JPH07309879A - 耐熱性ケイ素系高分子及びその製造方法、及び該高分子の製造に用いる有機ケイ素化合物 - Google Patents

耐熱性ケイ素系高分子及びその製造方法、及び該高分子の製造に用いる有機ケイ素化合物

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JPH07309879A
JPH07309879A JP32088694A JP32088694A JPH07309879A JP H07309879 A JPH07309879 A JP H07309879A JP 32088694 A JP32088694 A JP 32088694A JP 32088694 A JP32088694 A JP 32088694A JP H07309879 A JPH07309879 A JP H07309879A
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chemical
heat
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JP32088694A
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English (en)
Inventor
Takanao Iwahara
孝尚 岩原
Jun Kotani
準 小谷
Manabu Tsumura
学 津村
Toshibumi Hirose
俊文 広瀬
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】主鎖骨格に一般式(1)で示される1,3−ビ
ス(ジオルガノシリレン)フェニレンユニットからなる
構造単位を有する耐熱性ケイ素系高分子。 【化1】 (式(1)中、R1 、R2 は炭素数1〜20の1価の有
機基を表わす。さらに、式(1)中のベンゼン環は置換
基を有していてもよい。) 【効果】本発明により提供される有機ケイ素化合物を用
いて製造されるケイ素系高分子は、耐熱コーティング、
耐熱塗料、エンジン回りの耐熱部材、耐熱構造材料を与
えるプリプレグの作製など幅広い用途に応用が可能であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性ケイ素系高分子
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、ケイ素系高分子としてはポリシロ
キサンがよく知られている。ポリシロキサンは主鎖がシ
ロキサン結合から構成されているが、この他に主鎖がS
i−C結合から構成されるタイプのものが知られてお
り、ポリカルボシランと呼ばれている(従来、SiとC
が交互につながった主鎖骨格がSiとCから構成される
ポリマーをポリカルボシランと呼んでいるが、ここで
は、主鎖骨格がSiとCから構成されるポリマーを広い
意味で、ポリカルボシランと呼ぶ)。
【0003】ポリカルボシランの例としては、下記一般
式で示される構造単位を有する重合体が知られている。
【0004】
【化7】
【0005】(式中、Rは、炭化水素基を表わす。) (E.N.Znamennskaya et al.,Neftekhimiya,4 ,487(196
4).N.S.Nametkin et al.,DOKI.AKad.Nauk.USSR.,170
,848(1966);Vysokomol.Soed.,5 、921(1966)) これらの重合体はこのままで成形材料として使用できる
ことが期待される。しかしながら、剛直で対称性の良い
1,4−ビス(ジオルガノシリレン)フェニレンユニッ
トを主成分として構成されているため、耐熱性は高いが
溶媒溶解性に代表される溶解性に乏しいという欠点を有
する。また、コーティング材料、フィルム、ファイバ
ー、及びバルク体など種々の形態で用いる場合や、いわ
ゆる複合材のマトリックス樹脂と使用する場合、上記従
来公知のポリカルボシランは成型加工性に劣ることが問
題であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、良好
な耐熱性を有し、しかも溶解性の高いケイ素系高分子及
びその製造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討の
結果、主鎖骨格に1,3−ビス(ジオルガノシリレン)
フェニレンユニットを導入することにより、溶解性が高
く、しかも耐熱性の良好なケイ素系高分子が得られるこ
とを見いだした。
【0008】すなわち、本発明の目的は、下記により達
成された。
【0009】主鎖骨格に一般式(1)で示される1,3
−ビス(ジオルガノシリレン)フェニレンユニットから
なる構造単位を有する耐熱性ケイ素系高分子。
【0010】
【化8】
【0011】(式(1)中、R1 、R2 は、炭素数1〜
20の1価の有機基を表わす。さらに、式(1)中のベ
ンゼン環は置換基を有していてもよい。) 一般式(1)中のR1 、R2 の具体例としては、メチ
ル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチ
ル、t−ブチル、イソアミル、n−オクチル、n−ノニ
ル、フェニル、クロロ、トリメチルシロキシ基などが挙
げられる。
【0012】R1 、R2 としては、好ましくは、メチ
ル、フェニルを挙げることができる。R1 、R2 の組み
合わせとしては、好ましくは(メチル、メチル)、又は
(メチル、フェニル)である。
【0013】さらに、一般式(1)中のベンゼン環は置
換基を有していてもよい。
【0014】該置換基の具体例としては、ビニル基、ア
リル基、イソプロペニル基、エチニル基のような不飽和
炭化水素基、または水酸基、アルコキシ基、アミノ基、
アルキルアミノ基、アルデヒド基、カルボキシ基、シア
ノ基、ニトロ基、ハロゲン基、シロキシ基のようなヘテ
ロ原子官能基等が例示される。
【0015】本発明の一般式(1)で示される構造単位
は、耐熱性及び溶解性の点から、主鎖骨格に一般式
(1)で示される1,3−ビス(ジオルガノシリレン)
フェニレンユニットからなる構造単位を20重量%以上
含んでいることが好ましく、50重量%以上含んでいる
ことがより好ましく、600重量%以上含んでいること
がさらに好ましい。
【0016】本発明の耐熱性ケイ素系高分子において
は、一般式(1)で示される構造単位がそのまま繰り返
しである必要はない。他の構造単位と組み合わされて繰
り返し単位となることが好ましい。
【0017】このような他の構造単位としては、−CH
2 −,−C(CH3 )H−,−CH2 CH2 −,−CH
2 CH2 CH2 −,−CH2 C(CH3 )H−,−C6
4−などが挙げられる。これらのうちで、−CH2
2 −が製造上好ましい。
【0018】−CH2 CH2 −を他の構造単位に用いる
とき、重合体は一般式(2)で示される構造単位をもつ
ことになる。
【0019】
【化9】
【0020】(式(2)中、R1 、R2 は、炭素数1〜
20の1価の有機基を表わす。さらに、式(2)中のベ
ンゼン環は置換基を有していてもよい。) 本発明の重合体の分子量は、ゲル・パーミエーション・
クロマトグラフにおけるポリスチレンスタンダード(G
PC)を用いた数平均分子量で、2000以上が好まし
く、5000以上がより好ましく、8000以上がさら
に好ましい。分子量分布は5以下が好ましく、3以下が
さらに好ましい。
【0021】本発明の重合体は、種々の方法によって製
造することができる。好ましい方法は、下記一般式
(3)で示される1分子中に2つのSiH結合を有する
ケイ素化合物、および下記一般式(4)で示される1分
子中に2つのアルケニルシリル基を有するケイ素系化合
物、からなる群から選択されたモノマーを少なくとも1
種用い、これをヒドロシリル化重合することによって合
成する方法である。
【0022】
【化10】
【0023】
【化11】
【0024】(式(3)、(4)中、R1 、R2 は、炭
素数1〜20の1価の有機基を表わす。さらに、式
(3)、(4)中のベンゼン環は置換基を有していても
よい。) 一般式(3)、(4)において、R1 、R2 の具体例は
一般式(1)における場合と同じである。
【0025】一般式(3)で示される化合物のうち、具
体的には下記のケイ素化合物が好ましくい。
【0026】
【化12】
【0027】
【化13】
【0028】また、一般式(4)で示される化合物のう
ち、具体的には下記のケイ素化合物が好ましい。
【0029】
【化14】
【0030】
【化15】
【0031】一般式(3)で表わされるモノマーを用い
る場合、1分子中に少なくとも2つの不飽和基を有する
化合物を併用することが必要である。該不飽和基として
はビニル基、イソプロペニル基、エチニル基などが挙げ
られるが、ビニル基が好ましい。
【0032】1分子中に少なくとも2つの不飽和基を有
する化合物としては、下記一般式(6)で示される化合
物が挙げられる。
【0033】 CH2 =CR′−X−CR′=CH2 (6) (式(6)中、R′は水素またはメチル基、Xは2価の
有機基を表す。) Xとしては、直接結合、
【化16】
【0034】(式中、R1 、R2 は、一般式(1)と同
じ。Yは2価の有機基で、該有機基はXと同じである
が、直接結合を除く。) 一般式(6)で表わされる化合物のうち、好ましくもの
はケイ素の含有量が多くなるため下記のものが挙げられ
る。
【0035】
【化17】
【0036】一般式(3)で表わされるモノマーを用い
る場合、1分子中に少なくとも2つのヒドロシリル基を
有する他の化合物を併用することができる。
【0037】一般式(4)で表わされるモノマーを用い
る場合、1分子中に少なくとも2つのヒドロシリル基を
有する化合物を併用することが必要である。
【0038】1分子中に少なくとも2つのヒドロシリル
基を有する化合物としては、一般式(7)または(8)
で示される化合物が挙げられる。
【0039】
【化18】
【0040】
【化19】
【0041】(式(7)、(8)中、R1 、R2 は一般
式(1)と同じであり、Yは前記と同じである。) 一般式(7)、(8)で表わされる化合物のうち、好ま
しくものはケイ素の含有量が多くなるため下記のものが
挙げられる。
【0042】
【化20】
【0043】一般式(4)で表わされるモノマーを用い
る場合、1分子中に少なくとも2つの不飽和基を有する
他の化合物を併用することができる。
【0044】重合は、各種触媒を用いてその反応速度を
制御することができる。モノマーの組合せの違いによっ
て、反応を促進する触媒の種類は若干異なるが、いわゆ
るヒドロシリル化反応に用いられる触媒としては、白金
の錯体、アルミナ、シリカ、カーボンブラックなどの単
体に固体白金を担持させたもの、塩化白金酸、塩化白金
酸とアルコール、アルデヒド、ケトンなどの錯体、白金
−オレフィン錯体(例えば、Pt(CH2 =CH2 2
(PPh3 2 Pt(CH2 =CH2 2 Cl2 )、白
金−ビニルシロキサン錯体(例えば、Ptn (ViMe
2 SiOSiMe2 Vi)m 、Pt[(MeViSi
O)4 m )、白金−ホスフィン錯体(例えば、Pt
(PPh3 4 、P(PBu)4 )、白金−ホスファイ
ト錯体(例えば、Pt[P(OPh)3 4 )(一般式
中、Meはメチル基、Buはブチル基、Viはビニル
基、Phはフェニル基を表し、m,nは整数を表
す。)、ジカルボニルジクロロ白金、また、アシュビー
(Ashby)の米国特許第3,159,601およ
び、3,159,662号書中に記載された白金−炭化
水素複合体、並びに、ラモロー(Lamoreaux)の米国特許
第3,220,972号明細書中に記載された白金アル
コラート触媒も挙げられる。さらに、モディク(Modic)
の米国特許第3,51,6946号明細書中に記載され
た塩化白金−オレフィン複合体も本発明において有用で
ある。
【0045】また、白金化合物以外の触媒の例としては
RhCl(PPh3 3 、RhCl3 、RhAl
2 3 、RuCl3 、IrCl3 、FeCl3 、AlC
3 、PdCl2 ・2H2 O、NiCl2 、TiCl4
などが挙げられる。これらの触媒は単独で使用してもよ
く、2種以上併用しても構わない。触媒活性の点から、
塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−ビニルシロ
キサン錯体、白金アセチルアセテートが好ましい。触媒
量としてはとくに制限はないが、ヒドロシリル基1mo
lに対して、10-1〜10-8molの範囲で用いるのが
よい。さらには10-3〜10-6molが好ましい。
【0046】重合に用いる溶媒は、用いなくてもよい
が、用いる場合には、、ベンゼン、トルエン、ヘキサ
ン、ヘプタンなどの炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラ
ン(THF)、1,4−ジオキサン、ジエチルエーテル
(Et2 O)などのエーテル系溶媒、アセトン、メチル
エチルケトンケトンなどのケトン系溶媒、クロロホル
ム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタンなどのハロ
ゲン系溶媒を好適に用いることができる。溶媒は2種類
以上の混合溶媒として用いることができる。溶媒として
は、テトラヒドロフラン、トルエン、クロロホルムが好
ましい。また、その量はモノマーの合計1molに対し
て0〜50L使用するのが好ましい。
【0047】重合温度は、−50℃から200℃が好ま
しいが、さらには0℃から150℃が好ましい。
【0048】重合温度が−50℃未満では触媒活性が十
分でなく、また200℃を超えると、触媒が熱により失
活してしまうので好ましくない。
【0049】下記一般式(5)で表わされる化合物は、
本発明の重合体の原料として好適に使用できる。
【0050】
【化21】
【0051】(式(5)中、R1 、R2 は、炭素数1〜
20の1価の有機基を表わす。) R1 、R2 の具体例は、前記した通りである。
【0052】一般式(5)で表わされる化合物を具体的
に示せば、下記のものを挙げることができる。
【0053】
【化22】
【0054】これらのうちで、合成の容易さ、該化合物
を用いたポリカルボシラン合成時の反応性などから、下
記のものが好ましい。
【0055】
【化23】
【0056】本発明の化合物は、例えば、以下に述べる
製造方法により合成することができる。
【0057】すなわち、一般式(9)で示される1,3
−ジハロベンゼン
【化24】
【0058】(式(9)中、Vはハロゲン原子を表
す。)と一般式(10)で表されるジオルガノビニルシ
ラン化合物 CH2 =CHR1 2 SiW (10) {式(10)中、R1 、R2 は、前記と同じ。Wは、C
l、Br、I、OR3 (R3 は水素またはメチル、イソ
プロピル、ブチル、フェニル、置換フェニルなどの炭素
数1以上の1価の炭化水素基)、OCOR4 (R4 はR
3 と同じ)、OC(CH3 )=CH2 、O−N=CR5
6 (R5 及びR6 は炭素数1以上の1価の炭化水素基
で、同一であっても異なっていてもよい)、NR7 8
(R7 及びR8 は水素または炭素数1以上の1価の炭化
水素基)、N(R9 )COR10(R9 及びR10は水素ま
たは炭素数1以上の1価の炭化水素基)から選ばれる
基}とをMgの存在下、THF、Et2 Oなどのエーテ
ル系溶媒中で反応させることにより、上記一般式(5)
で示される本発明の化合物を合成することができる(下
記反応式(11))。
【0059】
【化25】
【0060】1,3−ジハロベンゼンを具体的に例示す
れば、下記の化合物などを挙げることができる。
【0061】
【化26】
【0062】これらのうちで、反応性、入手の容易さな
どの点から、1,3−ジブロモベンゼンが好ましい。
【0063】一般式(10)で示されるジオルガノビニ
ルシラン化合物を具体的に例示するならば、CH2 =C
HSiMe2 Cl,CH2 =CHSiPhMeCl,C
2=CHSiPh2 Cl,CH2 =CHSiEtMe
Cl,CH2 =CHSiEt2 Cl,CH2 =CHSi
nPr2 Cl,CH2 =CHSiiPr2 Cl,CH2
=CHSinBu2 Cl,CH2 =CHSip- Tol
MeCl,CH2 =CHSiMe(OSiMe3 )C
l,CH2 =CHSi(OSiMe3 2 Cl,CH2
=CHSiPh(OSiMe3 )Cl,CH2 =CHS
iMe2 Br,CH2 =CHSiPhMeBr,CH2
=CHSiMe2 I,CH2 =CHSiMe2 OR3
CH2 =CHSiPhMeOR3 ,CH2 =CHSiP
3 OR2 ,(R2 は一般式(1)中のR2 と同じ) CH2 =CHSiMe2 OCH(CH3 )=CH2 ,C
2 =CHSiPhMeOCH(CH3 )=CH2 ,C
2 =CHSiMe2 OCOCH3 ,CH2 =CHSi
PhMeOCOCH3 ,CCH3 =CHSiMe2 ON
=CMeEt,CH2 =CHSiPhMeON=CMe
Et,CCH2 =CHSiMe2 NMe2,CH2 =C
HSiPhMeNMe2 ,CH2 =CHSiMe2 NM
eCOCH3 ,CH2 =CHSiPhMeNMeCOC
3 ,CH2 =CHSiMe2 OH,CH2 =CHSi
PhMeOH,CH2 =CHSiPh2 OH,CH2
CHSiMe(OSiMe3 )OH,CH2 =CHSi
(OSiMe3 2 OH,CH2 =CHSiPh(OS
iMe3 )OHなどを挙げることができる。
【0064】これらのうちで、反応性、入手の容易さ、
貯蔵時の安定性等から、CH2 =CHSiMe2 Cl,
CH2 =CHSiPhMeCl,CH2 =CHSiPh
2 Cl,CH2 =CHSiEtMeCl,CH2 =CH
SiEt2 Cl,CH2 =CHSiMe(OSiM
3 )Cl,CH2 =CHSiPh(OSiMe3 )C
l,CH2 =CHSiMe2 OMe,CH2 =CHSi
PhMeOMe,CH2 =CHSiMe2 OEt,CH
2 =CHSiPhMeOEt,CH2 =CHSiMe2
OCH(CH3 )=CH2 ,CH2 =CHSiPhMe
OCH(CH3 )=CH2 ,CH2 =CHSiMe2
H,CH2 =CHSiPhMeOH,CH2 =CHSi
Ph2 OH,CH2 =CHSiMe(OSiMe3 )O
H,CH2 =CHSiPh(OSiMe3 )OHが好ま
しく、さらにCH2 =CHSiMe2 Cl,CH2 =C
HSiPhMeCl,CH2 =CHSiPh2 Clが好
ましい。
【0065】式(11)で示される反応式においては、
まず反応系中で1,3−ジハロベンゼンとMgから、対
応する1,3−ジグリニャール試薬が生成し、これが一
般式(10)で示されるケイ素化合物とカップリング
し、本発明の化合物を与えるものと考えられる。したが
って、該1,3−ジグリニャール試薬と同程度の反応性
を有する有機金属試薬を系中あるいは予め発生させるこ
とができれば、1,3−ジハロベンゼンとMgの組み合
わせの代わりに、該有機金属試薬を使用してもかまわな
い。該有機金属試薬を発生させる方法としては、1,3
−ジハロベンゼンに対して金属リチウム、ナトリウム、
カリウム、ナトリウム/カリウムアロイを反応させる方
法が考えられる。
【0066】本発明の化合物を合成する他の方法として
は、反応式(11)で示される方法において、一般式
(10)で示される有機ケイ素化合物の代わりに、一般
式(12)で示されるジアルコキシシラン類 R1 2 Si(OR3 2 (12) (式(12)中、R1 ,R2 及びR3 は前記のR1 ,R
2 及びR3 と同じ。)を用いる方法である。この方法で
は、該ジアルコキシシラン類の、1,3−ジハロベンゼ
ンとMgから生成する1,3−ジグリニャール試薬に対
する反応性が適当であるため、高選択的に一般式(1
3)で示される1,3−ビス(アルコキシジオルガノ)
ベンゼン
【化27】
【0067】(式(13)中、R1 ,R2 及びR3 は前
記のR1 ,R2 及びR3 と同じ。)を得ることができる
(反応式(14))。
【0068】
【化28】
【0069】さらに、この一般式(14)で表される化
合物1,3−ビス(アルコキシジオルガノ)ベンゼン中
のアルコキシ基は、適当な化学変換により本発明の化合
物である1,3−ビス(ジオルガノビニルシリル)ベン
ゼンに誘導することができる。例えば、1,3−ビス
(アルコキシジオルガノ)ベンゼンをTHF,Et2
などのエーテル系溶媒中でビニルグリニャール試薬、ビ
ニルリチウム試薬と反応させることにより、本発明の
1,3−ビス(ジオルガノビニルシリル)ベンゼンに変
換することができる(反応式(15))。
【0070】
【化29】
【0071】ここで、一般式(12)で示されるジアル
コキシシラン類を具体的に例示するば、Me2 Si(O
Me)2 ,Me2 Si(OEt)2 ,PhMeSi(O
Me)2 ,PhMeSi(OEt)2 ,(Me3 Si
O)MeSi(OMe)2 ,(Me3 SiO)PhSi
(OMe)2 ,(Me3 SiO)MeSi(OE
t)2,(Me3 SiO)PhSi(OEt)2 ,Ph
2 Si(OMe)2 ,Ph2 Si(OEt)2 ,Et2
Si(OMe)2 ,Et2 Si(OMe)2 ,Et2
i(OEt)2 ,EtMeSi(OMe)2 ,EtMe
Si(OEt)2 ,PhEtSi(OMe)2 ,PhE
tSi(OEt)2 ,Me2 Si(OiPr)2,Ph
MeSi(OiPr)2 ,PhEtSi(OiP
r)2 ,などをあげることができる。これらのうちで反
応の選択性及び入手の容易さなどからMe2 Si(OM
e)2 ,Me2 Si(OEt)2 ,PhMeSi(OM
e)2,PhMeSi(OEt)2 ,が好ましい。
【0072】反応式(14)で得られる一般式(13)
で示される1,3−ビス(アルコキシジオルガノ)ベン
ゼンの構造を具体的に示せば、以下の化合物をあげるこ
とができる。
【0073】
【化30】
【0074】式(5)で示される化合物をモノマーの1
成分として用いるヒドロシリル化重合を行うと、主鎖骨
格中に本発明の化合物に由来する耐熱性が良好で、しか
も屈曲性を有するため溶解性向上に有効な1,3−ビス
(ジオルガノシリレン)フェニレンユニットを有するポ
リカルボシランを合成することができる。
【0075】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説
明するが、本発明の内容はこれに限定されるものではな
い。
【0076】
【実施例】
合成例1:1,3-ビス(エトキシジメチルシリル)ベンゼ
ンの合成 乾燥したMg4.81g(0.198mol ) の入ったフ
ラスコに、Me2 Si(OEt)2 26.81g
(0.181mol ) とTHF20mLを入れた。次に窒素
雰囲気下で、1,3-ジブロモベンゼン20.31g(0.
0861mol )をTHF25mLに溶解した溶液のうち、
約1mL(20分後にさらに1mL)を加えて、加熱により
反応を開始させた。発熱を維持しながら残りのブロマイ
ド溶液を、約45分かけて滴下した。滴下終了後、TH
Fを3時間還流させた。
【0077】原料の消失をガスクロマトグラフィー(G
C)で確認した後、THF及び生成し塩を除去した。減
圧蒸留により、目的生成物を得た。無色透明液体。収量
13.81g(0.049mol,収率:57%)。b.
p.84−86℃/0.82−0.9Torr. 1H−
NMR(δ,CDCl3 )0.40(s,SiC3
12H),1.20(t,OCH2 3 ,J=7.3
Hz,6H),3.69(q,OC2 CH3 ,J=
7.3Hz,4H),7.40(t,aromatic,J=7.
4Hz,1H),7.62(d,aromatic,J=7.4H
z,2H),7.81(s,aromatic,1H). 実施例1:1,3-ビス(ビニルジメチルシリル)ベンゼン
の合成 合成例1で製造した1,3-ビス(エトキシジメチルシリ
ル)ベンゼン13.81g(49mmol)とTHF10mL
をフラスコに仕込んだ。窒素雰囲気下、CH2 =CHM
gBrのTHF1.0モル溶液108mL(108mmol)
を室温でフラスコ内に約30分間かけて滴下した。滴下
終了後、THFを5時間還流した。一夜間室温で放置し
た後、GCで原料の消費及び目的物の生成を確認した。
MeOH10mLを加え、過剰のCH2 =CHMgBrを
消失させ、THF及び生成した塩を除去した。減圧蒸留
により無色透明液体の目的生成物を単離した。収率:約
30−50%、沸点75−78℃/1.8Torr、 1
H−NMR(δ,CDCl3) 0.36(s,Si
(C3 2 ,12H),5.87(dd,C2 =C
H−,trans,J=20.3,4.0Hz,2H),6.
07(dd,C2 =CH−,cis,J=14.6,4.
0Hz,2H),6.31(dd,C2 =CH−,J
=20.3,14.6Hz,2H),7.35(t,arom
atic,J=7.3Hz,2H),7.54(d,aromati
c,J=7.3Hz,2H),7.68(s,aromatic,
1H). 合成例2:1,3-ビス(ジメチルシリル)ベンゼンの合成 乾燥したMg5.81g(0.239mol ) の入ったフ
ラスコに、Me2 SiHCl19.39g(0.205
mol )とTHF25mLを仕込んだ。次に、窒素雰囲気下
で、1,3-ジブロモベンゼン23.03g(0.0976
mol )をTHF30mLに溶解した溶液を室温で滴下し
た。滴下と同時に激しい発熱が観測された。水浴で冷却
しマイルドな発熱が保たれるようにして1.5時間かけ
て滴下した。滴下途中で塩が生成したのでTHFを適宜
追加した( 20mL×3)。その後、室温で1.5時間攪
拌した時点で、GCによりブロマイドの消費及び目的物
の生成を確認した。ゼライトを用いて吸引濾過し、残さ
(液体+塩)にヘキサンを加えよくかき混ぜ、襞折り瀘
紙でろ過した。蒸留により溶媒を除去し、粗生成物1
4.9gを得た。減圧蒸留により無色透明液体の目的生
成物を単離した。収量7.2g. 収率:38%、沸点1
00−102℃/20Torr、 1H−NMR(δ,C
DCl3 )0.36(d,SiH(C3 2 ,J=
3.9Hz,J(13C− 1H)=119Hz,12
H),4.44(septet,Si(CH3 2 ,J=
3.9Hz,J(29Si− 1H)=188Hz,1
H),7.37(t,aromatic,J=7.0Hz,1
H),7.56(d,aromatic,J=7.0Hz,2
H),7.73(s,aromatic,1H). 合成例3:1,3-ビス(メチルフェニルシリル)ベンゼン
の合成 Mg5.92g(0.24mol ),PhMeSiHCl
35.80g(0.223mol ),1,3-ジブロモベンゼ
ン26.37g(0.112mol )を用いて、合成例2
と同様にして、THF中で合成を行った。目的物を無色
透明粘稠液体として得た。収量17.36g、収率:5
3%、b.p.150−170℃(bathtemperature/
0.60Torr. 1H−NMR(δ,CDCl3
0.62(d,SiHPhC3 ,J=3.8Hz,J
13C− 1H)=121Hz,6H),4.94(q,
SiPhCH3 ,J=3.8Hz,J(29Si−
1H)=195Hz,2H),7.29−7.44(m,
aromatic,7H),7.48−7.63(m,aromatic,
6H),7.80(s,aromatic,1H). 実施例2 実施例1で製造した1,3-ビス(ビニルジメチルシリル)
ベンゼン1.27g(5mmol) ,白金−ビニルシロキサ
ン錯体1wt%トルエン溶液 6.0μL(5×10-4mmo
l)を乾燥トルエン3mL に溶解させた溶液に、1,4-ビス
(ジメチルシリル)ベンゼン(信越化学(株)製LS−
7310)0.98g(5mmol)を乾燥トルエン3mLに
溶解した溶液を窒素雰囲気下、室温でゆっくりと滴下し
た。発熱開始後3〜10分後には発熱が観察され、反応
溶液は淡黄色に変化した。約15分で滴下を終了し、そ
の後室温で5.5時間攪拌し1夜間放置した。反応溶液
1H−NMRを測定したところ、SiH基が消失して
いた。反応溶液をトルエンを溶出液としてシリカゲルカ
ラムにかけ、トルエンを蒸留除去すると粗ポリマー約2
gが得られた。該粗ポリマーをトルエン20mL/メタノ
ール40mLを用いて再沈殿精製により下記構造式を有す
るポリカルボシラン1.40gを粘着性固体として得
た。収率:70%.数日間放置すると白色固化した。沸
点64−67℃、屈折率検出計によるポリスチレンスタ
ンダードに対する相対分子量(GPC)測定による数平
均分子量は9200、重量平均分子量は22300であ
った。
【0078】
【化31】
【0079】1H−NMRのデータを以下に示す。(C
DCl3 ,δ)0.23(s,SiC3 ,12H),
0.24(s,SiC3 ,12H),0.67(s,
SiC2 2 Si,8H),7.27−7.66
(m,aromatic,8H). 実施例3 1,4-ビス(ジメチルシリル)ベンゼンの代わりに、合成
例2で製造した1,3-ビス(ジメチルシリル)ベンゼン
0.98g(5mmol)用いた以外は、実施例2と同様に
してヒドロシリル化重合を行なった。下記構造を有する
ポリカルボシラン1.49g(75%)を高粘稠液体と
して得た。GPC測定による数平均分子量は1700
0、重量平均分子量は33000であった。
【0080】
【化32】
【0081】1H−NMRのデータを以下に示す。(C
DCl3 ,δ)0.24(s,SiC3 ,12H),
0.68(s,SiC2 2 Si,4H),7.2
4−7.65(m,aromatic,4H). 実施例4 ジメチルビニルシラン(信越化学(株)製LS−97
5)0.28g(2mmol),白金−ビニルシロキサン錯
体1重量%トルエン溶液3.0μL(2.5×10-4mm
ol)を乾燥トルエン1mLに溶解させた溶液に、合成例3
で製造した1,3-ビス(メチルフェニルシリル)ベンゼン
0.725g(2.5mmol)を乾燥トルエン2mLに溶解
した溶液を窒素雰囲気下、室温で10分間かけて滴下し
た。その後室温で6時間攪拌し1夜間放置した。反応溶
液の 1H−NMRを測定したところ、モノマーに由来す
る官能基が消失していた。蒸留により揮発分を留去し、
残った白色粘稠液体を再沈殿により精製、乾燥(80℃
/4h)し、下記構造を有するポリカルボシラン0.8
7gを粘着性固体として得た。収率:87%。GPC測
定による数平均分子量は4800、重量平均分子量は1
0000であった。
【0082】
【化33】
【0083】1H−NMRのデータを以下に示す。(C
DCl3 ,δ)−0.10(s,−Si(C3 2
6H),0.35−0.58(m,−CH2 2 Si
(CH3 2 2 CH2 −及びSiPh(CH3 ),
10H,O.479(3H)における[SiPh(CH
3 )]の一重項の対を含む。),0.72−0.93
(m,−CH2 2 SiPh(CH3 )m−C6 4
−SiPh(CH3 )C 2 CH2 −,4H),7.1
4−7.77(m,aromatic,14H). 比較例1 1,4-ビス(ビニルジメチルシリル)ベンゼン18.49
7g(75mmol),白金−ビニルシロキサン錯体1重量
%トルエン溶液120μL(1×10-2mmol)をトルエ
ン25mLに溶解させた溶液に、1,4-ビス(ジメチルシリ
ル)ベンゼン(信越化学製LS−7310)9.72g
(50mmol)をトルエン50mLに溶解した溶液を窒素雰
囲気下、室温でゆっくりと滴下した。30mL追加した時
点で反応溶液の粘度が上昇し攪拌が不十分となったの
で、トルエン25mLを追加した。約2時間で滴下を終了し
た。溶媒の留出後、80℃で4時間減圧乾燥すると、終
了26.5gの下記構造式を有するポリカルボシランを
白色固体として得た。収率:94%。GPC測定による
数平均分子量は1300、重量平均分子量は2000で
あった。
【0084】
【化34】
【0085】比較例2 比較例1と同様にして、1,4−ビス(ビニルジメチル
シリル)ベンゼン615mg(2.5mmol),白金−ビ
ニルシロキサン錯体1重量%トルエン溶液6μL(5×
10-4mmol)、1,4−ビス(ジメチルシリル)ベンゼ
ン486mg(2.5mmol)及びトルエン5mLを用い、
ヒドロシリル化重合により下記の構造式を有するポリカ
ルボシランを合成した。該粗ポリマー300mgを得
た。収率:85%。GPC測定による数平均分子量は1
5000、重量平均分子量は32000であった。
【0086】
【化35】
【0087】1H−NMRのデータを以下に示す。(C
DCl3 ,δ)0.23(s,SiC3 .12H),
0.68(s,SiC2 2 Si.4H),7.4
6(m,aromatic,4H).実施例2〜4およ
び比較例1及び2で得られたポリマーの耐熱性及び溶媒
溶解性を測定した。耐熱性は熱重量分析(窒素雰囲気
下、20℃/min)により評価し、溶媒溶解性は各ポリマ
ー1gを室温で溶解するのに必要な溶媒量で評価した。
その結果を下記表1に示す。
【0088】
【表1】
【0089】表1の結果より明らかなように、実施例2
〜4のポリマーは比較例1及び2のポリマーに比べて、
溶媒溶解性の点において飛躍的に改善され、かつ熱安定
性に関しても同程度に良好なことがわかる。
【0090】
【発明の効果】本発明により提供される耐熱性ケイ素系
高分子を用いることにより、耐熱コーティング、耐熱塗
料、及びエンジン周りの耐熱部材や耐熱性軽量構造材料
等を製造するためのプリプレグ材料とすることができる
など、幅広い用途に応用することが可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 広瀬 俊文 兵庫県神戸市須磨区神の谷7−2−3

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主鎖骨格に一般式(1)で示される1,
    3−ビス(ジオルガノシリレン)フェニレンユニットか
    らなる構造単位を有することを特徴とする耐熱性ケイ素
    系高分子。 【化1】 (式(1)中、R1 、R2 は、炭素数1〜20の1価の
    有機基を表わす。さらに、式(1)中のベンゼン環は置
    換基を有していてもよい。)
  2. 【請求項2】 構造単位が一般式(2)で示される請求
    項1記載のケイ素系高分子。 【化2】 (式(2)中、R1 、R2 は、炭素数1〜20の1価の
    有機基を表わす。さらに、式(2)中のベンゼン環は置
    換基を有していてもよい。)
  3. 【請求項3】 一般式(3)で示される1分子中に2つ
    のSiH結合を有するケイ素化合物、および一般式
    (4)で示される1分子中に2つのアルケニルシリル基
    を有するケイ素系化合物、からなる群から選択されたモ
    ノマーの少なくとも1種をヒドロシリル化重合すること
    を特徴とする主鎖骨格に一般式(2)で示される構造単
    位を有する耐熱性ケイ素系高分子の製造方法。 【化3】 【化4】 【化5】 (式(2)〜(4)中、R1 、R2 は、炭素数1〜20
    の1価の有機基を表わす。さらに、式(2)〜(4)中
    のベンゼン環は置換基を有していてもよい。)
  4. 【請求項4】 一般式(5)で示される1,3−ビス
    (ジオルガノビニルシリル)ベンゼン。 【化6】 (式(5)中、R1 、R2 は、炭素数1〜20の1価の
    有機基を表わす。)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07233260A (ja) * 1993-12-28 1995-09-05 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 反応性ケイ素系高分子、及びそれを用いた硬化性組成物
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JP2021155628A (ja) * 2020-03-27 2021-10-07 国立研究開発法人産業技術総合研究所 ポリカルボシランの合成法

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