JPH0734993Y2 - 折版屋根葺板の取付構造 - Google Patents
折版屋根葺板の取付構造Info
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- JPH0734993Y2 JPH0734993Y2 JP1992006838U JP683892U JPH0734993Y2 JP H0734993 Y2 JPH0734993 Y2 JP H0734993Y2 JP 1992006838 U JP1992006838 U JP 1992006838U JP 683892 U JP683892 U JP 683892U JP H0734993 Y2 JPH0734993 Y2 JP H0734993Y2
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Landscapes
- Roof Covering Using Slabs Or Stiff Sheets (AREA)
Description
【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、折版屋根葺板の取付構
造に関するものである。 【0002】 【従来の技術】工場や倉庫等の広面積の鉄骨建築物の屋
根として多用されている折版屋根は、例えば図10に示
すように、母屋の梁51の上面に沿って固定されたタイ
トフレーム52上に、断面略V字状の折版屋根葺板(以
下、折版と略記する)53…を順次被着することによっ
て構成される。相隣接する折版53・53は、側縁部分
の重合部を馳締めして相互に連結され、また、この馳締
め部におけるタイトフレーム52との各交差箇所は、図
11にも示すように、タイトフレーム52における上端
側の水平板部に、吊子54を介して連結されている。 【0003】上記の吊子54は、上端側の馳締め部に間
装される上端巻き込み部54aから、下方に延びる垂直
面部54bと、この垂直面部54bの下端からL字状に
曲げ成形された取付部54cとを有する形状で形成され
ている。一方、上記したタイトフレーム52における連
結領域としての水平板部は、上段水平部52aと下段水
平部52bとの二段の段差状に形成されている。この段
差形状に沿って、上記吊子54のL字状部を位置させる
と共に、下段水平部52bと、この上に沿って位置する
吊子54の取付部54cとを、上下に貫通する締結ボル
ト55により緊定することによって、吊子54のタイト
フレーム52への固定が行われている。 【0004】 【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の取付構造においては、例えば屋内の圧力よりも外圧
が低いときに、折版53の浮き上がりを伴う変形が生じ
易いという問題がある。つまり、上記のような内外圧力
差によって、折版53を浮き上がらせるような上方に向
かう方向の外力が生じたとき、これは、締結ボルト55
によってタイトフレーム52に下端側が固定された吊子
54に対し、馳締め部中に巻き込まれている上端側を引
き上げるように作用する。このような外力の上方への作
用方向に対し、締結ボルト55による固定点が側方にず
れているために、上記の外力は、特に、取付部54cに
対して回転モーメントとして作用し、この取付部54c
に、垂直面部54b側が下段水平部52bから浮き上が
るような変形を生じさせる。この結果、垂直面部54b
と取付部54cとのL字形状部の曲げ角度が拡がるよう
な変形を伴って、折版53の上方への浮き上がりが生じ
てしまうのである。 【0005】また、上記取付構造においては、吊子54
のタイトフレーム52への取付けが、取付部54cとタ
イトフレーム52とを貫通する締結ボルト55によって
行われ、この締結ボルト55の螺着作業を、多数の吊子
54…毎に繰返していく必要があるために、組立作業に
多大の労力を要するという問題も有している。 【0006】本考案は、上記従来の問題点に鑑みなされ
たものであって、その目的は、折版屋根における不要な
変形を抑えてより強固な取付状態を維持し得ると共に、
さらに、製作費をより安価なものとなし得、また、組立
作業性を向上し得る折版屋根葺板の取付構造を提供する
ことにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本考案の請求項1記載の折版屋根葺板の取付構造
は、タイトフレーム上に載置された折版屋根葺板の互い
に重合する側縁部が吊子の上端側を間装して馳締めされ
る一方、上記の馳締め部から下方に延びる上記吊子の垂
直面部の下端側にタイトフレームの連結領域を幅方向に
挟んで各々下方に垂下する係止部が設けられ、タイトフ
レームの連結領域における下面に沿って配した係止具の
両端側を上記係止部に結合することによって上記吊子の
下端側がタイトフレームに連結される折版屋根葺板の取
付構造において、上記吊子が、下端側に係止部を設けて
一枚の板材を折り曲げることによって、垂直面部を第1
面板部と第2面板部との二枚重ね構造とした形状で形成
されると共に、第1・第2面板部の上下方向の相対的な
ずれを防止すべく、第1面板部と第2面板部との一方に
おける各係止部間で下方に突出する延出面を、第1面板
部と第2面板部とに重なるようにさらに折り曲げた構造
で形成されていることを特徴としている。 【0008】また、本考案の請求項2記載の折版屋根葺
板の取付構造は、上記請求項1記載の取付構造におい
て、上記係止部が水平方向に並ぶ一対の円筒状の円筒係
止部から成ると共に、係止具がこれら円筒係止部に挿通
される棒状部材から成り、さらに、円筒係止部に挿通さ
れた係止具の抜脱を防止すべく、この係止具の端部に折
り曲げによって当接する係止具係止面が吊子の垂直面部
に設けられていることを特徴としている。 【0009】 【作用】上記請求項1記載の構成によれば、折版屋根葺
板の浮き上がりを生じさせるような外力が作用する場合
に、折版屋根葺板の馳締め部に連結された上端側と、タ
イトフレームに連結された下端側との間で生じる上下方
向の引張力を吊子の垂直面部が受けるため、従来のL字
状の折り曲げ部等のように外力が曲げモーメントとなっ
て変形力を拡大させて作用することがないため、吊子に
生じる変形が抑制されると共に、さらに、上記の垂直面
部が、第1面板部と第2面板部との二枚重ね構造で形成
され、かつ、第1・第2面板部の上下方向の相対的なず
れを防止するように下端側で延設面をさらに折り曲げた
三重構造になっているので、上記のような引張力に対す
る強度が大きく、これによって、さらに強固な連結状態
を維持することができる。しかも、上記のような構造
は、平板の折り曲げ加工を主に形成されるので、材料費
や加工費等をより安価なものとすることができる。 【0010】また、請求項2記載の構成によれば、吊子
のタイトフレームへの連結は、タイトフレームの連結領
域を幅方向に挟む吊子の円筒係止部に、棒状部材から成
る係止具を挿通させ、この係止具の抜脱を防止するため
に、係止具係止面を折り曲げるという作業によって行わ
れる。このように、係止具の挿入と折り曲げとの簡単な
作業にて吊子のタイトフレームへの組付けを行うことが
できるので、例えば従来の締結ボルトの螺着作業等に比
べて作業が容易となる。 【0011】 【実施例】本考案の一実施例について図1ないし図9に
基づいて説明すれば、以下の通りである。 【0012】図3に示すように、本考案に係る折版屋根
は、母屋の長手方向に延びる梁1の上面にタイトフレー
ム2を溶接にて固定し、その後、タイトフレーム2上に
折版屋根葺板(以下、折版と略記する)3…を順次被着
することによって構成される。相隣合う折版3・3は、
それぞれの側縁部分の重合部を馳締めすることによって
相互に連結され、また、この馳締め部におけるタイトフ
レーム2との各交差箇所は、吊子4を介してタイトフレ
ーム2に連結されている。 【0013】上記の折版3は、図4に示すように、水平
底部3aと、この水平底部3aの両側部から上方に広が
り方向に傾斜して延びる傾斜面3b・3cとを有する略
V字断面形状に形成され、さらに、図において右側の傾
斜面3bの上端部には、断面コ字状の折曲部(以下、第
1連結部という)5が延設されている。また、図におい
て左側の傾斜面3bの上端部には、断面逆U字状の折曲
部(以下、第2連結部という)6が延設されている。 【0014】前記タイトフレーム2は、図5に示すよう
に、上記折版3における断面と同様の略V字の連なり形
状で形成されている。また、隣合うV字形状部が相互に
連なる上端側の水平板部(連結領域)2aの中心位置に
は、下方に幾分凹入する凹入溝(凹凸係合部)2bが幅
方向にわたって形成されている。さらに、水平板部2a
の両側から、下方向に傾斜して延びる各傾斜面部2c…
には、その幅方向中心位置に、内方へと凹入させて形成
した凹状溝2d…が長手方向に沿ってそれぞれ形成さ
れ、これら凹状溝2d…によって、各傾斜面部2c…の
曲げ剛性が高められた構造となっている。 【0015】前記吊子4は、図6(a)に示すように、
垂直面部7と、この垂直面部7の上端を、図において左
上方側へと断面略三角形に折り曲げて形成した上部巻き
込み部8とを有する形状で形成されている。垂直面部7
における中央部の水平な下端縁は、前記タイトフレーム
2の幅寸法をやや超える長さに設定された当接縁部7a
として形成されており、この当接縁部7aを挟んで両側
には、この当接縁部7aよりも下側に突出する円筒状の
円筒係止部9・9が水平方向に並べて形成されている。
また、垂直面部7における左端側の下方への延設部に
は、円筒係止部9よりも下側の位置に、右下方向にL字
状に折り曲げて形成された係止具係止面10が設けられ
ている。 【0016】上記円筒係止部9・9には、後述する折版
屋根の組立時に、図6(b)に示す係止具11が挿通さ
れる。この係止具11は、上記二つの円筒係止部9・9
にわたる長さを有する挿通部11aと、この挿通部11
aの一端からL字状に延びるL状基部11bとを有する
形状に、丸棒を曲げ成形することによって形成されてい
る。 【0017】なお、前記の吊子4は、図7(a)に示す
ように、全体形状が略長方形の平板材12から一体的に
形成されている。この平板材12は、プレスによる打抜
き加工で、上部側の第1面板部13と下部側の第2面板
部14とが、前記円筒係止部9・9に対応する帯状部1
5・15で上下に連なった形状に形成されている。ま
た、帯状部15・15の側縁に沿って上方へと第1面板
部13内にスリット溝を形成することで、第1面板部1
3の下端側に、帯状部15・15から区画された左端延
出面16と中央延出面17とが設けられている。さら
に、第2面板部14の右端側上部には、前記係止具係止
面10に対応する形状にスリット溝で逆L字状に囲われ
た右端側延出面18が設けられている。 【0018】上記形状の平板材12に対し、図7(b)
に示すように、第2面板部14を第1面板部13に重ね
る曲げ加工が行われる。このとき、第1面板部13の左
端延出面16および中央延出面17が、第2面板部14
よりも下側に突出するように重ねられ、また、このと
き、帯状部15・15を円筒状に成形することで、円筒
係止部9・9が形成される。 【0019】上記の成形後、図8に示すように、第1面
板部13の上端側を断面略三角形に折り曲げることで、
前記の上部巻き込み部8が形成される。また、左端延出
面16および中央延出面17は、第2面板部14の前面
から重なるように折り曲げられる。さらに、右端側延出
面18をL字状に折り曲げて係止具係止面10が形成さ
れる。なお、両面板部13・14の右端側では、係止具
係止面10に連なる領域に背面側から前面側へと膨出さ
せた縦方向に延びる突出部19を形成すると共に、その
側方の位置で、バーリングカシメ20が施され、これに
よって、右端側の剛性および両面板部13・14の接合
強度を高めた構造となっている。 【0020】上記のように形成される吊子4は、その垂
直面部7が、図9(a)に示すように、上部巻き込み部
8を除く全体にわたって第1・第2面板部13・14の
二重の重なり構造により構成され、また、左端側および
中央部の下縁側では、図9(b)に示すように、左端延
出面16・中央延出面17が下側から折り曲げられて、
三重構造となっている。これにより、この吊子4におけ
る上部巻き込み部8と下端側の円筒係止部9・9との間
の上下方向の引張力に対し、充分な強度を具備してい
る。例えば、厚さ1mmの鋼板で幅170mmの吊子4
を作製し、円筒係止部9・9に挿通した係止具11と上
部巻き込み部8との間に550kgを超える引っ張り荷
重を作用させたテスト結果において、何らの変形も認め
られないものであった。 【0021】次に、上記の吊子4を用いた折版屋根の組
立作業手順について説明する。まず、図3に示すよう
に、母屋の梁1上に、タイトフレーム2を溶接にて固定
する。梁1の全長にわたってタイトフレーム2の固定取
付けを終了すると、その建屋の立地条件、例えば風向き
等からの適正な馳締め方向を定め、折版3をタイトフレ
ーム2上に載置する。 【0022】次いで、折版3とタイトフレーム2とが交
差する箇所での折版3の第1連結部5に、吊子4の上部
巻き込み部8を被せて、この吊子4を折版3に組みつけ
た後、この吊子4の垂直面部7を垂直に位置させる。こ
れにより、図1に示すように、前記当接縁部7aはタイ
トフレーム2の水平板部2aにおける凹入溝2bに嵌入
した状態となり、また、円筒係止部9・9は、タイトフ
レーム2の幅方向両側で、それぞれこのタイトフレーム
2よりも下側に位置する状態となる。この状態で、図6
(a)において二点鎖線で示すように、係止具11の挿
通部11aを前記係止具係止面10側から円筒係止部9
・9に挿入させる。この際、L状基部11bを水平方向
に向けて、L状基部11bが係止具係止面10を超えて
左側の円筒係止部9の端面に当接する位置まで挿入す
る。そして、この挿入状態で、L状基部11bが下側に
向くように回転させ、次いで、係止具係止面10の先端
を、ハンマ等の工具で叩いてL状基部11bの外周に沿
うように折り曲げる。この結果、L状基部11bのその
後の回転動作が規制され、これによって、円筒係止部9
・9からの係止具11の抜脱が阻止された固定状態とな
る。 【0023】上記のように係止具11を円筒係止部9・
9に挿入して固定することによって、吊子4は、両円筒
係止部9・9がタイトフレーム2を幅方向に挟み込んだ
状態となっており、また、図1に示すように、吊子4の
垂直面部7における当接縁部7aと、係止具11とで、
タイトフレーム2を上下に挟み込んだ状態となる。さら
に、上記の当接縁部7aがタイトフレーム2における前
記凹入溝2bに上方から嵌入した状態ともなっているこ
とによって、吊子4は、その下端側が、タイトフレーム
2に対し、上下方向・幅方向・長手方向の全体にわたっ
て相対的な移動が阻止された状態で連結される。 【0024】上記のように吊子4の取付けを終了した
後、この吊子4が取付けられた折版(図中、左側の折版
3)の隣に、次の折版3を載置する。この場合、先の折
版3の第1連結部5に次の折版3の第2連結部6が上方
から重なり、また、吊子4は、両折版3・3間に挟み込
まれたものとなる。そして、両折版3・3の第1連結部
5と第2連結部6との重合部を折版3の長手方向に馳締
めしていくことによって、図2に示すように、隣合う折
版3・3が相互に連結されると共に、これら折版3・3
は、吊子4を介してタイトフレーム2に連結された組付
け状態となる。その後、同様に、次の折版3の第1連結
部5に吊子4を取付け、新たな折版3を上方から載置
し、重合部を馳締めしていくという作業を繰返すことに
よって、折版屋根が構築される。 【0025】以上の説明のように、上記実施例において
は、吊子4は、その下端側が、上下方向・タイトフレー
ム2の幅方向・長手方向の全体にわたってタイトフレー
ム2に対する相対的な移動が阻止された状態でこのタイ
トフレーム2に連結され、したがって、上端側で馳締め
により吊子4に連結された折版3の浮き上がり等の変形
移動が防止される。 【0026】そして上記の構造においては、吊子4は、
折版3に浮き上がりを生じさせるような下方向からの外
力に対して、その作用方向に平行な垂直面部7の上下端
がそれぞれ折版3とタイトフレーム2とに連結され、こ
の間に、従来のL字状の折り曲げ部等のように、外力が
曲げモーメントとなって変形力を拡大させて作用するよ
うな形状部が設けられていないので、吊子4に生じる変
形が抑制され、これによって、より強固な取付状態を維
持することができる。 【0027】また、上記吊子4は、上記のように上下方
向の引張力を受ける垂直面部7が、第1面板部13と第
2面板部14との二枚重ね構造で形成され、かつ、第1
・第2面板部13・14の上下方向の相対的なずれを防
止するように下端側で左端延出面16および中央延出面
17を折り曲げた三重構造になっているので、上記のよ
うな引張力に対して変形を生じにくく、これにより、さ
らに強固な連結状態を維持することができる。しかも、
上記のような構造は、平板の折り曲げ加工を主に形成さ
れるので、材料費や加工費等の製作費をより安価なもの
とすることができる。 【0028】また、吊子4のタイトフレーム2への連結
は、円筒係止部9・9に棒状部材から成る係止具11を
挿通させ、この係止具11の抜脱を防止するために、係
止具係止面10を折り曲げるという簡単な操作によって
行われ、例えば従来の締結ボルトの螺着操作等に比べて
作業が容易となる。 【0029】さらに、上記実施例の吊子4は、図1に示
されているように、上部巻き込み部8における傾斜面8
aを、く字状にやや湾曲させた形状で形成されている。
このため、図2に示されているように、馳締め時には、
上記の傾斜面8aは、その先端部が折版3の第1連結部
5における水平面部5aに下側から当接する。この結
果、馳締め力が傾斜面8aの先端部に集中し、この先端
部が第1連結部5の水平面部5aに食い込んだ強い密着
状態となる。これによって、吊子4と折版3との間に
も、より強固な結合状態が得られるものとなっている。 【0030】また、上記実施例においては、相隣接する
折版3・3とタイトフレーム2との間に、前記した従来
例における締結ボルトの頭部が位置するための空間等が
不要であり、タイトフレーム2は、その上部水平形状を
従来のように段差状とする必要がない。したがって、左
右の方向性のない構造となっている。このように、この
タイトフレーム2には、折版3を左右いずれの向きにし
ても取付が可能なことから、梁1へのタイトフレーム2
の取付作業に当たって、その方向性を考慮せずに行うこ
とができるので、その作業性が向上する。また、従来、
タイトフレームの向きを誤って梁に溶接した場合、その
修復に当たって多大の労力を要するものとなっていた
が、上記実施例の構造によれば、このような労力も低減
される。 【0031】なお、上記実施例においては、吊子4にお
ける円筒係止部9・9の相対向する端面間寸法を、タイ
トフレーム2の幅寸法よりも所定の隙間寸法だけ大きく
している。この隙間寸法は、外気温度変化によって折版
3がその長手方向に熱膨張収縮を生じる場合の長さ変化
量を見込んで設定されている。これにより、折版3と吊
子4とには、タイトフレーム2に対する相対移動が折版
3の熱膨張収縮に応じて生じるが、この移動は、外気温
度の変化に応じて極めて緩慢に生じるものである。従来
の締結ボルトにて吊子をタイトフレームに固定していた
構造では、折版の熱膨張変形が拘束されていたために熱
応力を生じ、この熱応力が馳締め部の緊定力を超えた時
に、馳締め部内の吊子に対して折版が瞬間的に摺動し、
これによって、異様な音を発するという問題を生じてい
たが、上記実施例の構造によって、このような異音の発
生も防止されたものとなっている。 【0032】 【考案の効果】以上のように、本考案の請求項1記載の
折版屋根葺板の取付構造は、上記吊子が、下端側に係止
部を設けて一枚の板材を折り曲げることによって、垂直
面部を第1面板部と第2面板部との二枚重ね構造とした
形状で形成されると共に、第1・第2面板部の上下方向
の相対的なずれを防止すべく、第1面板部と第2面板部
との一方における各係止部間で下方に突出する延出面
を、第1面板部と第2面板部とに重なるようにさらに折
り曲げた構造で形成されている構成である。 【0033】このように、吊子の垂直面部が、第1面板
部と第2面板部との二枚重ね構造で形成され、かつ、第
1・第2面板部の上下方向の相対的なずれを防止するよ
うに下端側での延設面の折り曲げで三重構造になってい
るので、折版屋根葺板に浮き上がりを生じさせるような
外力に抗する強度が高く、これにより、全体に生じる変
形が抑制された強固な取付状態を維持することができ
る。しかも、上記のような構造は、平板の折り曲げ加工
を主に形成されるので、材料費や加工費等の製作費をよ
り安価なものとすることができるという効果を奏する。 【0034】また、本考案の請求項2記載の折版屋根葺
板の取付構造は、上記係止部が水平方向に並ぶ一対の円
筒状の円筒係止部から成ると共に、係止具がこれら円筒
係止部に挿通される棒状部材から成り、さらに、円筒係
止部に挿通された係止具の抜脱を防止すべく、この係止
具の端部に折り曲げによって当接する係止具係止面が吊
子の垂直面部に設けられている構成である。 【0035】これにより、吊子のタイトフレームへの連
結は、タイトフレームの連結領域を幅方向に挟む吊子の
円筒係止部に、棒状部材から成る係止具を挿通させ、こ
の係止具の抜脱を防止するために、係止具係止面を折り
曲げるという簡単な作業によって行われるので、例えば
従来の締結ボルトの螺着作業等に比べて組立作業性を向
上することができるという効果を奏する。
造に関するものである。 【0002】 【従来の技術】工場や倉庫等の広面積の鉄骨建築物の屋
根として多用されている折版屋根は、例えば図10に示
すように、母屋の梁51の上面に沿って固定されたタイ
トフレーム52上に、断面略V字状の折版屋根葺板(以
下、折版と略記する)53…を順次被着することによっ
て構成される。相隣接する折版53・53は、側縁部分
の重合部を馳締めして相互に連結され、また、この馳締
め部におけるタイトフレーム52との各交差箇所は、図
11にも示すように、タイトフレーム52における上端
側の水平板部に、吊子54を介して連結されている。 【0003】上記の吊子54は、上端側の馳締め部に間
装される上端巻き込み部54aから、下方に延びる垂直
面部54bと、この垂直面部54bの下端からL字状に
曲げ成形された取付部54cとを有する形状で形成され
ている。一方、上記したタイトフレーム52における連
結領域としての水平板部は、上段水平部52aと下段水
平部52bとの二段の段差状に形成されている。この段
差形状に沿って、上記吊子54のL字状部を位置させる
と共に、下段水平部52bと、この上に沿って位置する
吊子54の取付部54cとを、上下に貫通する締結ボル
ト55により緊定することによって、吊子54のタイト
フレーム52への固定が行われている。 【0004】 【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の取付構造においては、例えば屋内の圧力よりも外圧
が低いときに、折版53の浮き上がりを伴う変形が生じ
易いという問題がある。つまり、上記のような内外圧力
差によって、折版53を浮き上がらせるような上方に向
かう方向の外力が生じたとき、これは、締結ボルト55
によってタイトフレーム52に下端側が固定された吊子
54に対し、馳締め部中に巻き込まれている上端側を引
き上げるように作用する。このような外力の上方への作
用方向に対し、締結ボルト55による固定点が側方にず
れているために、上記の外力は、特に、取付部54cに
対して回転モーメントとして作用し、この取付部54c
に、垂直面部54b側が下段水平部52bから浮き上が
るような変形を生じさせる。この結果、垂直面部54b
と取付部54cとのL字形状部の曲げ角度が拡がるよう
な変形を伴って、折版53の上方への浮き上がりが生じ
てしまうのである。 【0005】また、上記取付構造においては、吊子54
のタイトフレーム52への取付けが、取付部54cとタ
イトフレーム52とを貫通する締結ボルト55によって
行われ、この締結ボルト55の螺着作業を、多数の吊子
54…毎に繰返していく必要があるために、組立作業に
多大の労力を要するという問題も有している。 【0006】本考案は、上記従来の問題点に鑑みなされ
たものであって、その目的は、折版屋根における不要な
変形を抑えてより強固な取付状態を維持し得ると共に、
さらに、製作費をより安価なものとなし得、また、組立
作業性を向上し得る折版屋根葺板の取付構造を提供する
ことにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本考案の請求項1記載の折版屋根葺板の取付構造
は、タイトフレーム上に載置された折版屋根葺板の互い
に重合する側縁部が吊子の上端側を間装して馳締めされ
る一方、上記の馳締め部から下方に延びる上記吊子の垂
直面部の下端側にタイトフレームの連結領域を幅方向に
挟んで各々下方に垂下する係止部が設けられ、タイトフ
レームの連結領域における下面に沿って配した係止具の
両端側を上記係止部に結合することによって上記吊子の
下端側がタイトフレームに連結される折版屋根葺板の取
付構造において、上記吊子が、下端側に係止部を設けて
一枚の板材を折り曲げることによって、垂直面部を第1
面板部と第2面板部との二枚重ね構造とした形状で形成
されると共に、第1・第2面板部の上下方向の相対的な
ずれを防止すべく、第1面板部と第2面板部との一方に
おける各係止部間で下方に突出する延出面を、第1面板
部と第2面板部とに重なるようにさらに折り曲げた構造
で形成されていることを特徴としている。 【0008】また、本考案の請求項2記載の折版屋根葺
板の取付構造は、上記請求項1記載の取付構造におい
て、上記係止部が水平方向に並ぶ一対の円筒状の円筒係
止部から成ると共に、係止具がこれら円筒係止部に挿通
される棒状部材から成り、さらに、円筒係止部に挿通さ
れた係止具の抜脱を防止すべく、この係止具の端部に折
り曲げによって当接する係止具係止面が吊子の垂直面部
に設けられていることを特徴としている。 【0009】 【作用】上記請求項1記載の構成によれば、折版屋根葺
板の浮き上がりを生じさせるような外力が作用する場合
に、折版屋根葺板の馳締め部に連結された上端側と、タ
イトフレームに連結された下端側との間で生じる上下方
向の引張力を吊子の垂直面部が受けるため、従来のL字
状の折り曲げ部等のように外力が曲げモーメントとなっ
て変形力を拡大させて作用することがないため、吊子に
生じる変形が抑制されると共に、さらに、上記の垂直面
部が、第1面板部と第2面板部との二枚重ね構造で形成
され、かつ、第1・第2面板部の上下方向の相対的なず
れを防止するように下端側で延設面をさらに折り曲げた
三重構造になっているので、上記のような引張力に対す
る強度が大きく、これによって、さらに強固な連結状態
を維持することができる。しかも、上記のような構造
は、平板の折り曲げ加工を主に形成されるので、材料費
や加工費等をより安価なものとすることができる。 【0010】また、請求項2記載の構成によれば、吊子
のタイトフレームへの連結は、タイトフレームの連結領
域を幅方向に挟む吊子の円筒係止部に、棒状部材から成
る係止具を挿通させ、この係止具の抜脱を防止するため
に、係止具係止面を折り曲げるという作業によって行わ
れる。このように、係止具の挿入と折り曲げとの簡単な
作業にて吊子のタイトフレームへの組付けを行うことが
できるので、例えば従来の締結ボルトの螺着作業等に比
べて作業が容易となる。 【0011】 【実施例】本考案の一実施例について図1ないし図9に
基づいて説明すれば、以下の通りである。 【0012】図3に示すように、本考案に係る折版屋根
は、母屋の長手方向に延びる梁1の上面にタイトフレー
ム2を溶接にて固定し、その後、タイトフレーム2上に
折版屋根葺板(以下、折版と略記する)3…を順次被着
することによって構成される。相隣合う折版3・3は、
それぞれの側縁部分の重合部を馳締めすることによって
相互に連結され、また、この馳締め部におけるタイトフ
レーム2との各交差箇所は、吊子4を介してタイトフレ
ーム2に連結されている。 【0013】上記の折版3は、図4に示すように、水平
底部3aと、この水平底部3aの両側部から上方に広が
り方向に傾斜して延びる傾斜面3b・3cとを有する略
V字断面形状に形成され、さらに、図において右側の傾
斜面3bの上端部には、断面コ字状の折曲部(以下、第
1連結部という)5が延設されている。また、図におい
て左側の傾斜面3bの上端部には、断面逆U字状の折曲
部(以下、第2連結部という)6が延設されている。 【0014】前記タイトフレーム2は、図5に示すよう
に、上記折版3における断面と同様の略V字の連なり形
状で形成されている。また、隣合うV字形状部が相互に
連なる上端側の水平板部(連結領域)2aの中心位置に
は、下方に幾分凹入する凹入溝(凹凸係合部)2bが幅
方向にわたって形成されている。さらに、水平板部2a
の両側から、下方向に傾斜して延びる各傾斜面部2c…
には、その幅方向中心位置に、内方へと凹入させて形成
した凹状溝2d…が長手方向に沿ってそれぞれ形成さ
れ、これら凹状溝2d…によって、各傾斜面部2c…の
曲げ剛性が高められた構造となっている。 【0015】前記吊子4は、図6(a)に示すように、
垂直面部7と、この垂直面部7の上端を、図において左
上方側へと断面略三角形に折り曲げて形成した上部巻き
込み部8とを有する形状で形成されている。垂直面部7
における中央部の水平な下端縁は、前記タイトフレーム
2の幅寸法をやや超える長さに設定された当接縁部7a
として形成されており、この当接縁部7aを挟んで両側
には、この当接縁部7aよりも下側に突出する円筒状の
円筒係止部9・9が水平方向に並べて形成されている。
また、垂直面部7における左端側の下方への延設部に
は、円筒係止部9よりも下側の位置に、右下方向にL字
状に折り曲げて形成された係止具係止面10が設けられ
ている。 【0016】上記円筒係止部9・9には、後述する折版
屋根の組立時に、図6(b)に示す係止具11が挿通さ
れる。この係止具11は、上記二つの円筒係止部9・9
にわたる長さを有する挿通部11aと、この挿通部11
aの一端からL字状に延びるL状基部11bとを有する
形状に、丸棒を曲げ成形することによって形成されてい
る。 【0017】なお、前記の吊子4は、図7(a)に示す
ように、全体形状が略長方形の平板材12から一体的に
形成されている。この平板材12は、プレスによる打抜
き加工で、上部側の第1面板部13と下部側の第2面板
部14とが、前記円筒係止部9・9に対応する帯状部1
5・15で上下に連なった形状に形成されている。ま
た、帯状部15・15の側縁に沿って上方へと第1面板
部13内にスリット溝を形成することで、第1面板部1
3の下端側に、帯状部15・15から区画された左端延
出面16と中央延出面17とが設けられている。さら
に、第2面板部14の右端側上部には、前記係止具係止
面10に対応する形状にスリット溝で逆L字状に囲われ
た右端側延出面18が設けられている。 【0018】上記形状の平板材12に対し、図7(b)
に示すように、第2面板部14を第1面板部13に重ね
る曲げ加工が行われる。このとき、第1面板部13の左
端延出面16および中央延出面17が、第2面板部14
よりも下側に突出するように重ねられ、また、このと
き、帯状部15・15を円筒状に成形することで、円筒
係止部9・9が形成される。 【0019】上記の成形後、図8に示すように、第1面
板部13の上端側を断面略三角形に折り曲げることで、
前記の上部巻き込み部8が形成される。また、左端延出
面16および中央延出面17は、第2面板部14の前面
から重なるように折り曲げられる。さらに、右端側延出
面18をL字状に折り曲げて係止具係止面10が形成さ
れる。なお、両面板部13・14の右端側では、係止具
係止面10に連なる領域に背面側から前面側へと膨出さ
せた縦方向に延びる突出部19を形成すると共に、その
側方の位置で、バーリングカシメ20が施され、これに
よって、右端側の剛性および両面板部13・14の接合
強度を高めた構造となっている。 【0020】上記のように形成される吊子4は、その垂
直面部7が、図9(a)に示すように、上部巻き込み部
8を除く全体にわたって第1・第2面板部13・14の
二重の重なり構造により構成され、また、左端側および
中央部の下縁側では、図9(b)に示すように、左端延
出面16・中央延出面17が下側から折り曲げられて、
三重構造となっている。これにより、この吊子4におけ
る上部巻き込み部8と下端側の円筒係止部9・9との間
の上下方向の引張力に対し、充分な強度を具備してい
る。例えば、厚さ1mmの鋼板で幅170mmの吊子4
を作製し、円筒係止部9・9に挿通した係止具11と上
部巻き込み部8との間に550kgを超える引っ張り荷
重を作用させたテスト結果において、何らの変形も認め
られないものであった。 【0021】次に、上記の吊子4を用いた折版屋根の組
立作業手順について説明する。まず、図3に示すよう
に、母屋の梁1上に、タイトフレーム2を溶接にて固定
する。梁1の全長にわたってタイトフレーム2の固定取
付けを終了すると、その建屋の立地条件、例えば風向き
等からの適正な馳締め方向を定め、折版3をタイトフレ
ーム2上に載置する。 【0022】次いで、折版3とタイトフレーム2とが交
差する箇所での折版3の第1連結部5に、吊子4の上部
巻き込み部8を被せて、この吊子4を折版3に組みつけ
た後、この吊子4の垂直面部7を垂直に位置させる。こ
れにより、図1に示すように、前記当接縁部7aはタイ
トフレーム2の水平板部2aにおける凹入溝2bに嵌入
した状態となり、また、円筒係止部9・9は、タイトフ
レーム2の幅方向両側で、それぞれこのタイトフレーム
2よりも下側に位置する状態となる。この状態で、図6
(a)において二点鎖線で示すように、係止具11の挿
通部11aを前記係止具係止面10側から円筒係止部9
・9に挿入させる。この際、L状基部11bを水平方向
に向けて、L状基部11bが係止具係止面10を超えて
左側の円筒係止部9の端面に当接する位置まで挿入す
る。そして、この挿入状態で、L状基部11bが下側に
向くように回転させ、次いで、係止具係止面10の先端
を、ハンマ等の工具で叩いてL状基部11bの外周に沿
うように折り曲げる。この結果、L状基部11bのその
後の回転動作が規制され、これによって、円筒係止部9
・9からの係止具11の抜脱が阻止された固定状態とな
る。 【0023】上記のように係止具11を円筒係止部9・
9に挿入して固定することによって、吊子4は、両円筒
係止部9・9がタイトフレーム2を幅方向に挟み込んだ
状態となっており、また、図1に示すように、吊子4の
垂直面部7における当接縁部7aと、係止具11とで、
タイトフレーム2を上下に挟み込んだ状態となる。さら
に、上記の当接縁部7aがタイトフレーム2における前
記凹入溝2bに上方から嵌入した状態ともなっているこ
とによって、吊子4は、その下端側が、タイトフレーム
2に対し、上下方向・幅方向・長手方向の全体にわたっ
て相対的な移動が阻止された状態で連結される。 【0024】上記のように吊子4の取付けを終了した
後、この吊子4が取付けられた折版(図中、左側の折版
3)の隣に、次の折版3を載置する。この場合、先の折
版3の第1連結部5に次の折版3の第2連結部6が上方
から重なり、また、吊子4は、両折版3・3間に挟み込
まれたものとなる。そして、両折版3・3の第1連結部
5と第2連結部6との重合部を折版3の長手方向に馳締
めしていくことによって、図2に示すように、隣合う折
版3・3が相互に連結されると共に、これら折版3・3
は、吊子4を介してタイトフレーム2に連結された組付
け状態となる。その後、同様に、次の折版3の第1連結
部5に吊子4を取付け、新たな折版3を上方から載置
し、重合部を馳締めしていくという作業を繰返すことに
よって、折版屋根が構築される。 【0025】以上の説明のように、上記実施例において
は、吊子4は、その下端側が、上下方向・タイトフレー
ム2の幅方向・長手方向の全体にわたってタイトフレー
ム2に対する相対的な移動が阻止された状態でこのタイ
トフレーム2に連結され、したがって、上端側で馳締め
により吊子4に連結された折版3の浮き上がり等の変形
移動が防止される。 【0026】そして上記の構造においては、吊子4は、
折版3に浮き上がりを生じさせるような下方向からの外
力に対して、その作用方向に平行な垂直面部7の上下端
がそれぞれ折版3とタイトフレーム2とに連結され、こ
の間に、従来のL字状の折り曲げ部等のように、外力が
曲げモーメントとなって変形力を拡大させて作用するよ
うな形状部が設けられていないので、吊子4に生じる変
形が抑制され、これによって、より強固な取付状態を維
持することができる。 【0027】また、上記吊子4は、上記のように上下方
向の引張力を受ける垂直面部7が、第1面板部13と第
2面板部14との二枚重ね構造で形成され、かつ、第1
・第2面板部13・14の上下方向の相対的なずれを防
止するように下端側で左端延出面16および中央延出面
17を折り曲げた三重構造になっているので、上記のよ
うな引張力に対して変形を生じにくく、これにより、さ
らに強固な連結状態を維持することができる。しかも、
上記のような構造は、平板の折り曲げ加工を主に形成さ
れるので、材料費や加工費等の製作費をより安価なもの
とすることができる。 【0028】また、吊子4のタイトフレーム2への連結
は、円筒係止部9・9に棒状部材から成る係止具11を
挿通させ、この係止具11の抜脱を防止するために、係
止具係止面10を折り曲げるという簡単な操作によって
行われ、例えば従来の締結ボルトの螺着操作等に比べて
作業が容易となる。 【0029】さらに、上記実施例の吊子4は、図1に示
されているように、上部巻き込み部8における傾斜面8
aを、く字状にやや湾曲させた形状で形成されている。
このため、図2に示されているように、馳締め時には、
上記の傾斜面8aは、その先端部が折版3の第1連結部
5における水平面部5aに下側から当接する。この結
果、馳締め力が傾斜面8aの先端部に集中し、この先端
部が第1連結部5の水平面部5aに食い込んだ強い密着
状態となる。これによって、吊子4と折版3との間に
も、より強固な結合状態が得られるものとなっている。 【0030】また、上記実施例においては、相隣接する
折版3・3とタイトフレーム2との間に、前記した従来
例における締結ボルトの頭部が位置するための空間等が
不要であり、タイトフレーム2は、その上部水平形状を
従来のように段差状とする必要がない。したがって、左
右の方向性のない構造となっている。このように、この
タイトフレーム2には、折版3を左右いずれの向きにし
ても取付が可能なことから、梁1へのタイトフレーム2
の取付作業に当たって、その方向性を考慮せずに行うこ
とができるので、その作業性が向上する。また、従来、
タイトフレームの向きを誤って梁に溶接した場合、その
修復に当たって多大の労力を要するものとなっていた
が、上記実施例の構造によれば、このような労力も低減
される。 【0031】なお、上記実施例においては、吊子4にお
ける円筒係止部9・9の相対向する端面間寸法を、タイ
トフレーム2の幅寸法よりも所定の隙間寸法だけ大きく
している。この隙間寸法は、外気温度変化によって折版
3がその長手方向に熱膨張収縮を生じる場合の長さ変化
量を見込んで設定されている。これにより、折版3と吊
子4とには、タイトフレーム2に対する相対移動が折版
3の熱膨張収縮に応じて生じるが、この移動は、外気温
度の変化に応じて極めて緩慢に生じるものである。従来
の締結ボルトにて吊子をタイトフレームに固定していた
構造では、折版の熱膨張変形が拘束されていたために熱
応力を生じ、この熱応力が馳締め部の緊定力を超えた時
に、馳締め部内の吊子に対して折版が瞬間的に摺動し、
これによって、異様な音を発するという問題を生じてい
たが、上記実施例の構造によって、このような異音の発
生も防止されたものとなっている。 【0032】 【考案の効果】以上のように、本考案の請求項1記載の
折版屋根葺板の取付構造は、上記吊子が、下端側に係止
部を設けて一枚の板材を折り曲げることによって、垂直
面部を第1面板部と第2面板部との二枚重ね構造とした
形状で形成されると共に、第1・第2面板部の上下方向
の相対的なずれを防止すべく、第1面板部と第2面板部
との一方における各係止部間で下方に突出する延出面
を、第1面板部と第2面板部とに重なるようにさらに折
り曲げた構造で形成されている構成である。 【0033】このように、吊子の垂直面部が、第1面板
部と第2面板部との二枚重ね構造で形成され、かつ、第
1・第2面板部の上下方向の相対的なずれを防止するよ
うに下端側での延設面の折り曲げで三重構造になってい
るので、折版屋根葺板に浮き上がりを生じさせるような
外力に抗する強度が高く、これにより、全体に生じる変
形が抑制された強固な取付状態を維持することができ
る。しかも、上記のような構造は、平板の折り曲げ加工
を主に形成されるので、材料費や加工費等の製作費をよ
り安価なものとすることができるという効果を奏する。 【0034】また、本考案の請求項2記載の折版屋根葺
板の取付構造は、上記係止部が水平方向に並ぶ一対の円
筒状の円筒係止部から成ると共に、係止具がこれら円筒
係止部に挿通される棒状部材から成り、さらに、円筒係
止部に挿通された係止具の抜脱を防止すべく、この係止
具の端部に折り曲げによって当接する係止具係止面が吊
子の垂直面部に設けられている構成である。 【0035】これにより、吊子のタイトフレームへの連
結は、タイトフレームの連結領域を幅方向に挟む吊子の
円筒係止部に、棒状部材から成る係止具を挿通させ、こ
の係止具の抜脱を防止するために、係止具係止面を折り
曲げるという簡単な作業によって行われるので、例えば
従来の締結ボルトの螺着作業等に比べて組立作業性を向
上することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例における折版屋根葺板の取付
構造を示す要部断面図である。 【図2】図1に示す状態からの馳締め後の構造を示す要
部断面図である。 【図3】上記取付構造を採用して構成される折版屋根を
示す斜視図である。 【図4】上記折版屋根の組立てに用いられる折版屋根葺
板を示す斜視図である。 【図5】上記折版屋根の組立てに用いられるタイトフレ
ームを示す斜視図である。 【図6】上記折版屋根の組立てに用いられる吊子と係止
具とを示すものであって、同図(a)は吊子の斜視図、
同図(b)は係止具の斜視図である。 【図7】上記吊子の製作過程を示すものであって、同図
(a)はプレス打抜きにより形成した平板材の斜視図、
同図(b)は、上記平板材を折り曲げて形成した中間段
階の吊子の斜視図である。 【図8】図7(b)で示す状態にさらに曲げ加工等を施
して形成された吊子の斜視図である。 【図9】上記吊子の断面形状を示すものであって、同図
(a)は図8におけるA−A線矢視断面図、同図(b)
は図8におけるB−B線矢視断面図である。 【図10】従来の折版屋根の構造を示す斜視図である。 【図11】上記従来の折版屋根における吊子による連結
構造を示す正面図である。 【符号の説明】 2 タイトフレーム 2a 水平板部(連結領域) 2b 凹入溝(凹凸係合部) 3 折版(折版屋根葺板) 4 吊子 7 垂直面部 9 円筒係止部 10 係止具係止面 11 係止具 12 平板材 13 第1面板部 14 第2面板部 17 中央延出面
構造を示す要部断面図である。 【図2】図1に示す状態からの馳締め後の構造を示す要
部断面図である。 【図3】上記取付構造を採用して構成される折版屋根を
示す斜視図である。 【図4】上記折版屋根の組立てに用いられる折版屋根葺
板を示す斜視図である。 【図5】上記折版屋根の組立てに用いられるタイトフレ
ームを示す斜視図である。 【図6】上記折版屋根の組立てに用いられる吊子と係止
具とを示すものであって、同図(a)は吊子の斜視図、
同図(b)は係止具の斜視図である。 【図7】上記吊子の製作過程を示すものであって、同図
(a)はプレス打抜きにより形成した平板材の斜視図、
同図(b)は、上記平板材を折り曲げて形成した中間段
階の吊子の斜視図である。 【図8】図7(b)で示す状態にさらに曲げ加工等を施
して形成された吊子の斜視図である。 【図9】上記吊子の断面形状を示すものであって、同図
(a)は図8におけるA−A線矢視断面図、同図(b)
は図8におけるB−B線矢視断面図である。 【図10】従来の折版屋根の構造を示す斜視図である。 【図11】上記従来の折版屋根における吊子による連結
構造を示す正面図である。 【符号の説明】 2 タイトフレーム 2a 水平板部(連結領域) 2b 凹入溝(凹凸係合部) 3 折版(折版屋根葺板) 4 吊子 7 垂直面部 9 円筒係止部 10 係止具係止面 11 係止具 12 平板材 13 第1面板部 14 第2面板部 17 中央延出面
Claims (1)
- 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項1】タイトフレーム上に載置された折版屋根葺
板の互いに重合する側縁部が吊子の上端側を間装して馳
締めされる一方、上記の馳締め部から下方に延びる上記
吊子の垂直面部の下端側にタイトフレームの連結領域を
幅方向に挟んで各々下方に垂下する係止部が設けられ、
タイトフレームの連結領域における下面に沿って配した
係止具の両端側を上記係止部に結合することによって上
記吊子の下端側がタイトフレームに連結される折版屋根
葺板の取付構造において、 上記吊子が、下端側に係止部を設けて一枚の板材を折り
曲げることによって、垂直面部を第1面板部と第2面板
部との二枚重ね構造とした形状で形成されると共に、第
1・第2面板部の上下方向の相対的なずれを防止すべ
く、第1面板部と第2面板部との一方における各係止部
間で下方に突出する延出面を、第1面板部と第2面板部
とに重なるようにさらに折り曲げた構造で形成されてい
ることを特徴とする折版屋根葺板の取付構造。 【請求項2】上記係止部が水平方向に並ぶ一対の円筒状
の円筒係止部から成ると共に、係止具がこれら円筒係止
部に挿通される棒状部材から成り、さらに、円筒係止部
に挿通された係止具の抜脱を防止すべく、この係止具の
端部に折り曲げによって当接する係止具係止面が吊子の
垂直面部に設けられていることを特徴とする請求項1記
載の折版屋根葺板の取付構造。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1992006838U JPH0734993Y2 (ja) | 1992-02-19 | 1992-02-19 | 折版屋根葺板の取付構造 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1992006838U JPH0734993Y2 (ja) | 1992-02-19 | 1992-02-19 | 折版屋根葺板の取付構造 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0635447U JPH0635447U (ja) | 1994-05-13 |
| JPH0734993Y2 true JPH0734993Y2 (ja) | 1995-08-09 |
Family
ID=11649386
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP1992006838U Expired - Lifetime JPH0734993Y2 (ja) | 1992-02-19 | 1992-02-19 | 折版屋根葺板の取付構造 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0734993Y2 (ja) |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5185682A (en) * | 1975-01-27 | 1976-07-27 | Nippon Electric Co | Handotaisochino nyuryokuhogosochi |
-
1992
- 1992-02-19 JP JP1992006838U patent/JPH0734993Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0635447U (ja) | 1994-05-13 |
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