JPH0742393B2 - フロンに抵抗性のある熱可塑性樹脂組成物およびその使用 - Google Patents

フロンに抵抗性のある熱可塑性樹脂組成物およびその使用

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JPH0742393B2
JPH0742393B2 JP1108746A JP10874689A JPH0742393B2 JP H0742393 B2 JPH0742393 B2 JP H0742393B2 JP 1108746 A JP1108746 A JP 1108746A JP 10874689 A JP10874689 A JP 10874689A JP H0742393 B2 JPH0742393 B2 JP H0742393B2
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    • C08L55/00Compositions of homopolymers or copolymers, obtained by polymerisation reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds, not provided for in groups C08L23/00 - C08L53/00
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の背景〕 <発明の産業上の利用分野> 本発明は、耐フロン性にすぐれた冷蔵庫の内箱に関す
る。さらに具体的には本発明は、特定組成の高ニトリル
熱可塑性樹脂を使用することにより、耐フロン性、特に
HCFC−123、に対して高い耐ストレスクラック性を与え
た冷蔵庫の内箱に関する。
なお、本発明で「冷蔵庫の内箱」とは、冷蔵庫の扉の内
装をも包含するものとする。
<従来の技術> 最近の冷蔵庫の箱体は、内箱と外箱とを結合させて形成
した両箱間の空間に、硬質ポリウレタンフォーム原液を
注入して発泡固化させる(以下、in−situ発泡法と称す
る)ことによって、断熱箱体として形成されたものであ
る。また、冷蔵庫の扉においても、内装と外箱とを結合
させて形成した空間にin−situ発泡法で硬質ポリウレタ
ンフォームを充填して、断熱体とする。
従来、冷蔵庫の内箱には、主として汎用のABS樹脂が用
いられてきた。ここで、汎用のABS樹脂とは、共役ジエ
ン系合成ゴムの存在下に10〜40重量%のシアン化ビニル
化合物と60〜90重量%の芳香族ビニル化合物との単量体
混合物を重合させて得た、すなわちグラフト共重合させ
て得た、樹脂組成物、あるいは、このグラフト共重合体
にシアン化ビニル化合物の含有率が10〜40重量%である
シアン化ビニル化合物/芳香族ビニル化合物共重合体を
混合した樹脂組成物をいう。
冷蔵庫の内箱にABS樹脂が用いられてきた理由として
は、剛性と耐衝撃性との高い物性バランス、容易な成形
加工性、優れた光沢を有する外観、硬質ポリウレタンフ
ォームの発泡剤であるフロン、すなわちCFC−11(トリ
クロロモノフロロメタン)、に対して耐ストレスクラッ
ク性を有すること、が挙げられる。冷蔵庫の内箱は、熱
可塑性樹脂の平板を熱成形法、たとえば真空成形する工
法によって製造されるため、成形加工とくに真空成形が
容易に行なえることが必要である。また、真空成形によ
って得られた内箱の平均厚さは1mmを下回るので、変形
を避けるために高い弾性率が必要である。ABS樹脂から
なる内箱に鉄板からなる外箱を結合して形成した空間に
in−situ発泡法で硬質ポリウレタンフォームを充填する
と、硬質ポリウレタンフォームはABS樹脂および鉄板に
接着するため、冷蔵庫稼動時に鉄板/硬質ポリウレタン
フォーム/ABS樹脂の線膨脹係数の差に起因する応力が生
じる。したがって、硬質ポリウレタンフォームの発泡剤
であるCFC−11に対して耐ストレスクラック性を有する
ことが、内箱には必要である。また、硬質ポリウレタン
フォームが接着することによりノッチ効果が生まれるの
で、内箱には高いノッチつきアイゾット衝撃値が必要と
される。そのうえ、優れた光沢は、冷蔵庫のみばえを良
くするために必要である。
<発明が解決しようとする課題> 硬質ポリウレタンフォームの発泡剤であるCFC−11は、
塩素を含んでいることおよび難分解性であることから、
成層圏オゾン層を破壊する疑いを持たれ、全世界的にそ
の使用が制限される動向にある。CFC−11に替わる硬質
ポリウレタンフォームの発泡剤としてHCFC−123(1−
ハイドロ−1,1−ジクロロ−2,2,2−トリフロロエタン)
が使用されようとしているが、ABS樹脂に対する溶解力
がCFC−11より遥かに高いため、HCFC−123を用いるin−
situ発泡法で硬質ポリウレタンフォームを充填した冷蔵
庫のABS樹脂製の内箱は、応力下で容易にクレイズある
いはクラックを生じて、冷蔵庫の商品価値をなくす。し
たがって、このような動向の下では、HFCF−123に対し
て耐ストレスクラッチ性を有する、そして同時に従来通
り、剛性と耐衝撃性との高い物性バランス、容易な成形
加工性、優れた光沢を有する外観を有する材質をもっ
て、冷蔵庫の内箱および扉内装を作成する必要がある。
〔発明の概要〕
<課題を解決するための手段> 本発明者らは、鋭意検討した結果、特定組成の高ニトリ
ル熱可塑性樹脂が、HCFC−123に対して耐ストレスクラ
ッチ性を有すると同時に、高い物性バランス、容易な成
形加工性、優れた外観を兼備えており、この高ニトリル
熱可塑性樹脂を使用することにより上記の問題点を解決
した冷蔵庫の内箱が得られることを発見し、本発明を完
成するに至った。
すなわち、本発明の耐フロン性を有する熱可塑性樹脂組
成物は、下記の要件(i)〜(vi)によって特徴づけら
れる高ニトリル熱可塑性樹脂組成物である。
(i) (A)共役ジエン系合成ゴム20〜70重量部の存
在下に50〜75重量%のシアン化ビニル化合物と25〜50重
量%の芳香族ビニル化合物とから本質的になる単量体混
合物30〜80重量部を重合させて得られたグラフト共重合
体に、 (B)シアン化ビニル化合物の含有率が50〜75重量%で
ある、従って芳香族ビニル化合物の含有率が25〜50重量
%であるシアン化ビニル化合物/芳香族ビニル化合物共
重合体を混合してゴム含有率を10〜20重量%とした高ニ
トリル熱可塑性樹脂組成物(上記の重量部および重量%
は、それぞれ、挙示成分の合計を100とした場合の値で
ある)であること。
(ii)グラフト共重合体が、下式を充足するものである
こと。
0.30≦(G−R)/R≦0.50 (ただし、 G:グラフト共重合体をアセトニトリルに溶解させた後、
遠心分離機で固液分離して得られるゲルの重量百分率、 R:グラフト共重合体のゴム含有率) (iii)グラフト共重合体が、比粘度が0.04〜0.09であ
るものであること。(ただし、比粘度は、グラフト共重
合体のアセトニトリル可溶部0.1gをジメチルホルムアミ
ド100mlに溶解して粘度計で測定した比粘度を意味す
る)。
(iv)グラフト共重合体が、ゴム粒子の平均粒子径が0.
01〜10ミクロンである共役ジエン系ゴムラテックス中で
所定単量体を乳化重合させて製造したものであること。
(v)この組成物は、そこに含まれるシアン化ビニル化
合物/芳香族ビニル化合物共重合体が50〜75重量%のも
のであること。
(vi)グラフト共重合体に配合すべきシアン化ビニル/
芳香族ビニル化合物共重合体および(または)配合後の
組成物は、比粘度が0.04〜0.09のものであること。
<発明の効果> 本発明で冷蔵庫内箱用材料として使用する高ニトリル熱
可塑性樹脂組成物は、発泡剤としてのフロン、すなわち
CFC−11、HCFC−123、HCFC−141b、およびこれらの混合
物に対して高い耐ストレスクラック性を有している。そ
して、この高ニトリル熱可塑性樹脂組成物はABS樹脂の
一種類であるところから、ABS樹脂に生得的な、冷蔵庫
の内箱に求められる前記の諸特性を併せ持っている。
従って、本発明による冷蔵庫内箱は、フロン規制の時代
において、大いに有用なものであると期待されるもので
ある。
〔発明の具体的説明〕
<熱可塑性樹脂組成物>(その1) 本発明で冷蔵庫内箱用材料として使用する熱可塑性樹脂
組成物は、グラフト共重合体の所謂「幹重合体」として
共役ジエン系合成ゴムを含んでなるものであるところ、
所定のゴム含有率を与えかつ高ニトリル含有率を与える
手段によって、基本的には二種類のものに分類される。
一つ(イ)は、共役ジエン系合成ゴム(以下、Bという
ことがある)10〜20重量部、好ましくは13〜18重量部、
の存在下にシアン化ビニル化合物(以下、Aということ
がある)+芳香族ビニル化合物(以下、Sということが
ある)(A:50〜75重量%、好ましくは50〜66重量%、S:
25〜50重量%、好ましくは34〜50重量%)80〜90重量部
を重合させてグラフト共重合体を形成させることによっ
て、直接に共役ジエン系合成ゴム含有率10〜20重量%の
熱可塑性樹脂組成物として得たものである。ここで、
「重量部」および「重量%」は、両成分の合計を100と
した場合の値である(以下、同様)。
他方(ロ)は、高ゴム/高ニトリルABS樹脂に高ニトリ
ルAS樹脂を配合して所定のゴム含有率の熱可塑性樹脂組
成物としたものであって、共役ジエン系合成ゴム20〜70
重量部、好ましくは30〜60重量部、の存在下にシアン化
ビニル化合物+芳香族ビニル化合物(A:50〜75重量%、
好ましくは50〜66重量%、S:25〜50重量%、好ましくは
34〜50重量%)30〜80重量部、好ましくは40〜70重量部
を重合させてグラフト共重合体を形成させ、これにシア
ン化ビニル化合物−芳香族ビニル化合物共重合体(A含
有率:50〜75重量%、好ましくは50〜66重量%)を混合
してなるものである。
本発明では、(ロ)の方が組成と物性値との組合せの自
由度が高いので好ましい。なお、(イ)および(ロ)を
混合して使用することもできる。
なお、グラフト共重合が、枝重合体を与えるべき単量体
を幹重合体の存在下に重合させることからなることに相
当して、上記の(イ)の場合にも枝として幹に結合しな
いシアン化ビニル化合物−芳香族ビニル化合物共重合体
が生成していることは避け難い。
<共役ジエン系合成ゴム> 本発明で使用する熱可塑性樹脂組成物に冷蔵庫内箱用材
料として必要な耐衝撃性を賦与するのは、グラフト共重
合体の「幹重合体」としての共役ジエン系合成ゴムであ
る。
共役ジエン系合成ゴムは、ゴム弾性の少なくとも大部分
を共役ジエンに負っている、共役ジエンの単独重合体、
共役ジエンの共重合体、および共役ジエンと他の共単量
体とのランダム共重合体またはブロック共重合体、のい
ずれかを意味する。
具体的には、たとえば、共役ジエン系合成ゴムには、ポ
リブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、ブ
タンジエン−スチレン共重合体、ブタジエン−アクリロ
ニトリル共重合体、などがある。ポリブタジエン、ブタ
ジエン−スチレン共重合体およびブタジエン−アクリロ
ニトリル共重合体が好ましく用いられる。これらは、併
用することができる。
共役ジエン系合成ゴムは、それを幹重合体とするグラフ
ト共重合体として本発明熱可塑性樹脂組成物と関連を持
つが、このグラフト共重合体は共役ジエン系合成ゴムの
ラテックス中で所定単量体を乳化重合させることによっ
て製造することがふつうである。その場合の共役ジエン
系合成ゴムのラテックスは、合成ゴム粒子が粒子径が0.
01〜10μmの範囲のものであることが好ましい。特に好
ましい合成ゴムの粒子径は0.1〜0.5μmの範囲であっ
て、この範囲の粒子径の合成ゴムラテックスを使用した
場合は、高い物性バランスを実現することができる。
<シアン化ビニル化合物等> 枝重合体を形成すべき単量体の一つは、シアン化ビニル
化合物である。
本発明でいうところのシアン化ビニル化合物とは、アク
リロニトリル、メタクリロニトリルなどをいうが、アク
リロニトリルが好ましく用いられる。これらは、併用す
ることができる。
枝重合体を形成すべきもう一つの単量体である芳香族ビ
ニル化合物としては、スチレン、核および(または)側
鎖置換スチレン、たとえばα−メチルスチレン、p−メ
チルスチレン、ビニルトルエンなどがある。これらのう
ちでは、スチレンが好ましく用いられる。これらは、併
用することができる。
本発明におけるグラフト共重合体に用いる単量体混合物
の総計は、50〜75重量%のシアン化ビニル化合物と25〜
50重量%の芳香族ビニル化合物とからなる必要がある。
シアン化ビニル化合物が50重量%を下回るとHCFC−123
に対する耐ストレスクラック性に不足が生じ、他方、シ
アン化ビニル化合物が75重量%を上回ると成形加工性の
容易さが失われる。
本発明で枝重合体を形成すべき単量体は、上記の二成分
の外に、共重合可能な少量の他の共単量体を含んでいて
もよい。本発明で単量体を「シアン化ビニル化合物と芳
香族ビニル化合物とから本質的になる」と規定する所以
である。そのような共単量体の具体例を挙げれば、アク
リル酸ないしメタクリル酸のエステル(たとえば、C1
C6アルキルエステル、たとえばメチル、エチル、シクロ
ヘキシルエステル)、ビニルエステル(たとえば、酢酸
ビニル)その他がある。
<グラフト共重合体の製造> 本発明におけるグラフト共重合体は、通常は、乳化重合
法により製造される。分子量調節剤、開始剤、乳化剤
は、乳化重合法において一般的なものが使用でき、例え
ば、分子量調節剤はメルカプタン類、開始剤は有機過酸
化物や過硫酸塩、乳化剤は脂肪酸塩やアルキル硫酸エス
テル塩やアルキルベンゼンスルフォン酸塩やアルキルジ
フェニルエーテルジスルフォン酸塩が使用される。
好ましいグラフト重合は、下記の通りである。すなわ
ち、共役ジエン系合成ゴムラテックス、乳化剤、開始
剤、水を所定量重合槽に仕込み、窒素気流下で撹拌しな
がら、単量体混合物を2分割して、所定温度でシアン化
ビニル化合物51〜84重量%と芳香族ビニル化合物16〜49
重量%とからなる第一段目単量体(混合物)90〜98重量
%(後記の第二段目単量体との合計を100重量%とす
る)と所定量の分子量調節剤を所定時間内で連続的に添
加してグラフト共重合を進行させ、第一段目単量体混合
物の添加終了後、所定温度で芳香族ビニル化合物からな
る第二段目単量体2〜10重量%(前記の第一段目単量体
(混合物)との合計を100重量%とする)を所定時間内
に連続的に添加してグラフト共重合を終了させる。この
時、グラフト共重合の進行に併行して、所定量の開始剤
と所定量の水を所定時間内に連続的に添加する。このよ
うにグラフト共重合中に連続的に添加する単量体混合物
の組成を変化させる重合方法をとることは、重合中およ
び重合後の高ニトリル樹脂ラテックスの安定性を良好に
歩つために望ましい。ここで、第一段単量体混合物の添
加時間は、生成するグラフト共重合体の組成を均一にす
るために2時間以上であることが望ましい。第二段目単
量体の添加時間は20分以上であることが高ニトリル樹脂
ラテックスの安定化を効果的にするために望ましい。乳
化剤、開始剤、分子量調節剤の量とグラフト共重合を実
施する温度は、合成ゴムの種類や粒子径を仕込量、グラ
フト共重合に用いる単量体混合物の組成、そして、生成
するグラフト共重合体のグラフト率や分子量、について
の目標値によって決まる。生成したグラフト共重合体
は、乳化重合法において一般的な方法で、凝析、水洗、
乾燥される。
<グラフト率等> 本発明におけるグラフト共重合体は、下記の条件を充足
するものであることが好ましい。
0.30≦(G−R)/R≦0.50 好ましくは、 0.37≦(G/R)/R≦0.50 G:グラフト共重合体をアセトニトリルに溶解させた後、
遠心分離機で固液分離してえられるゲルの重量百分率 R:グラフト共重合体のゴム含有率。
(G−R)/Rの値(以下、グラフト率を称する)が0.30
を下回ると、剛性と耐衝撃性との高い物性バランスが得
られず、他方、グラフト率が0.50を上回ると、成形加工
性の容易さが失われる、という傾向がある。
本発明におけるグラフト共重合体の分子量は、グラフト
共重合体のアセトニトリル可溶部0.1gをジメチルホルム
アミド100mlに溶解して粘度計で測定した比粘度(以
下、比粘度と称する)を用いて表現した場合、比粘度が
0.04〜0.09の、好ましくは0.058〜0.085の、範囲にある
ことが容易な成形加工性を実現するうえで好ましい。
<AS樹脂> 本発明において、グラフト共重合体が高ゴム/高ニトリ
ルである場合にブレンドすべきシアン化ビニル化合物/
芳香族ビニル化合物共重合体は、50〜75重量%のシアン
化ビニル化合物と25〜50重量%の芳香族ビニル化合物と
からなる必要がある。シアン化ビニル化合物が50重量%
を下回るとHCFC−123に対する耐ストレスクラック性に
不足が生じ、他方、シアン化ビニル化合物が75重量%を
上回ると成形加工性の容易さが失われる。
シアン化ビニル化合物/芳香族ビニル化合物共重合体
は、通常は、懸濁重合法により製造される。分子量調節
剤、開始剤、懸濁安定剤、懸濁安定助剤は、懸濁重合法
において一般的なものが使用でき、例えば、分子量調節
剤はメルカプタン類やテルペン類、開始剤はアゾ化合
物、懸濁安定剤はポリビニルアルコールやアクリル酸コ
ポリマー、懸濁安定剤は塩類が使用される。重合方法
も、懸濁重合法における一般的なものであって、単量体
混合物、分子量調節剤、懸濁安定剤、懸濁安定助剤、水
を所定量重合槽に仕込み、窒素気流下で撹拌しながら、
所定温度で開始剤を注入して共重合を開始し、その後た
だちに、重合槽内の単量体混合物の組成が一定になるよ
うに単量体を連続的に添加して共重合を終了させる。こ
こで、単量体混合物の仕込組成と分子量調節剤、懸濁安
定剤、懸濁安定助剤の量は、生成する共重合体はシアン
化ビニル化合物/芳香族ビニル化合物組成比や分子量に
ついての目標値によって決まる。生成したシアン化ビニ
ル化合物/芳香族ビニル化合物共重合体は、懸濁重合法
において一般的な方法で、未反応単量体を抽出し、洗
浄、乾燥される。
本発明におけるシアン化ビニル化合物/芳香族ビニル化
合物共重合体の分子量は、比粘度が0.04〜0.09の、好ま
しくは0.058〜0.085の、の範囲にあることが容易な成形
加工性を実現するうえで好ましい。
なお、シアン化ビニル化合物および芳香族ニトリル化合
物ならびにこれらが「本質的になる単量体混合物」につ
いて前記したところが、このAS樹脂について当てはま
る。
<ゴム含有率等> 本発明における高ニトリル熱可塑性樹脂組成物は、冷蔵
庫の内箱に適した物性を得るためゴム含有率が10〜20重
量%である必要がある。ゴム含有率が10重量%を下回る
と耐衝撃性が不足するため冷蔵庫の内容物が当たった際
などに割れが発生し、他方、ゴム含有率が20重量%を上
回ると剛性が不足するため真空成形品の変形が起こる。
高ニトリル熱可塑性樹脂組成物のゴム含有率を10〜20重
量%にするには、ゴム含有率が10〜20重量%のグラフト
共重合体をそのまま使用してもよいし、ゴム含有率が20
〜70重量%のグラフト共重合体にシアン化ビニル化合物
/芳香族ビニル化合物共重合体を混合してゴム含有率を
10〜20重量%に調節してもよいことは前記したところで
ある。グラフト共重合体とシアン化ビニル化合物/芳香
族ビニル化合物共重合体を混合する場合、グラフト共重
合体におけるシアン化ビニル化合物/芳香族ビニル化合
物の比率とシアン化ビニル化合物/芳香族ビニル化合物
共重合体におけるシアン化ビニル化合物/芳香族ビニル
化合物の比率との差は10重量%以内であることが望まし
い。この差が大きいと、混合して得られる均一性が低下
し、高い物性バランスが得られなくなる。他方、グラフ
ト共重合体の分子量とシアン化ビニル化合物/芳香族ビ
ニル化合物共重合体の分子量とは、それぞれが前記の範
囲にあり、目的の物性および成形加工性を備えていれ
ば、どのような組合せでもよい。
<組成物の形成> 本発明で対象とする熱可塑性組成物は、所与の諸成分の
均一混練可能な任意の手段、好ましくは樹脂成分の軟化
ないし溶融を伴なう手段、によって製造することができ
る。
混合においては、単軸押出機、二軸押出機、バンバリー
ミキサー、ニーダーなど樹脂の溶融混合において一般的
なものが使用できる。
このとき、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止
剤などの添加剤および着色剤を配合してもよい。
<冷蔵庫内箱の成形> 本発明における高ニトリル熱可塑性樹脂組成物は冷蔵庫
の内箱を製造する一般的な方法で、冷蔵庫の内箱および
扉内装にされる。一般に、コートハンガーダイ付押出機
を用いて、樹脂組成物は溶融、平板に成形、ロールで冷
却固化される。続いて平板は真空成形機で冷蔵庫の内箱
および扉内箱に成形される。
<熱可塑性樹脂組成物(その2)> 本発明による冷蔵庫用樹脂組成物は、その製造法および
組成物の形成をも含めて、前記した通りのものである。
これらのうちで好ましいものも、前記した通りである。
すなわち、本発明による好ましい冷蔵庫用樹脂組成物
は、下記の要件(i)〜(iv)によって特徴づけられる
ものである。
(i) 共役ジエン系合成ゴム20〜70重量部、好ましく
は30〜60重量部、の存在下に50〜75重量%、好ましくは
50〜66重量%、のシアン化ビニル化合物と25〜50重量
%、好ましくは34〜50重量%、の芳香族ビニル化合物と
から本質的になる単量体混合物30〜80重量部、好ましく
は40〜70重量部、を重合させて得られたグラフト共重合
体に、シアン化ビニル化合物の含有率が50〜75重量%、
好ましくは50〜66重量%、であるシアン化ビニル化合物
/芳香族ビニル化合物共重合体を混合してゴム含有率を
10〜20重量%とした高トリル熱可塑性樹脂組成物(上記
の重量部および重量%は、それぞれ、挙示成分の合計を
100とした場合の値である)であること。
(ii) グラフト共重合体が、下式を充足するものであ
ること。
0.30≦(G−R)/R≦0.50 (たヾし、好ましくは、 0.37≦(G−R)/R≦0.50 G:グラフト共重合体をアセトニトリルに溶解させた後、
遠心分離機で固液分離して得られるゲルの重量百分率、 R:グラフト共重合体のゴム含有率) (iii) グラフト共重合体が、比粘度が0.04〜0.09、
好ましくは0.058〜0.085、であるものであること(ただ
し、比粘度は、グラフト共重合体はアセトニトリル可溶
部0.1gをジメチルホルムアミド100mlに溶解して粘度計
で測定した比粘度を意味する)。
(iv) グラフト共重合体が、ゴム粒子の粒径が0.01〜
10μm、好ましくは0.1〜0.5μm、である、共役ジエン
系合成ゴムラテックス中で所定単量体を乳化重合させて
製造したものであること。
<実施例> 以下の実施例および比較例は、本発明を具体的に説明す
るためのものである。冷蔵庫の内箱としての性能は、下
記の5項目で評価した。
1)曲げ弾性率 JIS K−7203に従って曲げ弾性率を測定し、冷蔵庫の
内箱に必要とされる剛性の指標とした。
(2)アイゾット衝撃値 JIS K−7110に従ってアイゾット衝撃値を測定し、冷
蔵庫の内箱に必要とされる耐衝撃性の指標とした。
(3)メルトフローレート JIS K−7210に従ってメルトフローレートを測定し、
冷蔵庫の内箱に必要とされる成形加工性の指標とした
(試験条件:表1、条件11)(g/10分)。
(4)臨界歪値 35mm×230mm×2mmの短冊型に圧縮成形した試験片をベン
ディングフォーム(1/4楕円治具に類似した曲げ歪治具
(最大歪値0.7%))にセット。23℃の温度でCFC−11、
HCFC−123またはHCFC−141bの雰囲気下に放置して、17
時間後に試験片の外観を目視判定した。これを、CFC−1
1、HCFC−123およびHCFC−141bに対する耐ストレスクラ
ック性の指標とした。
(5)低温白化発生歪値 ダンベル型に圧縮成形した樹脂組成物に、CFC−11、HCF
C−123またはHCFC−141bを用いて、in−situ発泡法で硬
質ポリウレタンフォームを接着して、試験片を作成し
た。23℃にて試験片に引張り歪を賦与した状態で治具に
固定し、−20℃まで冷却し、17時間後にクレイズあるい
はクラックの有無を目視判定した。これを、CFC−11、H
CFC−123およびHCFC−141bに対する耐ストレスクラック
性を指標とした。
なお、ダンベル型試験片は、広幅部30mm、狭幅部10mm、
長さ115mm、厚さ1mmのものであって、その狭幅部に幅10
mm、厚さ10mmおよび長さ50mmのポリウレタンフォームを
接着したものである。
(6)AN含有率の測定 グラフト共重合体は溶媒可溶部を分離、乾燥させたも
の、およびAN/ST(アクリロニトリル/スチレン)共重
合体はそのまま、を元素分析し、C、H、Nの元素比率
から〔アクリロニトリル成分含有率(重量%〕を求め
る。
(7)比粘度 グラフト共重合体は溶媒可溶部を分離、乾燥させたも
の、およびAN/ST共重合体はそのまま、を0.1g採ってジ
メチルホルムアミド100mlに溶解し、粘度計により25℃
での比粘度を測定する。
(8)グラフト率 グラフト共重合体を溶媒を分散させた後、遠心分離機
で溶媒可溶部と溶媒不溶部に分離する。溶媒不溶部(乾
燥させたもの)の重量分率をGとし、グラフト共重合体
のゴム含有率をRとして、(G−R)/Rで計算する。
(9)ゴム粒子径 Coulter Nano−Sizerを用いてグラフト共重合体ラテッ
クスのゴム粒子径(μ)を測定する。
*溶媒:高ニトリル樹脂ではアセトニトリル、ABS樹脂
ではアセトン 実施例1 A.シアン化ビニル化合物/芳香族ビニル化合物/ジエン
系合成ゴムグラフト共重合体(A)の製造 (a)ジエン系ゴムラテックス製造 1,3−ブタジエン 90 重量部 スチレン 10 〃 脂肪酸石ケン 4 〃 過硫酸カリウム 0.15 〃 t−ドデシルメルカプタン 0.3 〃 脱イオン水 155 〃 以上の成分からなる混合物をステンレス鋼製反応器に仕
込み、窒素雰囲気下で撹拌しつつ68℃で6時間反応を継
続した。その後、68℃から80℃へ1.5時間かけて昇温
し、さらに2.5時間80℃にて反応を継続した後、冷却し
て反応を終了した。
得られたラテックスの固形分濃度は、39.9%であった。
(b)グラフト共重合体の製造 以上の成分をフラスコに仕込み、窒素気流下で撹拌しな
がら65℃に保ち、下記の第一段目単量体混合物を4時間
かけて連続的に添加した。
アクリルニトリル 27.5 重量部 スチレン 19.2 〃 n−ドデシルメルカプタン 1.15 〃 第一段目単量体混合物添加後、反応系を65℃に保ち、下
記の第二段目単量体を1時間かけて連続的に添加した。
スチレン 3.3重量部 また、第一段目単量体混合物添加開始30分後から、下記
の開始剤を脱イオン水溶液として4時間かけて連続的に
添加した。
過硫酸カリウム 0.17重量部 得られた樹脂ラテックスの固形分濃度は、33.5%であっ
た。
この樹脂ラテックスを硫酸マグネシウム水溶液で凝固さ
せ、次いで水洗、乾燥して、粉末重合体を得た。
B.シアン化ビニル化合物/芳香族ビニル化合物共重合体
(B)の製造 アクリロニトリル 55 重量部 スチレン 5 〃 テルペン油 0.52 〃 ジ−t−ブチルパラクレゾール 0.04 〃 脱イオン水 90 〃 アクリル酸−アクリル酸オクチルコポリマー0.03 〃 塩化ナトリウム 0.18 〃 以上の成分からなる混合物をステンレス鋼製反応器に仕
込み、窒素雰囲気下で撹拌しつつ105℃に昇温し、少量
のスチレンに溶解した1−t−ブチルアゾ−1−シアノ
−シクロヘキサン0.15重量部を窒素で圧入添加して、重
合反応を開始した。その後、直ちに反応系に、スチレン
40重量部を4時間かけて連続添加した。この間、反応温
度は、重合開始時点の105℃から141℃まで昇温した。ス
チレンの反応系への連続添加が終了した後、20分かけて
145℃に昇温し、更にこの温度で2.5時間ストリッピング
を行った。以後は、通常の方法に従って、反応系の冷
却、ポリマーの分離、洗浄、乾燥を行ってビーズ状共重
合体を得た。
以上の方法で得たシアン化ビニル化合物/芳香族ビニル
化合物/共役ジエン系合成ゴムグラフト共重合体(A)
28重量部とシアン化ビニル化合物/芳香族ビニル化合物
共重合体(B)72重量部をバンバリーミキサーで溶融混
練して、ゴム含有率が14重量%の高ニトリル熱可塑性樹
脂組成物を得た。
実施例2 実施例1のシアン化ビニル化合物/芳香族ビニル化合物
/共役ジエン系合成ゴムグラフト共重合体(A)32重量
部とシアン化ビニル化合物/芳香族ビニル化合物共重合
体(B)68重量部をバンバリーミキサーで溶融混練し
て、ゴム含有率が16重量%の高ニトリル熱可塑性樹脂組
成物を得た。
実施例3 実施例1のシアン化ビニル化合物/芳香族ビニル化合物
/共役ジエン系合成ゴムグラフト共重合体(A)36重量
部とシアン化ビニル化合物/芳香族ビニル化合物共重合
体(B)64重量部をバンバリーミキサーで溶融混練し
て、ゴム含有率が18重量%の高ニトリル熱可塑性樹脂組
成物を得た。
実施例4 実施例1のA(b)のグラフト共重合体の製造において
第一段単量体混合物の組成を アクリロニトリル 27.5重量部 スチレン 19.2 〃 n−ドデシルメルカプタン 4.6 〃 とした以外は実施例1のAと同様にして得られたシアン
化ビニル化合物/芳香族ビニル化合物/ジエン系合成ゴ
ムグラフト共重合体(A)28重量部と実施例1のシアン
化ビニル化合物/芳香族ビニル化合物共重合体(B)72
重量部をバンバリーミキサーで溶融混練して、ゴム含有
率が14重量%の高ニトリル熱可塑性樹脂組成物を得た。
実施例5 実施例1のA(a)のグラフト共重合体の製造において
初期のフラスコの仕込みを また、第一段目単量体混合物の組成を アクリロニトリル 27.5重量部 スチレン 19.2 〃 n−ドデシルメルカプタン 2.3 〃 とした以外は実施例1のAと同様にして得られたシアン
化ビニル化合物/芳香族ビニル化合物/共役ジエン系合
成ゴムグラフト共重合体(A)28重量部と実施例1のB
のシアン化ビニル化合物/芳香族ビニル化合物共重合体
の製造において仕込み成分を アクリロニトリル 55 重量部 スチレン 5 〃 テルペン油 0.65 〃 ジ−t−ブチルパラクレゾール 0.02 〃 脱イオン水 70 〃 アクリル酸/アクリル酸オクチルコポリマー0.03 〃 塩化ナトリウム 0.18 〃 とした以外は実施例1のBと同様にして得られたシアン
化ビニル化合物/芳香族ビニル化合物共重合体(B)72
重量部をバンバリーミキサーで溶融混練して、ゴム含有
率が14重量%の高ニトリル熱可塑性樹脂組成物を得た。
実施例6 実施例1のA(b)のグラフト共重合体の製造において
第一段目単量体混合物が アクリルニトリル 35 重量部 スチレ 11.7 〃 n−ドデシルメルカプタン 2.3 〃 とした以外は実施例1のAと同様にして得られシアン化
ビニル化合物/芳香族ビニル/共役ジエン系合成ゴムグ
ラフト共重合体(A)28重量部と実施例1のBのシアン
化ビニル化合物/芳香族ビニル化合物共重合体の製造に
おいて アクリロニトリル 70 重量部 スチレン 3 〃 テルペン油 0.6 〃 ジ−t−ブチルパラクレゾール 0.02 〃 脱イオン水 70 〃 アクリル酸−アクリル酸オクチルコポリマー0.03 〃 塩化ナトリウム 0.4 〃 とし、連続添加するスチレンを27重量部とした以外の操
作は実施例1のBと同様にして得られたシアン化ビニル
化合物/芳香族ビニル化合物共重合体(B)72重量部を
バンバリーミキサーで溶融混練し、ゴム含有率が14重量
%の高ニトリル熱可塑性樹脂組成物を得た。
比較例1 実施例1のA(b)のグラフト共重合体の製造におい
て、グラフト共重合の温度を62℃とし、また、第一段目
単量体混合物の組成を アクリロニトリル 27.5重量部 スチレン 19.2 〃 n−ドデシルメルカプタン 6.9 〃 とした以外は実施例1のAと同様にして得られたシアン
化ビニル化合物/芳香族ビニル化合物/ジエン系合成ゴ
ムグラフト共重合体(A)28重量部と実施例1のBのシ
アン化ビニル化合物/芳香族ビニル化合物共重合体
(B)72重量部をバンバリーミキサーで溶融混練して、
ゴム含有率が14重量%の高ニトリル熱可塑性樹脂組成物
を得た。
比較例2 実施例1のA(a)のジエン系ゴムラテックス35 重
量部 脂肪酸石ケン 0.63 〃 水酸化カリウム 0.06 〃 以上の成分をフラスコに仕込み、窒素気流下で撹拌しつ
つ72℃に保ち、下記の成分を4.5時間かけて連続的に添
加した。
アクリロニトリル 29.2 重量部 スチレン 35.8 〃 テルペン油 0.33 〃 過硫酸カリウム 0.33 〃 得られた樹脂ラテックスの固形分濃度は、39.7%であっ
た。
この樹脂ラテックスを硫酸マグネシウム水溶液中で凝固
し、水洗、乾燥して、シアン化ビニル化合物/芳香族/
ビニル化合物/共役ジエン系ゴムクラフト共重合体
(A)を得た。
実施例1のBのシアン化ビニル化合物/芳香族ビニル化
合物共重合体の製造において、その成分を アクリルニトリル 45 重量部 スチレン 11.4 〃 テルペン油 0.45 〃 ジ−t−ブチルパラクレゾール 0.04 〃 脱イオン水 70 〃 アクリル酸−アクリル酸オクチルコポリマー0.03 〃 塩化ナトリウム 0.18 〃 とし、連続添加するスチレンを43.6重量部とした以外は
実施例1のBと同様にして、シアン化ビニル化合物/芳
香族ビニル化合物共重合体(B)を得た。
以上の方法で得たシアン化ビニル化合物/芳香族ビニル
化合物/ジエン系合成ゴムグラフト共重合体(A)40重
量部とシアン化ビニル化合物/芳香族ビニル化合物共重
合体(B)60重量部をバンバリーミキサーで溶融混練し
て、ゴム含有率が14重量%の高ニトリル熱可塑性樹脂組
成物を得た。
比較例3 三菱モンサント化成株式会社の「タフレックスYT−21
2」を用意した。これは、冷蔵庫の内箱に広く使用され
ているABS樹脂である。
<結果の解析/評価> (1) 実施例および比較例から判るように、CFC−1
1、HCFC−123およびHCFC−141bに対する耐ストレスクラ
ック性は、グラフト共重合体およびシアン化ビニル化合
物/芳香族ビニル化合物共重合体におけるシアン化ビニ
ル化合物/芳香族ビニル化合物の比率に左右される。
シアン化ビニル化合物が50〜75重量%であれば、HCFC−
123雰囲気およびHCFC−141b雰囲気における臨界歪値を
測定したとき、ストレスクラックを生じない。シアン化
ビニル化合物が50重量%を下回ると、0.4%の歪(HCFC
−123)および0.5%の歪(HCFC−141b)においてストレ
スクラックを生じ、ABS樹脂では膨潤、溶解してしま
う。
また、シアン化ビニル化合物が50〜75重量%であれば、
低温白化発生歪値は、CFC−11で発泡させた硬質ポリウ
レタンフォームが接着している場合が1.3%以上、HCFC
−123でならびにHCFC−141bで発泡させた硬質ポリウレ
タンフォームが接着している場合がいずれも0.8%以上
であり、現行の冷蔵庫のモデルであるABS樹脂にCFC−11
で発泡させた硬質ポリウレタンフォームが接着している
場合が0.6%であるから、いずれもこれを凌駕して良好
である。シアン化ビニル化合物が50重量%を下回ると、
低温白化発生歪値はHCFC−123でならびにHCFC−141bで
発泡させた硬質ポリウレタンフォームが接着している場
合がそれぞれ0.4%および0.2%、ABS樹脂にHCFC−123で
発泡させた硬質ポリウレタンフォームが接着した場合が
0.2%、といずれも現行の冷蔵庫のモデルに比べて劣
る。
以上の結果から、シアン化ビニル化合物/芳香族ビニル
化合物の比率においてシアン化ビニル化合物が50〜75重
量%である高ニトリル熱可塑性樹脂組成物からなる冷蔵
庫の内箱は、CFC−11、HCFC−123およびHCFC−141bのい
ずれに対しても高い耐ストレスクラック性を有すると考
えられる。
(2) 実施例および比較例から判るように、高ニトリ
ル熱可塑性樹脂組成物の剛性と耐衝撃性との高いバラン
スは、グラフト共重合体のグラフト率に左右される。
グラフト率が0.30〜0.50であれば、ゴム含有率が14重量
%としたとき、曲げ弾性率が27000kg/cm2以上でアイゾ
ット衝撃値が25kg−cm/cm以上となる。グラフト率が0.3
0を下回ると、ゴム含有率を14重量%としても、アイゾ
ット衝撃値が10kg−cm/cmしか得られない。
以上の結果から、グラフト率が0.30〜0.50の範囲にある
高ニトリル熱可塑性樹脂組成物からなる冷蔵庫の内箱
は、剛性と耐衝撃性との高いバランスを有すると考えら
れる。
(3) 冷蔵庫の内箱および扉内装に現在使用されてい
る各種のABS樹脂から考えて、真空成形品の変形を抑え
るための曲げ弾性率は23000kg/cm2以上、冷蔵庫の内容
物が当った際などの割れを避けるためのアイゾット衝撃
値は15kg−cm/cm以上が必要とされている。実施例から
判るように、ゴム含有率が10〜20重量%である高ニトリ
ル熱可塑性樹脂組成物がこの要求を満たす。
(4) 冷蔵庫の内箱を製造する一般的な方法である平
板押出成形および真空成形において適切なメルトフロー
レート(条件11)は1.0〜8.0g/10分と考えられ、1.0g/1
0分を下回ると成形温度領域が高くなって樹脂組成物の
分解温度に近付き、他方、8.0g/10分を上回ると平板
(シート)成形時に自重により樹脂組成物が垂れ下がっ
て成形が難かしくなる。実施例から判るように、メルト
フローレート(条件11)はシアン化ビニル化合物/芳香
族ビニル化合物の比率、グラフト率、ゴム含有率、比粘
度等の各要素に左右されるが、各要素が本発明で規定し
た範囲内にあれば大略1.0〜8.0g/10分となる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の要件(i)〜(vi)によって特徴づ
    けられる高ニトリル熱可塑性樹脂組成物。 (i)(A)共役ジエン系合成ゴム20〜70重量部の存在
    下に50〜75重量%のシアン化ビニル化合物と25〜50重量
    %の芳香族ビニル化合物とから本質的になる単量体混合
    物30〜80重量部を重合させて得られたグラフト共重合体
    に、 (B)シアン化ビニル化合物の含有率が50〜75重量%で
    ある、従って芳香族ビニル化合物の含有率が25〜50重量
    %であるシアン化ビニル化合物/芳香族ビニル化合物共
    重合体を混合してゴム含有率を10〜20重量%とした高ニ
    トリル熱可塑性樹脂組成物(上記の重量部および重量%
    は、それぞれ、挙示成分の合計を100とした場合の値で
    ある)であること。 (ii)グラフト共重合体が、下式を充足するものである
    こと。 0.30≦(G−R)/R≦0.50 (ただし、 G:グラフト共重合体をアセトニトリルに溶解させた後、
    遠心分離機で固液分離して得られるゲルの重量百分率、 R:グラフト共重合体のゴム含有率) (iii)グラフト共重合体が、比粘度が0.04〜0.09であ
    るものであること。(ただし、比粘度は、グラフト共重
    合体のアセトニトリル可溶部0.1gをジメチルホルムアミ
    ド100mlに溶解して粘度計で測定した比粘度を意味す
    る)。 (iv)グラフト共重合体が、ゴム粒子の平均粒子径が0.
    01〜10ミクロンである共役ジエン系ゴムラテックス中で
    所定単量体を乳化重合させて製造したものであること。 (v)この組成物は、そこに含まれるシアン化ビニル化
    合物/芳香族ビニル化合物共重合体が50〜75重量%のも
    のであること。 (vi)グラフト共重合体に配合すべきシアン化ビニル/
    芳香族ビニル化合物共重合体および(または)配合後の
    組成物は、比粘度が0.04〜0.09のものであること。
  2. 【請求項2】(イ)共役ジエン系合成ゴム10〜20重量部
    の存在化に50〜75重量%のシアン化ビニル化合物と25〜
    50重量%の芳香族ビニル化合物とから本質的になる単量
    体混合物80〜90重量部を重合させて得られたグラフト共
    重合体からなる高ニトリル熱可塑性樹脂組成物(上記の
    重量部および重量%は、それぞれ、挙示成分の合計を10
    0とした場合の値である)、および(または)(ロ)共
    役ジエン系合成ゴム20〜70重量部の存在化に50〜75重量
    %のシアン化ビニル化合物と25〜50重量%の芳香族ビニ
    ル化合物とから本質的になる単量体混合物30〜80重量部
    を重合させて得られたグラフト共重合体に、シアン化ビ
    ニル化合物の含有率が50〜75重量%であるシアン化ビニ
    ル化合物/芳香族ビニル化合物共重合体を混合してゴム
    含有率を10〜20重量%とした高ニトリル熱可塑性樹脂組
    成物(上記の重量部および重量%は、それぞれ、挙示成
    分の合計を100とした場合の値である)、を成形してな
    ることを特徴とする耐フロン性冷蔵庫内箱。
  3. 【請求項3】グラフト共重合体が、共役ジエン系合成ゴ
    ムの存在下に重合させるべき単量体を2分割し、2分割
    単量体の一方であって90〜98重量%に相当する量の
    (i)シアン化ビニル化合物51〜84重量%と芳香族ビニ
    ル化合物16〜49重量%とからなる第一段目単量体を連続
    的に添加しつつグラフト共重合を進行させ、(ii)第一
    段目単量体混合物の添加収量後、該2分割単量体の他方
    であって2〜10重量%に相当する量の芳香族ビニル化合
    物からなる第二段目単量体を添加してグラフト共重合を
    終了させることからなる方法によって得られたものであ
    る(上記の重量部および重量%は、それぞれ、挙示成分
    の合計を100とした場合の値である)、請求項2に記載
    の耐フロン性冷蔵庫内箱。
  4. 【請求項4】グラフト共重合体が、下式を充足するもの
    である、請求項2または3に記載の耐フロン性冷蔵庫内
    箱。 0.30≦(G−R)/R≦0.50 (ただし、 G:グラフト共重合体をアセトニトリルに溶解させた後、
    遠心分離機で固液分離して得られるゲルの重量百分率、 R:グラフト共重合体のゴム含有率)
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