JPH0730104B2 - ルテニウム―ホスフィン錯体 - Google Patents

ルテニウム―ホスフィン錯体

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JPH0730104B2
JPH0730104B2 JP62223078A JP22307887A JPH0730104B2 JP H0730104 B2 JPH0730104 B2 JP H0730104B2 JP 62223078 A JP62223078 A JP 62223078A JP 22307887 A JP22307887 A JP 22307887A JP H0730104 B2 JPH0730104 B2 JP H0730104B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は特定のホスフィン化合物とルテニウムとの錯体
に関する。
従来の技術 ロジウム、ルテニウム、パラジウム等の金属元素にキラ
ルな第3級ホスフィンを配位させた錯体のなかには、不
斉合成用触媒としてすぐれた性能を有するものが多い。
化学総説32「有機金属錯体の化学」(日本化学会編、昭
和57年発行)第237頁ないし第238頁に列挙されているよ
うに、この触媒性能を高めるために特殊な構造のホスフ
ィン化合物がこれまでに多数開発されている。
2,2′−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1′−ビナフ
チル(これをBINAPと略記することがある。)は、その
中でもすぐれたもののひとつである(特開昭55−61937
号公報参照)。また、2,2′−ビス(ジ−p−トリルホ
スフィノ)−1,1′−ビナフチル(以下の記述において
は、これをp−TBINAPと略記することがある。)のロジ
ウム錯体(特開昭60−199898号公報参照)及びBINAPと
とp−TBINAPのルテニウム錯体(特開昭61−63690号公
報参照)については、不斉水素化、不斉異性化反応およ
び不斉脱水素反応が良好な結果をもって行なわれたこと
が報告されている。
発明が解決しようとする問題点 上述のように、不斉合成触媒としての性能を高めるため
の特殊なホスフィン化合物を配位させた遷移金属−ホス
フィン錯体多数開発されているが、選択性、転化率、持
続性等の面で未だ充分に満足できるものはなく、従来の
触媒性能を画期的に高める新しい遷移金属−ホスフィン
錯体の開発が望まれていた。
問題点を解決するための手段 本発明者らはすぐれた触媒性能を付与する遷移金属−ホ
スフィン錯体の開発を目指して鋭意研究を行い、多くの
BINAP誘導体について検討を加えたところ、フェニル基
の4,4′位にメトキシ基を導入したホスフィン化合物を
配位させたルテニウム−ホスフィン錯体が、置換基のな
いBINAP、p−TBINAP及び2,2′−ビス〔ジ−(p−t−
ブチルフェニル)ホスフィノ〕−1,1′−ビナフチル
(以下の記述においては、これをp−t−ブチルBINAP
と略記することがある。)等のホスフィン化合物を配位
させた遷移金属−ホスフィン錯体に比べ、著しく不斉合
成における転化率を高めることを知見して本発明を完成
した。
すなわち本発明は、 で表わされる新規なホスフィン化合物2,2′−ビス〔ジ
−(p−メトキシフェニル)ホスフィノ〕−1,1′−ビ
ナフチル(以下の記述においては、これをp−メトキシ
BINAPと略記することがある。)を配位させたルテニウ
ム−ホスフィン錯体に関するものである。
(製造方法) 本発明の錯体の配位子であるホスフィン化合物の合成
は、次式のように行われる。
オキシ塩化リン(11)とベンゼンを氷で冷却し、それに
ジエチルアミン(2)のベンゼン溶液を滴下して反応さ
せ、生成した結晶をロ過し、ベンゼンで洗浄する。得ら
れたロ液を濃縮し、残渣を蒸留することによってN,N−
ジエチルアミドジクロロホスフェート(3)を得る。
一方において、p−ブロムアニソール(4)からテトラ
ヒドロフラン中でグリニャール試薬(5)をつくり、こ
れにN,N−ジエチルアミドジクロロホスフェート(3)
のテトラヒドロフラン溶液を滴下して反応させ、ジ−
(p−メトキシフェニル)ホスフィン酸(6)を得る。
ジ−(p−メトキシフェニル)ホスフィン酸に塩化チオ
ニルを加えて反応させ、過剰の塩化チオニルをとり除
き、ベンゼンヘキサン混合液で再結晶してジ−(p−メ
トキシフェニル)ホスホニルクロライド(7)を得る。
2,2′−ジブロモ−1,1′−ビナフチル(8)は、特公昭
61−54036号公報に記載されている野依らの方法によっ
て、トリフェニルホスフィンを反応助剤とし、臭素及び
1,1′−ビ−2−ナフトールを反応させて合成される。
この2,2′−ジブロモ−1,1′−ビナフチル(8)をマグ
ネシウムと処理してグリニャール試薬(9)をつくり、
これに先に合成したジ−(p−メトキシフェニル)ホス
ホニルグロライドを加え反応させて、2,2′−ビス[ジ
−(p−メトキシフェニル)ホスホリル]−1,1′−ビ
ナフチル(10)を合成する。
これにブルネルの「アンゲヴァンテ・ヘミー国際英語
版」(H.Brunner:Angw.Chem.Int.Edt.Engl.,18,620,(1
979年))に記載の方法を適用し、ジベンゾイル酒石酸
を用いて光学分割する方法によって光学活性体を得る。
得られた光学活性な2,2′−ビス−[ジ−(p−メトキ
シフェニル)ホスホリル]−1,1′−ビナフチルは、公
知の方法〔すなわち「ヘミッシェ・ベリヒテ」Chem.Be
r.,98,171,(1965年)〕により、トリクロロシラン(HS
iCl3)を用いて還元し、本発明のホスフィン化合物であ
る2,2′−ビス[ジ−(p−メトキシフェニル)ホスフ
ィノ]−1,1′−ビナフチル(12)を得る。
上記のようにして得られたp−メトキシBINAPは、ルテ
ニウムと錯体を形成する。
本発明のルテニウム−ホスフィン錯体は下記の一般式
(1) (Ru)x(L)y(J)(Q)z (1) (ただし、式中の Lは2,2′−ビス(ジ(p−メトキシフェニル)ホスフ
ィノ)−1,1′−ビナフチルを表わし、Jは水素原子ま
たはNEt3を表わし、Jが水素原子の場合には、Qはハロ
ゲン原子、ClO4、BPh4、PF6を表わし、x=1、y=
2、z=1を表わす。JがNEt3の場合にはQはハロゲン
原子を表わし、x=2、y=2、z=4を表わす。) で表わされるルテニウム−ホスフィン錯体、あるいは下
記の一般式(2) Ru(L)(A)2 (2) (ただし、式中の Lは2,2′−ビス(ジ(p−メトキシフェニル)ホスフ
ィノ)−1,1′−ビナフチルを表わし、 AはOCOCH3、OCOBu−t、OCOC6H6、OCOCF3、ClO4、PF6
またはBF4を表わす。) で表わされるルテニウム−ホスフィン錯体である。
〔Rh(COD)Cl2〕とCODとを塩化メチレン中に溶解
し、そこへAgClO4、AgBF4またはAgPF6を加え、1時間か
きまぜ、銀塩を濾過した後、溶液を濃縮することによっ
て、〔Rh(COD)2〕Xを合成する。〔Rh(NBD)2〕Xも同様
にして合成される。この錯体にp−メトキシ−BINAPを
加え、塩化メチレン中で1時間かきまぜ、溶液を濃縮す
ることによって、〔Rh(NBD)(p−メトキシBINAP)〕
Xまたは〔Rh(COD)(p−メトキシBINAP)〕Xが合成
される。
〔Rh(p-メトキシBINAP)2〕X(ただし、式中のXは前記と同
一のものである。)は、特開昭60−61587号公報記載の
方法で合成される。
上記の方法によって合成された〔Rh(COD)(p−
メトキシBINAP)〕Xまたは〔Rh(NBD)(p−メトキシ
BINAP)〕Xにp−メトキシBINAPをもう1分子加え、テ
トラヒドロフラン中で約3時間のあいだ常圧のもとで水
素添加を行い、溶液を濃縮すれば〔Rh(p−メトキシBI
NAP)2〕X錯体が合成される。
Ru2Cl4(p−メトキシBINAP)2Et3N(ただし、式中のEt
3Nはトリエチルアミンを示す)およびRuHCl(p−メト
キシBINAP)2は、特開昭61−63690号公報記載の方法
で合成される。
〔Ru(COD)Cl2、p−メトキシBINAPおよびトリ
エチルアミンをトルエン中で6ないし10時間還流し、反
応終了後、溶液を濃縮することによってRu2Cl4(p-メトキシB
INAP)2NEt3が合成される。
また、〔Rh(COD)Cl2、p−メトキシBINAPおよびト
リエチルアミンをエタノール中で12時間還流し、析出し
た結晶をろ別し、乾燥することによってRuHCl(p-メトキシBI
NAP)2が得られる。
〔Ru(p−メトキシBINAP)〕X2および〔RuH(p-メトキシBIN
AP)2〕X(ただし、式中のXは前記定義と同一のもので
ある)は、シュレンク管中で窒素置換下で塩化メチレン
中で各塩の存在下でトリエチルベンジルアンモニウムブ
ロマイドの水溶液の存在下でおのおのRu2Cl4(p-メトキシBIN
AP)2Et3NおよびRuHCl(p−メトキシBINAP)2から、特
願昭61−184651号の明細書に記載の方法によって容易
に合成される。
Ru2Cl4(p-メトキシBINAP)2NEt3あるいはRuHCl(p−メ
トキシBINAP)2とNaClO4、NaBF4またはKPF6をトリエチ
ルベンジルアンモニウムブロマイドのような相間移動触
媒の存在下に塩化メチレン−H2O系で12時間かきまぜ、
反応終了後、抽出操作を行い、有機層を濃縮すると、
[Ru(p−メトキシBINAP)]X2あるいは[RuH(p−メ
トキシBINAP)2]Xが合成される。
(ただし、式中のRはメチル基、t−ブチル基、フェニ
ル基またはトリフロロメチル基を示す)は特願昭61−10
8888号の明細書に記載した方法により、Rがメチル基、
t−ブチル基またはフェニル基の場合にはRu2Cl4(p-メトキ
シBINAP)2Et3Nに対応するカルボン酸塩、すなわち、酢酸
ソーダ、2,2−ジメチルプロピオン酸ソーダ、安息香酸
ソーダを各々シュレンク管に入れ、窒素置換を行ってか
らt−ブタノールを加え加熱還流をして反応させる。反
応終了後、20mmHgの減圧下で、t−ブタノールを留去し
て乾固した後、エチルエーテルで抽出し、エチルエーテ
ルを留去乾固して、得られた固体を更にエタノールで抽
出し、この抽出液を濃縮乾固して得られる。
また、Rがトリフロロメチル基の場合には、前記で得ら
れたRu(p−メトキシBINAP)(O2CCH3)2をシュレンク管
に入れ、窒素置換を行い、脱酸素をした塩化メチレンに
溶かす。これにトリフロロ酢酸を加えて反応させ、濃縮
乾固して粗製錯体を得る。この錯体をトルエンにとか
し、ヘキサンを加え、室温で一夜放置し、析出した固体
を濾取して、減圧下で10時間乾燥して得られる。
実施例 以下に実施例、使用例、参考例および比較例をあげて本
発明をさらに詳しく説明する。
なお、融点は、柳本製作所製ミクロ融点測定装置を用い
て測定した。核磁気共鳴スペクトルを1HNMRはテトラメ
チルシタンを内部標準として、31PNMRは85%リン酸を内
部標準としてブルッカー(Bruker)製AM−400型装置(4
00MHz)を用いて測定した。施光度は日本分光製DIP−4
型装置を用いて測定した。
参考例1 N,N−ジエチルアミド・ジクロロホスフェート(3)の
合成 オキシ塩化リン365g(2.4モル)とベンゼン650mlとを氷
浴下で冷却し、それにジエチルアミン359g(4.9モル)
をベンゼン350mlに溶解した溶液を70分かけて滴下し、
その後20分間室温で攪拌を続けた。生成した結晶を濾別
し、これをベンゼン600mlで洗浄し、濾過液を濃縮し、
残渣を蒸留してN,N−ジエチルアミドジクロロホスフェ
ート392g(理論収率の87%)を得た。この物質の沸点は
105〜108℃/22mmHgであった。
参考例2 ジ−(p−メトキシフェニル)ホスフィン酸(6)の合
成 5lの4口フラスコにマグネシウム66g(2.7モル)、テト
ラヒドロフラン500mlおよびヨウ素1gを入れ、p−ブロ
モアニソール(純正化学株式会社製)504g(2.7モル)
のテトラヒドロフラン700ml溶液を還流下に3.5時間かけ
て滴下した。滴下終了後1.5時間還流を続けた。次に実
施例1で得られたジエチルアミドジクロロホスフェート
255g(1.3モル)のテトラヒドロフラン200ml溶液を還流
下に1時間かけて滴下した。滴下後2時間還流を続けて
反応を完結した。反応液を冷却し、これに塩化アンモニ
ウム200g、水1、氷0.5Kgを加え、攪拌して分液し
た。水層にテトラヒドロフラン300mlを加えて抽出し
た。油層のテトラヒドロフランを合せて、それに濃塩酸
2lを加え、80℃で3〜4時間加熱攪拌した。氷水1を
加えて冷却し、析出した結晶を濾過し、水500mlで洗浄
し、粗ホスフィン酸493gを得た。得られた粗ホスフィン
酸にカセイソーダ70gを水2.8lに溶解した溶液および活
性炭7gを加え、溶解させて不溶物を濾別した。濾液をベ
ンゼン500mlで2回抽出し、可溶物を除いた。残った水
層に、35%塩酸185gの水200ml溶液を加えて中和し、pH1
とした。生成した結晶を濾別し、水2lで洗浄し、乾燥し
てジ−(p−メトキシフェニル)ホスフィン酸261gを得
た。その収率は理論収率の70%であって、融点は181〜1
83℃であった。
参考例3 ジ−(p−メトキシフェニル)ホスホニルクロライド
(7)の合成 実施例2で得られたジ−(p−メトキシフェニル)ホス
フィン酸119g(428ミリモル)に塩化チオニル1.2l(16.
45モル)を加え、80〜90℃で30分間加熱攪拌して反応さ
せた。減圧下で塩化チオニルを留去し、残渣をベンゼン
ヘキサン混合物っから再結晶し、ジ−(p−メトキシフ
ェニル)ホスホニルクロライドの白色結晶122.8g(理論
収率の97%)を得た。 HNMRδppm 3.92(S,6H) 7.03(d,2H,J=9Hz) 7.06(d,2H,J=9Hz) 7.78(d,2H,J=9Hz) 7.95(d,2H,J=9Hz) 参考例4 2,2′−ビス−[ジ−(p−メトキシフェニル)ホスホ
リル]−1,1′−ビナフチル(10)の合成 1のフラスコにマグネシウム6.30g(0.26モル)、テ
トラヒドロフラン100ml、トルエン100ml、ジブロモエタ
ン0.1ml、ヨウ素0.1gを入れ、油浴で70ないし80℃にし
て、2,2′−ジブロモ−1,1′−ビナフチル(8)41.2g
(0.1モル)とトルエン200mlとを5時間かけて滴下し
た。滴下終了後、ジ−(p−メトキシフェニル)ホスホ
リルクロライド(7)74.10g(0.25モル)と、トルエン
50mlとを40ないし45℃で1時間かけて滴下し、1時間そ
のまま攪拌を続けた。反応後、水200mlを加えてジクロ
ロエタン100mlで3回抽出した。溶媒を濃縮し、粗生成
物71gを得た。メルク社製のKieselgel 60(70−230メ
ッシュ)を用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(溶出溶媒はベンゼンであった)により精製し、四塩化
炭素から再結晶して2,2′−ビス−[ジ−(p−メトキ
シフェニル)ホスホリル]−1,1′−ブナフチル35.0g
(理論収率の37.7%)を得た。1 HNMR(CDCl3)δppm 3.73(S.6H) 3.77(S.6H) 6.60−7.80(m.28H) 参考例5 (+)−2,2′−ビス〔ジ−(p−メトキシフェニル)
ホスホリル〕−1,1′−ビナフチル(10)の合成 2,2′−ビス〔ジ−(p−メトキシフェニル)ホスホリ
ル〕−1,1′−ビナフチル(10)の17.0g(18.3ミリモ
ル)と(−)ジベンゾイル酒石酸(東京化成製)6.9g
(18.3ミリモル)を、クロロホルム65mlと酢酸エチル45
0mlとの混合液に溶かして再結晶し、1次結晶7.4gを得
た。これをさらにクロロホルム30mlと酢酸エチル200ml
との混合液で再結晶して2次結晶5.2gを得た。
1次結晶 ▲〔α〕25 D▼=+24.0°(C3.25,CHCl3) 2次結晶 ▲〔α〕25 D▼=+25.98°(C3.03,CHCl3) 2次結晶5.2gを10%カセイソーダ水溶液で加水分解し、
反応液をクロロホルム20mlで3回抽出し、光学活性な2,
2′−ビス〔ジ−(p−メトキシフェニル)ホスホリ
ル〕−1,1′−ビナフチル3.6gを得た。
▲〔α〕25 D▼=+108.95°(C3.43,CHCl3) 参考例6 (+)−2,2′−ビス[ジ−(p−メトキシフェニル)
ホスフィノ]−1,1′−ビナフチル(I)の合成 500mlのフラスコに実施例5で得られた光学活性な
(+)−2,2′−ビス〔ジ−(p−メトキシフェニル)
ホスホリル〕−1,1′−ブナフチル3.6g(4.65ミリモ
ル)、キシレン200ml、トリエチルアミン9.4g(93ミリ
モル)を入れ、攪拌して溶解させた。
その溶液にトリクロロシラン12.6g(93ミリモル)を20
〜30分間で滴下して入れ、100℃で1時間、120℃で1時
間、さらに140℃で1時間反応させた後、室温まで冷却
して30%カセイソーダ水溶液10mlを加え、50〜60℃で30
分間攪拌した。その混合物から水層を分液して除き、キ
シレン層を濃縮した。
得られた残渣に脱気したメタノールを加え、再結晶して
(+)−2,2′ビス〔ジ−(p−メトキシフェニル)ホ
スフィノ〕−1,1′−ビナフチル2.8g(理論収率の81.2
%)を得た。
▲〔α〕25 D▼=+115.75°(C3.67、ベンゼン)1 HNMR(CDCl3)δppm 3.716(S,6H) 3.719(S,6H) 6.60−7.85(n.28H) 元素分析 C48H40O4P2として31 PNMR(CDCl3)δppm −17.45(S) 参考例7 (−)−2,2′−ビス〔ジ−(p−メトキシフェニル)
ホスホリル〕−1,1′−ビナフチルの合成 実施例6と同様にして2,2′−ビス〔ジ−(p−メトキ
シフェニル)ホスホリル〕−1,1′−ビナフチル20g(2
5.8ミリモル)に(+)−ジベンゾイル酒石酸(東京化
成製)9.71g(25.8ミリモル)を加え、再結晶して10.2g
の結晶を得た。得られた結晶を10%カセイソーダ水溶液
で加水分解して(−)−2,2′−ビス〔ジ−(p−メト
キシフェニル)ホスホリル〕−1,1′−ビナフチル6.2g
(理論収率の84%)を得た。
▲〔α〕25 D▼=+169.6°(C 0.5、テトラヒドロフ
ラン) 参考例8 (−)−2,2′−ビス〔ジ−(p−メトキシフェニル)
ホスフィノ〕−1,1′−ビナフチルの合成 実施例7で得られた(−)−2,2′−ビス〔ジ−(p−
メトキシフェニル)ホスホリル〕−1,1′−ビナフチル
6.2gを実施例6と同様に還元して、(−)−2,2′−ビ
ス〔ジ−(p−メトキシフェニル)ホスフィノ〕−1,
1′−ビナフチル4.8g(理論収率の81%)を得た。
▲〔α〕25 D▼=−109.2°(C0.5,ベンゼン) 実施例1 Ru2Cl4((-)-p-メトキシBINAP)2Et3Nの調製 ルテニウムシクロオクタジエンクロライド(〔RuCl2(CO
D)〕)0.36g(1.3ミリモル)と、参考例8で得られた
(−)−2,2′−ビス〔ジ−(p−メトキシフェニル)
ホスフィノ〕−1,1′−ビナフチル((−)−p−メト
キシBINAP)1g(1.35ミリモル)及びトリエチルアミン
0.8mlを、35mlのトルエン中で窒素気流下で反応器に加
えた。10時間加熱還流させて反応後、溶媒を減圧下で留
去した。残った結晶に塩化メチレンを加えて溶解した
後、セライト上で濾過し、濾液を濃縮乾固してジ{2,
2′−ビス〔ジ(p−メトキシフェニル)ホスフィノ〕
−1,1′−ビナフチル}テトラクロロジルテニウムトリ
エチルアミン(Ru2Cl4((-)-p-メトキシBINAP)2Et3N)1.20g
(理論収率の95%)の濃褐色の固体を得た。
元素分析 C102H95Cl4N1O8P4Ru2として、 31PNMR δppm 48.43(S) 48.67(S) 実施例2 Ru((−)−p−メトキシBINAP)(OAC)2の調製 実施例1で調製したRu2Cl4((−)−p−メトキシBINA
P)2Et3N1g(0.5ミリモル)と、酢酸ソーダ0.8g(10ミ
リモル)を100mlのシュレンク管に入れ、じゅうぶんに
窒素置換を行ってからt−ブタノール50mlを加え、12時
間加熱還流して反応させた。
反応終了後にt−ブタノールを留去して乾固した後、塩
化メチレン20mlに残留物を溶解させてセライト上で濾過
した。濾液の塩化メチレンを留去して乾固させ、得られ
た固体を更にエタノール20mlに溶解させて不溶物をセラ
イト上で濾別した。
濾液を濃縮して乾固して2,2′−ビス〔ジ−(p−メト
キシフェニル)ホスフィノ〕−1,1′−ビナフチル ル
テニウム・ジアセテート の黄色固体0.8g(理論収率の83%)を得た。
元素分析はC52H46O8P2Ruとして であった。31 PNMR δppm:62.07(s) 応用例 (+)−6−メトキシ−α−メチル−2−ナフタレン酢
酸(ナプロキセン)の合成 アルゴン置換した100mlのオートクレーブに6−メトキ
シ−α−メチレン−2−ナフタレン酢酸(特開昭54−16
3561号公報の記載に準じて合成した)262mg(1.16ミリ
モル)とメタノール20mlを加え、これに使用例2で調製
した の4.3mg(0.0045ミリモル)を入れ、水素圧95kg/cm2、1
8℃で12時間水素化をした。反応後に溶媒であるメタノ
ールを留去して(+)−6−メトキシ−α′−メチル−
2−ナフタレン酢酸239mg(理論収率の87.4%)を得
た。こうして得た物質の旋光度は であった。
▲〔α〕25 D▼=+47.6°(C 1.01,CHCl3) この物質の光学純度は、純物質の旋光度 ▲〔α〕25 D▼=+66.1°から算出して72%であり、融
点は154〜155℃、1 HNMR:δppm:1.57(d,3H) 3.68(q,1H) 3.90(s,3H) 7.07−7.87(m,6H) 10.83(s,1H) であった。
発明の効果 本発明のルテニウム−ホスフィン錯体は不斉水素化触媒
として非常にすぐれたものであり、工業的に光学活性化
合物を製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 雲林 秀徳 神奈川県茅ケ崎市中海岸1―4―39 (72)発明者 芥川 進 神奈川県横浜市港北区篠原町1081―22 (72)発明者 北村 雅人 愛知県名古屋市千種区春里町2―4 (72)発明者 永井 克典 愛知県名古屋市北区安井3丁目7番6号 (56)参考文献 特開 昭64−9952(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の一般式(1) (Ru)x(L)y(J)w(Q)z (1) (ただし、式中の Lは2,2′−ビス(ジ(p−メトキシフェニル)ホスフ
    ィノ)−1,1′−ビナフチルを表わし、 Jは水素原子またはNEt3を表わし、 wは0または1を表わし、 wが1でJが水素原子の場合には、Qはハロゲン原子、
    ClO4、BPh4またはPF6を表わし、x=1、y=2、z=
    1を表わし、wが1でJがNEt3の場合にはQはハロゲン
    原子を表わし、x=2、y=2、z=4を表わし wが0の場合にはQはOCOCH3、OCOBu−t、OCOC6H5、 OCOCF3、ClO4、PF6またはBF4を表わし、x=1、y=
    1、z=2を表わす。) で表わされるルテニウム−ホスフィン錯体。
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