JPH07295262A - ポリシラン含有感光体並びに画像形成装置 - Google Patents

ポリシラン含有感光体並びに画像形成装置

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JPH07295262A
JPH07295262A JP9013694A JP9013694A JPH07295262A JP H07295262 A JPH07295262 A JP H07295262A JP 9013694 A JP9013694 A JP 9013694A JP 9013694 A JP9013694 A JP 9013694A JP H07295262 A JPH07295262 A JP H07295262A
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JP
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polysilane
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photoconductor
carrier
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Application number
JP9013694A
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Takao Kawamura
孝夫 河村
Takayoshi Doumaru
隆祥 堂丸
Kunio Oka
邦雄 岡
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Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ホール移動度を高めたポリシラン含有キャリ
ア輸送層を形成したポリシラン含有感光体、並びにそれ
を用いた画像形成装置を提供する。 【構成】 導電性基体1の上に、光キャリア発生層3と
ポリシラン含有キャリア輸送層4とを組合せた感光層2
を形成するとともに、そのポリシランの含有量を、キャ
リア輸送層4中のキャリア輸送物質に対して0.1 〜5.0
重量%としたポリシラン含有感光体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真感光体並びに画
像形成装置に関し、詳しくは、ホール移動度を高めたキ
ャリア輸送層を形成して成るポリシラン含有感光体、並
びにこの感光体を搭載した画像形成装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】電子写真用感光体のキャリア輸送層用材
料としては、ポリ−N−ビニルカルバゾール(PVK)
のような高分子材料が用いられていたが、近時、高キャ
リア移動度の要求に応じるために、アリールアミン誘導
体やヒドラゾン誘導体などの低分子化合物のキャリア輸
送物質をポリカーボネート樹脂などの不活性ポリマーバ
インダーに分散した低分子樹脂分散複合材料が提案され
ている。
【0003】しかしながら、最近のキャリア輸送層用材
料における高キャリア移動度の要望に対しては、未だ満
足できる状況ではなく、更に高いキャリア移動度、特に
高いホール(正孔)移動度が求められている。
【0004】かかる要望に対して、ポリシランを電子写
真用感光体のキャリア輸送層用物質に採用することが提
案されている(特開平2-133416号、特開平2-153359号、
特開平3-170940号、特開平4-151669号、特開平4-178652
号等参照)。
【0005】即ち、特開平2-133416号によれば、ポリシ
ランよりなる重合体ブロックAと、アニオン重合性モノ
マーの重合体よりなるブロックBとのブロック共重合体
からなる正孔輸送性物質であって、ブロック共重合体に
おける重合体ブロックAと重合体ブロックBの重量比A
/Bが1/0.2 〜 0.2/1である正孔輸送性物質が提案
されている。
【0006】また、特開平2-153359号によれば、ポリシ
ランよりなる重合体ブロックAと、他の重合体(エポキ
シ樹脂、ポリウレタン)よりなる重合体ブロックBとの
グラフト重合体からなる正孔輸送性物質であって、グラ
フト重合体における重合体ブロックAと重合体ブロック
Bの重量比A/Bが1/0.2 〜 0.2/1である正孔輸送
性物質が提案されている。
【0007】さらに、特開平3-170940号によれば、光キ
ャリア発生層と、ポリシラン及びポリシランのイオン化
電位を基準として±0.15eV以内のイオン化電位を有す
るキャリア輸送剤からなる輸送層の2層から形成される
電子写真感光体が提案されている。
【0008】また、特開平4-151669号においては、導電
性支持体上に少なくともポリシランを含有する電荷輸送
層を有する電子写真感光体が提案され、ポリシランを電
荷輸送層中に全体の中で20%〜80%の範囲で含有するこ
と、及びポリシランと電荷輸送物質とバインダー樹脂と
を併用してもよいことが開示されている。
【0009】さらにまた、特開平4-178652号によれば、
ポリシラン及び溶解パラメータδの値が 8.0〜10.0であ
る高分子樹脂化合物を含有する感光層を有する電子写真
感光体であって、ポリシラン含有層中のポリシラン比率
が20〜80%である感光体が提案されている。
【0010】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、上記
の各公報に記載されたポリシランは、いずれも化2に示
す化学式に示す通りSi−Siσ結合を主鎖とし、2種
の有機置換基を有するポリマーであり、その重合度によ
り低重合度のポリマーから高重合度のポリマーまで種々
のポリマーが存在し、しかも、重量平均分子量と数平均
分子量との組合せを考えるとより多様なポリマーが想定
されるにもかかわらず、これらの組合せ条件については
何ら記載されていない。
【0011】
【化2】
【0012】さらに、いずれの公報にも、ホール移動度
あるいは膜強度を向上させるためのポリシランの重量平
均分子量と数平均分子量との関係については、何ら言及
されていない。
【0013】また、ポリシランを単独でキャリア輸送層
として用いる場合には、そのポリシラン自体に機械的強
度、即ち膜強度が要求されるため、高分子量でかつ分子
量分布の狭いポリシランであることが必要となる。
【0014】しかしながら、現在最も一般的でかつ実用
的なポリシランの合成法であるウルツ(Wurtz )カップ
リング反応は、それにより得られる化合物の分子量のコ
ントロールが難しく、しかも化合物がポリモーダルな分
子量分布を示し、更に収率も低いという問題点がある。
そのため、単独でキャリア輸送層として用いることので
きる、高分子量でかつ分子量分布の狭いポリシランを、
大量にかつ効率良く得ることが困難であるという問題点
があった。
【0015】一方、ポリシランをキャリア輸送層とする
場合について、バインダー樹脂やキャリア輸送物質と共
に用いることに関しては、例えば特開平2-133416号並び
に特開平2-153359号には、重合体ブロックAのポリシラ
ンの数平均重合度が10〜50,000であること、十分な機械
的強度と共に十分な暗抵抗を得るために重合体ブロック
Bとの共重合体とすることが記載されている。しかし、
その重量比A/Bについては1/0.2 〜 0.2/1、即ち
共重合体においてポリシランブロックを約16.7〜83.3重
量%と高濃度に設定するものである。また、この層にバ
インダー樹脂及びn型のキャリア輸送物質を併用しても
よいこと、そのバインダー樹脂の併用割合は感光層の5
〜50重量%程度とすることが開示されている。
【0016】また、特開平3-170940号には、ポリシラン
に添加する低分子キャリア輸送剤として、アミン化合
物、ヒドラゾン誘導体、スチルベン等が例示されている
が、その配合割合としては、ポリシランと低分子キャリ
ア輸送剤の合計量を基準として、低分子キャリア輸送剤
が1〜70重量%、即ちポリシランは30〜99重量%が好ま
しいとしている。
【0017】さらに、特開平4-151669号においては、上
述のようにポリシランを電荷輸送層中に全体の中で20%
〜80%の範囲で含有させている。そして、ポリシランと
電荷輸送物質とを共に用いる場合は、電荷輸送層全重量
中40%以上含有させており、実施例によれば、ポリシラ
ンと電荷輸送物質の重量比は30〜250 %、即ちポリシラ
ンはポリシランと電荷輸送物質の合計に対して約28.6〜
76.9重量%がよいとしている。
【0018】さらにまた、特開平4-178652号は、上述の
ようにポリシランをポリシラン含有層中に20〜80%とす
るものであり、この層にさらに電荷輸送物質を添加する
ことについては何ら記載されていない。
【0019】しかしながら、ポリシランを電荷輸送物質
とともにバインダー樹脂に含有させてキャリア輸送層を
形成する場合は、ポリシランの含有割合が高いとポリシ
ランと電荷輸送物質との相溶性あるいはバインダー樹脂
への溶解性が悪くなり、感光層として十分な機械的強度
を持つ膜形成ができなくなるという問題点があった。そ
のため、十分な膜強度を有しつつホール移動度を高めた
キャリア輸送層が得られないという問題点があった。
【0020】このような問題点に対して本発明者等は、
ポリシランの分子構造並びに重合度、及びポリシランを
キャリア輸送物質並びにキャリア輸送層用バインダー樹
脂に含有させる際の含有量に着目して鋭意研究に努め、
幾多の実験を繰り返し行なった結果、所定の分子構造と
重合度を有するポリシランを、キャリア輸送物質に所定
割合で含有させて形成したキャリア輸送層において、そ
のホール移動度が顕著に向上することを知見した。そし
て、それにより十分な膜強度を有しつつホール移動度が
顕著に向上したキャリア輸送層が得られることを知見し
た。
【0021】本発明は上記知見に基づいて完成されたも
のであり、その目的は、ホール移動度を高めた感光体用
ポリシラン含有キャリア輸送層を提供し、それによりホ
ール移動度を高めたポリシラン含有感光体を提供するこ
とにある。
【0022】本発明の他の目的は、所要のポリシランを
安定的に生成して、それを用いた信頼性に優れたポリシ
ラン含有感光体を提供することにある。
【0023】本発明の更に他の目的は、上記のような高
信頼性且つ高性能のポリシラン含有感光体を用いた画像
形成装置を提供することにある。
【0024】
【問題点を解決するための手段】本発明の請求項1に係
るポリシラン含有感光体は、導電性基体の上に、光キャ
リア発生層と、下記化1で表示されたポリシランをキャ
リア輸送物質に対して0.1〜5.0重量%含有したキ
ャリア輸送層とを積層して成る感光層を形成したことを
特徴とする。
【0025】
【化1】
【0026】本発明の請求項2に係るポリシラン含有感
光体は、導電性基体の上に、上記化1で表示されたポリ
シランをキャリア輸送物質に対して0.1〜5.0重量
%含有したキャリア輸送層に、光キャリア発生物質を含
有して成る感光層を形成したことを特徴とする。
【0027】本発明の請求項3に係る画像形成装置は、
請求項1又は請求項2に係る感光体と、その感光体の感
光層側に配設した現像手段と、透光性を有する導電性基
体側から画像露光光を照射する露光手段とから成り、上
記感光体の表面にトナー像を形成させるべく上記現像手
段と導電性基体との間に電圧を印加しながら露光手段よ
り画像露光光を照射する機構と、そのようにして形成さ
れたトナー像を被転写材に転写する転写手段を具備した
ことを特徴とする。
【0028】本発明の請求項4に係る画像形成装置は、
請求項1又は請求項2に係る感光体と、その感光体の表
面に電荷を付与する帯電手段と、感光体の帯電領域に対
して画像露光光を照射する露光手段とから成り、これら
帯電手段と露光手段とにより感光体の表面に静電潜像を
形成するとともに、そのようにして形成された静電潜像
に対応するトナー像を感光体の表面に形成する現像手段
と、そのトナー像を被転写材に転写する転写手段を具備
したことを特徴とする。
【0029】
【作用】本発明は、上記の化1により表わされるポリシ
ランを、キャリア輸送物質に対して所定量含有させ、さ
らにバインダー樹脂を含有させてキャリア輸送層を形成
することにより、輸送層におけるホール移動度を顕著に
高めると共に十分な膜強度を有するものと成し、それに
よりホール移動度と膜強度に優れたポリシラン含有感光
体が得られるものである。
【0030】このポリシランは化1により表わされる分
子構造を持つものであって、その重合度あるいは分子
量、分子量分布には特に限定はなく、キャリア輸送物質
に対する含有量のみを特定することにより、高いホール
移動度のキャリア輸送層が得られる。そのため、ポリシ
ランの合成において分子量や分子量分布を厳密に制御す
る必要がなく、通常の合成法による収率の高い安価なポ
リシランが使用可能であり、経済性にも優れたポリシラ
ン含有感光体を提供できる。
【0031】本発明者等が繰り返し行なった実験によれ
ば、キャリア輸送層に化1のポリシランを含有させる割
合は、この層に含有させるキャリア輸送物質に対して0.
1 〜5.0 重量%、好適には0.1 〜2.0 重量%の範囲が良
く、この範囲内であれば、上記ポリシランを含有させな
い場合に比べてホール移動度が1桁以上(10倍以上)向
上することが判明した。即ち、本発明のポリシラン含有
感光体におけるホール移動度は10-5cm2 /V・秒以上
となり、更に、モノマーの分子構造や分子量(重量平均
分子量)を適切に選択することにより10-4cm2 /V・
秒以上となる。
【0032】キャリア輸送物質に対してこのように少量
のポリシランを含有させることによりホール移動度が顕
著に高まるメカニズムは、現在のところ明確ではない
が、本発明者等は次のように推測している。即ち、多量
のキャリア輸送物質に少量のポリシランを含有させるこ
とにより、ポリシランの周りを多数のキャリア輸送物質
が取りまく形で、電荷移動錯合体(チャージ・トランス
ファー・コンプレックス)が生成される。このような電
荷移動錯合体が生成されると、ポリシランの形状が、通
常は糸玉状になって縮まっているのに対して、ポリシラ
ンの周りを多数のキャリア輸送物質が取りまくことによ
って、主鎖がほぐされて引き伸ばされた細長い形状に変
化する。一般に、ポリシラン中のキャリア移動は、ポリ
シラン主鎖上に形成されるσ−共役ドメイン間のホッピ
ングによるものと理解されている。従ってポリシラン主
鎖が引き延ばされた場合、所々に偏在していたσ−共役
ドメインが広く均一に広がる結果となり、ホッピング効
率が上がる。そのため、ポリシランを含有させることに
よる移動度向上の効果を効率的に発揮させることができ
て、キャリア輸送層のホール移動度を顕著に高めること
ができる。つまり、少量のポリシランによって、実質的
により多くのポリシランを含有させたときと同様の移動
度向上効果が得られるものである。
【0033】また、上記の電荷移動錯合体は、キャリア
輸送物質に比べて分子軌道のエネルギーが少し高くなる
ので、キャリア輸送物質に比べてイオン化ポテンシャル
が小さくなる。そのため、光キャリア発生層又はキャリ
ア輸送層に含有させた光キャリア発生物質からキャリア
輸送層もしくは電荷移動錯合体へキャリアが注入されや
すくなり、即ちキャリア注入効率が高められるので、そ
れによっても感光体の光感度が高められる。
【0034】このように含有させるポリシランが少量の
場合、電荷移動錯合体を形成することにより、キャリア
輸送層物質とポリシランとを十分に溶け合わせることが
できるので、ポリシランが溶媒に完全に溶解しないため
に均一な膜形成を行なうことができなくなったり、十分
な膜強度を有する膜を形成できなくなったりすることが
なく、従って、十分な膜強度の均一な輸送層を形成する
ことができる。
【0035】ポリシランの含有量は、キャリア輸送物質
に対して、0.1 〜5.0 重量%の範囲に設定するのがよ
く、この範囲内であれば、高いホール移動度と十分な膜
強度を有するキャリア輸送層が得られる。この含有量が
0.1 重量%未満の場合は、ホール移動度を高める効果が
得られにくくなり、他方、5.0 重量%を越えると、ポリ
シランとキャリア輸送物質とが溶け合いにくくなって、
膜の機械的強度が低下する傾向がある。
【0036】そして、本発明者等が繰り返し行なった実
験によれば、重量平均分子量Mw は1,000 〜2,500,000
の広い範囲のものが使用できることも判明した。この重
量平均分子量Mw が1,000 未満の場合には、ホール移動
度を十分高めらない傾向があり、他方、Mw が2,500,00
0 を越えた場合には、ポリシランが溶媒に完全に溶解せ
ず、均一な膜形成を行なうことが困難となる傾向があっ
た。また、分子量分布の広がりを表わすMw /Mn につ
いては特に限定はなく、広範囲の分子量分布を有するポ
リシランによっても、本発明の目的が達成できることも
判明した。そのため、本発明の感光体に用いるポリシラ
ンは、実用的な合成法により、大量にしかも安価に供給
することができる。
【0037】更に、請求項3と請求項4に係る画像形成
装置によれば、ポリシランを含有させた高キャリア移動
度の感光体を搭載しているので、高い記録速度の画像形
成ができるとともに、その装置自体が小型となる。
【0038】即ち、露光手段の光照射によって感光層内
部に発生したキャリアが、その層内部を高い速度で移動
するので、静電潜像が形成される時間が短くなる。これ
により、ドラム状の感光体であれば、そのドラムの回転
速度を高めることができ、画像形成を高速度で行なえ
る。しかも、転写後に露光によって残余静電潜像を除去
する、いわゆる除電工程を採用した場合においても、そ
の露光により感光層内部に発生したキャリアが除電に速
やかに寄与するので、その除電に要する感光層の露光領
域が狭くなり、画像形成の高速度化と相まってドラム状
の感光体の径を小さくできるため、画像形成装置の小型
化が達成できる。
【0039】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。 (ポリシランの構造)化1に示すポリシランのR1 〜R
6 は、水素の他に、アルキル基、置換アルキル基、アリ
ール基、置換アリール基、アルコキシ基、置換アルコキ
シ基がある。上記アルキル基、アリール基、アルコキシ
基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチ
ル、アミル、ヘキシル、オクチル、ノニル、デシル、ペ
ンタデシル、ステアリル、シクロヘキシル、フェニル、
トリル、キシリル、ナフチル、メトキシ、エトキシ等が
挙げられる。また、これらの置換基としてはアルキル、
アリール、ハロゲン、ニトロ、アミノ、アルコキシ、シ
アノ等がある。
【0040】本発明におけるポリシランは、化1に示す
通り、x、y、zがそれぞれのユニットの有無を表わす
ために、0もしくは1により表示される。例えば、x=
y=1、z=0であれば、2種類のユニットを交互に連
続して配列された組成となる。
【0041】また本発明のポリシランは、化3に示すよ
うに、化1のポリシランのコポリマー(共重合体)でも
よい。化3によれば、x、y、z、x’、y’、z’を
選択的に0もしくは1にして、それぞれのユニットの有
無により幾通りもの組合せができる。即ち、3種類のユ
ニットのモノマーから成るポリマーと3種類のユニット
のモノマーから成るポリマーとの共重合体、3種類のユ
ニットのモノマーから成るポリマーと2種類のユニット
のモノマーから成るポリマーとの共重合体、3種類のユ
ニットのモノマーから成るポリマーと1種類のユニット
のモノマーから成るポリマーとの共重合体、2種類のユ
ニットのモノマーから成るポリマーと2種類のユニット
のモノマーから成るポリマーとの共重合体、2種類のユ
ニットのモノマーから成るポリマーと1種類のユニット
のモノマーから成るポリマーとの共重合体、1種類のユ
ニットのモノマーから成るポリマーと1種類のユニット
のモノマーから成るポリマーとの共重合体がある。更に
これらの化合物の組合せによる共重合体もある。
【0042】
【化3】
【0043】本発明のポリシランは、上記のように様々
なモノマーがあるが、就中、一部のモノマーの分子構造
について鋭意研究に努めたところ、高いホール移動度が
得られる理由として、隣接芳香環によるダイマーサイト
を形成せず、構造的なホールトラップができないように
することにあることを知見した。
【0044】即ち、本発明者等は、大きなキャリア移動
度を得るために、アリール基の存在が望ましいことを実
験上確認したが、その一方で、アリール置換基がゼロ電
界での活性化エネルギーE0 を上げる作用をしており、
隣接Si上に存在する芳香族置換基のE0 が0.34〜0.36
eV、脂肪族置換基のE0 が0.22eV、Si原子一つお
きに芳香族置換基を有する構造規則性の高い場合には、
0 が0.26eVであることを確かめている。このE0
大きさは、プール・フレンケル(Poole-Frenkel )型の
ホッピング伝導のトラップの深さを表わす指標である
が、本発明者等が繰り返し行なった実験によれば、アリ
ール基の存在によるE0 の増大は、隣接芳香環によるダ
イマーサイトの形成が原因であることを見出した。
【0045】従って、R1 〜R6 の置換基としてアリー
ル基の存在が望ましいが、その反面、活性化エネルギー
0 を小さくするためには、芳香族置換基をダイマーサ
イトが形成できない離れた位置に配置すればよいことを
知見した。
【0046】(感光体の構成)図1と図2は本発明感光
体の基本的な層構成である。図1は導電性基体1の上に
積層型の感光層2を形成した例であり、この感光層2は
光キャリア発生層3と化1のポリシランを含有して成る
キャリア輸送層4とを積層して成る。これらの層3、4
はその積層順序を変えてもよい。また、図2は化1のポ
リシランを含有して成るキャリア輸送層5に光キャリア
発生物質6を含有して成る、単一の感光層7を形成した
例である。
【0047】上記導電性基体1には、銅、黄銅、SU
S、Al、Ni等の金属製導電体、あるいはガラス、セ
ラミック、プラスチック等の絶縁体の表面に導電性薄膜
を被覆したものなどがある。また、請求項3に係る画像
形成装置に用いる感光体では透光性を有する基体が用い
られ、通常は、透光性の絶縁性基体の上に透光性導電層
を形成した構成が採用されるが、透光性のガラスやプラ
スチック等の基体に導電性物質を含有させたもの等の、
透光性導電性基体であってもよい。
【0048】この基体1はシート状、ベルト状もしくは
ウェブ状の可とう性導電シートでもよい。このようなシ
ートには、SUS、Al、Ni等の金属シート、あるい
はポリエステル、ナイロン、ポリイミド等の高分子樹脂
フィルムの上にAl、Ni、Au等の金属もしくは酸化
スズ、酸化インジウム、インジウム・スズ・オキサイド
(ITO)等の透明導電性材料や有機導電性材料を蒸着
などにより被覆して導電処理したものが用いられる。
【0049】光キャリア発生層3や光キャリア発生物質
6の構成材としては、それ自体公知の有機もしくは無機
の光導電材を用いることができる。有機光導電材として
は、例えば、チタニルフタロシアニン、金属フタロシア
ニン系顔料、無金属型フタロシアニン、ペリレン系顔
料、多環キノン系顔料、スクアリリウム色素、アズレニ
ウム色素、チアピリリウム色素、トリスアゾ顔料等を用
いた、高いキャリア生成効率を有する有機光半導体が選
ばれる。無機光導電材であれば、例えば、アモルファス
のSeやSeAs、SeTe又はSi(a−Se、a−
SeAs、a−SeTe、a−Si)、CdS、ZnO
等がある。そして、光キャリア発生層3の形成は、真空
蒸着法、活性反応蒸着法、イオンプレーテイング法、R
Fスパッタリング法、DCスパッタリング法、RFマグ
ネトロンスパッタリング法、DCマグネトロンスパッタ
リング法、熱CVD法、プラズマCVD法、触媒CVD
法、グロ−放電分解法、塗布法、浸漬法などの薄膜形成
法により行なう。
【0050】この光キャリア発生層3をa−Siにより
形成した場合には、それにカーボン(C)、窒素
(N)、酸素(O)、ゲルマニウム(Ge)を添加して
アモルファス化した、SiC、SiN、SiO、SiG
e、あるいはそれらを混合した層にしてもよい。また、
これらに伝導型制御用不純物元素であるボロン(B)、
リン(P)等の元素を含有させた層を形成すれば、キャ
リア注入阻止層等の機能を具備させることができる。
【0051】また、前記感光層7の光キャリア発生物質
6としてa−Si系の粉末を用いる場合、この粉末はa
−Si系光キャリア発生層2と同様にして作製でき、そ
の粉末の形状は、粒状、柱状、球状、あるいはフレーク
状を成す。その径は0.05〜5μm、好適には0.1 〜3μ
mであればよく、そして、その粉末を層中1〜80重量
%、好適には5〜60重量%の割合で含有させるとよい。
その含有に当たっては、この層を形成する樹脂中に、攪
拌法、超音波分散法等により分散させる。
【0052】その他、チタニルフタロシアニン(TiO
Pcと略記する)をポリシランとともに分散させたもの
を感光層7としてもよく、特に長波長側の画像露光に対
して高感度とすることができる。このTiOPcは、原
料のTiOPc顔料に、昇華精製あるいは酸又はアルカ
リによる精製等の精製処理を行ない、摩砕助剤や溶媒等
と共に各種分散機を用いて混練したり、或いは蒸気法に
より微粒子状にして回収する等を行なって、粒子状に調
整し、各種溶剤を用いてポリシランとともに層形成用樹
脂中に分散させる。TiOPcの含有量は、層中1〜80
重量%、好適には10〜60重量%の割合で含有させるとよ
い。
【0053】本発明の感光体は、上記のような基本的構
成に基づいて、所要の電子写真特性に応じて更に改良や
変更等を行なってもよい。例えば、基体1とその上の感
光層2、7との間に中間層を設けることにより、帯電性
を高めたり残留電位を低減したりできる。或いはこれら
の感光層2、7の上に表面層を設けて、帯電性を高めた
り、その耐久性を向上させることもできる。
【0054】(ポリシラン層の形成方法)本発明のポリ
シランを含有して成る層であるキャリア輸送層4や感光
層7は、既に公知となった種々の方法により形成するこ
とができるが、例えば、ポリシランを有機溶剤により溶
液化し、それをバーコート法、浸漬法、溶融押出法、ス
プレー法等の塗布法により、基体に塗布乾燥を行なって
形成する。この有機溶剤には、ベンゼン、トルエン等の
芳香族系炭化水素、メチルアルコール、エチルアルコー
ル、IPA(イソプロピルアルコール)等のアルコール
類、テトラヒドロフラン、ジメチルエーテル等のエーテ
ル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、エ
ステル類、ハロゲン類、ハロゲン化炭化水素等が用いら
れ、それらを1種もしくは2種以上混合して用いる。
【0055】また、上記有機溶剤に低分子キャリア輸送
物質に対してポリシランを0.1 〜5.0 重量%含有させ、
さらにバインダー樹脂を混合した溶液を用意し、この溶
液に基体を浸漬し、次いで乾燥させて層形成してもよ
い。この輸送物質としては、例えば、フェニレンジアミ
ン系化合物、オキサジアゾール系化合物、スチリル系化
合物、ピラゾリン系化合物、ヒドラゾン系化合物、ヒド
ラゾリン系化合物、トリフェニルアミン系化合物、イン
ドール系化合物、オキサゾール系化合物、イソオキサゾ
ール系化合物、チアゾール系化合物、チアジゾール系化
合物、イミダゾール系化合物、ピラゾール系化合物、ト
リアゾール系化合物等の、含窒素環式化合物、縮合多環
式化合物がある。
【0056】これらの低分子キャリア輸送物質に対し
て、ポリシランは0.1 〜5.0 重量%、好適には0.1 〜2.
0 重量%で含有させるとよい。この範囲内であれば、キ
ャリア輸送機能が高められ、光感度や残留電位に対して
優位に作用し、相対的に帯電能が高くなり、感度特性が
向上する。しかも、ポリシランの分子量及び分子量分布
に対して特に限定もないため、この感光体に用いるポリ
シランを、大量にしかも安価に供給することができる。
【0057】更に、ポリシランの含有量が、キャリア輸
送物質に対して0.1 〜5.0 重量%と少量でよいので、こ
のポリシランに対して機械的強度(膜強度)を要求しな
くてもよい。即ち、膜強度は高いが溶媒に対する溶解性
が良くない、2,500,000 を越える高分子量でかつ分子量
分布の狭いポリシランを用いる必要がなく、溶解性の良
いポリシランを使えばよいので、塗布法等による層形成
も容易になる。そして、ポリシランを含有させるバイン
ダー樹脂を適切に選択することにより、所望の膜強度を
得ることができる。
【0058】このようなバインダー樹脂としては、それ
自体公知のもの、例えば、ポリスチレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ酢酸ビニル、ポリプロピレン、ポリブタジエ
ン、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリエー
テル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリカーボネー
ト、ビスフェノールAホモポリマー、ポリアクリレー
ト、ポリアリレート、シリコーン樹脂、フェノール樹
脂、ポリビニルブチラール等があり、これらの樹脂を1
種または2種以上混合して用いることができる。また、
メタクリレート樹脂等の非常に透明性の高い樹脂を除い
ては自らが紫外線を吸収するものが多いので、紫外線に
よるポリシランの劣化を防ぐことができる。
【0059】上記バインダー樹脂の含有量は、キャリア
輸送層中で50重量%以下、好ましくは20重量%以下とす
ると、ポリシランとキャリア輸送物質による高いホール
移動度を低下させることなく、十分な膜強度や硬度を持
たせることができ、さらに輸送層に必要な絶縁性や帯電
特性を持たせ、光の長時間露光による光疲労(キャリア
移動度や膜強度の低下)を防止することができて、耐久
性及び信頼性が高い、高性能の感光層が得られる。この
バインダー樹脂の含有量が50重量%を越えると、輸送層
の絶縁性が高くなり過ぎて、キャリア移動度が低下して
しまう傾向がある。
【0060】(画像形成装置の種類)本発明の感光体を
搭載する画像形成装置には、帯電もしくは電圧印加と露
光により静電潜像を感光体の表面に形成して画像形成を
行なう電子写真方式を採用しておれば、種々の方式の装
置があり、例えば背面同時露光方式、並びに外部電荷潜
像方式であるカールソン方式や容量像方式(NP法、K
IP法)がある。これらの電子写真方式の画像形成装置
においては、それに搭載した本発明の感光体に高い移動
度のキャリア輸送層を形成でき、これにより、感光層内
部に発生したキャリアがその層内部を高い速度で移動す
るので、静電潜像が形成されるまでの時間が短くなり、
その結果、ドラム状感光体の回転速度を高めることがで
き、画像形成を高速度で行なえる。しかも、転写後に露
光によって残余静電潜像を除去する除電工程を採用した
場合においても、その露光により感光層内部に発生した
キャリアが除電に速やかに寄与するので、その除電に要
する感光層の露光領域が狭くなり、画像形成の高速度化
と相まってドラム状感光体の径を小さくでき、画像形成
装置の小型化が達成できる。
【0061】また、これら各種方式の画像形成装置は、
いずれも複写機もしくはプリンタの構成にできる。ここ
で、複写機とは原稿からの反射光をレンズやミラーなど
の光学系を用いて、感光体の表面に露光する構造を有す
るものであり、プリンタとは、電気信号により制御され
た発光光源(レーザ、LED、液晶シャッタ、EL等)
を用いて、感光体の表面を露光する構造を有するもので
ある。
【0062】(背面同時露光方式)次に、本発明の特徴
が最も応用できる背面同時露光方式の画像形成装置(プ
リンタ)について具体的に詳述する。図3は上記背面同
時露光方式の画像形成装置8を表わす模式図であり、コ
ロナ帯電を不要として露光と現像とがほぼ同時に行なえ
るように組み合わせた電子写真方式の画像形成装置であ
る。同図中、9は、透光性支持体10上に、透光性導電層
11と光キャリア発生層12と化1のポリシランを含有して
成る10-5cm2 /V・秒以上の移動度を有するキャリア
輸送層13とが積層されたドラム状の感光体、14は露光手
段としてのLEDヘッド、15は現像手段としての現像
機、16は転写手段としての転写ローラである。LEDヘ
ッド14と現像機15は、感光体9のある一部を介して、ほ
ぼ対称的に配置される。このようなLEDヘッド14とし
ては、小型で低消費電力のダイナミックドライブ方式の
LEDヘッドが好適に用いられる。17は除電手段である
イレース用光源としてのLEDアレイであり、感光体9
の外側に配置してもよい。また、17は必ずしも必要とす
るものではない。現像機15においては、例えば8極の円
柱状の磁極ローラ18と、その外周に亘って配設された円
筒状の導電性スリーブ19とから成り、トナー受20に貯蔵
された現像剤としての1成分磁性導電性トナーまたは導
電性磁性キャリアと絶縁性トナーとから成る2成分現像
剤が、スリーブ19の外周へ配送されて磁気ブラシ21を形
成する。また、スリーブ19と透光性導電層11との間には
バイアス電源22が設けられ、その両者11、22の間に感光
体9の電位特性に応じて+或いは−の電圧(300 V以
下)を印加する。23は感光体9の表面に形成されたトナ
ー像、24は被転写材である記録紙、25は転写後の残留ト
ナーである。これ以外に現像機の回転駆動手段と感光体
9の回転手段とを設ける。なお、露光手段14にはここで
はLEDヘッドを用いたが、レーザや液晶シャッタアレ
イヘッド、ELヘッド等でもよい。イレース用光源17に
も、LEDアレイの他、ハロゲンランプや蛍光灯、EL
アレイ等の光源が使用できる。
【0063】かくして上記構成の画像形成装置8によれ
ば、回転する感光体9の透光性支持体10側からLEDヘ
ッド14より画像露光の光を照射し、光キャリア発生層12
の内部に正孔と電子を発生させると、現像機側に−のバ
イアス電圧を印加してあれば、そのバイアス電圧によっ
て正孔はキャリア輸送層13の表面側へ移動し、磁気ブラ
シ21の末端の負電荷と打ち消し合い、感光体9の表面に
トナーが付着される。そして、そのトナーは転写ローラ
16により記録紙24上に転写され、次いで定着される。
【0064】本発明においては、光キャリア発生層12
と、ポリシランを含有して成るキャリア輸送層13とを組
み合わせるとともに、そのキャリア輸送層13の移動度を
10-5cm2 /V・秒以上に設定して高いキャリア輸送特
性を具備させ、これにより、光キャリア発生層12に発生
したキャリアが効率的にキャリア輸送層13の表面へ移送
されるので、高い画像形成速度が得られる。
【0065】次に、上記構成の画像形成装置の具体的内
容を図4により更に詳述する。図4は、上記感光体9の
一部と現像機15により形成される現像剤溜り26を表わす
説明図である。現像剤を保持させる現像機15は、導電性
のスリーブ19と、その内部に配置された磁極ローラ18と
から成り、現像剤の搬送は、磁極ローラ18を固定してス
リーブ19を回転してもよく、またはスリーブ19を固定し
て内部の磁極ローラ18を回転してもよい。
【0066】ここで現像剤を感光体9と逆方向に搬送す
ると、両者の摩擦で現像機15と感光体9の最近接部位よ
りも下流側(感光体が現像剤から離れる側)に現像剤溜
り26が生じる。即ち、現像剤の本来の高さよりもはみ出
した部分が現像剤溜り26である。この現像剤溜り26を形
成するための現像剤の搬送速度や現像剤の高さ、スリー
ブ19と感光体9の表面とのギャップ等は、感光体9の回
転速度や必要とする現像剤溜り26の大きさに応じて適宜
設定する。
【0067】27は制御電極であり、この制御電極27はス
リーブ19上で感光体9との最近接部位に設け、絶縁体28
でスリーブ19と絶縁する。制御電極27は、感光体9や現
像剤に均一な電界が加わるように、スリーブ19の長さ方
向に沿った帯状とする。この制御電極27は必須不可欠の
ものではなく、適宜採用される。
【0068】現像剤には例えば導電性磁性トナーを用い
るが、これは磁気ブラシ21及び現像剤溜り26を形成し、
必要な導電性を有すれば、1成分の現像剤でも良く、導
電性のキャリアと絶縁性のトナーとを所定の混合比で混
合して必要な導電率にした2成分の現像剤を用いてもよ
い。
【0069】画像露光を行なう位置は、感光体9の表面
と現像スリーブ19との最近接位置Aではなく、感光体9
の逆方向回転で下流側に形成した現像剤溜り26の位置B
とし、好ましくは現像剤溜り26の中でも下流側の後半部
とする。現像剤溜り26の位置で露光を行なうことによ
り、露光までの間に感光体9の帯電が十分に行なわれ、
帯電前の感光体9の電位の履歴の影響が抑えられるとと
もに、感光体9の表面の残留トナーや画像背景部のトナ
ーの回収が十分に行なわれる。更に、感光体9が十分に
帯電されてから露光を行なって電荷を消失させるため
に、現像剤と感光体9との電気的引力が強く、良好なト
ナー像23が形成される。そして、トナー像23の形成後は
感光体9が現像剤溜り26から速やかに離れるため、感光
体9の表面のトナー像23が現像剤の衝突や摩擦等のよう
な機械的な力により乱されることがなく、良好な解像度
のトナー像23が得られる。
【0070】また、現像剤溜り26の位置では、感光体9
の表面と現像スリーブ19とが最も近接する位置Aより
も、感光体9の表面と磁極ローラ18の距離が大きくな
る。このため、現像剤を磁極ローラ18の側に吸引する磁
力は弱く、感光体9の表面に形成されたトナー像23の一
部が磁力によって現像手段の側に回収されて画像濃度が
低下したり、磁力により乱されて解像度が低下したりす
ることを防止できる。
【0071】更に、帯状の制御電極27を設け、その電位
を電源29により所定の電位に調整する。例えば、制御電
極27を接地し、透光性導電層11と共通電位にする。ある
いはスリーブ19の電位に対してその電位を低くもしくは
高く設定する。このように、スリーブ19とは独立に電位
を印加できる制御電極27を設けると、感光体9の表面電
位を現像剤を介して中和し、あるいは感光体9の表面の
電位を揃え、以前の画像形成プロセスでの帯電や露光の
有無等による感光体9の履歴の影響を打ち消すことがで
きる。この結果、繰り返し使用時、例えば1枚の画像を
得るために感光体9を数回転させる場合等に、安定した
現像状態と記録画像とが得られる。ここで制御電極27の
電位を調整すると、画像濃度や地かぶり等に対する最適
画像形成条件を調整することができる。また、制御電極
27の電位を高くし、スリーブ19の電位を低くすることに
より、非露光部にトナーが付着し、露光部にはトナーが
付着しない、いわゆる反転現像も可能になった。
【0072】感光体9の表面に形成されたトナー像23
は、次いで記録紙24に転写され、定着されて記録画像と
なる。一方、転写されずに感光体9の表面に残った残留
トナー25は、次の画像形成プロセスにおいて現像機15に
回収されて再利用される。
【0073】更に、転写後の感光体9にイレース用光源
17により除電光を照射することによって、以前のプロセ
スでの帯電や露光の有無等による感光体9の履歴の影響
をより効果的に打ち消すことができ、繰り返し使用時に
おける残像現象などの画像上の問題を抑制することがで
きる。また、感光体9のキャリア輸送層13の表面にトラ
ップされた電荷を消去し、感光体9とその表面の残留ト
ナーとの電気的な引力を無くして、残留トナーを現像機
15に回収され易くすることができる。
【0074】また、このキャリア輸送層13は感光体9の
表面層を兼ねても良好な表面特性を具備させることがで
きる。即ち、本発明のキャリア輸送層13に低分子キャリ
ア輸送物質とともにポリシランを含有させる場合に、そ
の表面側でキャリア輸送物質及びポリシランの含有量を
少なくすれば、その低含有量領域での機械的強度を高め
ることができ、しかも、その表面から層内部に侵入する
化学的作用に起因するキャリア輸送物質の劣化を生じに
くくすることができるとともに、その劣化の程度を減ら
すことができるという利点があり、これによって更に良
好な表面特性が得られる。そして、繰り返し耐久性や帯
電あるいはイレースの応答性が好適になる。
【0075】(外部電荷潜像方式)この外部電荷潜像方
式には、カールソン方式や容量像方式(NP法、KIP
法)が代表例として挙げられるが、このカールソン法を
図5により説明する。同図は、プリンタ構成の画像形成
装置30であり、31は本発明に係るドラム状の感光体であ
り、この感光体31の周面に帯電手段であるコロナ帯電器
32と、その帯電後に光照射する露光手段である露光器33
と、トナー像を感光体31の表面に形成するためのトナー
34を備えた現像手段である現像機35と、そのトナー像を
被転写材36に転写する転写手段である転写器37と、その
転写後に感光体表面の残留トナーを除去するクリーニン
グ手段38と、その転写後に残余静電潜像を除去する除電
手段39とを配設した構成である。これらの内、クリーニ
ング手段38と除電手段39とは、必ずしも不可欠なもので
はない。また、40は被転写材36に転写されたトナー像を
熱もしくは圧力により定着するための定着器である。
【0076】このカールソン方式は、次の〜のプロ
セスを繰り返し経る。 感光体31の周面をコロナ帯電器32により帯電する。 露光器33により画像を露光することにより、感光体
31の表面上に電位コントラストとしての静電潜像を形成
する。 この静電潜像を現像機35により現像する。この現像
により黒色のトナーが静電潜像との静電引力により感光
体表面に付着し、可視化される。 感光体表面のトナー像を紙などの被転写材36の裏面
よりトナーと逆極性の電界を加えて静電転写し、これに
より、画像を被転写材36の上に得る。 転写後の感光体表面の残留トナーを、クリーニング
手段38により機械的に除去する。 感光体表面を強い光で全面露光し、除電手段39によ
り残余の静電潜像を除去する。 但し、上述のようにクリーニング手段38又は除電手段39
を配設しない構成においては、又はのプロセスは省
略される。
【0077】かくして、上記構成の画像形成装置30によ
れば、露光器33の光照射によって感光層内部に発生した
キャリアが、その層内部を高い速度で移動するので、静
電潜像が形成される時間が短くなり、ドラム状の感光体
31の回転速度を高めることができ、画像形成を高速度で
行なえる。しかも、転写後の露光による除電において
も、その露光により感光層内部に発生したキャリアが除
電に速やかに寄与するので、除電に要する感光層の露光
領域が狭くなり、画像形成の高速度化と相まってドラム
状感光体の径を小さくでき、画像形成装置の小型化が達
成できる。
【0078】なお、上記画像形成装置30はプリンタの構
成であるが、露光器33に代えて原稿からの反射光を通す
レンズやミラーなどの光学系を用いれば、複写機として
の画像形成装置となる。
【0079】以下、本発明の実施例を述べる。 (例1)本例においては、ポリシランの合成を行なっ
た。まず、溶媒であるトルエン1.25リットル中にナトリ
ウム89.1g(3.88 mol)を入れ、これを加熱還流してナ
トリウム分散体を作った。一方、出発物質であるフェニ
ルメチルジクロロシランを250ミリリットル(1.55 mo
l)用意し、その内の12.5ミリリットル(全体量の5
%)を、上記ナトリウム分散体に滴下した。これを自然
放冷し、約65℃になったところで残りのフェニルメチル
ジクロロシランをゆっくりと滴下し、65℃を保ちながら
重合反応を行なった。
【0080】この反応により得られたポリシランの重量
平均分子量Mw と数平均分子量Mnとを、ゲル浸透クロ
マトグラフィーを用いて測定し、Mw /Mn も求めたと
ころ、Mw は約30,000であり、Mw /Mn は約4であっ
た。また、この時のポリシランの収量は 112gであり、
収率は60%であった。
【0081】(例2)本例においても(例1)と同じ
く、ポリシランの合成を行なった。まず、トルエン1.25
リットル中にナトリウム78.4g(3.41 mol)とヨウ化銅
2.95g(15.5 mol)を入れ、これを加熱還流した。これ
に、出発物質であるジクロロシラン 250ミリリットル
(1.55 mol)を滴下して、重合反応を行なった。
【0082】この反応により得られたポリシランの重量
平均分子量Mw とMw /Mn とを(例1)と同様に求め
たところ、Mw は約90,000であり、Mw /Mn は約10で
あった。また、この時のポリシランの収量は92gであ
り、収率は49.4%であった。
【0083】(例3)本例においては、以下のようにし
て、背面同時露光方式用の本発明のポリシラン含有感光
体並びに比較例の感光体を作製した。まず、透明な円筒
状ガラス基体またはプラスチック基体の周面に、透光性
導電層11としてITO層を活性反応蒸着法により 1,000
オングストロームの厚みで形成した。次いで、チタニル
フタロシアニン(TiOPc)とポリビニルブチラール
をクロロホルム中に分散混合した液中に浸漬し、その
後、減圧中55℃で乾燥して、TiOPcから成る3μm
厚の光キャリア発生層12を形成した。この成膜円筒状ガ
ラス基体の上に、次のようにしてキャリア輸送物質であ
る4-(ジエチルアミノ)ベンツアルデヒドジフェニルヒ
ドラゾン(以下、DEHと略記する)に対して(例1)
及び(例2)の2種類のポリシランをそれぞれ1重量%
混合したキャリア輸送層13を20μmの厚みで形成し、感
光体A1及びA2を作製した。即ち、キャリア輸送層13
のバインダー樹脂にビスフェノールAポリマーを、キャ
リア輸送物質にDEHを用いて、これらバインダー樹脂
及びキャリア輸送物質、並びに(例1)及び(例2)の
ポリシランをそれぞれキャリア輸送物質に対して1重量
%の割合で含有させ、50重量%のバインダー樹脂と共に
トルエンに溶解した2種類の溶液を用意し、それぞれに
上記成膜円筒状ガラス基体を浸漬し、その後 100℃の熱
風で乾燥して、(例1)のポリシランを含有する本発明
の感光体A1及び(例2)のポリシランを含有する本発
明の感光体A2を作製した。
【0084】更に、成膜円筒状ガラス基体上にキャリア
輸送層13を形成するに当たって、ポリシランを含有させ
ず、その他は同様にして20μmの厚みで形成し、ポリシ
ランを含有しない比較例の感光体B1も作製した。
【0085】そこで、上記の感光体A1、A2並びにB
1をそれぞれ図3に示すような画像形成装置8に装着
し、現像剤に導電性磁性キャリアと絶縁性トナーとから
なる2成分現像剤を用い、また、ダイナミックドライブ
方式の解像度 300DPI(ドット/インチ)のLEDヘ
ッドを配し、そして、スリーブ19と透光性導電層11との
間にVs =−400 Vの電圧を印加しつつ波長 660nmで
画像露光を行なって感光体上にトナー像を形成した。そ
して、そのトナー像を+400 Vの転写バイアス電圧を印
加した転写ローラにより市販普通紙に転写し、熱定着を
行なって画像を得た。なお、画像形成装置8における画
像形成に際しては、現像剤を感光体9と逆方向に回転さ
せて現像剤溜り26を形成し、その部位に露光を行なっ
た。
【0086】このようにして得られた画像を評価したと
ころ、本発明の感光体A1及びA2のいずれを用いて
も、光学濃度(以下、O.D.と記す)が 1.4以上の画
像濃度を有し、バックのかぶりもなく、解像度も 300D
PIの良好な画像であった。
【0087】然るに、比較例の感光体であるB1を上記
と同様に画像評価したところ、キャリア輸送層でのキャ
リア移動度が低いために光応答性が悪く、十分な電位コ
ントラストが形成されないために十分な濃度のトナー像
が形成されず、O.D.が 0.6程度と不十分な画像濃度
であった。
【0088】(例4)本例においては、(例3)の2種
類の本発明の感光体A1及びA2の耐久性を、図3に示
すような画像形成装置8を用いて評価した。各感光体を
搭載した画像形成装置8によってA4用紙1万枚のプリ
ントをし、その後の画像を評価して、初期画像と比較し
た。その結果、感光体A1及びA2のいずれの画像にお
いても、O.D.が 1.4以上と十分な画像濃度を有し、
バックのかぶりもなく、解像度も 300DPIの良好で、
初期画像と比べて殆ど劣化のない画像であった。従っ
て、本発明の感光体であれば、いずれも良好な耐久性を
有することが確認できた。
【0089】(例5)本例においては、以下のようにし
て、背面同時露光方式用の本発明のポリシラン含有感光
体並びに比較例の感光体を作製した。透明な円筒状ガラ
ス基体(または円筒状プラスチック基体)の周面に、透
光性導電層11としてITO層を活性反応蒸着法により
1,000オングストロームの厚みで形成し、次いでグロー
放電分解装置内に装着し、反応容器内を真空に排気した
後、最初にシランガスとジボランガスを一定割合で流し
つつ高周波放電電圧を印加して、0.5 μm厚のa−S
i:B:Hキャリア注入阻止層を形成した。その後、ジ
ボランガスの注入を止め、シランガスを一定流量に制御
して2μm厚の光キャリア発生層12を形成した。次に、
この成膜円筒状ガラス基体を、(例3)の2種類の感光
体A1及びA2と同様に、2種類のポリシランを含有し
た2種類の5μm厚のポリシラン含有キャリア輸送層13
を形成し、順次、本発明の感光体A3及びA4を作製し
た。
【0090】更に、この成膜円筒状ガラス基体上にキャ
リア輸送層13を形成するに当たって、ポリシランを含有
させず、その他は同様にして、ポリシランを含有しない
比較例の感光体B2も作製した。
【0091】そこで、本発明の感光体であるA3及びA
4並びに比較例の感光体B2を、それぞれ図3に示すよ
うな画像形成装置8に装着し、(例3)に記載された条
件で同様に感光体上にトナー像を形成し、そのトナー像
を転写ローラにより市販普通紙に転写し、熱定着を行な
って画像を得た。
【0092】この画像を評価したところ、本発明の感光
体A3及びA4のいずれを用いてもO.D.が 1.4以上
の画像濃度を有し、バックのかぶりもなく、解像度も 3
00DPIの良好な画像であった。
【0093】然るに、比較例の感光体B2による画像を
上記と同様に評価したところ、キャリア輸送層でのキャ
リア移動度が低いために光応答性が悪く、十分な電位コ
ントラストが形成されないために十分な濃度のトナー像
が形成されず、O.D.が 0.7程度と不十分な画像濃度
であった。
【0094】(例6)本例においては、(例5)の2種
類の本発明の感光体の耐久性を(例4)と同様に評価し
たところ、同様の結果が得られ、本発明の感光体であれ
ば、いずれも良好な耐久性を有することが確認できた。
【0095】(例7)本例においては、以下のようにし
て、背面同時露光方式用の本発明のポリシラン含有感光
体並びに比較例の感光体を作製した。透明な円筒状ガラ
ス基体(または円筒状プラスチック基体)の周面に、透
光性導電層11としてITO層を活性反応蒸着法により
1,000オングストロームの厚みで形成し、次いで真空蒸
着法によりa−Seから成る2μm厚の光キャリア発生
層12を形成した。次にこの成膜円筒状ガラス基体を、
(例3)の2種類の感光体A1及びA2と同様に、2種
類のポリシランを含有した2種類の5μm厚のポリシラ
ン含有キャリア輸送層13を形成し、順次、2種類の本発
明の感光体A5及びA6を作製した。
【0096】更に、この成膜円筒状ガラス基体上にキャ
リア輸送層13を形成するに当たって、ポリシランを含有
させず、その他は同様にして、ポリシランを含有しない
比較例の感光体B3も作製した。
【0097】そこで、本発明の感光体であるA5及びA
6並びに比較例の感光体B3を、それぞれ画像形成装置
8に装着し、(例3)に記載された条件で同様に感光体
上にトナー像を形成し、そのトナー像を転写ローラによ
り市販普通紙に転写し、熱定着を行なって画像を得た。
【0098】この画像を評価したところ、本発明の感光
体A5及びA6のいずれを用いてもO.D.が 1.4以上
の画像濃度を有し、バックのかぶりもなく、解像度も 3
00DPIの良好な画像であった。
【0099】然るに、比較例の感光体B3による画像を
上記と同様に評価したところ、キャリア輸送層でのキャ
リア移動度が低いために光応答性が悪く、十分な電位コ
ントラストが形成されないために十分な濃度のトナー像
が形成されず、O.D.が 0.7程度と不十分な画像濃度
であった。
【0100】また、これら2種類の本発明の感光体A5
及びA6の耐久性を(例4)と同様に評価したところ、
同様の結果が得られ、本発明の感光体であれば、いずれ
も良好な耐久性を有することが確認できた。
【0101】(例8)本例においては、以下のようにし
て、背面同時露光方式用の本発明のポリシラン含有感光
体並びに比較例の感光体を作製した。透明な円筒状ガラ
ス基体(または円筒状プラスチック基体)の周面に、透
光性導電層であるITO層を活性反応蒸着法により 1,0
00オングストロームの厚みで形成し、次いで、(例3)
と同様にして2種類のポリシラン含有キャリア輸送層13
を形成するに当たって、この層13を形成するための溶液
に更にa−Si系の光導電性粉末を含有させて混合した
上で、上記成膜円筒状ガラス基体を浸漬し、その後 100
℃の熱風で乾燥した。これによって、積層型感光体9に
代えて、キャリア輸送層に光キャリア発生物質を含有し
て成る単一の感光層の感光体A7及びA8が得られた。
【0102】更に、この成膜円筒状ガラス基体上に上記
の単一の感光層を形成するに当たって、ポリシランを含
有させず、その他は同様にして、ポリシランを含有しな
い比較例の感光体B4も作製した。
【0103】そこで、本発明の感光体であるA7及びA
8並びに比較例の感光体B4を、画像形成装置8に装着
し、(例3)に記載された条件で同様に感光体上にトナ
ー像を形成し、そのトナー像を転写ローラにより市販普
通紙に転写し、熱定着を行なって画像を得た。
【0104】この画像を評価したところ、本発明の感光
体A7及びA8のいずれを用いてもO.D.が 1.4以上
の画像濃度を有し、バックのかぶりもなく、解像度も 3
00DPIの良好な画像であった。
【0105】然るに、比較例の感光体B4による画像を
上記と同様に評価したところ、キャリア輸送層でのキャ
リア移動度が低いために光応答性が悪く、十分な電位コ
ントラストが形成されないために十分な濃度のトナー像
が形成されず、O.D.が 0.6程度と不十分な画像濃度
であった。
【0106】また、これら2種類の本発明の感光体A7
及びA8の耐久性を(例4)と同様に評価したところ、
同様の結果が得られ、本発明の感光体であれば、いずれ
も良好な耐久性を有することが確認できた。
【0107】(例9)本例においては、以下のようにし
て、背面同時露光方式用の本発明のポリシラン含有感光
体並びに比較例の感光体を作製した。透明な円筒状ガラ
ス基体(または円筒状プラスチック基体)の周面に、透
光性導電層であるITO層を活性反応蒸着法により 1,0
00オングストロームの厚みで形成し、次いで、(例3)
と同様にして2種類のポリシラン含有キャリア輸送層13
を形成するに当たって、この層13を形成するための溶液
に更にTiOPc粉末を超音波分散法により分散させて
混合した上で、上記成膜円筒状ガラス基体を浸漬し、そ
の後 100℃の熱風で乾燥した。これによって、積層型感
光体9に代えて、キャリア輸送層に光キャリア発生物質
を含有して成る単一の感光層の感光体A9及びA10が得
られた。
【0108】更に、この成膜円筒状ガラス基体上に上記
の単一の感光層を形成するに当たって、ポリシランを含
有させず、その他は同様にして、ポリシランを含有しな
い比較例の感光体B5も作製した。
【0109】そこで、本発明の感光体であるA9及びA
10並びに比較例の感光体B5を、画像形成装置8に装着
し、(例3)に記載された条件で同様に感光体上にトナ
ー像を形成し、そのトナー像を転写ローラにより市販普
通紙に転写し、熱定着を行なって画像を得た。
【0110】この画像を評価したところ、本発明の感光
体A9及びA10のいずれを用いてもO.D.が 1.4以上
の画像濃度を有し、バックのかぶりもなく、解像度も 3
00DPIの良好な画像であった。
【0111】然るに、比較例の感光体B5による画像を
上記と同様に評価したところ、キャリア輸送層でのキャ
リア移動度が低いために光応答性が悪く、十分な電位コ
ントラストが形成されないために十分な濃度のトナー像
が形成されず、O.D.が 0.6程度と不十分な画像濃度
であった。
【0112】また、これら2種類の本発明の感光体A9
及びA10の耐久性を(例4)と同様に評価したところ、
同様の結果が得られ、本発明の感光体であれば、いずれ
も良好な耐久性を有することが確認できた。
【0113】(例10)本例においては、以下のように
して、カールソン方式用の本発明のポリシラン含有感光
体を作製した。まず、Al製円筒状基体の周面に、(例
3)と同様にTiOPcからなる有機光導電材を光キャ
リア発生層12として形成し、その層12の上に(例3)に
述べた2種類の本発明の感光体と同様に、(例1)及び
(例2)の2種類のポリシランをキャリア輸送物質であ
るDEHに対して1重量%、並びにバインダー樹脂であ
るビスフェノールAポリマーを50重量%含有した5μm
厚のポリシラン含有キャリア輸送層13を形成し、本発明
の感光体A11及びA12を作製した。
【0114】かくして得られた本発明の感光体であるA
11及びA12について、−6kVの電圧を印加したコロナ
帯電器を用いて帯電させ、暗部表面電位を測定して初期
帯電電位を求めたところ、いずれも−800 Vの帯電電位
を示し、高い帯電能力を有することが確認できた。
【0115】次に、表面電位を−800 Vに帯電させた後
に 650nmの波長の光を照射して、表面電位を−500 V
から−250 Vに減衰させるのに必要な露光エネルギー
(半減露光量)を測定して、その逆数により半減光感度
を求めたところ、いずれも 2.0(cm2 /μJ)とな
り、高い光感度を示した。
【0116】更に、露光波長を変えて分光感度特性を調
べたところ、600 〜 800nmの範囲に渡って半減露光量
の逆数が 2.0(cm2 /μJ)以上と、優れた分光感度
特性を有していた。
【0117】また、上記の半減露光量の2倍の露光量を
与え、その時の表面電位を残留電位として求めたとこ
ろ、10V以下と低く、優れた特性を示した。
【0118】次に、これらの感光体を図5に示す構成の
カールソン方式によるプリンタ(画像形成装置30)に搭
載し、露光手段として波長 650nm、解像度 400DPI
(ドット/インチ)のダイナミックドライブ方式のLE
Dヘッドを用いて画像形成を行ない、その画像につい
て、画像濃度、解像度、バックのかぶり、残像(ゴース
ト)について画像評価を行なった。
【0119】その結果、画像濃度はO.D.が 1.4と高
く、解像度も 400DPIを良好に解像しており、バック
のかぶりもなく、残像も認められず、そして、画像形成
に際してそのドラム状感光体の回転速度を高めることが
できた。また、連続してA4用紙で1万枚の画像形成を行
なっても、画像濃度や解像度の低下、或いはバックのか
ぶりの増加等の画像品質の変動は認められず、優れた耐
久性を有することも確かめられた。
【0120】(例11)(例10)の各感光体をカールソ
ン方式による市販の複写機に搭載して、露光手段として
原稿からの反射光を感光体に照射する光学系を用いて、
同様に画像形成を行なった。その結果、画像濃度、解像
度、バックのかぶり、階調再現性、残像のいずれにおい
ても優れた画像品質を有する画像が得られるとともに、
画像形成に際してドラム状感光体の回転速度を高めるこ
とができ、複写機用感光体としても優れた特性を有する
ことが確かめられた。
【0121】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内におい
て、改善、変更等は何ら差し支えない。
【0122】
【発明の効果】以上の通り、本発明の感光体用ポリシラ
ン含有キャリア輸送層は、ポリシランをキャリア輸送物
質に対して0.1 〜5.0 重量%含有させることにより、高
いホール移動度と十分な膜強度を有するキャリア輸送層
が得られた。
【0123】また、本発明によれば、このポリシラン含
有キャリア輸送層を形成することにより、高いホール移
動度を有し、しかも信頼性に優れたポリシラン含有感光
体が提供できた。
【0124】更に本発明においては、ポリシランの分子
量や分子量分布を特に限定する必要がないため、容易に
しかも安定的に所要のポリシランを生成することがで
き、これにより、高い品質の感光体を安定的に製造する
ことができるので、製造歩留りが向上し、その結果、製
造コストが低減するという利点がある。
【0125】更にまた、本発明の感光体であれば、高い
キャリア移動度が要求される画像形成装置、例えば背面
同時露光方式の画像形成装置等に好適に搭載することが
できた。
【0126】また、本発明の画像形成装置によれば、露
光手段の光照射によって感光層内部に発生したキャリア
が、その層内部を高い速度で移動するので、静電潜像が
形成される時間が短くなり、これにより、ドラム状の感
光体であれば、そのドラムの回転速度を高めることがで
き、画像形成を高速度で行なうことができた。しかも、
転写後の露光による除電においても、その露光により感
光層内部に発生したキャリアが除電に速やかに寄与する
ので、その除電に要する感光層の露光領域が狭くなり、
画像形成の高速度化と相まってドラム状の感光体の径を
小さくでき、画像形成装置の小型化が達成できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る感光体の層構成の例を示す縦断面
図である。
【図2】本発明に係る感光体の層構成の他の例を示す縦
断面図である。
【図3】実施例に用いられる電子写真方式を示す模式図
である。
【図4】実施例に用いられる電子写真方式の要部構成図
である。
【図5】本発明に係る画像形成装置の概略構成図であ
る。
【符号の説明】
1・・・・・導電性基体 2・・・・・積層型感光層 3・・・・・光キャリア発生層 4、5・・・キャリア輸送層 6・・・・・光キャリア発生物質 7・・・・・単一の感光層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堂丸 隆祥 大阪府河内長野市旭ケ丘30−4 (72)発明者 岡 邦雄 大阪府堺市庭代台4−34−3

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性基体の上に光キャリア発生層と、
    下記化1で表示されたポリシランをキャリア輸送物質に
    対して0.1〜5.0重量%含有したキャリア輸送層と
    を積層して成る感光層を形成したことを特徴とするポリ
    シラン含有感光体。 【化1】
  2. 【請求項2】 導電性基体の上に下記化1で表示された
    ポリシランをキャリア輸送物質に対して0.1〜5.0
    重量%含有したキャリア輸送層に光キャリア発生物質を
    含有して成る感光層を形成したことを特徴とするポリシ
    ラン含有感光体。 【化1】
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2の感光体と、該感
    光体の感光層側に配設した現像手段と、透光性を有する
    導電性基体側から画像露光光を照射する露光手段とから
    成り、上記感光体の表面にトナー像を形成させるべく上
    記現像手段と導電性基体との間に電圧を印加しながら露
    光手段より画像露光光を照射する機構と、該トナー像を
    被転写材に転写する転写手段を具備したことを特徴とす
    る画像形成装置。
  4. 【請求項4】 請求項1又は請求項2の感光体と、該感
    光体の表面に電荷を付与する帯電手段と、感光体の帯電
    領域に対して画像露光光を照射する露光手段とから成
    り、これら帯電手段と露光手段とにより感光体の表面に
    静電潜像を形成するとともに、該静電潜像に対応するト
    ナー像を感光体の表面に形成する現像手段と、該トナー
    像を被転写材に転写する転写手段を具備したことを特徴
    とする画像形成装置。
JP9013694A 1994-04-27 1994-04-27 ポリシラン含有感光体並びに画像形成装置 Pending JPH07295262A (ja)

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