JPH0742614B2 - ピッチ系炭素繊維の製造方法 - Google Patents

ピッチ系炭素繊維の製造方法

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JPH0742614B2 JP63227547A JP22754788A JPH0742614B2 JP H0742614 B2 JPH0742614 B2 JP H0742614B2 JP 63227547 A JP63227547 A JP 63227547A JP 22754788 A JP22754788 A JP 22754788A JP H0742614 B2 JPH0742614 B2 JP H0742614B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はピッチ系炭素繊維の製造方法に関するものであ
り、より詳しくは改善された強度を発現するピッチ系炭
素繊維を効率よく安定して製造する方法に関するもので
ある。
従来技術 炭素繊維は、当初レーヨンを原料として製造されたが、
その特性,経済性の点で現在ではポリアクリロニトリル
(PAN)繊維を原料とするPAN系炭素繊維と、石炭または
石油系ピッチを原料とするピッチ系炭素繊維によって占
められている。なかでも、ピッチを原料として高性能グ
レードの炭素繊維を製造する技術は、経済性にすぐれて
いるため、注目を集めており、例えば光学異方性ピッチ
を溶融紡糸して得たピッチ繊維を不融化・焼成した炭素
繊維はそれまでのピッチ系炭素繊維に比して高強度・高
弾性率のものが得られることが知られている(特公昭54
-1810号参照)。
かかるピッチ系炭素繊維の製造プロセスは、一般に、ピ
ッチの調製工程,ピッチの溶融紡糸工程,ピッチ繊維の
不融化処理工程,及び不融化した繊維を更に窒素,アル
ゴン等の不活性ガス雰囲気中にて高温で加熱し炭化ない
し黒鉛化して炭素繊維とする焼成工程から成っている。
このうち、不融化処理工程は、ピッチ繊維を融解させる
ことなく炭化するために不可欠な工程であり、一般には
高温の空気中で長時間加熱する方法が採用されている。
この空気あるいは酸素による不融化は基本的にはピッチ
繊維の酸化反応を利用したものであるが、これが不足し
た場合には焼成工程で繊維間の融着が起こり、また過剰
な場合には焼成(炭化)後の繊維の強度・ヤング率が低
下する。したがって、この不融化工程はピッチ系炭素繊
維の工業的製造において繊維物性を左右する重要な工程
である。しかしながら空気による不融化の最適条件は未
だ十分解明されておらず、また繊維物性の再現性にも問
題が残されている。
空気にかわる不融化処理系としては、例えばオゾンによ
るもの(Carbon. vol 3,31(1965)),NO2を含む空気
を用いるもの(特開昭55-98914),塩素と空気の混合ガ
スを用いるもの(特開昭49-75828),飽和の塩素水に浸
漬してから空気酸化するもの(特開昭49-72828),硫酸
を含浸させた活性炭の微粉と臭素ガスで処理したのち空
気酸化するもの(13th Conference on Carbon,p94(197
7))が提案されているが、何れの方法も実質的には不
融化処理時間を短縮することを目的とするものであり、
炭化後の繊維物性を改善する効果を有するものではな
い。
発明が解決しようとする課題 本発明は、ピッチ系炭素繊維の製造において、安定かつ
効率的に、焼成後の炭素繊維の物性を格段に改善させる
不融化方法を提供することにある。
課題を解決するための手段 前述の課題は、本発明に従って、ピッチ繊維を焼成処理
して炭素繊維を製造するに際し、ピッチ繊維をオゾンガ
スで処理した後、少くとも沃素の存在下で不融化処理
し、次いで不活性雰囲気中で加熱して焼成処理すること
により炭化ないし黒鉛化することで達成される。
本発明の方法で使用するピッチ繊維の原料である紡糸ピ
ッチとしては、石油系或は石炭系のピッチを使用する。
本発明の方法は該ピッチの組成を問わず不融化処理時間
を短縮し、かつ焼成処理後の炭素繊維の物性を改善する
効果を有するが、高性能の炭素繊維を製造するには、光
学異方性領域を50%以上、好ましくは80%以上有するピ
ッチを用いることが好ましい。
紡糸用ピッチのメトラー法による融点は280〜340℃が好
ましく、更に好ましくは290〜330℃である。また紡糸用
ピッチのキノリン可溶部の割合は30重量%以上が好まし
く、特に50重量%以上が好適である。本発明において好
適に用いられる紡糸用ピッチの光学異方性領域の割合
(以下光学異方性量という)は多いほどよい。このよう
なピッチは系が均質であり、可紡性にすぐれている。
このような紡糸用ピッチの原料としては、例えばコール
タールピッチ,石炭液化物のような石炭系重質油や、石
油の常圧残留油,減圧蒸留残油及びこれらの残油の熱処
理によって副生するタールやピッチ,オイルサンド,ビ
チューメンのような石油重質油を精製したものを用いこ
れを熱処理,溶剤抽出,水素化処理等を組み合わせて処
理することによって得られている。
該ピッチを溶融紡糸するに際し、紡糸口金の形態および
構造は特に限定されるものではないが、高性能の炭素繊
維を製造するためには、以下に述べる(a)及び/又は
(b)の方法の何れかを用いることが好ましい。
(a) 紡糸ノズルの孔形状として、米国特許第4,628,
001号に記載の如き紡糸ノズルの紡糸孔における濡れ縁
の中心線距離をLn,濡れ縁幅をWnとしたとき、Lnの少な
くともひとつが次の二式 Ln<10mm 1.0<Ln/Wn≦20 を同時に満足する非円形のもの、好ましくはスリット状
のものを使用する。
(b) 導入孔部と細孔部から構成される紡糸ノズルに
おいて、その導入孔部の上流部に、静止系分画素子およ
び/又は静止系混練素子を配置し、かつ静止系分画素子
および/又は静止系混練素子の最下流部の位置を原点と
し、そこから紡糸ノズルの出口の方向に測った距離l
(mm)におけるノズル孔の断面積をS(l)(mm2)、
静止系分画素子および/又は静止系混練素子の最下流部
から紡糸ノズルの出口までの距離L0(mm)、紡糸ノズル
内の紡糸ピッチの粘度η(ポイズ)に対して次の式 を満たすものを使用し、かつ導入部から細孔部にいたる
導入角θ(度)、及び細孔部長さlc(mm)、紡糸ピッチ
の一孔あたりの吐出量Q(g/min)に対してそれぞれ次
の二式 150°≦θ≦180° lc・η/Q>20 を満足するものを使用し、紡糸ピッチを上記静止系分画
素子および/又は静止系混練素子に通し引続き上記条件
を満足する紡糸ノズル導入孔部及び細孔部の順に流通さ
せ紡糸する。ここで静止系混練素子とは、溶融状態の紡
糸ピッチが該素子を通過することにより流れが細分化さ
れ、かつ混練されるものをいう。
上記の(a)または(b)のいずれか、或は両者を組み
合わせた方法を用いて紡糸することで、炭素繊維の断面
におけるクラックの発生を効果的に抑止することができ
る。
ピッチの溶融紡糸に際しては、紡糸温度はピッチの融点
より高温でかつ360℃より低温にすることが好ましい。
また紡糸ドラフト率は30以上、特に50以上とするのが好
ましく、紡糸速度は100〜1500m/分程度が好適に採用さ
れる。
本発明方法では、かくして得られたピッチ繊維に対し、
オゾン処理を施し、しかるのち沃素が存在する状態で処
理する、好ましくは沃素と酸素とが共存する状態で加熱
する、ことにより不融化処理し、次いで不活性雰囲気下
で加熱して焼成処理し高性能のピッチ系炭素繊維を得
る。
かかるオゾン処理の方法としては、紡糸したピッチ繊維
を、オゾンと酸素もしくはオゾンと空気の混合ガス中で
処理する方法を用いることができる。この方法に用いる
オゾンの濃度は、特に限定するものではないが、混合ガ
ス中のオゾン濃度を、0.01モル%以上とすることが好ま
しい。処理温度は、40℃〜300℃が好適である。この場
合40℃以下では、処理に要する時間が長時間化するだけ
であり、また、300℃以上ではきわめて短時間で処理が
過剰となるため厳密な処理条件の制御が必要となるだけ
である。しかし、この範囲外でも改善された物性を有す
るピッチ系炭素繊維を製造する効果を損うものではな
い。
本発明では、かくして得られたオゾン処理繊維を沃素の
存在下で処理することにより不融化せしめるが、この不
融化処理は繊維中又は雰囲気中に沃素と酸素とが存在す
る状態で実施するのが好ましい。具体的方法としては、
オゾン処理繊維に沃素を含有せしめ次いで空気中で加
熱処理する方法、オゾン処理繊維を酸素と沃素の混合
ガス中で加熱処理する方法、の2通りがある。
次に、それぞれの方法について詳述する。
前記の方法において、オゾン処理繊維に沃素を含有せ
しめる方法は、特に限定しないが、例えば次の方法を採
用することができる。
(イ) オゾン処理繊維を沃素の蒸気と接触させる。
(ロ) オゾン処理繊維に沃素を脂肪族炭化水素あるい
は多価アルコール等の溶媒に溶解もしくは分散した溶液
を塗布する。
このときオゾン処理繊維中に含まれる沃素の量は被処理
繊維の重量を基準にして1%以上とすることが必要で、
好ましくは3%以上、更に好ましくは5%以上とする。
沃素の量が1%以下の場合は、炭化後の繊維物性の改善
効果に再現性が乏しい。沃素含有率の上限は特に限定さ
れず、沃素のオゾン処理繊維に対する飽和濃度まで任意
の濃度で本発明の効果は発現する。また、ピッチ繊維に
沃素が溶解もしくは分散した溶液を塗布した場合等に、
オゾン処理繊維に対する飽和濃度以上の沃素が繊維表面
または繊維束内の繊維間隙に存在することは、本発明方
法を実施するにあたって、なんら障害となるものではな
く、この場合も本発明方法の効果は発現しうる。
かくして沃素を含有せしめたオゾン処理繊維は、350℃
以下、好ましくは300℃以下、更に好ましくは250℃以下
の空気中で処理して不融化する。350℃を越える温度で
処理した場合必ずしも焼成(炭化)後の炭素繊維物性が
損われるわけではないが、極めて短時間に不融化が進行
するため、不融化酸化反応が過剰となりやすく、物性の
再現性に乏しい。空気処理温度の下限は特に限定するも
のではないが、低温を用いた場合、処理に要する時間が
過大となるため、好ましくは100℃以上、更に好ましく
は200℃以上で実施することが効率的である。
空気不融化に用いられる空気中に、沃素蒸気が含まれて
いる場合は、本発明方法はより効果的に実施しうる。ま
た、該空気中には、空気及び沃素以外の成分、例えば一
酸化炭素,二酸化炭素,窒素酸化物,炭化水素等が含ま
れていてもよい。
空気処理時の圧力は特に限定するものではなく、特に高
圧であるほど処理時間を短縮することが可能である。
この方法では空気処理に際し、予めオゾン処理繊維に沃
素を含有させた後、空気処理に供するが、その空気処理
中もしくは空気処理後に於てオゾン処理繊維中に含有さ
れていた沃素の量が、減少もしくは実質的に消失するこ
とがあっても本発明方法による効果の発現を妨げるもの
ではない。処理時間は処理温度に依存するが、通常3時
間以内で十分であり、条件を選べば数分以内で処理を終
了させることもできる。
かくして沃素を含有せしめた後、空気処理されたオゾン
処理繊維は不融化しており、該繊維を引き続いて不活性
雰囲気下に1000℃以上の温度で焼成処理して炭化させ、
必要に応じてさらに黒鉛化処理することにより、優れた
物性を有するピッチ系炭素繊維を製造することができ
る。
一方、後者の方法においては、オゾン処理繊維を沃素
蒸気と酸素を含む混合ガス中で処理し、次いで不活性雰
囲気下で加熱して焼成処理しピッチ系炭素繊維とする。
即ち、この方法では、従来ピッチ系炭素繊維の製造方法
の必須の工程とされていた空気による不融化工程を実質
的に不要とするものである。
この方法に用いる混合ガス中の沃素及び酸素の濃度は特
に限定するものではない。しかし、本発明を効率的に実
施するためには、混合ガス中の沃素濃度を、0.01モル%
以上とし、かつ酸素濃度を1モル%以上にすることが好
ましい。但し、沃素濃度が0.01モル%以下、もしくは酸
素濃度が1モル%以下においては、処理に要する時間が
長時間化するだけであり、改善された物性を有するピッ
チ系炭素繊維を製造する効果を損うものではない。ま
た、酸素ガスの代わりに空気を用いることが経済性から
みて有利である。
本発明で用いられる混合ガスには、沃素,酸素または空
気以外の成分、例えば一酸化炭素,二酸化炭素,窒素,
窒素酸化物,炭化水素ガス等を含有することもできる。
沃素と酸素とを含む混合ガスによりオゾン処理繊維を処
理するときの処理温度も限定されないが、100〜400℃特
に200〜300℃が好適である。この場合100℃以下では処
理に要する時間が長時間化するだけであり、改善された
物性を有するピッチ系炭素繊維を製造する効果を損うも
のではない。また、処理時の気圧もまた限定されるもの
ではないが、高圧程効率的に効果を発現しうる。
沃素と酸素とを含む混合ガスによる処理時間は処理温度
にも依存するが通常3時間以内で十分であり、場合によ
っては数分以内で終了させることもできる。このように
混合ガスで処理したオゾン処理繊維は、引続き不活性雰
囲気下1000℃以上の温度で焼成して炭化せしめ、必要に
応じてさらに黒鉛化処理することにより、優れた物性を
有するピッチ系炭素繊維を製造することが出来る。
更に、本発明ではピッチ繊維をオゾン処理した後、酸素
を実質的に含まない沃素ガス雰囲気下で処理するか又は
沃素を含む溶液で処理した後、不活性雰囲気下で前述と
同様の条件で焼成処理することもできる。
作用・効果 上述の各方法により得られた炭素繊維は、従来の如く紡
糸したピッチ繊維を空気により不融化して得られたもの
に比して極めて高伸度とかつ高強度となり、物性の再現
性に優れたものとなる。さらに同温・同圧で比較したと
き、不融化化処理に要する時間は、上記従来法による場
合に比べて飛躍的に短縮される。
本発明方法による上記の効果が発現する機構は必ずしも
完全には解明されていないが、次のように説明すること
ができる。すなわち、沃素は単独でもピッチと反応し、
ピッチ中の分子を高分子量化させるとともに、各分子の
芳香族性を向上させ、ピッチの粘性を速やかに増大させ
る。
また沃素は速やかにピッチ繊維中に拡散し、繊維の中心
部まで均質な不融化反応がおこる。これに対し、オゾン
はピッチ繊維との反応性が極めて高いが、ピッチ繊維中
への拡散が遅く、繊維表層部において過剰な酸化反応が
おこる傾向がある。本発明の方法は上記の沃素とオゾン
のピッチ繊維に対する反応特性を複合することにより、
繊維表層と内層の不融化状態を制御するものである。す
なわち、不融化反応が大過剰になるとピッチ繊維は難黒
鉛化し、焼成後の繊維は高伸度であるが低ヤング率とな
り、ピッチ本来の黒鉛化特性を維持するためには、不融
化反応は必要最小限の程度に抑えることが好ましい。し
かし、不融化反応が十分でない場合、焼成時の軟化に伴
う繊維間の融着あるいは自発的なウエッジの形成等の欠
陥発生により繊維物性の低下が見られ、また焼成時に欠
陥が発生しない場合でさえ、焼成後の繊維の表層はミク
ロクラック等に対する欠陥感受性が高く、発生したクラ
ックの伝播が容易であり、脆くなる。
本発明の方法では、オゾン処理によりピッチ繊維の表層
部のみを選択的に過剰に不融化し、かつ、繊維内部は沃
素により均質かつ最小限度の不融化状態に制御すること
が可能である。このため、焼成時における欠陥の発生は
回避され、かつ焼成した繊維の表層部は難黒鉛層が形成
されるためクラック等の伝播が抑制され、また内層部は
優れた黒鉛性を発揮することで、黒鉛本来の繊維特性を
発現し、したがって極めて高伸度かつ高ヤング率のピッ
チ系炭素繊維を製造することができるのである。
かくして本発明の方法では、ピッチ繊維をオゾン処理し
た後、沃素を含有させた後空気で処理するか又は沃素と
酸素の混合ガスで処理することにより、焼成後の炭素繊
維の物性を格段に改善させることができ、後述の実施例
に示すごとく強度・伸度・モジュラスともにPAN系炭素
繊維の物性に匹敵するかもしくは凌駕するものとなり、
同時に不融化処理に要する時間を大幅に短縮することが
できる。
実施例 以下、実施例をあげて本発明をさらに詳細に説明する。
なお、例中の炭素繊維の強伸度物性はJIS R−7601によ
り測定した値である。
実施例1 市販のコールタールを原料とし、特開昭59-53717号公報
に記載の方法に準じ、光学異方性量を92%有し、キノリ
ン可溶部95.4%、メトラー方による融点が305℃の紡糸
用ピッチを調製した。
紡糸用ピッチを加熱ヒータを備えた定量フィーダーに仕
込み、溶融脱泡後スリット幅60ミクロン,中心線距離54
0ミクロンの単一スリット紡糸孔を有する紡糸口金で溶
融紡糸を行った。
この場合のフィーダー吐出量は0.032ml/分/孔,口金温
度335℃に設定し、引き取り速度600m/分で巻取った。
このピッチ繊維を150℃のオゾンを1.5モル%含む空気中
に30分保持しオゾンと反応させた。このオゾン処理繊維
を100℃の沃素蒸気中に5分間保持し、沃素を吸収させ
た。このときのオゾン処理繊維中の沃素含有率はピッチ
100重量部に対し50重量部であった。この沃素を含有す
るオゾン処理繊維を、空気中、2.5℃/分の昇温速度で
室温から225℃まで昇温加熱し、225℃で1時間保持し
た。
次いで窒素雰囲気中にて500℃/分の昇温速度で1800℃
まで昇温加熱し焼成(炭化)処理した。得られた炭素繊
維は、物性測定の結果、強度650kg/mm2,伸度1.9%,ヤ
ング率35T/mm2の優れた値を示した。
実施例2 実施例1と全く同様の方法で紡糸してピッチ繊維を調製
し、同様の方法でオゾンで処理した。このオゾン処理繊
維に沃素を吸収させた。このオゾン処理繊維を沃素蒸気
を0.5モル%含む空気中で、2.5℃/分の昇温速度で室温
から225℃まで昇温加熱し、225℃で0.5時間保持した。
次いで窒素雰囲気中にて500℃/分の昇温速度で1800℃
まで昇温加熱し焼成(炭化)処理した。得られた炭素繊
維は、物性測定の結果、強度654kg/mm2,伸度1.9%,ヤ
ング率34T/mm2の優れた値を示した。
比較実施例1 実施例1と全く同様の方法で紡糸してピッチ繊維を調製
した。このピッチ繊維に沃素を吸収させることなく、空
気中で2.5℃/分の昇温速度で室温から300℃まで昇温加
熱し、300℃で0.5時間保持した。
次いで窒素雰囲気中にて500℃/分の昇温速度で1800℃
まで昇温加熱し焼成(炭化)処理した。得られた炭素繊
維は物性測定の結果、強度523kg/mm2,伸度1.7%,ヤン
グ率30T/mm2であった。
実施例3 市販のコールタールピッチを原料とし、特開昭59-53717
号公報に記載の方法に準じ、光学異方性量を92%有し、
キノリン可溶部95.4%、メトラー法により融点が305℃
の紡糸用ピッチを調製した。
紡糸用ピッチを加熱ヒータを備えた定量フィーダーに仕
込み、溶融脱泡後スリット幅60ミクロン,中心線距離54
0ミクロンの単一スリット紡糸孔を有する紡糸口金で紡
糸を行った。
この場合のフィーダー吐出量は0.032ml/分/孔,口金温
度335℃,引き取り速度600m/分で巻取った。
このピッチ繊維を150℃のオゾンを1.5%含む酸素中に1
時間保持しオゾン処理した。このオゾン処理繊維を、沃
素0.5モル%含む空気中、2.5℃/分の昇温速度で室温か
ら225℃まで昇温加熱し、225℃で1時間保持した。
次いで窒素雰囲気中にて500℃/分の昇温速度で1800℃
まで昇温加熱し焼成(炭化)処理した。得られた炭素繊
維は物性測定の結果、強度641kg/mm2,伸度1.8%,ヤン
グ率36T/mm2の優れた値を示した。
実施例4 実施例3と全く同様の方法で紡糸してピッチ繊維を調製
しオゾン処理を行った後、沃素蒸気を0.5%含む空気中
で、5℃/分の昇温速度で室温から250℃まで昇温加熱
し、250℃で0.1時間保持した。
次いで窒素雰囲気中にて500℃/分の昇温速度で1800℃
まで昇温加熱し焼成(炭化)処理した。得られた炭素繊
維は物性測定の結果、強度585kg/mm2,伸度1.7%,ヤン
グ率33T/mm2の優れた値を示した。
比較実施例2 実施例3と全く同様の方法で紡糸してピッチ繊維を調製
しオゾン処理を行うことなく、沃素蒸気を0.5%含む空
気中で5℃/分の昇温速度で室温から250℃まで昇温加
熱し、250℃で0.1時間保持した。
次いで窒素雰囲気中にて500℃/分の昇温速度で1800℃
まで昇温加熱したところ、繊維は軟化し融着した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−246420(JP,A) 特開 昭61−28019(JP,A) 欧州特許出願169023(EP,A− 169023)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶融紡糸したピッチ繊維をオゾンで処理し
    た後、少くとも沃素が存在する状態で不融化処理し、次
    いで不活性雰囲気中で焼成処理することを特徴とするピ
    ッチ系炭素繊維の製造方法。
  2. 【請求項2】溶融紡糸したピッチ繊維をオゾンで処理し
    た後、該繊維に沃素を1.0重量%以上含有せしめて、350
    ℃以下の空気中で処理して不融化せしめ、次いで不活性
    雰囲気中で加熱して焼成処理する請求項(1)に記載の
    ピッチ系炭素繊維の製造方法。
  3. 【請求項3】ピッチ繊維をオゾンで処理した後、沃素を
    3.0重量%以上含有せしめて、空気中で100〜300℃の温
    度に加熱して不融化せしめ、次いで不活性雰囲気中で加
    熱して焼成処理する請求項(2)に記載のピッチ系炭素
    繊維の製造方法。
  4. 【請求項4】溶融紡糸したピッチ繊維をオゾンで処理し
    た後、沃素と酸素とを含む混合ガス中で加熱して不融化
    せしめ、次いで不活性雰囲気下で加熱して焼成処理する
    請求項(1)に記載のピッチ系炭素繊維の製造方法。
  5. 【請求項5】沃素と酸素との混合ガス中での加熱処理を
    100〜400℃で行う、請求項(4)に記載のピッチ系炭素
    繊維の製造方法。
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