JPH07328801A - 旋削加工方法及び刃具駆動装置 - Google Patents
旋削加工方法及び刃具駆動装置Info
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- JPH07328801A JPH07328801A JP12005194A JP12005194A JPH07328801A JP H07328801 A JPH07328801 A JP H07328801A JP 12005194 A JP12005194 A JP 12005194A JP 12005194 A JP12005194 A JP 12005194A JP H07328801 A JPH07328801 A JP H07328801A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 作業の安全性確保と旋削加工装置の連続運転
を可能にする形状の切り屑を発生させる旋削加工方法を
提供する。 【構成】 刃具3を最下点(中心軸41と刃具3との距
離の極小点)から最上点(同極大点)までテーパ移動し
た後に、次の最下点に至るまで再度テーパ移動させる。
この動作を単位ブロックとして周期的に繰り返して第1
旋削工程を行い、ワーク4の表層を波状に成形する。次
いで、刃具3を最下点に保持したまま直線移動させて第
2旋削工程を行い、上記波状の表層を除去する。このよ
うにして切り屑5に残留応力に基づくねじれ現象を起こ
させ、その形状をワーク4等に巻き付きにくい縮み形状
にする。
を可能にする形状の切り屑を発生させる旋削加工方法を
提供する。 【構成】 刃具3を最下点(中心軸41と刃具3との距
離の極小点)から最上点(同極大点)までテーパ移動し
た後に、次の最下点に至るまで再度テーパ移動させる。
この動作を単位ブロックとして周期的に繰り返して第1
旋削工程を行い、ワーク4の表層を波状に成形する。次
いで、刃具3を最下点に保持したまま直線移動させて第
2旋削工程を行い、上記波状の表層を除去する。このよ
うにして切り屑5に残留応力に基づくねじれ現象を起こ
させ、その形状をワーク4等に巻き付きにくい縮み形状
にする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば銅やアルミ合金
等非鉄材の旋削時に、旋削加工装置や被削材を損傷させ
ることなく長時間の連続旋削を可能にする旋削加工方法
及びこの方法を実現するための刃具駆動装置に関する。
等非鉄材の旋削時に、旋削加工装置や被削材を損傷させ
ることなく長時間の連続旋削を可能にする旋削加工方法
及びこの方法を実現するための刃具駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】旋削加工は、回転する被削材の表層を刃
具で旋断して所定形状に変形させる手法であり、加工に
際しては必然的に切り屑が発生する。この切り屑の形状
は、刃具の駆動態様、被削材の材質によって連続型ある
いは非連続型に大別される。ここに連続型とは、切り屑
が部分的に切断されることなく連続する形状のものであ
り、非連続型とは、切り屑が部分的に切断される形状の
ものである。
具で旋断して所定形状に変形させる手法であり、加工に
際しては必然的に切り屑が発生する。この切り屑の形状
は、刃具の駆動態様、被削材の材質によって連続型ある
いは非連続型に大別される。ここに連続型とは、切り屑
が部分的に切断されることなく連続する形状のものであ
り、非連続型とは、切り屑が部分的に切断される形状の
ものである。
【0003】図5は、従来の一般的な旋削加工方法の説
明図であり、回転する被削材(以下、ワークと称する)
50の表層を刃具支持部52で支持された刃具53を用
いて直線的に旋削する状態を示す。図示の例では、ワー
ク50の回転軸51に対して水平方向となる刃具53の
相対的変位量(以下、送り量)が時間的に一定で、ワー
ク50の表層への切り込み量も一定なので、旋削により
発生する切り屑54の形状は、図示のように直線連続型
になる。
明図であり、回転する被削材(以下、ワークと称する)
50の表層を刃具支持部52で支持された刃具53を用
いて直線的に旋削する状態を示す。図示の例では、ワー
ク50の回転軸51に対して水平方向となる刃具53の
相対的変位量(以下、送り量)が時間的に一定で、ワー
ク50の表層への切り込み量も一定なので、旋削により
発生する切り屑54の形状は、図示のように直線連続型
になる。
【0004】このような旋削加工方法では、1回の旋削
で所望形状の加工が可能となる利点はあるが、旋削が進
むに従って切り屑54が次第に長くなり、ワーク50に
巻き付いてしまうおそれもある。この切り屑54の巻き
付きを放置したまま作業を続けると、刃具53にチッピ
ングが起こり、刃具53の破損やワーク50の損傷を招
く。そのため、従来は、切り屑54が一定の長さに達し
た場合や連続型の切り屑に由来する何らかの異常が検出
された場合に、刃具53のチップブレーカー等を作用さ
せて切り屑54を所定の間隔で切断し、その巻きつきを
防ぐ構成を採用するのが一般的であった。
で所望形状の加工が可能となる利点はあるが、旋削が進
むに従って切り屑54が次第に長くなり、ワーク50に
巻き付いてしまうおそれもある。この切り屑54の巻き
付きを放置したまま作業を続けると、刃具53にチッピ
ングが起こり、刃具53の破損やワーク50の損傷を招
く。そのため、従来は、切り屑54が一定の長さに達し
た場合や連続型の切り屑に由来する何らかの異常が検出
された場合に、刃具53のチップブレーカー等を作用さ
せて切り屑54を所定の間隔で切断し、その巻きつきを
防ぐ構成を採用するのが一般的であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構
成を採用しても、ワーク50の材質によっては上記チッ
プブレーカ等が有効に作用しない場合がある。この場合
は、異常発生時に切り屑54がワーク50に巻き付き、
刃具53の破損等を招来するとともに、巻き付いた切り
屑の除去作業のために加工中断を余儀なくされる問題が
あった。しかも、巻き付いた切り屑の除去作業は裂傷を
受ける可能性のある危険な作業でもあり、安全面からも
課題が残されていた。
成を採用しても、ワーク50の材質によっては上記チッ
プブレーカ等が有効に作用しない場合がある。この場合
は、異常発生時に切り屑54がワーク50に巻き付き、
刃具53の破損等を招来するとともに、巻き付いた切り
屑の除去作業のために加工中断を余儀なくされる問題が
あった。しかも、巻き付いた切り屑の除去作業は裂傷を
受ける可能性のある危険な作業でもあり、安全面からも
課題が残されていた。
【0006】このような問題があるので、本来連続運転
が可能な数値制御旋盤や自動旋盤等の旋削加工装置が設
置されていても、これを長時間連続して運転することは
事実上困難であり、旋削効率の向上を図れない問題があ
った。
が可能な数値制御旋盤や自動旋盤等の旋削加工装置が設
置されていても、これを長時間連続して運転することは
事実上困難であり、旋削効率の向上を図れない問題があ
った。
【0007】本発明は上記問題点を除去し、旋削加工装
置の連続運転を可能にする形状の切り屑を発生させる旋
削加工方法を提供することを目的とする。本発明の他の
目的は、上記旋削加工方法の実施に適した構成の刃具駆
動装置を提供することにある。
置の連続運転を可能にする形状の切り屑を発生させる旋
削加工方法を提供することを目的とする。本発明の他の
目的は、上記旋削加工方法の実施に適した構成の刃具駆
動装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の旋削加工方法は、回転するワークの表層との相対位
置が該ワークの回転軸と平行の方向に定速で変位する刃
具と、該ワークの回転軸を指向する前記刃具の先端位置
を制御する手段とを備える装置を用いた旋削加工方法に
おいて、前記刃具の先端位置を前記回転軸から遠ざかる
方向及び前記回転軸に近づく方向に交互且つ周期的に変
えて前記ワークの表層を波状に旋削する第1旋削工程
と、前記刃具の先端位置と前記回転軸との距離を一定に
保持して前記第1旋削工程を経たワークの波状の表層を
除去する第2旋削工程と、を有することを特徴とする。
このような旋削加工方法は、銅やアルミ合金のような、
非鉄材料の中でも比較的軟らかく粘りのあるワークに特
に有効となる。
明の旋削加工方法は、回転するワークの表層との相対位
置が該ワークの回転軸と平行の方向に定速で変位する刃
具と、該ワークの回転軸を指向する前記刃具の先端位置
を制御する手段とを備える装置を用いた旋削加工方法に
おいて、前記刃具の先端位置を前記回転軸から遠ざかる
方向及び前記回転軸に近づく方向に交互且つ周期的に変
えて前記ワークの表層を波状に旋削する第1旋削工程
と、前記刃具の先端位置と前記回転軸との距離を一定に
保持して前記第1旋削工程を経たワークの波状の表層を
除去する第2旋削工程と、を有することを特徴とする。
このような旋削加工方法は、銅やアルミ合金のような、
非鉄材料の中でも比較的軟らかく粘りのあるワークに特
に有効となる。
【0009】なお、前記第1旋削工程における前記刃具
の先端と該先端が指向する前記回転軸との距離が極大に
なる点は、好ましくは、加工前の当該ワークの表層付近
とする。より好ましくは、前記第1旋削工程における前
記刃具先端の変位比率は、該先端の前記回転軸からの距
離が極小になる点から極大になる点までの送り量を1と
したときに、該極大点から次の極小点までの送り量が略
3となる比率とし、しかも、前記極大点から次の極小点
までのスロープと前記回転軸との為す角度が略27度と
なるようにする。
の先端と該先端が指向する前記回転軸との距離が極大に
なる点は、好ましくは、加工前の当該ワークの表層付近
とする。より好ましくは、前記第1旋削工程における前
記刃具先端の変位比率は、該先端の前記回転軸からの距
離が極小になる点から極大になる点までの送り量を1と
したときに、該極大点から次の極小点までの送り量が略
3となる比率とし、しかも、前記極大点から次の極小点
までのスロープと前記回転軸との為す角度が略27度と
なるようにする。
【0010】また、上記他の目的を達成する本発明の刃
具駆動装置は、回転するワークの表層を旋削するための
刃具を駆動する装置であって、前記ワークの回転軸を指
向する刃具の先端を前記回転軸から遠ざかる方向及び前
記回転軸に近づく方向に交互且つ周期的に変位させる第
1の制御手段と、前記刃具の先端位置を前記回転軸から
一定距離に保持する第2の制御手段と、を少なくとも備
えて成る。
具駆動装置は、回転するワークの表層を旋削するための
刃具を駆動する装置であって、前記ワークの回転軸を指
向する刃具の先端を前記回転軸から遠ざかる方向及び前
記回転軸に近づく方向に交互且つ周期的に変位させる第
1の制御手段と、前記刃具の先端位置を前記回転軸から
一定距離に保持する第2の制御手段と、を少なくとも備
えて成る。
【0011】上記構成において、第1の制御手段は、例
えば、前記刃具先端の前記回転軸からの距離が極小にな
る点から極大になる点までの送り量と該極大点から次の
極小点までの送り量との比率を任意に設定する比率設定
部と、設定された比率に従って前記刃具の昇降時間を周
期的に制御する昇降制御部と、を含むことを特徴とす
る。
えば、前記刃具先端の前記回転軸からの距離が極小にな
る点から極大になる点までの送り量と該極大点から次の
極小点までの送り量との比率を任意に設定する比率設定
部と、設定された比率に従って前記刃具の昇降時間を周
期的に制御する昇降制御部と、を含むことを特徴とす
る。
【0012】
【作用】本発明の旋削加工方法では、ワークの旋削加工
を2段階に分けて行う。第1旋削工程では、刃具の先端
位置をワークの回転軸から遠ざかる方向及び近づく方向
に交互且つ周期的に変えてワークの表層を波状に旋削す
る。これにより刃具の送り量に対するワークの切り込み
量が周期的に変わるので、ワークの表層に発生する応力
が常時変動すると共に、切り屑側に残る残留応力にも差
が生じ、切り屑がねじれて縮んだ形状となる。第2旋削
工程では、刃具の先端位置と回転軸との距離を一定に保
持して第1旋削工程を経たワークの波状の表層を除去す
る。即ち、切り込み量を一定にして再度旋削を行うが、
第1旋削工程によりワークの表層が波状に成形されてい
るので、旋削時の切り屑の厚みが徐々に変わり、第1旋
削工程と同様、ねじれて縮んだ切り屑が発生する。この
縮み形状の切り屑は、ワークに巻き付きにくい形状なの
で、従来の課題であった連続旋削加工が可能になる。
を2段階に分けて行う。第1旋削工程では、刃具の先端
位置をワークの回転軸から遠ざかる方向及び近づく方向
に交互且つ周期的に変えてワークの表層を波状に旋削す
る。これにより刃具の送り量に対するワークの切り込み
量が周期的に変わるので、ワークの表層に発生する応力
が常時変動すると共に、切り屑側に残る残留応力にも差
が生じ、切り屑がねじれて縮んだ形状となる。第2旋削
工程では、刃具の先端位置と回転軸との距離を一定に保
持して第1旋削工程を経たワークの波状の表層を除去す
る。即ち、切り込み量を一定にして再度旋削を行うが、
第1旋削工程によりワークの表層が波状に成形されてい
るので、旋削時の切り屑の厚みが徐々に変わり、第1旋
削工程と同様、ねじれて縮んだ切り屑が発生する。この
縮み形状の切り屑は、ワークに巻き付きにくい形状なの
で、従来の課題であった連続旋削加工が可能になる。
【0013】なお、刃具の先端と該先端が指向するワー
クの回転軸との距離が極大になる点を加工前の当該ワー
クの表層付近とすると、上記応力及び切り屑自身の重み
により当該切り屑が切断され易くなるので、切り屑の形
状が非連続形状に変わり、上記巻き付きがより有効に抑
制される。
クの回転軸との距離が極大になる点を加工前の当該ワー
クの表層付近とすると、上記応力及び切り屑自身の重み
により当該切り屑が切断され易くなるので、切り屑の形
状が非連続形状に変わり、上記巻き付きがより有効に抑
制される。
【0014】また、本発明の刃具駆動装置では、第1の
制御手段を構成する比率設定部に、刃具先端の前記回転
軸からの距離が極小になる点から極大になる点までの送
り量と該極大点から次の極小点までの送り量との比率を
設定し、昇降制御部において上記設定された比率に従っ
て刃具の昇降時間を周期的に制御することで、上記第1
旋削工程を実行することができる。第2の制御手段は、
上記第1旋削工程を経たワークについて第2旋削工程を
実行する。
制御手段を構成する比率設定部に、刃具先端の前記回転
軸からの距離が極小になる点から極大になる点までの送
り量と該極大点から次の極小点までの送り量との比率を
設定し、昇降制御部において上記設定された比率に従っ
て刃具の昇降時間を周期的に制御することで、上記第1
旋削工程を実行することができる。第2の制御手段は、
上記第1旋削工程を経たワークについて第2旋削工程を
実行する。
【0015】
【実施例】次に、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明にする。図1は、本発明の一実施例に係る旋削加
工装置の要部構成図である。この旋削加工装置は、刃具
駆動装置1、刃具支持部2、刃具3、及び、ワーク4を
回転駆動するための回転駆動機構(図示省略)を有して
いる。ワーク4は、例えば銅やアルミ合金のような非鉄
材のものである。なお、旋削時にワーク4をその回転軸
41方向に定速移動させて刃具3の送り量を相対的に変
える構成も考えられるが、本実施例では、便宜上、刃具
3を上記回転軸41と平行方向に定速移動させる例につ
いて説明する。
に説明にする。図1は、本発明の一実施例に係る旋削加
工装置の要部構成図である。この旋削加工装置は、刃具
駆動装置1、刃具支持部2、刃具3、及び、ワーク4を
回転駆動するための回転駆動機構(図示省略)を有して
いる。ワーク4は、例えば銅やアルミ合金のような非鉄
材のものである。なお、旋削時にワーク4をその回転軸
41方向に定速移動させて刃具3の送り量を相対的に変
える構成も考えられるが、本実施例では、便宜上、刃具
3を上記回転軸41と平行方向に定速移動させる例につ
いて説明する。
【0016】刃具駆動装置1は、回転軸41を指向する
刃具3の送り量と切り込み量とを制御してワーク4の表
層を図示のように波状に成形するための装置であり、刃
具3の先端の回転軸41からの距離が極小になる点から
極大になる点までの送り量と該極大点から次の極小点ま
での送り量との比率を任意に設定する比率設定部11
と、設定された比率に従って刃具3の昇降時間を周期的
に制御する昇降制御部12とを少なくとも含んで構成さ
れる。
刃具3の送り量と切り込み量とを制御してワーク4の表
層を図示のように波状に成形するための装置であり、刃
具3の先端の回転軸41からの距離が極小になる点から
極大になる点までの送り量と該極大点から次の極小点ま
での送り量との比率を任意に設定する比率設定部11
と、設定された比率に従って刃具3の昇降時間を周期的
に制御する昇降制御部12とを少なくとも含んで構成さ
れる。
【0017】図2は、刃具駆動装置1により制御された
刃具3の軌跡を示す図であり、上記極小点となる切り込
み開始点をX1、上記極大点となる切り込み中間点をX
2、上記次の極小点となる終点をX3とし、これら各点
からなるブロックを所定周期繰り返す例について示して
ある。なお、図2では、実験により得られた好適な数値
例として、極小点と極大点との幅を3[mm]、X1か
らX2までの送り量を5[mm]、X2からX3までの
送り量を15[mm]としたが、少なくとも各点間の送
り量の比率X1−X2:X2−X3を、ほぼ1:3にす
れば、後述する残留応力効果をより顕著に発揮できるの
で、比率設定部11への設定は、必ずしも上記数値例に
限定されるものではない。
刃具3の軌跡を示す図であり、上記極小点となる切り込
み開始点をX1、上記極大点となる切り込み中間点をX
2、上記次の極小点となる終点をX3とし、これら各点
からなるブロックを所定周期繰り返す例について示して
ある。なお、図2では、実験により得られた好適な数値
例として、極小点と極大点との幅を3[mm]、X1か
らX2までの送り量を5[mm]、X2からX3までの
送り量を15[mm]としたが、少なくとも各点間の送
り量の比率X1−X2:X2−X3を、ほぼ1:3にす
れば、後述する残留応力効果をより顕著に発揮できるの
で、比率設定部11への設定は、必ずしも上記数値例に
限定されるものではない。
【0018】図3は、昇降制御部12における制御内容
の一例を示すフローチャートであり、Sは処理ステップ
を表す。ここでは、第1旋削工程を実行する例について
説明する。
の一例を示すフローチャートであり、Sは処理ステップ
を表す。ここでは、第1旋削工程を実行する例について
説明する。
【0019】まず、刃具3を旋削開始点にセットする
(S101)。この旋削開始点は、例えば刃具先端とそ
のときの回転軸41との距離が極小となる点(上記始点
X1)である。次に、刃具支持部2を介して刃具3の送
り量と切り込み量を比率設定部11の設定値に従って制
御し、刃具先端を回転軸41との距離が極大になる点
(上記中間点X2)方向にいわゆるテーパ移動させる
(S102)。即ち、刃具先端と回転軸41との距離が
徐々に大きくなるように刃具3を上昇させる。次に、比
率設定部11の設定値に基づき刃具先端が極大点に達し
たかどうかを判定し(S103)、達していないときは
同一方向のテーパ移動を続行させる。他方、極大点に達
した場合には、次の極小点(上記終点X3)に向かうよ
うに刃具3のテーパ移動の方向を変える(S104)。
即ち、刃具3を下降させる。その後、比率設定部11の
設定値に基づき刃具先端が極小点(X3)に達したかど
うかを判定し(S105)、達していなければ同一方向
のテーパ移動を続行し、極小点に達したときは、旋削終
了条件を満たしているかどうか、例えばワーク4の全て
の表層を旋削したか否かを判定し(S106)、旋削条
件を満たさないときは、S102〜S106までの処理
を繰り返す。旋削条件を満たすときは、刃具3を所定位
置に戻し、昇降制御を終了する。
(S101)。この旋削開始点は、例えば刃具先端とそ
のときの回転軸41との距離が極小となる点(上記始点
X1)である。次に、刃具支持部2を介して刃具3の送
り量と切り込み量を比率設定部11の設定値に従って制
御し、刃具先端を回転軸41との距離が極大になる点
(上記中間点X2)方向にいわゆるテーパ移動させる
(S102)。即ち、刃具先端と回転軸41との距離が
徐々に大きくなるように刃具3を上昇させる。次に、比
率設定部11の設定値に基づき刃具先端が極大点に達し
たかどうかを判定し(S103)、達していないときは
同一方向のテーパ移動を続行させる。他方、極大点に達
した場合には、次の極小点(上記終点X3)に向かうよ
うに刃具3のテーパ移動の方向を変える(S104)。
即ち、刃具3を下降させる。その後、比率設定部11の
設定値に基づき刃具先端が極小点(X3)に達したかど
うかを判定し(S105)、達していなければ同一方向
のテーパ移動を続行し、極小点に達したときは、旋削終
了条件を満たしているかどうか、例えばワーク4の全て
の表層を旋削したか否かを判定し(S106)、旋削条
件を満たさないときは、S102〜S106までの処理
を繰り返す。旋削条件を満たすときは、刃具3を所定位
置に戻し、昇降制御を終了する。
【0020】上述のように昇降制御部12を動作させる
ことで、図1に示したように、ワーク4の表層が波状に
成形される。その際、旋削部位から逐次切り屑5が発生
するが、加工硬化に起因する表層の残留応力変化によっ
て該切り屑5にねじれ現象が起きる。そして、この切り
屑5がワーク4の表層から反発して縮み形状となり、刃
具先端近辺で塊り状態となるので、ワーク4に巻き付き
にくくなる。このような切り屑の残留応力による縮み効
果をより顕著に発揮するための送り量の比率が前述の
1:3の比率であり、この比率を変えると上記効果が緩
和される。但し、値は必ずしも厳密である必要はなく、
近似値で足りる。
ことで、図1に示したように、ワーク4の表層が波状に
成形される。その際、旋削部位から逐次切り屑5が発生
するが、加工硬化に起因する表層の残留応力変化によっ
て該切り屑5にねじれ現象が起きる。そして、この切り
屑5がワーク4の表層から反発して縮み形状となり、刃
具先端近辺で塊り状態となるので、ワーク4に巻き付き
にくくなる。このような切り屑の残留応力による縮み効
果をより顕著に発揮するための送り量の比率が前述の
1:3の比率であり、この比率を変えると上記効果が緩
和される。但し、値は必ずしも厳密である必要はなく、
近似値で足りる。
【0021】また、上記中間点X2において刃具3のテ
ーパ移動が次の極小点(終点:X3)に向かう方向に変
わる際、切り屑5は、この時点で切断される。切断を確
実に行うためには、上記中間点X2がワーク4の表層に
あるか、または十分に表面に近いことが好ましい。この
ようにすることで、切り屑5は自身の重み及び応力変化
によって自動的に切断され、ワーク4への巻き付きがよ
り有効に防止される。
ーパ移動が次の極小点(終点:X3)に向かう方向に変
わる際、切り屑5は、この時点で切断される。切断を確
実に行うためには、上記中間点X2がワーク4の表層に
あるか、または十分に表面に近いことが好ましい。この
ようにすることで、切り屑5は自身の重み及び応力変化
によって自動的に切断され、ワーク4への巻き付きがよ
り有効に防止される。
【0022】なお、図4に示すように、刃具3として市
販の汎用刃具を利用し、且つ最も効率的な旋削を実現す
るためには、中間点X2から終点X3までのスロープと
回転軸41に平行な線42との為す角度、即ちテーパ角
θを27度とすると良い。テーパ角が27度を超えた場
合、市販の刃具角度は30度であるのが通常なので、ワ
ーク4と刃具3とが摺動し、刃具3の磨耗及び破損が生
じるからであり、逆に、テーパ角が27度以下の場合に
は切削効率が低下するからである。但し、この数値も必
ずしも厳密である必要はなく、近似値で足りる。
販の汎用刃具を利用し、且つ最も効率的な旋削を実現す
るためには、中間点X2から終点X3までのスロープと
回転軸41に平行な線42との為す角度、即ちテーパ角
θを27度とすると良い。テーパ角が27度を超えた場
合、市販の刃具角度は30度であるのが通常なので、ワ
ーク4と刃具3とが摺動し、刃具3の磨耗及び破損が生
じるからであり、逆に、テーパ角が27度以下の場合に
は切削効率が低下するからである。但し、この数値も必
ずしも厳密である必要はなく、近似値で足りる。
【0023】本実施例では、図3で説明した第1旋削工
程を経た後、当該ワーク4の表層について第2旋削工程
を施す。この第2旋削工程は、具体的には、刃具3の切
り込み量を一定に保持し、波状に成形されたワーク4の
表層を除去するために前記始点X1から終点X3へ刃具
3を直線移動させる。これにより発生する切り屑の厚み
は、旋削が進むにつれて徐々に変化する。従って、切り
込み量を変えて旋削を行う第1旋削加工時と同様、切り
屑に縮み現象が生じ、ワーク4に巻き付きにくくなる。
程を経た後、当該ワーク4の表層について第2旋削工程
を施す。この第2旋削工程は、具体的には、刃具3の切
り込み量を一定に保持し、波状に成形されたワーク4の
表層を除去するために前記始点X1から終点X3へ刃具
3を直線移動させる。これにより発生する切り屑の厚み
は、旋削が進むにつれて徐々に変化する。従って、切り
込み量を変えて旋削を行う第1旋削加工時と同様、切り
屑に縮み現象が生じ、ワーク4に巻き付きにくくなる。
【0024】このように、本実施例の旋削加工装置で
は、ワーク4に対し、刃具駆動装置1を用いて第1及び
第2旋削工程を施すようにしたので、旋削時に生じる切
り屑の形状がワーク4に巻き付きにくい形状となり、加
工中断や刃具3のチッピングが抑制される。これによっ
て旋削作業を中断することなく連続に行えるようにな
り、結果的に旋削時間を大きく短縮することが出来る。
また、工具破損や磨耗が少なくなるので、ワーク4への
悪影響も少なく、ランニングコストも低減される。更
に、危険を伴う切り屑の除去作業も行う必要もなくなる
ので、安全性が高くなる。
は、ワーク4に対し、刃具駆動装置1を用いて第1及び
第2旋削工程を施すようにしたので、旋削時に生じる切
り屑の形状がワーク4に巻き付きにくい形状となり、加
工中断や刃具3のチッピングが抑制される。これによっ
て旋削作業を中断することなく連続に行えるようにな
り、結果的に旋削時間を大きく短縮することが出来る。
また、工具破損や磨耗が少なくなるので、ワーク4への
悪影響も少なく、ランニングコストも低減される。更
に、危険を伴う切り屑の除去作業も行う必要もなくなる
ので、安全性が高くなる。
【0025】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の旋削加工方法によれば、第1旋削工程において刃具の
先端位置をワークの回転軸から遠ざかる方向及び近づく
方向に交互且つ周期的に変えてワークの表層を波状に旋
削し、第2旋削工程において刃具の先端位置と回転軸と
の距離を一定に保持して第1旋削工程を経たワークの波
状の表層を除去するようにしたので、発生する切り屑が
残留応力によりねじれて縮んだ形状となり、ワークに巻
き付きにくくなる効果がある。これにより従来の課題で
あった作業の安全性確保と連続旋削加工の実現が可能に
なる。
の旋削加工方法によれば、第1旋削工程において刃具の
先端位置をワークの回転軸から遠ざかる方向及び近づく
方向に交互且つ周期的に変えてワークの表層を波状に旋
削し、第2旋削工程において刃具の先端位置と回転軸と
の距離を一定に保持して第1旋削工程を経たワークの波
状の表層を除去するようにしたので、発生する切り屑が
残留応力によりねじれて縮んだ形状となり、ワークに巻
き付きにくくなる効果がある。これにより従来の課題で
あった作業の安全性確保と連続旋削加工の実現が可能に
なる。
【0026】また、本発明の旋削加工方法によれば、刃
具の先端と該先端が指向するワークの回転軸との距離が
極大になる点を加工前の当該ワークの表層付近にしたの
で、上記残留応力及び切り屑自身の重みにより切り屑が
切断され易くなり、切り屑が非連続形状に変わって上記
巻き付きがより有効に抑制される効果がある。
具の先端と該先端が指向するワークの回転軸との距離が
極大になる点を加工前の当該ワークの表層付近にしたの
で、上記残留応力及び切り屑自身の重みにより切り屑が
切断され易くなり、切り屑が非連続形状に変わって上記
巻き付きがより有効に抑制される効果がある。
【0027】更に、第1旋削工程において、刃具先端と
ワークの回転軸との距離が極小になる点から極大になる
点までの送り量に対し、該極大点から次の極小点までの
送り量が相対的に略3倍となるように刃具を駆動し、し
かも、前記極大点から次の極小点までのスロープとワー
クの回転軸との為す角度が略27度となるようにしたの
で、市販の汎用刃具を利用して最も効率的な旋削加工を
実現することができる。
ワークの回転軸との距離が極小になる点から極大になる
点までの送り量に対し、該極大点から次の極小点までの
送り量が相対的に略3倍となるように刃具を駆動し、し
かも、前記極大点から次の極小点までのスロープとワー
クの回転軸との為す角度が略27度となるようにしたの
で、市販の汎用刃具を利用して最も効率的な旋削加工を
実現することができる。
【0028】このような旋削加工方法は、本発明の刃具
駆動装置の第1の制御手段及び第2の制御手段によって
容易に実施することができる。従って、原理的には連続
運転が可能であるにもかかわらず、従来は連続運転が非
常に困難であった数値制御旋盤や自動旋盤に本発明を適
用することで、長時間連続切削加工を安全且つ容易に行
うことが可能となる。
駆動装置の第1の制御手段及び第2の制御手段によって
容易に実施することができる。従って、原理的には連続
運転が可能であるにもかかわらず、従来は連続運転が非
常に困難であった数値制御旋盤や自動旋盤に本発明を適
用することで、長時間連続切削加工を安全且つ容易に行
うことが可能となる。
【図1】本発明の一実施例に係る旋削加工装置の要部構
成図。
成図。
【図2】本実施例の刃具駆動装置により制御された刃具
の軌跡を示す図。
の軌跡を示す図。
【図3】本実施例の刃具駆動装置の構成要素である昇降
制御部の処理例、例えば第1旋削工程の流れを示すフロ
ーチャート。
制御部の処理例、例えば第1旋削工程の流れを示すフロ
ーチャート。
【図4】本実施例による旋削部位の状態を示す部分拡大
図。
図。
【図5】従来法に係る旋削加工方法の説明図。
1 刃具駆動装置 11 比率設定部 12 昇降制御部 2 刃具支持部 3 刃具 4 ワーク(被削材) 41 回転軸
Claims (6)
- 【請求項1】 回転する被削材の表層との相対位置が該
被削材の回転軸と平行の方向に定速で変位する刃具と、
該被削材の回転軸を指向する前記刃具の先端位置を制御
する手段とを備える装置を用いた旋削加工方法におい
て、 前記刃具の先端位置を前記回転軸から遠ざかる方向及び
前記回転軸に近づく方向に交互且つ周期的に変えて前記
被削材の表層を波状に旋削する第1旋削工程と、 前記刃具の先端位置と前記回転軸との距離を一定に保持
して前記第1旋削工程を経た被削材の波状の表層を除去
する第2旋削工程と、 を有することを特徴とする旋削加工方法。 - 【請求項2】 前記第1旋削工程における前記刃具の先
端と該先端が指向する前記回転軸との距離が極大になる
点は、加工前の当該被削材の表層付近であることを特徴
とする請求項1記載の旋削加工方法。 - 【請求項3】 前記第1旋削工程における前記刃具先端
の変位比率は、該先端の前記回転軸からの距離が極小に
なる点から極大になる点までの送り量を1としたとき
に、該極大点から次の極小点までの送り量が略3となる
比率であることを特徴とする請求項1または2記載の旋
削加工方法。 - 【請求項4】 前記極大点から次の極小点までのスロー
プと前記回転軸との為す角度が略27度であることを特
徴とする請求項3記載の旋削加工方法。 - 【請求項5】 回転する被削材の表層を旋削するための
刃具を駆動する装置であって、前記被削材の回転軸を指
向する刃具の先端を前記回転軸から遠ざかる方向及び前
記回転軸に近づく方向に交互且つ周期的に変位させる第
1の制御手段と、前記刃具の先端位置を前記回転軸から
一定距離に保持する第2の制御手段と、を少なくとも備
えて成る刃具駆動装置。 - 【請求項6】 前記第1の制御手段は、前記刃具先端の
前記回転軸からの距離が極小になる点から極大になる点
までの送り量と該極大点から次の極小点までの送り量と
の比率を任意に設定する比率設定部と、設定された比率
に従って前記刃具の昇降時間を周期的に制御する昇降制
御部と、を含むことを特徴とする請求項5記載の刃具駆
動装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP12005194A JPH07328801A (ja) | 1994-06-01 | 1994-06-01 | 旋削加工方法及び刃具駆動装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP12005194A JPH07328801A (ja) | 1994-06-01 | 1994-06-01 | 旋削加工方法及び刃具駆動装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07328801A true JPH07328801A (ja) | 1995-12-19 |
Family
ID=14776681
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP12005194A Pending JPH07328801A (ja) | 1994-06-01 | 1994-06-01 | 旋削加工方法及び刃具駆動装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH07328801A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN106112011A (zh) * | 2016-06-30 | 2016-11-16 | 广东技术师范学院 | 一种温度可控的加热切削方法及装置 |
| JP2017102630A (ja) * | 2015-12-01 | 2017-06-08 | ファナック株式会社 | 切りくずを細断するための筋加工の固定サイクル動作制御を行う数値制御装置 |
| CN111390204A (zh) * | 2020-04-20 | 2020-07-10 | 南京嘉玺数控科技有限公司 | 一种连续车削加工主动断屑方法 |
| CN111390205A (zh) * | 2020-04-20 | 2020-07-10 | 南京工业大学 | 一种面向无人车间的金属切削加工主动断屑方法及装置 |
| JP2021065942A (ja) * | 2019-10-18 | 2021-04-30 | 高松機械工業株式会社 | 工作機械及びこれを用いたネジ切り加工方法 |
-
1994
- 1994-06-01 JP JP12005194A patent/JPH07328801A/ja active Pending
Cited By (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2017102630A (ja) * | 2015-12-01 | 2017-06-08 | ファナック株式会社 | 切りくずを細断するための筋加工の固定サイクル動作制御を行う数値制御装置 |
| US10248100B2 (en) | 2015-12-01 | 2019-04-02 | Fanuc Corporation | Numerical controller |
| CN106112011A (zh) * | 2016-06-30 | 2016-11-16 | 广东技术师范学院 | 一种温度可控的加热切削方法及装置 |
| CN106112011B (zh) * | 2016-06-30 | 2019-03-01 | 广东技术师范学院 | 一种温度可控的加热切削方法及装置 |
| JP2021065942A (ja) * | 2019-10-18 | 2021-04-30 | 高松機械工業株式会社 | 工作機械及びこれを用いたネジ切り加工方法 |
| CN111390204A (zh) * | 2020-04-20 | 2020-07-10 | 南京嘉玺数控科技有限公司 | 一种连续车削加工主动断屑方法 |
| CN111390205A (zh) * | 2020-04-20 | 2020-07-10 | 南京工业大学 | 一种面向无人车间的金属切削加工主动断屑方法及装置 |
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