向 16 膜法線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉本 和也 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に磁化容易軸が膜法線に対して傾斜
    しており6〜35原子%の濃度の酸素を含む膜厚0.1
    μm以下のCo基の第1の磁性層が形成され、その上に
    磁化容易軸が膜法線に対して第1の磁性層と同方向に傾
    斜しており6〜35原子%の濃度の酸素を含む膜厚0.
    1μm以下のCo基の第2の磁性層が形成されており、
    第1の磁性層の長手方向の保磁力Hc1と第2の磁性層の
    長手方向の保磁力Hc2が1<Hc1/Hc2≦1.5なる関
    係にあり、かつ第1の磁性層の磁化容易軸と膜法線との
    なす角が第2の磁性層の磁化容易軸と膜法線とのなす角
    よりも小なることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】前記第1の磁性層を構成する柱状結晶粒の
    膜法線に対する傾斜角が、前記第2の磁性層を構成する
    柱状結晶粒の膜法線に対する傾斜角よりも小なることを
    特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】前記第1の磁性層の充填率が前記第2の磁
    性層の充填率よりも大なることを特徴とする請求項2記
    載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】前記基板が高分子フィルム上にCo基の酸
    化層が形成されたものであることを特徴とする請求項1
    あるいは2あるいは3いずれか記載の磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】真空蒸着法により走行しつつある高分子フ
    ィルム上にCo基の酸化層を形成し、その上に6〜35
    原子%の濃度の酸素を含む膜厚0.1μm以下のCo基
    の第1の磁性層を形成し、さらにその上に6〜35原子
    %の濃度の酸素を含む膜厚0.1μm以下のCo基の第
    2の磁性層を膜形成開始部における蒸発原子の基板への
    入射角が第1の磁性層形成時の膜形成開始部における蒸
    発原子の基板への入射角よりも大なるようにして形成す
    ることを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  6. 【請求項6】前記第1の磁性層形成時の膜形成終了部に
    おける蒸発原子の基板への入射角が前記第2の磁性層形
    成時の膜形成終了部における蒸発原子の基板への入射角
    よりも小なることを特徴とする請求項5記載の磁気記録
    媒体の製造方法。
  7. 【請求項7】前記第1の磁性層を膜形成開始部における
    蒸発原子の基板への入射角θi1を60〜85゜、膜形成
    終了部における蒸発原子の基板への入射角θf1を51〜70
    ゜とし、前記第2の磁性層を膜形成開始部における蒸発
    原子の基板への入射角θi2を80゜以上、膜形成終了部
    における蒸発原子の基板への入射角θf2を55〜75゜
    とし、かつθi1<θi2及びθf1≦θf2として形成するこ
    とを特徴とする請求項5記載の磁気記録媒体の製造方
    法。
  8. 【請求項8】前記第1の磁性層はイオン処理あるいは/
    及び電子ビーム処理した基板上に形成し、前記第2の磁
    性層は前記第1の磁性層上にイオン処理や電子ビーム処
    理を施さずに形成することを特徴とする請求項5あるい
    は6あるいは7いずれかに記載の磁気記録媒体の製造方
    法。
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