JPH07305080A - 電気粘性流体用炭素微粉およびその製造方法 - Google Patents
電気粘性流体用炭素微粉およびその製造方法Info
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- JPH07305080A JPH07305080A JP6123002A JP12300294A JPH07305080A JP H07305080 A JPH07305080 A JP H07305080A JP 6123002 A JP6123002 A JP 6123002A JP 12300294 A JP12300294 A JP 12300294A JP H07305080 A JPH07305080 A JP H07305080A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 初期粘度が低く、印加電圧に対する優れた粘
性応答性と長期間の安定性能を付与する高抵抗かつ微細
性状の電気粘性流体用炭素微粉とその効率的な製造方法
を提供する。 【構成】 カーボンクラスターを含むアモルファス質の
スート状炭素微粉末からなり、電気比抵抗が10〜10
8 Ωcmで、かつ酸素含有率が1〜5重量%の性状組成を
備える電気粘性流体用炭素微粉。窒素吸着比表面積が5
0m2/g以上であることが好ましい。製造方法は、炭素材
料を酸素1〜20容量%を含む不活性雰囲気により20
〜500Torrの圧力に保持された系内で加熱気化させ、
気化した炭素蒸気を急速に冷却再凝固することを特徴と
する。
性応答性と長期間の安定性能を付与する高抵抗かつ微細
性状の電気粘性流体用炭素微粉とその効率的な製造方法
を提供する。 【構成】 カーボンクラスターを含むアモルファス質の
スート状炭素微粉末からなり、電気比抵抗が10〜10
8 Ωcmで、かつ酸素含有率が1〜5重量%の性状組成を
備える電気粘性流体用炭素微粉。窒素吸着比表面積が5
0m2/g以上であることが好ましい。製造方法は、炭素材
料を酸素1〜20容量%を含む不活性雰囲気により20
〜500Torrの圧力に保持された系内で加熱気化させ、
気化した炭素蒸気を急速に冷却再凝固することを特徴と
する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気粘性流体の分散相
を形成する固体微粒子に用いられる炭素微粉およびその
製造方法に関する。
を形成する固体微粒子に用いられる炭素微粉およびその
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電気粘性流体は、誘電体微粒子を電気絶
縁性に優れる流体中に分散してなる特殊性状の流体で、
電場の印加により流体の見掛け粘度が増大する電気粘性
効果を示す。このため、例えばダンパー、ショックアブ
ソーバー、エンジンマウント等のエネルギー吸収材や防
振材として有用性が期待されている。
縁性に優れる流体中に分散してなる特殊性状の流体で、
電場の印加により流体の見掛け粘度が増大する電気粘性
効果を示す。このため、例えばダンパー、ショックアブ
ソーバー、エンジンマウント等のエネルギー吸収材や防
振材として有用性が期待されている。
【0003】従来、電気粘性流体の分散相を構成する固
体微粒子としては、セルロース、デンプン、シリカゲ
ル、イオン交換樹脂などが用いられており、これらを使
用した電気粘性流体は特開昭57−47234号公報、
特開昭61−259752号公報、特開平1−2073
95号公報等に開示されている。また、特開昭63−9
7694号公報には、前記のような固体微粒子の表面を
高分子物質で被覆する方法が記載されている。ところ
が、これらの固体微粒子は親水性である関係で水分の吸
着により経時的に性能安定性が低下したり、温度により
特性変化を生じるなど実用面での問題が多い。
体微粒子としては、セルロース、デンプン、シリカゲ
ル、イオン交換樹脂などが用いられており、これらを使
用した電気粘性流体は特開昭57−47234号公報、
特開昭61−259752号公報、特開平1−2073
95号公報等に開示されている。また、特開昭63−9
7694号公報には、前記のような固体微粒子の表面を
高分子物質で被覆する方法が記載されている。ところ
が、これらの固体微粒子は親水性である関係で水分の吸
着により経時的に性能安定性が低下したり、温度により
特性変化を生じるなど実用面での問題が多い。
【0004】こうした観点から、水分を含まない非水性
の固体微粒子として炭素質粉末が注目されている。例え
ば特開平5−70116号公報には、タールや樹脂類の
ような原料を熱処理した特定のC/H比範囲の炭素粉を
低い酸素濃度ならびに水分濃度の雰囲気中で粉砕、分級
して得た炭素粉末が、特開平5−186786号公報に
は、炭素質物質を繊維化後粉砕等の方法により得られる
形状異方性を有するカーボン質物質が、また特開平3−
47896号公報には電気絶縁性物質を被覆して導電率
を調整した炭素粉末が、それぞれ開示されている。
の固体微粒子として炭素質粉末が注目されている。例え
ば特開平5−70116号公報には、タールや樹脂類の
ような原料を熱処理した特定のC/H比範囲の炭素粉を
低い酸素濃度ならびに水分濃度の雰囲気中で粉砕、分級
して得た炭素粉末が、特開平5−186786号公報に
は、炭素質物質を繊維化後粉砕等の方法により得られる
形状異方性を有するカーボン質物質が、また特開平3−
47896号公報には電気絶縁性物質を被覆して導電率
を調整した炭素粉末が、それぞれ開示されている。
【0005】しかしながら、タールや樹脂の焼成炭化や
炭素質物質の繊維化は組織変動の機構が非常に複雑で、
処理過程で電気比抵抗の調整をおこなうには厳密な制御
を必要とするばかりでなく、粘性流体に安定に分散させ
るための均一な微粒子を得るための工程負担が少なくな
い。そのうえ、炭素材料は本質的に活性の低い物質であ
るため、これを二次的に処理して高活性にしたり、表面
に官能基を付加するには煩雑な工程が必要となる。
炭素質物質の繊維化は組織変動の機構が非常に複雑で、
処理過程で電気比抵抗の調整をおこなうには厳密な制御
を必要とするばかりでなく、粘性流体に安定に分散させ
るための均一な微粒子を得るための工程負担が少なくな
い。そのうえ、炭素材料は本質的に活性の低い物質であ
るため、これを二次的に処理して高活性にしたり、表面
に官能基を付加するには煩雑な工程が必要となる。
【0006】本発明者らは、このような問題点の解決を
含む新規な電気粘性流体用炭素質微粉として、電気比抵
抗が10〜108 Ωcmで、炭素含有率が99重量%以上
の性状を備えるカーボンクラスターを含むアモルファス
質のスート状微粉末、およびその製造技術として、炭素
材料を不活性雰囲気により20〜500Torrの圧力に保
持された系内で加熱気化させ、気化した炭素蒸気を急速
に冷却再凝固する方法を先に提案した(特願平5−3428
56号) 。
含む新規な電気粘性流体用炭素質微粉として、電気比抵
抗が10〜108 Ωcmで、炭素含有率が99重量%以上
の性状を備えるカーボンクラスターを含むアモルファス
質のスート状微粉末、およびその製造技術として、炭素
材料を不活性雰囲気により20〜500Torrの圧力に保
持された系内で加熱気化させ、気化した炭素蒸気を急速
に冷却再凝固する方法を先に提案した(特願平5−3428
56号) 。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記の先願技術によれ
ば、印加電圧に対して優れた粘性応答性と長期間の安定
性能が付与される高抵抗、高純度かつ微細性状の電気粘
性流体用炭素微粉とその効率的な製造方法を提供するこ
とが可能となるが、炭素成分として特異性状のカーボン
クラスターを含有するため分散相への均一分散性が不足
して、初期粘度が高くなるという改善すべき課題が残さ
れていた。
ば、印加電圧に対して優れた粘性応答性と長期間の安定
性能が付与される高抵抗、高純度かつ微細性状の電気粘
性流体用炭素微粉とその効率的な製造方法を提供するこ
とが可能となるが、炭素成分として特異性状のカーボン
クラスターを含有するため分散相への均一分散性が不足
して、初期粘度が高くなるという改善すべき課題が残さ
れていた。
【0008】本発明者は、かかる課題を解決するために
鋭意研究を重ねた結果、先願技術(特願平5−342856
号) のスート状炭素質微粉末に特定量の酸素を含有させ
ると初期粘度が低くなり、粘性応答性を一層向上させる
ことができることを確認した。
鋭意研究を重ねた結果、先願技術(特願平5−342856
号) のスート状炭素質微粉末に特定量の酸素を含有させ
ると初期粘度が低くなり、粘性応答性を一層向上させる
ことができることを確認した。
【0009】本発明はこの知見に基づいて開発されたも
ので、その目的は、分散相への分散性に優れ、印加電圧
に対して優れた粘性応答性と長期間の安定性能を付与す
ることができる高抵抗で微細性状の電気粘性流体用炭素
微粉とその効率的な製造方法を提供することにある。
ので、その目的は、分散相への分散性に優れ、印加電圧
に対して優れた粘性応答性と長期間の安定性能を付与す
ることができる高抵抗で微細性状の電気粘性流体用炭素
微粉とその効率的な製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明による電気粘性流体用炭素微粉は、カーボン
クラスターを含むアモルファス質のスート状炭素微粉末
からなり、電気比抵抗が10〜108 Ωcmで、かつ酸素
含有率が1〜5重量%の性状組成を備えることを構成上
の特徴とする。
めの本発明による電気粘性流体用炭素微粉は、カーボン
クラスターを含むアモルファス質のスート状炭素微粉末
からなり、電気比抵抗が10〜108 Ωcmで、かつ酸素
含有率が1〜5重量%の性状組成を備えることを構成上
の特徴とする。
【0011】カーボンクラスターは、炭素原子が数十個
集合した性状のC60、C70、C76、C78などからなる炭
素分子で構成され、電気比抵抗が109 Ωcm以上の実質
的に絶縁性の物質である。本発明に係る電気粘性流体用
炭素微粉は、このカーボンクラスターを含むアモルファ
ス質のスート状炭素微粉末であって、電気比抵抗が10
〜108 Ωcmの高抵抗範囲にあるアモルファスの結晶性
状を備え、かつ酸素含有率が1〜5重量%の組成を保持
することに特徴づけられる。また、粒子性状として、窒
素吸着比表面積が50m2/g以上の高い表面積を有する微
細粒子である場合に一層優れた効果が発揮される。
集合した性状のC60、C70、C76、C78などからなる炭
素分子で構成され、電気比抵抗が109 Ωcm以上の実質
的に絶縁性の物質である。本発明に係る電気粘性流体用
炭素微粉は、このカーボンクラスターを含むアモルファ
ス質のスート状炭素微粉末であって、電気比抵抗が10
〜108 Ωcmの高抵抗範囲にあるアモルファスの結晶性
状を備え、かつ酸素含有率が1〜5重量%の組成を保持
することに特徴づけられる。また、粒子性状として、窒
素吸着比表面積が50m2/g以上の高い表面積を有する微
細粒子である場合に一層優れた効果が発揮される。
【0012】本発明において、電気比抵抗が10〜10
8 Ωcmの範囲は実用上十分な電気粘性効果を得るための
要件となるもので、10Ωcm未満の電気比抵抗では電気
粘性効果を得るために大電流が必要となってエネルギー
効率の低下を招き、108 Ωcmを越えると好適な電気粘
性効果が得られなくなる。また、カーボンクラスターを
含むスート状炭素微粉末に含有する酸素は初期粘度を低
めて分散性を向上させる機能要素となるもので、酸素含
有率が1重量%未満では前記の機能が不十分となり、5
重量%を上廻ると電気比抵抗が低下傾向を示すうえ、初
期粘度も高くなる。これらの要件に加えて、窒素吸着比
表面積が50m2/g 以上であることが分散性の面から好
ましく、これが50m2/g を下廻ると粒子の沈降速度が
早くなって分散媒中で凝集沈降現象が生じ易くなり、長
期の分散安定性が損なわれる。
8 Ωcmの範囲は実用上十分な電気粘性効果を得るための
要件となるもので、10Ωcm未満の電気比抵抗では電気
粘性効果を得るために大電流が必要となってエネルギー
効率の低下を招き、108 Ωcmを越えると好適な電気粘
性効果が得られなくなる。また、カーボンクラスターを
含むスート状炭素微粉末に含有する酸素は初期粘度を低
めて分散性を向上させる機能要素となるもので、酸素含
有率が1重量%未満では前記の機能が不十分となり、5
重量%を上廻ると電気比抵抗が低下傾向を示すうえ、初
期粘度も高くなる。これらの要件に加えて、窒素吸着比
表面積が50m2/g 以上であることが分散性の面から好
ましく、これが50m2/g を下廻ると粒子の沈降速度が
早くなって分散媒中で凝集沈降現象が生じ易くなり、長
期の分散安定性が損なわれる。
【0013】上記の電気粘性流体用炭素微粉を得るため
の本発明による製造方法は、炭素材料をヘリウム等の不
活性ガス中に1〜20容量%の酸素を含む不活性雰囲気
で20〜500Torrの圧力に保持された系内で加熱気化
させ、気化した炭素蒸気を急速に冷却再凝固することを
構成的特徴とする。
の本発明による製造方法は、炭素材料をヘリウム等の不
活性ガス中に1〜20容量%の酸素を含む不活性雰囲気
で20〜500Torrの圧力に保持された系内で加熱気化
させ、気化した炭素蒸気を急速に冷却再凝固することを
構成的特徴とする。
【0014】炭素材料の気化は、抵抗加熱法、レーザー
加熱法、アーク放電法、高周波プラズマ法、プラズマジ
ェット法などの加熱手段を用い、4000℃以上の温度
域でおこなわれるが、本発明の目的には単位消費電力当
たりの炭素蒸発量が多いアーク放電法を適用することが
好ましい。原料となる炭素材料は高純度のものであれば
組織性状に限定はない。しかし、アーク放電法を用いる
場合には人造黒鉛棒を電極として使用することが望まし
い。
加熱法、アーク放電法、高周波プラズマ法、プラズマジ
ェット法などの加熱手段を用い、4000℃以上の温度
域でおこなわれるが、本発明の目的には単位消費電力当
たりの炭素蒸発量が多いアーク放電法を適用することが
好ましい。原料となる炭素材料は高純度のものであれば
組織性状に限定はない。しかし、アーク放電法を用いる
場合には人造黒鉛棒を電極として使用することが望まし
い。
【0015】不活性雰囲気ガスとしては、ヘリウム、ア
ルゴン、ネオン、クリプトンなどが使用可能であるが、
このうち炭素の蒸発速度が大きいヘリウムを用いること
が好適である。この不活性雰囲気ガスには酸素を1〜2
0容量%、好ましくは5〜10容量%の範囲で含有させ
る。この範囲の酸素量を含む不活性雰囲気系内で炭素材
料を加熱気化させることにより、酸素を1〜5重量%含
有する組成のカーボンクラスターを含むアモルファス質
スート状炭素微粉末を得ることが可能となる。
ルゴン、ネオン、クリプトンなどが使用可能であるが、
このうち炭素の蒸発速度が大きいヘリウムを用いること
が好適である。この不活性雰囲気ガスには酸素を1〜2
0容量%、好ましくは5〜10容量%の範囲で含有させ
る。この範囲の酸素量を含む不活性雰囲気系内で炭素材
料を加熱気化させることにより、酸素を1〜5重量%含
有する組成のカーボンクラスターを含むアモルファス質
スート状炭素微粉末を得ることが可能となる。
【0016】加熱気化させる系内の圧力は、20〜50
0Torrの範囲に減圧調整する必要があり、この条件設定
により得られるスート状炭素微粉末の電気比抵抗を10
〜108 Ωcmの間で制御することができる。しかし、こ
の減圧度合が20Torr未満であると電気比抵抗が一般の
カーボンブラックと同程度まで低下し、500Torrを越
えると炭素の蒸発量が減退してスート状微粉末の生成効
率が著しく低下する。
0Torrの範囲に減圧調整する必要があり、この条件設定
により得られるスート状炭素微粉末の電気比抵抗を10
〜108 Ωcmの間で制御することができる。しかし、こ
の減圧度合が20Torr未満であると電気比抵抗が一般の
カーボンブラックと同程度まで低下し、500Torrを越
えると炭素の蒸発量が減退してスート状微粉末の生成効
率が著しく低下する。
【0017】図1は、本発明による製造方法を実施する
ために好適な装置を示したものである。この装置は、ヘ
リウムボンベ2および酸素ボンベ3からそれぞれバルブ
4、流量計5を介して接続するガス供給ライン6と、上
部に圧力調整バルブ7を介して真空ポンプ8を備えるバ
ッグフィルター構造の冷却回収装置9に連通する導出管
10とを備えた減圧容器1の内部に、電源11に接続す
る水冷式の黒鉛電極棒12、13が端面間にギャップを
設けてセットされている。操作は、減圧容器1に酸素量
が1〜20容量%になるように混合したヘリウムガスを
流入して系内減圧度を20〜500Torrの範囲に保持し
たのち、黒鉛電極棒12、13の間にアーク放電させて
電極を加熱し、気化した炭素蒸気を冷却回収装置9に導
いてスート状炭素微粉末を急冷再凝固しながら捕集する
方法で行われる。
ために好適な装置を示したものである。この装置は、ヘ
リウムボンベ2および酸素ボンベ3からそれぞれバルブ
4、流量計5を介して接続するガス供給ライン6と、上
部に圧力調整バルブ7を介して真空ポンプ8を備えるバ
ッグフィルター構造の冷却回収装置9に連通する導出管
10とを備えた減圧容器1の内部に、電源11に接続す
る水冷式の黒鉛電極棒12、13が端面間にギャップを
設けてセットされている。操作は、減圧容器1に酸素量
が1〜20容量%になるように混合したヘリウムガスを
流入して系内減圧度を20〜500Torrの範囲に保持し
たのち、黒鉛電極棒12、13の間にアーク放電させて
電極を加熱し、気化した炭素蒸気を冷却回収装置9に導
いてスート状炭素微粉末を急冷再凝固しながら捕集する
方法で行われる。
【0018】このようにして得られる炭素微粉は、カー
ボンクラスターを1〜30重量%の範囲で含むアモルフ
ァス質のスート状微粉末で、その性状組成は酸素含有率
1〜5重量%、炭素含有率90〜95重量%、窒素吸着
比表面積50m2/g以上、電気比抵抗10〜108 Ωcmの
ものである。
ボンクラスターを1〜30重量%の範囲で含むアモルフ
ァス質のスート状微粉末で、その性状組成は酸素含有率
1〜5重量%、炭素含有率90〜95重量%、窒素吸着
比表面積50m2/g以上、電気比抵抗10〜108 Ωcmの
ものである。
【0019】
【作用】本発明の電気粘性流体用炭素微粉は、電気比抵
抗が10〜108 Ωcmと高く、かつ酸素が1〜5重量%
の範囲で含有されており、窒素比表面積が50m2/g 以
上の微細粒子性状を保有するカーボンクラスターを含む
アモルファス質のスート状炭素微粉末から構成されてい
る。とくに酸素含有率が1〜5重量%の組成は、分散相
に分散させた際の初期粘度を低めて優れた分散性と粘性
応答性を付与するために有効に作用する。この機構につ
いては解明されていないが、カーボンクラスターを含む
アモルファス質からなる特殊なスート状炭素に一定量の
酸素が結合すると一層親油性が高まり、シリコーン油の
ような電気絶縁性油状流体に対する分散性が改善される
ものと推測される。
抗が10〜108 Ωcmと高く、かつ酸素が1〜5重量%
の範囲で含有されており、窒素比表面積が50m2/g 以
上の微細粒子性状を保有するカーボンクラスターを含む
アモルファス質のスート状炭素微粉末から構成されてい
る。とくに酸素含有率が1〜5重量%の組成は、分散相
に分散させた際の初期粘度を低めて優れた分散性と粘性
応答性を付与するために有効に作用する。この機構につ
いては解明されていないが、カーボンクラスターを含む
アモルファス質からなる特殊なスート状炭素に一定量の
酸素が結合すると一層親油性が高まり、シリコーン油の
ような電気絶縁性油状流体に対する分散性が改善される
ものと推測される。
【0020】この酸素含有による初期粘度の低減作用
と、高位の電気比抵抗ならびに窒素比表面積による機能
が相俟って、電気絶縁性油状媒体に分散させた際に印加
電圧に対する粘性応答性が極めて良好で、長期間に亘る
安定した分散性と優れた電気粘性効果が発揮される。
と、高位の電気比抵抗ならびに窒素比表面積による機能
が相俟って、電気絶縁性油状媒体に分散させた際に印加
電圧に対する粘性応答性が極めて良好で、長期間に亘る
安定した分散性と優れた電気粘性効果が発揮される。
【0021】また、本発明の製造方法によれば、炭素材
料を加熱気化させる系内雰囲気を酸素1〜20容量%を
含む不活性雰囲気とし、圧力を20〜500Torrの範囲
に制御することにより、上記性状の電気粘性流体用炭素
微粉を単純なプロセスで再現性よく得ることが可能とな
る。
料を加熱気化させる系内雰囲気を酸素1〜20容量%を
含む不活性雰囲気とし、圧力を20〜500Torrの範囲
に制御することにより、上記性状の電気粘性流体用炭素
微粉を単純なプロセスで再現性よく得ることが可能とな
る。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比して詳
細に説明する。
細に説明する。
【0023】実施例1〜4 図1に示した装置を用い、真空ポンプ8を作動させて減
圧容器1の系内を一旦0.01Torr以下に減圧したの
ち、ヘリウムボンベ2および酸素ボンベ3から所定量の
HeガスとO2 ガスをガス供給ラインを介して導入し、
ついで圧力調整バルブ7を制御して減圧容器1内を所定
の減圧度に保持した。引き続き、電源11から2kwの電
力を黒鉛電極棒(炭素含有率99.99 重量%、外径8mm)
12、13に供給し、電極間にアーク放電を発生した。
この状態で黒鉛電極棒は白熱して加熱気化し、炭素蒸気
となって導出管10により吸引され、冷却回収装置9に
至って急冷再凝固してカーボンクラスターを含むアモル
ファス質のスート状炭素微粉末として回収された。
圧容器1の系内を一旦0.01Torr以下に減圧したの
ち、ヘリウムボンベ2および酸素ボンベ3から所定量の
HeガスとO2 ガスをガス供給ラインを介して導入し、
ついで圧力調整バルブ7を制御して減圧容器1内を所定
の減圧度に保持した。引き続き、電源11から2kwの電
力を黒鉛電極棒(炭素含有率99.99 重量%、外径8mm)
12、13に供給し、電極間にアーク放電を発生した。
この状態で黒鉛電極棒は白熱して加熱気化し、炭素蒸気
となって導出管10により吸引され、冷却回収装置9に
至って急冷再凝固してカーボンクラスターを含むアモル
ファス質のスート状炭素微粉末として回収された。
【0024】このようにして得られたスート状炭素微粉
末の生成結果と性状を、ヘリウムガス中の酸素含有率お
よび系内減圧度と対比させて表1に示した。なお、酸素
含有率の測定は、CHN元素分析装置〔(株)パーキン
エルマージャパン製、2400型〕により炭素、水素、
窒素の含有率を求め、残部を酸素の含有率とした。ま
た、電気比抵抗値はJIS K1469「アセチレンブ
ラックの電気抵抗率測定法」に準拠し、測定圧力を10
2.2kg/cm2に設定して測定した。
末の生成結果と性状を、ヘリウムガス中の酸素含有率お
よび系内減圧度と対比させて表1に示した。なお、酸素
含有率の測定は、CHN元素分析装置〔(株)パーキン
エルマージャパン製、2400型〕により炭素、水素、
窒素の含有率を求め、残部を酸素の含有率とした。ま
た、電気比抵抗値はJIS K1469「アセチレンブ
ラックの電気抵抗率測定法」に準拠し、測定圧力を10
2.2kg/cm2に設定して測定した。
【0025】ついで、得られた各スート状微粉末を電気
絶縁性油状媒体のシリコーン油(室温粘度:0.02ポイ
ズ) に20重量%の量比で均一に分散させて電気粘性流
体を形成した。この電気粘性流体に室温で2kV/mm の電
圧をかけ、流体の粘性変化と流体中を流れる電流値を測
定した。更に、50日経過後の分散状態を観察した。な
お、粘度の測定にはB型回転粘度計を使用し、電極間に
直流電流を印加したときの粘度を計測した。得られた評
価結果を、表1に併載した。
絶縁性油状媒体のシリコーン油(室温粘度:0.02ポイ
ズ) に20重量%の量比で均一に分散させて電気粘性流
体を形成した。この電気粘性流体に室温で2kV/mm の電
圧をかけ、流体の粘性変化と流体中を流れる電流値を測
定した。更に、50日経過後の分散状態を観察した。な
お、粘度の測定にはB型回転粘度計を使用し、電極間に
直流電流を印加したときの粘度を計測した。得られた評
価結果を、表1に併載した。
【0026】表1の結果から、本発明の製造方法で得ら
れた発明要件を満たす炭素微粉を分散させた電気粘性流
体は、初期粘度が低いため電圧印加前後の粘性変化が大
きく、流体中に安定した低電流が流通し、かつ長期に亘
って安定した分散状態を呈して粉体の沈降現象はほとん
ど認められなかった。
れた発明要件を満たす炭素微粉を分散させた電気粘性流
体は、初期粘度が低いため電圧印加前後の粘性変化が大
きく、流体中に安定した低電流が流通し、かつ長期に亘
って安定した分散状態を呈して粉体の沈降現象はほとん
ど認められなかった。
【0027】
【表1】
【0028】比較例1 減圧容器内をヘリウムガスに酸素ガス混合しない雰囲気
系(酸素含有率:0容量%)により98Torrの減圧度に
設定し、その他は実施例と同一条件によりスート状微粉
末を製造した。得られたスート状微粉末を実施例と同様
にシリコーン油に分散させて電気粘性流体を形成した。
この場合の結果を表2に示した。
系(酸素含有率:0容量%)により98Torrの減圧度に
設定し、その他は実施例と同一条件によりスート状微粉
末を製造した。得られたスート状微粉末を実施例と同様
にシリコーン油に分散させて電気粘性流体を形成した。
この場合の結果を表2に示した。
【0029】比較例2 減圧容器内をヘリウムガスに酸素ガスを混合して酸素含
有率が38容量%になる雰囲気系により131Torrの減
圧度に設定し、その他は実施例と同一条件によりスート
状微粉末を製造した。得られたスート状微粉末を実施例
と同様にシリコーン油に分散させて電気粘性流体を形成
した。この場合の結果を同様にして表2に併載した。
有率が38容量%になる雰囲気系により131Torrの減
圧度に設定し、その他は実施例と同一条件によりスート
状微粉末を製造した。得られたスート状微粉末を実施例
と同様にシリコーン油に分散させて電気粘性流体を形成
した。この場合の結果を同様にして表2に併載した。
【0030】比較例3 減圧容器内をヘリウムガスに酸素ガスを混合して酸素含
有率が17容量%になる雰囲気系により10Torrの減圧
度に設定し、その他は実施例と同一条件によりスート状
微粉末を製造した。得られたスート状微粉末を実施例と
同様にシリコーン油に分散させて電気粘性流体を形成し
た。この場合の結果を同様にして表2に併載した。
有率が17容量%になる雰囲気系により10Torrの減圧
度に設定し、その他は実施例と同一条件によりスート状
微粉末を製造した。得られたスート状微粉末を実施例と
同様にシリコーン油に分散させて電気粘性流体を形成し
た。この場合の結果を同様にして表2に併載した。
【0031】比較例4 減圧容器内をヘリウムガスに酸素ガスを混合して酸素含
有率が20容量%になる雰囲気系により650Torrの減
圧度に設定し、その他は実施例と同一条件によりスート
状微粉末を製造した。得られたスート状微粉末を実施例
と同様にシリコーン油に分散させて電気粘性流体を形成
した。この場合の結果を同様にして表2に併載した。
有率が20容量%になる雰囲気系により650Torrの減
圧度に設定し、その他は実施例と同一条件によりスート
状微粉末を製造した。得られたスート状微粉末を実施例
と同様にシリコーン油に分散させて電気粘性流体を形成
した。この場合の結果を同様にして表2に併載した。
【0032】
【表2】 〔表注〕測定不能は、電流値が3mAを越えたため。
【0033】表2の結果から、比較例1ではスート状炭
素微粉に酸素が含有されていないため初期粘度が高くな
り、分散の長期安定性も減退する。比較例2では逆に酸
素含有率が高過ぎて電気比抵抗が低くなり、実用性がな
くなる。比較例3では減圧容器系内の減圧度が低いため
に電気比抵抗が極端に低下し、また比較例4では系内圧
力が高過ぎるため十分な電気粘性効果が得られない。
素微粉に酸素が含有されていないため初期粘度が高くな
り、分散の長期安定性も減退する。比較例2では逆に酸
素含有率が高過ぎて電気比抵抗が低くなり、実用性がな
くなる。比較例3では減圧容器系内の減圧度が低いため
に電気比抵抗が極端に低下し、また比較例4では系内圧
力が高過ぎるため十分な電気粘性効果が得られない。
【0034】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば従来の炭
素粉に比べて高い電気抵抗を有し、比表面積が大きく、
初期粘度の低い優れた分散性を発揮する非水系の電気粘
性流体用炭素微粉を提供することができる。したがっ
て、該炭素微粉を分散させた電気粘性流体は、粘性応答
性と長期間に亘り常に安定した分散状態を発現させるこ
とが可能となるから、例えばダンパー、ショックアブソ
ーバー、エンジンマウント等のエネルギー吸収材や防振
材として有用である。
素粉に比べて高い電気抵抗を有し、比表面積が大きく、
初期粘度の低い優れた分散性を発揮する非水系の電気粘
性流体用炭素微粉を提供することができる。したがっ
て、該炭素微粉を分散させた電気粘性流体は、粘性応答
性と長期間に亘り常に安定した分散状態を発現させるこ
とが可能となるから、例えばダンパー、ショックアブソ
ーバー、エンジンマウント等のエネルギー吸収材や防振
材として有用である。
【図1】本発明の電気粘性流体用炭素微粉を製造するた
めの装置を例示した略断面図である。
めの装置を例示した略断面図である。
1 減圧容器 2 ヘリウムボンベ 3 酸素ボンベ 4 バルブ 5 流量計 6 ガス供給ライン 7 圧力調整用バルブ 8 真空ポンプ 9 冷却回収装置 10 導出管 11 電源 12 黒鉛電極棒 13 黒鉛電極棒
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10N 70:00
Claims (3)
- 【請求項1】 カーボンクラスターを含むアモルファス
質のスート状炭素微粉末からなり、電気比抵抗が10〜
108 Ωcmで、かつ酸素含有率が1〜5重量%の性状組
成を備えることを特徴とする電気粘性流体用炭素微粉。 - 【請求項2】 窒素吸着比表面積が50m2/g以上である
請求項1記載の電気粘性流体用炭素微粉。 - 【請求項3】 炭素材料を酸素1〜20容量%を含む不
活性雰囲気により20〜500Torrの圧力に保持された
系内で加熱気化させ、気化した炭素蒸気を急速に冷却再
凝固することを特徴とする電気粘性流体用炭素微粉の製
造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6123002A JPH07305080A (ja) | 1994-05-12 | 1994-05-12 | 電気粘性流体用炭素微粉およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6123002A JPH07305080A (ja) | 1994-05-12 | 1994-05-12 | 電気粘性流体用炭素微粉およびその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07305080A true JPH07305080A (ja) | 1995-11-21 |
Family
ID=14849835
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6123002A Pending JPH07305080A (ja) | 1994-05-12 | 1994-05-12 | 電気粘性流体用炭素微粉およびその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH07305080A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100639790B1 (ko) * | 2005-01-07 | 2006-10-31 | 요업기술원 | 비저항이 조절된 저온 발열 탄소재의 제조 방법 |
-
1994
- 1994-05-12 JP JP6123002A patent/JPH07305080A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100639790B1 (ko) * | 2005-01-07 | 2006-10-31 | 요업기술원 | 비저항이 조절된 저온 발열 탄소재의 제조 방법 |
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