JPH07292576A - ソフトな風合の透湿防水性コーティング布帛 - Google Patents

ソフトな風合の透湿防水性コーティング布帛

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JPH07292576A
JPH07292576A JP10454294A JP10454294A JPH07292576A JP H07292576 A JPH07292576 A JP H07292576A JP 10454294 A JP10454294 A JP 10454294A JP 10454294 A JP10454294 A JP 10454294A JP H07292576 A JPH07292576 A JP H07292576A
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JP
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moisture
resin
fine powder
cloth
polyurethane resin
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JP10454294A
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Tsunekatsu Furuta
常勝 古田
Kenichi Kamemaru
賢一 亀丸
Kiyoshi Nakagawa
清 中川
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Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 透湿性能および防水性能の優れたソフトな風
合のコーティング布帛を提供する。 【構成】 平均粒径が1μm以下で,N,N−ジメチル
ホルムアミドの吸着量が200ミリリットル/100g
以上の無機微粉末を1〜40重量%,および,可塑剤を
1〜25重量%含有するポリウレタン樹脂主体の合成重
合体溶液を,布帛上に湿式コーティング法によりコーテ
ィングする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,スポーツ防寒雨衣,一
般雨衣,防寒外衣等の各種衣料用として用いられる透湿
性能および防水性能の優れたソフトな風合の透湿防水性
コーティング布帛に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から,湿式あるいは乾式コーティン
グ加工法により得られるコーティング布帛は,樹脂層が
有孔のものと無孔のものが知られている。一般的に,樹
脂層が有孔のとき,優れた透湿性能は得やすいが,防水
性能は不十分となりやすく,逆に樹脂層が無孔のときに
は,優れた防水性能は得やすいが,透湿性能は不十分と
なりやすい。例えば,ポリウレタン樹脂の湿式コーティ
ング加工法により得られるコーティング布帛は,元来防
水性能は優れているが,透湿性能が不十分であるから,
透湿性能を向上させるためにアニオン系界面活性剤,ノ
ニオン系界面活性剤,親水性高分子等を併用するのが常
である。しかし,得られるコーティング布帛の透湿性能
は十分でも,防水性能がかなり低下してしまい,結果と
して両者ともに十分な性能を満足させることができてい
ない。
【0003】近年,両者の欠点を補う目的で,繊維布帛
上に,まず有孔の高透湿樹脂層を形成し,次に該樹脂層
上に無孔の樹脂層を形成させ,優れた透湿性能と防水性
能を得る方法が試みられているが,この方法では,有孔
の高透湿樹脂層が湿式法でも高々5000〜6000g
/m2/24hrs 程度の透湿性しか得られていないの
で,次に行う無孔の樹脂層を例え薄く塗布したとして
も,透湿性能が極端に低下し,その結果,優れた透湿性
能と防水性能を両立させることは難しいのが現状であ
る。また,この場合には,コーティングを2回行うの
で,加工コストの点でも不利である。
【0004】一方,特開昭58−4873号公報及び特
公昭62−53632号公報には,二酸化ケイ素を主成
分とする平均粒子径が2〜50μm,総孔容積が0.2〜
5ミリリットル/gの多孔性粒子を含むポリウレタン樹
脂皮膜を形成せしめ,次に,パーフルオロアルキル基を
有する撥水剤を付与して透湿性防水布帛を得る加工方法
が提案されている。しかし,この方法においても,透湿
度は高々3000g/m2/24hrs 程度であり,十分
な透湿性能は得られていない。
【0005】さらに,特開平2−251672号公報に
は,150Åより小さい微細孔を有し,かつ表面積20
0m2/g以上の二酸化ケイ素,酸化チタン等の無機多
孔性粒子を高濃度に層状分散した樹脂層を介在させたポ
リエステルコーティング布帛の加工方法が提案されてい
るが,この発明の目的は,分散染料の移行性を防止する
ものにすぎず,十分な透湿性能は得られていない。そこ
で本発明者らは,先に特開平5−222677号公報に
て,繊維布帛上にポリウレタン樹脂主体の合成重合体か
らなる有孔の樹脂層を有し,該樹脂層中に実質的に無孔
で平均粒径が0.1μmの無機微粉末を1%以上含有し,
6000g/m2/24hrs 以上の透湿度と0.6 kg / cm
2 以上の耐水圧を有する透湿防水性コーティング布帛を
提案した。このコーティング布帛は, 透湿性,防水性に
ついては優れた性能を有しているが,無機微粉末をコー
ティング樹脂層に含有させているため,風合がやや硬く
なる欠点を有していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は,このような
現状に鑑みて行われたもので,優れた透湿性能と防水性
能を有し,かつ,ソフトな風合を兼ね備えた透湿防水性
コーティング布帛を得ることを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するもので,次の構成よりなるものである。すなわち,
本発明は,繊維布帛上にポリウレタン樹脂主体の合成重
合体からなる有孔の樹脂層を有し,該樹脂層中に平均粒
径が1μm以下で,かつN,N−ジメチルホルムアミド
の吸着量が200ミリリットル/100g以上の無機微
粉末を1〜40重量%,および,可塑剤を1〜25重量
%含有し,6000g/ m2/ 24hrs 以上の透湿度と0.
6kg /cm2 以上の耐水圧を有することを特徴とするソフ
トな風合の透湿防水性コーティング布帛を要旨とするも
のである。
【0008】以下,本発明について詳細に説明を行う。
【0009】本発明で用いられる繊維布帛としては,ナ
イロン6やナイロン66で代表されるポリアミド系合成
繊維,ポリエチレンテレフタレートで代表されるポリエ
ステル系合成繊維,ポリアクリロニトリル系合成繊維,
ポリビニルアルコール系合成繊維,トリアセテート等の
半合成繊維あるいはナイロン6/木綿,ポリエチレンテ
レフタレート/木綿等の混合繊維からなる織物,編物,
不織布等を挙げることができる。
【0010】本発明では,上記の繊維布帛に撥水剤処理
を施したものを用いてもよい。これは,製造時に樹脂溶
液の布帛内部への浸透を防ぐための一手段である。この
場合の撥水剤としては,パラフィン系撥水剤やポリシロ
キサン系撥水剤,フッ素系撥水剤等の公知のものでよ
く,その処理も,一般に行われているパディング法,ス
プレー法等の公知の方法で行えばよい。特に良好な撥水
性を必要とする場合にはフッ素系撥水剤を使用し,例え
ば,アサヒガード730(旭硝子株式会社製,フッ素系
撥水剤エマルジョン)を5%の水分散液でパディング
(絞り率35%)した後,160℃で1分間の熱処理を
行う方法等によって行えばよい。
【0011】本発明では,上述の繊維布帛上にポリウレ
タン樹脂主体の合成重合体からなる有孔の樹脂層を有し
ており,この樹脂層中に平均粒径が1μm以下で,かつ
N,N−ジメチルホルムアミドの吸着量が200ミリリ
ットル/100g以上の無機微粉末を1〜40重量%お
よび可塑剤を1〜25重量%含有している。
【0012】ここで用いられる無機微粉末としては,通
常の湿式粉砕法やボールミル粉砕法などで微粉化された
無機微粉末や,ハロゲン化金属の気相酸化法,燃焼加水
分解法,電弧法等の乾式法によって得られる金属酸化物
微粉末を挙げることができ,中でもこれらの方法により
製造される二酸化ケイ素微粉末を代表として挙げること
ができる。これらの方法により得られた微粉末は,一般
的に粒径が0.05μm以下であると同時に,非常に多い
N,N−ジメチルホルムアミド吸着量を有し,合成重合
体樹脂溶液中に添加せしめる無機微粉末として好適であ
る。さらに,該微粉末の表面を疎水性に改質したものを
用いれば,漏水性の面からみてより一層好適であり,ま
た,該微粉末は実質的に無効である方が好ましい。
【0013】ここでいうN,N−ジメチルホルムアミド
吸着量とは,無機微粉末5gをガラス平板上に置き,
N,N−ジメチルホルムアミドを1滴滴下するごとにス
テンレス製のへらを用いて練り合わせる作業を繰り返
し,N,N−ジメチルホルムアミドの1滴で急激に軟ら
かくなる直前までに要したN,N−ジメチルホルムアミ
ドの体積(単位:ミリリットル)を意味しており,JI
S K−5101の煮あまに油の代わりにN,N−ジメ
チルホルムアミドを用いたものである。
【0014】本発明で用いられる無機微粉末は,その平
均粒径が1μm以下であることが必要で,かつN,N−
ジメチルホルムアミド吸着量が200ミリリットル/1
00g以上であることが必要であり,さらにはその平均
粒径が0.1μm以下で,かつ250ミリリットル/10
0g以上のN,N−ジメチルホルムアミドの吸着量を有
するものであれば,本発明の効果の点でより一層好まし
い。平均粒径が1μmを超えると,得られるコーティン
グ布帛の透湿膜の微細孔径が大きくなり過ぎて防水性能
を低下させるので好ましくなく,また,N,N−ジメチ
ルホルムアミドの吸着量が200ミリリットル/100
g未満では,透湿膜の微細孔の数が少なくなり,高透湿
性能が得られないので好ましくない。
【0015】本発明に用いる無機微粉末は,ポリウレタ
ン樹脂主体の合成重合体からなる樹脂層に対し,均一に
1〜40重量%含有していることが必要であり,さらに
好ましくは3〜30重量%含有しているのがよい。1重
量%未満では,得られるコーティング布帛の透湿膜の微
細孔数が少なくなり,高透湿性能が得られず,40重量
%を越えると,樹脂膜が弱くなり,実用に耐えなくな
る。
【0016】また,無機微粉末は,必ずしも高純度なも
のである必要はなく,不純物として他の無機物質,例え
ば顔料,充填剤等が含有されていても何ら差し支えな
い。
【0017】本発明で使用可能な可塑剤としては,フタ
ル酸ジメチル,フタル酸ジブチル,フタル酸ジオクチル
等のフタル酸エステル系可塑剤,トリメリット酸トリオ
クチル,ジエチレングリコールジベンゾエート等の芳香
族カルボン酸エステル系可塑剤,コハク酸ジオクチル,
アジピン酸ジオクチル等の脂肪酸二塩基酸エステル系可
塑剤,オレイン酸ブチル,ペンタエリスリトールエステ
ル等の脂肪酸エステル誘導体,リン酸トリクレジル,リ
ン酸トリフェニルなどのリン酸エステル系可塑剤,エポ
キシステアリン酸ブチル,エポキシステアリン酸オクチ
ル等のエポキシ系可塑剤,ポリプロピレンアジペート,
ポリプロピレンセバケート等のポリエステル系可塑剤,
塩素化ジフエニル,塩素化脂肪酸メチル等の含塩素可塑
剤等があるが,本発明においては,特に次の化1に示さ
れるフタル酸エステル誘導体化合物が最も有効である。
【0018】
【化1】
【0019】フタル酸エステル誘導体化合物としては,
上述のとおり,フタル酸ジメチル,フタル酸ジブチル,
フタル酸ジオクチル等が挙げられるが,上記化1におい
て,nが11以上になると,ポリウレタン樹脂に対する
親和力が低下するとともに,可塑化効率も悪くなるの
で,nは10以下であることが必要である。フタル酸エ
ステル誘導体化合物はポリウレタン樹脂層に対して1〜
25重量%の割合で使用することが望ましい。使用量が
1重量%未満では,ポリウレタン樹脂に対する可塑効果
にとぼしく,また,25重量%以上では,ポリウレタン
樹脂皮膜形成時に良好なミクロセルが形成されず,透湿
性が阻害される。
【0020】本発明のコーティング布帛においては,上
記の繊維布帛上に無機微粉末および可塑剤を含むポリウ
レタン樹脂主体の合成重合体溶液を湿式コーティング法
により塗布する。ここでいうポリウレタン樹脂主体の合
成重合体とは,ポリウレタン成分を50〜100重量%
含むものをいい,その他の合成重合体としては,例え
ば,ポリアクリル酸,ポリ塩化ビニル,ポリスチレン,
ポリブタジエン,ポリアミノ酸等やこれらの共重合体等
を50重量%未満の範囲で含んでいればよく,勿論,フ
ッ素やシリコン等で変性した化合物も本発明で使用でき
る。
【0021】ポリウレタン樹脂は,イソシアネートとポ
リオールを反応せしめて得られる共重合体であり,イソ
シアネート成分として,芳香族ジイソシアネート,脂肪
族ジイソシアネートおよび脂環族ジイソシアネートの単
独またはこれらの混合物を用い,例えば,トリレン2,4
−ジイソシアネート,4,4'−ジフェニルメタンジイソシ
アネート,1,6−ヘキサンジイソシアネート,1,4−シ
クロヘキサンジイソシアネート等を用い,また,ポリオ
ール成分としては,ポリエーテルポリオール,ポリエス
テルポリオールを用い,ポリエーテルポリオールは,ポ
リエチレングリコール,ポリプロピレングリコール,ポ
リテトラメチレングリコール等を用い,ポリエステルポ
リオールは,エチレングリコール,プロピレングリコー
ル等のジオールとアジピン酸,セバチン酸等の2塩基酸
との反応生成物やカプロラクトン等の開環重合物を用い
る。
【0022】また,無機微粉末および可塑剤を含む上記
のポリウレタン樹脂主体の合成重合体溶液は,通常のコ
ーティング法,例えば,ナイフコータ,コンマコータ,
リバースコータ等を用いて適宜コーティングを行えばよ
いが,目的とする 0 .6kg/cm2 以上の耐水圧を得るた
めには,繊維布帛のコーティング面の平滑性や通気度
(JIS L−1096法)により異なるが,一般的に
は,樹脂皮膜重量が5g/m2 以上,好ましくは10g
/m2 以上になるように塗布量を調節してコーティング
を行うとよい。
【0023】本発明では,樹脂層と繊維布帛間の耐剥離
性を向上させる目的で,樹脂や繊維布帛との親和性の高
い化合物を併用してもよく,その化合物としてイソシア
ネート化合物を併用するとよい。イソシアネート化合物
としては,2,4−トリレンジイソシアネート,ジフェニ
ルメタンジイソシアネート,イソフォロンジイソシアネ
ート,ヘキサメチレンジイソシアネートまたはこれらの
ジイソシアネート類3モルと活性水素を含有する化合物
(例えば,トリメチロールプロパン,グリセリン等)1
モルとの付加反応によって得られるトリイソシアネート
類が使用できる。上記のイソシアネート類は,イソシア
ネート基が遊離した形のものであっても,あるいはフェ
ノール,メチルエチルケトオキシム等を付加させること
により安定させ,その後の熱処理によりブロックを解離
させる形のものであってもよく,作業性や用途等により
適宜使い分ければよい。
【0024】イソシアネート化合物を使用する際の使用
量としては,ポリウレタン樹脂主体の合成重合体に対し
て0.1〜10重量%の割合で使用することが望ましい。
使用量が0.1重量%未満であれば,布帛に対する樹脂層
の接着力が低く,また,10重量%を超えると,風合が
硬化する傾向が認められるようになるので好ましくな
い。
【0025】上述のごときポリウレタン主体の合成重合
体からなる樹脂液を繊維布帛に塗布した後,本発明で
は,0〜30℃の水中に0.5〜10分間浸漬して樹脂分
の湿式凝固を行う。以下,40〜60℃の温水中で5〜
15分間の洗浄後,通常の方法で乾燥する。
【0026】本発明において,防水性をさらに向上させ
る目的で,湿式コーティング後にコーティング布帛に撥
水処理を行ってもよい。撥水処理に際しては,前述のよ
うな一般に実施されている公知の撥水処理方法を採用す
ればよい。また,さらに防水性能を向上させたいとき
は,本発明の湿式コーティング層の上に乾燥膜厚が0.5
〜2μm程度の無孔のポリウレタン樹脂層等を形成させ
ればよい。湿式コーティング層が高耐水圧を有している
ため,薄膜でも防水性能が相乗的に向上し,かつ透湿性
能の低下も少ない。
【0027】本発明は,以上の構成よりなるものであ
り,本発明によれば,優れた透湿性能と防水性能を有
し,しかも,ソフトな風合を兼ね備えた透湿防水性コー
テイング布帛を得ることができる。
【0028】
【作 用】本発明の透湿防水性コーティング布帛は,ポ
リウレタン樹脂主体の合成重合体の樹脂層中に,平均粒
径が1μm以下で,かつN,N−ジメチルホルムアミド
の吸着量が200ミリリットル/100g以上である無
機微粉末および可塑剤を含有せしめることにより,優れ
た透湿性能と防水性能並びにソフトな風合いを付与せし
めたものである。
【0029】何故に平均粒径が1μm以下で,かつN,
N−ジメチルホルムアミドの吸着量が200ミリリット
ル/100g以上である無機微粉末を含有せしめること
により優れた透湿性能と防水性能を同時に得ることがで
きるのか明確には解明されていないが,本発明者らは次
のよう推測している。
【0030】すなわち平均粒径が1μm以下で,かつ
N,N−ジメチルホルムアミドの吸着量が200ミリリ
ットル/100g以上の無機微粉末を均一に分散させた
ポリウレタン樹脂主体の合成重合体溶液を布帛にコーテ
ィングして湿式凝固を行うと,凝固液である水と樹脂溶
媒であるN,N−ジメチルホルムアミドが混和し,樹脂
液から溶媒が速やかに離脱していくことにより樹脂が凝
固するが,その際,平均粒径が1μm以下で,かつN,
N−ジメチルホルムアミドの吸着量が200ミリリット
ル/100g以上の無機微粉末が該樹脂溶液中に均一に
分散していると,無機微粉末の表面は他の部分に比べて
樹脂溶液中におけるN,N−ジメチルホルムアミドの濃
度が高く,いい換えれば,ポリウレタン樹脂主体の合成
重合体の濃度が低い状態にあり,このため,湿式凝固過
程において凝固液である水がまず無機微粉末表面のN,
N−ジメチルホルムアミドと置き換わり,無機微粉末の
周囲で速やかに凝固がはじまり,その後に樹脂全体が凝
固するので,結果的に凝固速度が速くなり,ウレタン樹
脂特有のハニカム構造の他に1μm以下の微細孔を無数
に有する非常にポーラスな形態となるものと推測してい
る。
【0031】本発明では,形成された微細孔の微細性に
より優れた防水性が発揮されるとともに,無数に存在す
る微細な有孔により高透湿性能が発揮され,高透湿性防
水布帛に特有の,着用時に圧力が加わったとき問題が発
生しやすい漏水性に対しても非常に有効である。さらに
本発明の無機微粉末は,樹脂層の表層から下層まで均一
に存在しているので,樹脂層表面はポリウレタン樹脂特
有のぬめり感を消し,ドライタッチとするとともに,樹
脂層全体の耐摩耗性と接着強度の向上がもたらされる。
【0032】また,本発明のごとく,ポリウレタン樹脂
皮膜に可塑剤を均一に分散せしめると,可塑剤分子の極
性部分がポリウレタン樹脂分子鎖の極性部分に強く配向
し,極性点が遮蔽され,ポリウレタン樹脂分子鎖の間隔
が拡がり,分子鎖の運動が容易となり,その結果,柔軟
性が付与され,ソフトな風合になるものと推測してい
る。
【0033】
【実施例】以下,実施例により本発明のコーティング布
帛の製造方法を具体的に説明するが,実施例におけるコ
ーティング布帛の性能の測定は,次の方法で行った。 (1)耐水圧 JIS L−1092(高水圧法) (2)透湿度 JIS L−1099(A−1法) (3)撥水性 JIS L−1096(スプレー法) (4)風合い KES法による曲げ剛性を測定 ハンドリングにより,風合を相対的に次の3段階評
価を行った。 ○ 柔軟 △ やや硬い × 硬い
【0034】実施例 1 まず,基布として,経糸,緯糸の双方にナイロンマルチ
フィラメント70デニール/34フィラメントを用いた
経糸密度120本/インチ,緯糸密度90本/インチの
平織物(タフタ)を用意し,これに通常の方法で精練及
び酸性染料による染色(三菱化成株式会社製,酸性染料
のDiacid Fast Red 3BL 2%owf)を行った後,フッ
素系撥水剤エマルジョンのアサヒガード710(旭硝子
株式会社製)5%水分散液でパディング(絞り率35
%)して乾燥後,160℃で1分間の熱処理を行なっ
た。次に,鏡面ロールをもつカレンダー加工機を用い
て,温度160℃,圧力30kg/cm,速度20m/分の
条件でカレンダー加工を行い,コーティング用の基布を
得た。
【0035】ここで,下記処方1に示す樹脂固形分濃度
26%のポリウレタン樹脂溶液をナイフオーバーロール
コータを用いて上述の基布のカレンダー面に塗布量10
0g/m2 にて塗布した後,直ちに15℃の水中に40
秒間浸漬して樹脂分を凝固させ,続いて50℃の温水中
で10分間の洗浄を行い,乾燥し,無機微粉末を9重量
%,可塑剤を9重量%含有する樹脂層を形成した。 処方1 ラックスキン 1740−29B 100部 (セイコー化成株式会社製,エステル型ポリウレタン樹
脂) レザミン X−100 1部 (大日精化工業株式会社製,イソシアネート化合物) N,N−ジメチルホルムアミド 25部 アエロジル R−972 3部 (日本アエロジル株式会社製,平均粒径0.016μm,
N,N−ジメチルホルムアミド吸着量350ミリリット
ル/100gの疎水性二酸化ケイ素微粉末) フタル酸ジブチル 3部
【0036】ここで上記布帛に溶剤型フッ素系撥水剤A
G−570(旭硝子株式会社製)の5%ミネラルターペ
ン溶液をパデイング(絞り率40%)し,乾燥後,テン
ターにて170℃で40秒間の仕上セットを行い,本発
明の透湿防水性コーティング布帛を得た。
【0037】本発明との比較のため,本実施例1におい
て処方1からフタル酸ジブチルを省く他は,本実施例と
全く同一の方法により,比較用の透湿防水性コーティン
グ布帛(比較例1とする。)を得た。
【0038】本発明および比較用のコーティング布帛の
性能を測定,評価し,その結果をあわせて表1に示し
た。
【表1】
【0039】表1より明らかなように,本発明の透湿防
水性コーティング布帛は,優れた耐水圧と透湿性を有す
るとともに,柔軟な風合いをも有していた。
【0040】実施例 2 経糸,緯糸の双方にカチオン染料可染ポリエステルマル
チフィラメント75デニール/72フィラメントを用い
た経糸密度110本/インチ,緯糸密度95本/インチ
の平織物を製織し,通常の方法で精練及び染色(日本化
薬株式会社製,塩基性染料のKayacryl Blue GSL−E
D 1.5%owf)を行った後,フッ素系撥水剤エマルジョン
のアサヒガード710(旭硝子株式会社製)5%水分散
液でパディング(絞り率40%)し,乾燥後,160℃
で1分間の熱処理を行った。次に,鏡面ロールをもつカ
レンダー加工機を用いて,温度180℃,圧力30kg/
cm2 ,速度35m/分の条件でカレンダー加工を行い,
コーティング用の基布を得た。
【0041】ここで, 下記処方2に示す組成で樹脂固形
分濃度26%のポリウレタン樹脂溶液をナイフオーバー
ロールコータを用いて,上述の基布のカレンダー面に塗
布量100g/m2 にて塗布した後,直ちに15℃の水
中に40秒間浸漬し,樹脂分を凝固させ,続いて50℃
の温水中で10分間の洗浄を行い,乾燥し,無機微粉末
を11重量%,可塑剤11重量%含有する樹脂層を形成
した。 処方2 ラックスキン 1740−29B 100部 (セイコー化成株式会社製,エステル型ポリウレタン樹
脂) レザミン X−100 1部 (大日精化工業株式会社製,イソシアネート化合物) N,N−ジメチルホルムアミド 30部 アルミナ AKP−G015 4部 (住友化学工業株式会社製,平均粒径0.03μm,N,
N−ジメチルホルムアミド吸着量310ミリリットル/
100gの疎水性三酸化二アルミニウム微粉末) フタル酸ジオクチル 4部
【0042】ここで上記布帛に溶剤型フッ素系撥水剤A
G−570(旭硝子株式会社製)の5%ミネラルターペ
ン溶液をパディング(絞り率40%)し,乾燥後,テン
ターにて180℃で40秒間の仕上セットを行い,本発
明の透湿防水性コーティング布帛を得た。
【0043】本発明との比較のため,本実施例における
処方2のフタル酸ジオクチルの量を0.1部とする他は,
本実施例と全く同一の方法により, 可塑剤を0.3重量%
含有した比較用の透湿防水性コーティング布帛(比較例
2とする。)を得た。また,本発明との比較のため本実
施例における処方2のフタル酸ジオクチルの量を15部
とする他は,本実施例と全く同一の方法により, 可塑剤
を31重量%含有した比較用の透湿防水性コーティング
布帛(比較例2とする。)を得た。
【0044】本発明および比較用のコーティング布帛の
性能を測定,評価し,その結果をあわせて表2に示し
た。
【表2】
【0045】表2より明らかなように,本発明の透湿防
水性コーティング布帛は,優れた耐水圧と透湿度を有し
ており,しかも,柔軟な風合をも有していた。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば,優れた透湿性能と優れ
た防水性能を有し,しかも,柔軟な風合を有する透湿防
水性コーティング布帛を得ることができる。本発明によ
れば,湿式コーティングのみで透湿性,防水性のいずれ
においても高性能が得られるので,安価なコストで製造
可能であり,産業上非常に有利である。本発明のコーテ
ィング布帛は,その優れた性能から,特に雨衣,アウト
ドアスポーツウェア等の衣料に適した素材となる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維布帛上にポリウレタン樹脂主体の合
    成重合体からなる有孔の樹脂層を有し,該樹脂層中に平
    均粒径が1μm以下で,かつN,N−ジメチルホルムア
    ミドの吸着量が200ミリリットル/100g以上の無
    機微粉末を1〜40重量%,および,可塑剤を1〜25
    重量%含有し,6000g/ m2/ 24hrs 以上の透湿度
    と0.6kg /cm2 以上の耐水圧を有することを特徴とする
    ソフトな風合の透湿防水性コーティング布帛。
JP10454294A 1994-04-19 1994-04-19 ソフトな風合の透湿防水性コーティング布帛 Pending JPH07292576A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO1998023673A1 (en) * 1996-11-27 1998-06-04 Eastman Chemical Company Thermoplastic elastomeric compositions and films formed therefrom having improved moisture vapor transmission rates

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO1998023673A1 (en) * 1996-11-27 1998-06-04 Eastman Chemical Company Thermoplastic elastomeric compositions and films formed therefrom having improved moisture vapor transmission rates
US5998505A (en) * 1996-11-27 1999-12-07 Eastman Chemical Company Thermoplastic elastomeric compositions and films formed therefrom having improved moisture vapor transmission rates

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