JPH074269B2 - シクロスポリン類に対するモノクロ−ナル抗体 - Google Patents

シクロスポリン類に対するモノクロ−ナル抗体

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JPH074269B2
JPH074269B2 JP60504679A JP50467985A JPH074269B2 JP H074269 B2 JPH074269 B2 JP H074269B2 JP 60504679 A JP60504679 A JP 60504679A JP 50467985 A JP50467985 A JP 50467985A JP H074269 B2 JPH074269 B2 JP H074269B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、シクロスポリン類に対するモノクローナル抗
体、特にシクロスポリン類とその代謝産物とを識別で
き、診断/アッセイキット中での使用に好適なモノクロ
ーナル抗体、ならびに該モノクローナル抗体の製造に使
用する新規ハイブリドーマセルライン、および該モノク
ローナル抗体を含む診断/アッセイキットに関する。さ
らに本発明は、上記モノクローナル抗体の産生に有用で
あり、かつ診断/アッセイキットの使用に好適な通常の
ポリクローナル抗血清の産生にも有用である、新規シク
ロスポリン類およびこれを含む免疫原性コンジュゲー
ト、ならびに生成物の抗血清および抗体、およびこれら
を含む診断/アッセイキットに関するものである。さら
に本発明は、該新規シクロスポリン類の標識化誘導体、
診断/アッセイキットの用途に好適な同誘導体、ならび
にこれらを含む診断/アッセイキットにも関するもので
ある。
シクロスポリン類は、共通して、薬理活性、特に免疫抑
制、抗炎症および抗寄生虫活性を有する、構造が特有の
環状ポリ−N−メチル化ウンデカペプチドの一群を包含
する。最初に単離されたシクロスポリン類は、シクロス
ポリンAとしても知られる、天然に存在する真菌の代謝
産物としての「シクロスポリン」であり、式(A): [式中、−MeBmt−は、式(B): [式中、−x−y−は−CH=CH−(トランス)である] で示されるN−メチル−(4R)−4−ブタ−2E−エン−
1−イル−4−メチル−(L)スレオニル基である] で示される。
最初の「シクロスポリン」の発見以来、非常に様々な天
然に存在するシクロスポリン類が単離かつ同定され、さ
らに、多くの非天然シクロスポリン類が、完全なもしく
は半合成的手段により、または改良した培養技術の応用
により、製造されてきた。したがって、シクロスポリン
類によって包含される群は現在数多くあり、これには例
えば天然に存在するシクロスポリンA〜Z[コーベル等
のヨーロピアン・ジャーナル・オブ・アプライド・ミク
ロバイオロジー・アンド・バイオテクノロジー14巻237
〜240頁(1982)およびトウエンテイ・フオース・イン
ターサイエンス・カンファランス・オン・アンチミクロ
バイアル・エイジェンツ・アンド・ケモセラピー(ワシ
ントン、1984年10月8日〜10日)においてトレーバー等
により、掲示されたポスターを参照されたい]、ならび
に、ジヒドロシクロスポリン類(これにおいては−MeBm
t−基の−x−y−基の(上記(B)参照)が飽和して
いる。例えば米国特許第4108985号、4210581号および42
20641号に開示のとおり。)、−MeBmt−基が異性体形ま
たはN−デスメチル形で存在しているシクロスポリン類
[欧州特許第0034567号および「シクロスポリンA」
(プロシージャー・オブ・インターナショナル・カンフ
ァランス・オン・シクロスポリンA、ケンブリッジ(英
国)、1981年9月、D.J.G.ホワイト編、エルセヴィーア
・プレス(1982))を参照されたい。両者共にR.ウェン
ガーにより開発されたシクロスポリン類の製造のための
全合成法を記載している。]およびペプチド配列内の特
別な位置に種々のアミノ酸が組み込まれたシクロスポリ
ン類を含む、種々の非天然または人工的シクロスポリン
類が包含される。上記の参考文献に開示されているこの
ようなシクロスポリン類の例には、例えば[Thr]
−、[Val]−、[Nva]−および[Nva]−[N
va]−シクロスポリン(各々シクロスポリンC、D、
GおよびMとしても知られている)ならびにジヒドロ−
[Val]−シクロスポリン(ジヒドロシクロスポリン
Dとしても知られる)が包含される。
[現在慣例となっているシクロスポリン類の命名法に従
い、本明細書および請求の範囲を通じてこれらを「シク
ロスポリン」(即ちシクロスポリンA)の構造を参考に
してここに定義する。これは、まず「シクロスポリン」
に存在するのとは異なる分子中の残基を示し、次に「シ
クロスポリン」に存在するのと同一のその他の残基を特
徴付けるために“シクロスポリン”という語を適用する
ことによって行なう。同時に、−MeBmt−基が水素化さ
れている(−ジヒドロ−MeBmt−)、即ち式(B)の−
x−y−が−CH2−CH2−であるシクロスポリン類を表す
ために、接頭辞“ジヒドロ”を使用する。したがって、
[Thr]−シクロスポリンは、2位の−αAbu−が−Th
r−に置き換わっている外は式(A)で示される配列を
有するシクロスポリンであり、ジヒドロ−[Val]
シクロスポリンは、1位の−MeBmt−が水素化されてお
り、2位の−αAbu−が−Val−に置き換わっている外は
式(A)で示される配列を有するシクロスポリンであ
る。
さらに、略語、例えば−Ala−、−Meval−等・・・によ
って示されるアミノ酸残基は、慣用的用法に従い、別途
指示のない限り(L)配置を有するものと理解すべきで
ある。「Me」を冠した残基の略語は、−MeLeu−の場合
のようにN−メチル化残基を表わす。シクロスポリン分
子の個々の残基は、先行文献にしたがって、右回りに、
かつ1位の−MeBmt−(または−ジヒドロ−MeBmt−基か
ら出発して番号を付す。同じ番号順序を本明細書全編に
わたって使用する。] その独特な免疫抑制活性の故に、シクロスポリン類は、
医学および学界のみならず専門外の雑誌においてもかな
りの注目を集めてきた。「シクロスポリン」自身は現在
市販品を入手でき、同種器官、例えば心臓、心肺、腎臓
および骨髄の移植後の拒絶防止のために、そしてより最
近では種々の自己免疫および関連疾患および病態の処置
に広く使用されている。ジヒドロ−[Val]−シクロ
スポリンおよび[Nva]−シクロスポリンの両者は、
「シクロスポリン」に次ぐ可能性ある後継物質として、
目下詳細な臨床的研究下にある。
しかしながら、シクロスポリン類、例えば「シクロスポ
リン」の投薬は著しい困難を示す。代謝上の変換速度が
患者に特異的であり、また治療範囲が狭いため、有効用
量は対象に極めて特異的であって、適当な個々の血清レ
ベルの確立を必要とする。したがって、シクロスポリン
の血漿中濃度の日常的監視は、有効な処置に必須の先行
条件である。この目的のために数多くの高速液体クロマ
トグラフィー(HPLC)、ラジオイムノアッセイ(RIA)
およびフルオロイムノアッセイ(FIA)系が開発され
た。しかしながら、HPLC法は極めて特異的ではあるもの
の実際の使用は困難で煩わしく、また現在市販されてお
り入手可能な羊のポリクローナル抗血清に基づくRIA系
は、その特異性の欠如の故に批判を受けている。したが
って、人間に治療のため投与したシクロスポリン類とそ
の代謝産物とを識別することのできるシクロスポリン
(例えば「シクロスポリン」)特異性モノクローナル抗
体の開発は、長い間純化学的目標であると共に緊急の実
用上の目標であった。何故ならばこれは、HPLC法と同じ
可能性のある特異性を与えるという利点を有し、一方常
套の免疫アッセイ系により提供される適用の簡便さとい
う利点を保持しているからである。加えてこのようなシ
クロスポリン特異性モノクローナル抗体の供給は、例え
ばシクロスポリンの配置の比較研究およびシクロスポリ
ンレセプターの必要条件の定義付け等を可能にする重要
な新しい研究手段を提供することになる。
「シクロスポリン」の最初の発見以来、シクロスポリン
類に反応するモノクローナル抗体を生産するために多く
の試みがなされてきた。シクロスポリン類、例えば「シ
クロスポリン」は、自身殆んど免疫原性が無いため、通
常の研究は、例えばハプテン・蛋白のような免疫原性コ
ンジュゲート(例えば、縮合剤としてEDCI[N−エチル
−N′−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミ
ド・2HCl]またはMCDI[N−シクロヘキシル−N′−
[β−(N−メチルモルホリノ)エチル]−カルボジイ
ミド・p−トルエンスルホナート]を使用する常套の結
合技術を用いて、[Thr]−シクロスポリン中の−Thr
2−の位置で利用できるヒドロキシ基を介した免疫グロ
ブリンの結合によって誘導される)を使用して進められ
てきた。この方法による試みはしかしながら失敗し、モ
ノクローナル抗体が得られると、これは、「シクロスポ
リン」に対し比較的低い特異性を有し、または「シクロ
スポリン」ではなく担体の蛋白質もしくは使用された縮
合試薬について特異的であり、または縮合試薬と高度に
交差反応性であることがわかった。例えば「シクロスポ
リン」とその代謝産物(例えば、後に個別的に記載する
代謝産物シクロスポリン17およびシクロスポリン18)間
を識別するものとして同定され得るモノクローナル抗体
を産生することが可能であると判明した例は全くない。
さらに、このような試みは、IgM型の「シクロスポリ
ン」に対するモノクローナル抗体のみの生産を導いた訳
であり、よっていずれにせよ、通常の、例えば臨床用の
アッセイキットのどの形においても本質的に使用が不適
当であった。したがって、シクロスポリン類との特異的
反応性を有し、個々のシクロスポリン類とその代謝産
物、例えば「シクロスポリン」と人間におけるその代謝
産物とを識別することができ、アッセイ系での使用に好
適なモノクローナル抗体の生産は、今なお大きな目標の
ままである。
この度驚くべきことに、本発明に従うことにより、もし
コンジュゲートが活性化結合基を媒介として担体とシク
ロスポリンの結合によって製造されるならば(例えばコ
ンジュゲート合成が、出発物質として活性化結合基を有
するシクロスポリンを用いて行なわれるならば)、最初
の免疫処置の段階でハプテンとしてシクロスポリンを含
む免疫原性コンジュゲートを使用する、本質的に慣用的
な免疫処置/融合/クローニング技術を介して、シクロ
スポリン類に反応性で、かつ上記で論じた種々の目的に
合致し、特にシクロスポリン類とその代謝産物との識別
が可能である、モノクローナル抗体が生産できることが
わかった。特に、この免疫原性コンジュゲートを使用す
るならば、例えば「シクロスポリン」の場合、「シクロ
スポリン」とは反応性であるが、例えばその代謝産物で
あるシクロスポリン17および/またはシクロスポリン18
とは低い交差反応を示す、というように、シクロスポリ
ン類と個々の残基上に相異する基が1個しかない代謝産
物との間の細かな区別ができるモノクローナル抗体を得
ることができる。
例えば臨床上の使用のための簡便なモノクローナルアッ
セイ系の開発手段を遂に提供できたことに加えて、本発
明はさらに、シクロスポリン代謝産物のさらに進んだ精
製手段、および、本発明に係る一般的方法の適用によっ
てモノクローナル抗体(これはレセプター部位と類似し
得る)が得られるであろうことが予想されることから、
可能性ある内性シクロスポリン様分子の性格決定手段を
も提供する。このように、実用的および純科学的見地の
両方から本発明の重要性は容易に明らかであろう。
上記に指摘するように、本発明の実施に必要な免疫原性
コンジュゲートは、活性化結合基を介して、担体、例え
ば蛋白質分子とシクロスポリンとを直接結合させること
によって製造する。これは、活性化結合基を有する担体
と、適当な相互反応性置換基、例えばヒドロキシまたは
アミノ基を有するシクロスポリン(例えば後述する[Th
r]−シクロスポリンまたは[(D)Lys]−シクロ
スポリンの場合のように)との反応、または、担体と、
活性化結合基を有するシクロスポリン(例えばシクロス
ポリン分子中に存在するアミノ基残基の1個が、α炭素
原子上に活性化結合基を含むまたは有する側鎖を持って
いるシクロスポリン)との反応のいずれかによって行な
うことができる。したがって、例えば通常のポリクロー
ナル抗血清の生産のためにかって当分野で用いられた、
シクロスポリンをハプテンとして含む免疫原性コンジュ
ゲートの場合のように、該コンジュゲートは、介在する
結合剤の基を介してではなく直接担体基に結合するハプ
テン基、シクロスポリンを含むものである。
本明細書および特許請求の範囲全編にわたって使用する
「活性化結合基」という語は、反応の実施または促進を
可能にする縮合剤の使用を必要とせずに、適当な相互反
応性基、例えばアミノ、ヒドロキシ、チオ基等と直接反
応して共有結合を提供することのできる任意の基であ
る、と解するべきである。したがって「活性化結合基」
を有するシクロスポリン類の場合、これは、担体分子と
の反応または結合を起こすまたは促進することのできる
結合試薬の使用を必要とせずに、担体分子、例えば蛋白
質分子と直接反応して当該担体分子と共有結合したコン
ジュゲートを供給することのできる任意の基、というこ
とになる。
活性化結合基として適当な基は当分野でよく知られてお
り、例えばi)活性化エステルまたは活性化カルボキシ
基、即ち式:−CO−OZ[式中、Zはo−またはp−ニト
ロフェニル、1−ベンズトリアゾール、ペンタフルオロ
フェニルまたはN−スクシンイミドのようなカルボキシ
活性化基である]で示される基;ii)活性化ジチオ基、
即ち式:−S−S−X [式中、Xは2−ピリジルのようなジチオ活性化基であ
る]で示される基;およびiii)エポキシ基が含まれ
る。
活性化結合基、例えば前記のようなエポキシ基を有する
適切な免疫原性コンジュゲートの担体分子は、当分野で
既知の技術、例えばラウメン等によりテトラヘドロン・
レターズ26巻(4)、407〜410頁(1985)に記載された
技術に従って製造することがである。しかしながら本発
明に係る一般的方法に従う場合、活性化結合基は担体に
結合すべきシクロスポリン上に配されるのが好ましく、
その逆ではない。
原則として、活性化結合基はシクロスポリン分子のどの
位置に存在していてもよい。シクロスポリンの代謝にお
いて1位での変換が特に重要であり、または主たるシク
ロスポリン代謝産物(例えば「シクロスポリン」の場合
に関してはシクロスポリン17およびシクロスポリン18)
が下記のように1位における構造上の変化を示すので、
活性化結合基は2〜11位(両端の数を含む)のうちの1
箇所または1個所以外に存在するのが好ましく、その結
果、続いて得られる免疫原性コンジュゲートにおいて、
1位の基は、好ましくは担体により「マスクされずに」
そのまま残り、したがって特異的抗体応答の導出ができ
る。一般に活性化結合基は2位または3.5〜8もしくは1
0位のいずれか、特に5〜8位(両端の数を含む)にあ
る時適当であり、したがって2および8位が特に好まし
い。
「シクロスポリン」の場合、人間に起こる主要な代謝上
の変換は、 I.−MeLeu9−が末端のヒドロキシ化によって式 (E): で示される基となること; II.−MeBmt1−が末端のヒドロキシ化によって式 (F): で示される基となること; III.−MeLeu4−がデス−N−メチル化によって−Lue−
となること; IV.−MeLeu4−が末端のヒドロキシ化によって上記
(E)で示される基となること; V.−MeLeu6−が末端のヒドロキシ化によって上記(E)
で示される基となること; VI.−MeBmt1−が末端のヒドロキシ化および閉環によっ
て式(G): で示される基となること、 である。
したがって、既知の「シクロスポリン」代謝産物(シク
ロスポリン1、シクロスポリン8等々と称される)は、
以下のような代謝上の変化を示す。
シクロスポリン1:I。シクロスポリン8:I+II、シクロス
ポリン9:I+III+V。シクロスポリン10:I+IV。シクロ
スポリン16:I+V。シクロスポリン17:II。シクロスポ
リン18:VI。シクロスポリン21:III。
[G.モーラー等、「ドラッグ・メタボリズム・アンド・
ディスポジション」12巻、120〜126頁(1984)を参照さ
れたい。] したがって、「シクロスポリン」と人間におけるその代
謝産物とを識別できるモノクローナル抗体を製造するた
めには、免疫原性コンジュゲートの形成に使用するシク
ロスポリン中の活性結合基を1、4、6または9位以外
の位置に定めるのが適当であり、またシクロスポリン17
および18が主たる代謝産物である場合は、少なくとも1
位以外であるのが適当である。さらに特定のシクロスポ
リンの場合には2および8位が特に好ましい。
上記のような活性化結合基を有するシクロスポリン類
は、例えば、 i)既に存在する適当な前駆基(即ち非活性形の結合
基)の活性化、例えばカルボキシ置換α−アミノ酸残基
(即ち、α−炭素原子の位置にカルボキシ基を含むまた
は有する側鎖を有するα−アミノ酸残基)を例えば2ま
たは8位に有するシクロスポリンのカルボキシ基を、カ
ルボキシ活性化剤との反応によって活性カルボキシ基に
変換すること; または、 ii)アミノまたはヒドロキシ置換α−アミノ酸残基(即
ち、α−炭素原子の位置にヒドロキシまたはアミノ基を
含むまたは有する側鎖を有するα−アミノ酸残基)、例
えば2位のヒドロキシ置換α−アミノ酸残基、または8
位のアミノもしくはヒドロキシ置換α−アミノ酸残基を
有するシクロスポリンを、活性化結合基を有するアシル
化またはアルキル化剤によってアシル化またはエーテル
化すること、 のいずれかによって製造できる。
上記工程i)は、例えばカルボキシ基の活性化のため
に、o−もしくはp−ニトロフェノール、1−ヒドロキ
シ−ベンズトリアゾール、ペンタフルオロフェノールま
たはN−ヒドロキシ−スクシンイミドのような通常のカ
ルボキシ活性化剤と反応させるといったような、当分野
で知られている標準的技術に従って実施することができ
る。反応は、EDCIのごとき縮合剤の存在下に行なうのが
適当である。
工程ii)もまたは本質的に常套の技術に従って実施する
ことができる。例えば、アミノまたはヒドロキシ基は、
カルボキシ基が活性化されており、それに加えて、例え
ばN−[(2−ピリジル)ジチオ−プロピオン−1−イ
ル]−スクシンイミドの場合のように[(2−ピリジ
ル)ジチオ基が活性化結合基(この例ではアミノおよび
ヒドロキシ基の両者と非反応性)を与え、−COO−スク
シンイミド基がアシル化の実現のための活性化カルボキ
シ基を与える]、アミノまたはヒドロキシと非反応性の
活性化結合基を有しているカルボン酸の誘導体との反応
によって適切にアシル化され得る。反応は、ジクロロメ
タンのような不活性溶媒または希釈剤中で、例えば周囲
温度で適切に実施される。別法として、例えばラウメン
等の上記引用文献に記載されている概括的方法に従っ
て、エピクロルヒドリンまたはエピブロムヒドリンのよ
うな当分野で知られているこの目的のための種々の試薬
のうちいずれかを使用して、ヒドロキシ基をエーテル化
し、例えば式: で示される基を有するエポキシを導くことができる[こ
のエポキシ基が活性化結合基を提供する]。
上記工程i)のためのシクロスポリン出発物質は、例え
ば2または8位にカルボキシ置換α−アミノ酸残基を有
するシクロスポリンの生成のための工程ii)の方法と同
様にして、 iii)アミノまたはヒドロキシ置換α−アミノ酸残基、
例えば2位のヒドロキシ置換α−アミノ酸残基または8
位のアミノもしくはヒドロキシ置換α−アミノ酸残基、
を有するシクロスポリンを、a)存在するカルボキシ基
の一方が保護形であるジカルボン酸、またはb)例えば
無水コハク酸のような無水ジカルボン酸のいずれかと反
応させる(ただしa)の反応の場合、引き続き生成物シ
クロスポリン中のカルボキシ基の脱保護を行なう)こと
により、 製造することができる。
反応工程iii)もまた、本質的に常套の方法を用いて、
例えば、4−ジメチルアミピリジンのような酸結合剤の
存在下に、不活性有機溶媒または希釈剤中で、周囲温度
またはわずかな昇温下で実施することができる。カルボ
キシ保護基を方法a)のように使用する場合、これは全
く常法であって、かつ全く常套の技術によって除去する
ことができる。
ヒドロキシ置換α−アミノ酸残基を有する工程ii)およ
びiii)のためのシクロスポリン出発物質には既知のシ
クロスポリン類:[Thr]−シクロスポリンおよび
[(D)Ser]−シクロスポリンが含まれ、後者は、
上記のシクロスポリン生成のための全合成法の一般的技
術に従った、または発酵技術によるその製造法と共に、
例えば欧州特許第0056782号に開示および特許請求され
ている。ヒドロキシ置換α−アミノ酸残基を例えば8位
に有する他のシクロスポリン類は同様に製造または取得
でき、[(D)Thr]−シクロスポリン、[Mva]
[(D)Ser]−シクロスポリン、および[Thr]
[(D)Ser]−シクロスポリンを含むその他の様々
なこうしたシクロスポリンは米国特許出願第713259号
(1985年3月19日出願)=西ドイツ出願第P3509809.0号
(1985年3月19日出願)=フランス出願第8404172号(1
985年3月19日出願)≡オーストラリア出願第40272/85
号(1985年3月22日)≡英国出願第8507270号(1985年
3月20日出願)≡ニュージーランド出願第211526号(19
85年3月21日出願)≡南アフリカ出願第85/2195号(198
5年3月22日出願)に記載かつ特許請求されている。
アミノ置換α−アミノ酸残基を有する好ましいシクロス
ポリン類は、該アミノ酸残基が8位にあるものであり、
8位の残基が−(D)lys−であるシクロスポリンる類
が特に好ましい。このようなシクロスポリン類もやは
り、シクロスポリンの生成のためにR・ウェンガーによ
って開発された全合成法の一般的技術に従って、例え
ば、 iv)8位にアミノ置換α−アミノ酸残基を有するシクロ
スポリン(このシクロスポリンは保護形である)の脱保
護、例えば8位の残基がN−ε−保護形の−(D)Lys
−であるシクロスポリンの脱保護 または v)生成物シクロスポリンの配列を有する直鎖ウンデカ
ペプチド(このウンデカペプチドは遊離または保護形で
ある)、例えば生成物シクロスポリンの8位に相当する
位置に遊離またはN−ε−保護形の−(D)Lys−残基
を含むウンデカペプチド、を環化し、必要ならば工程i
v)を実施する、 ことによって製造できる。
工程iv)およびv)は特に、後述する実施例1に例示さ
れる一般的方法に従って実施できる。
上記工程i)、ii)およびiii)の記載から理解される
ように工程i)またはii)の生成物は通例、アシルアミ
ノ−、アシルオキシ−またはアルコキシ−またはアルコ
キシ−置換α−アミノ酸残基(即ち、α−炭素原子の位
置にアシルアミノ、アシルオキシまたはアルコキシ基を
含むまたは有する側鎖を有するα−アミノ酸残基)を有
するシクロスポリン類、例えば、2位のアシルオキシも
しくはアルコキシ置換α−アミノ酸残基、または8位の
アシルアミノ、アシルオキシもしくはアルコキシ置換α
−アミノ酸残基を有するシクロスポリン(ここで活性化
結合基はアシル/アルキル基上に存在する)を包含す
る。
こと事は、上記工程i)〜v)の一般的方法による特定
の群のシクロスポリン類の生成を例示する以下の反応式
を参照することによって、より容易に理解することがで
きる。
以下の式(I a)〜(I d)、(II a)〜(II d)および
(III)において、 〈反応工程i)〉 [式中、 A1およびD1は上記に示される意義を有し、 Bb1=−(O−アシル)−Thr−[ここでアシル基は、活
性化結合基、例えば活性化カルボキシ基を有する]、例
えば−(O−アシル)−Thr−[ここでアシル基は式:ZO
−CO−(CH2−CO−[式中、Zはカルボキシ活性化
基である]を有する]である。
[式中、 A2およびB2は上記に示される意義を有し、 Db2=アシルアミノ置換(D)α−アミノ酸残基、例え
ば−(N−ε−アシル)−(D)Lys−[ここでアシル
基は式:ZO−CO−(CH2−CO−[式中、Zは上記に示
される意義を有する]を有する]のごとき−(N−ε−
アシル)−(D)Lys−[式中、アシル基は、活性化結
合基、例えば活性化カルボキシ基を有する]である] 〈反応工程ii〉 [式中、 A1およびD1は上記に示される意義を有し、 Bb3=(O−アルキル)−Thr−[ここでアルキルは、基
は、活性化結合基、例えばエポキシ基を有する]、例え
ば−(O−エポキシメチル)−Thr−である] [式中、A2およびB2は上記に示される意義を有し、 Db3=アシルアミノ置換(D)α−アミノ酸残基、例え
ば−[N−ε−(3−(2−ピリジル)ジチオ−プロピ
オン−1−イル)]−(D)Lys−のような−(N−ε
−アシル)−(D)Lys−[式中、アシル基は活性化結
合基を有する]である] 〈反応工程iii)〉 〈反応工程iv)〉 〈反応工程v)〉 この時点で、−MeBmt−および−ジヒドロ−MeBmt−の
3′位のヒドロキシ基は比較的反応性が低いことに留意
されたい。その結果、上記の工程が、2〜11位のいずれ
か1箇所にヒドロキシ置換α−アミノ酸残基を有する
(例えば2位に−Thr−有する)シクロスポリン類の反
応を含んでいる場合、当該残基のヒドロキシ基との反応
は、−MeBmt−または−ジヒドロ−MeBmt−のヒドロキシ
基との反応に優先し、したがって、望ましくない後者と
の副反応が容易に回避され得る。
上記の式(I b)、(II b)、(I d)、(II d)、(I
e)および(III)において、A2およびB2は好ましくはそ
れぞれ−MeBmt−および−αAbu−を表わす。
以上の全記載を通じて、シクロスポリン類が8位に特定
の基を有するものとして示され、かつその基の配置が明
記されていない場合、(D)配置が好ましい。
上記の活性化結合基を有するシクロスポリン類および8
位にアミノ置換α−アミノ酸残基を有するシクロスポリ
ン類[ここでアミノ置換基は遊離もしくは保護形、また
はその他の誘導体の形、例えばアシル化されている]は
新規であって、本発明の一部に含まれる。したがって本
発明は、 1.1 活性化結合基を有するα−アミノ酸残基を有する
シクロスポリン、 1.2 該α−アミノ酸残基が2〜11位(両端の数を含
む)のいずれか1箇所に存在する、1.1に記載のシクロ
スポリン、 1.3 該α−アミノ酸残基がアシルアミノ−、アシルオ
キシ−またはアルコキシ−置換α−アミノ酸残基[ここ
で活性化結合基はアシルアミノ−、アシルオキシ−また
はアルコキシ−置換基上に存在する]を包含する、1.2
に記載のシクロスポリン、 1.4 活性化結合基が活性化エステル、活性化ジチオ、
またはエポキシ基である、1.1〜1.3のいずれか1項に記
載のシクロスポリン、 1.5 該α−アミノ酸残基が、アシルアミノ置換α−ア
ミノ酸残基[ここでアシルアミノ置換基はそのアシル基
が活性化カルボキシまたは活性化ジチオ基により置換さ
れている];アシルオキシ置換α−アミノ酸残基[ここ
でアシルオキシ置換基はそのアシル基が活性化カルボキ
シ基により置換されている];またはアルコキシ置換α
−アミノ酸残基[ここでアルコキシ置換基はエポキシ基
により置換されている]を包含する、1.3に記載のシク
ロスポリン、 1.6 該α−アミノ酸残基が2位の(O−アシル)−ス
レオニル残基である、1.3〜1.5のいずれかに記載のシク
ロスポリン、 1.7 アシル基が式:ZO−CO−CH2−CH2−CO−[式中、Z
はカルボキシ活性化基である]を有する、1.6に記載の
シクロスポリン、 1.8 該α−アミノ酸残基が5、6、7または8位に存
在する、1.2に記載のシクロスポリン、 1.9 該α−アミノ酸残基が8位の−(D)α−アミノ
酸残基である、1.8に記載のシクロスポリン、 1.10 該α−アミノ酸残基がアシルアミノ置換(D)α
−アミノ酸残基[ここで活性化結合基はアシルアミノ置
換基上に存在する]である、1.9に記載のシクロスポリ
ン、 1.11 活性化結合基が活性化カルボキシまたは活性化ジ
チオ基である、1.10に記載のシクロスポリン、 1.12 8位にアミノ置換(D)α−アミノ酸残基を有
し、このアミノ置換基が遊離または保護形であるシクロ
スポリン、 1.13 8位にアシルアミノ置換(D)α−アミノ酸残基
[ここでアシルアミノ置換基はそのアシル基が遊離のカ
ルボキシ基により置換されている]を有するシクロスポ
リン、 1.14 式: [式中、Xは水素、アミノ保護基、または遊離カルボキ
シ基もしくは活性化結合基(例えば活性化カルボキシも
しくはジチオ基)により置換されているアシル基、例え
ば式: Y−CH2−CH2−CO− [式中、Yはカルボキシ、活性化カルボキシ基または活
性化ジチオである] で示されるアシル基である] で示される1.10〜1.13のいずれかに1項に記載のシクロ
スポリン、 1.15 上記に定義される式(II a)、(I b)、(II
b)、(II c)、(I d)、(II d)または(I e)で示
されるシクロスポリン、を提供する。
以上論じたように、本発明によって、この度驚くべきこ
とに、特に上記のような活性化結合基を有するシクロス
ポリン類、例えば1.1〜1.11、1.14または1.15に定義さ
れるようなシクロスポリン類を使用して得られる、活性
化結合基の働きにより結合したシクロスポリンおよび担
体からなる免疫原性コンジュゲートが、シクロスポリン
類とその代謝産物とを識別し得るモノクロナール抗体の
生成を初めて可能にする、という事が見出された。した
がって、ハプテン成分として前述のごときシクロスポリ
ンの反応生成物を含む免疫原性コンジュゲートは、チャ
レンジされた(例えばこれを接種された)動物中におい
て抗体反応を誘発することができ、その結果、その後こ
こから回収可能な抗体産生細胞、例えば脾臓またはリン
パ節細胞を、治療目的で投与されたシクロスポリン類
(例えば「シクロスポリン」)とその代謝産物、特に人
間におけるその代謝産物(例えばシクロスポリン17およ
びシクロスポリン18)を識別できるモノクロナール抗体
を生成するハイブリド−マラインの製造のために使用す
ることを可能にする。このような抗原性コンジュゲート
はこれまで未知であり、本発明はさらに、 2.1 活性化結合基の働きによりシクロスポリンに結合
した担体を含む、例えば前述のごとき活性化結合基を有
するα−アミノ酸残基を有するシクロスポリン、特に上
記1.1〜1.11、1.14または1.15のいずれか1項に定義さ
れるシクロスポリン(式(II a)、(II b)、(II c)
または (II d))に結合した担体を含む、免疫原性コンジュゲ
ート、 2.2 例えば前述のような、活性化結合基を有するα−
アミノ酸残基を有するシクロスポリン、特に上記1.1〜
1.11、1.14または1.15のいずれか1項に定義されるシク
ロスポリン(式(II a)、(II b)、(II c)または
(II d))に結合によって得られたまたは得られ得る、
免疫原性コンジュゲート、 2.3 シクロスポリンおよびその代謝産物間を識別でき
るモノクロナール抗体、例えば後述の、そして特に下記
3.1〜3.10のいずれか1項に定義されるモノクロナール
抗体の産生に使用し得る、例えば2.1または2.2に定義さ
れる免疫原性コンジュゲート、 を提供する。
本発明の免疫原性コンジュゲートのために適当な担体
は、当分野で既知のそして普通に使用される任意の担体
を含み、特に高分子量ポリペプチド、とりわけ蛋白質、
例えば血清アルブミン類(例えば牛血清アルブミンおよ
び鶏の卵白アルブミン)、免疫グロブリン類、特に鶏ま
たはモルモットの IgGのようなIgGクラスのもの、およびポリグルタミン酸
のような合成ポリマーを包含する。
さらに、本発明は上記に定義される免疫原性コンジュゲ
ートの生成方法を提供し、この方法は、vi)例えば上述
のような活性化結合基を有する担体を、適当な相互反応
性基(例えばヒドロキシまたはアミノ基)を有するα−
アミノ酸残基を有するシクロスポリン、例えば[Thr]
−シクロスポリンまたは[(D)Lys]−シクロス
ポリンと結合させ、または、例えば上述のような担体
を、例えば前述のような、活性化結合基を有するα−ア
ミノ酸残基を有するシクロスポリン、特に上記1.1〜1.1
1、1.14または1.15のいずれか1項に定義されるシクロ
スポリン(式(II a)、(II b)、(II c)または(II
d))に結合させる、 ことからなる。
上記の反応工程は、シクロスポリン成分の直接反応によ
って、即ち結合剤を使用せずに実施される。反応は、好
適には、ジメチルホルムアミドのような適当な不活性希
釈剤または担体に溶解したシクロスポリン成分を、周囲
温度で、担体、例えば担体蛋白質の緩衝化製剤、例えば
重炭酸塩緩衝液中の溶液または懸濁液に添加することに
よって行なう。得られた免疫原性コンジュゲートは、例
えばリン酸塩緩衝化食塩水に対して透析することによ
り、好適に精製される。
上記の(例えば2.1〜2.3に定義される)免疫原性コンジ
ュゲートは、本質上標準的な技術によって、例えばa)
適当な動物種に、例えば上記2.1〜2.3のいずれかに定義
されるような免疫原性コンジュゲートを投与し、b)免
疫原性コンジュゲートに対し感作された、例えば脾臓ま
たはリンパ節のような抗体産生細胞を回収し、c)回収
した細胞を、例えば適当な骨髄腫セルラインと融合する
ことにより、不死化してハイブリド−マセルラインを生
成し、そしてd)必要な場合にはモノクロナール抗体を
生産する、例えばハイブリド−マセルラインのような不
死化された細胞を、選択することからなる段階的方法に
よって、モノクロナール抗体を生成するために使用する
ことができる。
工程a)は、好適には受容体としてラットまたはマウ
ス、例えば雌のBalb/cマウスを使用し、免疫原性コンジ
ュゲートを約50〜200、例えば約100μgの量でs.c.また
はi.p.注射し、その14〜21日後にi.p.、s.c.またはi.m.
でブースター注射して投与することによって実施する。
例えば通常のRIAおよび/またはELISA技術により測定さ
れる適当なアイソタイプ分布の高力価抗血清を示すマウ
スに、例えば後の実施例9に記載した個別的方法に従
い、さらにブースター注射を行ない、例えば脾臓細胞の
ような抗体産生細胞を集める[工程b)]。工程c)
は、文献中で実施されている技術のいずれかに従って、
例えばS.ファゼカス等、「ジャーナル・オブ・イムノロ
ジカル・メソッズ」35巻、1〜32頁(1980)に記載の方
法を用いて実施でき、好ましい骨髄腫ラインはマウス
(Balb/c)ラインである。工程d)においては、放射標
識誘導体を用いる通常のRIA系または通常のELISA系によ
り(例えば後の実施例9に記載するように)、増殖しつ
つある骨髄腫ラインをシクロスポリンに対する抗体の産
生についてスクリーニングする。
本発明に係る特定の免疫原性コンジュゲートを用いる上
記の方法を適用することにより、互いにわずかな構造要
素においてしか相違しない、例えば水素原子の代わりに
1個のヒドロキシ基が存在するような、個々のシクロス
ポリンを識別できるほどの特異性を示すモノクロナール
抗体を得ることが可能である。より重要なことに、本発
明は、シクロスポリン類、例えば「シクロスポリン」と
その代謝産物、特に人間における代謝産物との間の識別
ができるモノクロナール抗体の取得を初めて可能にする
ものである。即ち、本発明方法に従って得られるモノク
ロナール抗体は、シクロスポリン類、例えば「シクロス
ポリン」とは反応性であるが、一方、その代謝産物とは
相対的に低い交差反応性を示すことが見出されている。
そのうえ、シクロスポリンハプテン成分が、選択された
「標的」シクロスポリンである、本発明に係る免疫原性
コンジュゲート、例えば上記2.1〜2.3に定義される免疫
原性コンジュゲートを使用すれば、本発明は、「標的」
シクロスポリンおよび構造上極めて関連性のあるその代
謝産物、例えば人間の代謝産物の間の識別ができるモノ
クロナール抗体の取得を可能に可能にする。即ち、抗体
を、2位に活性化結合基を有し(例えば上記1.6に定義
されるように)、残りの1位および3〜11位のα−アミ
ノ酸残基が「シクロスポリン」のものと同一であるシク
ロスポリンと結合させることによって得られる免疫原性
コンジュゲートから出発すれば、人間における代謝産物
(例えばシクロスポリン1、8、9、10、16、17、18お
よび/または21、特に17および/または18、とりわけ1
7)に優先して「標的」シクロスポリンとしての「シク
ロスポリン」と反応するモノクロナール抗体を製造する
ことができる。同様に、担体を、5、6、7または8位
に(例えば上記1.8に定義されるように」、特に8位に
(例えば上記1.1〜1.11、1.14または1.15のいずれかに
1項に定義されるように(式(II b)または(II d)活
性化結合基を有し、残りの位置、例えば1〜7および9
〜11位の残基が「シクロスポリン」、ジヒドロ−[Va
l]−シクロスポリンまたは[Nva]−シクロスポリ
ンの残基に対応しているシクロスポリンと結合させるこ
とによって得られる免疫原性コンジュゲートから出発す
れば、代謝産物、例えば「シクロスポリン」の場合なら
ば直前に列挙したような、人間における代謝産物に優先
して、「標的」シクロスポリンとしての「シクロスポリ
ン」、ジヒドロ− [Val]−シクロスポリンまたは[Nva]−シクロス
ポリンと反応するモノクロナール抗体が製造できる。
本発明方法によって得られるモノクロナール抗体は、特
に、「標的」シクロスポリンと、1位のα−アミノ酸残
基の構造変換を示しているその代謝産物、例えば1位の
−MeBmt−もしくは−ジヒドロ−MeBmt−残基の置換、ま
たは他の化学的修飾の点で代謝産物が誘導される元とな
った非代謝シクロスポリンとは相異している代謝産物、
特に例えば本明細書に付記の実施例9に記載されるモノ
クロナール抗体(これは「シクロスポリン」とは反応性
を有するが、その代謝産物であるシクロスポリン17とは
相対的に低い交差反応性を有する)の場合のように、末
端(C9)−MeBmt−メチル基のヒドロキシ化を含む、1
位の残基中の末端位における構造変換を示している代謝
産物とを、識別することができる。このようなシクロス
ポリンの代謝上の変換が、例えばシクロスポリン17およ
び18の場合のように人間における主要な代謝産物に特有
であるといったような、特別の意義を有している限り、
シクロスポリン類と、かかる変換を示すその代謝産物と
を識別する、本発明方法によって得られるモノクロナー
ル抗体の能力は、特に注目されるべきものである。
例えば上に述べたような代謝産物との交差反応性は、RI
AまたはELISA、例えば競合的ELISA技術での測定値とし
て、好ましくは非代謝シクロスポリンとの反応性の約5
%またはこれ以下、より好ましくは約3%またはこれ以
下、さらに好ましくは約2%またはこれ以下であり、こ
の競合的ELISAにおいて好適には、例えばpH6〜8、とり
わけ7〜8の緩衝剤であって、かつ、さらにトゥイーン
のような非イオン性界面活性剤または表面活性剤を少
量、例えば0.01〜0.1%、例えば0.01〜0.05%含有する
緩衝剤を使用するのが適当であって、その例としては、
pH7.5で界面活性剤(例えばトゥイーン20)0.03%を含
有するリン酸塩緩衝化食塩水がある。例えば、本発明方
法に従って得られる「シクロスポリン」と反応性のモノ
クロナール抗体は、「シクロスポリン」と比較したシク
ロスポリン17に対するIC50比において、上記に開示され
る条件下での競合的ELISA技術により測定した場合、35
倍またはこれ以上のオーダーの識別を示す。
本発明方法に従って得ることのできるモノクロナール抗
体は、さらに、「標的」シクロスポリン、例えば「シク
ロスポリン」に対する高度の親和性という特徴を有す
る。例えば、本発明に係る好ましいモノクロナール抗体
は、標準的方法、例えばミューラー等、メソッズ・イン
・エンザイモロジー、92巻、589〜601頁(1983)に記載
の方法に従って測定した場合、例えば通常のRIA温度
(約4〜37℃)において、「標的」シクロスポリン、例
えば「シクロスポリン」に関して109mol/Lまたはこれ以
下、好ましくは1010mol/Lまたはこれ以下のオーダーの
親和定数[平衡解離定数]を示す。
本発明はさらに、IgGクラス、例えばIgG1サブクラスの
モノクロナール抗体の容易な取得を可能にする。このよ
うな抗体は、例えば下記のような診断/アッセイキット
における使用に特に適合する限り、好ましい。
上記のモノクロナール抗体およびこれらを産生するハイ
ブリド−マセルラインは全く新規であり、かつ、それら
の一般的および個別的性質についての以上の記述から理
解できるように、診断/アッセイキット系(例えばシク
ロスポリン治療を受けている患者における医薬シクロス
ポリンの血漿−血液レベルのモニターのための)での使
用に良く適合する。したがって本発明はさらに、 3.1 シクロスポリン、例えば予め決められているシク
ロスポリンと、その代謝産物、特に人間における少なく
とも1種の代謝産物、とりわけ人間における少なくとも
1種の主要な代謝産物とを識別できる、モノクロナール
抗体、 3.2 シクロスポリン、例えば予め決められているシク
ロスポリンと反応性であり、かつその代謝産物、特に人
間における少なくとも1種の代謝産物、とりわけ人間に
おける少なくとも1種の主要な代謝産物と相対的に低い
交差反応性を示す、3.1に記載のモノクロナール抗体、 3.3 該シクロスポリンが、「シクロスポリン」、ジヒ
ドロ−[Val]−シクロスポリンまたは[Nva]−シ
クロスポリン、特に「シクロスポリン」である、3.1ま
たは3.2に記載のモノクロナール抗体、 3.4 該代謝産物が、1位のα−アミノ酸残基特に1位
の残基の末端位における構造変換を示している、例えば
1位のα−アミノ酸残基−MeBmt−の末端ヒドロキシ化
を示している代謝産物である、3.1〜3.3のいずれか1項
に記載のモノクロナール抗体、 3.5 該シクロスポリンが「シクロスポリン」であり、
該代謝産物がシクロスポリン1、8、9、10、16、17、
18または21、特にシクロスポリン17または18、最も特別
にはシクロスポリン17である、3.4に記載のモノクロナ
ール抗体、 3.6 例えば前記に開示れるような条件下で、例えばRIA
またはELISA技術によって測定した場合、代謝産物との
交差反応性が約5%またはこれ以下、好ましくは3%ま
たはこれ以下、より好ましくは2%またはこれ以下のオ
ーダーである、3.2〜3.5のいずれか1項に記載のモノク
ロナール抗体、 3.7 例えば前記に開示されるような条件下で測定した
場合、(予め決められた)シクロスポリン、例えば「シ
クロスポリン」に関する親和定数が109mol/またはこ
れ以下、好ましくは1010mol/またはこれ以下のオーダ
ーである、3.1〜3.6のいずれか1項に記載のモノクロナ
ール抗体、 3.8 IgGクラスのものである。3.1〜3.7のいずれか1項
に記載のモノクロナール抗体、3.9 a)例えば前記のよ
うな、特に上記1.1〜1.11、1.14または1.15のいずれか
に1項に定義される(式(II a)、(II b)、(II c)
または(II d))のような、活性化結合基を有するα−
アミノ酸残基を有するシクロスポリンを、担体と係合さ
せて、免疫原性コンジュゲートを得ること、 b)該免疫原性コンジュゲートを適当な動物種に投与し
て免疫原性チャレンジを遂行し、該コンジュゲートに感
作された抗体産生細胞を回収すること、 c)例えば適当な骨髄腫セルラインとの融合により、該
抗体産生細胞を不死化すること、そして、 d)このようにして確立された、選択された不死化セル
ライン、例えばハイブリド−マセルラインからモノクロ
ナール抗体を回収すること、 によって得られたまたは得ることのできる、例えば3.1
〜3.8のいずれか1項に記載のモノクロナール抗体、 3.10 a)上記2.1〜2.3のいずれか1項に記載の免疫原
性コンジュゲートに感作された抗体産生細胞を回収する
こと、 b)例えば適当な骨髄腫セルラインとの融合により、該
抗体産生細胞を不死化すること、そして、 c)このようにして確立された、選択された不死化セル
ライン、例えばハイブリド−マセルラインから、必要な
モノクロナール抗体を回収すること、 によって得られたまたは得ることのできる、例えば3.1
〜3.8のいずれか1項に記載のモノクロナール抗体、 4.1 上記3.1〜3.8のいずれか1項に記載のモノクロナ
ール抗体を産生するハイブリド−マセルライン、 4.2 上記3.9の工程a)〜c)または上記3.10の工程
a)およびb)に従って得られたまたは得ることのでき
るハイブリド−マセルライン、を提供する。
理解されるように、本発明に係るモノクロナール抗体
は、与えられた任意のシクロスポリン、例えばシクロス
ポリンと、多数のその代謝産物とを識別でき、例えばそ
の代謝産物の1種以上に関して低い交差反応性を示し得
る。
以上の事に加えて本発明はさらに、 vii)上記3.1〜3.8のいずれか1項に定義されるモノク
ロナール抗体の産生方法であって、かかる抗体を産生す
るハイブリド−マセルラインを培養し、その結果産生さ
れる抗体を回収することからなる方法、 viii)上記3.1〜3.8のいずれか1項に定義されるモノク
ロナール抗体を産生するハイブリド−マセルラインの生
成方法であって、抗体産生細胞、例えば脾臓またはリン
パ節細胞を不死化し、例えば適当な骨髄腫セルラインと
の融合により、かかる抗体を産生することからなる方
法、 を提供する。
上記の工程は、例えば前記で述べたような、またはここ
に付記する実施例に述べるような、現在標準的な技術に
従って遂行することができ、方法viii)における使用の
ために好ましい骨髄腫セルラインは、マウスBalb/C)骨
髄腫セルラインである。
本発明に係るさらに別の態様によれば、驚くべきこと
に、8位に−(D)Lys−残基を有するシクロスポリン
類、即ち、上記1.14または1.15(式(I d)に定義され
るシクロスポリン類、およびそのN−ε−原子がさらに
修飾されている誘導体は、驚くべきかつ著しい度合で、
対応する「母体」シクロスポリン(例えば8位に−
(D)Ala−を有する対応シクロスポリン)に匹敵す
る、例えば細胞結合特性を示すということが見出され
た。この発見は、−(D)Lys−のN−ε−窒素原子
が、標識化が行なわれる(例えば標識またはトレーサー
基が導入される)理想的な位置を提供するため、特別な
意義を有する。このような標識化シクロスポリン類は、
「母体」シクロスポリン類(例えばシクロスポリン
[(D)Lys]−シクロスポリンの場合)の作用機作
の研究および/または、例えばインビトロ組織培養物に
おける、「母体」シクロスポリンの結合部位の同定のた
めの重要なもう1つの手段を提供する。従って、放射性
標識化誘導体、例えば125I標識化誘導体は、組織の迅速
なオートラジオグラフィー、例えば腎臓のミクロオート
ラジオグラフィーに有用である。
さらに、8位に−(D)Lys−残基を有するシクロスポ
リン類から得ることのできる標識化(例えば放射性また
は蛍光標識化)誘導体は、例えばRIAおよびFIA診断キッ
ト中での使用に理想的な構成因子を提供する。従って、
[(D)Lys]−シクロスポリン類は、例えば本発明
に従って得られる、または上記に定義されるような、例
えば母体シクロスポリンに対するモノクロナール抗体に
関して、同等の結合特性を有し、それ故、診断/アッセ
イキットの構成因子または副構成因子として極めて有用
な、「母体」シクロスポリンの標識化類似体の容易な取
得手段を与える。
従って、本発明はさらに、 5.1 8位の残基が−(D)Lys−であるシクロスポリン
の標識化誘導体、特に、 5.2 上記定義される式(I d)のシクロスポリンの標識
化誘導体、 を提供する。
本明細書中で使用される「標識化誘導体」という用語
は、例えば当該誘導体の定量的アッセイまたは位置決定
を可能にする、または容易にする、トレーサーまたはマ
ーカー原子または基を有する誘導体を意味する。このよ
うな誘導体には、例えば、−(D)Lys−残基中の1ま
たはそれ以上の原子がトレーサーまたはマーカー原子
(例えば放射性原子)として機能する誘導体、および、
トレーサーまたはマーカー原子が、トレーサーまたはマ
ーカー基と該N−ε−原子との直接結合によって、また
は介在する結合基を経たトレーサーまたはマーカー基と
該N−ε−原子との結合によって、−(D)Lys−残基
のN−ε−原子に係合している誘導体が含まれている。
標識化誘導体の例には、放射性標識化誘導体、蛍光およ
び化学ルミネセンス誘導体、ならびに光親和標識化に適
当な誘導体(即ち、照射時に、そのシクロスポリンが結
合している蛋白質と反応する置換基を備えている)が包
含される。上記の放射性標識化誘導体には、8位の−
(D)Lys−残基のN−ε−原子が、例えば125I標識化
p−OH−フェニル−プロピオニル基と結合している誘導
体が含まれる。上記の蛍光および化学ルミネセンス誘導
体には、8位の−(D)Lys−残基のN−ε−原子が、
ダンシルもしくはローダンミン基のような蛍光基、また
はアクリジニウムエステル基のような化学ルミネセンス
基(例えばクニカル・ケミストリー29巻、8、1474〜14
79頁(1983)に記載されるような基)に結合している誘
導体が含まれる。したがって、上記5.1および5.2に定義
されるシクロスポリン類の特別の群は、 5.3 8位の残基が式: [式中、Qは、トレーサーまたはマーカー基(特に例え
ば上記で個別に記載されるような、放射性標識化、蛍光
または化学ルミネセンス基)であるか、またはこれらを
含んでいる] で示させる基であるシクロスポリン、 である。
上記のような標識化誘導体は、例えば8位の−(D)Ly
s−残基を予め標識化した出発物質を使用して、上記工
程iv)およびv)と同様に製造できる。別法として、こ
れらは、例えば8位の−(D)Lys−残基のN−ε−原
子に、適当な標識置換基を導入することによって製造で
きる。例えば蛍光標識化誘導体は、蛍光基を、例えばN
−ε−ダンシル化によりN−ε−原子に結合させること
によって製造できる。同様に、放射性標識化誘導体は、
放射性標識化置換基、例えば125I標識化p−OH−フェニ
ル−プロピオニルを、N−ε−原子に結合そせることに
よって製造できる。後者の場合、置換基は、導入前に標
識化した形であってもよく、また、導入後に標識化して
もよい。例えば、8位のリジン基のN−ε−原子は、
125I標識化p−OH−フェニル−プロピオン酸と直接反応
させてよく、または非標識化p−OH−フェニル−プロピ
オン酸と反応させ、得られたN−ε−アミドをその後p
−OH−フェニル基において125Iで標識化してもよい。結
合は当分野で知られる標準的技術に従って、例えばN−
ヒドロキシ−スクシンイミドエステルの形のp−OH−フ
ェニル−プロピオン酸(標識化または非標識化)との反
応によって実施できる。125 I標識化p−OH−フェニル−プロピオン酸はこれ自身
クロラミンT法[ハンターおよびグリーンウッド、ネー
チャー、194巻、495頁(1962)]によって製造すること
ができる。標識化が結合の後に行なわれる場合、これは
クロラミンT法またはヨードゲン法[グッド、ジャーナ
ル・オブ・クリニカル・ケミストリー・アンド・クリニ
カル・バイオケミストリー、19巻、1051頁(1981)]を
用いて実施できる。例えば上記のように、標識化できる
本発明のシクロスポリンの誘導体、例えば8位の−
(D)Lys−残基のN−ε−原子がp−OH−フェニル−
プロピオニルのような125ヨウ素化できる基によって置
換されている誘導体は、本発明に係る標識化誘導体の直
接の前駆体であって、これもまた本発明の範囲内にある
ものと理解すべきである。
上記の事に鑑み、本発明はさらに、 ix)上記5.1〜5.3のいずれか1項に定義される遊離また
は保護形の標識化誘導体の製造方法であって、対応する
非標識化遊離または保護シクロスポリンを標識化、例え
ば上記のような標識置換基を、8位の−(D)Lys−の
N−ε−原子に導入し、必要ならば上記工程iv)を実施
することからなる方法、 を提供する。
さらにこの時点で、上記の1.12に定義されるような遊離
のアミノ基を有するシクロスポリン類、例えば化合物
[(D)Lys]−シクロスポリンは、標準的なインビ
ボおよびインビトロ試験、例えば欧州特許第0056782号
に記載の種々の試験方法で立証されるように、薬学的活
性、特に免疫抑制、抗炎症および抗寄生虫(例えば抗マ
ラリアおよび抗コクシジオイデス)活性をも有するとい
う事が注目される。本発明に係るさらに別の態様によれ
ば、担体分子が、5、6、7または8位、特に8位の残
基を介してハンプテンとしてのシクロスポリンと結合し
ている免疫原性コンジュゲート(上記2.1〜2.3に定義さ
れるコンジュゲートを含む)、および、活性化結合基以
外の位置のうちいずれか1箇所に反応基を有するアミノ
酸を有しているシクロスポリンを、結合剤によって担体
に結合させることにより得られるコンジュゲートは、従
来、例えば担体を[Thr]−シクロスポリン中の−[T
hr]−と結合させることによって取得できるコンジュ
ゲートを使用して得られたものよりも高い特異性を有す
る通常のポリクローナル抗血清を産生することができ
る、ということがわかった。
(上記で用いる「反応基」という用語は、担体、例えば
ポリペプチドまたはその他の適当な巨大分子との結合を
許す、または可能にする、任意の基である、と理解すべ
きである。したがって一般にはこの語は、上記に定義さ
れるような活性化結合基、および反応し得るその他の
基、例えば、遊離のアミノ、カルボキシまたはヒドロキ
シ基を包含する。) このように、5、6、7または8位のα−アミノ酸残基
を介して担体に結合した、ハプテンとしてのシクロスポ
リンを含む免疫原性コンジュゲートは、新規なものであ
る。このようなコンジュゲートのハンプテン部分を提供
する好ましいシクロスポリン類は、特に上記1.8〜1.1
1、1.14および1.15を(II b)および(II d)に定義さ
れる活性化結合基を有するものである。
したがって、本発明はさらに、 2.4 シクロスポリンの5、6、7または8位のα−ア
ミノ酸残基を介して該シクロスポリンに結合した担体を
含む免疫原性コンジュゲート、 2.5 上記1.8〜1.11、1.14または1.15(敷き(II b)お
よび(II d)のいずれか1項に定義されるような活性化
結合基を有するシクロスポリンと結合した担体を含む免
疫原性コンジュゲート、 2.6 上記1.12〜1.14および1.15(式(I b)および(I
d))のいずれか1項に定義されるような遊離のアミノ
またはカルボキシ基を有するシクロスポリン、特に上記
1.14に定義される、または上記に定義される式(I d)
を有するシクロスポリンと結合した担体を含む、免疫原
性コンジュゲート、 3.11工程a)で使用されるシクロスポリンが上記2.5に
定義されるシクロスポリンであるという特徴を有する、
上記3.9に記載のモノクロナール抗体、 6.1 上記2.4〜2.6のいずれか1項に定義される免疫原
性コンジュゲートに応答して産生される、シクロスポリ
ンと反応性の抗体(シクロスポリンと反応性の抗体を含
有するポリクローナル抗血清を含む)、 6.2 シクロスポリン、ジヒドロ−[Val]−シクロス
ポリンまたは[Nva]−シクロスポリン、特にシクロ
スポリンと反応性である、6.1に記載の抗体、 をも提供する。
2.5に定義される免疫原性コンジュゲートは、上記工程v
i)の方法に従って製造することができる。例えば2.6に
定義される免疫原性コンジュゲートは、上に述べた方法
または、 x)担体を、反応基を有するα−アミノ酸残基(即ち、
α炭素原子の位置に反応基を含むまたは有する側鎖を有
するα−アミノ酸残基)を有しているシクロスポリン、
例えば上記1.12〜1.14および1.15(式(I d)および(I
d))のいずれか1項に定義されるような遊離のアミノ
またはカルボキシ基を有するシクロスポリンと結合させ
ること、からなる方法によって製造することができる。
上記の工程は当分野で既知の技術に従って、結合試薬の
媒介を経る担体とシクロスポリンとの結合によって実施
することができる。例えば8位に−(D)Lys−残基を
有するシクロスポリンの場合、カルボジイミド法[ケリ
ー等、「ステロイド・イムノロジー」、キャメロン等
編、アルファ・オメガ、カーディフ。1975]を用いて、
または結合試薬としてホルムアルデヒドを使用するマン
ニッヒ反応によって、担体、例えばポリペプチド(例え
ば免疫グロブリン)を−(D)Lys−N−ε−原子に結
合させることにより、コンジュゲートを取得することが
できる。
好適な担体は、モノクロナール抗体の産生のためのコン
ジュゲートの製造に関連して既に述べた型の担体、特に
高分子量ポリペプチド、とりわけ血清アルブミン、免疫
グロブリンのような蛋白質、およびポリグルタミン酸の
ような合成ポリマーを包含する。
6.1に定義される通常のポリクローナル抗血清は、上記
に述べられかつ定義されるモノクロナール抗体の優れた
特異性は欠くものの、分献から知られる抗血清に比べシ
クロスポリンに関して改善されたその特異性を特に考慮
すると、これもまた例えば診断/アッセイキットの構成
因子として有用である。これは本質上常套の技術を用い
て製造でき、例えば、 xi)上記2.4〜2.6のいずれか1項に定義される免疫原性
コンジュゲートの投与により適当な動物種に免疫応答を
誘起し、その結果産生される抗血清を回収すること、 からなる工程によって製造できる。
上記に定義される工程xi)は、例えば注射により、例え
ばマウス、羊または鶏に免疫原性コンジュゲートを投与
することによって実施できる。適当なインキュベーショ
ン期間の後に抗血清を回収し、例えば後にキット中で使
用するために、例えば後述のごとく、適切に凍結乾燥す
る。インキュベーション期間は、例えば通常のRIAで、
1:2000より大きな、例えば約1:7000〜約1:10000の範囲
の抗血清力価を与えるよう、適当に選択する。
既に指摘したように、本発明に係るモノクロナール抗体
およびポリクローナル抗血清ならびに標識化シクロスポ
リン類は、全て診断/アッセイキツト系、例えば免疫ア
ッセイキツトの構成因子として、特別の用途を有する。
したがって、さらに別の態様によれば本発明は、7.シク
ロスポリン(例えば「シクロスポリン」)療法を受ける
対象において、シクロスポリンアッセイ、例えばシクロ
スポリンの1種(例えば「シクロスポリン」)アッセイ
するための、免疫アッセイキットまたはシステム、例え
ばRIAまたはFIAキットまたはシステムであって、 A)上記3.1〜3.11または6.1〜6.2のいずれか1項に定
義される抗体または抗血清、特に3.1〜3.11のいずれか
1項に定義されるモノクロナール抗体、および/また
は、 B)上記5.1〜5.6のいずれか1項に定義されるシクロス
ポリンの標識化誘導体、 を該キットまたは系の構成因子として含むキットまたは
システム を提供する。
7に定義されるキットは、診断の目的、例えばシクロス
ポリン療法を受ける患者にとって適切な投薬方法を確立
する手段として、例えば血液、血漿または尿中に存在す
るシクロスポリンの量を測定するために有用である。こ
のようなキットは、従来感受性が適合しなかったシクロ
スポリン類、例えば「シクロスポリン」のためのアッセ
イ手段を提供する。
本発明に係るキット、例えばRIAおよびFIAキットは、常
套のRIAおよびFIAアッセイ技術に従う使用のための、全
く常套の型のものである。即ち、RIAキットは好適に
は、抗血清または抗体、 例えば上記A)に加えて、適当な標識化シクロスポリン
誘導体、例えば上記B)、およびC)シクロスポリン標
準を含んでいる。標識化シクロスポリン誘導体は、アッ
セイすべきシクロスポリンに対し相補的である。これは
好適には上記B)に定義される標識化誘導体であって、
例えば「シクロスポリン」がアッセイされる場合には、
これは〔(D)Lys〕−シクロスポリンの標識化誘導
体であるのが適当である。しかしながらこれはたの相補
的標識化シクロスポリンであってもよく、例えば「シク
ロスポリン」がアッセイされる場合にはトリチウム化
「シクロスポリン」であってよい。シクロスポリン標準
C)は一般に、既知の量のアッセイすべきシクロスポリ
ンを含む溶液等である。
使用にあたって、例えば凍結乾燥した抗血清/抗体を溶
解し、例えば構成因子B)およびアッセイすべき試料ま
たは構成因子C)のいずれかと共にインキュベートす
る。インキュベーションは、好ましくは例えば4℃に冷
却しながら行なう。インキュベート混合物のpHは、好ま
しくはクエン酸塩またはトリス緩衝剤のような緩衝化剤
の助けを借りて、好ましくは約5〜8の範囲、例えば約
pH7または8に維持する。
インキュベーションは少なくしも2時間、例えば約6〜
約12時間続けるのが好都合である。インキュベーション
後、例えば抗体に結合した構成因子B)の分画を、例え
ばデキストラン被覆活性炭のような活性炭の使用によ
り、非結合分画から分離する。非結合分画は活性炭上に
吸着するので、その後濾過または遠心分離によって分離
することができる。次いで1つの分画中の放射活性の量
を、標準的技術により、例えば第2の溶質の添加後に液
体シンチレーションカウントすることにより測定する。
抗体に結合した構成因子B)の割合は、未知の血漿試料
中のシクロスポリンの量に反比例する。定量分析のため
には、既知濃度のシクロスポリンの溶液を分析すること
により標準の検量線を作成するのが普通である。
本発明に係るFIAキットは、例えば抗体が光捕捉剤に結
合し、これが蛍光シクロスポリン(例えば本発明に係る
蛍光標識化誘導体)と抗体との間の競合に依存するよう
な種類のものであってよい。
上記7に定義される別のアッセイキット/系は、当分野
で知られる常套のELISA系のいずれかに基づいていてよ
い。
以下の実施例は本発明を例示するものである。
実施例1:〔(D)Lys〕−シクロスポリンの製造 a) CH2Cl2(200ml)およびH2O(100ml)中のH−MeL
eu−MeLeu−MeVal−OBzlマレイナート6.4gの溶液をK2CO
3固体を用ていpH8に調節する。各回毎にCH2Cl2(200m
l)を用いて2回抽出した後、有機相をNa2SO4で乾燥
し、濾過および蒸発乾固して、遊離のH−MeLeu−MeLeu
−MeVal−OBzlを結晶性残留物として得る。
b) (N−ε−BOC)−FMOC−(D)Lys(6.25g)をC
HCl3(100ml)に溶解し、N−メチルモルホリン(2.95
g)を撹拌しながら加える。溶液を−20゜に冷却後、塩
化ピバロイル(1.75g)を滴下し、反応混合物を−20゜
で6時間撹拌する。CHCl3(20ml)中のH−MeLeu−MeLe
u−MeVal−OBzl(6.34g)の溶液をこの無水物溶液に滴
下し、−20゜で17時間撹拌して反応を完結させる。追加
のCHCl3(200ml)により、このCHCl3溶液を希釈した
後、混合物を飽和NaHCO3溶液(100ml)と共に振とうす
る。有機相をNa2SO4で乾燥し、濾過し、溶媒を蒸発乾固
する。
得られた油状残留物を、25倍量のシリカゲル(粒子サイ
ズ0.063〜0.20mm)および溶離液として3%メタノール
を添加した塩化メチレンを使用するクロマトグラフィー
によって精製する。〔α▲〕20 D▼=−114.2゜(CHCl3
中C=1.0)。
c) 無水エタノール(400ml)に溶解した(N−ε−B
OC)−FMOC−(D)Lys−MeLeu−MeLeu−MeVal−OBzl
(8.8g)を、10%バラジウム/炭素触媒(0.6g)によ
り、ガスター水素添加装置中で、理論量のH2(214ml)
が取り込まれるまで水素添加する。溶媒を留去した後、
残留物を50倍量のシリカゲル(0.063〜0.20mm)および
溶離液として塩化メチレン+7%メタノールを使用する
クロマトグラフィーによって精製する。〔α▲〕20 D
=−129.1゜(CHCl3中C=1.0)。
d) (N−ε−BOC)−FMOC−(D)Lys−MeLeu−MeL
eu−MeVal−OH(7.1g)およびH−MeBmt−αAbu−Sar−
MeLeu−Val−MeLeu−Ala−OBzl(7.4g)を塩化メチレン
(100ml)に溶解し、N−メチルモルホリン(1.72g)お
よびカストロ試薬(Bt−OP(NMe23PF6 -)(5.6g)を
室温(25゜)で加える。反応混合物を室温で3日間撹拌
し、次いでこの溶液を塩化メチレン(200ml)で希釈
し、飽和NaHCO3溶液(100ml)と共に振とうする。有機
相をNa2SO4で乾燥し、濾過し、蒸発乾固する。得られた
油状残留物を、溶離液として塩化メチレン+3%メタノ
ールを用いるシリカゲル(500g)(0.06〜0.20mm)クロ
マトグラフィーによって精製する。〔α▲〕20 D▼=−1
43.8゜(CHCl3中C=1.0)。
e) (N−ε−BOC)−FMOC−(D)Lys−MeLeu−MeL
eu−MeVal−MeBmt−αAbu−Sar−MeLeu−Val−MeLeu−A
la−OBzl(5.54g)を塩化メチレン(50ml)およびピペ
リジン(10ml)の溶液中で計4時間、室温で撹拌する。
溶媒を蒸発させ、得られた油状物を、塩化メチレン+3
%メタノールを溶離液とするセファデックスLH20(300
g)のクロマトグラフィーに付す。〔α▲〕20 D▼=−16
5.2゜(CHCl3中C=1.0)。
f) エタノール(75ml)に溶解した(N−ε−BOC)
−H−(D)Lys−MeLeu−MeLeu−MeVal−MeBmt−αAbu
−Sar−MeLeu−Val−MeLeu−Ala−OBzl(6.48g)に0.2N
NaOH(24ml)を加える。7時間後、冷却しながら2NHCl
を滴下することにより、この溶液をpH4に調節する。溶
媒を蒸発後、得られた残留物をCH2Cl2(200ml)および
飽和NaHCO3(200ml)溶液中で振とうする。それぞれ塩
化メチレン(200ml)を用いて水層を2回抽出した後、
有機相をNa2SO4で乾燥し、濾別し、蒸発させる。生成物
を、塩化メチレン+20%メタノールを溶離液として用い
るシリカゲル(300g)(0.06〜0.20mm)クロマトグラフ
ィーで精製する。〔α▲〕20 D▼=−169.9゜(CHCl3
C=1.0)。
g) 〔工程v) 塩化メチレン(2000ml)に溶解した(N−ε−BOC)−
H−(D)Lys−MeLeu−MeLeu−MeVal−MeBmt−αAbu−
Sar−MeLeu−Val−MeLeu−Ala−OH(413mg)に、ジメチ
ルアミノピリジン(147mg)を撹拌しながら加える。無
水プロパンホスホン酸〔(0.19g)CH2Cl2中50%溶液〕
を加え、反応混合物を25゜で24時間撹拌する。得られた
溶液を飽和NaHCO3溶液(200ml)で洗浄し、有機相をNaS
O4で乾燥し、濾別し、蒸発させ、溶離液として塩化メチ
レン+5%メタノールを用いるシリカゲル(300g)(0.
062〜0.20)クロマトグラフィーで精製する。〔α▲〕
20 D▼=198.3゜(CHCl3中C=1.0)。
h) 〔工程iv) 〔(N−ε−BOC)−(D)Lys〕−シクロスポリン
(842mg)をトリフルオロ酢酸(25ml)と共に−20゜に
冷却し、−20゜で共に4時間撹拌する。反応溶液を氷、
飽和K2CO3(10ml)と混合し、塩化メチレン(200ml)で
3回抽出する。有機相をNa2SO4で乾燥し、濾過し、溶媒
を蒸発させる。得られた粗生成物を、溶離液として塩化
メチレン+1%メタノールを用いるセファデックスLH20
(200g)のクロマトグラフィーに付すと、標記化合物
〔(D)Lys〕−シクロスポリンが得られる。〔α
▲〕20 D▼=−204.3゜(CHCl3中C=1.0)。
生成化合物は標準的技術に従って塩の形に変換すること
もできる。典型的な塩には、〔(D)Lys8−シクロスポ
リン塩酸塩:〔α▲〕20 D▼=−203゜(CHCl3中C=1.
0)、および〔(D)Lys〕−シクロスポリントリフル
オロ酢酸塩:〔α▲〕20 D▼=−203゜(CHCl3中C=1.
0)が包含される。
実施例2:〔(N−ε−ヒドロキシスクシニル)−(D)
Lys〕−シクロスポリンの製造:〔工程iii)〕 実施例1に従って製造した〔(D)Lys〕−シクロス
ポリン255mgをピリジン20mlに溶解し、無水コハク酸36m
gを加える。得られた溶液を室温で約14時間撹拌し、減
圧下に最高40℃でピリジンを完全に蒸発させる。得られ
た油状残留物を、塩化メチレン+2%メタノールを用い
る55gセファデックスLH20のクロマトグラフィーに付
し、10mlの分画であつめる。分画15〜23から純粋な標記
化合物が得られる。
NMRスペクトルは、2.50および2.70ppm(幅広いシグナ
ル)にスクシニルプロトンを、そして3.25ppmに−CH2
NH−COCH2CH2COOHに相当するシグナルを示す。
実施例3:〔(0−ヒドロキシスクシニル)−Thr〕
シクロスポリンの製造:〔工程iii) 〔Thr〕−シクロスポリン6.05gをピリジン20mlに溶解
し、4−ジメチルアミノ−ピリジン3.66gおよび無水コ
ハク酸1.5gを75℃で添加する。反応混合物を75℃で4時
間撹拌し、次いでCH2Cl2500mlで希釈し、2NHCl50mlづつ
で5回、H2O150mlで1回洗浄する。有機相を抽出し、Na
2SO4で乾燥し、蒸発させ、酢酸を溶離液としてシリカゲ
ル(0.040〜0.062mm)250gを用いるクロマトグラフィー
によって精製する。
実施例4:〔(N−ε−スクシンイミドオキシスクシニ
ル)−(D)Lys〕−シクロスポリンの製造:〔工程
i)〕 実施例2に従って製造される〔(N−ε−ヒドロキシス
クシニル)−(D)Lys〕−シクロスポリン50mg、N
−エチル−N′−(ジメチルアミノプロピル)−カルボ
ジイミドHCl14mg、N−ヒドロキシスクシンイミド23.8m
gおよびトリエチルアミン24.6mgを塩化メチレン2ml中で
2時間室温下に撹拌して透明な無色の溶液を得る。得ら
れた溶液を塩化メチレン50mlおよびH2O10mlで希釈し、1
NHClをpH6になるまで滴下する。二相性混合物が生成
し、これをHClを添加するたびによく振とうする。最後
に有機相を希NaHCO3溶液10mlと共に振とうし、NaSO4
乾燥し、濾過し、溶媒を留去すると標記化合物が得られ
る。
NMRスペクトルは、2.50および2.75ppm(J=5cps)にス
クシニルプロトン、そして2.18および2.19ppm(2S)に
N−スクシンイミドプロトンを示す。8位の残基は以下
の構造を有する。
実施例5:〔(0−スクシンイミドオキシスクシニル)−
Thr〕−シクロスポリンの製造:〔工程i) トリエチルアミン54mg、N−ヒドロキシスクシンイミド
98mgおよびN−エチル−N′−(3−ジメチルアミノプ
ロピル)−カルボジイミド102mgを、実施例3に従って
製造した〔(0−ヒドロキシスクシニル)−Thr〕
シクロスポリン200mgの塩化メチレン10ml中溶液に添加
するが、添加は水分を厳密に排除して20℃で行う。反応
混合物を室温で6時間撹拌し、塩化メチレン200mlで希
釈し、H2O50mlと共に振とうする。水相を1NHClの滴下に
よりpH5〜6に調節し、振とうする。水相を塩化メチレ
ン100mlで抽出し、有機相を0.1N NaHCO3で洗浄し、Na2S
O4で乾燥し、濾過し、蒸発させる。残留物を、シリカゲ
ル110gを使用し、酢酸エチルを溶離液とするクロマトグ
ラフィーにより精製すると、標記化合物が得られる。
〔α〕20=−178゜(CHCl3中C=1.0)。CDCl3中の1H−
NMRは、2.80において一重線としてスクシンイミドプロ
トンを、2.60ppmにおいて多重線としてスクシニルプロ
トンを示す。2位の残基は以下の構造を有する。
実施例6:〔(N−(3−(2−ピリジル)ジチオ)プロ
ピオン−1−イル)−(D)Lys〕−シクロスポリン
の製造:〔工程ii)〕 塩化メチレン10mlに入れた〔(D)Lys〕−シクロス
ポリン126mgのの溶液に、20℃で水分を厳密に排除しつ
つ、スクシニル−3−〔(2−ピリジル)ジチオ〕プロ
ピオナート35mgを加える。反応混合物を室温で6時間撹
拌し、塩化メチレン200mlで希釈し、飽和NaHCO350mlと
共に振とうする。水相を塩化メチレン150mlで抽出し、
有機相をH2Oで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、蒸発
させる。無晶形の残留物を、シリカゲル100gを用いて塩
化メチレン/メタノール(95:5)を溶離液とするクロマ
トグラフィーによって精製すると、純粋な標記化合物が
得られる。〔α▲〕20 D▼=−165゜(CHCl3中C=1.
0)。
8位の残基は式: を有する。
実施例7:上記2.1に定義される型の免疫原性シクロスポ
リン−担体コンジュゲートの製造:〔工程vi)〕 7.1鶏のγ−グロブリンとのコンジュゲート ジメチル
ホルムアミド0.2mlにいれた、実施例4の方法に従って
製造される〔(N−ε−スクシンイミドオキシスクシニ
ル)−(D)Lys〕−シクロスポリン10mgをNaHCO
3(1.5w/v%、pH8.1)4ml中の鶏γ−グロブリン100mgに
くわえる。反応混合物を室温で約2時間撹拌し、得られ
たコンジュゲートをリン酸塩緩衝化食塩水に対して透析
することにより精製する。
7.2鶏の卵白アルブミンとのコンジュゲートジメチルホ
ルムアミド100μに入れた、実施例5に従って製造さ
れ、さらに10%のジトリチウム化物質(1〜2μCi/mg.
出発物資としてトリチウム化〔Thr〕−シクロスポリ
ンを使用する外は実施例5と同様にして取得)を含有す
る〔(0−スクシンイミドオキシスクシニル)−Thr〕
−シクロスポリン10.7mgを、1.5%NaHCO3緩衝液2ml中
の鶏卵白アルブミン30.45mgに、激しく撹拌しながら添
加する(シクロスポリン/卵白アルブミンのモル過剰=
10.68)。反応混合物を周囲温度で2時間撹拌し、得ら
れたコンジュゲートを4℃で18時間リン酸塩緩衝化食塩
水にたいして3回透析することにより精製する。生成物
のコンジュゲートに対して、投入した放射活性の55.7%
が卵白アルブミンに結合していることがわかり、これは
シクロスポリン/卵白アルブミンの結合比5.95を示すも
のである。
卵白アルブミンに対するシクロスポリンの共有結合の数
を、3個のコンジュゲート試料のアセトン沈澱によって
調べた。非共有結合シクロスポリンに相当する39.5%の
放射活性がアセトン上清中に測定され、これははシクロ
スポリン/ランパ 卵白アルブミンの最終的共有結合比
3.6を示すものである。得られたコンジュゲートは分割
して−20℃に維持した。
シクロスポリン出発物資として実施例6の生成物を使用
する外は上記7.1および7.2と同様にして、類似のコンジ
ュゲートが製造できる。
実施例8:上記2.4/2.6に定義される型の免疫原性シクロ
スポリン−担体コンジュゲートの製造:〔工程x〕 8.1モルモットIgGとのコンジュゲート モルモットのIgG(30mg)を0.1M重炭酸塩緩衝液(pH9、
0.5M)に溶解し、同じ緩衝液(0.5ml)中の、実施例
1の方法にしたがって製造される〔(D)Lys〕−シ
クロスポリン(1mg)の溶液に添加し、1%酢酸数滴を
加える。続いてN−エチルN′−(3−ジメチルアミノ
プロピル)カルボジイミド塩酸塩を2回に分けて添加
(各添加=100mg)することにより結合させる。24時間
後、水に対して複数回透析し、その後凍結乾燥すること
により、反応生成物を製造する。
8.2ウサギIgGとのコンジュゲート 実施例1の方法に従って製造される〔(D)Lys〕
シクロスポリン(10mg)を、トリチウム化〔(D)Ly
s〕−シクロスポリン6.9μg(0.1mCi)のエタノール
溶液0.1mlに溶解する。ピリジン0.1mlおよび35%ホルム
アルデヒド0.1mlを加え、全体を30分間室温に維持す
る。ついで0.02Mリン酸塩緩衝化食塩水(1ml)中のウサ
ギIgG20mgおよびピリジン0.3mlを加え、反応を室温で焼
く14時間保持する。得られたコンジュゲートを、30%ピ
リジン、10%ピリジンおよび最後に0.005Mリン酸塩緩衝
化食塩水に対して透析する。コンジュゲートの結合比率
は1:11.4である。
実施例9:「シクロスポリン」反応性のモノクローナル抵
抗を産生するハイブリドホマセルラインの生成:〔工程
viii)〕 9.1実施例7.1のコンジュゲートの使用 a) 免疫処置 i.p.注射で投与することにより、フロイント完全アジュ
バント0.2mlに入れた実施例7.1の免疫原性コンジュゲー
ト生成物100μGを、雌のBalb/cマウス(20〜25g)に各
々与える。2週間後に、フロイント完全アジュバント0.
2mlに乳濁させた実施例7.1の生成物50μgを含む2回目
のブースター注射を、やはりi.p.注射によって行う。処
置したマウスの血清中における、「シクロスポリン」に
対して反応性を有する抗体の存在を、トレーサとしてト
リチウム標識「シクロスポリン」を用いる通常のRIAア
ッセイによって確認する。
b) ハイブリドホーマの産生 「シクロスポリン」反応性抗体価の最大値を示す工程
a)で得られるマウスに、食塩水(0.85w/v%)に入れ
た実施例3.2の生成物20μgを含むブースター注射をi.
v.によって施す。このマウスを4日目に殺し、S.ファゼ
カス等によりジャーナル・オブ・イムノロジカル・メソ
ッズ、35巻、1〜21頁(1980)に記載の方法に従って、
脾臓細胞を分離しマウス(Balb/C)骨髄腫細胞と融合さ
せる。
トレーサーとしてトリチウム標識化「シクロスポリン」
を用いる通常のRIAアッセイ技術によって「シクロスポ
リン」に対し反応性の抗体であって、そしてさらに、ト
リチウム標識化「シクロスポリン」をトレーサーとし、
シクロスポリン17を競合リガンドとする通常のRIAアッ
セイ技術を用いて、シクロスポリン17との低い交差反応
性を示す抗体の産生について、増殖しつつあるハイブリ
ドーマをスクリーニングする。「シクロスポリン」と反
応し、かつシクロスポリン17とは低い交差反応性を有す
るモノクローナル抗体を産生する、1つの選択されたハ
イブリドーマラインを見出す。この抗体は、IgGクラ
ス、IgG1サブクラスに属するものと性格付けられる。RI
Aにおいて得られた「シクロスポリン」との反応性につ
いてのIC50値は、シクロスポリン17についての280ng/ml
に比べて6.7ng/mlである。したがってシクロスポリン17
との交差反応性は、わずか2%のオーダーを有する。
「シクロスポリン」に関して求められた親和定数は、10
-9mol/のオーダーを有する。
本明細書に概括的に教示された本発明に係る技術を適用
することにより、特に、免疫原性コンジュゲートの製造
のために例えば上記1.1〜1.11、1.14または1.15(式(I
I a)、(II b)、(II c)、または(II d)のいずれ
か1項に定義される活性化結合基を有するシクロスポリ
ン類を使用し、例えば本実施例の一般的方法と同様にし
て進めることにより、ハイブリドーマライン/モノクロ
ーナル抗体が容易に製造でき、これは、たとえ本実施例
に係る特定のハイブリドーマライン/モノクローナル抗
体産物と同一でない場合であっても本質上同一の基準を
満たすものであり、例えば上記に述べたものと同等の、
または一層改善された性質を示すものである、という事
ができるであろう。この事は、以下の実施例中に明示さ
れる結果から明らかであろう。
9.2実施例7.2のコンジュゲートの使用 a) 免疫処置 各マウス(Balb/c)に、リン酸塩緩衝化食塩水/フロイ
ントアジュバント(1:1)200μに入れた実施例7.2の
免疫原性コンジュゲート産物100μgを与える。1回目
の投与(フロイント完全アジュバント)はs.c.で後足、
尾の近傍および首の近傍に施す。3週間後2回目および
3回目の投与(フロイント不完全アジュバント)を、各
々背部にs.c.で、そして後脚にi.m.で行う。血液試料
を、2回目および3回目の両投与の1週間後に採取す
る。
別途使用のために、以下の測定される抗血清基準にした
がってマウスを選択する: 1.液相RIAおよびELISAにおける力価; 2.見掛けのアイソタイプ分布(ELISAにおけるIgG1のみ
またはIgG12a+2b) 3.ELISAにおける相対的結合活性; 4.競合的ELISAにおいてシクロスポリンおよびシクロス
ポリン17およびシクロスポリン18を識別する能力。
9%NaCl200μgに入れた実施例7.2の免疫原性コンジュ
ゲート産物100μgを用いる融合を行うのに先立ち、−
3、−2および−日目に、選択されたマウスにブースタ
ー注射を行うが、これは−3日目にはi.p.(50%)およ
びi.v.(50%)注射、−2および−1日目にはi.p.(10
0%)によって行う。
b) ハイブリドーマの生成 各マウス由来の脾臓細胞2.5×10-7または5×10-7を、P
EG4000を使用してマウス(Balb/c)骨髄腫細胞5×10-7
と融合させ、24×24のウエルに分配する。
陰性対象としての遊離の牛血清アルブミンに優先して、
牛血清アルブミンと結合した〔Thr〕−シクロスポリ
ン(実施例7.2と同様にして製造)および/または牛血
清アルブミンと結合した〔(D)Lys〕−シクロスポ
リン(実施例7.1と同様にして製造)を識別する抗体の
存在について、培養上清をELISAでスクリーニングす
る。選択したIgG産生ハイブリドーマラインをクローニ
ングしてモノクローン性を保証する。
得られたハイブリドーマラインによって産生されるモノ
クローナル抗体の(a)「シクロスポリン」ならびに
(b)シクロスポリン17およびシクロスポリン18を区別
/識別する能力を、0.03%トゥイーン20を含む、および
含まないリン酸塩緩衝化食塩水(pH7.5);ならびに0.0
3%トゥイーンを含む、およびNaClを含まないトリス(p
H7.5)を含む種々の緩衝系中で、クエスニオー等により
イムノロジー・レターズ9巻99〜104頁(1985)に記載
の間接ELISAの競合形式によって試験する。識別のため
の最適条件は、一般に140mMのNaClおよび0.03%のトゥ
イーン20を加えたpH7.5のリン酸塩緩衝化食塩水におい
て観察される。検査した9個のクローンライン中、7個
が(a)「シクロスポリン」ならびに(b)シクロスポ
リン17および18を識別するモノクローナル抗体を生成す
る。6個については、「シクロスポリン」と比較したシ
クロスポリン17のIC50比は約35倍またはこれ以上であ
る。
実施例10:「シクロスポリン」と反応性の通常のポリク
ローナル抗血清の生成〔工程ix)〕 約14日間の間隔で後脚に筋肉内注射を10回行うことによ
り、羊を免疫処置する。注射液は、実施例8.1の免疫原
性蛋白コンジュゲート産物の凍結乾燥品(3mg)、アル
ゲルS(0.2ml)およびフロイントアジュバント(0.6m
l)からなる。トリチウム化シクロスポリンに対して得
られた最終力価は、RIAで測定した場合1/100000であ
る。
回収されたポリクローナル抗血清は、例えば現行のシク
ロスポリンRIAアッセイキット中で使用されているよう
な、当分野で既知の〔Thr〕−シクロスポリン−IgGコ
ンジュゲートを使用して得られるポリクローナル抗血清
と比較して、「シクロスポリン」およびその代謝産物シ
クロスポリン17間のより良い識別を示すことがわかっ
た。即ち本実施例に従って得られる抗血清については、
シクロスポリン17との交差反応性は、既知のポリクロー
ナル抗血清が約42.0%であるのに比べ、約18%のオーダ
ーを有する。
実施例11:上記5.1にに定義されるシクロスポリン類の標
識化誘導体の製造:〔工程ix)〕 11.1:〔N− −TRITC−(D)Lys〕−シクロスポリ
ンの製造 実施例1に従って製造される〔(D)Lys〕−シクロ
スポリン(15mg)を塩化メチレン(2ml)に溶解する。
イソチオシアン酸ローダミン(TRITC)(5.3mg)を加
え、反応混合物を−7℃で17時間放置する。強い赤色の
溶液を、塩化メチレンおよび0.5%メタノールを用いて
直接セファデックスLH20(20g)のクロマトグラフィー
に付す。分画を10mlずつ集める。
標記化合物が、分画5〜7および10〜14から油状物とし
て回収される。UV吸収:300nm/蛍光放出:540nm。8位の
残基は、構造: を有する。
11.2〔N−ε−ダンシル−(D)Lys〕−シクロスポ
リンの製造 実施例1に従って製造される〔(D)Lys〕−シクロ
スポリン(232mg)をクロロホルム(15ml)に溶解す
る。エチルジイソプロピルアミン(7.3mg)および塩化
ダンシル(99.5mg)を加え、反応混合物を2時間撹拌刷
る。生成物を、塩化メチレンおよび0.5%メタノールを
用いて直接セファデックスLH20(100g)のクロマトグラ
フィーに付す。分画は10mlずつ集める。
集めた分画を蒸発させ、得られた生成物を、塩化メチレ
ンおよび5%メタノールによりシリカゲル(0.06〜0.20
mm)(100g)を用いて再度クロマトグラフィーに付す。
分画は15mlずつ集める。
分画28〜44から純粋な生成物を得た。〔α▲〕20 D▼=
−183.8゜、CHCl中=c=1.08。
11.3:〔(D)Lys〕−シクロスポリンの125ヨウ素化
誘導体の製造 ボルトンおよびハンター〔バイオケミカル・ジャーナル
133巻529頁(1973)〕記載の方法と同様にして、実施例
1に従って製造される〔(D)Lys〕−シクロスポリ
ンの8位の残基のN−ε−原子にp−OH−フェニルプロ
ピオニル基を結合させることにより、標記化合物を製造
する。125I標識は、p−OH−フェニルプロピオニル基の
フェニル環に行う: 直線勾配を用い、かつ液相として10〜30%n−プロパノ
ール/5%酢酸中の0.2%トリフルオロ酢酸/0.2トリフル
オロ酢酸を使用するRP18の4×250カラムによるHPLCに
よって精製をおこなう。
この発明によって下記の各事項が可能となる。
1.シクロスポリンおよびその代謝産物間を識別すること
のできるモノクローナル抗体。
2.第1項記載のモノクローナル抗体を産生するハイブリ
ドーマセルライン。
3.a) 活性化結合基を有するα−アミノ酸残基を有
し; b) アミノ置換基が遊離または保護形であるアミノ置
換(D)α−アミノ酸残基を8位に有し;または、 c) アシルアミノ置換(D)α−アミノ酸残基(ここ
でアシルアミノ置換基は、アシル部分が遊離のカルボキ
シ基により置換されている)を8位に有する、 シクロスポリン。
4.活性化結合基の働きによりシクロスポリンに結合した
担体からなる免疫原性コンジュゲート、例えば、第3項
a)部に記載のシクロスポリンに結合した担体からなる
免疫原性コンジュゲート。
5.第1項記載のモノクローナル抗体の産生において使用
可能な免疫原性コンジュゲート。
6.シクロスポリンの5.6.7または8位のα−アミノ酸残
基を介して該シクロスポリンに結合した担体からなる免
疫原性コンジュゲート。
7.シクロスポリンと反応性のポリクローナル抗血清を包
含する、第6項記載の免疫原性コンジュゲートに応答し
て産生されるシクロスポリンと反応性の抗体。
8.8位の残基が−(D)Lys−であるシクロスポリンの標
識化誘導体。
9.キットまたはシステムの構成因子として、 A)第6項記載の抗体もしくは抗血清;または、 B)第10項記載のシクロスポリンの標識化誘導体、 を含む、シクロスポリンアシルアッセイのためのイムノ
アッセイキットまたはシステム。
10.以上に記載した各々のそして全ての新規な工程、方
法、生成物、製造方法もしくはその他の態様、またはこ
れらの任意の組み合わせ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:91) (72)発明者 シユライエル、マツクス・ハー スイス国ツエ−ハ−‐4054 バーゼル、オ ベルビレルストラツセ 50番 (72)発明者 ケスニオ、バレリー スイス国ツエ−ハ−‐4051 バーゼル、レ オンハルツグラベン 8番 (56)参考文献 J.Immunoassay,2 (1),19−32(1981) Nature.256,495−497(1975)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シクロスポリン類化合物を認識して、シク
    ロスポリン類化合物とその代謝産物とを識別することが
    できる、モノクローナル抗体。
  2. 【請求項2】シクロスポリン類化合物がシクロスポリン
    または[Nva]−シクロスポリンである、第1項記載
    のモノクローナル抗体。
  3. 【請求項3】代謝産物に対する交差反応性が5%以下で
    ある、第1項または第2項記載のモノクローナル抗体。
  4. 【請求項4】シクロスポリンとその代謝産物であるシク
    ロスポリン1、8、9、10、16、17、18および21の少な
    くとも1種とを識別することができる、第1項〜第3項
    のいずれかに記載のモノクローナル抗体。
  5. 【請求項5】シクロスポリンとシクロスポリン17とを識
    別することができる、第4項記載のモノクローナル抗
    体。
  6. 【請求項6】a)担体分子と、当該担体分子と結合試薬
    の不存在下に直接反応することが出来る活性化結合基を
    有するアルファーアミノ酸残基を持ったシクロスポリン
    類化合物とを反応させることにより共有的に結合した免
    疫原性コンジュゲートを調製し、 b)この免疫原性コンジュゲートを適当な動物種に投与
    して免疫原性攻撃を行い、当該コンジュゲートに感作さ
    せた抗体産生性細胞を集め、 c)この抗体生産性細胞を不死化し、 d)このようにして確立された選択不死化セルラインか
    らモノクローナル抗体を収得する ことにより得られる、第1項〜第5項のいずれかに記載
    のモノクローナル抗体。
  7. 【請求項7】シクロスポリン類化合物を認識して、シク
    ロスポリン類化合物とその代謝産物とを識別することが
    できるモノクローナル抗体を使用する、シクロスポリン
    アッセイ用イムノアッセイキット。
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