JPH075492B2 - シス―2―ブテン―1,4―ジオールの精製方法 - Google Patents

シス―2―ブテン―1,4―ジオールの精製方法

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JPH075492B2
JPH075492B2 JP13074490A JP13074490A JPH075492B2 JP H075492 B2 JPH075492 B2 JP H075492B2 JP 13074490 A JP13074490 A JP 13074490A JP 13074490 A JP13074490 A JP 13074490A JP H075492 B2 JPH075492 B2 JP H075492B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、医薬、農薬等の原料として有用な化合物であ
るシス‐2-ブテン‐1,4-ジオールの精製方法に関する。
[従来技術とその解決しようとする課題] 従来、2-ブテン‐1,4-ジオールはアセチレンを原料と
し、アルキノール合成によって得られた2-ブチン‐1,4-
ジオールを、特定の触媒を用いてシス還元することによ
り得られる。
この時得られる2-ブテン‐1,4-ジオールは殆どがシス‐
2-ブテン‐1,4-ジオール(以後、シス体と略記する。)
であるが、その中に一部トランス‐2-ブテン‐1,4-ジオ
ール(以後、トランス体と略記する。)が混入し、シス
体とトランス体は沸点が近似しているため通常の蒸留等
では分離しにくく、どうしても数wt%のトランス体が残
留し、それを取り除くのが難しい。
そして、上記生成物を医農薬の原料として使った場合、
トランス体を含有する化合物が生成してしまい、この時
点でのトランス体の除去は難しい場合も多く、また経済
的でないという問題点があった。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは、上記数wt%残留するトランス体の含有割
合をさらに低減させるため鋭意検討を行ったところ、ア
セトン、メチルエチルケトンまたはテトラヒドロフラン
(以下、THFと略記する。)に上記原料を一旦溶解させ
た後、溶液を冷却して結晶を析出させ、これを分離、洗
浄することにより、意外にもトランス体の含有割合が大
きく減少することを見い出し、本発明に到達したもので
ある。
すなわち本発明は、トランス‐2-ブテン‐1,4-ジオール
を含有するシス‐2-ブテン‐1,4-ジオール(以後、ブテ
ンジオールと略記する。)をアセトン、メチルエチルケ
トンまたはテトラヒドロフランに溶解した後、冷却して
結晶を析出させ、分離、洗浄することを特徴とするシス
‐2-ブテン‐1,4-ジオールの精製方法である。
本発明で使用する溶媒は、ブテンジオールを溶解し、冷
却した場合に結晶を析出する溶媒であり、具体的にはア
セトン、メチルエチルケトンまたはTHFである。
通常溶解工程は室温で行い、この場合に原料のブテンジ
オールは溶媒中に完全に溶解する。
また、原料を溶解するための原料に対するアセトン,メ
チルエチルケトンまたはTHFの量は、原料100重量部に対
し300〜1000重量部が好ましく、分離後の洗浄において
は、原料100重量部に対し20〜200重量部が好ましい。
次に、この溶液を冷却して溶液中のブテンジオールを晶
出させる。溶液の冷却方法は冷媒を使用して液外部より
冷却する方法や直接ドライアイス等の冷媒を液中に投入
する方法がある。
−10℃を過ぎたあたりから徐々に結晶が析出し始める
が、実際に収率よく析出した結晶を分離するためには、
−20℃以下で溶媒の融点以上の範囲で析出を行う。た
だ、通常はあまり低温まで冷却する必要はなく、冷却を
行い易いドライアイスを用い−40〜−60℃程度の温度ま
で冷却するのが好ましい。
析出した結晶は、溶媒と分離する必要があり、通常の遠
心分離、濾過等の方法により分離することができるが、
この際重要なことは結晶が溶解しないようになるべく同
じ温度に保つような条件にすることである。そのため、
必要によっては分離器を冷却しておく等の処理が必要と
なる。また、分離処理自体も素早く短時間で行う必要が
ある。
析出、分離によって純度は大きく向上するが、さらに分
離したブテンジオールを洗浄することにより、純度を上
げることができる。
洗浄する場合、通常は溶解に使用したのと同じ溶媒を使
用し、冷却した結晶が再び溶解しないように析出時と同
様の温度で洗浄を行う必要がある。
通常、工業的に得られるシス‐2-ブテン‐1,4-ジオール
は1〜3%程度、トランス体を含有するが、本発明の方
法による処理を行うことにより、その量を1/3以下にす
ることができ、この操作を2回繰り返しても同様の程度
に精製されるので、2回繰り返せば初めの純度の1/9以
下とすることができる。
本発明によって得られた高純度のシス‐2-ブテン‐1,4-
ジオールは、医薬、農薬等の原料として、生成する異性
体の量をできるだけ低減したい場合、極めて有用であ
る。
[実施例] 以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発
明はかかる実施例に限定されるものではない。
実施例1 攪拌機の付いた250lのポリテトラフルオロエチレンライ
ニング容器に原料のブテンジオール(ブテンジオールの
純度:99.1wt%、トランス‐2-ブテン‐1,4-ジオールの
含有量:2.5wt%)20Kgおよびアセトン60Kgを仕込み、よ
く攪拌する。一方、市販のドライアイスを粉砕し、10メ
ッシュのSUS製篩にかけ、通過したもの約60Kgを使用
し、攪拌しながら約30分かけて徐々に溶液中に投入す
る。液温が−17℃付近に低下した時に結晶が析出し始
め、さらに液温が低下すると析出量が増加していくが、
−40〜45℃付近になった時、析出量もほぼ飽和状態にな
ったと考えられるので、予め冷却しておいた遠心分離機
によりアセトンとの分離を行う。
その後、−40℃に冷却したアセトン20Kgを遠心分離機に
添加して析出結晶の洗浄を行う。
得られた結晶を容器に移し、室温に放置すると液状とな
るので、簡単に減圧蒸留を行ってアセトンを取り除いた
ところ、得られたブテンジオールが19.2kg(収率:96.0
%)で、その純度が99.7wt%、前記化合物中に存在する
シス‐2-ブテン‐1,4-ジオールの純度は99.3wt%であっ
た。
ブテンジオールの純度およびシス体、トランス体の純度
分析は、得られた化合物のトリメチルシリル化を行った
後、ガスクロマトグラフィーにより測定した。
実施例2 実施例1で得られたブテンジオールをそのまま用い、洗
浄用アセトンの量だけを10kgとした他は実施例1と全く
同様の条件で、実施したところ、得られたブテンジオー
ルが16.8kg(収率:87.5%)で、その純度が99.9wt%、
前記化合物中のシス‐2-ブテン‐1,4-ジオールの純度は
99.8wt%であった。
実施例1、2を通じてのブテンジオールの収率は84.0%
であった。
実施例3〜8 操作方法は実施例1と同様にし、溶媒の種類や量等の条
件を第1表に示すような条件に変え、実施した。結果も
同時に第1表に示す。
ここで、実施例4、6、8は、前の番号の実施例で得ら
れた化合物を使用して再度精製したものである。
実施例1〜8の結果でわかるように、ブテンジオール中
のシス‐2-ブテン‐1,4-ジオールは、一回目の精製で少
なくとも99wt%を越えた純度となり、2回の精製では9
9.8wt%以上と、シス体が非常に純度の高いものとなっ
ていることがわかる。
[発明の効果] 本発明の精製方法は、数wt%トランス‐2-ブテン‐1,4-
ジオールを含有するシス‐2-ブテン‐1,4-ジオールを、
アセトン、メチルエチルケトンまたはTHFを溶媒として
溶解し冷却するという簡単な方法により、一回の精製で
トランス体の量を1/3以下にすることができるという極
めて優れた精製方法である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トランス‐2-ブテン‐1,4-ジオールを含有
    するシス‐2-ブテン‐1,4-ジオールをアセトン、メチル
    エチルケトンまたはテトラヒドロフランに溶解した後、
    冷却して結晶を析出させ、分離、洗浄することを特徴と
    するシス‐2-ブテン‐1,4-ジオールの精製方法。
JP13074490A 1990-05-21 1990-05-21 シス―2―ブテン―1,4―ジオールの精製方法 Expired - Fee Related JPH075492B2 (ja)

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