JPH0749397B2 - 光学活性セリンのラセミ化法 - Google Patents

光学活性セリンのラセミ化法

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JPH0749397B2
JPH0749397B2 JP12260787A JP12260787A JPH0749397B2 JP H0749397 B2 JPH0749397 B2 JP H0749397B2 JP 12260787 A JP12260787 A JP 12260787A JP 12260787 A JP12260787 A JP 12260787A JP H0749397 B2 JPH0749397 B2 JP H0749397B2
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次郎 大谷
嘉嗣 神野
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三井東圧化学株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は光学活性セリンのラセミ化法に関する。さらに
詳しくは、光学活性セリンの水溶液を比較的低温で加熱
することにより、DL−セリンを製造する方法に関するも
のである。
セリンは輸液、各種ペプチド等の原料として重要なアミ
ノ酸であるが、飼料用として大幅な需要増が見込まれる
L−トリプトファンの主原料としても注目されている。
更に、パーマネント、医薬等に用いられるシスティン、
シスチンの原料としても有用なアミノ酸である。
一般的な合成法によって得られるセリンは、DL体である
が通常必要とされるのは光学活性体であり、不要な対掌
体を有効活用するには、これをラセミ化し再分割するこ
とが不可欠となる。
本発明は以上の目的のための工業的に有利なラセミ化法
に関するものである。
(従来の技術) 光学活性セリンのラセミ化法に関しては、従来より種々
提案されており、例えば 光学活性セリンを、無水酢酸と接触せしめてラセミ化
する方法(Arch.Biochem.Biophys.83,1(1959))。
光学活性セリンをm−キシレン−4−スルホン酸塩と
した後、アルキルアミン、アルカノールアミンを使用し
てラセミ化する方法(特公昭51−41616号、特公昭61−8
817号)。
光学活性セリンをセリンラセマーゼを用いて酵素的に
ラセミ化する方法(特開昭60−168392号) 光学活性セリンの水溶液を該水溶液の蒸気圧よりも高
い圧力に加圧し、150〜300℃に加熱してラセミ化する方
法(特開昭60−226850号)等がある。
(発明が解決しようとする問題点) 従来の方法により工業化しようとする場合、それぞれ次
のような難点を有する。すなわち の方法ではラセミ化物を脱アセチル化したあと、さら
にアセチル化剤由来物質の除去精製も必要であり、収率
も低い。
の方法では、高価なm−キシレン−4−スルホン酸を
大量に使用し、しかも反応後は脱m−キシレン−4−ス
ルホン酸操作が必要で工程が長い。
の方法では、セリンラセマーゼの調整が、容易でな
く、反応混合物からラセマーゼ由来物質を除くための煩
雑な操作が必要であるばかりでなく、反応に長時間を有
する。
の方法では、反応液中に光学活性セリン以外の物質の
混入が無く、精製が容易で優れた方法ではあるが、高
温、高圧の厳しい条件下の反応であり、工業化する場
合、装置上あるいは運転管理上、望ましい方法とは言い
難い。
上記のように従来の方法は種々の問題点を有している。
ラセミ化反応に当たっては、反応後の精製操作の点から
添加物はできるだけ使用しない方が好ましい。また装置
上、あるいは操作面からは低温、低圧の穏やかな反応条
件が望まれる。
本発明の目的はそのような条件を満たす工業的製法を提
供することを目的とする。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは、上記の問題点を解決するため鋭意検討を
重ねた結果、光学活性セリンの水溶液を特定のpHに調整
し、150℃未満に加熱するだけで短時間で、収率よく、
高品質のラセミ化セリンが得られることを見出し本発明
を完成した。
即ち、本発明は光学活性セリンの水溶液を、pH3〜9で1
50℃未満の温度に加熱することを特徴とする光学活性セ
リンのラセミ化法である。
以下、本発明について詳しく説明する。
本発明の方法で、用いられる原料の光学活性セリンは、
結晶でも、又、例えば無機塩類、グリシンのような不純
物を含んだ精製途中の水溶液であってもよい。更には、
純粋なセリンの状態であっても、又その塩の状態であっ
ても差し支えない。
反応は水溶液中で行い、仕込時の光学活性セリンの濃度
は、任意に選ぶことができるが、10ないし40重量%とす
るのが好ましい。低濃度では容積効率、エネルギー的に
不利であり、反応時間も長くなる。また高濃度では取扱
が難しくなる。更に該水溶液は、反応前に脱気しておく
ことが好ましい。
反応液のpHは3ないし9、好ましくは4ないし7であ
る。pHが3未満の場合は、反応後中和する場合の生成塩
が多く、品質の低下をもたらす。pHが9を越える場合
は、反応液が着色し、更に分解も起こり好ましくない。
pH調整剤は、無機類を用いるが、通常、酸としては硫酸
あるいは塩酸を用い、アルカリとしてはアンモニア、水
酸化ナトリウムを用いる。
反応温度は150℃未満、好ましくは125〜145℃である。1
50℃以上では分解が起こり好ましくない。低温では反応
時間が長くなり好ましくない。
更に、該水溶液は、反応前に脱気しておくことが好まし
く、脱気して水溶液中の溶存酸素量を減じることによ
り、セリンのロスが抑えられ、収率が向上する。
脱気方法は攪拌しながら窒素を吹き込む方法、減圧する
方法等、いかなる方法でもよい。
更にセリンの分解防止のため反応開始前に系内は窒素置
換あるいは炭酸ガス置換をしておくことが望ましい。
反応系は外部より加圧の必要はない。従って、反応圧力
はその温度での水溶液の蒸気圧に、系内不活性ガスの昇
温膨張による圧力増加分を加えた圧力となる。
反応時間も、反応温度に依存し、高温程反応時間も短く
てよい。例えば130℃でラセミ化反応を行う場合、反応
時間は10時間必要であるが、140℃の場合、5時間で充
分である。
反応の形式は、槽型反応機を用いてのバッチ方式、ある
いは連続方式、もしくは管型反応器による連続方式等い
ずれも使用可能で特に制限はないが熱分解を最小限にす
るという点から、管型連続反応による方法が望ましい。
(作用及び効果) 従来の種々のラセミ化方法は、光学活性セリンに添加物
等を加える方法や、高温、高圧下の反応等であるが、そ
れによれば反応後の添加物及び添加物由来物質の除去操
作等を必要としたり、装置上、あるいは運転管理上問題
のある方法であった。
本発明による方法は、水溶液のpHを特定範囲に調整し、
150℃未満に加熱することで短時間で収率よく、高品質
のラセミ化セリンを得ることができ、工業的に極めて価
値ある発明である。
実施例 以下、実施例にて本発明を詳しく説明する。
実施例1 オートクレーブに予め脱気した水300gと結晶L−セリン
(純度99.0%)100.0gを仕込溶解させた。溶解液のpHは
5.6であった。オートクレーブを密閉し、窒素で充分に
空間部の置換を行った後、攪拌しながら昇温し、内温を
138℃、圧力4.0/cm2Gに維持して5時間反応させた後、
冷却し、反応液をセパラブルフラスコに移し、内溶液が
195.2gになるまで減圧濃縮を行った。
次に、濃縮液を攪拌しながら冷却し、2時間、5℃に保
持して、結晶を析出させ、減圧吸引濾過により結晶を分
別し、5℃の例水70gで洗浄した。得られた湿ケーキを
減圧下70℃で乾燥して、乾燥DL−セリンの白色結晶84.0
gを得た。該セリンの過塩素酸滴定による純度99.4%、
比旋光度=▲〔α〕20 D▼=−0.0゜(C=10,2NHCl)、
純度換算収率は84.3%であった。
実施例2 L−セリン生成酵素を含むグリシン水溶液にホルマリン
を滴下して得られら反応液中のL−セリンをイオン交換
樹脂に吸着、次に希アンモニア水で溶離して、L−セリ
ン水溶液を得た。更に濃縮してL−セリン濃度20重量%
に調整した液をラセミ化のテストに供した。
オートクレーブに予め脱気した該反応液20重量%水溶液
400.0gを仕込、98%硫酸でpHを5.7に調整後、系内を密
閉し、窒素で充分に空間部の置換を行った後、攪拌しな
がら昇温し、圧力3.5kg/cm2Gで内温を137℃に維持し
て、5時間反応させた後冷却し、反応液をセパラブルフ
ラスコに移し、内溶液が195.3gになるまで減圧濃縮を行
った。
その後、実施例1と同様に処理して、乾燥したDL−セリ
ンの白色結晶67.3gを得た。該セリンの純度は、98.8
%、比旋光度=▲〔α〕20 D▼=−0.1゜、純度換算収率
は、83.1%であった。
実施例3 反応温度を130℃とし、反応時間を10時間とした以外は
実施例2と同様にして反応、後処理を行い、DL−セリン
の乾燥白色結晶65.4gを得た。該セリンの純度は99.7
%、比旋光度=〔α〕20=+0.0゜で、純度換算収率は8
1.5%であった。
実施例4 オートクレーブ内の仕込を予め脱気した水80.0gと、結
晶D−セリン(純度99.8%)20.0gとした他は実施例1
と同様にして、DL−セリンの乾燥白色結晶16.7gを得
た。該セリンの純度は98.8%、比旋光度=▲〔α〕20 D
▼=−0.1゜で、純度換算収率は82.7%であった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光学活性セリンの水溶液を、pH3〜9の範
    囲で150℃未満の温度に加熱することを特徴とする光学
    活性セリンのラセミ化法。
JP12260787A 1987-05-21 1987-05-21 光学活性セリンのラセミ化法 Expired - Lifetime JPH0749397B2 (ja)

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JP5478035B2 (ja) * 2008-07-02 2014-04-23 三井化学株式会社 Dl−セリンの製造法

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