JPH0764541B2 - 内面疎水型シリカゲルの製造方法 - Google Patents

内面疎水型シリカゲルの製造方法

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JPH0764541B2
JPH0764541B2 JP63207943A JP20794388A JPH0764541B2 JP H0764541 B2 JPH0764541 B2 JP H0764541B2 JP 63207943 A JP63207943 A JP 63207943A JP 20794388 A JP20794388 A JP 20794388A JP H0764541 B2 JPH0764541 B2 JP H0764541B2
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【発明の詳細な説明】 (技術分野) 本発明は、内面疎水型シリカゲルの製造方法に係り、特
にシリカゲルの細孔内部が疎水性とされる一方、その外
表面が親水性とされた、液体クロマトグラフィー用カラ
ム充填剤等として有用な内面疎水型シリカゲルを容易に
製造することのできる方法に関するものである。
(背景技術) この種の内面疎水型(逆相型)充填剤は、その内面たる
細孔内部に疎水性基が導入され、また外表面には親水性
基が導入された複合構造を有しているところから、この
ような内面疏水型充填剤を用いて試料の分離分析を行な
った場合に、分子量の大きなタンパク質のような分子
は、かかる充填剤の立体的に小さな細孔内部に侵入する
ことができないため、細孔内部の疎水性基による疎水性
相互作用を受けることなく直ちにカラムから溶出される
一方、比較的低分子量の小さな分子は細孔内部に侵入で
き、その細孔内部の疎水性の環境によって、通常のC18
型充填剤と同様に、疎水性相互作用によって保持される
こととなる。
つまり、試料分子の認識能は、充填剤の細孔内部に試料
分子が侵入できるかどうかによって決定されるのであ
り、この内面疎水型の充填剤の細孔の大きさを適宜に設
定することによって、一般のC18型充填剤では分析前に
吸着されてしまうようなタンパク質等の高分子を、事前
に除去する必要がなくなるのである。それ故、このよう
な内面疎水型充填剤を用いれば、タンパク質等を含む試
料を前処理することなく分析することが可能となるので
ある。
ところで、このような内面疎水性型充填剤の合成手法と
しては、従来から、特開昭61−65159号公報に示される
如き、酵素を用いて充填剤の外表面の疎水基を分解する
方法や、特開昭62−158113号公報に示されている如き、
プラズマ処理によって充填剤の外表面の疎水性基を脱離
せしめて、目的とする充填剤を得る方法等が、提案され
ている。
しかしながら、前者の手法では、充填剤の疎水性基の分
解に酵素反応が用いられることとなるところから、反応
速度の遅い酵素反応の故に合成時間が長くなることが避
けられず、また、使用すべき酵素が高価であったり、更
には、シリカゲルの表面に導入された官能基を分解する
ことのできる酵素が存在しなければ、外表面の疎水性基
を分解処理出来ないために、固定相の種類に限界がある
等、その合成に多くの制約を受けるという問題が存在す
るのである。
また、後者のプラズマを使用する合成方法においては、
高いエネルギーを有するプラズマを用いることから、充
填剤外表面のシリル化剤分子の分解の他に、分子の再結
晶の可能性があり、効率的且つ選択的な分子の切断は困
難と推定され、充填剤の外表面から疎水性基を均一に剥
離するためには繰り返しの反応が必要であると考えられ
るのであり、更には、プラズマを使用するには減圧等の
条件が必要となって、結局、内面疎水型の充填剤を合成
する際の製造行程が煩雑になってしまうという問題を内
在してしる。
以上の理由から、上記した従来法に代わる、内面逆相型
充填剤のより簡易な合成方法の出現が、望まれているの
である。
(解決課題) ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景にして為さ
れたものであって、その解決課題とするところは、前述
の如き内面疎水型のシリカゲルを、幅広く、しかもより
簡単に得られるようにすることにある。
(解決手段) そして、本発明は、上述の如き課題解決のために、細孔
を有する多孔性シリカゲルの内外面に、所定のシリル化
剤との反応によって疎水性有機基を結合せしめた後、該
多孔性シリカゲルを酸性媒体中で処理することにより、
かかる多孔性シリカゲルの外表面に結合する疎水性有機
基を分解除去することを特徴とする内面疎水型シリカゲ
ルの製造方法を、その要旨とするものである。
(具体的構成) ところで、かかる本発明手法に従って、内面のみが疎水
化せしめられるシリカゲルとしては、通常の、細孔を有
する多孔性のシリカゲルが用いられ、またその細孔の孔
径は、例えば、分析しようとする試料に含まれて分析に
有害なタンパク質等の高分子が入り込まない大きさにな
るように、適宜に選定されることとなる。
そして、そのようなシリカゲルに対して、その内外面
に、所定のシリル化剤との反応によって疎水性有機基が
結合せしめられるのである。なお、このシリカゲルに結
合、導入される疎水性有機基としては、シリカゲルの使
用目的等に応じて適宜選択され、例えば、液体クロマト
グラフィー用のカラム充填剤等として用いる場合には、
プロピル基、オクチル基、オクタデシル基等のアルキル
基、シアノプロピル基等のシアノアルキル基、或いはア
ミノプロピル基等のアミノアルキル基などが挙げられ
る。また、そのような疎水性有機基を与えるシリル化剤
としては、公知の各種のものが採用可能であり、その反
応条件も、選択されたシリル化剤に応じて適宜に決定さ
れる。
次いで、この内外面に疎水性有機基が結合せしめられた
シリカゲルに対して、酸性媒体中、一般には酸水溶液中
における処理操作が施され、かかるシリカゲルの外表面
に結合する疎水性有機基が加水分解されて、除去せしめ
られるのである。なお、この酸性媒体処理に用いられる
酸としては、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、燐酸の如き鉱
酸(無機酸)などが挙げられ、また必要に応じて、その
ような酸性媒体には、シリカゲルとの親和性を高めるた
めに、水と共に、メタノール等の溶媒が混入されること
となる。また、かかる加水分解の処理手法としては、例
えば、激しい撹拌の下での濃い酸水溶液を用いた還流操
作が採用されることとなる。
このように、単なる酸性媒体中での処理という非常に簡
単な処理操作を施すことで、シリカゲルの外表面の疎水
性基のみが選択的に加水分解せしめられ得るのであり、
しかも、酵素のように分解されるべき疎水性基を選ぶこ
ともなく、以て、内面が疎水性であり、外面が親水性で
ある内面疎水型(逆相型)のシリカゲルを、容易に且つ
幅広く製造することが可能になったのである。
そして、この加水分解処理の後、更に必要に応じて、シ
リカゲルの外表面の親水性基(シラノール基)に、ジオ
ール基等を有する親水性基が導入されることによって、
充填剤の外表面における親水性がより高められるのであ
る。
(実施例) 以下に、本発明の幾つかの実施例を示し、本発明を更に
具体的に明らかにすることとするが、本発明が、そのよ
うな実施例の記載によって、何等の制約をも受けるもの
でないことは、言うまでもないところである。
また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には上記
の具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限り
において、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修
正、改良等を加え得るものであることが、理解されるべ
きである。
なお、以下に示される部及び百分率は、特に断りのない
限り、重量を基準とするものである。
実施例 1 予め、通常の多孔性シリカゲルを6Nの塩酸で洗浄した
後、このシリカゲルに、20mmHgの減圧下において、150
℃で3時間の間、加熱減圧乾燥を行なった。なお、この
シリカゲルの平均細孔径は110Åであった。
次いで、このシリカゲル:10部に対して、オクタデシル
ジメチルクロロシラン:10部を、ピリジン:3部を触媒と
して、トルエン中で、6時間、還流することによって、
前記シリカゲルの内外面(細孔内面および外表面)の全
面にオクタデシル基(オクタデシルジメチルシリル基)
が導入された、ODS(オクタデシルジメチルシリル化)
シリカ(C18型充填剤)を合成した。
そして、この得られたODSシリカ:1gに対して、メタノー
ル:6Nの各種鉱酸水溶液=70容量%:30容量%の混合溶液
が20mlとなる割合で、かかるシリカゲルを該混合溶液中
に投入し、1〜5時間の処理時間において、加熱温度:1
00℃の下で、激しく撹拌(約1000rpm)しながら、それ
ぞれ還流操作を施して、加水分解反応を行なった。な
お、6Nの鉱酸としては、塩酸、硝酸、硫酸を使用した。
その後、この加水分解されたシリカゲル:10部と3−グ
リシドオキシプロピルトリメトキシシラン:9部とを、水
を溶媒として混合せしめて、5時間の還流操作を実施し
て反応せしめ、加水分解されたシリカゲルに生じたシラ
ノール基にジオール基を有する有機基を導入した。
そして、それら加水分解時間および使用酸触媒を異にし
て得られた各種のシリカ充填剤を、液体クロマトグラフ
のカラムに充填した後、メタノール:水=60:40(容量
比)の溶媒を移動相として、各種のシリカ充填剤におけ
るトルエンのキャパシティー比:k′をそれぞれ測定し、
第1図に、その結果を示した。
なお、カラムは、内径:4.6mm、長さ:150mmのステンレス
スチール製のカラムを用い、充填剤のカラムへの充填方
法は、湿式充填法を採用した。
また、液体クロマトグラフシステムは、島津LC−6A型送
液ポンプ、Reodyne7125型ループインジェクター、島津S
PD−6A型UV検出器、島津CR−5A型データ処理器から構成
され、また、クロマトグラフィ操作は30℃に保温した状
態で行なわれた。
かかる第1図の結果から、加水分解反応の時間の経過に
従い、シリカ充填剤におけるトルエンの保持の大きさを
表わすk′の値が減少することから、充填剤のアルキル
シリル化剤(オクタデシルジメチルシリル基)が加水分
解されていることが分かった。また、加水分解の速度
は、塩酸を触媒に使用した時が最も早く、以下、硝酸、
硫酸の順に加水分解速度は低下する傾向が見られた。
実施例 2 先ず、多孔性のシリカゲルを6N塩酸で洗浄した後、この
シリカゲルに、20mmHgの減圧下において、150℃で3時
間、加熱減圧乾燥を実施した。なお、このシリカゲル
は、粒径:約5μm、細孔径:約60Åであり、窒素吸着
法(BET法)による測定の結果、下記第1表に示される
物性を示した。また、ゲル浸透クロマトグラフィーの検
量線から算出された試料分子の排除限界は、分子量約20
000程度と推定された。
次いで、このシリカゲル:10部に対して、オクタデシル
ジメチルクロロシラン:13部を用いて、3部のピリジン
を触媒として、トルエン中で、6時間、還流することに
よって、かかるシリカゲルの内外面にオクタデシル基
(オクタデシルジメチルシリル基)を導入し、ODSシリ
カを合成した。
そして、このように合成されたODSシリカ:1gに対して、
11N塩酸:20mlの割合で、それらを混和せしめ、加熱温
度:100℃にて、激しく撹拌(約1000rpm)しながら還流
し、第2図に示される各種時間において加水分解を行な
った。
その後、かかる加水分解操作の施された各シリカゲル:1
0部に対して、3−グリシドオキシプロピルシラン:9部
を用い、それらを、水を溶媒として混和せしめ、5時間
の還流操作により反応させることにより、加水分解にて
形成された、かかるシリカゲルの外表面のシラノール基
に、ジオール基を有する有機基を導入した。
そして、これらのシリカゲルの反応時間による加水分解
の反応状況を調べるために、4つの物質(トルエン、ベ
ンゼン、メチルベンゾエート、アセトフェノン)を用い
てキャパシティー比:k′を測定し、その結果を第2図に
示した。なお、移動相やカラム、測定装置等は、前記実
施例1と同様である。
かかる第2図の結果から、k′の値は、何れも5時間ま
でに速やかに低下し、その後非常に僅かずつ低下してい
ることが分かり、シリカゲル(充填剤)の加水分解反応
は、ほぼ5時間以内に大部分が完了しているものと考え
られた。
実施例 3 実施例2において得られた、オクタデシル基が内外面に
導入されたシリカゲル、長時間の加水分解処理が施され
て、外表面部のオクタデシル基が分解除去されたシリカ
ゲル、オクタデシル基が除去された外表面部にジオール
基が導入されたシリカゲルの、それぞれの炭素の含有率
を測定した結果、下記第2表の結果が得られた。
この結果、加水分解反応が完了した後にも、かなりの炭
素が残存していることから、シリカゲルの細孔内に、オ
クタデシル基が加水分解されずに残されていることが考
察できる。
実施例 4 実施例2において得られた、5時間の加水分解の後にジ
オール基が導入されたシリカゲルを用いて、かかる充填
剤のクロマトグラフィ的評価を行ない、その結果を第3
図(a)に示した。なお、その評価方法としては、血清
中の薬物を分析する場合を想定し、タンパク質として牛
血清アルブミン、低分子量の薬物のモデル試料としてテ
オブロミン及びテオフィリンを使用し、これらを充填カ
ラムに同時に注入することで、分析、評価した。また、
比較のために、C18型充填剤、およびタンパク質のゲル
浸透クロマトグラフィ分析に使用されるジオール充填剤
を用いて、同様の分析を行ない、これらの結果を、それ
ぞれ、第3図(b)及び(c)に示した。
なお、移動相としては、メタノール:緩衝液=10:90
(容量比)の溶液(但し、緩衝液は、0.2Mの硫酸ナトリ
ウムを含む、pHが7である0.01Mリン酸緩衝液である)
が用いられ、カラムや測定装置等は、前記実施例1と同
様のものが使用された。
また、C18型充填剤は、シリカゲルにオクタデシル基を
導入後、更にトルエン中にて、トリメチルクロロシラン
と5時間還流して得られた充填剤であり、ジオール充填
剤は、シリカゲルの内外面に、2,3−ジビドロキシプロ
ポキシプロピル基を導入して得られた充填剤である。
かくの如き分析の結果、第3図(b)に示されるC18
充填剤のクロマトグラムにおいては、タンパク質を表わ
すピークが見られないことから(左の大きなピークは、
アルブミンに含まれる塩類である)、タンパク質は充填
剤の疎水性の外表面にゲル化されたものと考えられた。
また、第3図(c)に示されるジオール充填剤のクロマ
トグラムにおいては、充填剤の内外面が親水性であり、
その表面に試料物質を固定することが困難なため、試料
物質が分離されていないのである。
これに対して、本発明に従う手法によって製造されたシ
リカゲルにおいては、第3図(a)に示されるように、
テオブロミンおよびテオフィリンとも良好に分離し、牛
血清アルブミンに対してもジオール充填剤と同程度のピ
ーク面積を示し、充填剤から良好に回収されることを示
している。従って、この充填剤は、外表面は親水性で、
細孔内部が疎水性である内面疎水型の充填剤であること
が確認された。
なお、第3図(a)及び(b)において、中央のピーク
がテオブロミンを表わし、右のピークがテオフィリンを
表している。
(発明の効果) 以上の説明から明らかなように、本発明に従うシリカゲ
ルの製造方法によれば、内面疎水型のシリカゲルを、従
来の手法に比べて、非常に簡易な処理にて、しかも分解
すべき疎水性有機基を選ばずに、幅広く製造することが
できるようになったのであり、そこに、本発明の大きな
工業的意義が存在するのである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、塩酸、硝酸、硫酸の3種類の酸に関して、オ
クタデシルジメチルシリル基の加水分解の進行具合を表
わすトルエンのキャパシティー比:k′の、時間による変
化を示すグラフであり、第2図は、塩酸を触媒とした時
の、オクタデシルジメチルシリル基の加水分解の進行具
合を表わす、各物質のキャパシティー比:k′の時間によ
る変化を示すグラフであり、更に、第3図(a)は、内
面疎水型のシリカゲルを、第3図(b)は、C18型シリ
カゲルを、そして第3図(c)は、ジオール型シリカゲ
ルを、充填剤として用いた時の、牛血清アルブミン、テ
オブロミン及びテオフィリンのクロマトグラムである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】細孔を有する多孔性シリカゲルの内外面
    に、所定のシリル化剤との反応によって疎水性有機基を
    結合せしめた後、該多孔性シリカゲルを酸性媒体中で処
    理することにより、かかる多孔性シリカゲルの外表面に
    結合する疎水性有機基を分解除去することを特徴とする
    内面疎水型シリカゲルの製造方法。
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