JPH0734185Y2 - 可変圧縮比ピストン - Google Patents
可変圧縮比ピストンInfo
- Publication number
- JPH0734185Y2 JPH0734185Y2 JP16509288U JP16509288U JPH0734185Y2 JP H0734185 Y2 JPH0734185 Y2 JP H0734185Y2 JP 16509288 U JP16509288 U JP 16509288U JP 16509288 U JP16509288 U JP 16509288U JP H0734185 Y2 JPH0734185 Y2 JP H0734185Y2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- piston
- valve
- oil chamber
- oil
- compression ratio
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
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Landscapes
- Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
Description
【考案の詳細な説明】 [考案の目的] (産業上の利用分野) この考案は、内燃機関の可変圧縮比ピストンに係わり、
詳しくは、内燃機関の負荷条件に応じてコンプレッショ
ンハイトを可変化したピストンに関する。
詳しくは、内燃機関の負荷条件に応じてコンプレッショ
ンハイトを可変化したピストンに関する。
(従来の技術) 内燃機関の部分負荷時には絞弁によって吸気量が制限さ
れる等のために熱効率の低下を招き、この熱効率を高め
ようとして圧縮比を大きくとると、今度は高負荷時にノ
ッキングを起こすという危険性がある。そこで負荷領域
の全般にわたって高い熱効率を得るべく負荷条件に応じ
て圧縮比を変化できるようにしたものが可変圧縮比ピス
トンである。
れる等のために熱効率の低下を招き、この熱効率を高め
ようとして圧縮比を大きくとると、今度は高負荷時にノ
ッキングを起こすという危険性がある。そこで負荷領域
の全般にわたって高い熱効率を得るべく負荷条件に応じ
て圧縮比を変化できるようにしたものが可変圧縮比ピス
トンである。
可変圧縮比ピストンとしては、従来例えば西独国特許公
報第3346969号に掲示されているようなコンプレッショ
ンハイト可変式のものがあり、これを第8図を参照して
以下に説明する。尚、以下の説明では、ピストンの装着
姿勢の如何にかかわらず、ピストントップ側を上、同ボ
トム側を下と称する。
報第3346969号に掲示されているようなコンプレッショ
ンハイト可変式のものがあり、これを第8図を参照して
以下に説明する。尚、以下の説明では、ピストンの装着
姿勢の如何にかかわらず、ピストントップ側を上、同ボ
トム側を下と称する。
ピストン101は、コネクティングロッド(図示省略)の
小端部にピストンピン103を介して連結したインナピス
トン105と、このインナピストン105の上部に上下への摺
動可能に外嵌したアウタピストン115とを備え、アウタ
ピストン115の裾部内面にはストップリング121が螺着さ
れている。そして同図の右側に示すように、ストップリ
ング121をインナピストン105における冠壁107の周縁部
下面に当接させることによってアウタピストン115の上
動限が規制され、この状態で上記冠壁107とアウタピス
トン115の冠壁117との間に上部油室123が形成される。
また同図の左側に示したように上記冠壁117の下面に形
成した突条117aをインナピストン105の上記冠壁107に当
接させることによりアウタピストン115の下動限が規制
され、この状態でストップリング121の上方に環状の下
部油室125が形成される。
小端部にピストンピン103を介して連結したインナピス
トン105と、このインナピストン105の上部に上下への摺
動可能に外嵌したアウタピストン115とを備え、アウタ
ピストン115の裾部内面にはストップリング121が螺着さ
れている。そして同図の右側に示すように、ストップリ
ング121をインナピストン105における冠壁107の周縁部
下面に当接させることによってアウタピストン115の上
動限が規制され、この状態で上記冠壁107とアウタピス
トン115の冠壁117との間に上部油室123が形成される。
また同図の左側に示したように上記冠壁117の下面に形
成した突条117aをインナピストン105の上記冠壁107に当
接させることによりアウタピストン115の下動限が規制
され、この状態でストップリング121の上方に環状の下
部油室125が形成される。
一方、インナピストン105の冠壁107には、上部油室123
へ圧力作動油を送給するための逆止機能をもつ給油弁12
9と、この油室123から排油をするための感圧式排油弁13
1とが装着されている。更にこの冠壁107には、上部油室
123と下部油室125とをそれぞれ連絡するオリフィス135
および下部油室125側への流通のみを許容する一方向弁1
37とが装着されて、これらにより流量制御手段を構成し
てある。
へ圧力作動油を送給するための逆止機能をもつ給油弁12
9と、この油室123から排油をするための感圧式排油弁13
1とが装着されている。更にこの冠壁107には、上部油室
123と下部油室125とをそれぞれ連絡するオリフィス135
および下部油室125側への流通のみを許容する一方向弁1
37とが装着されて、これらにより流量制御手段を構成し
てある。
作用を述べると、いま前記コネクティングロッドを経て
ピストンピン103内へ作動油が圧送されてくると、これ
がインナピストン105のピストンピン嵌装部109に形成し
た給油路111から給油弁129を介して上部油室123内に送
給される。このとき感圧式排油弁131が閉止しており、
また下部油室125の受圧面積が上部油室123のそれよりも
小さいので、アウタピストン115が前記上動限まで押上
げられてこの位置が給油弁129の逆止作用によって保持
される。この状態でピストン101が圧縮行程に移行し、
燃焼室内の混合気が例えば高圧縮比の条件下で圧縮され
つつこの行程の終期が近づくと、混合気が点火されてそ
の燃焼圧力が急激に上昇する。この圧力は、アウタピス
トン115を介して上部油室123内の作動油に印加される。
このとき、燃焼圧力あるいはこれに対応する作動油圧が
所定値を越えて立上ろうとすると、感圧式の排油弁131
が開いて上部油室123をピストン101外へ適度に開放す
る。これにより、アウタピストン115が排油弁131から作
動油を排出させつつ下方へ急速に推進され、同時にオリ
フィス135と一方向弁137との双方から連絡路113を介し
て下部油室125内へ作動油を急速に送り込む。すなわ
ち、燃焼圧力が所定値を越えると、これに即応してアウ
タピストン115が下動するので、圧縮比が低下して前記
ノッキングの発生が回避される。そして、アウタピスト
ン115の下動途中ないしは下動限で、燃焼圧力(作動油
圧)が所定値まで低下すると排油弁131が閉じ、この膨
張行程の進行に伴って燃焼ガス圧が更に低下すると、給
油弁129からの作動油送給が再開始される。これによ
り、アウタピストン115が上方へ推進され、これと同時
に下部油室125から今度はオリフィス135のみを介して作
動油が上部油室123に押し出される。すなわち、このと
きの上動運動はオリフィス135の絞り作用によって緩慢
なものとなる。これは高負荷運転中ピストン101に低圧
縮比用の形態をなるべく保持させることによって、アウ
タピストン115にサイクル毎の大きな上下動をさせなく
てもすむようにするためである。
ピストンピン103内へ作動油が圧送されてくると、これ
がインナピストン105のピストンピン嵌装部109に形成し
た給油路111から給油弁129を介して上部油室123内に送
給される。このとき感圧式排油弁131が閉止しており、
また下部油室125の受圧面積が上部油室123のそれよりも
小さいので、アウタピストン115が前記上動限まで押上
げられてこの位置が給油弁129の逆止作用によって保持
される。この状態でピストン101が圧縮行程に移行し、
燃焼室内の混合気が例えば高圧縮比の条件下で圧縮され
つつこの行程の終期が近づくと、混合気が点火されてそ
の燃焼圧力が急激に上昇する。この圧力は、アウタピス
トン115を介して上部油室123内の作動油に印加される。
このとき、燃焼圧力あるいはこれに対応する作動油圧が
所定値を越えて立上ろうとすると、感圧式の排油弁131
が開いて上部油室123をピストン101外へ適度に開放す
る。これにより、アウタピストン115が排油弁131から作
動油を排出させつつ下方へ急速に推進され、同時にオリ
フィス135と一方向弁137との双方から連絡路113を介し
て下部油室125内へ作動油を急速に送り込む。すなわ
ち、燃焼圧力が所定値を越えると、これに即応してアウ
タピストン115が下動するので、圧縮比が低下して前記
ノッキングの発生が回避される。そして、アウタピスト
ン115の下動途中ないしは下動限で、燃焼圧力(作動油
圧)が所定値まで低下すると排油弁131が閉じ、この膨
張行程の進行に伴って燃焼ガス圧が更に低下すると、給
油弁129からの作動油送給が再開始される。これによ
り、アウタピストン115が上方へ推進され、これと同時
に下部油室125から今度はオリフィス135のみを介して作
動油が上部油室123に押し出される。すなわち、このと
きの上動運動はオリフィス135の絞り作用によって緩慢
なものとなる。これは高負荷運転中ピストン101に低圧
縮比用の形態をなるべく保持させることによって、アウ
タピストン115にサイクル毎の大きな上下動をさせなく
てもすむようにするためである。
(考案が解決しようとする課題) ところで、このような可変圧縮比ピストンにあっては、
インナピストンの冠壁に、作動油給排用の給油弁129,排
油弁131等のほか、前記流量制御手段を構成するための
オリフィス135と一方向弁137とを各々独立に装着しなけ
ればならないために、特に小型軽量化ピストンにあって
はこれらのレイアウトや通路形成が難しくなるという問
題があった。
インナピストンの冠壁に、作動油給排用の給油弁129,排
油弁131等のほか、前記流量制御手段を構成するための
オリフィス135と一方向弁137とを各々独立に装着しなけ
ればならないために、特に小型軽量化ピストンにあって
はこれらのレイアウトや通路形成が難しくなるという問
題があった。
すなわち、自動車用などの小型高性能内燃機関のピスト
ンでは、その冠壁と共に各部の肉厚を極限まで薄くする
ので、これらの弁やオリフィスの配設部位を比較的厚肉
の前記ピストンピン嵌装部に集約せざるを得ず、このよ
うな状況下においては、殊にオリフィスと一方向弁と下
部油室とを互いに連絡する通路を形成することは極めて
面倒であって、それだけ工数や部品費が嵩むことで原価
高を招くという問題が生じてくる。
ンでは、その冠壁と共に各部の肉厚を極限まで薄くする
ので、これらの弁やオリフィスの配設部位を比較的厚肉
の前記ピストンピン嵌装部に集約せざるを得ず、このよ
うな状況下においては、殊にオリフィスと一方向弁と下
部油室とを互いに連絡する通路を形成することは極めて
面倒であって、それだけ工数や部品費が嵩むことで原価
高を招くという問題が生じてくる。
そこでこの考案の目的は、流量制御手段を1系統のユニ
ットによって構成する点にある。
ットによって構成する点にある。
[考案の構成] (課題を解決するための手段) 前述した課題を解決するためのこの考案の手段は、コネ
クティングロッドに連結されたインナピストンと、この
インナピストンに所定範囲の相対的上下動が可能に外嵌
されたアウタピストンとを有して、上記の上動および下
動に伴いインナおよびアウタピストン間にそれぞれ上部
油室および下部油室が形成されるように構成され、更に
上部油室および下部油室を連絡するとともに、上部油室
側への作動油の流通は制限するように構成した流量制御
手段を備えた可変圧縮比ピストンにおいて、前記流量制
御手段を、上部油室と下部油室とを連絡する1系統の連
絡路に、弁室と、この弁室内に設けられ、上部油室側へ
の流路面積よりも下部油室側への流路面積を大きく形成
した弁体とを備えた制御弁を配装して構成したものであ
る。
クティングロッドに連結されたインナピストンと、この
インナピストンに所定範囲の相対的上下動が可能に外嵌
されたアウタピストンとを有して、上記の上動および下
動に伴いインナおよびアウタピストン間にそれぞれ上部
油室および下部油室が形成されるように構成され、更に
上部油室および下部油室を連絡するとともに、上部油室
側への作動油の流通は制限するように構成した流量制御
手段を備えた可変圧縮比ピストンにおいて、前記流量制
御手段を、上部油室と下部油室とを連絡する1系統の連
絡路に、弁室と、この弁室内に設けられ、上部油室側へ
の流路面積よりも下部油室側への流路面積を大きく形成
した弁体とを備えた制御弁を配装して構成したものであ
る。
(作用) この手段によれば、作動油給排手段の作用と燃焼圧力と
の関連のもとにアウタピストンが上動して上部油室を形
成し、またアウタピストンが下動して下部油室を形成す
る。そして上記上動および下動の過程で、作動油が1系
統の連絡路を用いて構成した流量制御手段を経てそれぞ
れ下部油室から押し出され、およびこの下部油室へ送り
込まれる。
の関連のもとにアウタピストンが上動して上部油室を形
成し、またアウタピストンが下動して下部油室を形成す
る。そして上記上動および下動の過程で、作動油が1系
統の連絡路を用いて構成した流量制御手段を経てそれぞ
れ下部油室から押し出され、およびこの下部油室へ送り
込まれる。
ここで、作動油が上述のように下部油室へ送り込まれる
際は、作動油が制御弁内を自由に流過できるので、アウ
タピストンは前記燃焼圧力が過度に立上るとこれに即応
して下動する。
際は、作動油が制御弁内を自由に流過できるので、アウ
タピストンは前記燃焼圧力が過度に立上るとこれに即応
して下動する。
また作動油が下部油室から押し出される際は、作動油の
流路が絞られる結果、アウタピストンの上動運動を緩慢
なものにする。
流路が絞られる結果、アウタピストンの上動運動を緩慢
なものにする。
(実施例) 第1図ないし第5図を参照してこの考案の一実施例を説
明する。
明する。
第1図はこの実施例に係わる可変圧縮比ピストン11の高
圧縮比用の形態を、また第2図は同ピストンの低圧縮比
用の形態をそれぞれ示したものである。上記可変圧縮比
ピストン11のインナピストン13は、これに嵌装した中空
のピストンピン15を介してコネクティングロッド1の小
端部に連結してあり、符号17,19はピストンピン15の上
記嵌装部を示す。このインナピストン13のスカート下端
には段部21aを介して小径部21を形成してある。
圧縮比用の形態を、また第2図は同ピストンの低圧縮比
用の形態をそれぞれ示したものである。上記可変圧縮比
ピストン11のインナピストン13は、これに嵌装した中空
のピストンピン15を介してコネクティングロッド1の小
端部に連結してあり、符号17,19はピストンピン15の上
記嵌装部を示す。このインナピストン13のスカート下端
には段部21aを介して小径部21を形成してある。
一方、ピストンピン15の中空部15aの両側はインナピス
トン13に係着した抜け止め兼用の封止板23によって封止
してある。また、コネクティングロッド1には上記小端
部からクランクピン側の大端部にわたる油路3を形成し
てある。そして、内燃機関の潤滑油ポンプからメインギ
ャラリに吐出された潤滑油が、クランクシャフトを経て
油路3に圧送されて、これが油路3に介装したチェック
バルブ5を通った後、ピストンピン15の通油孔15bを経
て中空部15a内へ圧力作動油として送入される。
トン13に係着した抜け止め兼用の封止板23によって封止
してある。また、コネクティングロッド1には上記小端
部からクランクピン側の大端部にわたる油路3を形成し
てある。そして、内燃機関の潤滑油ポンプからメインギ
ャラリに吐出された潤滑油が、クランクシャフトを経て
油路3に圧送されて、これが油路3に介装したチェック
バルブ5を通った後、ピストンピン15の通油孔15bを経
て中空部15a内へ圧力作動油として送入される。
ピストン11のアウタピストン35は、そのスカート部がイ
ンナピストン13の前記小径部21よりも下方へ延びて、こ
のインナピストン13のスカート部に上下への摺動が可能
に外嵌されている。これによってアウタピストン35の首
振りが制止されて上下動が円滑に行われる。このアウタ
ピストン35のスカート下部にストップリング41を螺着
し、ストップリング41の内周面を上記小径部21に摺動可
能に嵌合してある。そして上記各摺動部をインナピスト
ン13に嵌装したオイルシール25,27,29等によって封止し
てある。
ンナピストン13の前記小径部21よりも下方へ延びて、こ
のインナピストン13のスカート部に上下への摺動が可能
に外嵌されている。これによってアウタピストン35の首
振りが制止されて上下動が円滑に行われる。このアウタ
ピストン35のスカート下部にストップリング41を螺着
し、ストップリング41の内周面を上記小径部21に摺動可
能に嵌合してある。そして上記各摺動部をインナピスト
ン13に嵌装したオイルシール25,27,29等によって封止し
てある。
以上の構成において、アウタピストン35を上動させると
ストップリング41が段部21aに当接して上動限が規制さ
れるとともに、アウタピストン35とインナピストン13と
の各冠壁37と31との間に所定高の上部油室45(第1図)
が形成されるように各部の寸法関係を定める。したがっ
て、アウタピストン35を下動させると冠壁37が同31に当
接して下動限が規制され、この下動によって小径部21の
周囲に環状の下部油室47(第2図)が形成される。
ストップリング41が段部21aに当接して上動限が規制さ
れるとともに、アウタピストン35とインナピストン13と
の各冠壁37と31との間に所定高の上部油室45(第1図)
が形成されるように各部の寸法関係を定める。したがっ
て、アウタピストン35を下動させると冠壁37が同31に当
接して下動限が規制され、この下動によって小径部21の
周囲に環状の下部油室47(第2図)が形成される。
インナピストン13の頂部には作動油給排手段を構成する
ための給油弁51と排油弁55とを装着してある。これら給
油弁51および排油弁55は、球形弁体とそのバックアップ
スプリングとを用いて構成した通常の逆止弁であるから
基本構造の説明は省略する。給油弁51は一方側のピスト
ン嵌装部19の上方に配置してあって、ピストンピン15の
中空部15aに送入された前記圧力作動油が、このピスト
ンピン15の通油孔15cから嵌装部19に形成した給油路53
を経て給油弁51へ至り、この給油弁51を不可逆的に流過
して上部油室45へ導入される。また排油弁55は他方側の
ピストンピン嵌装部17の上方に配置してある。この排油
弁55では、前述したように燃焼圧力が所定値を越えて立
上り、これに伴って上部油室45へ導入された作動油の圧
力が所定値を越えたとき、球形弁体55aのバックアップ
スプリング55bが縮んで開弁されるように、バックアッ
プスプリング55bのセット荷重を設定してある。このよ
うに排油弁55が開弁すると、上部油室45の作動油が、ピ
ストンピン嵌装部17に形成した排油路57を経てインナピ
ストン13の下方へ排出される。
ための給油弁51と排油弁55とを装着してある。これら給
油弁51および排油弁55は、球形弁体とそのバックアップ
スプリングとを用いて構成した通常の逆止弁であるから
基本構造の説明は省略する。給油弁51は一方側のピスト
ン嵌装部19の上方に配置してあって、ピストンピン15の
中空部15aに送入された前記圧力作動油が、このピスト
ンピン15の通油孔15cから嵌装部19に形成した給油路53
を経て給油弁51へ至り、この給油弁51を不可逆的に流過
して上部油室45へ導入される。また排油弁55は他方側の
ピストンピン嵌装部17の上方に配置してある。この排油
弁55では、前述したように燃焼圧力が所定値を越えて立
上り、これに伴って上部油室45へ導入された作動油の圧
力が所定値を越えたとき、球形弁体55aのバックアップ
スプリング55bが縮んで開弁されるように、バックアッ
プスプリング55bのセット荷重を設定してある。このよ
うに排油弁55が開弁すると、上部油室45の作動油が、ピ
ストンピン嵌装部17に形成した排油路57を経てインナピ
ストン13の下方へ排出される。
更に、ピストンピン嵌装部17には上部油室45と下部油室
47とを連結する一連の連絡路59を形成してその上部に制
御弁61を配装してあり、これらにより流量制御手段を構
成している。
47とを連結する一連の連絡路59を形成してその上部に制
御弁61を配装してあり、これらにより流量制御手段を構
成している。
尚図面では、制御弁61と連絡路59、および、排油弁55と
排油路57を便宜上同一断面上に表わしてあるが、これら
はピストンピン15の両側など、適宜の部位に配設するも
のである。
排油路57を便宜上同一断面上に表わしてあるが、これら
はピストンピン15の両側など、適宜の部位に配設するも
のである。
制御弁61は第3図および第4図に拡大して示したよう
に、インナピストン13の冠壁31の上面に開口する弁室63
と、この弁室63の上記開口側にねじ込み固定したシール
部材65と、弁室63の底部に嵌装した弁受け部材71と、こ
れらの部材65および71の間に配置した弁体81とを備え
る。そして、シール部材65にはその中央部を上下に貫通
する弁孔67と、この弁孔67の下縁を取り囲む弁座69とを
形成してある。また弁受け部材71は、弁座69に対向する
受け座73と、この受け座73の中央に開設した透孔75と、
第5図に示したように受け座73の周りから突出して下方
へ折曲した複数、例えば4個の脚77とを有し、これらの
脚77によって受け座73の周囲から連絡路59へ通じる広い
流路79を形成してある。そして弁体81は円盤状を呈して
弁座69と受け座73との間に上下動可能に遊挿され、この
弁体81の中央部には上下に貫通するオリフィス83を形成
してある。
に、インナピストン13の冠壁31の上面に開口する弁室63
と、この弁室63の上記開口側にねじ込み固定したシール
部材65と、弁室63の底部に嵌装した弁受け部材71と、こ
れらの部材65および71の間に配置した弁体81とを備え
る。そして、シール部材65にはその中央部を上下に貫通
する弁孔67と、この弁孔67の下縁を取り囲む弁座69とを
形成してある。また弁受け部材71は、弁座69に対向する
受け座73と、この受け座73の中央に開設した透孔75と、
第5図に示したように受け座73の周りから突出して下方
へ折曲した複数、例えば4個の脚77とを有し、これらの
脚77によって受け座73の周囲から連絡路59へ通じる広い
流路79を形成してある。そして弁体81は円盤状を呈して
弁座69と受け座73との間に上下動可能に遊挿され、この
弁体81の中央部には上下に貫通するオリフィス83を形成
してある。
実施例は以上のように構成されている。したがって、内
燃機関を始動すると作動油が上部油室45へ導入されてこ
こに閉じ込められるので、ピストン11は第1図の高圧縮
比用の形態となって低負荷領域での運転に備えられる。
ここで、高負荷運転域に移行して上部油室45の内圧が所
定値を越えて上昇すると排油弁55のバックアップスプリ
ング55bが縮んで排油弁55が開く。これにより、アウタ
ピストン35が排油弁55を介して排油路57へ作動油を排出
させつつ急速に下動し、同時に下部油室47を形成しつつ
制御弁61から連絡路59を経てこの下部油室47へ作動油を
送り込む。この際制御弁61の弁体81は、第3図に示した
ように、作動油の流れに押されて受け座73上に着座する
ので、弁孔67から送り込まれる作動油は、オリフィス83
と透孔75とを流過するほか、弁室63から広い流路79を通
って連絡路59へ流入するので、下部油室47にもこの作動
油が急速に導入される。これにより、ピストン11は燃焼
圧力の過度な立上りに即応して第2図に示した低圧縮比
用の形態となる。このようにして、燃焼圧力の立上りが
制止されつつ上部油室45の内圧が所定値まで低下する
と、排油弁55が閉じられ、次いでこの内圧が作動油圧ま
で低下すると、給油弁51を介して作動油の送給が再開始
され、アウタピストン35の上動がまた始まる。そしてこ
の過程で、アウタピストン35は排油弁55の閉止後もその
慣性により漸時下動を継続するので、下部油室47の容積
の拡張が続けられてここへ充分な作動油が貯留される。
この場合実施例は前述したようにアウタピストン35の首
振りが制止されていてインナピストン13とこじれ合うこ
とがないので、上記の継続下動動作が円滑に行われる。
これによって、アウタピストン35を例えば下動限で容易
かつ再現性よく下降させることができるので、一層充分
な作動油を貯留させることができる。
燃機関を始動すると作動油が上部油室45へ導入されてこ
こに閉じ込められるので、ピストン11は第1図の高圧縮
比用の形態となって低負荷領域での運転に備えられる。
ここで、高負荷運転域に移行して上部油室45の内圧が所
定値を越えて上昇すると排油弁55のバックアップスプリ
ング55bが縮んで排油弁55が開く。これにより、アウタ
ピストン35が排油弁55を介して排油路57へ作動油を排出
させつつ急速に下動し、同時に下部油室47を形成しつつ
制御弁61から連絡路59を経てこの下部油室47へ作動油を
送り込む。この際制御弁61の弁体81は、第3図に示した
ように、作動油の流れに押されて受け座73上に着座する
ので、弁孔67から送り込まれる作動油は、オリフィス83
と透孔75とを流過するほか、弁室63から広い流路79を通
って連絡路59へ流入するので、下部油室47にもこの作動
油が急速に導入される。これにより、ピストン11は燃焼
圧力の過度な立上りに即応して第2図に示した低圧縮比
用の形態となる。このようにして、燃焼圧力の立上りが
制止されつつ上部油室45の内圧が所定値まで低下する
と、排油弁55が閉じられ、次いでこの内圧が作動油圧ま
で低下すると、給油弁51を介して作動油の送給が再開始
され、アウタピストン35の上動がまた始まる。そしてこ
の過程で、アウタピストン35は排油弁55の閉止後もその
慣性により漸時下動を継続するので、下部油室47の容積
の拡張が続けられてここへ充分な作動油が貯留される。
この場合実施例は前述したようにアウタピストン35の首
振りが制止されていてインナピストン13とこじれ合うこ
とがないので、上記の継続下動動作が円滑に行われる。
これによって、アウタピストン35を例えば下動限で容易
かつ再現性よく下降させることができるので、一層充分
な作動油を貯留させることができる。
上述のようにアウタピストン35の上動が再開始される
と、下部油室47の容積が縮少しつつここに貯留された作
動油が連絡路59から制御弁61を介して上部油室45側へ押
し戻される。このとき制御弁61の弁体81が押し上げられ
て、第4図に示したように弁座69に当接するので、作動
油はオリフィス83を介してのみ流通するようになる。こ
れによりアウタピストン35に制動力が作用して上動運動
が緩慢化し、更に下部油室47にはこの制動のための作動
油が充分に貯留されていることと相まって、ピストン11
には低圧縮比用近似の形態をよく保持させることができ
る。
と、下部油室47の容積が縮少しつつここに貯留された作
動油が連絡路59から制御弁61を介して上部油室45側へ押
し戻される。このとき制御弁61の弁体81が押し上げられ
て、第4図に示したように弁座69に当接するので、作動
油はオリフィス83を介してのみ流通するようになる。こ
れによりアウタピストン35に制動力が作用して上動運動
が緩慢化し、更に下部油室47にはこの制動のための作動
油が充分に貯留されていることと相まって、ピストン11
には低圧縮比用近似の形態をよく保持させることができ
る。
第6図および第7図に示した制御弁85は、前記シール部
材65から弁受け部材71に向けて案内部材84を延出したも
のである。この案内部材84は短円筒形を呈しており、そ
の内面には例えば2条のキー山84aを上下方向に延長し
て形成してある。また、弁体87は中央にオリフィス83が
形成されているほか、その外周対称位置にキー溝87aを
形成してこれらのキー溝87aを上記キー山84aに緩く係合
させてある。また、この弁体87と案内部材84との間に
は、比較的大きな間隙を形成してここを作動油の流路89
としている。
材65から弁受け部材71に向けて案内部材84を延出したも
のである。この案内部材84は短円筒形を呈しており、そ
の内面には例えば2条のキー山84aを上下方向に延長し
て形成してある。また、弁体87は中央にオリフィス83が
形成されているほか、その外周対称位置にキー溝87aを
形成してこれらのキー溝87aを上記キー山84aに緩く係合
させてある。また、この弁体87と案内部材84との間に
は、比較的大きな間隙を形成してここを作動油の流路89
としている。
この構成によれば、弁体87がそのキー溝87aと案内部材8
4のキー山84aとに案内されつつ上下移動ができるので、
動作が確実になる。
4のキー山84aとに案内されつつ上下移動ができるので、
動作が確実になる。
尚、この制御弁85と前記制御弁61とにおいて、弁受け部
材71と弁体81または87との間にバックアップスプリング
を介装して弁体81または87を弁座69に軽く当接させてお
くようにすれば、アウタピストン35の上動開始に当って
弁体移動のタイムラグが無くなるので、下部油室47の作
動油を一層有効に利用することができる。
材71と弁体81または87との間にバックアップスプリング
を介装して弁体81または87を弁座69に軽く当接させてお
くようにすれば、アウタピストン35の上動開始に当って
弁体移動のタイムラグが無くなるので、下部油室47の作
動油を一層有効に利用することができる。
尚、前記実施例においてインナピストン13とアウタピス
トン35あるいはストップリング41との摺動部に、化学め
っき(Ni系分散めっき等)、陽極酸化被膜処理(硬質ア
ルマイト処理,硬質アルマイトに固体潤滑材を含浸する
等)あるいは電気めっき(Cr,Fe系等)を膜厚5〜50μ
の範囲で施すことにより耐摩耗性の向上を図るようにし
ても良い。
トン35あるいはストップリング41との摺動部に、化学め
っき(Ni系分散めっき等)、陽極酸化被膜処理(硬質ア
ルマイト処理,硬質アルマイトに固体潤滑材を含浸する
等)あるいは電気めっき(Cr,Fe系等)を膜厚5〜50μ
の範囲で施すことにより耐摩耗性の向上を図るようにし
ても良い。
[考案の効果] 以上説明したようにこの考案は、アウタピストンを急速
に下動させて高圧縮比用の形態から低圧縮比用の形態に
移行させ、またこのピストンを緩慢に上動させて低圧縮
比用の形態を漸次保持させるために設けられる作動油の
流量制御手段を1系統に集約して構成したので、作動油
給排手段とともにこれらの手段のレイアウトが容易とな
り、これに伴なって構成も簡素化される。以上のことか
らこの考案は、小型ピストンであっても可変圧縮比機構
の設計自由度を高めるとともに、面倒な製作工程が排除
されることで原価低減に寄与するものである。
に下動させて高圧縮比用の形態から低圧縮比用の形態に
移行させ、またこのピストンを緩慢に上動させて低圧縮
比用の形態を漸次保持させるために設けられる作動油の
流量制御手段を1系統に集約して構成したので、作動油
給排手段とともにこれらの手段のレイアウトが容易とな
り、これに伴なって構成も簡素化される。以上のことか
らこの考案は、小型ピストンであっても可変圧縮比機構
の設計自由度を高めるとともに、面倒な製作工程が排除
されることで原価低減に寄与するものである。
第1図および第2図はこの考案の一実施例に係わるピス
トンの断面図であって、第1図は高圧縮比用の形態を、
また第2図は低圧縮比用の形態をそれぞれ示した図、第
3図および第4図は上記一実施例における制御弁の拡大
断面図であって第3図はアウタピストンの下動時におけ
る動作態様を、また第4図は同上動時における動作態様
をそれぞれ示した図、第5図は第3図および第4図の要
部拡大斜視図、第6図は別の実施例に係わる制御弁の断
面図、第7図は第6図のVII-VII矢視断面図、第8図は
従来例に係わるピストンの断面図である。 1……コネクティングロッド 11……可変圧縮比ピストン 13……インナピストン 35……アウタピストン 45……上部油室、47……下部油室 51……給油弁(作動油給排手段) 55……排油弁(作動油給排手段) 59……連絡路(流量制御手段) 61,85……制御弁(流量制御手段) 63……弁室、67……弁孔 69……弁座、73……受け座 81,89……弁体、83……オリフィス
トンの断面図であって、第1図は高圧縮比用の形態を、
また第2図は低圧縮比用の形態をそれぞれ示した図、第
3図および第4図は上記一実施例における制御弁の拡大
断面図であって第3図はアウタピストンの下動時におけ
る動作態様を、また第4図は同上動時における動作態様
をそれぞれ示した図、第5図は第3図および第4図の要
部拡大斜視図、第6図は別の実施例に係わる制御弁の断
面図、第7図は第6図のVII-VII矢視断面図、第8図は
従来例に係わるピストンの断面図である。 1……コネクティングロッド 11……可変圧縮比ピストン 13……インナピストン 35……アウタピストン 45……上部油室、47……下部油室 51……給油弁(作動油給排手段) 55……排油弁(作動油給排手段) 59……連絡路(流量制御手段) 61,85……制御弁(流量制御手段) 63……弁室、67……弁孔 69……弁座、73……受け座 81,89……弁体、83……オリフィス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 浜井 九五 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)考案者 高島 安雄 神奈川県厚木市恩名1370番地 厚木自動車 部品株式会社内 (72)考案者 松屋 辰之 神奈川県厚木市恩名1370番地 厚木自動車 部品株式会社内
Claims (1)
- 【請求項1】コネクティングロッドに連結されたインナ
ピストンと、このインナピストンに所定範囲の相対的上
下動が可能に外嵌されたアウタピストンとを有して、前
記の上動および下動に伴ないインナおよびアウタピスト
ン間にそれぞれ上部油室および下部油室が形成されるよ
うに構成され、更に上部油室および下部油室を連絡する
とともに、上部油室側への作動油の流通は制限するよう
に構成した流量制御手段を備えた可変圧縮比ピストンに
おいて、前記流量制御手段を、上部油室と下部油室とを
連絡する1系統の連絡路に、弁室と、この弁室内に設け
られ、上部油室側への流路面積よりも下部油室側への流
路面積を大きく形成した弁体とを備えた制御弁を配装し
て構成したことを特徴とする可変圧縮比ピストン。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP16509288U JPH0734185Y2 (ja) | 1988-12-22 | 1988-12-22 | 可変圧縮比ピストン |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP16509288U JPH0734185Y2 (ja) | 1988-12-22 | 1988-12-22 | 可変圧縮比ピストン |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0285835U JPH0285835U (ja) | 1990-07-06 |
| JPH0734185Y2 true JPH0734185Y2 (ja) | 1995-08-02 |
Family
ID=31451266
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP16509288U Expired - Lifetime JPH0734185Y2 (ja) | 1988-12-22 | 1988-12-22 | 可変圧縮比ピストン |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0734185Y2 (ja) |
-
1988
- 1988-12-22 JP JP16509288U patent/JPH0734185Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0285835U (ja) | 1990-07-06 |
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