JPH07334880A - 光磁気記録媒体及びその再生方法 - Google Patents

光磁気記録媒体及びその再生方法

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JPH07334880A
JPH07334880A JP12372994A JP12372994A JPH07334880A JP H07334880 A JPH07334880 A JP H07334880A JP 12372994 A JP12372994 A JP 12372994A JP 12372994 A JP12372994 A JP 12372994A JP H07334880 A JPH07334880 A JP H07334880A
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magneto
magnetization
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JP12372994A
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Inventor
Toshifumi Kawano
敏史 川野
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 再生時に高温部を磁化反転させることより、
優れた再生特性を得る。 【構成】 再生層1、切断層2、記録層3のキュリー温
度を各々Tc1、Tc2、Tc3としたときに、Tc1、Tc2、
Tc3は50℃以上であり、且つ Tc1>Tc2、Tc3>Tc2 という関係を満たし、磁性層は再生光による加熱によっ
てTc2近傍もしくはそれ以上の温度に加熱された際、記
録層3と再生層1の間の交換結合力が減少するかあるい
は無くなり、その結果高温部分において再生層1の副格
子磁化がその部分の低温時の方向に対して反転する光磁
気記録媒体であって、外部磁界を印可しない状態での再
生層の室温におけるカー回転角θk1とTc2におけるカー
回転角θk2が θk1/θk2<0.3 という関係を持つ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光磁気記録媒体及びその
再生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光磁気記録媒体は、高密度、低コストの
書換え可能な情報記録媒体として実用化されている。特
に希土類金属と遷移金属のアモルファス合金の記録層を
用いた媒体は非常に優れた特性を示している。
【0003】光磁気ディスクは非常に大容量の記録媒体
であるが、社会の情報量の増大に伴いさらなる大容量化
が望まれている。光ディスクの記録密度は通常の場合、
その再生光のスポットの大きさで決ってしまう。スポッ
トの大きさはレーザーの波長が短いほど小さくすること
ができるため、レーザーの短波長化の検討が進められて
いるが、非常に困難を伴っている。
【0004】一方、レーザーの波長によって決定される
以上の分解能を色々な工夫によって得ようとする、いわ
ゆる超解像技術の試みが近年行われている。その一つ
に、光磁気ディスクを用い、多層膜間の交換結合力を用
いた超解像(Magnetically induced super resolution以
下MSR)が報告されている。この方式の一つの形態
は、保磁力の小さな再生層、キュリー温度の低いスイッ
チング層、キュリー温度、保磁力が高い記録層の互いに
交換結合した3層からなる媒体を用いる。
【0005】再生磁界を印加しながら再生光により加熱
したとき、媒体の高温部で交換結合が切れる。再生層は
単独での保磁力が小さいので高温部では磁化が一様に再
生磁界の方向を向き記録ビットが消去される。この結
果、低温部のみが再生され、結果的に再生範囲が狭くな
るため、再生光を絞った場合と同じ効果が得られ、高密
度の記録ビットの再生を行うことができる。
【0006】消去された記録ビットは、媒体温度が低く
なり交換結合が回復したときに、記録層から転写される
ことにより復活する。この方式は、信号を再生光スポッ
トの前部で検出するため、Front aperture detection(F
AD)と呼ばれる。FAD方式の欠点として再生時に再生磁界
(Hr)が必要な点が挙げられる。
【0007】再生磁界は、通常24000A/m以上の
磁界が必要であり、再生磁界を印加しつつ再生すること
によって、記録層に記録されたビットが不安定になると
いう欠点があった。また、記録に必要な磁界より大きな
磁界が再生に必要となる可能性もあり、磁気ヘッドを小
型化し、装置を簡略化しようとする際に大きな問題とな
る。
【0008】特に、磁界変調記録では記録磁界が100
00A/m以下であることも多く、再生磁界の印加が磁
気ヘッドには大きな負担となる。我々はこれに対し先の
出願で、FADと同様に記録層、切断層、再生層の交換
結合した3層の磁性層を用いながら、温度が上がり交換
結合が切れた際に、記録層と再生層の静磁的な結合によ
り再生層の副格子磁化が交換結合が強い場合に対して反
転し、これによって超解像が可能となる、言うなれば静
磁結合型超解像が可能であることを示した。この方法で
は、再生磁界が無い状態、あるいは非常に低い再生磁界
において超解像再生が可能である。
【0009】
【発明が解決しょうとする課題】しかしこの方式におい
ては、高温部の反転した信号と低温部の非反転の信号と
が同時に読み込まれるため、両者の干渉により再生波形
に歪が生じることが挙げられる。こういった歪は特にP
WM記録において再生能力の低下につながる。さらにこ
の方式では低温部からかなりの信号が発生するため、ク
ロストークの低減効果が不十分であった。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明では再生時に高温
部を磁化反転させることより、マスクを用いる従来の原
理とは異なる方法で超解像効果をえる媒体において、再
生層の膜厚を特定の厚さにすることによって優れた再生
特性を得るものである。本発明の要旨は、少なくとも希
土類金属と遷移金属よりなる再生層、切断層、記録層の
3層よりなる互いに交換結合した磁性層が基板上に設け
られており、再生層、切断層、記録層のキュリー温度を
各々Tc1、Tc2、Tc3としたときに、Tc1、Tc2、Tc3
は50℃以上であり、且つ
【0011】
【数3】Tc1>Tc2、Tc3>Tc2 という関係を満たし、磁性層は再生光による加熱によっ
てTc2近傍もしくはそれ以上の温度に加熱された際、記
録層と再生層の間の交換結合力が減少するかあるいは無
くなり、その結果高温部分において再生層の副格子磁化
がその部分の低温時の方向に対して反転する光磁気記録
媒体であって、外部磁界を印可しない状態での再生層の
室温におけるカー回転角θk1とTc2におけるカー回転角
θk2が
【0012】
【数4】θk1/θk2<0.3 という関係を持つことを特徴とする光磁気記録媒体に存
する。本発明に使用される媒体は再生光の加熱によって
磁区がその低温時の状態に対して反転を示すものであ
る。
【0013】先の出願において、我々はこういった高温
部で磁化の反転が生じる媒体が作成可能であることを示
した。以下、その原理を図を用いて説明する。図1は本
発明の光磁気記録再生方式の説明図、図2は本発明の光
磁気記録媒体の縦断面説明図、図3は本発明の光磁気記
録媒体の平面説明図である。1は再生層、2は切断層、
3は記録層、4は交換結合力、5は静磁結合力、6は記
録磁区、7は高温部、8は再生スポット、9は再生ビー
ム移動方向、10はトラックをそれぞれ示す。
【0014】再生層1と記録層3が各々希土類金属と遷
移金属のフェリ磁性合金であり、Tc2以下の交換結合力
が強い状態で互いに優勢な副格子磁化が異なる場合、交
換結合力4のため互いの磁化は逆方向を向いて安定して
いる。このような媒体を再生光により加熱した際、切断
層2のキュリー温度Tc2の近傍で記録層と再生層の間の
交換結合力が小さくなるか、あるいは無くなる。
【0015】この時、再生層の磁化に働く力は、記録層
と再生層の間の磁化同士の静磁結合5による力が主であ
る。Tc2において、記録層1と再生層3とで優勢な副格
子磁化が異なる場合は、交換結合力と静磁結合力の方向
が逆となるため、静磁結合力5によって、再生層1の副
格子磁化はその低温時の交換結合力が支配的な状態に対
して反転を起こす。
【0016】すなわちTc2において記録層3が希土類金
属優勢ならば再生層1を遷移金属優勢とし、記録層3が
遷移金属優勢ならば再生層1を希土類金属優勢とすれば
こういう状態を実現できる。通常の再生の場合、記録磁
区の間隔を縮めていくと記録方向と消去方向の信号が互
いに打ち消し合い、信号の区別ができなくなくなり信号
レベルが低下してしまう。
【0017】これに対し、本発明の方法では図2に示す
ように再生している高温部7の副格子磁化が反転してし
まうため、その部分から得られるそのカー回転による信
号も極性が逆になる。従って、図3のように高温部7が
記録方向の場合信号は周囲の消去部からの信号と同一の
極性となり再生スポット8の内部で両者が足し合わされ
ることにより大きな信号レベルがとれる。
【0018】高温部が消去方向の場合、信号は周囲の記
録部からの信号と同一の極性となりやはり大きな信号レ
ベルがとれる。また、本発明の方法では磁化反転が再生
スポットの高温部7でのみ起こるため、再生スポット8
全体が信号に関与してくる従来の方法と比べ、非常に幅
の狭いシャープな再生信号が得られ、微細な記録でも容
易に再生可能である。
【0019】ところでこいった媒体で信号を再生する場
合、低温部は高温部と逆の極性の信号を発生し、さらに
高温部に対し若干先行しているため、磁区端部での再生
信号に突起ないし歪が形成される。こういった突起ない
し歪は信号再生、特に記録を磁区端部の検出で行うエッ
ジ記録方式では再生の信頼性に対して大きな問題を生じ
る。
【0020】この問題を解決するには低温部からの信号
をなるべく低減させ、高温部からの信号のみを再生する
ようにするのが好ましい。具体的方法として再生層を室
温で垂直磁気異方性が小さくなるほど希土類金属が大き
く優勢な組成とし、再生パワーによって昇温したとき磁
化が小さくなり、垂直磁気異方性が高くなるようにすれ
ばよい。
【0021】この結果、磁化がほぼ膜面内にある低温部
では再生信号が小さく、高温部では磁化が垂直になって
高い再生信号がとれることにより、主に高温部のみを再
生することが可能である。外部磁界の印可されてない状
態での室温でのカー回転角をθk1、Tc2におけるカー回
転角をθk2とすると
【0022】
【数5】θk1/θk2<0.3・・・・(1) であれば十分に歪の小さな信号を得ることが可能であ
る。「光磁気記録国際シンポジウム’92」(Proceedi
ng, p201)において、上記のような再生層で記録層との
2層膜により超解像再生が可能であることを示してい
る。
【0023】しかしこの方法ではカー回転角が温度上昇
に応じて少しずつ増加するため、高温部で充分なカー回
転角を得るまで加熱すれば、かなり広い範囲にわたる周
囲の信号を同時に再生してしまう。この結果超解像の効
果としては不十分なものにならざるをえない。これに対
し、静磁結合型超解像では反転部と周囲の信号の干渉に
より広い再生範囲であっても高い超解像効果を得ること
ができるため、こういった高温部を主体に再生する再生
層と静磁結合型超解像を組み合わせることにより、超解
像効果を落とすことなく再生信号の歪を低減できる。
【0024】この方法の今一つの利点としてクロストー
ク(隣接記録トラックからの信号の漏れ込み)の低減が
挙げられる。静磁結合型超解像では反転を行っていない
低温部の信号も再生するためトラックピッチが縮まるに
従ってクロストークの増大が問題となる。これに対し、
低温部でのカー回転角を(1)式のように相対的に小さ
くとれば、クロストークを小さくすることが可能であ
る。
【0025】静磁結合による反転を安定に行うためには
記録層がTc2において十分な大きさの記録ビットに応じ
た磁界を発生していなくてはならない。このためには記
録層がある程度以上の磁化を有している必要がある。記
録層の体積磁化率はTc2において80emu/cc以上が必要
である。しかし室温において記録層の体積磁化率が大き
すぎる場合は、記録層内部での微小反転磁区が生じた
り、磁気異方性の低下が起こり再生層の磁化を完全に垂
直に立たせる事ができなくなるため、室温において30
0emu/cc以下であることが必要である。
【0026】Tc2において好ましくは120emu/cc以上
であり、さらに好ましくは150emu/cc以上である。室
温において好ましくは250emu/cc以下であり、さらに
好ましくは200emu/cc以下である。ここで言う室温と
は、使用環境温度であり、代表的には25℃である。
【0027】一方、再生層の受ける力は再生層の磁化も
影響する。従って再生層もTc2においてある程度以上の
磁化を持つことが好ましい。Tc2における再生層の好ま
しい体積磁化率は150emu/cc以上であり、さらに好ま
しくは200emu/cc以上、特に好ましいのは250emu/
cc以上である。一方、室温において磁化が大きすぎる場
合は、記録層と交換結合を行った場合、垂直磁気異方性
の低い再生層の影響を受けて記録層の磁化が完全に垂直
に立たない、あるいは磁化が局所的に反転を起こすよう
な状況が生じる。
【0028】室温において再生層の好ましい体積磁化率
は500emu/cc以下であり、さらに好ましくは450em
u/cc以下、特に好ましくは400emu/cc以下である。記
録層がTc2にいたるまで希土類金属優勢であるような組
成では記録磁界依存性等の記録特性が悪化してしまう。
従って、再生層を希土類金属優勢の組成にしておくこと
が好ましい組成であり、Tc2において再生層が希土類金
属優勢であるためには再生層の補償温度Tcompが、
【0029】
【数6】Tcomp>Tc2 となる必要がある。また、磁化反転を起こすには再生層
の保磁力Hcがある程度小さい必要がある。しかし、小
さ過ぎる場合は再生信号の劣化が生じるため、Tc2にお
いてHcは2kA/m以上、40kA/m以下であるこ
とが好ましい。
【0030】記録層は安定に記録を蓄えるため、Tc2に
おいて800kA/m以上の保磁力を有するのが望まし
い。また、再生層が希土類金属優勢で温度上昇による磁
化の減少に伴って垂直磁気異方性が増加していくような
組成は磁化反転による磁壁エネルギーの増加を小さくで
き、かつ高温部で垂直磁気異方性が高いため、再生信号
が大きくとれ好ましい。
【0031】再生層に用いられる物質としては、GdF
eCo、GdCo、GdFe、GdDyFe、GdDy
Co、GdDyFeCo、GdTbFe、GdTbC
o、GdTbFeCo、DyFeCo、DyCo、Tb
Co、TbFeCo、TbDyFeCo、TbDyCo
等の希土類と遷移金属の合金が好ましく用いられる。中
でも、Gdを含有する合金を用いるのがキュリー温度や
保磁力の点から好ましい。
【0032】キュリー温度としては、250℃以上であ
ることが好ましい。PtCoや、PtとCoの超格子等
の磁性体を単独で、あるいは希土類と遷移金属との合金
との積層で再生層として用いることもできる。中でも、
保磁力を小さくできるGdFeCoを主体とした合金が
好ましく用いられる。
【0033】
【数7】 Gdx(FeyCo100-y100-x (いずれも原子%) と表した場合、30≦x≦35、0≦y≦100であることが好ま
しい。ただし、Ti、Cr、Pt、Mo等の添加物を5
原子%程度まで添加しても良い。再生層の垂直磁気異方
性を大きくするには、磁性層にある程度の膜応力をもた
せて逆磁歪効果による異方性を発生させるのが好まし
い。
【0034】膜応力は大きすぎると膜の耐久性に悪影響
を与えるため1×109erg/cc以上5×109erg/cc以下
であることが好ましい。再生層の膜厚が薄すぎる場合、
交換結合のため再生層の磁化が低温で膜面に水平に向く
ことができない。また、厚すぎると高温で膜面に垂直に
向かなくなる上、感度が悪くなる。
【0035】再生層の膜厚は50nm以上、120nm
以下であることが好ましい。さらに好ましくは60nm
以上、100nm以下である。切断層は、キュリー温度
が再生層や記録層と比べて小さいものである必要があ
る。切断層のキュリー温度は、100〜180℃程度が
好ましい。
【0036】切断層は垂直磁気異方性が高く、再生層の
磁化に強い力を発生させるものが好ましい。用いられる
物質としては、TbFe、TbFeCo、DyFeC
o、DyFe、TbDyFeCo等の希土類と遷移金属
の合金が好ましい。切断層の膜厚は2nm以上、30n
m以下であることが好ましい。
【0037】記録層は、安定して記録を蓄えている層で
あるから、再生ビームで劣化しない大きさのキュリー温
度を有していることが必要である。記録層はキュリー温
度が、200〜280℃程度のものが好ましい。キュリ
ー温度が高すぎるものだと、記録に要するレーザーのパ
ワーが大きくなりすぎてしまう。
【0038】記録層は、再生層の磁化に強い力を与える
ために、高い垂直磁気異方性を持つことも、必要であ
る。記録層の物質としては、TbFeCo、TbCo、
DyFeCo、TbDyFeCo、GdTbFe、Gd
TbFeCo等の希土類と遷移金属の合金が好ましく用
いられる。
【0039】記録層としては特に垂直磁気異方性の大き
いTbFeCoを主体とした合金が好ましく用いられ
る。中でも、
【0040】
【数8】 Tbx(FeyCo100-y100-x (いずれも原子%) と表した場合、17≦x≦24、70≦y≦85 であることが好
ましい。ただし、Ti、Cr、Pt、Mo等の添加物を
5原子%程度まで添加しても良い。
【0041】記録層の膜厚は10nm以上、50nm以
下であることが好ましい。記録層の記録を安定に蓄えて
おくには記録層の保磁力は再生層の保磁力よりも大きい
ことが好ましい。記録層の保磁力は240kA/m以上
であることが好ましい。希土類金属と遷移金属の合金は
酸化しやすいため、磁性層の両側に保護膜をつけた態様
をとることが好ましい。
【0042】保護膜としては、酸化Si、酸化Al、酸
化Ta、酸化Ti、窒化Si、窒化Al、炭化Siなど
の単体あるいはそれらの混合物が好ましく用いられる。
保護膜の膜厚は50nm〜150nm程度が好ましい。
基板側の保護膜を形成後、表面をプラズマエッチングす
ることで磁性層の磁気異方性を向上させることができ
る。
【0043】磁性層の記録層側に直接あるいは保護層を
介して、放熱層としてAl、Cu、Au、Ag等の単
体、あるいはそれを主体とした合金よりなる高熱伝導物
質層を設けることは、再生時の熱分布を安定させるうえ
で望ましい構成である。放熱層の膜厚は10nm〜10
0nm程度が好ましい。光変調記録を行う際には、消去
の方向を向いている磁区と記録の方向を向いている磁区
との形状が異なるため、高温で反転磁区が生じる場合の
磁壁の生成しやすさが記録方向と消去方向で若干異な
る。
【0044】このため、再生時にいずれかの方向に再生
磁界を印可してもよい。特に消去時の磁界印可方向と同
じ方向に印可することが好ましい。ただし再生磁界が記
録層と再生層の間の静磁界と同程度以上の大きさになる
と、再生層の反転に影響を及ぼすため再生磁界は160
00A/m以下であることが好ましい。
【0045】特に好ましくは10000A/m以下であ
る。また本発明の方式ではクロストークを非常に低く抑
えられるため、通常のランド記録あるいはグルーブ記録
の他にランドとグルーブの両方に記録を行うことも可能
である。
【0046】
【実施例】以下に実施例をもって本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実
施例に限定されるものではない。 実施例1〜6、比較例1 スパッタリング装置に1.2μmのトラックピッチの案
内溝を持ったポリカーボネート基板を導入し、5×10
−5 Pa以下の真空度まで排気を行った。
【0047】保護層として基板上に80nmの酸化Ta
を反応性スパッタリングを用い形成した。次に酸化Ta
上に、Gd33(Fe80Co20)67よりなる再生層、Tb20
Fe80よりなる15nmの切断層を設け、Tb21(Fe
80Co20)79よりなる40nmの記録層を設けた。
【0048】最後にSiNよりなる80nmの保護層を
設けた。再生層の膜厚は40nm〜140nmまで変化
させた。再生層、切断層、記録層のキュリー温度を測定
したところ、各々300℃以上、120℃、240℃で
あった。また、再生層は室温においては希土類金属の磁
化が優勢であり補償温度は190℃であった。
【0049】その他の層は室温において遷移金属の磁化
が優勢であった。また、再生層の室温(25℃)におけ
る体積磁化率は380emu/ccであり、120℃において
体積磁化率は250emu/ccであった。再生層の膜厚に対
しての磁界を印可しない状態でのカー回転角を測定した
結果を表1に示す。
【0050】このようにして作製したディスクを波長7
80nm、開口数0.55の評価機を用いて光変調記録
によりCNR(狭帯域の信号対雑音比)の評価を行っ
た。記録条件は線速7m/s、周波数7MHz、記録パ
ワー9mW、記録duty30%である。再生時に磁界の印
可は行っていない。
【0051】再生パワーを変えて測定を行ったところ、
再生パワー1.6mW以上で高温部の磁区の反転が生
じ、超解像が起こった。再生信号には通常のFAD超解
像で生じるような磁化方向の揃った「マスク」に起因す
る直流バイアス成分は観測されなかった。再生パワー
2.4mWでのCNRの評価結果を表1にまとめた。
【0052】また、クロック周波数14MHzで(1,
7)RLLのPWM記録を行ったときのジッター(信号
検出タイミングの乱れ)と、2MHzで記録を行ったと
きの隣接トラックで測定したクロストークを示す。クロ
ストークは記録トラックでの信号強度I1と隣接トラック
での信号強度I2を用い、20log10(I2/I1)で定義される。
【0053】実施例1のディスクを再生する際に800
0A/mの再生磁界を消去方向に印可したところ、再生
磁界を印可しない場合と比較してCNRが0.5dB増
加し48.8dBが得られた。再生磁界を20000A
/mとしたところCNRは37dBとなった。
【0054】[比較例2]再生層の組成をGd21(Fe
80Co20)79とし、記録層の組成をTb20.5(Fe8 0Co
20)79.5とした以外は実施例1と同様にしてディスクを
作製した。再生層のキュリー温度は300℃以上であっ
た。再生層、記録層共に室温で遷移金属優勢であり、補
償温度は室温以上には存在しなかった。
【0055】再生層の室温における保磁力は38000
A/mでカー回転角θk1=0.33、120℃における
保磁力は32000A/mでカー回転角θk2=0.32
であった。その後、実施例1と同条件で再生磁場を印可
せず再生パワーPr=2.4mWでCN比を測定したと
ころ35dBであった。
【0056】消去方向に再生磁場を40000A/m印
可して再生を行ったところ48.5dBが得られた。こ
のとき信号には直流バイアス成分が生じており、高温部
での磁化方向が一定となる「マスク」の生成が確認され
た。さらに実施例1〜6と同様にしてクロストークの測
定を行ったところ−22dBであった。
【0057】[比較例4]同一の基板を用い、保護層と
して酸化Taを90nm、記録層としてTb21(Fe93C
7)79を28nm、中間層としてSiNを30nm、反
射層としてAlを40nm設けたディスクを作製した。
その後、実施例1と同条件で再生磁場を印可せず再生パ
ワーPr=2.0mWでCN比を測定したところ29d
Bであった。信号の位相の反転は観察されなかった。さ
らに実施例1〜6と同様にしてクロストークの測定を行
ったところ−22dBであった。
【0058】
【表1】 θk1:25℃でのカー回転角 θk2:120℃でのカー回転角
【0059】
【発明の効果】本発明の光磁気記録媒体及び、その記録
再生方法を用いることによって、低い再生磁界において
PWM記録に適した良好な再生波形が得られ、クロスト
ークも低い高密度記録に適した信号再生が行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の光磁気記録再生方式の説明図
【図2】 本発明の光磁気記録媒体の縦断面説明図
【図3】 本発明の光磁気記録媒体の平面説明図
【符号の説明】
1 再生層 2 切断層 3 記録層 4 交換結合力 5 静磁結合力 6 記録磁区 7 高温部 8 再生スポット 9 再生ビーム移動方向 10 トラック

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも希土類金属と遷移金属よりな
    る再生層、切断層、記録層の3層よりなる互いに交換結
    合した磁性層が基板上に設けられており、再生層、切断
    層、記録層のキュリー温度を各々Tc1、Tc2、Tc3とし
    たときに、Tc1、Tc2、Tc3は50℃以上であり、且つ 【数1】Tc1>Tc2、Tc3>Tc2 という関係を満たし、磁性層は再生光による加熱によっ
    てTc2近傍もしくはそれ以上の温度に加熱された際、記
    録層と再生層の間の交換結合力が減少するかあるいは無
    くなり、その結果高温部分において再生層の副格子磁化
    がその部分の低温時の方向に対して反転する光磁気記録
    媒体であって、外部磁界を印可しない状態での再生層の
    室温におけるカー回転角θk1とTc2におけるカー回転角
    θk2が 【数2】θk1/θk2<0.3 という関係を持つことを特徴とする光磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 室温からTc2にいたるまで再生層の磁化
    が希土類金属優勢であり、記録層の磁化がTc2において
    遷移金属が優勢となる組成である請求項1に記載の光磁
    気記録媒体。
  3. 【請求項3】 再生層の膜厚が50nm以上、120n
    m以下である請求項1に記載の光磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の光磁気記録媒体を用
    い、少なくとも再生部分の一部の再生層の副格子磁化が
    反転する強度の再生光を照射し、16000A/m以下
    の再生磁界を印可するか、あるいは再生磁界を印可しな
    い状態で再生を行うことを特徴とする光磁気記録媒体の
    再生方法。
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