JPH0751611B2 - フェノール樹脂及びビスフェノールの製造方法 - Google Patents

フェノール樹脂及びビスフェノールの製造方法

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JPH0751611B2
JPH0751611B2 JP63013767A JP1376788A JPH0751611B2 JP H0751611 B2 JPH0751611 B2 JP H0751611B2 JP 63013767 A JP63013767 A JP 63013767A JP 1376788 A JP1376788 A JP 1376788A JP H0751611 B2 JPH0751611 B2 JP H0751611B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はフェノール樹脂及びビスフェノールの製造方法
に係り、より詳しくは分子量分布を低く制御し、しかも
触媒等の不純物を含まない高純度のフェノール樹脂を製
造する方法、ならびにパラ結合異性体(以下、単にパラ
結合体という)に富み、しかも触媒等の不純物を含まな
い高純度のビスフェノールを選択的かつ高収率で製造す
る方法に関するものである。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
元来、2個以上の官能部位(オルソ位及びパラ位)を有
するフェノール類(P)はアルデヒド類(A)との反応
によって種々の分子量の多核体を生成し多分子性フェノ
ール樹脂を形成する性質を有するものであることは古く
から知られており、たとえば、シュウ酸、塩酸、硫酸、
パラトルエンスルホン酸等の強酸性触媒によるノボラッ
ク樹脂および苛性ソーダ、苛性カリ、アミン類等の強ア
ルカリ性触媒によるレゾール樹脂に代表されるフェノー
ル樹脂が工業用樹脂として広範に利用されている。
しかしながら、これら従来法によるフェノール樹脂の製
造は、反応系に触媒が溶解した均一系反応で行われるた
め、一般に縮合工程および濃縮工程での樹脂の分子量分
布には、種々の技術的配慮が施されているものの、特に
パラ配向性の高い樹脂を得るために有効とされている強
酸性反応系では大きな発熱を伴うため反応の制御が難し
く、また突沸・爆発等を引き起こし易いこと又は、アル
デヒド類の配合比(A/P)が例えば0.8を越える場合に、
とくに濃縮工程で樹脂の高分子比が進行し易いことなど
から工業的規模での実施においてはかなり高度の製造技
術が要求されるなどの問題がある。
一方、近年のフェノール樹脂用途の多様化に伴なって特
に電気・電子材料用に適した触媒等を含まない高純度の
フェノール樹脂の要求がとみに高まってきている。しか
し、上記均一系反応法における触媒の除去方法として
は、従来より水洗又は中和等の如き複雑な工程が採用さ
れているものの、かかる方法は煩雑であるのみならずフ
ェノール樹脂中より触媒を完全に除去することは困難で
あった。
また、ビスフェノール特にパラ結合体に富むビスフェノ
ールの製造方法としては、三核体以上の縮合物の生成を
最小限に抑制しつつ、フェノール類のパラ官能部位での
付加縮合反応を促進させるために、たとえば、塩酸、硫
酸、パラトルエンスルホン酸等の強酸性触媒を使用し、
フェノール類に対するアルデヒド類の配合モル比を0.5
以下に調整した、即ちフェノール類の大過剰下に反応さ
せる方法が従来より有効とされてきた。しかし、かかる
方法による工業的規模での実施においては次のような点
に問題を有する。すなわち、 この種の強酸性反応系では、大きな発熱を伴うために
反応の制御が難しく、また突沸・爆発等を引き起こし易
いことから工業的規模での実施においてはかなり高度の
製造技術が要求される。従って、一般的には触媒量等の
調整による比較的マイルドな反応条件下での製造が採用
されており、そのためパラ結合体に富むビスフェノール
を得ることが困難である。
出発原料の配合モル比が低いためにビスフェノールの
収得は非常に低能率である。
上記触媒は親水性であるために反応系からの完全な除
去は一般に困難であって、製品中に上記触媒、特に触媒
残基が残存した場合、これを原料素材として利用する二
次加工において色々な問題を生じる可能性がある。
また、本発明の他の目的は、急激な発熱や異常な高分子
化を伴うことなく、フェノール類とアルデヒド類を効率
的に反応させた後、触媒を分離除去してなる7核体を越
える多核体成分を実質的に含まない、低く制御された分
子量分布を有しかつ触媒等の不純物を含まない高純度の
フェノール樹脂の製造方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、触媒分離後の縮合生成物の
高分子化を最小限に抑止しつつ、未反応モノマー類を除
去した低く制御された分子量分布を有する高純度のフェ
ノール樹脂の製造方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、パラ配向性に富みかつ低く
制御された分子量分布を有する高純度のフェノール樹脂
の製造方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、パラ結合体を主体とし、触
媒等の不純物を含まない高純度のビスフェノールを選択
的かつ高収率で、しかも高度な製造技術を要せずとも安
全かつ容易に工業的規模での製造が可能なビスフェノー
ルの製造方法を提供することにある。
〔課題を解決するための手段および作用〕
本発明者らは、上述した如き従来技術の問題点を解決す
るために鋭意検討した結果、反応触媒として実質的に水
及び/又は有機溶媒に不溶性でありかつ水素イオン又は
水酸イオンを放出可能な固体触媒を使用することによっ
て、従来法より分子量制御の自由度が高く、しかも触媒
等の不純物を含まない高純度のフェノール樹脂を製造し
得ること、特に水素イオンを放出可能な固体触媒を使用
する場合には、従来法より遥かにマイルドな反応条件下
でもパラ配向性に富むフェノール樹脂及びビスフェノー
ルの製造が可能であることを見出し、この知見に基づき
更に検討を行ない本発明を完成するに至ったものであ
る。
すなわち、本発明によれば、実質的に水及び/又は有機
溶媒に不溶性でありかつ水素イオン又は水酸イオンを放
出可能な固体触媒相の存在下にフェノール類とアルデヒ
ド類とを80℃以下の温度で反応させたのち、固体触媒相
を分離除去することを特徴とするフェノール樹脂の製造
方法が提供される。
同様にして、実質的に水及び/又は有機溶媒に不溶性で
ありかつ水素イオン又は水酸イオンを放出可能な固体触
媒相の存在下にフェノール類とアルデヒド類とを80℃以
下の温度で反応させたのち、固体触媒相を分離除去して
フェノール樹脂を得、次いで該フェノール樹脂を反応及
び又は濃縮することを特徴とするフェノール樹脂の製造
方法が提供される。
本発明の特徴の一つは、従来の均一系反応法における上
記問題点を解消するために、実質的に水及び/又は有機
溶媒に不溶性でありかつ水素イオン(H+)又は水酸イオ
ン(OH-)を放出可能な固体触媒を使用し、しかも従来
技術における触媒量水準よりも遥かに多量に用いる不均
一系反応法の採用にある。
すなわち、本発明においては、固体触媒中に含まれる
(H+)や(OH-)等のイオン性触媒が液体相中に放出さ
れて反応系が酸性又はアルカリ性に移行するためにフェ
ノール類とアルデヒド類とは反応してフェノール樹脂を
生成するものと推察される。さらに、本発明の反応で興
味深いことは、従来の均一系反応法に観られるような発
熱反応を伴わないことである。このことは本発明が不均
一系反応であって固体相と液体相間の相間移動する
(H+)や(OH-)が徐放的に働いているため、急激な発
熱や異常な高分子化を抑制しているものと考えられる。
上記の固体触媒としては、H型陽イオン交換樹脂とし
て、たとえば、スチレンとジビニルベンゼンの共重合体
又はスチレン重合体にスルホン酸基を結合させたスチレ
ン系強酸性型イオン交換樹脂、フェノール系化合物とア
ルデヒド類の縮合物にスルホン酸基を結合させたフェノ
ール系強酸性型イオン交換樹脂等のスルホン酸型強酸性
タイプ、又はカルボン酸基を有するメタクリル酸系弱酸
性型イオン交換樹脂又はアクリル酸系弱酸性型イオン交
換樹脂等のカルボン酸型弱酸性タイプ、あるいはOH型陰
イオン交換樹脂として、たとえば、上記の重縮合型高分
子基体に交換基として4級アンモニウム基を結合させた
強塩基性陰イオン交換樹脂、又は1〜3級アミンを結合
させた弱塩基性陰イオン交換樹脂、そのほか無機系リン
酸ケイ素化合物などが挙げられる。これらの中でも特に
強酸性陽イオン交換樹脂および強塩基性陰イオン交換樹
脂のものが触媒活性の点から好ましく使用される。特
に、H型強酸性陽イオン交換樹脂は、フェノール類の水
酸基に対するパラ位での付加縮合反応を優先的に進行さ
せる作用を有することからパラ配向性の高いフェノール
樹脂を得る上で有利である。又、構造的にポーラス型も
しくはゲル型のいずれであってもよい。
なお、−SO3Na等の塩型陽イオン交換樹脂の場合には、
使用前に塩酸溶液又は硫酸溶液等で処理してH型に転換
させることにより、また、−NH4Cl等の塩型陰イオン交
換樹脂の場合には、苛性ソーダ溶液等で処理してOH型に
転換させることにより使用できる。
前記イオン交換樹脂の使用形態としては、特に制限はな
く、粉状、顆粉状、ビーズ状、繊維状、フイルム状など
あらゆる形状で使用可能であり、また必要に応じて触媒
活性の調整のためイオン交換樹脂の含水率を任意に調節
して使用してもよい。
かかる固体触媒としては、たとえば、H型酸性陽イオン
交換樹脂としてのSPC−108,SPC−112,SPC−118,SC−10
4,SC−108,CNP−80(以上は三井東圧ファイン社製)、C
C−260H,CC−276H,CC−290H(以上は住友化学工業社
製)、RCP−145H,RCP−150H,SK113A,PK228LH(以上は三
菱化成工業社製)、Anb−200CH(オルガノ社製)、また
OH型強塩基性陰イオン交換樹脂としての三菱化成工業社
製ダイヤイオンSA10 OH さらに無機系リン酸ケイ素化
合物としてMIZUKANEX−300(水澤化学工業社)などが挙
げられる。
本発明に係る不均一系反応法で用いる固体触媒量は、特
に限定されないが従来の均一系反応法より遥かに多量で
ある。
たとえば、従来法のバッチ方式において使用される触媒
量は、前述した如く、反応制御の困難性からフェノール
類に対して、通常、数重量%ないしは1重量%以下が一
般的であった。しかし、本発明における固体触媒量は、
フェノール類の重量を基準にして通常5〜500重量%の
範囲であり、好ましくは10〜200重量%である。触媒量
が5重量%未満では、触媒作用を有する(H+)や(O
H-)が不足するためフェノール樹脂の生成率が低く、ま
た500重量%を越えると固体触媒に付着する樹脂の量が
増えるためストレート収率を低下させる原因となり好ま
しくない。このように本発明方法は、従来技術での触媒
反応とは驚異的に異なる多量の触媒を使用する点に特徴
を有する。
また、本発明におけるフェノール樹脂の生成反応におい
て、高分子化を抑制しつつフェノール類とアルデヒド類
を効率的に反応させ、またイオン交換樹脂の劣化防止の
面から反応温度が重要である。反応温度としては、出発
原料として用いるフェノール類やアルデヒド類の種類及
びその配合モル比、固体触媒の使用量及び種類に応じて
適宜選択されるが、一般的には80℃以下の温度が適当で
あり、好ましくは50℃以下、より好ましくは40℃以下で
ある。反応温度が80℃より高くなると高分子量のフェノ
ール樹脂が生成したり、イオン交換樹脂の劣化を生じて
好ましくない。
なお、反応時間としては、特に制限はなく、出発原料の
種類、配合モル比、固体触媒の使用量及び種類、反応温
度等の反応条件に応じて適宜決定すればよい。
また、本発明におけるフェノール類に対するアルデヒド
類の配合モル比は、0.3〜6.0の広範囲で使用可能である
が、経済性の点で、通常0.3〜3.0であり、好ましくは0.
7〜2.0である。配合モル比が0.3より少ないとフェノー
ル樹脂の生成率が低く、一方6.0より多いと未反応アル
デヒド類が多量に残存し経済的でない。
しかし目的とするフェノール樹脂の分子量は必ずしも配
合モル比のみで制御されるものではなく、固体触媒量、
反応温度及び時間の組合せで限定された範囲内で無限に
調整されることを包含するものである。
この配合モル比の調整法としては、特に制限はなく、あ
らゆる対応が可能であり、たとえば、、反応開始時に一
度に調整し、又はフェノール樹脂の生成工程でアルデヒ
ド類を数回に分けて投入し、もしくは断続的に滴下して
多段階的に調整してもよく、更にはフェノール樹脂を生
成させて固体触媒を分離した後にフェノール類又はアル
デヒド類を追加して調整する方法などが例示される。
本発明で出発原料として用いるフェノール類としては、
特に限定はなく、たとえば、フェノール、レゾルシン、
グリシノール、ハイドロキノン、カテコール、オルソク
レゾール、メタクレゾール、パラクレゾール、オルソエ
チルフェノール、メタエチルフェノール、オルソイソプ
ロピルフェノール、メタイソプロピルフェノール、2,5
−キシレノール、2,6−キシレノール、3,5−キシレノー
ル、3−メチル−6−t−ブチルフェノール、オルソフ
ェニルフェノール、オルソノニルフェノール、メタクロ
ロフェノール、パラクロロフェノール、オルソブロモフ
ェノール、4−メチルレゾシル、パライソプロペニルフ
ェノール、パラターシャリブチルフェノール、ビスフェ
ノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなどが
単独で又は2種以上の混合物として使用される。
さらに、アルデヒド類としては、たとえば、ホルマリ
ン、パラホルムアルデヒド、パラオキシメチレン、ジオ
キサン、トリオキサン、アセタール類等のホルムアルデ
ヒド供給物質、グリオキザール、アセトアルデヒド、ブ
チルアルデヒド、プロピルアルデヒド、クロトンアルデ
ヒド、フルフラール、ベンズアルデヒド、パラオキシベ
ンズアルデヒド、グリオキシル酸及びこれらの混合物等
が挙げられるがこれらに限定されるものではない。これ
らの出発原料を使用するときの形態としては液状、溶液
状またはガス状いずれであってもよい。
本発明において固体触媒の存在下におけるフェノール類
とアルデヒド類との反応態様としては、特に制限はな
く、たとえば、三者の混合物を静置状態で反応させる方
法、機械的剪断力または超音波によって撹拌ないしは振
動を与えつつ反応させる方法、もしくは後工程での反応
生成物と樹脂とを分離する操作を容易にするために予め
樹脂触媒を金鋼等で囲繞隔離した状態で出発原料を反応
させる方法などのバッチ方式、更には固体触媒の固定層
に出発原料の混合物を通液させて反応させる方法等の連
続方式が挙げられる。
本発明の方法における特徴の一つは、生成フェノール樹
脂と固体触媒との分離が容易かつ明確であり固体触媒を
含まない高純度のフェノール樹脂が得られることであ
る。なお、本発明の方法に従って固体触媒を分離した後
のフェノール樹脂にも水素イオン又は水酸イオンがいく
らか残留するが、従来法の場合のようにフェノール樹脂
を使用した二次加工等において問題を生ずるおそれのあ
る酸根や塩基根などの触媒残基は全く残留しないし、水
素イオン又は水酸イオンの残留量も従来法の場合より一
般に少ない。
なお、生成フェノール樹脂と固体触媒との分離方法とし
ては、特に制限はなく、フェノール樹脂の状態に応じて
従来公知の濾過分離、遠心分離、比重分離、溶剤抽出等
の分離操作に従って実施すればよい。通常、フェノール
樹脂が液状であればそのまま直接に、また結晶性のよう
な固形状であれば反応系に適当な有機溶剤を加えて反応
生成物を溶解させたのち濾別する方法が一般的である。
一方、分離回収された固体触媒は、先ず有機溶剤等で洗
浄してフェノール樹脂を回収した後、触媒活性の低下が
観られない場合にはそのまま継続して使用可能であるが
活性度が低下した場合には公知の方法で再生処理を行な
ったのち再び利用してもよい。
本発明方法における好ましい態様は、上記の操作によっ
て固体触媒と分離して得られたフェノール樹脂を引続き
反応及び/又は濃縮することである。
ここに反応及び/又は濃縮とは、化学的又は物理的方法
による、フェノール樹脂中に含まれる未反応フェノール
類の減少、未反応アルデヒド類の減少、水分の減少及び
必要に応じて触媒を減少して、必要な成分のみを得るた
めの操作を意味するものである。
この工程において、必要に応じ従来より用いられている
一般的な触媒を別途追加して反応濃縮することを妨げる
ものではないが、反応濃縮工程で反応させる場合にはフ
ェノール樹脂中に溶存する(H+)又は(OH-)により反
応させることが十分に可能であり、本発明の目的及び効
果の点から好ましい。
また、たとえば、フェノールに対するアルデヒド類の配
合モル比が高い反応条件下で生成したフェノール樹脂中
にはヘミホルマール結合やポリオキシメチレン結合の存
在が有り得るため、そのような場合には開裂再結合によ
る反応の進行も起り得る。
また、フェノール樹脂を更に反応させて濃縮する場合に
高温濃縮を行なっても異常な高分子化反応が抑制され
る。これは固体触媒を分離したためと思われる。
本発明において、反応及び/又は濃縮する工程の例とし
ては、減圧蒸留濃縮、比重分離濃縮、フラッシング濃
縮、造粒分離濃縮、流動乾燥濃縮、減圧乾燥濃縮、共沸
脱水濃縮、加熱濃縮、有機溶媒抽出濃縮、デカンテーシ
ョン濃縮、抽出濃縮などの連続あるいはバッチ式の何れ
か又は組合せで行なわれる。
このような本発明の方法によれば、分子量分布において
7核体を越える多核体成分を実質的に含まない、いわゆ
る低く制御された分子量分布を有し、かつ固体触媒、触
媒残基等の不純物を全く含まない高純度のフェノール樹
脂、及びさらに未反応モノマー等の含量が非常に少ない
そのようなフェノール樹脂が提供される。
かかるフェノール樹脂は低粘性エポキシ樹脂用ベース樹
脂、エポキシ用硬化剤、ポリカーボネート樹脂、ポリエ
ステル樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノキシ樹脂等の原
料素材、IC封止材、IC基盤、成型材料用ガラスフェノー
ル基盤、紙フェノール積層板用等の電気・電子材料用、
FRP用、SMC用、発泡フェノール用のほか、接着剤用、フ
ォトレジスト用、トナー用、インキ用、塗料用、ゴム配
合用、ブレーキライニング用、クラッチフェーシング
用、合板用、フェルト用バインダー、耐火物用、注型
用、シェルモールド用、有機自硬化性バインダー、含浸
用、カーボン用、ウレタン結合用などの各種用途への利
用が期待される。特に、近年、益々信頼性と高性能が要
求される電気・電子材料分野へのフェノール樹脂の用途
が大幅に拡大される可能性を秘めたものである。
本発明は、もう1つの側面において、従来法と比較して
遥かにマイルドな反応条件下でパラ結合体に富むビスフ
ェノールを取得することのできる製造方法を提供する。
すなわち、本発明によれば、H型酸性陽イオン交換樹脂
の存在下にフェノール、レゾルシン、カテコール及び、
これらの誘導体であって水酸基に対するパラ位に反応性
の水素原子を有する置換フェノール類からなる群より選
ばれた1種又は2種以上のフェノール類とアルデヒド類
とを80℃以下の温度で反応させることを特徴とするビス
フェノールの製造方法が提供される。
このように、本発明の方法において、ビスフェノールは
前述したフェノール樹脂の製造方法のうちの1つの態様
として得られるものであり、反応条件を適当に選択すれ
ば、実質的にビスフェノールを主体とするフェノール樹
脂を製造することができ、こうして得られるビスフェノ
ールはそのまま、あるいは必要に応じて、未反応モノマ
ー類や他の樹脂成分を分離し、さらには精製して高純度
のビスフェノールとして得られるものである。
ビスフェノールの製造のためには固体触媒としてH型酸
性陽イオン交換樹脂を使用する。H型酸性陽イオン交換
樹脂については前に説明した通りである。それらの中で
も特にスチレン系陽イオン交換樹脂等の強酸性タイプの
ものが触媒活性の点から好ましく、又構造的にもポーラ
ス型もしくはゲル型いずれも使用可能であるが特に表面
積の大きなポーラス型が好ましい。
さらに、上記H型酸性陽イオン交換樹脂(以下、単に樹
脂触媒という)の使用量は、特に限定はされないが、フ
ェノール類の水酸基に対するパラ位置での付加縮合反応
を優先的に行なわせしめる上で重要である。
たとえば、従来法のバッチ方式において使用される触媒
量は、前述した如く、反応制御の困難性からフェノール
類に対して、通常、数重量%ないしは1重量%以下が一
般的であった。しかしながら、本発明における樹脂触媒
の量的水準は、フェノール類の重量を基準にして通常10
〜500重量%、好ましくは10〜200重量%、より好ましく
は20〜150重量%であるなど、従来技術での触媒反応と
は驚異的に異なる多量の触媒を使用する点に特徴を有す
る。
また、フェノール系化合物分子のパラ位置での付加縮合
反応を優先的に促進せしめると共に三核体以上の縮合物
の生成を最小限に抑制し、しかも樹脂触媒の機能劣化を
防止するなどの面から反応温度が重要な要件として挙げ
られる。
反応温度としては、出発原料として用いるフェノール類
やアルデヒド類の種類及びその配合モル比、樹脂触媒の
使用量及び種類によって適宜選択されるが一般的には80
℃以下、好ましくは50℃以下の温度が採用される。反応
温度が80℃より高くなると樹脂触媒の劣化や不必要な高
分子量多核体の生成をもたらし好ましくない。
なお、反応時間としては、特に制限はなく、出発原料の
種類、配合モル比、樹脂触媒の使用量及び種類、反応温
度等の反応条件に応じて適宜決定すればよい。
また、ビスフェノールを効率よく収得するための重要な
技術的要件としてフェノール類とアルデヒド類の配合モ
ル比が挙げられる。
本発明に係る配合モル比は、0.3〜6.0の広範囲で使用可
能であるが、経済性の点で、通常0.3〜3.0、好ましくは
0.5〜2.0、更に好ましくは0.5〜1.5の範囲から選択され
る。配合モル比が0.3より少ない場合にはビスフェノー
ルの収率が低く、一方6.0より多い場合には多量の未反
応アルデヒド類が残存し経済的でない。
この配合モル比の調整法としては、特に制限はなく、あ
らゆる対応が可能であり、例えば、反応開始時に一度に
調整しても、又はフェノール類にアルデヒド類を数回に
分けて投入しもしくは断続的に滴下して多段階的に調整
してもよい。
ここで出発原料として用いるフェノール類は、フェノー
ル、レゾルシン、カテコール、又はこれらの誘導体であ
って水酸基に対するパラ位に反応性の水素原子を有する
置換フェノール類である。置換フェノール類の置換基は
特に限定されないが、代表的な置換フェノール類の具体
例としては、たとえば、オルソクレゾール、メタクレゾ
ール、オルソエチルフェノール、メタエチルフェノー
ル、オルソイソプロピルフェノール、メタイソプロピル
フェノール、2,5−ジメチルフェノール、2,6−ジメチル
フェノール、3,5−ジメチルフェノール、3−メチル−
6−t−ブチルフェノール、オルソフェニルフェノー
ル、オルソノニルフェノール、メタクロロフェノール、
オルソブロモフェノール、4−メチルレゾルシン及びこ
れらの混合物などが例示される。
一方、アルデヒド類の代表的な例としては、特に限定は
なく、たとえば、ホルマリン、パラホルムアルデヒド、
パラオキシメチレン、ジオキサン、トリオキサン、アセ
タール類等のホルムアルデヒド供給物質、アセトアルデ
ヒド、ブチルアルデヒド、プロピルアルデヒド、クロト
ンアルデヒド、フルフラール、ベンズアルデヒド、パラ
オキシベンズアルデヒド、グリオキシル酸等が挙げら
れ、これらは単独もしくは混合して使用することができ
る。これらの出発原料を使用するときの形態としては液
状、溶液状またはガス状いずれであってもよい。
次に、樹脂触媒の存在下におけるフェノール類とアルデ
ヒド類との反応態様は、フェノール樹脂の製造の場合に
前述したのと同様であることができる。
樹脂触媒と反応生成物との分離方法についても、フェノ
ール樹脂の製造の場合について前述した通りであること
ができる。
最後に、得られた分離母液から蒸留、晶出などの方法で
ビスフェノールを分離して、パラ結合体に富み、しかも
触媒等の不純物を含まない高純度のビスフェノールを高
収率で得ることができる。ここで、本発明の方法の特徴
の1つは、ビスフェノールを分離するに当って、固体触
媒を分離した後の分離母液から従来法によるビスフェノ
ールの製造の場合のように残留する多量の未反応フェノ
ール等を減圧蒸留によって除去する操作が必要なく、単
に分離母液をそのまま又は適当な濃度まで濃縮した後常
温もしくは冷却下に放置する等の公知の晶出方法により
ビスフェノールを晶出させ、濾別するだけで高純度のビ
スフェノールが得られることである。これは、従来法の
場合には、大過剰のフェノールを用いるために大量の未
反応フェノールが残留し、この残留フェノールがビスフ
ェノールの良溶媒として作用し、ビスフェノールの晶出
を許さないからである。これに対し、本発明の方法で
は、アルデヒド類/フェノール類の配合モル比が高く、
かつ効率よく反応するため、ビスフェノールの良溶媒と
して作用するフェノールの残留が少なく、かつ多少の溶
媒作用を有する3核体以上のオリゴマーの生成を最小限
に抑制することができるなど、ビスフェノールに対して
溶媒として作用するものが分離母液中に少量しか存在し
ないために、単に晶出させるだけでパラ結合体に富む、
もしくは純品に近い高純度のビスフェノールを高収率で
得ることができるのである。
また必要に応じて、さらに再結晶法や蒸留法等により精
製することによって、パラ結合体のみからなるビスフェ
ノールを得ることもできる。
本発明方法により得られるビスフェノールは、通常結晶
体、溶液状等として利用されるが、パラ結合体の含有率
が高いことから従来のビスフェノールより耐熱性の向上
が期待され、たとえば、エポキシ化による低粘性エポキ
シ化合物、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、
ポリウレタン樹脂等の原料素材、ハロゲン化による反応
性難燃剤、酸化防止剤などの各種用途への利用が期待さ
れる。
〔発明の効果〕
以上説明した如く、本発明方法においては、付加縮合反
応がマイルドに進行するために、従来の均一反応法によ
り遥かにフェノール類を効率よく反応させることが可能
であると共に高分子化を制御しうる。
特に、強酸性の固体触媒を用いる場合には、フェノール
類のパラ官能部位における付加縮合反応が優先的に促進
されるためパラ配向性に富むフェノール樹脂を製造する
ことができる。しかるに、該フェノール樹脂は従来のフ
ェノール樹脂より耐熱性の向上が期待される。
また、フェノール樹脂の生成工程においては、従来法の
如き発熱を伴わないため従来にない大容量規模(たとえ
ば、50〜100tバッチ)での生産が可能である。
さらに、本発明において用いる固体触媒は、実質的に水
及び/又は有機溶媒に不溶性であるため、生成フェノー
ル樹脂と固体触媒の分離が容易かつ明確に行なうことが
でき、固体触媒を含まないフェノール樹脂が得られる。
このため、触媒分離後の反応濃縮工程におけるフェノー
ル樹脂の高分子化が最小限に抑止され、未反応モノマー
類の除去に伴う更なる分子量の調整が容易となり、分子
量分布の集約されたフェノール樹脂を得ることができ
る。
かかる特徴を有する本発明方法によって、7核体を越え
る多核体成分が実質的に存在しない、所謂、低く制御さ
れた分子量分布を有し、かつ触媒等の不純物を全く含ま
ない高純度のフェノール樹脂、及びさらに未反応モノマ
ー等の含量が非常に少ないフェノール樹脂が提供され
る。
さらに、本発明方法によれば、パラ結合体を主体とした
触媒等の不純物を含まない高純度のビスフェノールを高
収率で、しかも高度な生産技術を要せずとも安全かつ容
易に工業的規模で製造することができる。
〔実施例〕
以下、実施例および比較例によって本発明方法を具体的
に説明する。なお、これらの実施例および比較例中の
「部」及び「%」は特に断わりのない限りすべて重量基
準である。
実施例1〜10 すり合せ密栓つき三角フラスコに表1に示した固体触媒
No.1〜No.10(それぞれ順に実施例1〜10)を各々4.7g
を計量した後、フェノール9.4と47%ホルマリン5.1g
(配合モル比0.8)の混合液を仕込んだ。フラスコを恒
温槽付き振とう器の中に設置して、温度を40℃に設定し
て24時間心とうさせながら縮合反応を行った。
反応終了後、生成フェノール樹脂の分子量分布を測定す
るためと、更なる縮合反応の経時変化を防止するため
に、テトラヒドロフランを36cc注入してフェノール樹脂
を均一な溶液とした。該溶液を高速液クロマトグラフィ
ー(東洋ソーダ製、HLC−802Uカラム、TSKG1000H8、TSK
G2000H8各1本)を用いて生成フェノール樹脂の分子量
分布を測定した。
第1図に実施例1の液体クロマトグラフィーのチャート
例を示す。チャートより、あらかじめ測定しプロットさ
れた検量線より、未反応フェノール量を求めて反応率を
算出した。またフェノール平均核体数はビスフェノール
Aを出発原料にしたノボラック樹脂より作成した検査線
よりフェノール樹脂の各ピークの分子量を算出して核体
数を求めた。
フェノール類の水酸基に対するアールデヒド類の結合位
置を示すパラ結合(P)とオルト結合(O)の合計に対
するパラ結合(P)の比、すなわち、P/P+0の測定に
は、反応物をアセトンに溶解し、固体触媒を濾過した
後、常温減圧下デシケータ中で溶媒を除いてから、ピリ
ジンd5に溶解し、内部標準としてT・M・S(テトラメ
チルシラン)を加え核磁気共鳴分析測定装置(1H−NM
R)で測定した。そして、 3.5〜3.9PPMの4,4′メチレン結合の面積をI44′、 3.9〜4.3PPMの2,4′メチレン結合の面積をI24′、 4.3〜4.6PPMの2,2′メチレン結合の面積をI22として これらの結果を、表2にまとめて示す。
第1図と表2の結果より、本発明によるフェノール樹脂
は未反応フェノールより求めた反応率は圧倒的に高く、
また実質的に高々6核体の低分子量領域の分子量分布を
有する主としてパラ位結合のフェノール樹脂であること
が認められる。
比較例1 フェノール940gと37%ホルマリン535g(配合モル比0.6
6)及び固体触媒No.12を4.7g(0.5%/フェノール)を
フラスコに仕込み80℃で6時間反応させた後、テトラヒ
ドロフランに溶解して、実施例1〜10と同様に分析試料
として、分析を行った結果を同じく第1図及び表2に示
した。
第1図及び表−2より、比較例1(従来法)による生成
物は未反応フェノールが多く、高分子多核体も多いこと
が明白である。
比較例2 実施例1〜10と同様な配合条件及び反応条件で、触媒と
してNo.12を用い配合したところ、フラスコの密栓を飛
ばして、内容物は排出されてしまった。
比較例3 比較例2と同様な条件で触媒No.12を1%/フェノール
を仕込んで反応させた。生成したフェノール樹脂中の未
反応フェノールは20%で反応率69.3%、分子量分布は7
核体を越えるピークが存在し、実施例とは大きく異なっ
ていた。
実施例11〜18 フェノール類(P)とアルデヒド類(A)及びそのモル
比を表−3に示す条件で実施例1〜10と同様に反応させ
て、反応率を求めた。
実施例19 実施例3の配合条件に準じ、反応温度を50℃、80℃、10
0℃と変化させて実施例1〜10と同様に反応時間を求め
た。それぞれ8,2,48時間であった。
その結果、高温時には、分子量の分布が高分子側に移動
すると同時にし、100℃とでは8核体以上の多核体をあ
らわすピークがあらわれ、特に100℃では触媒が劣下し
たためと思われる現象として、反応初期の1時間以内で
はフェノールモノマーが急速に減少し、その後は非常に
ゆるやかに反応が進行した。
実施例20 実施例1〜10の条件下で、固体触媒No.11を使用して、
同様な反応を行い、反応時間を延長し48時間続けた。未
反応フェノールは30%であり、約54%が樹脂化してい
た。
実施例21 フェノール940gと47%ホルマリン510g(F/P=0.8)を三
つ口フラスコに計量し、更に強酸性イオン交換樹脂(三
井東圧ファイン株製SPE112)470gを投入して40℃の温度
で24時間撹拌してフェノール樹脂化反応を行った。反応
系は固体触媒が浮遊した状態から次第に結晶性フェノー
ル樹脂が分散した状態に変化した。
フラスコ中にメタノールを注入してフェノール樹脂成分
を溶液状にしてから、減圧濾過してイオン交換樹脂とフ
ェノール樹脂を分離した。この時のフェノール樹脂Aの
液体クロマトグラフィーチャートは第2図に示すような
ものであり、フェノールモノマーが少なく更に高分子領
域の少ないフェノール樹脂を作った。フェノール樹脂中
には、いわゆる残留触媒を含まないにもかゝわらず、P
・Hは2〜3であった。
次いで、フェノール樹脂Aを減圧装置付きフラスコにて
濃縮を続け165℃に到達したところで中止し内容物の金
属製バットに移して冷却して、樹脂A′を得た。
樹脂A′の液体クロマトグラフィーのチャートを第3図
に示す。遊離フェノールをほとんど含まずに、しかも高
分子化された8核体以上の少ないフェノール樹脂を得る
ことができた。この時の樹脂収量は677gであった。
実施例22 フェノール940gと47%ホルマリン1277g(F/P=2)を配
合して、実施例21に準じて同様な反応を行った。反応系
は反応終了後も液状であり、固体触媒が浮遊した状態で
あり、そのまゝイオン交換樹脂とフェノール樹脂が濾別
できた。
濾液フェノール樹脂に水1000gを注入して静置して、フ
ェノール樹脂を沈降分離させて上澄液を除去した。この
時のフェノール樹脂Bは第4図に示すような液体クロマ
トグラフィーチャートを示し、遊離フェノールの少ない
フェノール樹脂であった。
次いで、フェノール樹脂Bを減圧濃縮して150℃で濃縮
して固体状の樹脂−B′を得て同様にチャートを第5図
に示した。未反応フェノールをほとんど含まないフェノ
ール樹脂が885g得られた。
実施例23 フェノール940gと47%ホルマリン1277(F/P=2)を配
合し、三つ口フラスコに計量し、強塩基性イオン交換樹
脂として三菱化成(株)製ダイヤイオンSA・10AOH(乾
燥タイプ、含水率3%)を470g投入し、40℃で96時間反
応させてフェノール樹脂化した。反応終了後は非常に低
粘性のフェノール樹脂とイオン交換樹脂が混在した液状
であり、濾過分離は非常に容易であった。濾別したフェ
ノール樹脂Cの液体クロマトグラフィーは第6図のよう
であり、低分子領域に分布する各種のメチロール体が混
在するフェノール樹脂であった。この時のフェノール樹
脂はかすかにアミン臭気があり、アニオン性交換樹脂か
ら一部の第4級アンモニウム塩が離脱し付加反応してい
る可能性があった。
該フェノール樹脂を減圧下50℃で濃縮してレゾール樹脂
C′を得た。第7図に示すような未反応フェノールが少
なく、メチロn化合物の多い樹脂であった。
実施例24 オルソクレゾール1080g、47%ホルマリン1277g(F/O・
C=2.0)を実施例21と同様に計量し、三井東圧ファイ
ン(株)製SPC−112を540g投入して40℃で24時間反応さ
せた。その後フェノール樹脂Dと触媒を濾過分離させた
後、触媒に付着しているフェノール樹脂をメタノールで
洗滌してフェノール樹脂と一緒にして、150℃まで減圧
脱水及び脱メタノールして濃縮して、樹脂D′を得た。
第8図に示すごとく、樹脂D′は未反応のオルソクレゾ
ールをほとんど含まないで分子量の分布が集約されたも
のであった。
得られた樹脂D′は1188gであり、仕込みオルソクレゾ
ールに対して110%の収率であった。
比較例4 フェノール940gと47%ホルマリン511g(F/P=0.8)を三
つ口フラスコに計量し、パラトルエンスルホン酸4.7g
(0.5%/P)を投入して、100℃まで昇温し、3時間反応
させた。縮合終了時点でのフェノール樹脂Eの液体クロ
マトグラフィーチャートは第9図に示すごとであった。
次いで上澄廃液をデカンテーションして除去した後、減
圧脱水濃縮して160℃に到達した時点で排出して樹脂
E′を得た。樹脂E′の液体クロマトグラフィーチャー
トを第10図に示す。この時の樹脂収量は900gであって、
遊離フェノールを含む高分子領域まで分布を有する樹脂
であった。
比較例5 フェノール940gと47%ホルマリン1277g(F/P=2)を使
用した以外は比較例4と同一条件で反応させてフェノー
ル樹脂をつくり、同様に上澄廃液を除去し、減圧脱水濃
縮しようとしたが、水が抜けきれない100℃以下で撹拌
不能となり、フラスコ中で硬化反応してしまった。
実施例25 温度系および撹拌機付きフラスコにオルソクレゾール10
00部、47%ホルマリン473部(配合モル比0.8)及びH型
強酸製イオン交換樹脂(三井東圧ファイン社製SPE−112
含水率40〜45%、マクロポーラス型)500部を入れた
後、撹拌混合しながら30〜40℃の温度で24時間反応を行
なった。
次いで、温湯を注入し未反応モノマー類を洗浄除去した
後、温トルエンで反応生成物を溶解してイオン交換樹脂
を濾別した。濾液は約20℃に冷却してビスフェノールを
晶出させた後この結晶を濾過し、約50℃で減圧乾燥させ
てビスフェノール850部(収率85%/オルソグレゾー
ル)を得た。このビスフェノールは約100%のパラ−パ
ラ結合体であった。
なお以下の実施例及び比較例において、ビスフェノール
の組成についてはガスクロマトグラフィーで測定し、オ
ルト−オルト、オルト−パラ及びパラ−パラ結合体の順
で溶出するそれぞれのピーク高さの比を求めて組成比と
した。その測定条件は次の通りである。
機種:島津製ガスクロマトグラフィーGC6AM 検出器:FID(水素炎イオン化検出器) カラム:シリコーンOV−17(3φ×3m) 注入口温度:280℃ カラム温度:150〜300℃(昇温速度20℃/min) サンプル量:2μ(試料500mg/20ccアセトン) 実施例26 温度計および撹拌機付きフラスコにフェノール520部、4
7%ホルマリン282部(配合モル比0.8)及びH型強酸性
イオン交換樹脂(三井東圧ファイン社製SPC−118含水率
55〜60%、マクロポーラス型)260部を入れた後、撹拌
混合しながら約30℃の温度で24時間反応を行なった。次
いで、温湯を注入し未反応モノマー類を洗浄除去した
後、温トルエンで反応生成物を溶解してイオン交換樹脂
を濾別した。濾液は約20℃に冷却してビスフェノールを
晶出させた後この結晶を濾過し、約50℃で減圧乾燥させ
てビスフェノール338部(収率65%/フェノール)を得
た。このビスフェノールは約95%のパラ−パラ結合体と
約5%のパラ−オルト結合体から成る混合物であった。
実施例27 実施例におけるフェノールに対するホルムアルデヒドの
配合モル比を2.0に変更する以外は実施例2と同様に反
応操作してビスフェノールを得た。(収率60%/フェノ
ール)。得られたビスフェノールはパラ−パラ体94%オ
ルトパラ体6%から成る混合物であった。
実施例28 温度計および撹拌機付きフラスコにフェノール500部、
ベンズアルデヒド451部(配合モル比0.8)及びH型強酸
性イオン交換樹脂(三井東圧ファイン社製SPC−112を乾
燥処理したもので含水率2〜3%、マクロポーラス型)
125部を入れた後、撹拌混合しながら約30℃の温度で1
週間反応を行なった。次いで、温トルエンを注入して反
応生成物を溶解し暖かい状態でイオン交換樹脂を濾別し
た。濾液は約10℃に冷却してビスフェノールを晶出させ
た後この結晶を濾過し、約50℃で減圧乾燥してビスフェ
ノール300部(収率60%/フェノール)を得た。このビ
スフェノールは、ほぼ100%のパラ−パラ結合体である
ビス(パラ−ヒドロオキシフェニル)フェニルメタンで
あった。
実施例29 実施例4におけるベンズアルデヒドに代えてn−ブチル
アルデヒド306部(配合モル比0.8)を用いる以外は実施
例4と同様に反応操作(ただし、晶出は−10℃で実施)
してビスフェノール255部(収率51%/フェノール)を
得た。
このビスフェノールは、ほぼ100%のパラ−パラ結合体
である1,1ビス(パラ−ヒドロオキシフェニル)ブタン
であった。
実施例30 温度計及び撹拌機付きフラスコにカテコール500部37%
ホルマリン184部(配合モル比0.5)及びH型強酸性イオ
ン交換樹脂(三井東圧ファイン社製SPC−118含水率50〜
60%マクロポーラス型)250部を入れた後、撹拌混合し
ながら0℃で3日間反応させた。アセトンを注入し反応
生成物を溶解してイオン交換樹脂を濾別した。濾液を減
圧濃縮して組成物を得た後、熱トルエンより再結晶しビ
スフェノール200部を得た。(収率40%/フェノー
ル)。得られたビスフェノールはビス(3,4ジヒドロキ
シフェニル)メタン95%及び(3,4ジヒドロオキシフェ
ニル)−(2,3ジヒドロオキシフェニル)メタン5%か
ら成る混合物であった。
比較例6 温度計および撹拌機付きフラスコにフェノール520部、4
7%ホルマリン53部(配合モル比0.15)及び触媒として
パラトルエンスルホン酸2.6部を入れた後、撹拌混合し
ながら還流温度で4時間反応を行なった。次いで、減圧
蒸留により未反応フェノールを除去してビスフェノール
156部(収率30%/フェノール)を得た。このビスフェ
ノールは、少量の3核体以上のポリマーを含み、かつ2
量体の組成は約28%のパラ−パラ結合体、約55%のパラ
−オルト結合体、約17%のオルト−オルト結合体から成
る混合物であった。
【図面の簡単な説明】
第1〜10図はいずれも実施例及び比較例で得られたフェ
ノール樹脂の液体クロマトグラフィーのチャート図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C07B 61/00 300 (72)発明者 甲斐 勲 愛知県丹羽郡扶桑町大字南山名字新津26― 4 旭有機材工業株式会社愛知工場内 (72)発明者 為本 和雄 愛知県丹羽郡扶桑町大字南山名字新津26― 4 旭有機材工業株式会社愛知工場内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】実質的に水及び/又は有機溶媒に不溶性で
    ありかつ水素イオン(H+)又は水酸イオン(OH-)を放
    出可能な固体触媒相の存在下にフェノール類とアルデヒ
    ド類とを80゜以下の温度で反応させたのち、固体触媒相
    を分離除去することを特徴とするフェノール樹脂の製造
    方法。
  2. 【請求項2】実質的に水及び/又は有機溶媒に不溶性で
    ありかつ水素イオン又は水酸基イオンを放出可能な固体
    触媒相の存在下にフェノール類とアルデヒド類とを80℃
    以下の温度で反応させたのち、固体触媒相を分離除去し
    てフェノール樹脂を得、次いで該フェノール樹脂を反応
    及び/又は濃縮することを特徴とするフェノール樹脂の
    製造方法。
  3. 【請求項3】H型酸性陽イオン交換樹脂の存在下にフェ
    ノール、レゾルシン、カテコール、及びこれらの誘導体
    であって水酸基に対するパラ位に反応性の水素原子を有
    する置換フェノール類からなる群より選ばれた1種又は
    2種以上のフェノール類とアルデヒド類とを80℃以下の
    温度で反応させることを特徴とするビスフェノールの製
    造方法。
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