JPH0764204B2 - 全方向移動車のステアリング機構 - Google Patents

全方向移動車のステアリング機構

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JPH0764204B2
JPH0764204B2 JP60237708A JP23770885A JPH0764204B2 JP H0764204 B2 JPH0764204 B2 JP H0764204B2 JP 60237708 A JP60237708 A JP 60237708A JP 23770885 A JP23770885 A JP 23770885A JP H0764204 B2 JPH0764204 B2 JP H0764204B2
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雅治 塩谷
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  • Arrangement And Driving Of Transmission Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [発明の技術分野] この発明は任意の方向に走行可能な全方向移動車のステ
アリング機構に関する。
[発明の背景とその問題点] 一般に、車輪によって床面を走行する移動車には、前輪
を操舵して車体の向きを変えながら移動する車両型の移
動車と、全ての車輪の方向を転換させて車体の向きを変
えずに前後左右および斜めの全ての方向に移動する全方
向移動車とがあるが、上記車両型の移動車は、走行方向
を転換する際の旋回半径が大きいため、例えばオフィス
ロボットのような机の間の狭いスペース等でも方向を変
えながら移動する移動車や、指定された複雑な移動パタ
ーンに従って移動する移動車、あるいは急角度の方向転
換等を要求される移動車としては不向きである。そこ
で、全ての車輪の方向を転換させて車体の向きを変えず
に全方向に移動する全方向移動車が利用されている。
このような全方向移動車のステアリング機構としては、
従来、第8図(A)(B)に示すように構成されたもの
がある。即ち、この種のステアリング機構は、車体1に
4本のステアリング軸2・・・を回転可能に垂直に設
け、このステアリング軸2・・・の下端の各車軸受3・
・・にそれぞれ、ゴムタイヤ等からなる車輪4・・・を
回転可能に設けると共に、各ステアリング軸2・・・の
上部にそれぞれプーリ5・・・を設け、このプーリ5・
・・に1本のベルト6を巻回し、いずれか1つのステア
リング軸2を図示しない駆動装置で回転させることによ
り、すべてのステアリング軸2・・・を所定角度回動さ
せて各車輪4の向きを変え、走行方向を転換するように
なっている。この場合、各車輪4・・・は図示しない駆
動モータで駆動され、全方向移動車を走行させるように
なっている。
しかしながら、このようなステアリング機構において
は、1つのステアリング軸2の回動をベルト6で各ステ
アリング軸2・・・に伝達し、全ての車輪4・・・を同
じ方向に向きを変えるだけであるから、第9図(A)に
示すような全方向モード(前後左右および斜めの各方向
に直線走行する機能)は可能であるが、同図(B)に示
すようなカーモード(自動車が旋回移動するような機
能)、あるいは同図(C)に示すようなローテションモ
ード(車体が移動することなく、その場所で回転するよ
うな機能)等を行なうことができないという問題があっ
た。
[発明の目的] この発明は上記のような事情を考慮してなされたもの
で、その目的とするところは、比較的簡単な構造で、全
方向モード、ローテションモード、およびこれらの合成
モード等の多くの方向転換機能を持つことができ、短時
間で簡単に方向転換を行ない、良好に走行させることが
できる機能性に優れた全方向移動車のステアリング機構
を提供することにある。
[発明の要点] この発明は、上記目的を達成するため、3つ以上の車輪
を備え、これら各車輪の方向を転換させて走行する全方
向移動車のステアリング機構であり、車体と、この車体
に回転自在に設けられ、中心に筒状の回転系主軸を有す
る円板と、この円板の所定個所にそれぞれ回転自在に設
けられ、各下端部にそれぞれ車軸を介して車輪が取り付
けられた3つ以上のステアリング軸と、回転系主軸内に
回転自在に設けられた全方向ステアリング系主軸と、こ
の全方向ステアリング系主軸の回転を少なくとも2つ以
上のステアリング軸に同期させて伝達する第1の伝達手
段と、前記2つ以上のステアリング軸の軸中心にそれぞ
れ回転自在に設けられ、前記2つ以上のステアリング軸
の各車輪を傘歯車機構を介して回転させる2つ以上の駆
動軸と、回転系主軸に回転自在に設けられた走行系主軸
と、この走行系主軸の回転を前記2つ以上の駆動軸に同
期させて伝達する第2の伝達手段と、車体に装備され、
回転系主軸、全方向ステアリング系主軸、および走行系
主軸を駆動制御する駆動手段とを備えたものである。
この発明では、駆動手段により全方向ステアリング系主
軸のみを駆動すると、第1の伝達手段により少なくとも
2つ以上のステアリング軸が同期して回転し、車輪の向
きが前後左右斜めの全方向に変わり、この状態で駆動手
段により走行系主軸のみを駆動すると、第2の伝達手段
により各駆動軸が同期して回転し、この回転が傘歯車機
構を介して各車輪に伝達され、これにより車体が全方向
に直進することになる(全方向モード)。また、駆動手
段により全方向ステアリング系主軸と走行系主軸を同時
に駆動制御すると、車輪が向きを変えながら回転するの
で、任意の曲線上を車体が向きを変えることなく移動す
ることになる。また、駆動手段により回転系主軸と走行
系主軸を駆動制御すると、回転系主軸の回転により円板
が車体に対して回転することになるが、走行系主軸の回
転により車輪は回転しながら全方向ステアリング系主軸
を中心に旋回するだけであるから、車体は移動すること
なく円板に対してその場所で回転し、全方向に向きを変
えることになる(ローテションモード)。さらに、駆動
手段により回転系主軸、全方向ステアリング系主軸、お
よび走行系主軸を同時に制御駆動すると、車体が旋回走
行することになる(カーモード)。
したがって、この発明によれば、駆動手段により回転系
主軸、全方向ステアリング系主軸、および走行系主軸を
適宜駆動制御することにより、全方向モード、ローテシ
ョンモード、カーモード、およびこれらの合成モードが
可能になり、多くの方向変換機能を行なうことができ
る。
[実施例の構成] 以下、第1図から第6図を参照して、この発明の一実施
例を説明する。
第1図(A)(B)は全方向移動車を示す。この全方向
移動車の車体10の中央には円板11が回転可能に取付けら
れている。この円板11は後述する回転系駆動装置A1によ
り回転し、車体10を相対的に回転させるものであり、そ
の中心には円筒状の回転系主軸B1が一体に設けられてい
ると共に、その周囲には4つのステアリング軸12a〜12d
が点対称に設けられている。このステアリング軸12a〜1
2dは円板11を支持することにより車体10を支持するもの
であり、それぞれ円筒状をなし、その上部が円板11にベ
アリング13・・・を介して回転自在に設けられており、
中間には従動歯車14a〜14dが、下端には車軸受15・・・
が設けられている。従動歯車14a〜14dはそれぞれステア
リング軸12a〜12dと一体に回転するものであり、円板11
の下側へ突出した全方向ステアリング系主軸B2の駆動歯
車16にそれぞれ中間歯車17・・・を介して噛み合ってい
る。この場合、全方向ステアリング系主軸B2は円板11の
中心に位置して後述する全方向ステアリング系駆動装置
A2によって回転するものであり、回転系主軸B1内にベア
リング18を介して回転可能に設けられており、その下端
は円板11の下側に突出し、この突出した下端に駆動歯車
16が設けられている。なお、中間歯車17・・・はそれぞ
れ円板11の下面に設けられた軸17a・・・に回転可能に
取付けられている。これら駆動歯車16、中間歯車17、お
よび従動歯車14a〜14dが第1の伝達手段に相当する。
一方、ステアリング軸12a〜12dの下端に設けられた各車
軸受15・・・は、ステアリング軸12a〜12dと一体に回転
するものであり、それぞれ車軸19・・・を介して車輪20
a〜20dが設けられている。即ち、車軸19・・・はそれぞ
れ両端がベアリング19a・・・により車軸受15・・・に
回転可能に設けられており、その一端側に車輪20a〜20d
が、他端側に傘歯車21・・・が設けられている。車輪20
a〜20dはそれぞれ車軸19によって回転し、床面上を転動
するものであり、ステアリング軸12a〜12dの中心から偏
った位置に設けられている。この場合、傘歯車21・・・
にはそれぞれ駆動軸22・・・の傘歯車23・・・が噛み合
っている。これら傘歯車21・・・および傘歯車23・・・
が傘歯車機構に相当する。各駆動軸22・・・はそれぞれ
ステアリング軸12a〜12d内にベアリング24・・・を介し
て回転可能に設けられており、その下端は車軸受15内に
突出し、この突出した部分に傘歯車23・・・が設けられ
ており、上端は車体10の上方に突出し、この突出した上
端に従動歯車25a〜25dが設けられている。この従動歯車
25a〜25dはそれぞれ、走行系主軸B3の駆動歯車26に噛み
合って回転し、駆動軸22・・・および各傘歯車23・・
・、21・・・を介して車輪20a〜20dを回転するようにな
っている。なお、駆動歯車26および従動歯車25a〜25dが
第2の伝達手段に相当する。走行系主軸B3は回転系主軸
B1の外周にベアリング27を介して回転可能に取付けられ
ており、後述する走行系駆動装置A3により駆動される。
ところで、駆動手段である各駆動装置A1、A2、A3は第2
図に示すように、それぞれ各主軸B1、B2、B3を駆動する
ようになっている。この場合、各駆動装置A1、A2、A3は
図示しないが、総て車体10上に設けらている。
即ち、回転系駆動装置A1はサーボモータ等の原動機から
なり、その出力軸28の一端に傘歯車29が設けられてお
り、この傘歯車29が回転系主軸B1の上端に設けられた傘
歯車30に噛み合っていると共に、出力軸28の他端は後述
する差動装置35に連結されている。しかして、回転系駆
動装置A1が出力軸28を介して傘歯車29を回転すると、こ
の傘歯車29に噛み合った傘歯車30が回転し、回転系主軸
B1を回転する。このように回転系主軸B1が回転すると、
円板11が車体10に対して回転するのであるが、実際は円
板11が動くのではなく、車体10が回転する。したがっ
て、車体10はその場所から移動することなく、回転のみ
を行なう。この場合、各車輪20a〜20dは出力軸28の他端
により後述するように差動装置35を介して回転するが、
全方向ステアリング系主軸B2を中心に旋回するだけで、
ステアリング軸12a〜12dおよび円板11を移動することは
ない。
全方向ステアリング系駆動装置A2は上述と同様な原動機
からなり、その出力軸31に傘歯車32が設けられており、
この傘歯車32が全方向ステアリング系主軸B2の上端に設
けられた傘歯車33に噛み合っている。しかして、全方向
ステアリング系駆動装置A2が出力軸31を介して傘歯車32
を回転すると、この傘歯車32に噛み合う傘歯車33が回転
し、全方向ステアリング系主軸B2を回転する。このよう
に全方向ステアリング系主軸B2が回転すると、第1図
(B)に示すように、全方向ステアリング系主軸B2の下
端の駆動歯車16が回転し、この回転が中間歯車17・・・
を介してステアリング軸12a〜12dの各従動歯車14a〜14d
に伝達され、各ステアリング軸12a〜12dを回転する。こ
れにより、ステアリング軸12a〜12dの各車輪20a〜20dは
それぞれステアリング軸12a〜12dを中心に旋回し、その
走行方向を全方向に転換する。
走行系駆動装置A3も上述と同じ原動機からなっている
が、その出力軸34は差動装置35に連結されており、この
差動装置35の出力軸36に傘歯車37が設けられ、この傘歯
車37が走行系主軸B3の上端に設けられた傘歯車38に噛み
合っている。この場合、差動装置35は走行系駆動装置A3
の出力軸34と回転系駆動装置A1の他端側の出力軸28とが
連結されており、各駆動装置A2、A3の回転数AN2、AN3の
和(AN2+AN3)を出力軸36に伝達するものであり、走行
系駆動装置A3の出力軸34と回転系駆動装置A1の他端側の
出力軸28とが同一軸線上に位置し、各出力軸34、28の先
端には傘歯車35a、35bが対向して設けられていると共
に、この傘歯車35a、35bには複数の遊星傘歯車35c・・
・が噛み合い、この複数の遊星傘歯車35c・・・の各軸3
5d・・・が環状の歯車35eの内壁に設けられており、こ
の環状の歯車35eに出力軸36の平歯車35fが噛み合ってい
る。この場合、環状の歯車35eと平歯車35fの変速比は2:
1になっている。したがって、差動装置32は回転系駆動
装置A1が停止した状態で、走行系駆動装置A3が出力軸34
を介して傘歯車35aを回転すると、各遊星傘歯車35c・・
・が回転しながら回転系駆動装置A1側の停止した傘歯車
35bに噛み合ってその周囲を転回し、環状の歯車35eを回
転させ、その回転を平歯車35fに伝達して出力軸36を回
転させる。この場合、走行系駆動装置A3の回転数AN3と
出力軸36の回転数とは同じである。このように出力軸36
が回転すると、その先端の傘歯車37およびこれに噛み合
う傘歯車38を介して走行系主軸B3を回転させ、この回転
を走行系主軸B3の駆動歯車26で各従動歯車25a〜25dに伝
達する。これにより、第1図(B)に示すように、各従
動歯車25a〜25dはそれぞれ回転し、駆動軸22・・・およ
び各傘歯車23・・・、21・・・を介して車輪20a〜20dを
回転し、車体10を走行させる。また、走行系駆動装置A3
と回転系駆動装置A1とが同時に駆動され、各出力軸34、
28の傘歯車35a、35bが同じ方向へ回転すると、環状の歯
車35eおよび平歯車35fを介して出力軸36はその回転数の
和(AN2+AN3)だけ回転する。したがって、このような
場合には、車体10が円板11を中心に回転しながら各車輪
20a〜20dが床面上を転動して走行する。
なお、外側の走行系主軸B3の下部および回転系主軸B1、
全方向ステアリング系主軸B2の各上部は、それぞれベア
リング39・・・により車体10に図示しない保持部材で回
転可能に保持されている。
[実施例の作用] 次に、上記のように構成された全方向移動車のステアリ
ング機構の動作について、第3図から第8図を参照して
説明する。
まず、全方向モードの場合について説明する。この場合
には、全方向ステアリング系駆動装置A2のみを駆動して
全方向ステアリング系主軸B2を回転させる。すると、第
3図(A)に示すように、駆動歯車16が回転し、この回
転が各中間歯車17・・・を介してステアリング軸12a〜1
2dの各従動歯車14a〜14dを同じ方向へ回転させるので、
総てのステアリング軸12a〜12dは同じ方向へ所定角度回
転する。このようにステアリング軸12a〜12dが回転する
と、その下の各車輪20a〜20dはステアリング軸12a〜12d
を中心に同じ方向へ旋回する。これにより、車輪20a〜2
0dの方向が変わり、車体10の送行方向を変えることがで
きる。この場合、総ての車輪20a〜20dはステアリング軸
12a〜12dに伴って360度旋回可能であり、車体10の走行
方向を前後左右および斜めの全ての方向に切り変えるこ
とができる。
このような全方向モードにおいて、全方向移動車を走行
させる場合には、走行系駆動装置A3のみを駆動し、第1
図(A)(B)に示すように走行系主軸B3を回転させ、
この回転を駆動歯車26で各従動歯車25a〜25dに伝達し、
この各従動歯車25a〜25dの回転により駆動軸22・・・お
よび各傘歯車23・・・、21・・・を介して車輪20a〜20d
を回転する。これにより、第3図(B)に示すように全
方向移動車は矢印方向へ真直に走行する。例えば、第4
図(A)に示すように、全方向移動車を右側へ走行させ
た後、真下へ走行させ、さらに斜め下側へ走行させる場
合には、まず、全方向ステアリング系駆動装置A2で各ス
テアリング軸12a〜12dを回転させ、総ての車輪20a〜20d
を走行方向に対して平行(真横)にセットする。この
後、走行系駆動装置A3を駆動して各車輪20a〜20dを回転
させると、全方向移動車は右側へ真直に走行する。そし
て、所定位置P1に達すると、走行系駆動装置A3を止めて
全方向移動車を停止させ、再び、全方向ステアリング系
駆動装置A2を駆動して各ステアリング軸12a〜12dを所定
角度(90度)回転させ、車輪20a〜20dをそれぞれステア
リング軸12a〜12dに対して90度旋回させる。すると、各
車輪20a〜20dは次の走行方向に対して平行(縦方向)に
セットされる。この状態で、車輪20a〜20dが走行系駆動
装置A3で駆動されると、全方向移動車は下側へ真直に走
行する。このとき、車体10は全く向きを変えることなく
走行する。この後、所定位置P2に到達すると、上述と同
様に全方向移動車を停止させ、再び全方向ステアリング
系駆動装置A2を駆動して車輪20a〜20dをそれぞれ所定角
度(45度)旋回させて次に走行する方向(斜め方向)に
向ける。この状態で、車輪20a〜20dが走行系駆動装置A3
で駆動されると、全方向移動車は右斜め下側へ真直に走
行する。このときにも、車体10は向きを変えることな
く、初期状態のままで移動する。
また、例えば、全方向ステアリング系駆動装置A2と走行
系駆動装置A3とを同時に制御すると、第4図(B)に示
すような任意の曲線上を車体10が向きを変えることなく
移動する。即ち、走行系駆動装置A3の出力回転数を一定
にして走行速度を一定に保った状態で、全方向ステアリ
ング系駆動装置A2でステアリング軸12a〜12dの回転速度
を遅くすると、車体10はそのままの向きで、緩やかなカ
ーブを描いて移動し、また、この状態で全方向ステアリ
ング系駆動装置A2が逆回転して、ステアリング軸12a〜1
2dを同じ速度で反対方向に回転すると、逆方向の緩やか
なカーブを描いて移動する。さらに、この状態で全方向
ステアリング系駆動装置A2を再び逆回転させて、ステア
リング軸12a〜12dを早い速度で回転すると、車体10は曲
率半径の小さな急なカーブを描いて移動する。
次に、ローテションモードの場合について説明する。こ
の場合には、回転系駆動装置A1のみを駆動する。する
と、回転系主軸B1が回転すると共に、走行系主軸B3も差
動装置35を介して同じ回転数で回転する。これにより、
円板11が車体10に対して回転するのであるが、走行系主
軸B3の回転により車輪20a〜20dは回転しながら全方向ス
テアリング系主軸B2を中心に旋回するだけであるから、
車体10は移動することがなく、円板11に対してその場所
で回転し、全方向移動車の向きを変える。例えば、第4
図(C)に示すように上側を向いている全方向移動車を
右側に向ける場合には、回転系駆動装置A1で回転系主軸
B1および円板11を90度回転させるように駆動すると、車
体10が円板11を中心に90度回転し、全方向移動車は移動
することなく、上側から右側へ90度向きを変える。
次に、カーモードの場合について説明する。このカーモ
ードは上述した全方向モードとローテションモードの合
成モードであり、回転系駆動装置A1、全方向ステアリン
グ系駆動装置A2および走行系駆動装置A3を同時に制御す
ることにより、第5図(A)に示すような旋回走行を行
なう。即ち、走行系駆動装置A3の出力回転数を一定にし
て全方向移動車の走行速度を一定に保った状態で、例え
ば、全方向ステアリング系駆動装置A2でステアリング軸
12a〜12dの回転速度を早くすると共に、これに回転系駆
動装置A1を同期させて車体10を円板11に対して回転させ
ると、車体10は旋回中心O1で半径R1の最小円弧上をその
向きを変えながらステアリング軸12a〜12dの回転方向
(左方向)に旋回する。そして、ステアリング軸12a〜1
2dの回転速度を次第に遅くすると共に、円板11に対する
車体10の回転速度を同期させると、車体10の旋回中心が
O2からO3、O4・・・と次第に遠くなると共に、その半径
がR2からR3、R4・・・と次第に大きくなる円弧を描いて
走行すると共に、車体10はその向きを変えながら移動す
る。この場合、ステアリング軸12a〜12dの回転速度、お
よびこれに同期する車体10の円板11に対する回転速度が
次第に遅くなって停止すると、全方向移動車は旋回する
ことなく直進する。また、上述した状態で、全方向ステ
アリング系駆動装置A2が逆方向に回転すると共に、これ
に同期して回転系駆動装置A1が逆方向に回転すると、全
方向移動車は反対方向(右方向)に旋回する。
このようなカーモードで全方向移動車を、例えば第5図
(B)に示すように、右側へカーブさせた後、その先端
側で旋回させたい場合には、まず、車体10を上方へ直進
させて、車体10の中心Pa点に達させ、このときに、全方
向ステアリング系駆動装置A2および回転系駆動装置A1を
上述したように駆動して右側へカーブする円弧を描くよ
うに走行させ、車体10をPb点に移動させる。この場合、
車体10が描く円弧はPa点とPb点とを通る法線L1、L2の交
点Oxを中心とし、半径Rxの曲線であり、このような円弧
を描くように全方向ステアリング系駆動装置A2がステア
リング軸12a〜12dを駆動し、これに同期して回転系駆動
装置A1が車体10の向きを変える。このようにして、車体
10の中心がPb点に達すると、全方向ステアリング系駆動
装置A2および回転系駆動装置A1が停止するが、走行系駆
動装置A3はそのまま車輪20a〜20dを駆動し、全方向移動
車を右側へ直進させる。そして、車体10がPc点に達する
と、Ozを中心に半径Rzの円弧を描くように、全方向ステ
アリング系駆動装置A2がステアリング軸12a〜12dを車体
10の走行に応じて回転させると共に、これに同期して回
転系駆動装置A1が車体10の走行に従ってその向きを変え
る。これにより、全方向移動車は旋回移動する。
また、回転系駆動装置A1、全方向ステアリング系駆動装
置A2および走行系駆動装置A3を同時に制御する場合に
は、上述したカーモード以外に、第6図に示すようなス
ピン回転移動も可能である。これは、任意の角速度で車
体10を回転させながら、任意の方向に回転中心を持ち、
任意の回転半径で、任意の速度で移動するものであり、
例えば、通路移動ロボット等がセンサーを左右に振りな
がら走行するようなものである。
このように、回転系主軸B1、全方向ステアリング系主軸
B2、走行系主軸B3の3軸をそれぞれ回転系駆動装置A1、
全方向ステアリング系駆動装置A2、走行系駆動装置A3で
独立して制御することにより、様々な動作を行なわせる
ことができる。
なお、この発明は上述したような差動装置35を用いるこ
となく、例えば、第7図に示すように構成しても良い。
即ち、全方向ステアリング系駆動装置A2の出力軸40を全
方向ステアリング系主軸B2に接続し、走行系駆動装置A3
の出力軸41を走行系主軸B3に接続すると共に、この出力
軸41の回転が歯車42、43および電磁クラッチ44を介して
伝達される出力軸45を回転系主軸B1に接続し、歯車42、
43の変速比により全方向モードとローテションモードの
合成モード、あるいは全方向モードとカーモードの合成
モードとを行なうようになっている。この場合、例え
ば、歯車42、43の変速比が「1」のときで、電磁クラッ
チ44が切れているときは全方向モードとなり、電磁クラ
ッチ44が接続されているときはローテションモードとな
る。また、歯車42、43の変速比が「1」以外のときで、
電磁クラッチ44が切れているときは全方向モードとな
り、電磁クラッチ44が接続されているときは、ある特定
の半径のみで旋回運動をするカーモードとなる。このよ
うにすれば、駆動装置を少なくすることができると共
に、制御の簡素化が図れる。
また、上述した実施例では差動装置35を用いて、全方向
移動車が様々な動作をするようにしたが、この発明はこ
れに限られることなく、例えば、CPU(中央処理装置)
からの指令により3つのモータを独立して制御し、常に
上述したような条件を満たすようにすれば、各モータを
それぞれ、直接、各主軸B1、B2、B3に連結することがで
き、機構の簡素化を図ることができる。
[発明の効果] 以上説明したように、この発明に係る全方向移動車のス
テアリング機構によれば、駆動手段により回転系主軸、
全方向ステアリング系主軸、および走行系主軸を適宜駆
動制御することにより、全方向モード、ローテションモ
ード、カーモード、およびこれらの合成モードが可能に
なり、多くの方向変換機能を行なうことができ、構造も
比較的簡単で、短時間で良好に方向転換を行なうことが
でき、機能性に優れたものを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図から第6図はこの発明の一実施例を示し、第1図
(A)はその全方向移動車の平面図、第1図(B)はそ
のA−A断面図、第2図は駆動装置を示す図、第3図
(A)は全方向モードの状態を示す図、第3図(B)は
走行時の状態を示す図、第3図(C)はローテションモ
ードの状態を示す図、第4図(A)は全方向モード時の
走行例を示す図、第4図(B)は全方向モード時の他の
走行例を示す図、第4図(C)はローテションモード時
の車体の向きを示す図、第5図(A)はカーモード時の
車体の移動軌跡を示す図、第5図(B)はカーモード時
の車体の走行例を示す図、第6図はスピン回転移動時の
車体の移動軌跡を示す図、第7図は差動装置の変形例を
示す図、第8図および第9図は従来例を示し、第8図
(A)は従来の全方向移動車の平面図、第8図(B)は
そのB−B断面図、第9図(A)は全方向モードを示す
図、第9図(B)はカーモードを示す図、第9図(C)
はローテションモードを示す図である。 10……車体、11……円板、12a〜12d……ステアリング
軸、14a〜14d……従動歯車、16……駆動歯車、17……中
間歯車、19……車軸、20a〜20d……車輪、21……傘歯
車、22……駆動軸、23……傘歯車、25a〜25d……従動歯
車、26……駆動歯車、A1……回転系駆動装置、A2……全
方向ステアリング系駆動装置、A3……走行系駆動装置、
B1……回転系主軸、B2……全方向ステアリング系主軸、
B3……走行系主軸。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】3つ以上の車輪を備え、これら各車輪の方
    向を転換させて走行する全方向移動車のステアリング機
    構であり、 車体と、 前記車体に回転自在に設けられ、中心に筒状の回転系主
    軸を有する円板と、 前記円板の所定個所にそれぞれ回転自在に設けられ、各
    下端部にそれぞれ車軸を介して前記車輪が取り付けられ
    た3つ以上のステアリング軸と、 前記回転系主軸内に回転自在に設けられた全方向ステア
    リング系主軸と、 前記全方向ステアリング系主軸の回転を少なくとも2つ
    以上の前記ステアリング軸に同期させて伝達する第1の
    伝達手段と、 前記2つ以上のステアリング軸の軸中心にそれぞれ回転
    自在に設けられ、前記2つ以上のステアリング軸の前記
    各車輪を傘歯車機構を介して回転させる2つ以上の駆動
    軸と、 前記回転系主軸に回転自在に設けられた走行系主軸と、 前記走行系主軸の回転を前記2つ以上の駆動軸に同期さ
    せて伝達する第2の伝達手段と、 前記車体に装備され、前記回転系主軸、前記全方向ステ
    アリング系主軸、および前記走行系主軸を駆動制御する
    駆動手段と、 を備えてなる全方向移動車のステアリング機構。
JP60237708A 1985-10-25 1985-10-25 全方向移動車のステアリング機構 Expired - Lifetime JPH0764204B2 (ja)

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