JPH074115U - 車両用空調装置 - Google Patents

車両用空調装置

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JPH074115U
JPH074115U JP8504392U JP8504392U JPH074115U JP H074115 U JPH074115 U JP H074115U JP 8504392 U JP8504392 U JP 8504392U JP 8504392 U JP8504392 U JP 8504392U JP H074115 U JPH074115 U JP H074115U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 バスのような車両において、客席の空間と運
転席付近の空間とのそれぞれの空調装置を、独立に自動
制御可能とする。 【構成】 客席の空間2の空調装置として天井部分のエ
アコンユニット3と、床部分のリアヒータ6があり、ま
た、運転席付近の空間8の空調装置としてフロントヒー
タ9が設けられている。それぞれの空間には第1の内気
センサ20と第2の内気センサ21が取り付けられ、そ
れらの検出値と設定温度との偏差によって各空調ユニッ
トの吹出モードや風量、温度が自動制御される。そし
て、フロントヒータ9が運転されないときは、その暖気
による影響がないので、第1の内気センサ20が客席の
空間2の温度検出のために利用される。その間は第2の
内気センサ21は休止してセンサのファンモータも停止
されるので、ファンモータの耐久性が向上する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、例えばバスのように居住空間の大きい車両において、居住空間の大 部分を占める客席の空間と、それに対して間に隔壁を設けていない運転席付近の 空間とのそれぞれの空調装置を、乗客及び運転者の双方が共に快適な状態になる ように、互いに独立に自動制御可能とした車両用空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、乗用車のように居住空間(車室)が比較的小さい車両においては、所謂 オートエアコンが一般的に使用されるようになって来た。オートエアコンは人手 による煩雑な調整を要することなく、電子式制御装置が空調装置を自動制御する ことにより、車室内温度や外部の温度等に応じて常に快適な車室内の雰囲気が得 られるように、吹出モードの切り換えや、風量或いは吹出温度の調節等が自動的 に行われるようになっている。
【0003】 図4に示すように、バスのような居住空間の大きい車両の車体1においては、 居住空間の大部分を占める客席の空間2の空調システムは、例えば、車体1の後 部の天井部分4内にエアコンユニット3としてエバポレータやブロワ等を設け、 図示しないエンジンによって駆動されるコンプレッサによって冷媒を圧縮し、コ ンデンサによって凝縮させた後、液状となった冷媒を膨張弁を通過させてエバポ レータにおいて膨張気化させることによって、エバポレータを通過する空気を冷 却するとか、それに加えて、エバポレータの下流側に直列に併設されるリヒート コアに、温水としてエンジンの冷却水を循環させることによって空気を加熱し、 それらによって空気を適当な温度、湿度に調整してから、天井ダクト5の吹出口 を通して下方の客席空間2へ適当な風速で吹き出す。(これを「天井吹出モード 」或いは「Faceモード」という。)
【0004】 一方、床部分に設けられるリアヒータ6の熱交換器にやはり温水を流して空気 を適当な温度まで加熱し、足元のダクト7の吹出口から乗客の足元へ吹き出すよ うにして(これを「足元吹出モード」或いは「Footモード」という。)、天 井風量と足元風量を調整することにより、できるだけ客席空間2内のどこでも一 様な空気の温度と風速が得られようにするのが普通である。(なお、天井吹出モ ードと足元吹出モードとを適当な割合で併用する場合を「バイレベルモード」又 は「B/Lモード」という。)
【0005】 また、運転席付近の空間8は、運転者の運転操作等に最適の雰囲気であること が必要であるから、最適の空気の温度や風速等が客席空間2のそれらに対して異 なってくる場合があり得るので、運転席付近の空間8に対して特別にフロントヒ ータ9を設けることにより、できるだけ客席空間2とは無関係に、吹出モードや 吹き出す空気の温度、風速等を独立に調整することができるようにしている。そ のために、フロントヒータ9は運転席の前のインストルメントパネルの内部に構 成され、温水を循環させる熱交換器やブロワユニット等を備えていると共に、一 部外気の混入も可能にすることにより、運転者にとって最適の温度、風速となる ように混合調整された空気を、切り換え得る上部及び下部の幾つかの吹出口から 運転席付近の空間8内へ吹き出すようになっている。
【0006】 このように、客席の空間2と運転席付近の空間8とは互いに独立に空調装置の 調整が可能であることが望ましいが、バスのように空間2と空間8との間に隔壁 が設けられない構造では、2つの領域の間で多少とも双方の空気の交流が起こる ことは避けられない。それでも双方の空調制御が手動で行われるマニュアル制御 の場合は、客席と運転席に対してそれぞれ適当に吹出モードや吹出口の方向、吹 き出す空気の温度、風量等を手動調整することにより快適な状態を探し出すこと ができる。
【0007】 また、バス等の空調制御を乗用車で行われているように自動化して、所謂オー トエアコンとする場合でも、図4の従来例のように車体1の後部天井部分にエア コンユニット3が収容されている構造ならば、全体の空気の流れが斜線矢印で示 したように生じるので、客席空間2の温度を検出するルーム内気センサ10を、 運転席付近の空間8から遠く離れた後部のエアコンユニット3の吸込口付近に取 り付けると共に、運転席付近の温度を検出するフロント内気センサ11を、空間 8内のフロントヒータ9の吸込口付近等に取り付けることによって、互いに相手 方の空間の気温によって、内気センサ10及び11の検出値が、相手方の温度の 影響をあまり受けないようにすることができる。
【0008】
【考案が解決しようとする課題】
最近は、車体1の美観を高めるために、また、車体1の後部に設けられるエン ジンの重量とのバランスをとるために、エアコンユニット3を図5のように車体 1の前部の天井部分12に設けることが多くなった。この場合には、エアコンユ ニット3の吸込口が運転席付近の空間8の上部に開口することになるので、ルー ム内気センサ10をその吸込口付近に設けることになるが、全体の空気の流れが 図5の斜線矢印のようになるので、ルーム内気センサ10がフロントヒータ9の 吹き出す空気に曝されることになり、運転席付近の空間8の温度が客席の空間2 の温度として検知される結果、自動制御とした場合には、例えば客席の空間2の 温度を過度に低下させるような制御が行われる可能性があり、乗客にとって快適 な温度、風速等の雰囲気が形成されないという恐れがある。
【0009】 もっとも、図5のような空調装置の構成であっても、ルーム内気センサ10を 運転席付近の空間8から遠く離れた車両の後部の適所に設ければ、フロントヒー タ9の影響を受けることを回避することができるが、こんどは、エアコンユニッ ト3とルーム内気センサ10の間の距離が遠くなってセンサの配線が長くなるだ けでなく、ルーム内気センサ10をエアコンユニット3の吸込口に設けることが できなくなるから、客席の空間2内の空気が淀むことなくルーム内気センサ10 の周囲に流れるように、ルーム内気センサ10に設けられたファンをモータによ って絶えず回転させておく必要が生じ、センサのファンモータが長時間の連続運 転の間に故障するという懸念がある。
【0010】 従って、本考案は、主としてバスのように居住空間が大きくて客席の空間と運 転席付近の空間との間に隔壁がなく、しかも双方の空間の空調装置を独立に自動 制御する場合に考えられる上記のような問題を解決して、センサのファンモータ の駆動時間を最小限度に抑えて故障を回避し、可及的簡単な手段によって、大多 数の乗員と運転者の双方にとってそれぞれ快適な雰囲気が常に安定して得られる ように、リア側の空調装置とフロント側の空調装置とを互いに独立に自動制御可 能とすることを考案の解決課題とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本考案は、前記の課題を解決するための手段として、少なくとも冷房能力を有 しバスのように居住空間の大きい車両の前部天井部分に収納されて車室内空気の 吸込口が前記前部天井部分に設けられ、客席の空間の上部から空気を吹き出すこ とができるエアコンユニットと、前記客席の足元から空気を吹き出すことができ るリアヒータと、前記車両の前端の運転席付近の空間へ上部及び下部の吹出口か ら空気を吹き出すことができるフロントヒータと、前記運転席付近の空間の上部 における前記エアコンユニットへの吸込口付近に取り付けられる第1の内気セン サと、前記客席の空間内に取り付けられる第2の内気センサと、前記2つの内気 センサの検出値によって前記エアコンユニット、リアヒータ、及びフロントヒー タを自動制御運転することができる制御装置とからなり、前記制御装置は前記フ ロントヒータが運転されない状態において前記第1の内気センサと前記第2の内 気センサのうちのいずれか一方のみの検出値を制御のために使用すると共に、他 方の検出値を使用しないセンサに付設されたファンモータを停止させるように構 成されていることを特徴とする車両用空調装置を提供する。
【0012】
【作用】
少なくとも冷房能力を有するエアコンユニットは、客席の空間の上部から冷気 等を下方に向かって吹き出すことができ、リアヒータは客席の空間の下部から足 元に向かって暖気等を吹き出すことができるので、それらの選択的運転によって 吹出モードを変更したり、吹き出す空気の風量及び温度を調整することにより、 客席の空間の温度及び風速等が乗客にとって快適となるように制御するが、これ らの制御は手動的に行い得るばかりでなく、制御装置によって自動的にも行われ る。また、運転席付近の空間に対するフロントヒータによる空気の吹き出しも、 上下の吹出口の選択や吹き出す空気の風量や温度を調整することによって、客席 の空間の空調制御とは実質的に無関係に、運転者や助手等が快適と感じるように 制御することができるが、この制御も手動的に行い得るだけでなく、制御装置に よって自動的にも行うことができる。
【0013】 客席の空間及び運転席付近の空間の少なくとも一方の空調制御が、制御装置に よって自動的に行われるとき、制御装置は第1の内気センサ又は第2の内気セン サの検出値を使用して各空調ユニットの吹出モードを自動的に選定し、且つそれ らが吹き出す空気の風量や温度を決定するが、フロントヒータが運転されない状 態においては、フロントヒータが吹き出す暖気等の影響がないため、制御装置は 第1の内気センサと第2の内気センサのうちのいずれか一方のみ、即ち、運転さ れているいずれかの空調ユニットの吸込口の付近に取り付けられた内気センサを 選択して、その検出値を制御のために使用することにより、吸込口における空気 流を利用して平均的な温度を検出可能にすると共に、検出値を使用しない他方の センサに付設されたファンモータを停止させることによって、ファンモータの駆 動時間を可及的に減少させ、その耐久性を向上させる。
【0014】
【実施例】
本考案の実施例として、図1にバスのような居住空間の大きい車体1における 空調装置のレイアウトを略示する。本考案は空調装置の基本的構造に特徴を有す る訳ではないので、それらについての詳細な説明は省略するが、実施例における 車体1の前部の天井部分12には、図2に示すようなエアコンユニット3が収納 されており、エアコンユニット3の冷凍回路を循環する冷媒は、図示しないエン ジンの近傍に設けられたコンプレッサによって圧縮され、床下のコンデンシング ユニットによって外気中に放熱して凝縮液化し、天井のエアコンユニット3にお いて図示しない膨張弁のような絞りを経てエバポレータ13内で膨張して、エバ ポレータ13を通過する空気を冷却し、冷却した空気を客席の空間2及び運転席 付近の空間8に向かって、天井ダクト5の吹出口から下方へ吹き出すようになっ ている。客席の空間2及び運転席付近の空間8内の空気は、エアインレットダク ト14から天井内の空間12内へ流出し、モータによって駆動されるブロワ15 によってエバポレータ13を通過するように圧送され、冷却・除湿される。天井 部分12の空間への前方開口16に続いて外気ダンパ17が設けられており、そ れが開いているときには、外気が取り入れられて内気と共にブロワ15からエバ ポレータ13に送られる。
【0015】 この実施例におけるエアコンユニット3は、単なるクーラ(冷房装置)ではな く、図2に示すようにエバポレータ13の空気の流れの下流側に熱交換器である 流水式のリヒートコア18が設けられており、リヒートコア18には図示しない 温水(エンジンの冷却水)の配管が接続されていて、その配管に挿入される流量 調整が可能な電磁弁のような制御弁が開いたときに温水がリヒートコア18に流 入することができるようになっており、エバポレータ13によって冷却されて水 分を除去された空気が再び加熱されることになるので、それによって通過する空 気の除湿を行うことができる。言うまでもなく、コンプレッサが停止していて冷 媒が循環していないときにリヒートコア18に温水を流通させると、エアコンユ ニット3はヒータ(暖房装置)として作動する。
【0016】 車室内の空気はエアインレットダクト14に設けられた内気ダンパ19が開い ているときにエアインレットダクト14から車体1の前部の天井部分12内に吸 入され、外気ダンパ17が開いているときは前方開口16から取り入れられた外 気を混入された後、ブロワ15によって天井部のエアコンユニット3内に吸引さ れて冷却され、或いは除湿又は加熱される等の処理を受けて温度及び湿度が調整 され、天井ダクト5を通って後方に導かれて、各座席の上方に開口する多数の天 井吹出口から分流して客席の空間2内へ吹き出すことになる。ブロワ15を駆動 するモータは図示しない制御装置によって多段階に回転速度を調整することがで き、それによって天井ダクト5の吹出口から吹き出す風量を自由に調整すること ができる。また、リヒートコア18を流れる温水の流量も、通路に挿入された制 御弁の開度を制御装置の信号によって調整することによって多段階に変更するこ とができるので、天井ダクト5の吹出口から吹き出す空気の温度を自動的に調整 することができる。
【0017】 また、バスの車体1の前方の天井部分に設けられたエアコンユニット3とは別 に、客席の空間2を暖房するためのリアヒータ6がバスの車体1の下部に設けら れる。図1に示す実施例では、リアヒータ6はバスの車体1の比較的前方の床部 分の内部に収納されており、それから床に沿って後方に向かって延びるリアヒー タ専用の足元のダクト7に接続されている。図示されていないが、リアヒータ6 は車室内から空気を吸い込む開口(吸込口)と、吸入及び吹き出しのためのモー タ付きブロワと、温水(エンジンの冷却水)を循環させる熱交換器としてのヒー タコアと、温水の流路を開閉する電磁弁等を備えている。また、リアヒータ6用 のダクト7にも、可及的多数の吹出口が乗客の足元に向かって温風を吹き出すこ とができるように開口している。従って、制御装置の信号によって電磁弁を開閉 することによってリアヒータ6に温水を流すか否かを選択し、また制御装置によ ってブロワを駆動するモータの回転速度を変化させてダクト7に流す風量を調整 することにより、乗員の足元の吹出口から吹き出す温風の風量と温度を自動的に 調整することができる。
【0018】 更に、主として運転席付近(助手席等を含む)に対する暖房及び外気取り入れ のために、バスの車体1の前方端部におけるインストルメントパネル付近にフロ ントヒータ9が設けられる。フロントヒータ9は、やはり温水(エンジンの冷却 水)が循環することによって通過する空気を加熱する熱交換器としてのヒータユ ニットと、回転速度を調整することができるモータ付きのブロワユニットと、そ の吸入口へ運転席付近の空間8の空気に加えて外気を吸入させる外気取入口と、 ダクトの末端開口としての幾つかの吹出口等をインストルメントパネル付近に備 えている。
【0019】 フロントヒータ9からの吹出口には、運転者の顔面付近に向かって空気を吹き 出すことができるセンターレジスタやサイドレジスタ、或いはフロントグラスの 内部に沿って空気を上方へ吹き出すことができるフロントデフロスタやサイドデ フロスタ等の比較的上部の吹出口と、運転者の足元に向かって空気を吹き出すこ とができる比較的下部の吹出口とがあり、それらの単独又は組合せによって、前 述のようにエアコンユニット3とリアヒータ6による客席の空間2内への3種の 吹出モード(これらを「ルームモード」という)、即ち天井吹出モード、足元吹 出モード、及びバイレベルモードと同様に、運転席付近の空間8に対してもフロ ントヒータ9によって3種の吹出モードを選択することができ、更にフロント側 独特のモードとして、フロントグラスへの着霜を防止するための「デフロストモ ード」(或いは「DEFモード」という)や「フットデフロストモード」(或い は「F/Dモード」という)の合計5種の吹出モードも選択することができる。 (これらのフロント側の吹出モードを「フロントモード」という。)
【0020】 運転席付近の上部(便宜的に天井側という)及び下部(足元という)の各吹出 口からの空気は、それぞれ制御装置によってダンパーを開閉することにより個別 に吹き出したり止めたりすることができ、吹き出す空気に外気を混入する場合に は、外気の混入の割合も段階的に調整することができる。その目的でソレノイド 等のアクチュエータによって駆動される幾つかのダンパーがフロントヒータ9の ダクトの途中に設けられる。天井側及び足元側の吹出口から吹き出すフロントヒ ータ9の風量は、制御装置によりブロワユニットのモータの回転速度を変化させ ることによって自動的に調整することができ、温風の温度はヒータユニットへ供 給する温水の流量を、やはり制御装置によって作動する電磁弁により変化させる ことによって調整することができる。
【0021】 客席の空間2及び運転席付近の空間8の温度を検出するために、図示実施例で は運転席付近の空間8の天井側に開口しているエアコンユニット3への吸込口、 即ちエアインレットダクト14の付近に第1の内気センサ20が取り付けられ、 客席の空間2にあるリアヒータ6の吸込口付近に第2の内気センサ21が取り付 けられる。第1の内気センサ20及び第2の内気センサ21は、いずれも検出値 を図示しない電子式制御装置に入力し、制御装置がエアコンユニット3、リアヒ ータ6、及びフロントヒータ9を自動的に運転制御する。
【0022】 第1の内気センサ20及び第2の内気センサ21は、周囲に空気の淀みを形成 しないように、それぞれ小型のモータによって駆動される専用のファンを備えて おり、それによって周囲の空気の平均的な温度を検出することができるが、エア コンユニット3或いはリアヒータ6がそれぞれ自動的に運転されているときは、 それらの吸込口には吸込空気流が生じており、空気が淀む恐れがないので、運転 されているものの吸込口に付設されているセンサ20又は21のファンモータを 制御装置により自動的に停止するように構成することによって、ファンの無用な 運転を防止し、モータの耐久性を高めるようにしている。
【0023】 以上のように、図示実施例のバスの車体1内には、天井ダクト5の吹出口を有 するエアコンユニット3と、足元のダクト7の吹出口を有するリアヒータ6と、 天井側及び足元側の吹出口を備えるフロントヒータ9という3種類の空調ユニッ トが設けられているが、これらの全部或いは一部が自動制御運転とされるときに は、或る場合には第1の内気センサ20又は第2の内気センサ21のうちの一方 のみの検出値によって、また他の場合には第1の内気センサ20及び第2の内気 センサ21の双方の検出値によって、バスのような居住空間の大きい車両の空調 装置が自動制御運転されるようになっている。
【0024】 エアコンユニット3及びリアヒータ6による客席の空間2のルームモードと、 フロントヒータ9による運転席付近の空間8のフロントモードとの組み合わせに 対する、内気センサ20及び21の使い分けのパターンを下記の表1に示す。内 気センサ20及び21の使い分けは制御装置によって行われるが、それは客席の 空間2及び運転席付近の空間8のそれぞれの空調制御が自動制御(オート)とさ れるかマニュアル制御とされるかという区分、及び、マニュアル制御の場合は手 動で選択されるが、自動制御の場合は検出される各空間の温度と設定値との偏差 の大きさに応じて制御装置によって自動的に決定されるルームモード及びフロン トモードの各区分に対応して、例えば表1に示すように予め設定されている。制 御装置はその時点において選定されているルームモード及びフロントモードの組 み合わせによって、制御装置におけるROMに収納されている表1のようなテー ブルを参照して、第1の内気センサ20の検出値のみ、或いは第1の内気センサ 20と第2の内気センサ21の双方の検出値を選択して制御装置のCPUに読み 込むことになる。
【0025】 表1において横に並んでいる4つの枠は、エアコンユニット3とリアヒータ6 の組み合わせによって選択され得るルームモードを示す。これらのモードはエア コンユニット3及びリアヒータ6が自動制御(オート)で運転される際に、温度 偏差YRの大きさに応じて自動的に選択される。即ち、客席の空間2の温度が設 定温度よりも大幅に高いときは、温度偏差YRが正の大きな値になり、天井吹出 モードが自動的に選択されて、エアコンユニット3のみが冷房装置として駆動さ れるし、客席の空間2の温度が設定温度よりも大幅に低いときは、温度偏差YR が負の大きな値になり、足元吹出モードが自動的に選択されてリアヒータ6のみ が駆動され、乗客の足元から暖気を吹き出して温めることになる。また、客席の 空間2の温度が設定温度に比較的近いときは、自動的にバイレベルモードが選択 されて、エアコンユニット3とリアヒータ6の双方が同時に駆動され、検出値が 設定温度に対して正か負か等によって、上下からそれぞれ適当な温度の空気を吹 き出すことになるが、風量はどちらも概ね少ない。また、OFFはエアコンユニ ット3及びリアヒータ6の双方の駆動が停止されることを意味する。
【0026】 また、表1において縦に並んでいる6つの枠は、フロントヒータ9において選 択され得るフロントモードを示している。下の4つは前述のルームモードの場合 と同様に考えてよく、自動制御運転の際には、運転席付近の空間8の温度と設定 温度との偏差YFの大きさ(正か負かを含めて)によっていずれか1つが自動的 に選択される。また、OFFはフロントヒータ9の運転の停止を意味している。 なお、上の2つはフロントモード特有のデフロストモード(DEF)とフットデ フロストモード(F/D)を示すものである。これらは、いずれもフロントヒー タ9のマニュアル制御の場合にのみ手動によって選択され得る。
【0027】 表1中の枠内において、記号1は第1の内気センサ20の検出値が制御装置の 有効な入力信号として使用される場合を示し、記号2は第2の内気センサ21の 検出値が制御装置の有効な入力信号として使用される場合を示している。また、 記号0は、その位置にあるべき1又は2のセンサの検出値を使用する必要がない ことを意味している。この場合、記号/の左側に記載されているセンサは、フロ ント側の運転席付近の空間8の制御、即ちフロントヒータ9の自動制御に使用さ れ、記号/の右側に記載されているセンサは、リア側の客席の空間2の制御、即 ちエアコンユニット3とリアヒータ6の自動制御に使用されるセンサを示してい る。なお、記号/の右側に1(2)と記載されているのは、1又は2のいずれか のセンサが使用されることを示す。また、表1において枠の中が網掛けになって いる部分は、自動制御(オート)によって実現することができる組み合わせの領 域であることを示している。
【0028】
【表1】
【0029】 表1の最下段は、フロントモードがOFFであるから、フロントヒータ9の運 転が停止される状態を示しているが、この場合は当然、第1の内気センサ20の 検出値をフロント側の制御のために使用する必要がなくなるし、フロントヒータ 9から吹き出す暖気が第1の内気センサ20の検出値に影響を与える恐れがない ので、第1の内気センサ20を客席の空間2の温度の検出のために使用すること ができる。この場合、運転席付近の空間8の温度は客席の空間2の温度と同時に 検出されることになる。
【0030】 ルームモードが天井吹出モードで、しかもフロントモードがOFFという組み 合わせは、エアコンユニット3を冷房装置とする運転状態であるから、夏を中心 として使用する期間が比較的長いが、この場合は、客席の空間2の温度の検出の ためにはリアヒータ6の吸込口に取り付けられた第2の内気センサ21を使用す るよりも、第1の内気センサ20を使用する方が有利である。何故ならば、第1 の内気センサ20はエアコンユニット3の吸込口に取り付けられているので、セ ンサ用のファンモータを駆動しなくても、第1の内気センサ20の周囲には吸い 込み空気流があるので、空気が淀むことはなく、正確に客席の空間2の平均的温 度を検出することができるのに反して、リアヒータ6が運転されていないので第 2の内気センサ21の周囲には吸い込み空気流が存在せず、空気が淀みがちにな るので、センサのファンモータを駆動しなければ正確に客席の空間2内の温度を 検出することができないからである。
【0031】 同じ理由で、ルームモードがバイレベルモードであって、しかもフロントモー ドがOFFの場合でも、センサは第1の内気センサ20のみを使用し、第2の内 気センサ21を使用しないというセンサの選択を行うことができる。但し、この 場合は、ルームモードがバイレベルモードであってリアヒータ6の吸込口に吸い 込み空気流が存在するから、第1の内気センサ20の検出値を使用しないで、第 2の内気センサ21の検出値のみを使用するようにしてもよい。その意味で表1 の該当する枠には0/1(2)と記載している。
【0032】 言うまでもなく、ルームモードが足元吹出モードであって、しかもフロントモ ードがOFFの場合には、客席の空間2の温度は、運転席付近の空間8の温度を も含めて第2の内気センサ21のみを使用することによって検出することにし、 第1の内気センサ20の検出値を使用しないで、当然そのファンモータも制御装 置によって停止させる。この場合も、リアヒータ6の吸込口には吸い込み空気流 があるから、第2の内気センサ21のファンモータを駆動する必要がない。
【0033】 このように、フロントヒータ9の運転が停止しているフロントモードOFFの 状態では、3つのルームモードのいずれの場合でも、第1の内気センサ20又は 第2の内気センサ21のうちの有利な方の1個のみを使用し、他方を休止させる ことによって、センサに付設されたファンモータの駆動時間を短縮し、耐久性及 びシステム全体の信頼性を高めることができる。
【0034】 表1の右端の縦の列は、ルームモードがOFFの状態を示すものであるから、 客席の空間2の側のエアコンユニット3とリアヒータ6が共に運転されない状態 である。この状態で運転席付近の空間8の側のフロントヒータ9のみが自動制御 によって運転される場合には、3つのフロントモードとも第1の内気センサ20 の検出値のみによって制御が行われて、第2の内気センサ21は使用されないか ら、そのファンモータは制御装置によって停止されることになる。
【0035】 前述の説明と多少重複する部分があるが、図3は本考案の車両用空調装置にお ける基本的な制御の手順をまとめて示したものである。これらの制御は、例えば 運転席のインストルメントパネルの内部に収容された図示しない電子式制御装置 において実行される。言うまでもなく3つの空調ユニット、即ちエアコンユニッ ト3、リアヒータ6、及びフロントヒータ9はいずれも手動的に自由にマニュア ル操作することができるものであるが、例えば客席の空間2の側のエアコンユニ ット3とリアヒータ6を自動制御運転するために、インストルメントパネルにお いて「オート」を選択した場合には、第1の内気センサ20又は第2の内気セン サ21のうちで、前述のようにして表1によって選択された方のセンサの検出値 が制御装置のCPUに読み込まれ、それと予め設定されている設定温度との偏差 YRが算出されて、偏差YRの大きさ(正負を含む)に応じて、3つのルームモ ードのうちの1つが自動的に選択される。そして、温度偏差YRを零とするため に、エアコンユニット3又はリアヒータ6からそれぞれ吹き出すべき空気の風量 と温度が制御装置において算出され、それぞれの空調ユニットに対して制御信号 が出力されて、それらを駆動することになる。
【0036】 同じようにして、運転席付近の空間8に対して、フロントヒータ9の自動制御 を行うこともできる。この場合には、図3の下段に示すように、第1の内気セン サ20の検出値が有効な入力信号として制御装置のCPUに読み込まれることに なる。制御装置はその信号と設定温度との偏差YFを算出し、それによってフロ ントヒーター9の吹出モードを自動的に選定すると共に、吹き出すべき空気の風 量と温度を算出して、フロントヒータ9を駆動することになる。この場合の設定 温度は、温度偏差YRを算出するための設定温度と同じ値であってもよいが、そ れに対して一律に例えば2°Cというような一定の値を加えたようなものであっ てもよい。
【0037】 なお、例えばルームモードが天井吹出モードとなっている状態において、運転 を停止していたフロントヒータ9の運転を手動で開始したようなときは、それま で客席の空間2の温度を検出するために使用されていた第1の内気センサ20が 運転席付近の空間8の温度を検出するために使用されるようになり、その代わり に第2の内気センサ21が客席の空間2のために使用されるように切り換わるこ とになるが、そのようなセンサの切り換えが直ちに行われると、制御装置による 自動的なモード選択が不安定なハンチング状態に陥る可能性がある。これは、第 2の内気センサ21のファンモータは回転を開始しても、すぐには客席の空間2 内の空気の温度の平均値を検出することができる状態にならないためである。そ こで、センサの切り換えは、吹出モードの切り換えが行われて後、多少の時間遅 れをおいてから実施した方がよい場合もある。
【0038】
【考案の効果】
本考案によれば、バスのように居住空間が大きく、しかも客席の空間と運転席 付近の空間との間に隔壁がない場合でも、1個又は2個の内気センサによって双 方の空間の空調装置を実質的に独立に自動制御することが可能になり、しかも有 利なセンサを選択して使用することにより、実際に使用されるセンサの数を減少 させ、それに伴ってセンサのファンモータの駆動時間を最小限度に抑えて、その 故障を回避することができる。その結果、可及的簡単な手段によって、リア側の 空調装置とフロント側の空調装置とを互いに独立に自動制御することが可能にな り、バスのような居住空間の大きい車両においても、空調装置を人手によらずに 自動制御によって運転することができ、大多数の乗員と運転者の双方にとってそ れぞれ快適な雰囲気が常に安定して得られるばかりか、センサの耐久性やシステ ム全体の信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例を略示するバスの断面図であ
る。
【図2】図1の一部を拡大して示す断面図である。
【図3】制御の手順を略示するブロック図である。
【図4】従来例を略示するバスの断面図である。
【図5】他の従来例を略示するバスの断面図である。
【符号の説明】
1…バスの車体 2…客席の空間2 3…エアコンユニット 5…天井ダクト 6…リアヒータ 7…足元のダクト 8…運転席付近の空間 9…フロントヒータ 10…ルーム内気センサ 11…フロント内気センサ 12…車体の前部の天井部分 13…エバポレータ 14…エアインレットダクト 15…ブロワ 18…リヒートコア 20…第1の内気センサ 21…第2の内気センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 毛利 雅弘 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内 (72)考案者 田渕 貴一 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内 (72)考案者 加藤 行志 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)考案者 伴 律文 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)考案者 山本 耕嗣 愛知県豊田市吉原町上藤池25番地 アラコ 株式会社内

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも冷房能力を有しバスのように
    居住空間の大きい車両の前部天井部分に収納されて車室
    内空気の吸込口が前記前部天井部分に設けられ、客席の
    空間の上部から空気を吹き出すことができるエアコンユ
    ニットと、前記客席の足元から空気を吹き出すことがで
    きるリアヒータと、前記車両の前端の運転席付近の空間
    へ上部及び下部の吹出口から空気を吹き出すことができ
    るフロントヒータと、前記運転席付近の空間の上部にお
    ける前記エアコンユニットへの吸込口付近に取り付けら
    れる第1の内気センサと、前記客席の空間内に取り付け
    られる第2の内気センサと、前記2つの内気センサの検
    出値によって前記エアコンユニット、リアヒータ、及び
    フロントヒータを自動制御運転することができる制御装
    置とからなり、前記制御装置は前記フロントヒータが運
    転されない状態において前記第1の内気センサと前記第
    2の内気センサのうちのいずれか一方のみの検出値を制
    御のために使用すると共に、他方の検出値を使用しない
    センサに付設されたファンモータを停止させるように構
    成されていることを特徴とする車両用空調装置。
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