JPH0730423B2 - 電気めつき用通電ロ−ル合金 - Google Patents
電気めつき用通電ロ−ル合金Info
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- JPH0730423B2 JPH0730423B2 JP62029407A JP2940787A JPH0730423B2 JP H0730423 B2 JPH0730423 B2 JP H0730423B2 JP 62029407 A JP62029407 A JP 62029407A JP 2940787 A JP2940787 A JP 2940787A JP H0730423 B2 JPH0730423 B2 JP H0730423B2
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- Japan
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- roll
- corrosion
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、腐食摩耗抵抗性にすぐれた電気めっき用合金
ロールに関する。
ロールに関する。
連続電気亜鉛めっき等の電気めっきに使用される通電ロ
ールは、第5図に示すように、ロール胴部(スリーブ)
(10)の両端に、給電部材であるロールエンド(20,2
0)が嵌着された構造を有する。被めっき鋼板はそのロ
ール胴部(10)表面に接触し、バックアップロールに挾
持されて、めっき液中を走行する。
ールは、第5図に示すように、ロール胴部(スリーブ)
(10)の両端に、給電部材であるロールエンド(20,2
0)が嵌着された構造を有する。被めっき鋼板はそのロ
ール胴部(10)表面に接触し、バックアップロールに挾
持されて、めっき液中を走行する。
上記通電ロールの胴部(10)は、通電状態下に、強酸性
腐食板であるめっき液による腐食をうける。その腐食
は、単純な腐食ではなく、通電量との相関を有する通電
腐食であり、通電量が増加するに従って、腐食量が増大
する。また、ロール胴部(10)は、その表面に接触して
めっき液中を通過する被めっき鋼板との摩擦による機械
的摩耗をうける。通電ロールの胴部は、この通電腐食と
機械的摩耗とが重畳する腐食摩耗により、表面に肌あれ
(凹凸・疵)が生じる。そのロール胴部表面の腐食摩耗
は、特に、被めっき鋼板のエッヂと接触する電流密度の
高い部分、およびバックアップロールによる接触面圧が
最も高くなる部分に集中的に生じ易い。
腐食板であるめっき液による腐食をうける。その腐食
は、単純な腐食ではなく、通電量との相関を有する通電
腐食であり、通電量が増加するに従って、腐食量が増大
する。また、ロール胴部(10)は、その表面に接触して
めっき液中を通過する被めっき鋼板との摩擦による機械
的摩耗をうける。通電ロールの胴部は、この通電腐食と
機械的摩耗とが重畳する腐食摩耗により、表面に肌あれ
(凹凸・疵)が生じる。そのロール胴部表面の腐食摩耗
は、特に、被めっき鋼板のエッヂと接触する電流密度の
高い部分、およびバックアップロールによる接触面圧が
最も高くなる部分に集中的に生じ易い。
通電ロールの胴部表面に腐食摩耗による肌あれが生じる
と、その疵が被めっき鋼板のめっき表面に転写され、め
っき品質が低下する原因となる。従って、ロール胴部
は、通電腐食に対する抵抗性および機械的摩耗に対する
抵抗性とを兼備し、腐食摩耗が生じにくいものであるこ
とを要する。従来、その胴部材料として、オーステナイ
ト系ステンレス鋼であるSUS 316やNi−Cr−Mo系Ni基合
金である「ハステロイC」、「ハステロイC−276」等
が使用されてきた。
と、その疵が被めっき鋼板のめっき表面に転写され、め
っき品質が低下する原因となる。従って、ロール胴部
は、通電腐食に対する抵抗性および機械的摩耗に対する
抵抗性とを兼備し、腐食摩耗が生じにくいものであるこ
とを要する。従来、その胴部材料として、オーステナイ
ト系ステンレス鋼であるSUS 316やNi−Cr−Mo系Ni基合
金である「ハステロイC」、「ハステロイC−276」等
が使用されてきた。
近時、電気めっき条件は、めっき品質・生産性向上等の
要請から、通電量が従来の10〜15KA程度から、40〜50KA
と高電流量化し、まためっき液はpH1〜2と強酸性のも
のが使用され、更に通板速度は100m/分程度から、150〜
200m/分へと高速度化の傾向にある。
要請から、通電量が従来の10〜15KA程度から、40〜50KA
と高電流量化し、まためっき液はpH1〜2と強酸性のも
のが使用され、更に通板速度は100m/分程度から、150〜
200m/分へと高速度化の傾向にある。
このめっき条件の苛酷化に対し、SUS 316オーステナイ
ト系ステンレス鋼をロール胴部材とする通電ロールは、
めっき液中での通電腐食抵抗性が不足し、またその表面
高度はHs22程度と低く、機械的摩耗に対する抵抗性も十
分でない。他方、「ハステロイC」や「ハステロイC−
276」からなるロール胴部を有する通電ロールは、低pH
のめっき液に対して、非常にすぐれた通電腐食抵抗性を
有し、かつその表面高度もHs25〜28と比較的高いけれど
も、近時の高速度通板条件には十分に対応し得ず、殊に
高張力鋼板(Hs:25〜35)などの硬質の被めっき鋼板と
接触する場合の摩耗抵抗性に問題がある。
ト系ステンレス鋼をロール胴部材とする通電ロールは、
めっき液中での通電腐食抵抗性が不足し、またその表面
高度はHs22程度と低く、機械的摩耗に対する抵抗性も十
分でない。他方、「ハステロイC」や「ハステロイC−
276」からなるロール胴部を有する通電ロールは、低pH
のめっき液に対して、非常にすぐれた通電腐食抵抗性を
有し、かつその表面高度もHs25〜28と比較的高いけれど
も、近時の高速度通板条件には十分に対応し得ず、殊に
高張力鋼板(Hs:25〜35)などの硬質の被めっき鋼板と
接触する場合の摩耗抵抗性に問題がある。
このため、従来の通電ロールは、短期間で腐食摩耗によ
る胴部表面の肌あれがすすみ、頻繁に(例えば1〜2週
間の周期で)胴部表面の再研磨加工を行わねばならず、
そのロール取替と再研磨加工に多大の労力とコストを費
やすことを余儀なくされている。
る胴部表面の肌あれがすすみ、頻繁に(例えば1〜2週
間の周期で)胴部表面の再研磨加工を行わねばならず、
そのロール取替と再研磨加工に多大の労力とコストを費
やすことを余儀なくされている。
本発明は、上記問題点を解決するために改良された腐食
摩耗抵抗性を有する通電ロール合金を提供するものであ
る。
摩耗抵抗性を有する通電ロール合金を提供するものであ
る。
本発明の電気めっき用通電ロール合金は、50Cr−50Ni系
合金の熱時効硬化特性に着目し、その成分組成の工夫に
より、Hs40以上の高硬度をもたせて機械的摩耗に対する
抵抗性を大きく高めると共に、従来の「ハステロイ」材
に匹敵する高度の通電腐食抵抗性を兼備させたものであ
る。
合金の熱時効硬化特性に着目し、その成分組成の工夫に
より、Hs40以上の高硬度をもたせて機械的摩耗に対する
抵抗性を大きく高めると共に、従来の「ハステロイ」材
に匹敵する高度の通電腐食抵抗性を兼備させたものであ
る。
本発明の通電ロール合金は、 Cr:40〜55%、Mo:2〜10%、V:2%以下、Fe:10%以下、S
i:1%以下、Mn:1%以下、N:0.2%以下、C:0.1%以下、
残部は実質的にNiからなり、所望により、Niの一部は、
0.5〜2%のNb、0.5〜3%のTa、0.1〜1%のTi、およ
び0.1〜1%のAlから選ばれる1種または2種以上の元
素を以て置換された化学成分組成を有する。
i:1%以下、Mn:1%以下、N:0.2%以下、C:0.1%以下、
残部は実質的にNiからなり、所望により、Niの一部は、
0.5〜2%のNb、0.5〜3%のTa、0.1〜1%のTi、およ
び0.1〜1%のAlから選ばれる1種または2種以上の元
素を以て置換された化学成分組成を有する。
本発明の通電ロール合金を、その熱時効硬化特性によ
り、Hs40以上の高硬度が付与され、機械的摩耗に対し、
従来の「ハステロイ」合金を大きく凌ぐ抵抗性を示す。
また、その通電腐食抵抗性は「ハステロイ」合金のそれ
に匹敵する。この耐機械的摩耗性および耐通電腐食性を
兼備していることにより、pH約1の強酸性・高電流量・
高速度通板のめっき条件下に対して、高度に安定した腐
食摩耗抵抗性を示す。
り、Hs40以上の高硬度が付与され、機械的摩耗に対し、
従来の「ハステロイ」合金を大きく凌ぐ抵抗性を示す。
また、その通電腐食抵抗性は「ハステロイ」合金のそれ
に匹敵する。この耐機械的摩耗性および耐通電腐食性を
兼備していることにより、pH約1の強酸性・高電流量・
高速度通板のめっき条件下に対して、高度に安定した腐
食摩耗抵抗性を示す。
本発明の通電ロール合金の成分限定理由は次のとおりで
ある。
ある。
Cr:40〜55% Crは、本発明合金の鋳放し組織において、γ−Ni基地内
に、α−Cr相として析出した状態にあり、時効熱処理が
加えられると、α−Cr相が更に基地中に析出して合金を
硬化する。第1図に、Cr含有量と時効熱処理(但し、70
0℃×50Hr)後の合金の硬さ(Hs)の関係を示す。図示
のとおり、Cr量が40%に満たないと、時効硬化能が十分
でないので、Cr量は40%以上とする。Cr量の増加に伴っ
て硬化能は増大するが、55%を越えると、合金の脆弱化
が著しくなるので、55%を上限とする。
に、α−Cr相として析出した状態にあり、時効熱処理が
加えられると、α−Cr相が更に基地中に析出して合金を
硬化する。第1図に、Cr含有量と時効熱処理(但し、70
0℃×50Hr)後の合金の硬さ(Hs)の関係を示す。図示
のとおり、Cr量が40%に満たないと、時効硬化能が十分
でないので、Cr量は40%以上とする。Cr量の増加に伴っ
て硬化能は増大するが、55%を越えると、合金の脆弱化
が著しくなるので、55%を上限とする。
Mo:2〜10% Moは50Cr−50Ni系熱時効合金の耐食性改善に著効を発揮
する。第2図に、50Cr−50Ni系合金にMoを添加した場合
のMo添加量と熱時効処理(700℃×50Hr)後の耐食性の
関係を示す。図の縦軸は、沸騰5%硫酸腐食試験(浸漬
時間:24Hr)における腐食速度(g/m2h)を表している。
図に示したように、Moを2%以上添加することにより、
耐食性が著しく高められることがわかる。しかし、多量
に添加すると、NixMoy等の金属間化合物が生成し、合金
が著しく脆弱化するので、10%を上限とする。
する。第2図に、50Cr−50Ni系合金にMoを添加した場合
のMo添加量と熱時効処理(700℃×50Hr)後の耐食性の
関係を示す。図の縦軸は、沸騰5%硫酸腐食試験(浸漬
時間:24Hr)における腐食速度(g/m2h)を表している。
図に示したように、Moを2%以上添加することにより、
耐食性が著しく高められることがわかる。しかし、多量
に添加すると、NixMoy等の金属間化合物が生成し、合金
が著しく脆弱化するので、10%を上限とする。
V:2%以下 本発明合金は、鋳造工程での凝固後の冷却速度が緩慢
(約50℃/分以下)であると、マクロ結晶粒界に沿って
析出したα−Cr相から、2次的析出相としてCr−Ni−Mo
3元系まははCr−Ni−Mo−Nb4元系のα型固溶体が生成し
易い。このα型固溶体は、Hv約600と極めて硬く脆いた
め、冷却速度が遅くマクロ結晶粒の粗大化した部分は、
鋳造凝固過程、あるいはその後の機械重切削加工時に外
表面に発生する引張応力等により粒界割れが生じる。
(約50℃/分以下)であると、マクロ結晶粒界に沿って
析出したα−Cr相から、2次的析出相としてCr−Ni−Mo
3元系まははCr−Ni−Mo−Nb4元系のα型固溶体が生成し
易い。このα型固溶体は、Hv約600と極めて硬く脆いた
め、冷却速度が遅くマクロ結晶粒の粗大化した部分は、
鋳造凝固過程、あるいはその後の機械重切削加工時に外
表面に発生する引張応力等により粒界割れが生じる。
Vは上記α型固溶体の生成を抑制する効果を有する。す
なわち、Vを添加すると、α−Cr相の微細化現象があら
われ、その現象により、結晶粒界に沿って析出し易いα
−Cr相の連結が阻止される。その結果、α−Cr相から2
次的に発生する上記α型固溶体の生成が抑制される。こ
のα型固溶体の析出抑制による粒界割れ防止効果は、V
の微量添加により得ることができる。添加量を増すに従
って効果は増大するが、2%の添加で、その効果は略飽
和する。また、それをこえて添加すると、VC等の炭化物
の析出と、それによる脆化が生じるので、2%を上限と
すべきである。好ましくは、0.4〜0.7%である。
なわち、Vを添加すると、α−Cr相の微細化現象があら
われ、その現象により、結晶粒界に沿って析出し易いα
−Cr相の連結が阻止される。その結果、α−Cr相から2
次的に発生する上記α型固溶体の生成が抑制される。こ
のα型固溶体の析出抑制による粒界割れ防止効果は、V
の微量添加により得ることができる。添加量を増すに従
って効果は増大するが、2%の添加で、その効果は略飽
和する。また、それをこえて添加すると、VC等の炭化物
の析出と、それによる脆化が生じるので、2%を上限と
すべきである。好ましくは、0.4〜0.7%である。
Fe:10%以下 Feは本発明合金にとって必要な元素ではないが、10%ま
での混在が許容される。Feの比較的多量の混在が許容さ
れることは経済的に有利である。ただし、その混在量が
あまり多くなると、耐食性が劣化し、また熱時効処理時
に、σ相(Fe−Cr)が析出し、材質劣化の原因となるの
で、10%を上限とする。
での混在が許容される。Feの比較的多量の混在が許容さ
れることは経済的に有利である。ただし、その混在量が
あまり多くなると、耐食性が劣化し、また熱時効処理時
に、σ相(Fe−Cr)が析出し、材質劣化の原因となるの
で、10%を上限とする。
Si:1%以下 Siは脱酸剤として有効であるが、そのための添加量は1
%までで十分である。また、1%をこえると、熱時効後
の延性および溶接性の低下が著しくなる。
%までで十分である。また、1%をこえると、熱時効後
の延性および溶接性の低下が著しくなる。
Mn:1%以下 MnもSiと同様に脱酸剤として有効であるが、そのための
添加量は1%をこえる必要はない。また、1%をこえる
添加は、MnS等の非金属介在物の生成とそれによる延性
低下を惹起する。
添加量は1%をこえる必要はない。また、1%をこえる
添加は、MnS等の非金属介在物の生成とそれによる延性
低下を惹起する。
本発明合金は、所望によりNiの一部が、Nb、Ta、Al、Ti
から選ばれる1種または2種以上の元素を以て置換され
る。
から選ばれる1種または2種以上の元素を以て置換され
る。
Nb:0.5〜2% Nbは、CおよびN等と結合し、これらの元素を固定化す
ることにより、合金の延性を高める。Nの存在は延性に
大きく影響するので、NbとしてNを固定することにより
熱時効材の延性改善効果は大きい。また、Nbは、結晶粒
界に存在するCと結合して、これを安定化することによ
り、溶接時の高温割れを防ぐ効果を示すと共に、溶接熱
影響部の耐食性劣化を抑制する。これらの効果は、Nbを
0.5%以上添加することにより確保されるが、2%をこ
えるとその効果は略飽和する。また過剰の窒化物が生成
し延性の劣化をみる。よって、0.5〜2%とする。
ることにより、合金の延性を高める。Nの存在は延性に
大きく影響するので、NbとしてNを固定することにより
熱時効材の延性改善効果は大きい。また、Nbは、結晶粒
界に存在するCと結合して、これを安定化することによ
り、溶接時の高温割れを防ぐ効果を示すと共に、溶接熱
影響部の耐食性劣化を抑制する。これらの効果は、Nbを
0.5%以上添加することにより確保されるが、2%をこ
えるとその効果は略飽和する。また過剰の窒化物が生成
し延性の劣化をみる。よって、0.5〜2%とする。
Ta:0.5〜3% Taは前記Nbと同様の作用を有し、CおよびN等を固定化
することにより、合金の延性および溶接性を高める。こ
の効果を得るためには少なくとも0.5%の添加を必要と
する。しかし、3%をこえる添加の必要はなく、またそ
れ以上添加すると窒化物の生成により延性を害するの
で、3%を上限とする。
することにより、合金の延性および溶接性を高める。こ
の効果を得るためには少なくとも0.5%の添加を必要と
する。しかし、3%をこえる添加の必要はなく、またそ
れ以上添加すると窒化物の生成により延性を害するの
で、3%を上限とする。
Ti:0.1〜1% Tiは強力な脱酸元素であり、その脱酸作用により合金の
延性を向上させる効果を有する。そのために必要な添加
量は0.1%以上である。しかし、過剰に添加すると、窒
化物や炭化物の生成により、却って延性が劣化するの
で、1%を上限とする。
延性を向上させる効果を有する。そのために必要な添加
量は0.1%以上である。しかし、過剰に添加すると、窒
化物や炭化物の生成により、却って延性が劣化するの
で、1%を上限とする。
Al:0.1〜1% Alは前記Tiと同じく強力な脱酸元素であり、合金の延性
改善効果を奏する。このためには、少なくとも0.1%の
添加を必要とするが、過剰に添加すると、Ni3Al等の金
属間化合物が生成し、却って延性等を害することとなる
ので、1%を上限とする。
改善効果を奏する。このためには、少なくとも0.1%の
添加を必要とするが、過剰に添加すると、Ni3Al等の金
属間化合物が生成し、却って延性等を害することとなる
ので、1%を上限とする。
C:0.1%以下 Cは耐食性に有害な元素であるので少ないことが望まし
い。特に、本発明の合金においては、C量が0.1%を越
えると、V、Nb等の添加元素がカーバイドとして析出し
易くなり、これらの添加元素の有効性が減殺されると共
に、合金の延性が低下する。よって、C量は0.1%以下
とする。
い。特に、本発明の合金においては、C量が0.1%を越
えると、V、Nb等の添加元素がカーバイドとして析出し
易くなり、これらの添加元素の有効性が減殺されると共
に、合金の延性が低下する。よって、C量は0.1%以下
とする。
N:0.2%以下 Nは、合金溶製工程において、Crの大気中の吸N現象に
因り混入する不可避不純物である。Nの混在量が0.2%
をこえると、ラメラー組織が顕著にあらわれ、合金の延
性および溶接性等が劣化するので、0.2%を上限とす
る。
因り混入する不可避不純物である。Nの混在量が0.2%
をこえると、ラメラー組織が顕著にあらわれ、合金の延
性および溶接性等が劣化するので、0.2%を上限とす
る。
Ni:残部 NiはCrと共に本発明合金の基本成分である。
Niは合金表面に緻密な不働態皮膜を形成し、強酸性腐食
液であるめっき液に対する腐食溶解速度を抑制する。ま
た、Crの脆弱な性質を補って、良好な延性を付与する。
液であるめっき液に対する腐食溶解速度を抑制する。ま
た、Crの脆弱な性質を補って、良好な延性を付与する。
第3図は本発明合金の時効温度と時効後の硬さの関係
(但し:時効時間:50Hr)を、第4図は本発明合金の時
効時間と時効後の硬さの関係(但し、時効温度:700℃)
を示している。供試材の成分組成は、Cr:45.4%、Mo:2.
7%、V:0.6%、Si:0.3%、Mn:0.01%、Fe:0.3%、C:0.0
1%、N:0.11%、残部:Niである。図示のように、時効温
度:約650〜800℃、時効時間:約30Hr以上の時効処理に
よりすぐれた熱時効効果が達成され、特に、時効温度:7
00℃付近、時効時間:約50Hr以上において最良の結果が
得られることが判る。
(但し:時効時間:50Hr)を、第4図は本発明合金の時
効時間と時効後の硬さの関係(但し、時効温度:700℃)
を示している。供試材の成分組成は、Cr:45.4%、Mo:2.
7%、V:0.6%、Si:0.3%、Mn:0.01%、Fe:0.3%、C:0.0
1%、N:0.11%、残部:Niである。図示のように、時効温
度:約650〜800℃、時効時間:約30Hr以上の時効処理に
よりすぐれた熱時効効果が達成され、特に、時効温度:7
00℃付近、時効時間:約50Hr以上において最良の結果が
得られることが判る。
本発明合金を以て通電ロールの胴部(スリーブ)を製作
する場合、その全肉厚を本発明合金にて形成して構わな
いけれども、ロール胴部の耐摩耗性やめっき液に付する
耐通電腐食性はロール胴部の外表面に関する問題である
から、その表層部のみに本発明合金を適用し、内層部分
には他の適当な安価な材料、例えば炭素鋼等を使用する
ことにより第5図に示すような表層(11)と内層部(1
2)との二層構造を有するスリーブ(10)とするとよ
い。
する場合、その全肉厚を本発明合金にて形成して構わな
いけれども、ロール胴部の耐摩耗性やめっき液に付する
耐通電腐食性はロール胴部の外表面に関する問題である
から、その表層部のみに本発明合金を適用し、内層部分
には他の適当な安価な材料、例えば炭素鋼等を使用する
ことにより第5図に示すような表層(11)と内層部(1
2)との二層構造を有するスリーブ(10)とするとよ
い。
二層構造を有するスリーブをロール胴部とする通電ロー
ルの製作工程の1例を挙げれば、まず本発明合金を用い
てスリーブの表層(11)となる中空円筒体を遠心力鋳造
し、該中空円筒体に一次粗機械加工を施したのち、熱時
効処理を行い、更に二次機械加工を施す。これを、別途
装備された他種材料からなる中空筒体である内層部材
(12)に焼嵌めすることにより二層構造のスリーブ(1
0)を得る。そのスリーブ(10)の両端開口部にロール
エンド(20)(20)を焼嵌めし、その胴部エンドをピン
止め(30)あるいは溶接により強度補強することにより
目的とする通電ロールに仕上げられる。
ルの製作工程の1例を挙げれば、まず本発明合金を用い
てスリーブの表層(11)となる中空円筒体を遠心力鋳造
し、該中空円筒体に一次粗機械加工を施したのち、熱時
効処理を行い、更に二次機械加工を施す。これを、別途
装備された他種材料からなる中空筒体である内層部材
(12)に焼嵌めすることにより二層構造のスリーブ(1
0)を得る。そのスリーブ(10)の両端開口部にロール
エンド(20)(20)を焼嵌めし、その胴部エンドをピン
止め(30)あるいは溶接により強度補強することにより
目的とする通電ロールに仕上げられる。
〔実施例〕 第1表の化学成分組成を有する各供試合金の熱時効処理
材(700℃×50Hr)について、通電腐食試験、機械摩耗
試験および凝固割れ試験を行い、同表右欄に示す結果を
得た。
材(700℃×50Hr)について、通電腐食試験、機械摩耗
試験および凝固割れ試験を行い、同表右欄に示す結果を
得た。
表中、試番(No.)1〜12は発明例、No.101〜111は比較
例である。比較例のうち、No.101は「ハステロイC」相
当材、No.102はSUS 316ステンレス鋼相当材(いずれ
も、圧延板材を使用)であり、またNo.103〜111は、本
発明合金に類似する成分組成を有しているが、いずれか
の元素の含有量(表中、下線付)が本発明の規定からは
ずれている例である。
例である。比較例のうち、No.101は「ハステロイC」相
当材、No.102はSUS 316ステンレス鋼相当材(いずれ
も、圧延板材を使用)であり、またNo.103〜111は、本
発明合金に類似する成分組成を有しているが、いずれか
の元素の含有量(表中、下線付)が本発明の規定からは
ずれている例である。
〔I〕通電腐食試験 通電ロールの実使用条件をシミュレートし、強酸性腐食
板〔23g/H2SO4,液温55℃)中、試験片〔被試験面積:1
cm2〕を陰極とし、陽極(Pt)との間に、1Aのパルス電
流を通電し、24時間後の試験片の腐食減量を測定する。
板〔23g/H2SO4,液温55℃)中、試験片〔被試験面積:1
cm2〕を陰極とし、陽極(Pt)との間に、1Aのパルス電
流を通電し、24時間後の試験片の腐食減量を測定する。
〔II〕摩耗試験 回転輪〔SGP 100A(炭素鋼)、回転速度40RPM〕を相手
材とし、これに試験片〔15×20×10,mm〕を2kgの負荷で
押付けると共に、その接触部にめっき液〔23g/H2SO4,
150g/ZnSO4・7H2O、100g/Na2SO4〕を吹き付けて湿
潤環境とし、7日間(168Hr)経過後の試験片の摩耗量
(mg)を測定する。
材とし、これに試験片〔15×20×10,mm〕を2kgの負荷で
押付けると共に、その接触部にめっき液〔23g/H2SO4,
150g/ZnSO4・7H2O、100g/Na2SO4〕を吹き付けて湿
潤環境とし、7日間(168Hr)経過後の試験片の摩耗量
(mg)を測定する。
〔III〕凝固割れ試験 供試合金板の表面を150〜200℃に予熱し、その表面にTI
G溶接機によりアーク放電を生じさせることにより再溶
融させる。このとき、アーク電流は、電圧15〜17v・電
流130〜140Aに制御する。10秒間再溶融させたのち、表
面をアスベスト等で被覆して徐冷する。冷却後、その表
面に研磨加工を加え、加工面の割れの有無をカラーチェ
ックにより検査する。この試験は鋳造性を評価するもの
であり、表中、「鋳造性」欄の「○」は、割れなし、
「×」は割れあり、を表す。
G溶接機によりアーク放電を生じさせることにより再溶
融させる。このとき、アーク電流は、電圧15〜17v・電
流130〜140Aに制御する。10秒間再溶融させたのち、表
面をアスベスト等で被覆して徐冷する。冷却後、その表
面に研磨加工を加え、加工面の割れの有無をカラーチェ
ックにより検査する。この試験は鋳造性を評価するもの
であり、表中、「鋳造性」欄の「○」は、割れなし、
「×」は割れあり、を表す。
第1表に示すように、本発明の合金は、従来材である
「ハステロイC」(No.101)やSUS 316材(No.102)に
比し、めっき液との接触条件下での機械的摩耗量が著し
く少ない。耐食性についても、本発明合金は、従来材で
あるSUS 316材(No.102)を大きく凌ぎ、「ハステロイ
C」(No.101)に匹敵する通電腐食抵抗性を備えている
ことがわかる。
「ハステロイC」(No.101)やSUS 316材(No.102)に
比し、めっき液との接触条件下での機械的摩耗量が著し
く少ない。耐食性についても、本発明合金は、従来材で
あるSUS 316材(No.102)を大きく凌ぎ、「ハステロイ
C」(No.101)に匹敵する通電腐食抵抗性を備えている
ことがわかる。
他方、比較例No.103〜111は、本発明合金に類する成分
組成を有しているが、いずれかの元素を欠き、もしくは
その含有量に過不足があるため、耐通電腐食性または耐
摩耗性に劣り、あるいは鋳造性に問題がある。例えば、
Cr量が不足するNo.103は硬度が低く、耐摩耗性に乏し
い。Crを過剰に含むNo.104は、通電腐食抵抗および耐摩
耗性のいずれも良好であるが、延性が不足するため、鋳
造時に割れが生じている。Moを含まないNo.105は、耐摩
耗性や鋳造性に問題はないけれども、耐通電腐食性が著
しく悪い。逆に、Moを過剰に含むと、合金が脆弱化する
ため、No.106にみるように、凝固割れを避けることがで
きない。No.107はFeを過剰に含む例であり、耐摩耗性は
良好であるけれども、延性に乏しいため、凝固割れが生
じている。また、通電腐食量も増加の傾向にある。C量
を過剰に含むNo.108は、良好な耐摩耗性を有している
が、通電腐食が著しく、しかも延性の不足により凝固割
れが発生している。また、Nbを過剰に含む場合(No.10
9)、Taを過剰に含む場合(No.110)およびVを過剰に
含む場合(No.111)は、通電腐食や耐摩耗性に問題はな
いけれども、延性の不足による凝固割れの発生を避ける
ことができない。
組成を有しているが、いずれかの元素を欠き、もしくは
その含有量に過不足があるため、耐通電腐食性または耐
摩耗性に劣り、あるいは鋳造性に問題がある。例えば、
Cr量が不足するNo.103は硬度が低く、耐摩耗性に乏し
い。Crを過剰に含むNo.104は、通電腐食抵抗および耐摩
耗性のいずれも良好であるが、延性が不足するため、鋳
造時に割れが生じている。Moを含まないNo.105は、耐摩
耗性や鋳造性に問題はないけれども、耐通電腐食性が著
しく悪い。逆に、Moを過剰に含むと、合金が脆弱化する
ため、No.106にみるように、凝固割れを避けることがで
きない。No.107はFeを過剰に含む例であり、耐摩耗性は
良好であるけれども、延性に乏しいため、凝固割れが生
じている。また、通電腐食量も増加の傾向にある。C量
を過剰に含むNo.108は、良好な耐摩耗性を有している
が、通電腐食が著しく、しかも延性の不足により凝固割
れが発生している。また、Nbを過剰に含む場合(No.10
9)、Taを過剰に含む場合(No.110)およびVを過剰に
含む場合(No.111)は、通電腐食や耐摩耗性に問題はな
いけれども、延性の不足による凝固割れの発生を避ける
ことができない。
〔発明の効果〕 本発明合金は強酸性腐食液に対する通電腐食抵抗性およ
び耐摩耗性にすぐれているので、本発明合金をロール胴
部材として構成された通電ロールは、連続電気めっき操
業下での腐食、摩耗が少なく、またその胴部表面に付着
しためっき金属を除去するための砥石摺り付けによる表
面研磨加工における疵や摩損の発生も軽微であり、長期
にわたって平滑美麗な表面性状を保持する。従って、ロ
ールの取替頻度が減少し、ロールの再研磨加工費が節減
されると共に、安定した連続めっき操業を維持すること
ができ、更にめっき製品の品質の安定・向上効果も得ら
れる。
び耐摩耗性にすぐれているので、本発明合金をロール胴
部材として構成された通電ロールは、連続電気めっき操
業下での腐食、摩耗が少なく、またその胴部表面に付着
しためっき金属を除去するための砥石摺り付けによる表
面研磨加工における疵や摩損の発生も軽微であり、長期
にわたって平滑美麗な表面性状を保持する。従って、ロ
ールの取替頻度が減少し、ロールの再研磨加工費が節減
されると共に、安定した連続めっき操業を維持すること
ができ、更にめっき製品の品質の安定・向上効果も得ら
れる。
第1図はCr含有量と硬度の関係を示すグラフ、第2図は
Mo含有量と腐食速度の関係を示すグラフ、第3図、第4
図は時効処理条件と時効後と硬度の関係を示すグラフ、
第5図は通電ロールの例を示す一部断面正面図である。 10:ロール胴部(スリーブ)、20:ロールエンド。
Mo含有量と腐食速度の関係を示すグラフ、第3図、第4
図は時効処理条件と時効後と硬度の関係を示すグラフ、
第5図は通電ロールの例を示す一部断面正面図である。 10:ロール胴部(スリーブ)、20:ロールエンド。
Claims (2)
- 【請求項1】Cr:40〜55%、Mo:2〜10、V:2%以下、Si:1
%以下、Mn:1%以下、Fe:10%以下、C:0.1%以下、N:0.
2%以下、残部実質的にNiからなる耐腐食摩耗性にすぐ
れた電気めっき用通電ロール合金。 - 【請求項2】Cr:40〜55%、Mo:2〜10%、V:2%以下、S
i:1%以下、Mn:1%以下、Fe:10%以下、C:0.1%以下、
N:0.2%以下、およびNb:0.5〜2%、Ta:0.5〜3%、Ti:
0.1〜1%、Al:0.1〜1%から選ばれる1種または2種
以上、残部実質的にNiからなる耐腐食摩耗性にすぐれた
電気めっき用通電ロール合金。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP62029407A JPH0730423B2 (ja) | 1987-02-10 | 1987-02-10 | 電気めつき用通電ロ−ル合金 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP62029407A JPH0730423B2 (ja) | 1987-02-10 | 1987-02-10 | 電気めつき用通電ロ−ル合金 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS63195237A JPS63195237A (ja) | 1988-08-12 |
| JPH0730423B2 true JPH0730423B2 (ja) | 1995-04-05 |
Family
ID=12275279
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP62029407A Expired - Lifetime JPH0730423B2 (ja) | 1987-02-10 | 1987-02-10 | 電気めつき用通電ロ−ル合金 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0730423B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS6250494A (ja) * | 1985-08-30 | 1987-03-05 | Daido Steel Co Ltd | 電気亜鉛めっき用通電ロール |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS6199650A (ja) * | 1984-10-22 | 1986-05-17 | Kubota Ltd | 通電ロ−ル用合金 |
| JPS6250494A (ja) * | 1985-08-30 | 1987-03-05 | Daido Steel Co Ltd | 電気亜鉛めっき用通電ロール |
-
1987
- 1987-02-10 JP JP62029407A patent/JPH0730423B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS63195237A (ja) | 1988-08-12 |
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