JPH0742206B2 - コンタクトレンズ用剤組成物 - Google Patents

コンタクトレンズ用剤組成物

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JPH0742206B2
JPH0742206B2 JP2083835A JP8383590A JPH0742206B2 JP H0742206 B2 JPH0742206 B2 JP H0742206B2 JP 2083835 A JP2083835 A JP 2083835A JP 8383590 A JP8383590 A JP 8383590A JP H0742206 B2 JPH0742206 B2 JP H0742206B2
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洋子 板垣
正弘 平沼
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ホーヤ株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はコンタクトレンズ用剤組成物、これを用いるコ
ンタクトレンズの洗浄及び/又は殺菌処理方法及びコン
タクトレンズ用剤組成物の安定化方法に関する。本発明
は例えばポリメチルメタクリレート、シリコーン含有メ
タクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、アク
リル酸ブチルなどを主成分とする公知のコンタクトレン
ズの洗浄及び/又は殺菌処理に使用されるが、特に、硬
質性あるいは非含水性のコンタクトレンズの洗浄及び/
又は殺菌処理に好適に使用される。
[従来の技術] コンタクトレンズに付着した汚れを除去するための組成
物(以下、洗浄用組成物という)あるいはコンタクトレ
ンズに付着した細菌及び真菌を殺菌するための組成物
(以下、殺菌用組成物という)としては、それぞれ特開
昭63−47722号公報及び特開平1−160902号公報に記載
された組成物が知られている。
前記公報の組成物はいずれも、コンタクトレンズを洗浄
または殺菌するための酸化剤と、洗浄または殺菌後にな
お残存する酸化剤を無毒化するための還元剤とを同一包
装体中に含有させたものであり、前記の酸化剤を、包装
体を開封後、水中に投入した時に酸化剤の主要部が還元
剤の主要部よりも相対的に早く溶解するような性質又は
形態を有することから、短時間で効果的に洗浄または殺
菌の目的を達成することができ、かつその後確実に無毒
化処理ができ、しかも還元剤が錠剤である場合、無毒化
処理の終了を肉眼で容易に判断できるため、有用なもの
であった。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、前記の組成物はいずれも、その成分に酸
化剤を含有しているが、酸化剤、特に有効塩素化合物
は、元来不安定で分解しやすいものである。また、発泡
錠とするために任意に添加されている成分である炭酸水
素ナトリウム、炭酸水素カリウム等は、酸の存在により
反応性が高まり不安定となりやすく、添加される酸もま
た、例えばクエン酸等はそのもの自体が強い吸湿性を有
しており、不安定なものである。従って上記の要因等に
より、前記の洗浄用組成物及び殺菌用組成物では、安定
性について十分満足できるものは得られていなかった。
本発明は前述の問題点を解決するためになされたもので
あり、本発明の目的は、上述の従来のコンタクトレンズ
洗浄用組成物およびコンタクトレンズ殺菌用組成物の長
所、すなわち(i)短時間で効果的にコンタクトレンズ
の洗浄及び/又は殺菌が可能、(ii)洗浄及び/又は殺
菌の目的を達成した後、酸化剤を確実に無毒化処理が可
能、(iii)還元剤が錠剤である場合、無毒化処理の終
了を肉眼で容易に判断が可能である点をそのまま具備
し、その短所である安定性が不十分な点を解消したコン
タクトレンズ用剤組成物を提供することにある。
また本発明の目的は、前述のコンタクトレンズ用剤組成
物を用いてコンタクトレンズを洗浄及び/又は殺菌処理
する方法を提供することにある。
更に本発明の目的は、コンタクトレンズ用剤組成物を安
定化する方法を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討の結果、
上述の従来のコンタクトレンズ用剤組成物に硫酸ナトリ
ウムを含有させると、従来のコンタクトレンズ用剤組成
物の長所をそのまま具備し、かつその欠点である酸化剤
等に有効塩素化合物の分解を防止して、コンタクトレン
ズ用剤組成物が安定化することを見い出した。
さらに本発明者らは、前述した硫酸ナトリウムととも
に、リン酸水素二カリウム、リン酸水素カルシウム及び
リン酸カルシウムよりなる群より選択される少なくとも
1種のリン酸塩を併用すると、該リン酸塩が、酸化剤の
分解をさらに抑止し、かつ還元剤を発泡錠とするために
用いられる炭素水素ナトリウムや炭酸水素カリウムなど
の炭酸塩や、還元剤として用いられるクエン酸などの吸
湿性の酸を安定化し、コンタクトレンズ用剤組成物が一
層安定化することを見い出した。
本発明はこのような知見に基づいて完成したものであ
り、本発明は、 (A)コンタクトレンズを洗浄及び/又は殺菌処理する
ための酸化剤と、洗浄及び/又は殺菌処理に供された後
になお残存する酸化剤を無毒化するための還元剤と、硫
酸ナトリウムとを同一包装体中に含有し、前記の酸化剤
と還元剤とは、前記の同一包装体中において実質的に反
応せず、包装体開封後、水中に投入した時に酸化剤の主
要部が還元剤の主要部よりも相対的に早く溶解するよう
な性質又は形態を有することを特徴とするコンタクトレ
ンズ用剤組成物、 (B)前記の酸化剤、還元剤及び硫酸ナトリウムととも
に、リン酸水素二カリウム、リン酸水素カルシウム及び
リン酸カルシウムよりなる群から選ばれる少なくとも1
種のリン酸塩を同一包装体中に含有するコンタクトレン
ズ用剤組成物、 (C)上記コンタクトレンズ用剤組成物(A)またはコ
ンタクトレンズ用剤組成物(B)の内容物を、包装体を
開封後、水中に投入し、前記酸化剤の主要部を還元剤の
主要部よりも相対的に早く溶解せしめ、巨視的にみて酸
化剤によるコンタクトレンズの洗浄及び/又は殺菌処理
を先ず行なった後、還元剤による酸化剤の無毒化処理を
行なうことを特徴とするコンタクトレンズの洗浄及び/
又は殺菌処理方法、 (D)コンタクトレンズを洗浄及び/又は殺菌するため
の酸化剤と、洗浄及び/又は殺菌処理に供された後にな
お残存する酸化剤を無毒化するための還元剤とを同一包
装体中に含有し、前記の酸化剤と還元剤とは、前記の同
一包装体中において実質的に反応せず、包装体開封後水
中に投入した時に酸化剤の主要部が還元剤の主要部より
も相対的に早く溶解するような性質又は形態を有するコ
ンタクトレンズ用剤組成物に、硫酸ナトリウムを含有さ
せることを特徴とするコンタクトレンズ用剤組成物の安
定化方法 を要旨とするものである。
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明のコンタクトレンズ用剤組成物(A)における第
1の必須成分である酸化剤は、コンタクトレンズを洗浄
及び/又は殺菌処理するためのものであり、その好まし
いものとして、有効塩素化合物、例えばサラシ粉、クロ
ラミン、クロラミンT、クロラミンB、ハラゾン、次亜
塩素酸カルシウム、塩素化イソシアヌール酸などがあげ
られるが、中でもサラシ粉、クロラミンT、塩素化イソ
シアヌール酸が特に好ましい。
また本発明のコンタクトレンズ用剤組成物(A)におけ
る第2の必須成分である還元剤は、洗浄及び/又は殺菌
処理に供された後になお残存する酸化剤を無毒化するた
めのものであり、その好ましいものとしては、チオ硫酸
ナトリウムあるいはクエン酸、リンゴ酸、酒石酸、アス
コルビン酸及びそれらのナトリウム、カリウム、カルシ
ウム塩などの脂肪族カルボン酸又はその塩があげられる
が、中でもチオ硫酸ナトリウム又はアスコルビン酸、ク
エン酸もしくはクエン酸ナトリウムが特に好ましい。
また本発明のコンタクトレンズ用剤組成物(A)におけ
る第3の必須成分である硫酸ナトリウムは、前記の酸化
剤が分解することを防止するためのものであり、本発明
のコンタクトレンズ用剤組成物(A)の安定性を向上さ
せる成分として極めて重要なものである。
本発明のコンタクトレンズ用剤組成物(B)は、前記コ
ンタクトレンズ用剤組成物(A)にリン酸水素二カリウ
ム、リン酸水素カルシウム及びリン酸カルシウムよりな
る群から選ばれる少なくとも1種のリン酸塩を含有させ
たものであり、このリン酸塩を含有させることにより、
コンタクトレンズ用剤組成物の安定性がさらに向上す
る。
これらの酸化剤、還元剤、硫酸ナトリウム、リン酸塩を
含有する包装体としては、酸化剤、還元剤、硫酸ナトリ
ウム、リン酸塩に実質的悪影響を与えない材質のもので
あれば如何なるものも使用できるが、その代表例とし
て、アルミニウム三方シール包装体、アルミニウムステ
イツク包装体、防湿プラスチツク容器などが挙げられ
る。
本発明のコンタクトレンズ用剤組成物(A)および
(B)を構成する、上記の酸化剤及び還元剤は、下記の
要件(i)及び(ii)を満たすような形態を有する必要
がある。
(i) 酸化剤と還元剤とは同一包装体中において実質
的に反応しない。
(ii) 包装体開封後、水中に投入した時に酸化剤の主
要部が還元剤の主要部よりも相対的に早く溶解する。
上記要件(i)において「実質的に反応しない」とは、
包装体を開封後に、水中に投入された酸化剤と還元剤と
がそれぞれの所期の目的(酸化剤においてはコンタクト
レンズの洗浄及び/又は殺菌処理、還元剤においては酸
化剤の無毒化処理)を達成できるように、これらが包装
体中に含有されている間は互いに全く又は殆んど反応し
ないことを意味する。したがつて微小割合の酸化剤と微
少割合の還元剤とが同一包装体中において相互接触し、
微視的に反応が起ったとしても残余の未反応の酸化剤と
還元剤とが水中投入後に上記の所期の目的を達成できる
限り差支えない。
また上記要件(ii)において「酸化剤の主要部が還元剤
の主要部よりも相対的に早く溶解する」とは、水中に投
入された酸化剤の溶解のピークが酸化剤と同時に投入さ
れた還元剤の溶解のピークよりも早く現われることを意
味する。従って水中投入後のある時点において酸化剤と
還元剤とが同時溶解されても巨視的にみて酸化剤による
コンタクトレンズの洗浄及び/又は殺菌処理が先ず行な
われ、その後に還元剤による酸化剤の無毒化処理が行な
われる限り問題はない。
上記要件(i)及び(ii)を満足する酸化剤と還元剤の
形態としては、酸化剤が粉末又は顆粒であり、還元剤が
錠剤である形態が挙げられる。この形態が好ましい理由
は粉末又は顆粒の酸化剤と錠剤の還元剤とは、両者がい
ずれも粉末又は顆粒である場合よりも相互接触の割合が
少なく両者が実質的に反応しない状態に保たれ、また水
中投入後は粉末又は顆粒の酸化剤が錠剤の還元剤よりも
相対的に早く溶解するからである。
本発明のコンタクトレンズ用剤組成物の第3の必須成分
である硫酸ナトリウムは、前記の酸化剤と混合されて一
体化した形態となっていることが好ましい。この形態が
好ましい理由は、硫酸ナトリウムと酸化剤の両者の相互
接触の割合が多い程、硫酸ナトリウムによる酸化剤の分
解防止作用が顕著になるからである。具体的には下記の
形態が挙げられる。
(イ)酸化剤:粉末,硫酸ナトリウム:粉末 (ロ)酸化剤:粉末,硫酸ナトリウム:顆粒 (ハ)酸化剤:顆粒,硫酸ナトリウム:粉末 (ニ)酸化剤:顆粒,硫酸ナトリウム:顆粒 上記のいずれの形態も十分混合されることが望ましい。
また(イ)の形態のものを混合した後、通常使用される
乾式造粒方法により造粒した顆粒としたものも適当な形
態である。
酸化剤及び/又は硫酸ナトリウムを粉末又は顆粒状態で
用いる場合には、計量を容易にするために、塩化ナトリ
ウム、塩化カリウム、乳糖及び/又はブドウ糖などの賦
形剤を加えることができる。塩化ナトリウム、塩化カリ
ウム等を添加した場合、硫酸ナトリウムの有する酸化剤
の分解防止作用を向上させることができる。
還元剤として錠剤を用いた場合において、該錠剤を更に
コーティング剤によりコーティング処理すると、包装体
中の酸化剤と還元剤との直接接触による反応が完全防止
され、かつ水中において酸化剤が充分効力を発揮した
後、還元剤が溶解を開始し残余の酸化剤の無毒化を行な
うことができる(酸化剤によるコンタクトレンズの洗浄
・殺菌処理と還元剤による酸化剤の無毒化処理の同時生
起を極力押え、両者を効率的に使用することができる)
点で特に好ましい。
好ましいコーティング剤として、カルボキシメチルエチ
ルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、ヒドロキシプ
ロピルメチルセルロースフタレート、メタクリル酸−ア
クリル酸エチルコポリマー、メタクリル酸−アクリル酸
メチルコポリマーなどがあげられるが、pH5.5以上の水
溶液で溶解するものであれば特に限定はされない。
又、還元剤を含む錠剤は発泡錠であることが無毒化処理
をより確実に行うために好ましく、発泡錠とするために
添加される成分としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸水
素カリウムなどがあげられ、いずれの成分を用いても発
泡の目的は達せられる。
本発明のコンタクトレンズ用剤組成物(B)では、その
安定性を高める目的で、上述の如く、リン酸水素二カリ
ウム、リン酸水素カルシウム及びリン酸カルシウムより
なる群から選ばれる少なくとも1種のリン酸塩を含有さ
せることができる。これらのリン酸塩は、上記酸化剤の
分解をさらに抑止し、かつ上記の還元剤を含む錠剤中に
含有される他の成分のうち、例えば反応性成分(炭素水
素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどの炭酸塩)及び/
又は吸湿性成分(クエン酸などの還元性有機酸)の有害
的特性を抑制する作用を奏する。
尚、通常打錠の際に一般的に用いられる滑沢剤、崩壊剤
などを添加してもさしつかえない。
前述した要件(i)及び(ii)を満足する酸化剤及び還
元剤の他の形態として、それらがいずれも粉末又は顆粒
状態であり、酸化剤と還元剤とを隔離するために還元剤
が袋状物に内包されているかまたはコーティング剤でま
ぶされている形態が挙げられ、この場合にも包装体開封
後に水中に投入された酸化剤と還元剤は、いずれも粉末
又は顆粒状であるものの、裸の状態の酸化剤が、袋状物
に内包されているかまたはコーティング剤でまぶされて
いる還元剤よりも水中で相対的に早く溶解するので、本
発明の目的を達成する。
なお上述の袋状物としては、pH5.5以上の水溶液で溶解
するものであれば特に限定されない。また粉末又は顆粒
をまぶすために用いられるコーティング剤としては、錠
剤をコーティングするために用いられたものと同一のも
のが使用される。
また酸化剤と還元剤とが同一形態をしていても前者が後
者よりも溶解しやすい性質のものであれば、両者をその
ままの形で用いることもできる。
本発明のコンタクトレンズ用剤組成物(A)、(B)を
用いるコンタクトレンズの洗浄及び/又は殺菌方法を述
べると、水に溶解後の酸化剤の濃度は、0.005w/v%〜5.
0w/v%が適当である。例えば酸化剤として有効塩素化合
物であるサラシ粉を用いた場合に、洗浄及び/又は殺菌
処理時におけるサラシ粉の濃度としては、水に溶解後0.
01〜1.0w/v%が適当である。0.01w/v%未満の濃度では
効果が低く長時間処理が必要となり、逆に1.0w/v%を超
える量を添加しても顕著な効果の上昇は認められない。
より好ましいサラシ粉濃度は、水に溶解後0.1〜0.5w/v
%である。水に溶解後の還元剤の濃度は、0.05w/v%〜1
0.0w/v%が適当である。例えば還元剤としてチオ硫酸ナ
トリウム、クエン酸及びクエン酸ナトリウムを用いた場
合に、使用時におけるその濃度は、酸化剤(有効塩素化
合物)の無毒化に充分な量でなければならない。各々単
独で使用する場合水に溶解後の濃度としては、チオ硫酸
ナトリウム0.1〜2.0w/v%、クエン酸0.1〜2.0w/v%、ク
エン酸ナトリウム0.5〜5.0w/v%が適当であり、より好
ましくは、チオ硫酸ナトリウム0.2〜1.0w/v%、クエン
酸0.2〜1.0w/v%、クエン酸ナトリウム1.0〜3.0w/v%の
範囲である。なお、複数を併用した場合、当然ながら還
元剤の合量が酸化剤の還元に充分な量であればよい。
また、水に溶解後の硫酸ナトリウムの濃度は、0.5w/v%
〜10.0w/v%が適当である。0.5w/v%未満では酸化剤の
分解防止効果が発揮されず、10.0w/v%を超えると溶解
性が悪くなり酸化剤の洗浄及び/又は殺菌作用が発揮さ
れなくなる。より好ましい硫酸ナトリウム濃度は、水に
溶解後1.0〜5.0w/v%である。
なお、本発明のコンタクトレンズ用剤組成物(B)に添
加される成分であり、リン酸水素二カリウム、リン酸水
素カルシウム及びリン酸カルシウムよりなる群から選択
される少なくとも1種のリン酸塩の濃度は、水に溶解後
0.01〜0.5w/v%が適当である。0.01w/v%未満の濃度で
はコンタクトレンズ用剤組成物の安定化効果が発揮され
ず、0.5w/v%を超えると溶解性が悪くなる。より好まし
い濃度は水に溶解後、0.05〜0.3w/v%である。
本発明のコンタクトレンズ用剤組成物(A),(B)を
用いるコンタクトレンズの洗浄及び/又は殺菌方法によ
れば、酸化剤と還元剤は上述の如き性質又は形態をとっ
ているため、酸化剤の主要部が還元剤の主要部よりも相
対的に早く溶解し、コンタクトレンズの洗浄及び/又は
殺菌を開始するとともに還元剤が徐々に溶解し酸化剤が
その目的(コンタクトレンズに付着した汚れの洗浄除去
及び/又はコンタクトレンズに付着した細菌及び真菌の
殺菌)を達成した後の残余の酸化剤を無毒化処理する。
無毒化処理は、還元剤が完全に溶解した時に終了する。
還元剤が錠剤である場合には、錠剤の有無を肉眼で確認
することにより、その溶解状態を明瞭に把握できるので
特に好ましい。
また還元剤のコーティング錠である本発明の好ましい態
様によれば、酸化剤が溶解しコンタクトレンズの洗浄及
び/又は殺菌を開始すると同時に錠剤に施したコーティ
ング剤が徐々に溶解し始め、5〜30分後に錠剤中の還元
剤が発泡しながら徐々に溶解を始め酸化剤に対して無毒
化反応を開始する。従って酸化剤によるコンタクトレン
ズの洗浄及び/又は殺菌処理と還元剤による酸化剤の無
毒化処理とが時間を前後して行なわれる点で特に好まし
い。
本発明の洗浄及び/又は殺菌方法は、公知のコンタクト
レンズ全ての洗浄及び/又は殺菌に使用できるが、特に
ヒドロキシエチルメタクリレートなどを主成分とする含
水性コンタクトレンズの場合には処理液の浸透圧、pHな
どによりレンズ形状の変化をおこすことがあり、又、同
時に眼に対する適合性も考慮すると、処理終了液は涙液
と等張、等pHであることが望ましい。この目的のため
に、通常用いられる塩化ナトリウム、塩化カリウム、グ
ルコースなどの等張化剤、及びホウ酸、ホウ酸ナトリウ
ム、リン酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウム、炭酸ナト
リウムなどの緩衝化剤を添加することができる。
本発明のコンタクトレンズ用剤組成物(A),(B)
は、以下のようにして定期的に、例えば毎日、1週間
毎、2週間毎に使用する。即ちコンタクトレンズを眼か
ら脱ずした後、軽く水洗し、所定の容量の水(水道水又
は精製水)の入った容器中に本発明の組成物の1包分を
入れた中に30〜60分間浸漬する。浸漬処理の前半におい
て酸化剤によりコンタクトレンズの洗浄及び/又は殺菌
が行なわれ、その後還元剤が徐々に溶解を始め無毒化処
理が終了する。還元剤として錠剤を用いた場合には無毒
化処理終了を処理液中の錠剤の有無で肉眼的に明瞭に確
認できる。処理終了後はレンズを装用又は保管するがそ
のまま装用しても眼に対する障害は全くなく安全であ
る。
[実施例] 以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
実施例1〜18および比較例1〜2 下記の表1に示すような各成分組成量の粉末及びコーテ
ィング剤処理錠剤を調製し、アルミニウム三方シール包
装体、アルミニウムスティック包装体又は防湿プラスチ
ック容器に充填した。なお、表1において、アルミニウ
ム三方シール包装体はT、アルミニウムステック包装体
はS、防湿プラスチック容器はPと表示した。
表1に示した実施例1〜18の各組成物と比較例1〜2の
各組成物について、下記の試験により評価した。
(a)安定性試験 表1に示した包装体中に充填された各組成物について、
温度40±0.3℃、湿度75±2.5%の条件で30日保管し、30
日経過後の有効塩素量を測定することにより、各組成物
の安定性について評価した。なお、有効塩素量の測定
は、組成物を精製水または蒸留水に溶解し、よく振り混
ぜ、ヨウ化カリウム及び酢酸を加え、遊離したヨウ素を
チオ硫酸ナトリウム液で滴定することにより行なった。
30日経過後の有効塩素量の残存率を表1に%で表示し
た。
比較例1〜2の各組成物がいずれも有効塩素量の残存率
が62%、47%と低い数値であるのに対して、実施例1〜
18の各組成物の有効塩素量の残存率はいずれも90%以上
と極めて高い数値が得られており、実施例1〜18の各組
成物は優れた安定性を有していることが確認された。
(b)殺菌効力試験 表2に示す菌を用いて、菌数が106/mlとなるように各菌
の懸濁液を調製した。実施例1〜18の各組成物につい
て、包装体に充填直後のもの及び前述した保管条件下で
30日経過後のものを該菌懸濁液10mlに溶解した。錠剤が
完全に溶解してからこの液を1.0mlずつ採取し、日本薬
局方無菌試験法に基づき菌の存在の有無を調べた。
結果を表2に示す。
表2より明らかなように、実施例1〜18の各組成物の殺
菌効力が確認された。
また、30日保管後であっても殺菌効力が低下しないこと
が確認され、各実施例の組成物が安定性の点でも優れて
いることが示された。
(c)洗浄効力試験 実施例1〜17の各組成物について、包装体に充填直後の
もの及び前述した保管条件下で30日経過後のものをそれ
ぞれ開封して、10mlの精製水中に投入し、同時に実際に
装用して汚れの付着した高酸素透過性ハードコンタクト
レンズ(ホーヤハード/58)1枚を浸漬した。粉末が溶
解した後、約5〜30分後に錠剤が発泡しながら溶解を開
始し、約30〜60分後には錠剤が完全に溶解し終った。処
理液からレンズを取り出し、軽く精製水ですすぎ、レン
ズ表面の水分をふき取った後、実体顕微鏡(ナイツ製、
20倍)にてレンズの表面を観察した所、全てのレンズに
ついて汚れが完全に除去されていた。
また、同様にして、実施例17について実際に装用して汚
れの付着したソフトコンタクトレンズ(ホヤソフト
/T40)1枚を浸漬して試験したところ、汚れが完全に除
去されていた。
従って実施例1〜17の各組成物は、包装体に充填直後及
び30日保管後のいずれとも充分な洗浄効力を有してお
り、さらに安定性にも優れていることが確認された。
(d)色調試験 実施例1〜18の各組成物について、包装体に充填直後の
もの及び前述した保管条件下で30日経過後のものをそれ
ぞれ開封して、10mlの精製水中に投入し、同時にコンタ
クトレンズ1枚を浸漬した。錠剤が完全に溶解し終った
後、処理液からレンズをとり出し、軽く精製水ですす
ぎ、レンズ表面の水分をふき取った。以上の処理を、ハ
ードコンタクトレンズ(ホヤハード)、酸素透過性ハー
ドコンタクトレンズ(A社製品)、高酸素透過性ハード
コンタクトレンズ(ホーヤハード/58及びA社製品)に
対して100回繰り返し、色調の変化即ち脱色の有無につ
いて肉眼で観察することにより調べた。結果は表3に示
す。
表3より明らかなように、実施例1〜18の各組成物はい
ずれもレンズの色調に変化を与えないことが確認され
た。
(e)レンズ形状に対する影響 実施例1〜18の各組成物について、包装体に充填直後の
もの及び前述した保管条件下で30日経過後のものを用い
て、前記(d)と同様の処理を行なった。即ち、実施例
1〜18の各組成物は高酸素透過ハードコンタクトレンズ
(ホーヤハード/58)に対して、また実施例17〜18の各
組成物はソフトコンタクトレンズ(ホヤソフト/T40)に
対して各々浸漬、すすぎ等の処理を前記(d)と同様に
100回繰り返し行い、レンズ形状の変化をレンズパラメ
ーター[ベースカーブ(後面曲率)、ダイアメーター
(直径)及び中心肉厚(中心部の厚み)]を測定するこ
とにより調べた。
その結果、各実施例とも使用したレンズの形状変化は全
く生じなかった。
従って、実施例1〜18の各組成物は、ハードコンタクト
レンズに対して用いた場合、レンズ形状に影響を与えな
いことが確認された。また、実施例17〜18の各組成物
は、ソフトコンタクトレンズに対して用いてもレンズ形
状に影響を与えないことが確認された。
(f)安全性試験 実施例1〜18の各組成物について、包装体に充填直後の
もの及び前述した保管条件下で30日経過後のもののそれ
ぞれの処理終了液中の有効塩素化合物の残存の有無を塩
酸オルトトリジンによる呈色反応により調べた。
その結果、実施例1〜18の各組成物の終了液はいずれも
塩酸オルトトリジンによる呈色は起こらず、有効塩素化
合物の残存がないことが確認された。なお、対照とし
て、錠剤を除いた粉末だけの場合の処理についても同様
に行ったが、明らかな呈色を生じた。
従って、実施例1〜18の各組成物に含有された有効塩素
化合物は、処理終了後に還元剤によって完全に無毒化さ
れており、安全性について優れていることが確認され
た。
以上の試験結果より明らかなように、比較例の組成物の
安定性が不十分であるのに対して、実施例の組成物は、
全て安全性に優れている。そして、リン酸水素二カリウ
ム、リン酸水素カルシウム、リン酸カルシウムを添加し
た実施例の組成物はさらに安定性が向上している。
また実施例1〜18の組成物はハードコンタクトレンズの
殺菌組成物として利用でき、実施例1〜17の組成物はハ
ードコンタクトレンズの洗浄用組成物として利用できる
が、その中で実施例1〜16の組成物はハードコンタクト
レンズの洗浄及び/又は殺菌用組成物として特に優れた
効力を有している。また実施例17の組成物はソフトコン
タクトレンズの洗浄及び/又は殺菌用組成物として、特
に優れた効力を有しており、実施例18の組成物は、ソフ
トコンタクトレンズの殺菌用組成物として有効である。
また、本発明の各実施例の組成物は、ハードコンタクト
レンズで使用した場合、レンズの色調及び形状には全く
影響を及ぼさない。そして実施例17〜18の組成物はソフ
トコンタクトレンズに対して使用した場合でもレンズの
形状に全く影響しない。
実施例1〜16の組成物は、pH、浸透圧について眼に対し
て安全な程度の調整しか行なっていないため、ソフトコ
ンタクトレンズに対して使用した場合一時的に形状が変
化する場合がある。しかしながら、洗浄及び/又は殺菌
処理の後、例えば煮沸処理、再水和処理等の手段により
レンズ形状を所定のものに復帰させることは可能であ
り、洗浄及び/又は殺菌の効力を優先する場合には、こ
れら実施例の組成物をソフトコンタクトレンズに対して
使用することを妨げるものではない。
[発明の効果] 以上詳述したように、本発明のコンタクトレンズ用剤組
成物及びこれを用いるコンタクトレンズの処理方法によ
れば、コンタクトレンズに付着した汚れの除去及び/又
は殺菌並びに真菌に対する殺菌を確実にかつ短時間で行
うことができる上に、組成物中に硫酸ナトリウムを含有
しているため、優れた安定性が得られる。またさらに、
リン酸水素二カリウム、リン酸水素カルシウム及びリン
酸カルシウムよりなる群から選ばれる少なくとも1種の
リン酸塩を添加することにより、本発明のコンタクトレ
ンズ用剤組成物の安定性は、さらに一段と向上する。ま
た、1回の操作で有効塩素化合物の無毒化処理が確実に
行われるため、塩素の眼に対する有毒性・有害性は完全
に解消されており、非常に安全性の高いものである。し
かし、コンタクトレンズに、例えば色調変化等の不可逆
的変化を生じさせることがなく、安心して利用すること
ができるため、コンタクトレンズ用剤組成物及びコンタ
クトレンズの処理方法として極めて有用なものである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コンタクトレンズを洗浄及び/又は殺菌処
    理するための酸化剤と、洗浄及び/又は殺菌処理に供さ
    れた後になお残存する酸化剤を無毒化するための還元剤
    と、硫酸ナトリウムとを同一包装体中に含有し、前記の
    酸化剤と還元剤とは、前記の同一包装体中において実質
    的に反応せず、包装体開封後、水中に投入した時に酸化
    剤の主要部が還元剤の主要部よりも相対的に早く溶解す
    るような性質又は形態を有することを特徴とするコンタ
    クトレンズ用剤組成物。
  2. 【請求項2】更にリン酸水素二カリウム、リン酸水素カ
    ルシウム及びリン酸カルシウムよりなる群から選ばれる
    少なくとも1種のリン酸塩を同一包装体中に含有する、
    請求項(1)に記載のコンタクトレンズ用剤組成物。
  3. 【請求項3】請求項(1)または(2)に記載のコンタ
    クトレンズ用剤組成物の内容物を、包装体開封後、水中
    に投入し、酸化剤の主要部を還元剤の主要部よりも相対
    的に早く溶解せしめ、巨視的にみて酸化剤によるコンタ
    クトレンズの洗浄及び/又は殺菌処理を先ず行なった
    後、還元剤による酸化剤の無毒化処理を行なうことを特
    徴とするコンタクトレンズの洗浄及び/又は殺菌処理方
    法。
  4. 【請求項4】コンタクトレンズを洗浄及び/又は殺菌す
    るための酸化剤と、洗浄及び/又は殺菌処理に供された
    後になお残存する酸化剤を無毒化するための還元剤とを
    同一包装体中に含有し、前記の酸化剤と還元剤とは、前
    記の同一包装体中において実質的に反応せず、包装体開
    封後、水中に投入した時に酸化剤の主要部が還元剤の主
    要部よりも相対的に早く溶解するような性質又は形態を
    有するコンタクトレンズ用剤組成物に、硫酸ナトリウム
    を含有させることを特徴とするコンタクトレンズ用剤組
    成物の安定化方法。
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