JPH076428A - 光磁気記録媒体 - Google Patents

光磁気記録媒体

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JPH076428A
JPH076428A JP14926793A JP14926793A JPH076428A JP H076428 A JPH076428 A JP H076428A JP 14926793 A JP14926793 A JP 14926793A JP 14926793 A JP14926793 A JP 14926793A JP H076428 A JPH076428 A JP H076428A
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optical
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JP14926793A
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Inventor
Takumi Shimamori
巧美 島守
Yoko Ikeda
陽子 池田
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 600nm以下の波長に対応した高記録密度
の光磁気記録媒体を提供することを目的とする。 【構成】 基板上に少なくとも、光磁気記録層、反射層
を有する光磁気記録媒体において、光磁気記録層をキュ
リー温度が220℃以上のものとし、かつ反射層が少な
くともTiを含むAg合金からなることを特徴とする光
磁気記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱磁気記録と磁気光学効
果を用いて光により情報の記録・再生を行う光磁気記録
媒体、及びそれを用いた光情報記録再生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、情報量の飛躍的な増大に伴い、情
報記録媒体に対する記録密度向上の要求が高まってい
る。光ディスクは記録密度が高い上に、ランダムアクセ
ス性、可搬性に優れている。特に光磁気ディスクは繰り
返し記録が可能で、信頼性にも優れるため、コンピュー
タ用外部記憶装置、録音装置の記録媒体として既に商品
化されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】現在商品化されている
光磁気ディスクの記憶容量は直径5.25インチのディ
スク片面当り300メガバイト(MByte)程度であ
る。これを1ギガバイト(GByte)程度まで高める
ために、トラックピッチを短くすることや記録信号の変
調方式を変更することが提案されており、実用化の目処
が立ちつつある。
【0004】しかしながら、現行技術の範囲内で記録密
度を更に向上させるのは、記録密度が既に理論的な限界
に近づいていることから不可能であると言わざるを得な
い。光ディスクにおける記録密度の理論的限界を決定す
るのは記録再生に使われるレーザ光の集光スポットの大
きさである。従って更に記録密度を高めるためにはレー
ザ光のスポットをより小さく絞ることが不可欠である。
レーザ光のスポット径dは使用するレーザ光の波長λと
対物レンズの開口数NAにより次式(1)で表される。
ただし、kはレンズの開口形状、入射光束の強度分布に
よって決まる定数である。
【0005】
【数1】d=k・λ/NA ・・・(1) レーザ光のスポット径dを小さくするためには、波長λ
の短い光源を用いること、及び開口数NAの大きな対物
レンズを用いることが必要である。レンズの開口数を大
きくすると、焦点深度が浅くなり、またディスクの傾き
や基板の厚み斑に対する許容度が急激に低下してしまう
ため、光ヘッドのサーボ能力が低下してしまう。
【0006】従って、レンズの開口数は現行の0.55
程度よりさほど大きくすることはできない。よって、レ
ーザ光のスポット径を小さくして記録密度を向上させる
ためには、光ヘッドの光源として現行の825nm、7
80nmよりも短い波長の光源を使用することが不可欠
である。
【0007】光磁気ディスクの再生信号の品質を支配す
るのは反射率と磁気カー回転角であり、より具体的には
反射率の平方根と磁気カー回転角との積という形で表さ
れる。これを性能係数と呼ぶこととする。現在商品化さ
れている光磁気ディスクの記録層としては、TbFeC
oに代表される重希土類−遷移金属アモルファス合金が
使われている。
【0008】これら合金の性能係数は現行光磁気ディス
クドライブのレーザ光の波長800nm程度では比較的
大きな値を示すが、光の波長が短くなって600nm以
下になると急激に減少してしまう。またドライブの信号
検出に使われている光検出素子のフォトダイオードの検
出感度も、800nm付近では高いが600nm以下に
なると急激に低下してしまう。
【0009】これらの事実は現行の技術では短波長側で
再生信号の強度が極端に低下してしまい、記録信号の安
定した再生が不可能になることを意味している。以上に
述べてきたように、記録密度の向上を狙った短波長光源
を用いた光磁気記録再生システムを実現するには、短波
長側での再生信号強度の低下が問題となっている。
【0010】先に述べたように、大きな再生信号を得る
ためには記録媒体の性能係数を大きくすることと光検出
素子の感度を向上させる事が重要である。光磁気ディス
クドライブで用いられている光検出素子、フォトダイオ
ードにおける光の検出は、光がpn接合付近の電子を伝
導帯に励起し、伝導帯の電子がpn接合を移動し、フォ
トダイオードを電流が流れることによりなされる。
【0011】フォトダイオードを構成するSi半導体の
光吸収係数は短波長側で大きくなるため、短波長の光は
フォトダイオード表面近傍で吸収されてしまい、pn接
合付近まで到達しにくくなる。その結果pn接合付近で
励起される電子の数が減少するため、光の検出感度が低
下してしまう。よって短波長側で光検出素子の検出感度
を向上させるのは理論的に困難であり、短波長側で大き
な再生信号を得るためには記録媒体の性能係数を大きく
することが重要である。
【0012】光磁気記録媒体は一般的には、透明基板上
に、光磁気記録層、光干渉層、光反射層、保護層等、複
数の層を設けることにより構成される。再生信号強度を
支配する性能係数はこれらの全ての層を総合して考慮し
なければならない。本発明は全ての層を構成する材料、
層厚、及び層構成を最適化し、光磁気ディスクの600
nm以下の波長での性能係数を高めた光磁気記録媒体を
提供するとともに、それと600nm以下の短波長光を
用いた光情報記録再生システムを提供することを目的と
する。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは高記録密度
光磁気記録再生システムを提供すべく鋭意検討した結
果、基板上に少なくとも、光磁気記録層、反射層を有す
る光磁気記録媒体において、磁性層としてキュリー温度
が220℃以上のものを用い、かつ反射層として少なく
ともTiを含むAg合金を用いることにより600nm
以下の波長で優れた性能係数と高信頼性を有する光磁気
記録媒体が提供可能となることを見出した。
【0014】更に、この媒体に600nm以下の波長を
用いて記録再生を行ったところ、優れた記録再生特性を
示し、高密度の光情報記録再生が実現できることが明ら
かになった。本発明は、基板上に少なくとも、光磁気記
録層、反射層を有する光磁気記録媒体において、光磁気
記録層をキュリー温度が220℃以上のものとし、かつ
反射層が少なくともTiを含むAg合金からなることを
特徴とする光磁気記録媒体、及びその媒体に波長600
nm以下のレーザ光を用いて情報の記録再生を行うこと
を特徴とする光情報記録再生方法である。
【0015】以下に本発明を更に詳しく説明する。本発
明にて用いられる光磁気記録媒体の基板としては、ガラ
ス、ポリカーボネート等のプラスチック、あるいはガラ
ス上に光ヘッド案内用の溝付き樹脂を形成した基板など
が挙げられる。溝の深さ、及び間隔は使用する波長に合
わせて最適化、つまり波長が短くなるほど溝を浅くし、
間隔を細かくするのが好ましい。このような基板の複屈
折は、光磁気信号の品質を損なわないよう極力小さいこ
とが望ましい。また基板の厚みは1〜2mm程度が一般
的である。
【0016】本発明の光磁気記録層は波長600nm以
下のレーザ光を集光させてキューリー点まで加熱し、外
部磁気ヘッドを用いて熱磁気記録を行う層である。記録
が行われるためには、磁化軸が膜面に対して垂直に向か
なければならないので、光磁気記録層としては垂直磁気
異方性の大きいことが望ましい。再生は、波長600n
m以下のレーザ光(記録時のレーザ光より弱い光)を用
いてカー効果により行うものであるが、再生光の波長が
短くなって集光スポット径が小さくなると、単位面積当
りの光のエネルギー密度が高くなるため、再生光を照射
したときの光磁気記録層の温度は従来の800nm程度
の波長の場合よりも高くなりやすい。
【0017】光磁気記録層の温度が高くなると磁気カー
回転角が減少し、再生信号の出力が低下するが、低下の
割合は光磁気記録層のキュリー温度が低いほど著しい。
このため、光磁気記録層の物性を適切に調整する必要が
生ずる。従来の800nm程度の波長用の光磁気記録層
のキュリー温度は170℃程度であるが、この媒体に4
88nmの波長の光源で記録再生を行ったところ、記録
感度が極端に向上し、C/Nが低下する。
【0018】記録層の組成であるTb−Fe−CoのC
o濃度を増すことによってキュリー温度が上昇するが、
キューリー温度を220℃前後にすると記録感度が低下
し、C/Nが向上することが分かった。よって600n
m以下の波長の光を用いて記録再生を行うための光磁気
記録層の材料のキュリー温度としては220℃以上であ
ることが必須となる。
【0019】このような条件を満たす光磁気記録層とし
ては、3d遷移金属中のCo濃度が15原子%以上のT
b−Fe−Co非晶質合金、あるいは3d遷移金属中の
Co濃度が35原子%以上のNd−Tb−Fe−Co非
晶質合金等が挙げられる。3d遷移金属中のCo濃度の
上限は60原子%程度が望ましい。光磁気記録層の膜厚
は、レーザ光のパワーに対する記録感度、性能係数等を
考慮して使用する波長、及び反射層の光学定数に合わせ
て決定されなければならず、600nm以下の波長、A
gを主体とする反射層に合わせると光磁気記録層の膜厚
は30nm以下が好適である。
【0020】反射層は光磁気記録層を透過した光を反射
して再び光磁気記録層に戻す役割を担う。これにより光
の利用効率を高めると共に、反射率と磁気カー回転角が
増大し、性能係数が増大する。また、反射層の組成は光
磁気記録媒体の熱伝導性に影響を与える。現在商品化さ
れている800nm程度の波長に対応する光磁気ディス
クの反射層としてはアルミニウムあるいはアルミニウム
合金が使用されているのに対し、本発明ではTiを含む
Ag合金からなる反射層が使用されるのが特徴的であ
る。
【0021】反射層として、従来のアルミニウム、アル
ミニウム合金、あるいは金を用いると600nm以下の
波長で充分な性能係数を得ることができないが、Agを
主体とする反射層を用い、先に述べた220℃以上のキ
ュリー温度を持つ光磁気記録層と組み合わせることによ
り、はじめて良好な性能係数を得ることが可能になるこ
とが分かった。
【0022】これまでにも反射率の高い金属に着目し、
Au、Ag、Cu、Alを光磁気記録媒体の反射層に用
いるという特許が出願されている。(特開昭58−83
364号、特開昭59−132434号、特開昭59−
8150号、特開昭59−38781号等)これらの特
許の中で着目されている反射層の反射率は、空気から直
接反射層に光を入射した際の反射率である。
【0023】しかしながら、このような反射率が性能係
数にとって本質的でないことは次の点から明かである。
即ち、光磁気記録媒体の反射層における光の反射は光磁
気記録層と反射層の界面、あるいは、光磁気記録層と反
射層との間に設けた断熱層(干渉層)と反射層の界面
で、両者の光学定数の違いにより起こっており、空気と
反射層の界面での反射とは全く異なるからである。
【0024】また、Ag合金反射層の果たす役割につい
て詳細に検討した結果、Ag合金反射層によってもたら
される効果は高反射率を得ることよりは、むしろ光磁気
記録層のカー回転角を増大させる役割が大きいことが分
かった。例えば、従来のAl合金からなる反射層を使用
した場合と、本発明のAg合金を用いた場合の反射率、
カー回転角、性能係数を比較すると以下の表1のように
なり、Ag合金を用いたメリットは反射率ではなく、む
しろカー回転角であることが分かる。測定波長は500
nmである。
【0025】
【表1】 Ag合金を反射層に用いた場合に、カー回転角の増大が
著しく、結果として良好な性能係数が得られる理由は、
Agの屈折率nが600nm以下の波長においても0.
5以下の小さな値を示すためであることが光学定数を用
いたシミュレーションにより判明した。
【0026】また、他の高反射率金属である、Au、C
uにおいては、屈折率nが波長800nm付近では小さ
くAgと同等であるが、波長600nm以下の波長領域
ではAgよりもかなり大きくなり、0.5を超えるよう
になることが、光学定数の測定から判明した。更に、各
種金属、半導体の光学定数を測定したところ、600n
m以下の短波長領域で屈折率が0.5以下の小さい値を
示す元素はAgだけであることが分かった。
【0027】即ち、800nm程度の波長ではAg以外
のAu、Cu、Al等を主体とする反射層を用いても良
好な特性が得られるが、600nm以下の波長ではAg
を主体とする反射層を用いないと良好な特性が得られな
いということになる。また、Agを主体とする反射層は
220℃以上のキュリー温度を持つ光磁気記録層と組み
合わせることにより、はじめて600nm以下の波長で
良好な特性を示す。
【0028】800nm程度の波長に対応する光磁気媒
体は、記録感度を良好にする為に200℃以下、一般的
には170℃程度のキュリー温度を持つ光磁気記録層を
用いている。このような光磁気記録層とAgを主体とす
る反射層を組み合わせても、光磁気記録層が本来備える
磁気光学効果が小さいために、600nm以下の波長で
優れた性能係数を得ることが出来ない。
【0029】ところでAg単体は熱伝導度が高く、記録
感度が悪い上に、耐食性にも問題があるため、反射層に
そのまま応用するのは困難である。そこでAgの熱伝導
度低減と耐食性向上を鋭意検討した結果、Tiを含むA
g合金において、600nm以下の波長における屈折率
が0.5以下であること、熱伝導度が十分に低いこと、
及び耐食性に優れることが同時に実現することを見いだ
した。
【0030】反射層の熱伝導度の評価には注意を要す
る。光磁気記録媒体に用いられる反射層の厚みは数十n
m程度が一般的である。ところが、このような薄膜の熱
伝導率は、組成が同じバルクの場合と大きく異なること
が知られている。従って、バルク、あるいは厚膜の熱伝
導率を測定して、薄膜の熱伝導率を類推することは無意
味と言える。一方、数十nmの薄膜の熱伝導度を直接測
定することは、基板が薄膜に対して非常に厚く、基板に
よる熱伝導が大き過ぎるため、不可能である。
【0031】ところで、Agのような金属の熱伝導は自
由電子が担うとされている。また同時に、金属の自由電
子は金属中の電気伝導も担っている。よって、金属の熱
伝導度と電気伝導度が対応すると考えられる。実際、井
上敏氏らの編によるのアグネ最新元素周期表のデータを
もとに、各種金属元素の熱伝導度と電気伝導度の対応を
整理してみたところ、非常にきれいな比例関係が見られ
ることが分かった。つまり、金属薄膜の電気伝導度を測
定すれば、金属薄膜の熱伝導度を決定できるということ
である。
【0032】そこで、反射層薄膜をガラス基板上に作製
したものについて、4端子法により電気抵抗率を測定
し、電気伝導度から熱伝導度を決定した。ちなみに、1
00nm程度の厚みのAgの熱伝導度は周期表から得ら
れるバルクのAgの熱伝導度とはかなり異なる値を示し
た。Ag合金へのTiの添加濃度には最適範囲があるこ
とも見いだした。即ち、Ti濃度の増加に伴って屈折率
が増加し、Ti濃度が7.0原子%を超えると屈折率が
0.5を超えてしまう上に、逆にTi濃度が濃度が0.
4原子%未満の場合には熱伝導度の低下が十分でないこ
とが分かった。
【0033】耐食性向上に関しては、微量のTi添加で
も十分な効果が見られた。屈折率を0.5以下に保つた
めにはAg合金中のAg濃度を70原子%以上にしなけ
ればならない。反射層中のTi濃度は7.0原子%まで
であるから、Ag濃度を70原子%近くとする場合には
Ti以外の元素、例えば更に耐食性を向上させるような
Au、Pt、Rh、Cu等の一種又は複数種を添加して
もよい。
【0034】反射層の膜厚としては30nm〜100n
mが好ましい。干渉層は誘電体からなり、光を干渉させ
る層である。一般的には基板と光磁気記録層との間に設
けられ、基板と光磁気記録層と間で光を多重反射させ、
見かけ上の磁気カー回転角を増大させる役割、干渉効果
を担う。その厚みは使用する光の波長に合わせて変化さ
せなければ、充分な干渉効果が得られない。400nm
〜600nmの波長を考えると干渉層の厚みは20nm
〜55nmとするのが好適である。これは一次干渉点を
利用する場合であるが、二次干渉点を利用して干渉層の
厚みを120nm〜200nmとすることもできる。
【0035】また、基板と光磁気記録層の間に設けられ
る干渉層は基板と光磁気記録層との密着性を高める役
割、光磁気記録層と基板を断熱する役割、プラスチック
基板を通して侵入してくる水分から光磁気記録層を保護
する役割等を合わせ持つ。干渉層として用いられる材料
としては窒化シリコン、酸化タンタル、酸化シリコン、
酸化アルミニウム、酸化チタン、硫化亜鉛等やこれらの
混合物からなるアモルファス薄膜が一般的である。
【0036】誘電体からなる干渉層は、更に光磁気記録
層と反射層の間にも設けることができる。これにより更
に光の干渉効果を高め、磁気カー回転角を増大させるこ
とが可能である。ただし、600nm以下の波長の場
合、現行の800nm程度の波長に比べて干渉効果が大
きく、干渉効果による反射率の低減が著しい。
【0037】反射率が極端に低下するとトラッキングを
行うための信号が微弱になってしまう等の問題が生じ
る。従って、600nm以下の波長の光を用いる光磁気
記録媒体においては、光磁気記録層と反射層との間に誘
電体からなる干渉層を設けず、反射層を光磁気記録層に
接して設けるのがむしろ好ましい。
【0038】以上に述べた各層を環境から化学的、物理
的に保護する保護層としては、アクリル系の紫外線硬化
樹脂等、硬質性の材料を用いるのが好適であり、反射層
の上にスピンコート法により厚み2〜20μm程度塗布
した後、紫外線照射により硬化させて形成されるのが一
般的である。紫外線硬化樹脂等(有機物)からなる保護
層と反射層との間に、先に述べたような誘電体からなる
層を設けて、保護層としてもよい。
【0039】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をよ
り具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限
り、以下の実施例に限定されるものではない。 実施例1 基板としては厚さ1.2mmのガラス基板を用いた。基
板上に誘電体層として、酸化タンタル薄膜を反応性スパ
ッタリング法により形成した。
【0040】その後、その表面を高周波プラズマで5分
間エッチングし、表面を平滑化した。エッチング後の酸
化タンタル層の厚みが約35nmとなるように初期の膜
厚を設定した。次にこの酸化タンタル層の上にTb20
64Co16{数値は原子%で成分割合を示す、3d遷移
金属(Fe)中のCo濃度は20%}のアモルファス合
金、厚さ約20nmを直流マグネトロンスパッタリング
法により形成し、光磁気記録層とした。
【0041】Agターゲット上にTiチップを置いて直
流マグネトロンスパッタを行い、約50nmの反射層を
設けた。分析を行った結果、反射層の組成はTi1.1
原子%、Ag98.9原子%であった。反射層の上に保
護層として酸化タンタル層約40nmをスパッタリング
により設けた。更に紫外線硬化樹脂をスピンコートして
硬化させ、厚さ約3μmの有機物保護層を形成し、光磁
気記録媒体とした。
【0042】紫外線硬化樹脂を設けないこと以外は上と
同様の方法で作製したサンプルについて、温度を上昇さ
せながら磁気カーループの測定を行ったところ、220
℃においてもループは観測され、光磁気記録層のキュリ
ー温度は220℃以上であることが分かった。光源とし
て波長488nmのArレーザを用いた光磁気記録動特
性評価機により、光磁気記録媒体としての記録特性、再
生特性を評価した。記録条件、再生条件は以下の通りで
ある。
【0043】記録条件 線速10m/s 記録周波数2MHz duty50% 記録印加磁界を24kA/mとし、記録レーザパワーを
変化させた 再生条件 線速10m/s 再生レーザパワー1mW 記録パワーを0.5mWずつ変化させながらC/Nを測
定し、C/Nが立ち上がる記録パワー、PthとC/Nの
最大値を調べた結果を表2に示した。Pthが大きいほど
記録感度が悪いことを意味する。
【0044】実施例2 光磁気記録層をNd10Tb15Fe38Co37{数値は原子
%で成分割合を示す、3d遷移金属(Fe)中のCo濃
度は49%}アモルファス合金、厚さ約20nmとした
以外は実施例1と同様の方法で光磁気記録媒体を作製し
た。キュリー温度は220℃以上であった。実施例1と
同様にして記録特性、再生特性を評価した。結果を表2
に示した。
【0045】比較例1 光磁気記録層がTb20Fe74Co6{数値は原子%で成
分割合を示す、3d遷移金属(Fe)中のCo濃度は
7.5%}アモルファス合金、厚さ約20nmであるこ
と以外は実施例1と同様の方法で光磁気記録媒体を作製
した。キュリー温度は170℃程度であった。実施例1
と同様にして記録特性、再生特性を評価した。結果を表
2に示した。
【0046】比較例2 反射層をAg単体約50nmとした以外は、実施例1と
同様の方法で光磁気記録媒体を作製した。実施例1と同
様にして記録特性、再生特性を評価した。結果を表2に
示した。 比較例3 反射層をAl−Ta合金約50nmとした以外は、実施
例1と同様の方法で光磁気記録媒体を作製した。実施例
1と同様にして記録特性、再生特性を評価した。結果を
表2に示した。
【0047】
【表2】 表2より、実施例においては良好なC/Nが得られてお
り、記録感度にも問題が無いことが分かる。一方、比較
例1、3では記録感度は高いものの、C/Nが実施例に
比べてかなり劣ること、比較例2ではC/Nは高いが記
録感度が極端に悪いことが分かる。
【0048】上記の実施例、比較例に用いた反射層その
ものの耐食性を調べるために、紫外線硬化樹脂からなる
保護層を設けない以外は実施例、比較例と同様の方法で
作製したサンプルを85℃、湿度85%の高温高湿槽に
500時間保存した。腐食の発生を目視により観察した
ところ、比較例2に対応するサンプルのみに腐食の発生
が見られた。Ag単体の反射層の耐食性には問題があ
り、AgにTiを添加した反射層が耐食性向上に効果的
であることが分かる。
【0049】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明によれば、現
行よりも波長の短い600nm以下の波長に対応した高
性能の光磁気記録媒体を提供でき、600nm以下の波
長の光を用いた高記録密度の光磁気記録システムが実現
される。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に少なくとも、光磁気記録層、反
    射層を有する光磁気記録媒体において、光磁気記録層を
    キュリー温度が220℃以上のものとし、かつ反射層が
    少なくともTiを含むAg合金からなることを特徴とす
    る光磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 Ag合金に含有されるTi濃度が0.4
    原子%以上、7.0原子%以下の範囲にあり、かつAg
    合金中のAg濃度が70原子%以上であることを特徴と
    する請求項1に記載の光記録媒体。
  3. 【請求項3】 光磁気記録層の厚みが30nm以下であ
    ることを特徴とする請求項2に記載の光磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 光磁気記録層の反射層が設けられた側と
    は反対の側に、厚みが20nm以上、55nm以下であ
    る誘電体からなる光干渉層を設けたことを特徴とする請
    求項3に記載の光磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 光磁気記録層と反射層が接して設けられ
    ていることを特徴とする請求項4に記載の光磁気記録媒
    体。
  6. 【請求項6】 光磁気記録層が、3d遷移金属中のCo
    濃度が15原子%以上のTb−Fe−Co非晶質合金、
    あるいは、3d遷移金属中のCo濃度が35原子%以上
    のNd−Tb−Fe−Co非晶質合金であることを特徴
    とする請求項5に記載の光磁気記録媒体。
  7. 【請求項7】 請求項1の光磁気記録媒体に、波長60
    0nm以下のレーザ光を用いて記録再生を行うことを特
    徴とする光情報記録再生方法。
JP14926793A 1992-11-17 1993-06-21 光磁気記録媒体 Pending JPH076428A (ja)

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