JPH0761264B2 - 新規なシクロマルトデキストリナーゼ及びその製造方法 - Google Patents

新規なシクロマルトデキストリナーゼ及びその製造方法

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JPH0761264B2
JPH0761264B2 JP1193470A JP19347089A JPH0761264B2 JP H0761264 B2 JPH0761264 B2 JP H0761264B2 JP 1193470 A JP1193470 A JP 1193470A JP 19347089 A JP19347089 A JP 19347089A JP H0761264 B2 JPH0761264 B2 JP H0761264B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、新規酵素シクロマルトデキストリナーゼ、及
びその製造方法並びにそれを生産する新規バチルス属細
菌に関する。
〔従来の技術〕
環状マルトオリゴ糖であるアルファシクロデキストリ
ン、ベータシクロデキストリン、ガンマシクロデキスト
リンを開環し、直鎖状マルトオリゴ糖を生成する機能
は、細菌バチルスポリミクサ、シュードモナスMSI、か
びアスペルギルスオリザエなどが生産するアミラーゼ、
または細菌バチルスセレウス、バチルスマセランスなど
が生産するシクロデキストリングリコシルトランスフェ
ラーゼ(CGTase)に存在することが知られている。
一方、シクロマルトデキストリナーゼは、高分子グルコ
ースポリマーである、デンプン、アミロース、アミロペ
クチン、デキストリンなどに全く作用せず、従って上記
のアミラーゼとは異なる酵素である。また、デンプン、
アミロース、アミロペクチンから環状マルトオリゴ糖
(アルファシクロデキストリン、ベータシクロデキスト
リンなど)を生成しないので、既知のシクロデキストリ
ングルコシルトランスフェラーゼ(CGTase)とも異なる
酵素である。
シクロマルトデキストリナーゼは6ないし8個のグルコ
ースが連結した環状構造をもつアルファシクロデキスト
リン(グルコース6個から成る)、ベータシクロデキス
トリン(同じく7個から成る)、ガンマシクロデキスト
リン(同じく8個から成る)に特異的に作用し、そのア
ルファ−1,4−結合部を加水分解し、その構造を開環す
ることにより、6ないし8個のグルコースが直鎖状に連
結したマルトオリゴ糖、即ち、マルトヘキサオース(グ
ルコース6個が直鎖状に連結)、マルトヘプタオース
(同7個が連結)、及びマルトオクタオース(同8個が
連結)に変換する機能を有する。更に当該酵素の作用範
囲は、生成したこれら三種の直鎖マルトオリゴ糖にも及
び、その結果直鎖マルトオリゴ糖は低分子のグルコース
2個ないし8個から成る直鎖状マルトオリゴ糖及びグル
コースを生成するにいたる。
シクロマルトデキストリナーゼは、微生物、動植物界に
おける分布が限られているため、その研究や応用開発の
例は極めて少ない。現在までのところバチルスコアギュ
ランスが生産する酵素が知られているにすぎない〔S.Ki
tahata,et.al.,Agric.Biol.Chem.,47(7),1441-144
7、(1983)〕。
〔発明が解決しようとする課題〕
したがって、本発明の目的は新規なシクロマルトデキス
トリナーゼ及びその製造方法並びにそれを生産する微生
物を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、新規なシクロマルトデキストリナーゼを
生産する微生物を、広く自然界より探索し、土壌より分
離したバチルス属に属するバチルスNo.199菌株が新規な
シクロマルトデキストリナーゼを生産することを見い出
し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、シクロマルトデキストリナーゼを生産
するバチルス属に属する新菌株No.199株、この菌株をア
ルカリ性培地で培養することにより新規なシクロマルト
デキストリナーゼを生産する方法並びにかくして得られ
る新規酵素を提供するものである。
次に本発明のバチルス属No.199菌株の菌学的性質、その
培養法及び本発明のシクロマルトデキストリナーゼの理
化学的性質について詳細に説明する。
(微生物) 本発明のシクロマルトデキストリナーゼを生産する微生
物はバチルス(Bacillus)属に属するシクロマルトデキ
ストリナーゼの生産能を有する菌種であり、その一例と
して、バチルスsp.No.199(Bacillus sp.No.199)菌
(以下“No.199株”という)を挙げることができる。本
発明には、No.199株の自然的及び人工的変異株は勿論、
バチルス属に属する菌種で後述のシクロマルトデキスト
リナーゼの生産能を有する微生物はすべて使用すること
ができる。
上記No.199株は、山梨県甲府市で採取された土壌中より
分離された土壌細菌であり、工業技術院微生物工業技術
研究所に平成元年7月21日付寄託され、その微生物受託
番号は、微工研菌寄第10884号"FERM P−10884)であ
る。
No.199株は、次の菌学的性質を有する。
〔菌学的性質〕
培地は全て1%炭酸ナトリウムを加え、pH10に調整した
ものを用いた。
(1)形態 大きさが(0.2〜0.5)×(1.5〜5)μmの桿菌であ
る。胞子を形成し、胞子の大きさは(0.5〜1)×(1
〜1.5)μmであり、卵形で胞子のうはふくらんでい
る。運動性があり、べん毛を有する。グラム染色は陽性
であり、抗酸性は陰性である。
(2)生育状態 肉汁寒天平板培養 生育は良好で、円形、偏平状で周縁は全縁、不透明であ
り、光沢を有し、薄い黄褐色を呈する。
肉汁寒天斜面培養 糸状または拡帯状に生育し、肉汁寒天平板培養と同様の
形状を呈し、培地中に色素を分泌しない。
肉汁液体培養 生育良好で、わずかに沈査が認められ、表面に菌膜を形
成する。
肉汁ゼラチン培養 生育良好で、ゼラチンを加水分解する。
リトマスミルク アルカリ培地のため、色の変化は明らかでない。
(3)生理学的性質 硝酸塩の還元 :陽性 脱窒反応 :陰性 MRテスト :培地がアルカリ性のためメ
チルレッドの変色は認められない VPテスト :陰性 インドールの生成 :陰性 硫化水素の生成 :陰性 デンプンの加水分解 :陽性 クエン酸の利用 :利用しない (コーザー及びクリステンセンの培地) 無機窒素源の利用 :利用しない (硝酸塩及びアンモニウム塩) 色素の生成 :陰性 ウレアーゼ :陰性 オキシダーゼ :陽性 カタラーゼ :陽性 生育範囲 :pH7〜11 温度20〜45℃ 酸素に対する態度 :好気性 OFテスト :発酵(グルコース) 糖類からの酸及びガスの生成の有無:L−アラビノー
ス、D−キシロース、D−グルコース、D−マンノー
ス、D−フラクトース、マルトース、シュークロース、
ラクトース、トレハロース、D−マンニトール、デンプ
ンを利用し、酸を生成するが、ガスの生成はない。
D−ガラクトース、D−ソルビトール、イノシトール、
グリセリンは利用しない。
(4)その他の性質 塩化ナトリウム耐性:10%塩化ナトリウムで生育 DNAのGC含量 :35.8モル% 以上の菌学的性質を、バージーのマニュアル・オブ・シ
ステマティック・バクテリオロジー第2巻(1986)の分
類方法に従って、バチルス属の公知の菌種と比較した。
その結果、本発明の菌株は、バチルスサーキュランスと
類似しているが、オキシダーゼが陽性の点、アルカリ性
下での生育の点、10%NaCl存在下での生育の点におい
て、明らかに相違している。
よって本菌株は公知の菌株とは区別されるため、バチル
ス属に属する新菌株と判断し、バチルス属No.199株と命
名した。
(培養法及び精製法) 本発明のシクロマルトデキストリナーゼを得るに当って
は、バチルス属に属する上記酵素生産菌を、アルカリ性
培地を用いるほかは、酵素を生産する通常の方法で培養
すればよい。培養の形態は、液体培養でも固体培養でも
よく、工業的に有利に培養するためには、前記生産菌の
胞子懸濁液又は培養液を培地に接種し、振とう培養、あ
るいは通気撹拌培養を行えばよい。
培地の栄養源としては特に限定されることはなく、微生
物の培養に通常用いられる炭素源、窒素源その他を培地
中に含有させることができる。炭素源としては、澱粉、
酵母エキス、デキストリン、グリセリン、グルコース、
シュークロース、ガラクトース、イノシトール、マンニ
トールなどが、また窒素源としては、ペプトン、大豆
粉、肉エキス、米ぬか、麸、尿素、コーンスティープリ
カー、その他の有機の窒素化合物が用いられる。その
他、無機塩類、たとえば食塩、燐酸塩類、硫酸塩類、カ
リウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、マンガン、
鉄等の金属塩類等を適宜に添加してもよく、必要に応じ
て消泡剤として、動、植、鉱物油等を添加してもよい。
培養温度、培養時間等の培養条件は使用菌の発育に適
し、しかも本酵素の生産が最高となるような条件が選ば
れる。たとえば、培地のpHはアルカリ側、好ましくは8
以上、更に好ましくは9〜11、最も好ましくは10がよ
く、温度は、30〜45℃、好ましくは37〜40℃がよい。し
かし、これらの培養組成物、培地の水素イオン濃度、培
養温度、撹拌条件などの培養条件は使用する菌株の種類
や、外部の条件などに応じて好ましい結果が得られるよ
うに適宜調節されるべきであることはいうまでもない。
このようにして得られる培養物から、本酵素を得るに
は、代謝産物を採取するのに通常用いられる手段を適宜
に利用して採取し得る。たとえば、本酵素と不純物との
溶解度差を利用する手段、イオン結合力の差を利用する
手段、吸着親和力の差を利用する手段、分子量の差を利
用する手段のいずれも、それぞれ単独、又は、適宜組合
せて、あるいは反復して使用される。具体的には、本酵
素は、細胞中にその大部分が存在するので、その培養液
を濾過あるいは遠心分離して、集めた細胞を超音波、超
高圧、ホモゲナイザー等により破砕し、得られた細胞抽
出液を各種のイオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過
クロマトグラフィー、吸着クロマトグラフィー、液体ク
ロマトグラフィー、セルロース分配クロマトグラフィー
等を組合せて精製すればよい。
かくして得られる本発明の新規なシクロマルトデキスト
リナーゼは以下の理化学的性質を有する。
〔理化学的性質〕
(1)作用及び基質特異性 環状マルトオリゴ糖のアルファ−1,4−グルコシド結合
を切断し、直鎖状マルトオリゴ糖類を生成する。本酵素
はさらに生成した直鎖状マルトオリゴ糖類のアルファ−
1,4−グルコシド結合を切断し、低次の直鎖状マルトオ
リゴ糖類及びグルコースを生成する。
第1表に、環状マルトオリゴ糖であるアルファシクロデ
キストリン、ベータシクロデキストリン、ガンマシクロ
デキストリンを基質としたときの酵素反応後の各マルト
オリゴ糖の比率の例を示した。
第1表より、アルファシクロデキストリンよりマルトヘ
キサオースを含む直鎖状マルトオリゴ糖が生成し、ベー
タシクロデキストリンよりマルトヘプタオースを含む直
鎖状マルトオリゴ糖が生成し、ガンマシクロデキストリ
ンよりマルトオクタオースを含む直鎖状マルトオリゴ糖
が生成することが明らかである。
即ち、本酵素は、基質である環状マルトオリゴ糖のグル
コース基の数に依ることなく、アルファ−1,4−グルコ
シド結合の1ヶ所が切断された直鎖状マルトオリゴ糖を
含む直鎖状オリゴ糖類を生成することを特徴とする。
(2)至適pH及び安定pH範囲 下記の活性測定法に基き、基質のpHに対する影響を調べ
た。第2表に、活性の最大値を100%として各pHでの相
対活性を示した。これより至適pHはpHは5.5〜6.5である
ことがわかる。
pHの安定性については第3表に示した。これは、種々の
pHの緩衝液を酵素液に加えて、40℃に30分間加熱したの
ち、残存している活性を測定したもので、各pHの未加熱
の酵素活性を100%として相対活性で表したものであ
る。
第3表より、安定pH範囲はおよそpH6〜10と、アルカリ
側で比較的安定であることがわかる。
(3)作用適温の範囲 下記の活性測定法に準じて、各温度における酵素反応を
行なった。第4表に、その結果を示したが、ここでは40
℃における活性を100%とし、相対活性で表した。
第4表より明らかなごとく、本酵素の作用適温は40〜50
℃である。
(4)温度安定性 pH6で10分間、各温度にて熱処理後、残存活性を調べ
た。未処理の酵素活性を100%とし、その残存活性を第
5表に示した。
第5表に示すごとく、本酵素は30〜50℃で安定である。
(5)失活の条件 第2表に示すごとく、pH4で40℃にて30分間熱処理する
と、本酵素は、ほとんど失活する。
(6)等電点 本酵素は、pH5付近に等電点をもつ。
(7)分子量 トヨパールHW55Fを用いたゲル濾過で分子量を求めたと
ころ、約120,000であった。
SDS−ポリアクリルアミド電気泳動により得られた分子
量は約68,000であった。
(8)精製 本酵素は、培養終了後、遠心分離により菌体を集め、そ
の後、当分野公知の分離精製手段、例えばイオン交換体
ゲル濾過剤等を用いて精製することができる。
本酵素の精製法については、後記実施例で具体的に説明
する。
〔活性測定法〕
反応基質には、環状マルトオリゴ糖の内、ベータシクロ
デキストリンを用いる。
0.2%(W/V)のベータシクロデキストリンを含む、100m
Mりん酸緩衝液(pH6.0)1mlに、0.1mlの酵素溶液を加
え、混合し、40℃で30分間反応させる。
反応後、予め100mMりん酸緩衝液(pH6.0)を0.89ml入れ
ておいた試験管に、反応液を0.11ml加え全量を1mlと
し、すみやかに、30mM水酸化ナトリウム溶液を3.5ml加
える。次いで、0.02%(W/V)フェノールフタレインを
含む5mMの炭酸ナトリウム溶液を0.5ml加える。室温に
て、正確に30分間放置後、550nmでの吸光度を測定す
る。
数種の既知量のベータシクロデキストリンを含む100mM
りん酸緩衝液(pH6.0)について、酵素溶液を蒸留水に
代えて、同様の操作を行い、検量線を作成する。
検量線を用いて、反応後のベータシクロデキストリン残
存量を求め、分解したベータシクロデキストリン量を算
出する。
1単位の酵素とは、上記反応条件下より算出された値を
基に換算した数値で定義した。
即ち、60分間でベータシクロデキストリンを1マイクロ
モル分解する酵素量を1単位とした。
〔発明の作用と効果〕
前述した様に、本発明の新規なシクロマルトデキストリ
ナーゼ及びそれを生産するバチルス属No.199株の発見に
よって、これまで一種類しか知られていなかったシクロ
マルトデキストリナーゼの研究、応用に関して、新しい
場を提供することができる。
シクロデキストリンの中でも、特にグルコース6個から
成るアルファシクロデキストリン、及びグルコース7個
から成るベータシクロデキストリンはデンプン原料から
容易に製造することができ、現在、我国では大量に低価
で生産されている。これらアルファシクロデキストリン
及びベータシクロデキストリンを原料に直鎖状マルトオ
リゴ糖を生産できれば、グルコースが1から7個の一定
範囲の鎖長をもつ直鎖状マルトオリゴ糖の生産は、従来
のデンプンを原料とする場合に比べて格段に簡略化、迅
速化できることになる。何故ならば、デンプンを原料と
する場合は分枝状デキストリンが生成するので分枝構造
を切断するため更にそのための酵素(例えばプルラナー
ゼなど)の使用が避けられない。あるいは最終生成物に
未分解のデンプンや分枝状デキストリンが残存し不純物
を含むことになる。
安価大量に供給されるシクロデキストリンを原料に、本
発明による酵素を作用させることにより、直鎖状マルト
オリゴ糖のみを含む純度の高い生産物を一段階の反応に
より生成することが可能となる。即ち、食品工業に於て
砂糖に代る甘味剤として広く使われているマルトオリゴ
糖の生産に新たな生産方法を提供することになる。
従来、直鎖状マルトオリゴ糖の生成を目的として本酵素
を使用した例は知られていない。また、本酵素がアルカ
リ培地で生育するバチルス菌によって生産されることを
見出した例は知られていない。
〔実施例〕
実施例1 可溶性デンプン2.5g、ポリペプトン1.25g、酵母エキス
1.25g、りん酸−水素カリウム0.25g、硫酸マグネシウム
(7水塩)0.05gに225mlの水を加え、120℃で15分間殺
菌し、300ml容の三角フラスコ5本に45mlずつ分注す
る。
炭酸ナトリウム0.1g、0.25g、0.5g、0.75g、1gをそれぞ
れ水5mlに溶かし、120℃で15分間殺菌し、先の5本の三
角フラスコにそれぞれ加える。これで、炭酸ナトリウム
を0.2%、0.5%、1%、1.5%、2%ずつ含む培地とな
る。このときのpHはそれぞれ、pH8.6、pH9.8、pH10.3、
pH10.6、pH10.8であった。
これらの培地に、予め18〜20時間前培養したNo.199菌を
接種し、37℃において24時間振とう培養を行った。
遠心分離によって菌体を集め、蒸留水で洗浄後、それぞ
れ25mlの50mMりん酸緩衝液(pH7.5)に懸濁した。懸濁
液を超音波破砕し、遠心分離により、上清を採取し、無
細胞抽出液を得た。
これらの粗酵素液について活性を測定したところ、炭酸
ナトリウム含有率0.2%、0.5%、1%、1.5%、2%の
培養条件で、それぞれ0.5U/ml、2.1U/ml、10.0U/ml、1
8.0U/ml、5.6U/mlの活性値を得た。
実施例2 可溶性デンプン10g、ポリペプトン5g、酵母エキス5g、
りん酸−水素カリウム1g、硫酸マグネシウム(7水塩)
0.2gに水900mlを加え、120℃で15分間殺菌する。炭酸ナ
トリウム15gを水100mlに溶かし、120℃で15分間殺菌
し、加える。300ml容三角フラスコに100mlずつ分注し、
予め18〜20時間前培養したNo.199菌を1mlずつ接種し、3
7℃において24時間振とう培養を行った。
遠心分離により菌体を集め、蒸留水で洗浄後、500mlの5
0mMりん酸緩衝液(pH7.5)に懸濁した。懸濁液を超音波
破砕し、遠心分離により上清を採取し、15.7U/mlタンパ
クの比活性をもつ無細胞抽出液を得た。
この粗酵素液に核酸除去剤C−9(栗田工業製)の5%
溶液を5ml加え、冷蔵庫内で一夜放置し、沈殿物を遠心
分離により除いた。
硫酸アンモニウムによる塩析分画を40〜70%飽和の条件
で行った。これを50mMりん酸緩衝液(pH7.5)で透析
後、同緩衝液で平衡化したDEAEトヨパール650M(東ソー
製)に通すと、酵素は吸着され、これを0から0.5M濃度
までの塩化ナトリウムを含む同緩衝液でグラジエント溶
出を行った。活性のある画分を0.1Mの塩化ナトリウムを
含む50mMりん酸緩衝液(pH7.5)で透析後、同緩衝液で
平衡化したDEAEトヨパール650Mに通した。これを0.1か
ら0.5Mまでの塩化ナトリウムを含む同緩衝液でグラジエ
ント溶出を行った。活性画分を透析により塩化ナトリウ
ムを除いた後、濃縮後、0.1MNaClを含む50mMりん酸緩衝
液(pH7.5)で平衡化したトヨパールHW55F(東ソー製)
を用いゲル濾過を行った。活性画分を50mMりん酸緩衝液
(pH6.2)で透析後、同緩衝液で平衡化したDEAEトヨパ
ール650Mに通した。これに、0から0.3M濃度迄の塩化ナ
トリウムを含む同緩衝液でグラジエント溶出を行った。
活性画分を集め、ポリアクリルアミド電気泳動を行った
ところ、単一のバンドが検出された。比活性は860U/mg
タンパクであった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:07)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の理化学的性質を有するシクロマルト
    デキストリナーゼ。 (イ)作用及び基質特異性 環状マルトオリゴ糖のアルファ−1,4−グルコシド結合
    を切断し、直鎖状マルトオリゴ糖類を生成する。 (ロ)至適pH及び安定pH範囲 至適pHは5.5〜6.5である。 安定pH範囲は約pH6〜10である。 (ハ)作用適温の範囲 作用適温は40〜50℃である。 (ニ)温度安定性 pH6において、30〜50℃で安定である。 (ホ)失活の条件 pH4で40℃にて30分間熱処理すると、失活する。 (ヘ)等電点 等電点は5付近である。 (ト)分子量 トヨパールHW55Fを用いたゲル濾過による分子量は約12
    0,000であり、SDS−ポリアクリルアミド電気泳動による
    分子量は約68,000である。
  2. 【請求項2】バチルス属に属するシクロマルトデキスト
    リナーゼ生産菌を培養し、培養物からシクロマルトデキ
    ストリナーゼを採取することを特徴とする請求項(1)
    記載のシクロマルトデキストリナーゼの製造方法。
  3. 【請求項3】シクロマルトデキストリナーゼ生産菌がバ
    チルスsp.No.199(Bacillus sp.No.199)である請求項
    (2)記載の方法。
  4. 【請求項4】下記菌学的性質を有することを特徴とする
    バチルスsp.No.199(Bacillus sp.No.199)。 (a)形態 大きさが(0.2〜0.5)×(1.5〜5)μmの桿菌であ
    る。胞子を形成し、胞子の大きさは(0.5〜1)×(1
    〜1.5)μmであり、卵形で胞子のうはふくらんでい
    る。運動性があり、べん毛を有する。グラム染色は陽性
    であり、抗酸性は陰性である。 (b)生育状態 肉汁寒天平板培養 生育は良好で、円形、偏平状で周縁は全縁、不透明であ
    り、光沢を有し、薄い黄褐色を呈する。 肉汁寒天斜面培養 糸状または拡帯状に生育し、肉汁寒天平板培養と同様の
    形状を呈し、培地中に色素を分泌しない。 肉汁液体培養 生育良好で、わずかに沈査が認められ、表面に菌膜を形
    成する。 肉汁ゼラチン培養 生育良好で、ゼラチンを加水分解する。 リトマスミルク アルカリ培地のため、色の変化は明らかでない。 (c)生理学的性質 硝酸塩の還元 :陽性 脱窒反応 :陰性 MRテスト :培地がアルカリ性のためメチル
    レッドの変色は認められない VPテスト :陰性 インドールの生成 :陰性 硫化水素の生成 :陰性 デンプンの加水分解:陽性 クエン酸の利用 :利用しない (コーザー及びクリステンセンの培地) 無機窒素源の利用 :利用しない (硝酸塩及びアンモニウム塩) 色素の生成 :陰性 ウレアーゼ :陰性 オキシダーゼ :陽性 カタラーゼ :陽性 生育範囲 :pH7〜11 温度20〜45℃ 酸素に対する態度 :好気性 OFテスト :発酵(グルコース) 糖類からの酸及び ガスの生成の有無 :L−アラビノース、D−キシロ
    ース、D−グルコース、D−マンノース、D−フラクト
    ース、マルトース、シュークロース、ラクトース、トレ
    ハロース、D−マンニトール、デンプンを利用し、酸を
    生成するが、ガスの生成はない。D−ガラクトース、D
    −ソルビトール、イノシトール、グリセリンは利用しな
    い。 (d)その他の性質 塩化ナトリウム耐性:10%塩化ナトリウムで生育 DNAのGC含量 :35.8モル%
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