JPH0741930B2 - 迅速酸素吸収性容器蓋 - Google Patents

迅速酸素吸収性容器蓋

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JPH0741930B2
JPH0741930B2 JP3088592A JP8859291A JPH0741930B2 JP H0741930 B2 JPH0741930 B2 JP H0741930B2 JP 3088592 A JP3088592 A JP 3088592A JP 8859291 A JP8859291 A JP 8859291A JP H0741930 B2 JPH0741930 B2 JP H0741930B2
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oxygen
liner
container lid
resin
container
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正泰 小山
泰宏 小田
裕昭 菊地
宗機 山田
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Toyo Seikan Kaisha Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ボトルその他の容器用
の蓋に関するものであり、より詳細には容器内を密封し
たときに、容器内のヘッドスペース等の酸素を速やかに
除去することのできる迅速酸素吸収性容器蓋に関する。
【0002】
【従来の技術】罐詰、ビン詰の製造においては、ビンの
上部に、ヘッドスペースと呼ばれる空間が必ず存在す
る。打栓後のヘッドスペースには酸素が残存し、酸素は
内容物を酸化劣化し、更にはカビ、酵母、細菌等の増殖
を生じさせる原因となる。ヘッドスペースの酸素を除去
するために、内容物を充填したビンに水蒸気や窒素ガス
を吹付けて、ヘッドスペースの空気をこれらのガスで置
換し、次いで蓋の打栓を行うことが一般に知られてい
る。ガス置換は、ヘッドスペースの酸素をある程度除く
点で優れている。
【0003】しかしながら、ガス置換を行うにはガス代
や設備等に多額の費用を要する。また、ガス置換しても
ヘッドスペース中の酸素を完全に除去することは困難で
あり、まして内容物の溶存酸素迄を除去することは到底
困難である。実際に果実、果汁、野菜等の罐詰やビン詰
では、残留酸素による内容物の変質を生じることが知ら
れている。
【0004】一方、容器内残留酸素の影響を防止するた
めに、蓋などに酸素吸収剤を用いたものが既に知られて
いる。例えば、容器蓋が金属製殻体と、その内側に設け
られたガスケット或いはライナーとから成り、そのガス
ケット等の樹脂に酸素吸収剤を配合したものがある。容
器蓋ライナー或いはガスケット中の酸素吸収剤はヘッド
スペース或いは内容物中の残留酸素を最終的には吸収除
去する。
【0005】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、公知
の酸素吸収剤配合ライナーは、打栓直後から内容物滅菌
乃至殺菌処理までの間に容器内の残留酸素を香味等に影
響のない範囲に除去するという能力に関して未だ十分満
足し得るものではなかった。内容物の香味保持性(フレ
ーバー保持性)は加熱による滅菌乃至殺菌時の残留酸素
濃度と密接な関係のあることが知られており、したがっ
て、打栓後短時間の内に容器内の残留酸素を除去できる
ような酸素吸収剤配合ライナーが望まれている。
【0006】本発明の目的は、容器内の残留酸素を迅速
に除去でき、これにより内容物の劣化やフレーバーの低
下を防止し得る容器蓋を提供するにある。本発明の他の
目的は、構造が簡単で、製造も容易であり、しかも容器
内残留酸素の初期吸収速度に優れている酸素吸収剤配合
ライナー乃至パッキングを備えた容器蓋を提供するにあ
る。
【0007】
【問題点を解決するための手段】本発明は、容器蓋殻体
と該殻体の内面側に施された樹脂製ライナー乃至パッキ
ングとから成る容器蓋に関するが、樹脂製ライナー乃至
パッキングに脱酸素剤が配合された酸素吸収性樹脂組成
物の層を設けると共に、この酸素吸収性樹脂組成物層の
容器内面側の表面に、密封部よりも中心側のほぼ全面に
わたって微小凹凸を形成させる。酸素吸収性樹脂組成物
層の容器内面側の凹凸表面は容器内面側に露出していて
もよいが、薄い酸素透過性の溶出防止用樹脂膜で覆われ
ていることが好ましい。
【0008】
【作用】本発明者等は、密封後、ヘッドスペースの酸素
が高濃度で長時間存在していると、内容物の香気成分が
著しく低下し、又、単に通常のガス置換や脱気によって
ある程度の酸素をのぞいて密封しただけでは、その内容
物の品質に問題が生じることに基づいて、これらの問題
を解決すべく検討を行った結果、ライナー或いはパッキ
ングに設ける酸素吸収性樹脂層の容器内面側の表面を微
小凹凸面とすることにより、ヘッドスペースの酸素に対
する吸収速度を増大させ得ることを見いだした。
【0009】本発明において、酸素吸収性樹脂層による
ヘッドスペース内酸素の吸収は、この中に配合された脱
酸素剤と酸素との化学反応を通して生じるが、酸素の吸
収速度の律速条件としては、酸素吸収性樹脂層表面から
脱酸素剤までの拡散速度と、脱酸素剤と酸素との反応速
度との両方が考えられる。
【0010】本発明において、酸素吸収性樹脂層の容器
内面側表面に微小凹凸を形成させると、該表面の表面積
が、フラットである場合に比してかなり増大し、その結
果として、単位時間当たりの層内への酸素透過量が増大
する。また微小凹凸形成により表面積を増大させると、
この表面近傍に位置する脱酸素剤粒子の個数が飛躍的に
増大し、拡散速度が大きくなる。
【0011】また、脱酸素剤と酸素との化学反応には、
水の存在が重要であり、水の量が反応速度に大きな影響
を及ぼす。本発明に従い、酸素吸収性樹脂層の容器内面
側表面に微小凹凸を形成させ、その表面積を増大させる
と、脱酸素剤への水の透過も増大し、これにより脱酸素
剤と酸素との反応速度も増大することになる。
【0012】本発明によれば以上が総合されて、ヘッド
スペース中の酸素を迅速に吸収させることが可能とな
り、またこれによりヘッドスペース中の酸素分圧が小さ
くなるため、内容物中の溶存酸素がヘッドスペース中に
放出され、これにより内容物の劣化やオフフレーバーを
防止することが可能となる。
【0013】
【発明の好適態様】
[容器蓋殻体]本発明の容器蓋は、勿論ボトル状容器の
蓋ばかりではなく、各種缶蓋、ヒートシール蓋等のそれ
自体公知の各種容器蓋に広く適用することができるが、
ライナーまたはパッキングの容器内ヘッドスペースへの
露出面積が比較的小さい容器への蓋として特に有用であ
る。即ち、ボトル等の容器では容器口部が小口径に絞ら
れており、これに伴って容器蓋も小径になっており、従
ってライナーまたはパッキングのヘッドスペースへの露
出面積も小さいが、酸素吸収性樹脂層の容器内面側表面
に微小凹凸を形成させ、その表面積を増大させることに
より、ライナー乃至パッキング露出面積が小さくてもヘ
ッドスペース内酸素の吸収をよく行うことができる。
【0014】容器蓋殻体は、容器内外の圧力差にかかわ
らず、ライナーまたはパッキングによる密封が維持され
るような剛性を有するべきであり、各種金属、プラスチ
ック或いはこれらの複合体から形成されているのがよ
い。金属としては、アルミニウム、アルミニウム合金等
の軽金属板や、ブリキ、テインフリースチール等の表面
処理鋼板等が使用される。プラスチックとしては、高密
度ポリエチレン、ポリプロピレン、熱可塑性ポリエステ
ル、ポリアミド、スチレン系樹脂等が挙げられる。殻体
の形状は、王冠、スクリュウキャップ、ピルファープル
ーフ型キャップ、ラグキャップ、ホワイトキャップ、タ
ブ切り裂き開口型キャップ等であってよい。
【0015】[ライナー乃至パッキング]本発明におい
てライナーとは容器蓋殻体に施され、その場で密封に必
要な形状に成形されるものをいい、一方パッキングと
は、容器外で所定形状に成形され、その後容器に施され
るものを言う。これらのライナー乃至パッキングとは、
少なくとも密封部よりも中心側に酸素吸収性樹脂層を備
えているという条件を満足する限り、樹脂乃至ゴム、或
いはこれらと紙、金属箔等との積層体であることができ
る。ライナー乃至パッキングは、酸素吸収性樹脂単独か
ら形成されていてもよいし、酸素吸収性樹脂と他のライ
ナー乃至パッキング材との複合体からなっていてもよ
い。
【0016】酸素吸収性樹脂は、脱酸素剤を配合した樹
脂からなるが、樹脂に酸素酸化用触媒を配合して樹脂自
体が酸化されるようにした組成物であってもよい。一般
には前者が好適である。脱酸素剤には無機或いは有機の
脱酸素剤がある。また、脱酸素剤と共に、脱酸素作用を
促進する促進剤を添加してもよい。促進剤は、脱酸素に
直接寄与するもの、或いは酸素透過係数及び水分吸着量
を向上させる働きのあるものであってもよい。酸素吸収
性樹脂組成物は、20℃及び0%RHでの酸素透過係数
が10-12cc・cm/cm2・sec・cmHg よりも大きく且つ2
0℃純水中での水分吸着量が1%以上である樹脂に脱酸
素剤を配合してなる組成物であることが好ましい。脱酸
素剤の例は次の通りである。
【0017】(A)無機脱酸素剤 無機脱酸素剤としては、具体的には、鉄粉、或いはハロ
ゲン化金属で被覆した鉄粉等の鉄族金属や炭化鉄、ケイ
素鉄、その他の鉄族金属の合金;硫酸第1鉄、塩化第1
鉄、酸化第一鉄等の2価の鉄族金属の化合物等が挙げら
れ、これらは後述する促進剤と一緒に使用することが望
ましい。脱酸素剤としては水溶性或いは不溶性のもので
あってもよいが、内容物の香味保持性を損なわないため
には、水不溶性の脱酸素剤を用いることが望ましい。脱
酸素剤として顆粒状のものを樹脂中に混練りして、溶出
しないようにして用いるのもよい。
【0018】(B)有機脱酸素剤 有機脱酸素剤の具体的なものは、カテコール、ピロガロ
ール等の多価フェノール、またはフェノール系樹脂、ア
スコルビン酸、エリソルビン酸或いはトコフェノール
等、グルコース、フラクトース、ガラクトース、マルト
ーズ、セロビオース等の糖類及びそれらの酵素剤、ヒド
ロキノン、没食子酸等を用いることができる。内容物の
フレーバー(香味)保持性や内容物中への移行や溶出を
防止するという見地から、有機脱酸素剤は水に不溶でし
かも大きい分子量を有しているフェノール系樹脂が好ま
しい。
【0019】フェノール系樹脂としては、ヒドロキノン
・アルデヒド樹脂が好適である。この脱酸素剤は、分子
鎖上に酸素吸収性を有する基を備えた樹脂、特にフェノ
ール骨格中に1個の環当り複数個のフェノール性水酸基
を有するヒドロキノン・アルデヒド樹脂から成ってい
る。
【0020】脱酸素剤は、ライナー樹脂100重量部当
り、0.1乃至100重量部、特に5乃至50重量部の
量で配合する。即ち、脱酸素剤の量が上記範囲よりも少
ないときには、残存酸素の吸収効果が不満足であり、一
方上記範囲よりも多いときには、密封剤が本来有するク
ッション性、弾性、密封作用等が損われることになる。
【0021】本発明においては、脱酸素剤と共に、その
促進剤を添加することができる。促進剤は脱酸素剤に直
接作用する電子供与性物質と、脱酸素剤に水分を含ませ
る親水性物質とを用いることができる。このような促進
剤は、前述したライナーの形状に加えて更に、酸素の迅
速除去を達成するものである。
【0022】電子供与性物質は、脱酸素剤100重量部
当り1乃至1000重量部、特に10乃至200重量部
の範囲で配合するのが望ましい。電子供与性物質として
は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、
硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム等の一般的なものをも
ちいることができる。また、有機脱酸素剤、または無機
脱酸素剤は、通常アルカリ性側で著しく促進され、特に
固体塩基を促進剤として使用することが望ましい。固体
塩基としては、内容物のフレーバー保持性及び衛生的特
性の点で、水不溶性のものが望ましく、例えば酸化亜
鉛、炭酸マグネシウム、ケイ酸塩、陰イオン交換樹脂、
ゼオライト、メラミン樹脂、尿素樹脂、アンモニアレゾ
ール樹脂等が挙げられる。
【0023】親水性物質は、樹脂中に分散相として設
け、脱酸素剤の酸素吸収反応を促進させることができ
る。親水性とは、具体的には下記のものが挙げられる
が、これらはJIS規格試験法に基づいて20℃の純水
に24時間浸漬したときの重量増加率が1%以上、実施
においては特に2.0%以上であることが望ましい。
【0024】親水性物質は、溶解を抑制するために高分
子であることが望ましく、酸素吸収反応を促進させると
いう目的からは、ポリビニルアルコール、メチルセルロ
ース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセ
ルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメ
チルセルロース等のセルロース誘導体、ポリ酢酸ビニル
部分ケン化物、ポリビニルメチルエーテル、ポリアクリ
ル酸、ポリメタクリル酸、ビニルメチルエーテル/無水
マイレン酸共重合体、ポリビニルピロリドン、アクリル
アミド/アクリル酸塩共重合体、アクリルアミド/メチ
ルレンビスアクリルアミド共重合体部分ケン化物、酢酸
ビニル/アクリル酸メチル共重合体ケン化物、ポリオキ
シエチレン化合物、ポリスチレンスルホン酸、ポリ−2
−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、及
びゼラチン、変性カゼイン、変性デンプン、アルギン酸
ソーダ、トラガカントゴム等の親水性高分子化合物が好
ましい。これらの高分子は全体当たり1重量%以上、特
に10重量%以上配合することが望ましい。
【0025】脱酸素剤或いは更に促進剤等を配合する樹
脂は、任意の樹脂であってよいが、ライナー或いはパッ
キングを形成するのに普通に使用する樹脂であることが
望ましい。このような樹脂としては、適度の弾性とクッ
ション性とを有するそれ自体公知の樹脂乃至ゴム、特に
軟質塩化ビニル系樹脂、低密度ポリエチレン、エチレン
−酢酸ビニル共重合体、低密度ポリエチレン/エチレン
−ビニルアルコール共重合体ブレンド物、エチレン−プ
ロピレン共重合体、熱可塑性スチレン−ブタジエン−ス
チレンブロック共重合体、熱可塑性スチレン−イソプレ
ン−スチレン共重合体、エチレン−プロピレン・ゴム、
エチレン−プロピレン−非共役ジエン・ゴム、スチレン
−ブタジエン・ゴム、ニトリル−ブタジエン・ゴム、ブ
チルゴム、天然ゴム、ポリブタジエン、クロロプレン・
ゴム、ポリウレタン、アクリルゴム、シリコーン・ゴム
等が挙げられる。これらの内低密度ポリエチレンやエチ
レン/プロピレン系共重合体ゴム、塩化ビニル樹脂のプ
ラスチゾル、スチレン−ブタジエン・ゴム(SBR)特
にソルベントタイプのSBR等は密封性、加工性に優れ
るため容器ライナーに適している。これらは単独で用い
ることもまた必要に応じて二種類以上組み合わせて使用
することも可能である。これらの樹脂乃至エラストマー
中には、それ自体公知の樹脂配合剤、例えば、可塑剤、
充填剤、着色剤、熱安定剤、発泡剤、架橋剤等をそれ自
体公知の処方に従って配合することができる。
【0026】酸素吸収性樹脂層を備えたライナー或いは
パッキングの成形は、前述した微小凹凸面が形成される
ように任意の手段で行うことができる。例えば、樹脂の
溶融物やプラスチゾルを容器蓋殻体内に施し、型押しし
てライナーに成形する場合、即ちインシェルモールドの
場合には、型表面に微小凹凸が形成されている型を使用
し、型表面の微小凹凸がライナーの酸素吸収性樹脂層に
転写されるようにする。例えば、ポリエチレン等のライ
ナーの場合には、溶融樹脂組成物を容器蓋殻体の内面側
に施し、冷却された型で押圧して、微小凹凸面を含めて
所定のライナー形状に成形する。また軟質塩化ビニル樹
脂の場合には、プラスチゾルをスピンコート等の公知の
手段で施し、加熱された型で押圧して所定の形状に成形
する。また、パッキングの場合には、例えばエンボスロ
ール等を使用して、やはりパッキングの酸素吸収性樹脂
層表面に微小凹凸が形成されるようにする。ライナー乃
至パッキングの蓋殻体への接着は、それ自体公知の接着
プライマーや熱可塑性或いは熱硬化性の接着剤を使用し
て行うことができ、或いは格別の接着剤を使用しない熱
接着により行うことができる。
【0027】微小凹凸の程度は、既に指摘した通り表面
積の増大に関係するが、その実際の表面積をS、表面の
投影面積をSoとしたとき、S/Soの比が1.1以
上、特に2以上となるようなものがよい。Soは表面が
全く平滑であったときの面積を意味する。この表面が露
出しているときは、粗さ計で測定して最大高さ粗さ(H
max)が0.1mm以上、特に0.5mm以上の粗面
を有することが望ましい。微小凹凸のパターンは、任意
のものであってよく、例えば、同心円状、クロスハッチ
状、ランダム凹凸状等である。また断面形状は、V字
型、U字型、矩形状等である。
【0028】本発明において、ライナー或いはパッキン
グ中の酸素吸収性樹脂層は容器内面に露出していてもよ
いが、酸素と反応前或いは反応後の脱酸素剤が溶出する
可能性がある場合には、酸素吸収性樹脂層上に、溶出防
止用の薄いコート層を設けることが好ましい。勿論、こ
のコート層は、酸素或いは更に水蒸気を透過するもので
あるが、液体としての水は透過しないものである。好適
な被覆層は、酸素透過係数が10×10-12cc・cm/cm2・s
ec・cmHg 以上、特に50×10-12cc・cm/cm2・sec・cmHg
以上の樹脂が望ましい。好適な溶出防止用樹脂は、ポリ
エチレン、軟質塩化ビニル樹脂、各種合成ゴム、多孔質
ポリオレフィン、シリコーン樹脂等であり、これらは1
乃至50μm、特に2乃至20μmの厚みで設けるのが
よい。被覆膜は塗布液、フィルム等の形でライナー露出
面に設けることができる。
【0029】
【実施例】図1(A)(B)及び(C)は、本発明に係
る容器蓋の一例、即ちボトル等に用いられるキャップの
側面断面図、部分拡大断面図及びライナー側からみた平
面図である。図1に示す具体例において、この容器蓋1
は王冠であり、容器蓋殻体2と、殻体内に施された密封
用ライナー3とから成っている。殻体2は、金属等で一
体に形成された頂板部(センターパネル)4とその周囲
にあるスカート部5とから成っている。殻体2の内面の
容器口部と係合する部分には、密封用ライナー3が設け
られている。ライナー3は酸素吸収性樹脂組成物から成
っており、樹脂組成物中には脱酸素剤が配合され、分散
されている。
【0030】ライナー3は、容器口部と係合する周囲の
密封部6と密封部6よりも内側で且つ容器内面側に露出
するセンター部7とからなるが、本発明では、このセン
ター部7の表面に微小凹凸面8を形成させる。脱酸素剤
を配合した樹脂組成物は、ライナー全面に設けてもよい
し、ライナーの容器内面側に露出するセンター部7にの
み設けてもよい。ライナー全体を、脱酸素剤配合樹脂組
成物から形成させることは製造操作が簡単であるという
利点があり、一方センター部のみを脱酸素剤配合樹脂組
成物から形成させると、脱酸素剤による密封部への影響
がないという利点がそれぞれ得られる。ライナーの内、
容器口部と係合する密封部6は、センター部7よりも高
く盛り上がっており、この部分6で容器との間の確実な
密封が行われるようになっている。ライナーの密封部6
は、フラットな構造でもよいが、口部と係合する周状の
凹凸を設けてもよい。
【0031】図2の(A)及び(B)は、本発明に係る
容器蓋の別の態様を示す側面断面図及び一部拡大断面図
である。殻体、ライナー樹脂組成物、及びその形状は図
1のものとほぼ同様である。この具体例では、容器蓋1
の酸素吸収性樹脂組成物の微小凹凸面8は、溶出防止用
の薄い樹脂被覆層9で覆われている。
【0032】[実施例1]各種ライナー用樹脂組成物
に、所定の酸素吸収性組成物を配合した酸素吸収性ライ
ナー用樹脂組成物をアルミ製キャップシェル中に溶融押
し出しして、ライナー付きキャップを作製した。この
際、ライナー成形用ポンチ底部に同心円上に凹凸を設
け、ライナー表面積を増加させた。表面積は同円状凹凸
の間隔を変化させることによつて変化させた。これらキ
ャップを用いて、アスコルビン酸28mg%β−カロチ
ン0.5mg%を含む水溶液からなるオレンジジュース
擬似液の入った1.0リットルポリエチレンテレフタレ
ート(PET)製瓶を密封し、一定期間毎のボトル中の
酸素濃度変化を測定した。ヘッドスペース容量は、85
mlである。モデル液自身も酸素を消費して劣化してい
くが、本発明のライナー付キャップはボトル内の酸素濃
度減少が速く、かなりの酸素がライナー中に吸収される
ことが判る。又、表面積を大きくしていくことによって
酸素吸収スピードが速くなっていくことも明かであつ
た。性能結果を表1に記した。対照品として、底部が平
坦なポンチで成形されたライナー(S/SO=1)を有
するキャップの性能及び参考品として底部が平らでかつ
酸素吸収剤の入っていないライナーを有するキャップの
結果を併せて記した。
【0033】[実施例2]乳化重合型ポリ塩化ビニル樹
脂(PVC)と可塑剤を主成分とするプラスチゾル中に
酸素吸収性組成物を混合したものを、キャップ殻体上に
ライニングし、底部に凹凸のついたポンチで押さえなが
ら加熱ゲル化させた。更に、キャップ殻体のスカート部
内部に酸素吸収剤の入っていないゾルをドーナツ状にラ
イニングした。酸素吸収剤入りゾルは直径38mmの円形
になっている。対照品として、同様のものであるが、平
坦な底部を有するポンチを用いて作ったライナーを有す
るキャップ及び参考品として底部が平らでかつ酸素吸収
剤の入っていないライナーを有するキャップを作った。
これらキャップを用いてオレンジジュース擬似液の入っ
た1.0リットルのガラス瓶を密栓した。ヘッドスペー
ス残留量は55mlであつた。一定期間毎の容器ヘッチ
ドスペース中の酸素濃度を測定しその結果を表1に記し
た。表面積を増加させたものの酸素減少スピードは明ら
かに大となつていた。
【0034】[実施例3]実施例1に従ってポリエチレ
ン/ポリビニルアルコールから成る樹脂組成物に鉄系酸
素吸収性組成物を混合した材料により作られたライナー
剤(S/SO=2.0)を有するキャップの瓶口に接す
る部分にプラスチゾルコンパウンドをライニングしたも
のを作成した。実施例1と同様に性能を評価した。ライ
ニング剤を塗布することによってヘッドスペース側に露
出する酸素吸収性ライナーの表面積が減少したことによ
る性能の低下はあるものの対照品の、平坦なライナー表
面に有するものに比べて良い性能を示した。結果を表1
に記した。
【0035】[実施例4]実施例1に従って、鉄系酸素
吸収物を含んだ樹脂組成物より、表面に凹凸のあるライ
ナーを有するキャップを作成した。この表面にシリコー
ン樹脂溶液を塗布し乾燥固化させた。オレンジジュース
擬似液を充填したPET瓶に、このキャプで栓をし、一
定期間毎のヘッドスペース内の残存酸素を測定した。被
覆層を設けたことにより酸素吸収速度は減少するもの
の、対照品の表面に凹凸をつけていない同材質のキャッ
プに比べて明らかに優れていた。結果を表1に記した。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、容器蓋殻体と該殻体の
内面側に施された樹脂製ライナー乃至パッキングとから
成る容器蓋において、樹脂製ライナー乃至パッキングに
脱酸素剤が配合された酸素吸収性樹脂組成物の層を設け
ると共に、この酸素吸収性樹脂組成物層の容器内面側の
表面に、密封部よりも中心側のほぼ全面にわたって微小
凹凸を形成させることにより、容器内の残留酸素を迅速
に除去することができ、これにより内容物の残留酸素に
よる劣化やフレーバー特性の低下を低減させることがで
きた。
【0038】また、酸素吸収性樹脂組成物層の容器内面
側の凹凸表面上に、薄い酸素透過性の溶出防止用樹脂膜
を設けることにより、脱酸素剤が内容品中に溶出するの
を防止して、フレーバー保持性をいっそう向上させるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る容器蓋の一例を示し、(A)
(B)及び(C)はこの容器蓋の側面断面図、部分拡大
断面図及びライナー側からみた平面図である。
【図2】本発明に係る容器蓋の別の態様を示し、(A)
及び(B)はそれぞれ側面断面図及び一部拡大断面図で
ある。
【記号の説明】
1 容器蓋、2 容器蓋殻体、3 密封用ライナー、4
頂板部(センターパネル)、5 スカート部、6 ラ
イナー密封部、7 ライナーセンター部、8 表面の微
小凹凸面、9 溶出防止用の薄い樹脂被覆層。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器蓋殻体と該殻体の内面側に施された
    樹脂製ライナー乃至パッキングとから成る容器蓋におい
    て、樹脂製ライナー乃至パッキングには20℃及び0%
    RHでの酸素透過係数が10-12 cc・cm/cm2
    sec・cmHgよりも大きく且つ20℃純水中での水
    分吸着量が1%以上である熱成形性の樹脂乃至樹脂組成
    物中に脱酸素剤を配合した酸素吸収性樹脂組成物の層が
    設けられており、該酸素吸収性樹脂組成物層の容器内面
    側の表面には密封部よりも中心側のほぼ全面にわたって
    微小凹凸が形成されていることを特徴とする迅速酸素吸
    収性容器蓋。
  2. 【請求項2】 前記表面は粗さ計で測定して最大高さ粗
    さが0.1mm以上の粗面を有することを特徴とする請
    求項1記載の容器蓋。
  3. 【請求項3】 前記表面の表面積をS、表面の投影面積
    をS0 としたとき、S/S0 の比が1.1以上であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の容器蓋。
  4. 【請求項4】 酸素吸収性樹脂組成物層上に薄い酸素透
    過性の溶出防止用樹脂層を設けて成る請求項1記載の容
    器蓋。
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