JPH0739094A - 磁石発電機の回転子およびその製造方法 - Google Patents

磁石発電機の回転子およびその製造方法

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JPH0739094A
JPH0739094A JP5199166A JP19916693A JPH0739094A JP H0739094 A JPH0739094 A JP H0739094A JP 5199166 A JP5199166 A JP 5199166A JP 19916693 A JP19916693 A JP 19916693A JP H0739094 A JPH0739094 A JP H0739094A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 マグネットケースを使用せずにマグネットを
固定し、軸方向寸法を短縮する。 【構成】 カバーの筒壁を径方向外向きに膨出されてな
る第1膨出部37が隣合うマグネット間に形成されマグ
ネットが径方向に固定される。軸方向には各マグネット
20の上面25にカバー30の外側鍔部32を当接させ
た状態で、カバー30の筒壁31の底部を径方向外向き
に膨出成形させることにより、第2膨出部38が各マグ
ネット20をカバー30の外側鍔部32とカバー筒壁底
部に膨出成形される。 【効果】 各マグネット20の高さ位置がカバー30の
外側鍔部32で揃えられて、各マグネット30の高さ方
向の寸法ばらつきはヨーク11の閉塞壁14側でそれぞ
れ吸収された状態になるため、磁石発電機の回転子の軸
方向長さを短縮できる。マグネットケースが廃止できる
ため、部品点数および作業工数を省略でき、マグネット
の寸法管理の厳格性を緩和できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁石発電機の回転子に
関し、特に、永久磁石の固定構造の改良に係り、例え
ば、オートバイやバギー等の小型または特殊車両に搭載
する磁石発電機の回転子に利用して有効なものに関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、オートバイやバギー等の小型ま
たは特殊車両においては、フェライトマグネット等のよ
うな永久磁石(以下、マグネットという。)を利用した
磁石発電機が使用されることがある。
【0003】この種の磁石発電機は、ヨークの内周に複
数個のマグネットを等間隔で配列固定されることにより
構成されている回転子と、コアにおける放射状の複数箇
所にコイルを巻装されることにより構成されている発電
子とを備えており、前記回転子がエンジンに駆動されて
発電子の周囲を回転することにより、発電子の各磁極コ
イルにおいて起電力を誘起せしめるように構成されてい
る。
【0004】従来、このような磁石発電機に使用される
回転子として、マグネットと対応する形状の複数のマグ
ネット収容室を上部開放枠を環状に連結されて形成され
ているケースがヨーク内に嵌入されており、このケース
の各収容室に前記マグネットがそれぞれ挿入されて隣合
う収容室間の隔壁部間でそれぞれ挟圧固定されており、
さらに、ケースおよびマグネットの内側に筒形状のカバ
ーが嵌入され、このカバーの外側鍔部上に樹脂製の押さ
えリングが当接された後、前記ヨーク上端部外周に形成
された巻きかしめ代部が押さえリング上に巻きかしめ加
工されることにより、複数個のマグネットがヨークに一
体化されて成るものがある。
【0005】また、従来のこの種の磁石発電機の回転子
として、特開昭60−187248号公報および特開昭
61−280747号公報に記載されているものがあ
る。
【0006】前者の磁石発電機の回転子は、鉄椀と、こ
の鉄椀の内周に装着した磁石と、磁石の内周面に配置し
た磁石保護カバーと、鉄椀の底面と磁石と磁石保護カバ
ーとで形成した接着剤溜め用空間と鉄椀の内周面と磁石
保護カバーとの間における鉄椀の底面に設けた接着剤注
入用の穴とを備えて構成されている。
【0007】後者の磁石発電機の回転子は、鉄椀の内周
面に配置した複数個の円弧状の磁石の内周面に磁石保護
部材の筒部を圧接し、この磁石保護部材のフランジ部を
各磁石の開口端側端面に当接させて各磁石の軸方向移動
を規制すると共に、磁石保護部材の固定部を鉄椀の底部
に固定し、かつ磁石保護部材の筒部の鉄椀底部側の外形
形状を各磁石配列の内径寸法より小となるテーパ状とな
すと共に、磁石保護部材の筒部に各磁石間の空間に向か
って外径方向に膨出する膨出部を形成することにより、
磁石保護部材の鉄椀への固定によって各磁石を鉄椀内周
面に強固に固定するように構成されている。また、磁石
保護部材圧入時における磁石保護部材の変形を膨出部で
吸収すると共に、磁石保護部材の筒部における固定部側
の外形形状が各磁石配列の内径寸法より小となるテーパ
状となしてあることによって、磁石保護部材の固定部側
の変形を少なくして、磁石保護部材を固定部によって確
実に鉄椀に固定することができるように構成されてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、マグネ
ットケースが使用されている従来の磁石発電機の回転子
においては、部品点数および組付工数がマグネットケー
スに関する分だけ多くなるばかりでなく、マグネットが
マグネットケースに圧入されるため、マグネットの寸法
について厳格な管理が必要になり、また、マグネットの
寸法ばらつきを吸収する余裕代や、マグネットケースお
よび巻きかしめ代の分、磁石発電機の回転子の軸方向の
寸法が長くなる。
【0009】また、特開昭60−187248号公報に
提案されている磁石発電機の回転子およびその製造方法
においては、接着剤が使用されているため、作業性が低
下する。
【0010】また、特開昭60−187248号公報お
よび特開昭61−280747号公報に提案されている
磁石発電機の回転子のいずれにおいても、各マグネット
の軸方向の位置決めが鉄椀の底壁側で行われているた
め、各マグネットの軸方向寸法のばらつきが鉄椀の開口
側で吸収されることになり、その結果、磁石発電機の回
転子の軸方向寸法が長くなってしまう。また、磁石発電
機の発電子コイルを回転子のヨーク内の制約されたスペ
ースに収納すべく、各マグネットの軸方向寸法のばらつ
きが吸収されるヨークの開口側に固定子のコアを位置さ
せるため、発電機の出力のばらつきも大きくなってしま
う。
【0011】本発明の目的は、マグネットケースおよび
接着剤を使用せずにマグネットを固定することができる
とともに、軸方向寸法を可及的に短縮することができる
磁石発電機の回転子およびその製造方法を提供すること
にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係る磁石発電機
の回転子は、略椀形状のヨークの内周に複数個のマグネ
ットが間隔をおいて配されており、マグネットの内側に
筒形状のカバーが嵌入されている磁石発電機の回転子に
おいて、前記カバーの筒壁を径方向外向きに膨出されて
なる第1の膨出部が、隣合うマグネット間の空間にマグ
ネット軸方向長全長に渡り形成されており、前記カバー
のヨーク開口側に径方向外向きに突設された外側鍔部
が、前記各マグネットのヨーク開口側端面に当接されて
おり、また、前記カバーのヨーク閉塞壁側に径方向内向
きに突設された内側鍔部が、ヨーク閉塞壁に固定されて
いるとともに、カバーの筒壁をヨーク閉塞壁とマグネッ
トのヨーク閉塞面側端面との間の空間に外向きに少なく
とも各マグネットのヨーク閉塞面側端面部で膨出されて
なる第2の膨出部が設けられていることを特徴とする。
【0013】
【作用】前記した手段によれば、各マグネットの上面に
カバーの外側鍔部を当接させた状態で、カバーの筒壁の
ヨーク閉塞壁側部分を径方向外向きに膨出成形させるこ
とにより、各マグネットをカバーの外側鍔部とカバー筒
壁のヨーク閉塞壁部分に膨出成形された第2の膨出部と
によって挟持させた状態で固定させることができる。こ
れにより、各マグネットの軸方向の位置がカバーの外側
鍔部で揃えられて、各マグネットの高さ方向の寸法ばら
つきはヨークの閉塞壁側でそれぞれ吸収された状態にな
るため、磁石発電機の回転子の軸方向長さを短縮させる
ことができる。
【0014】
【実施例】図1は本発明の一実施例である磁石発電機の
回転子を示しており、(a)は平面図、(b)は(a)
のb−b線に沿う正面断面図である。図2はヨークを示
しており、(a)は一部省略平面図、(b)は(a)の
b−b線に沿う正面断面図、(c)は一部省略底面図で
ある。図3はカバーを示しており、(a)は一部省略平
面図、(b)は正面断面図、(c)は一部省略底面図で
ある。図4以降は本発明の一実施例である磁石発電機の
製造方法の説明である。
【0015】本実施例において、本発明に係る磁石発電
機の回転子はヨークと、複数のマグネットと、カバーと
を備えている。
【0016】ヨーク11は磁性材料により上面が開口し
下面が閉塞した略椀形状に一体成形されており、円筒形
状の筒壁12にはリラクタ13が周方向および軸方向に
所定の幅をもって、径方向外向きに突設されている。ヨ
ーク11の下面閉塞壁14には、エンジンに直結させる
ボス(図示せず)を挿通するための軸孔15が中心に開
設されており、この軸孔15の外方位置には後述するヨ
ーク位置決め治具を取り付けるのに使用される円形孔1
6が一対、同心円上において180度の位相差をもって
それぞれ穿設されている。また、ヨーク11の閉塞壁1
4における外周辺部には、後述するマグネット位置決め
治具を挿通するための長円孔17が複数個(本実施例に
おいては、12個)、同心円上において周方向に等間隔
に穿設されている。
【0017】さらに、ヨーク11の閉塞壁14の底面に
はカバーを固定するための凸部18が複数個(本実施例
においては、8個)、円形孔16群と長円孔17群との
間の同心円上において周方向に等間隔に配されて、閉塞
壁14の一部を外面から突き上げられることにより軸心
方向内向きに突設されており、この凸部18は後述する
ようにカバーに突設された固定孔に挿通されてかしめ加
工され得るように構成されている。
【0018】なお、ヨーク11の閉塞壁14には冷却フ
ァン取り付け用の雌ねじ孔19が複数個、円形孔16群
付近の同心円上において周方向に等間隔に開設されてい
る。また、ヨーク11の筒壁12の開口縁には巻きかし
め代部は設けられていない。
【0019】マグネット20はヨーク11の深さ以下の
高さを有し、幅方向においてヨーク11の内周に沿って
弯曲した円弧形状を有する略直方体に一体成形されてい
る。マグネット20の円弧形状の内周面(以下、腹面と
いう。)21の左右両端部には傾斜面部23が左右両端
部へ行くに従って外周面(以下、背面という。)22に
近ずくようにそれぞれ形成されている。両側の立ち上が
り側面24および24はヨーク11の中心を通る法線に
ついての接線に対して直角になるように形成されてお
り、上面25と下面26は互いに平行に形成されてい
る。
【0020】カバー30は薄鉄板等の金属材料が用いら
れて絞りプレス加工等により一体成形されており、後述
するマグネット20群が構成する円筒内に圧入する円筒
形状に形成されている。カバー30の筒壁31の一端
(以下、上端とする。)には、外側鍔部32が径方向に
外向きに突出した円形ドーナツ状に形成されている。
【0021】また、組立前において、カバー30の筒壁
31の下端には、内側鍔部33が円形ドーナツ形状に一
体的に成形されている。内側鍔部33の内径は、ヨーク
11に配列された凸部18群の配列径よりも小径で、円
形孔16、16の配列径に等しいかまたは若干大径に設
定されている。内側鍔部33における径方向の中間部に
は固定孔34がヨーク11の凸部18群と同数個(本実
施例においては、8個)、それぞれがヨーク11の凸部
18群と整合するように開設されており、各固定孔34
は各凸部18をそれぞれ挿通し得るように形成されてい
る。
【0022】また、内側鍔部33の内周縁には切欠部3
5が複数個(本実施例においては、8個)、略半円形状
に形成されており、この切欠部35群によってヨーク1
1の円形孔16群および雌ねじ孔19群が適宜逃げ得る
ようになっている。さらに、内側鍔部33の内周縁には
剛性付与部36が、切欠部35を含めて全周にわたって
曲げ起こし成形されている。この剛性付与部36は絞り
加工等により、内側鍔部33の内周縁部が全周にわたっ
て一定高さに軸方向内向きに曲げ起こし成形され、後述
するカバー30の圧入時に充分な剛性を付与するように
なっている。
【0023】次に、本発明の一実施例である磁石発電機
の回転子の製造方法を、前記構成に係る各部品による場
合について説明する。この説明により、本発明の一実施
例である磁石発電機の回転子の構成の詳細が共に明らか
にされる。
【0024】まず、図4(a)および図5に示されてい
るように、ヨーク11は磁石発電機の回転子の製造装置
40のベース41上にセットされる。この際、ヨーク1
1における一対の各円形孔16、16には一対のヨーク
位置決め治具42、42がそれぞれ挿通される。また、
長円孔17群にはマグネット周方向位置決め治具(以
下、マグネット用第1治具という。)43およびマグネ
ット軸方向支え治具(以下、マグネット用第2治具とい
う。)44がそれぞれ挿通される。
【0025】ここで、マグネット用第2治具44群はベ
ース41にスプリング45によってそれぞれフローティ
ング支持されており、上下方向に移動し得るようになっ
ている。マグネット用第1治具43群はマグネット20
と同数個(本実施例においては、4個)が、長円孔17
群の配列径と同心円上において周方向に等間隔に配設さ
れている。また、各マグネット用第1治具43の周方向
両側端辺には肩部43a、43aがそれぞれ形成されて
いる。他方のマグネット用第2治具44群は長円孔17
群の個数からマグネット20の個数を引いた個数(本実
施例においては、8個)が、長円孔17群の配列径と同
心円上において各第1治具43の両脇にそれぞれ配設さ
れている。
【0026】続いて、図4(a)および図5に示されて
いるように、複数個(本実施例においては、4個)のマ
グネット20が、ヨーク11内に円形環状に配置され
る。この際、マグネット20は背面22がヨーク11の
内周面に当接された状態で、下面26が2個の第2治具
44上にそれぞれ載置されるとともに、両方の側面2
4、24が両脇の第1治具43、43の肩部43a、4
3aにそれぞれ係合される。この状態において、マグネ
ット20は第1治具43により周方向について位置決め
される。また、マグネット20は第2治具44、44に
より上限に位置されて上下方向についてフローティング
支持された状態になっている。
【0027】次に、図4(a)および図6に示されてい
るように、カバー30がマグネット20群の内側に嵌入
具50により嵌入される。この際、カバー30の内側鍔
部33には剛性付与部36が形成されているため、カバ
ー30は適正に嵌入される。嵌入後の状態において、カ
バー30はその内側鍔部33がヨーク11の閉塞壁14
の底面に当接し、その外側鍔部32がマグネット20群
の上面25に当接した状態になっている。また、カバー
30が圧入されることによって、マグネット20群間に
第1の膨出部37が形成され、マグネット20群の相対
的な周方向の位置決めおよび回り止めがなされる。
【0028】ここで、嵌入具50の外径は下側が小径で
上側が大径の2段円柱形状に形成されており、下側の小
径部51はカバー30の筒壁31の内径と略同径に、上
側の大径部52はカバー30の外側鍔部32の外径と略
同径にそれぞれ形成されている。
【0029】嵌入具50にはヨーク位置決め孔53が円
形孔16と同数個(本実施例においては、2個)、軸方
向にそれぞれ開設されている。この各ヨーク位置決め孔
53に各ヨーク用位置決め治具42がそれぞれ相対的に
挿入されることにより、嵌入具50とヨーク11および
マグネット20群との位置決めが確保される。
【0030】嵌入具50には挿通孔54がヨーク11の
凸部18と同数個(本実施例においては、8個)、軸方
向に開設されている。また、嵌入具50の小径部51の
下面には環状溝55がカバー30の剛性付与部36を収
容し得るように没設されている。前記した位置決め状態
により、各挿通孔54には各凸部18が、また、環状溝
55には剛性付与部36がそれぞれ整合して挿入し、凸
部18および剛性付与部36への嵌入具50の干渉が回
避されている。
【0031】図4(b)および図7に示されているよう
に、嵌入具50の挿通孔54を通してかしめピンが挿通
され、カバー30の固定孔34に挿通されたヨーク11
の凸部18の突出端部がかしめ加工される。そして、こ
のかしめ加工後の凸部18群により、カバー30はその
内側鍔部33の全周においてヨーク11の閉塞壁14に
円形環状に固定された状態になり、この後、嵌入具50
が脱装される。この状態で、マグネット20群はヨーク
11に対して周方向の位置決めおよび回り止めがなされ
る。
【0032】次に、嵌入具が脱装された後に、図4
(c)および図8に示されているように、カバー30内
側に塑性具60が挿入され、カバー30の筒壁31のヨ
ーク閉塞壁とマグネットのヨーク閉塞壁側端面部との間
の空間を外向きに環状に、または、少なくとも各マグネ
ットのヨーク閉塞面側端面部で膨出されてなる第2の膨
出部38が形成され、マグネット20群の軸方向の位置
決めがなされる。
【0033】ここで、塑性具60の外径は下側が小径
で、上側が大径の2段円柱形状に形成されており、下側
の小径部61はカバー30の筒形状部31の内径と略同
径に、上側の大径部62はカバー30の外側鍔部32の
外径と略同径にそれぞれ形成されている。
【0034】塑性具60にはヨーク位置決め孔63が円
形孔16と同数個(本実施例においては、2個)、軸方
向にそれぞれ開設されている。各ヨーク位置決め孔63
に各ヨーク用位置決め治具42がそれぞれ相対的に挿入
されることにより、塑性具60とヨーク11およびマグ
ネット20群との位置決めが確保される。
【0035】塑性具60の小径部61の下面にはウレタ
ン樹脂等の弾性体部64が設けられており、この弾性体
部64は塑性具60の小径部61下面とヨーク11の閉
塞壁14との間で軸方向に圧縮された際に、径方向外向
きに全周、または、少なくとも各マグネットのヨーク閉
塞壁側端面部で膨出変形し得るように形成されている。
【0036】そして、塑性具60の弾性体部64はヨー
ク11の閉塞壁14の底面に押圧されると、径方向外向
きに膨出変形することにより、カバー30の筒壁31に
おける内側鍔部33付近を径方向外向きに押し出して、
マグネットの第2の膨出部38をヨーク閉塞壁とマグネ
ットのヨーク閉塞壁側端面部との間の空間に形成させ
る。
【0037】このカバー30の第2の膨出部38の膨出
成形に際して、塑性具60の大径部62の下面がカバー
30の外側鍔部32を押し下げるため、第2の膨出部3
8はカバー30の筒壁31を極部的に引き延ばして形成
することなく、押し下げられて来る筒壁31の余肉をも
って形成されることになる。したがって、第2の膨出部
38の膨出成形に起因して、第2の膨出部の強度が極端
な板厚減少により低下することはない。
【0038】一方、押し下げられたカバー30の外側鍔
部32の下面が各マグネット20の上面25に当接する
と、各マグネット20は各マグネット用第2治具44に
よって上方に向かって押し上げられるようにフローティ
ング支持されているため、各マグネット20の高さはカ
バー30の外側鍔部32の下面、すなわち、塑性具60
の大径部62の下面のレベルにおいて揃えられた状態に
なる。
【0039】そして、塑性具60が一定の寸法挿入さ
れ、弾性体部64の軸方向への圧縮が停止されると、各
マグネット20はカバー30の外側鍔部32の下面で高
さを揃えられた状態で、外側鍔部32と第2の膨出部3
8との間で挟持されて固定された状態になる。
【0040】その後、塑性具60がカバー30の内側か
ら上方へ抜き出される。次いで、ヨーク11がベース4
1上からリセットされる。以上の工程によって、図1に
示されている磁石発電機の回転子が製造されたことにな
る。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
次の効果が得られる。 (1) カバーの筒壁を径方向外向きに膨出されてなる
第1の膨出部が隣合うマグネット間に形成され、マグネ
ットが径方向に固定される一方、軸方向には各マグネッ
トの上面にカバーの外側鍔部を当接させた状態で、カバ
ーの筒壁のヨーク閉塞壁側部分を径方向外向きに膨出成
形させることにより、各マグネットをカバーの外側鍔部
とカバー筒壁のヨーク閉塞壁側部分に膨出成形された第
2の膨出部とによって挟持させた状態で固定させること
ができる。
【0042】(2) 前記(1)により、各マグネット
の高さ位置がカバーの外側鍔部で揃えられて、各マグネ
ットの高さ方向の寸法ばらつきはヨークの閉塞壁側でそ
れぞれ吸収された状態になるため、磁石発電機の回転子
の軸方向長さを短縮させることができる。
【0043】(3) 前記(1)により、マグネットケ
ースを廃止することができるため、部品点数および作業
工数を低減することができ、また、マグネットをマグネ
ットケースに圧入させる工程が廃止されるため、マグネ
ットの寸法管理の厳格性を緩和することができる。さら
に、押さえリングが廃止された分、磁石発電機の回転子
の軸方向長さを短縮させることができる。
【0044】(4) 前記(1)により、ヨーク開口端
の巻きかしめ代部を省略することができるため、磁石発
電機の回転子の軸方向長さをより一層短縮させることが
できる。
【0045】(5) 前記(2)、(3)、(4)によ
り、磁石発電機の回転子の開口端のマグネット軸方向位
置と発電子コアとの位置を一定に保つことができるた
め、磁石発電機の性能のバラツキを抑えることができ
る。
【0046】(6) マグネットをヨークに治具で仮に
位置決めした状態で、カバーをマグネット群内に圧入さ
せることにより、カバーの圧入を安定させることができ
る。
【0047】(7) カバーの筒壁底部を径方向外向き
に膨出成形させるに際して、カバーを押し下げてその膨
出代分を上から供給することにより、カバー筒壁の一部
に過大な引張応力が作用するのを防止することができる
ため、カバーの第2の膨出部の著しい強度低下を防止す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である磁石発電機の回転子を
示しており、(a)は平面図、(b)は(a)のb−b
線に沿う正面断面図である。
【図2】図2はヨークを示しており、(a)は一部省略
平面図、(b)は(a)のb−b線に沿う正面断面図、
(c)は一部省略底面図である。
【図3】図3はカバーを示しており、(a)は一部省略
平面図、(b)は正面断面図、(c)は一部省略底面図
である。
【図4】本発明の一実施例である磁石発電機の製造方法
を示しており、(a)はカバーの挿入工程を示す一部切
断分解斜視図、(b)はカバーの固定工程を示す一部切
断斜視図、(c)はカバーの膨出工程を示す一部切断斜
視図である。
【図5】マグネットの位置決め工程を示す拡大部分正面
断面図である。
【図6】カバー挿入工程を示す拡大部分正面断面図であ
る。
【図7】カバーの固定工程を示す正面断面図である。
【図8】カバーの膨出工程を示す正面断面図である。
【符号の説明】
11…ヨーク、12…筒壁、13…リラクタ、14…閉
塞壁、15…軸孔、16…円形孔、17…長円孔、18
…凸部、19…雌ねじ孔、20…マグネット、21…円
弧形状の内周面(腹面)、22…外向面(背面)、23
…傾斜面部、24…立ち上がり側面、25…上面、26
…下面、30…カバー、31…筒壁、32…外側鍔部、
33…下側鍔部、34…固定孔、35…切欠部、36…
剛性付与部、37…第1の膨出部、38…第2の膨出
部、40…磁石発電機の回転子およびその製造方法の製
造装置、41…ベース、42…ヨーク位置決め治具、4
3…マグネット周方向位置決め治具(マグネット用第1
治具)、43a…肩部、44…マグネット軸方向セット
治具(マグネット用第2治具)、45…スプリング、5
0…嵌入具、51…小径部、52…大径部、53…ヨー
ク位置決め孔、54…挿通孔、55…環状溝、60…塑
性具、61…小径部、62…大径部、63…ヨーク位置
決め孔、64…弾性体部。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略椀形状のヨークの内周に複数個のマグ
    ネットが間隔をおいて配されており、マグネットの内側
    に筒形状のカバーが嵌入されている磁石発電機の回転子
    において、 前記カバーの筒壁を径方向外向きに膨出されてなる第1
    の膨出部が、隣合うマグネット間の空間にマグネット軸
    方向長全長に渡り形成されており、 前記カバーのヨーク開口側に径方向外向きに突設された
    外側鍔部が、前記各マグネットのヨーク開口側端面に当
    接されており、また、前記カバーのヨーク閉塞壁側に径
    方向内向きに突設された内側鍔部が、ヨーク閉塞壁に固
    定されているとともに、カバーの筒壁をヨーク閉塞壁と
    マグネットのヨーク閉塞面側端面との間の空間に外向き
    に少なくとも各マグネットのヨーク閉塞面側端面部で膨
    出されてなる第2の膨出部が設けられていることを特徴
    とする磁石発電機の回転子。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の磁石発電機の回転子の
    製造方法において、 ヨークの閉塞壁に予め開設された透孔に治具が閉塞壁外
    側から挿入される工程と、 ヨーク内に複数個のマグネットが収容されて前記治具の
    上にそれぞれ載せられる工程と、 前記マグネット群の内側にカバーが挿入されることによ
    り、前記カバーの筒壁が径方向外向きに膨出されて、隣
    合うマグネット間の空間に第1の膨出部が形成される工
    程と、 前記カバーの内側鍔部がヨークの閉塞壁に固定される工
    程と、 前記カバーの筒壁をヨーク閉塞壁とマグネットのヨーク
    閉塞面側端面との間の空間に外向きに少なくとも各マグ
    ネットのヨーク閉塞壁側端面部で膨出されて第2の膨出
    部が形成される工程と、を備えていることを特徴とする
    磁石発電機の回転子の製造方法。
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