JPH0767666A - フェレドキシン及びフェレドキシン還元酵素を同時に発現させるキメラp450産生菌株 - Google Patents
フェレドキシン及びフェレドキシン還元酵素を同時に発現させるキメラp450産生菌株Info
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- JPH0767666A JPH0767666A JP6190653A JP19065394A JPH0767666A JP H0767666 A JPH0767666 A JP H0767666A JP 6190653 A JP6190653 A JP 6190653A JP 19065394 A JP19065394 A JP 19065394A JP H0767666 A JPH0767666 A JP H0767666A
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- chimeric
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
Landscapes
- Enzymes And Modification Thereof (AREA)
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】N末端のミクロソームへの局在化シグナル配列
とC末端の成熟型のミトコンドリア型P450からなる
キメラP450、フェレドキシン及びフェレドキシン還
元酵素を同時に発現させるプラスミドおよびN末端のミ
クロソームへの局在化シグナル配列とC末端の成熟型の
ミトコンドリア型P450からなるキメラP450、フ
ェレドキシン及びフェレドキシン還元酵素を同時に発現
する酵母菌株。 【効果】本発明により、キメラP450はミクロソーム
画分に存在し、また酵母ミクロソーム膜上でADRから
ADXを経てキメラP450という電子伝達系を構築す
ることに成功した。したがって、本発明プラスミドを保
持する酵母菌株をステロイド化合物や活性型ビタミンD
3 などの水酸化反応に1ステップで行うことができる簡
便なバイオリアクターとして利用できる。特に、菌体培
養液中に基質を添加し、一定時間後に有機溶媒等で抽出
することにより容易に反応産物を回収することができる
ため、バイオリアクターとして有用である。
とC末端の成熟型のミトコンドリア型P450からなる
キメラP450、フェレドキシン及びフェレドキシン還
元酵素を同時に発現させるプラスミドおよびN末端のミ
クロソームへの局在化シグナル配列とC末端の成熟型の
ミトコンドリア型P450からなるキメラP450、フ
ェレドキシン及びフェレドキシン還元酵素を同時に発現
する酵母菌株。 【効果】本発明により、キメラP450はミクロソーム
画分に存在し、また酵母ミクロソーム膜上でADRから
ADXを経てキメラP450という電子伝達系を構築す
ることに成功した。したがって、本発明プラスミドを保
持する酵母菌株をステロイド化合物や活性型ビタミンD
3 などの水酸化反応に1ステップで行うことができる簡
便なバイオリアクターとして利用できる。特に、菌体培
養液中に基質を添加し、一定時間後に有機溶媒等で抽出
することにより容易に反応産物を回収することができる
ため、バイオリアクターとして有用である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、N末端のミクロソーム
への局在化シグナル配列とC末端の成熟型のミトコンド
リア型P450からなるキメラP450に関する。さら
に具体的には、ミクロソームへの局在化シグナルと考え
られているウシ副腎P45017αのN末端15アミノ酸
残基からなるシグナル配列と501アミノ酸からなる成
熟型ラット肝ミトコンドリアP450C25 からなるキメ
ラ体P450、フェレドキシン及びフェレドキシン還元
酵素を同時に酵母内で大量生産させる発現プラスミドに
関する。さらに、N末端のミクロソームへの局在化シグ
ナル配列とC末端の成熟型のミトコンドリア型P450
からなるキメラP450、フェレドキシン及びフェレド
キシン還元酵素を同時に発現する酵母菌株に関する。
への局在化シグナル配列とC末端の成熟型のミトコンド
リア型P450からなるキメラP450に関する。さら
に具体的には、ミクロソームへの局在化シグナルと考え
られているウシ副腎P45017αのN末端15アミノ酸
残基からなるシグナル配列と501アミノ酸からなる成
熟型ラット肝ミトコンドリアP450C25 からなるキメ
ラ体P450、フェレドキシン及びフェレドキシン還元
酵素を同時に酵母内で大量生産させる発現プラスミドに
関する。さらに、N末端のミクロソームへの局在化シグ
ナル配列とC末端の成熟型のミトコンドリア型P450
からなるキメラP450、フェレドキシン及びフェレド
キシン還元酵素を同時に発現する酵母菌株に関する。
【0002】
【従来の技術】以下、本明細書で用いるキメラ体P45
0という言葉は、N末端のミクロソームへの局在化シグ
ナル配列と、C末端の成熟型のミトコンドリア型P45
0からなるP450を意味する。P450は微生物から
哺乳動物にいたるまで広く生物界に存在するヘムタンパ
ク質であり、電子伝達系の末端酵素として種々の脂溶性
化合物を基質として1原子酸素添加反応を触媒する。電
子伝達系の末端酵素であるP450は分子種が多様であ
り、それぞれが異なる基質特異性を示すので、非常に広
範囲の脂溶性化合物を水酸化することができる。哺乳動
物のP450依存性電子伝達系はその構成酵素から、ミ
クロソーム型とミトコンドリア型に分けられる。前者で
は、フラビンアデニンジヌクレオチドとフラビンモノヌ
クレオチドを分子内に補酵素として含有するNADPH
−チトクロムP450還元酵素(還元酵素)がNADP
Hからの電子をP450へ供給し、後者では、フラビン
アデニンジヌクレオチドを補酵素として分子内に含有す
るNADPH−フェレドキシン還元酵素、および、非ヘ
ム鉄を補酵素として分子内に含有するフェレドキシンが
NADPHからの電子をP450へ供給することによ
り、種々の脂溶性基質に対して水酸化反応を触媒する。
0という言葉は、N末端のミクロソームへの局在化シグ
ナル配列と、C末端の成熟型のミトコンドリア型P45
0からなるP450を意味する。P450は微生物から
哺乳動物にいたるまで広く生物界に存在するヘムタンパ
ク質であり、電子伝達系の末端酵素として種々の脂溶性
化合物を基質として1原子酸素添加反応を触媒する。電
子伝達系の末端酵素であるP450は分子種が多様であ
り、それぞれが異なる基質特異性を示すので、非常に広
範囲の脂溶性化合物を水酸化することができる。哺乳動
物のP450依存性電子伝達系はその構成酵素から、ミ
クロソーム型とミトコンドリア型に分けられる。前者で
は、フラビンアデニンジヌクレオチドとフラビンモノヌ
クレオチドを分子内に補酵素として含有するNADPH
−チトクロムP450還元酵素(還元酵素)がNADP
Hからの電子をP450へ供給し、後者では、フラビン
アデニンジヌクレオチドを補酵素として分子内に含有す
るNADPH−フェレドキシン還元酵素、および、非ヘ
ム鉄を補酵素として分子内に含有するフェレドキシンが
NADPHからの電子をP450へ供給することによ
り、種々の脂溶性基質に対して水酸化反応を触媒する。
【0003】本発明者らはすでに、数種のミクロソーム
型P450及び還元酵素を酵母内で生産させ、それらの
組換え体酵母菌株を用いることにより、工業的に有用な
水酸化反応を行うことに成功した。すなわち、ラット肝
P450c 遺伝子、ウシ副腎P45017α遺伝子やP4
50c21 遺伝子をそれぞれ単離し、これらの遺伝子を含
む発現プラスミドを作製し、これら発現プラスミドで酵
母を形質転換することにより、該酵素を産生する酵母菌
株を得た(特開昭61−56072、特開平1−473
80、特開平2−31680)。これらの酵母菌株はそ
れぞれのP450分子種に依存した1原子酸素添加活性
を示した。また、ラット肝還元酵素遺伝子や酵母還元酵
素遺伝子を単離し、P450還元能を有する該酵素の酵
母内発現に成功した(特開昭62−19085、特開平
2−51525)。さらに、発明者らは、P450と還
元酵素の両酵素を産生する酵母菌株(特開昭62−10
4582)や両酵素の機能を1分子内に併せ持つ新規モ
ノオキシゲナーゼの作出に成功した(特開昭63−44
888、特開平2−23870、特願平1−7125
0)。こうした技術により、本発明者らはこれらP45
0産生酵母菌株を用いて、医薬品として有用なアセトア
ミノフェンやステロイドホルモン中間体の製造を可能に
した。
型P450及び還元酵素を酵母内で生産させ、それらの
組換え体酵母菌株を用いることにより、工業的に有用な
水酸化反応を行うことに成功した。すなわち、ラット肝
P450c 遺伝子、ウシ副腎P45017α遺伝子やP4
50c21 遺伝子をそれぞれ単離し、これらの遺伝子を含
む発現プラスミドを作製し、これら発現プラスミドで酵
母を形質転換することにより、該酵素を産生する酵母菌
株を得た(特開昭61−56072、特開平1−473
80、特開平2−31680)。これらの酵母菌株はそ
れぞれのP450分子種に依存した1原子酸素添加活性
を示した。また、ラット肝還元酵素遺伝子や酵母還元酵
素遺伝子を単離し、P450還元能を有する該酵素の酵
母内発現に成功した(特開昭62−19085、特開平
2−51525)。さらに、発明者らは、P450と還
元酵素の両酵素を産生する酵母菌株(特開昭62−10
4582)や両酵素の機能を1分子内に併せ持つ新規モ
ノオキシゲナーゼの作出に成功した(特開昭63−44
888、特開平2−23870、特願平1−7125
0)。こうした技術により、本発明者らはこれらP45
0産生酵母菌株を用いて、医薬品として有用なアセトア
ミノフェンやステロイドホルモン中間体の製造を可能に
した。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一方、ミトコンドリア
型P450に関しては、ミトコンドリア型P450分子
種であるラット肝P450c25 依存性の1原子酸素添加
活性を発揮する酵母菌株を創製した(特願2−2582
62)。 しかし、ラット肝P450c25 依存性の1原
子酸素添加活性を発揮する酵母菌株におけるP450c2
5 産生量は低く、菌体当たりの活性が低かったため、本
発明者らは、さらに大量にP450c25 を産生する酵母
菌株を創製することを目的とした。さらに、ラット肝P
450c25 依存性の1原子酸素添加活性発現にはP45
0c25 の他、ウシ副腎アドレノドキシン(以下、ADX
と略す)およびウシ副腎アドレノドキシン還元酵素(以
下、ADRと略す)の2酵素が必要である。そこで本発
明者らは、1ステップの1原子酸素添加活性発現のバイ
オリアクターの作出を試みた。
型P450に関しては、ミトコンドリア型P450分子
種であるラット肝P450c25 依存性の1原子酸素添加
活性を発揮する酵母菌株を創製した(特願2−2582
62)。 しかし、ラット肝P450c25 依存性の1原
子酸素添加活性を発揮する酵母菌株におけるP450c2
5 産生量は低く、菌体当たりの活性が低かったため、本
発明者らは、さらに大量にP450c25 を産生する酵母
菌株を創製することを目的とした。さらに、ラット肝P
450c25 依存性の1原子酸素添加活性発現にはP45
0c25 の他、ウシ副腎アドレノドキシン(以下、ADX
と略す)およびウシ副腎アドレノドキシン還元酵素(以
下、ADRと略す)の2酵素が必要である。そこで本発
明者らは、1ステップの1原子酸素添加活性発現のバイ
オリアクターの作出を試みた。
【0005】
【課題を解決するための手段】ラット肝P450c25
は、533アミノ酸からなる前駆体として細胞質で合成
されたのち、ミトコンドリアに輸送される。その際、ミ
トコンドリアのシグナルとして機能するアミノ末端部分
の32アミノ酸が除去され、501アミノ酸からなる成
熟型P450c25 (分子量約57kD)がミトコンドリ
ア膜に局在する。一方、P45017αはウシ副腎ミクロ
ソームの酵素で、N末端の疎水性アミノ酸配列がミクロ
ソームへの局在化シグナルとして機能する。そこで、本
発明者らは、本来ミトコンドリアに存在する酵素をミク
ロソームに局在化させることにより酵母内での産生量を
上昇させることを目的として、ラット肝P450c25 の
ミトコンドリア移行シグナル部分をミクロソーム膜への
挿入のためのシグナルと考えられるウシ副腎P45017
αのN末端15アミノ酸に置換したキメラP450c25
を酵母で発現させるプラスミドを構築した。また、キメ
ラP450c25 、ADXおよびADRがミクロソーム膜
上で電子伝達系を構築し、モノオキシゲナーゼ活性を発
揮することを目的としてキメラP450c25 、成熟型A
DXおよび成熟型ADRの3酵素を同時に発現するプラ
スミドを構築した。その際、同一のプロモーター、ター
ミネーターを用いると酵母の継代培養中にプラスミド内
での組み換えが起こることから、3酵素を別々のプロモ
ーター、ターミネーターにより発現させた。
は、533アミノ酸からなる前駆体として細胞質で合成
されたのち、ミトコンドリアに輸送される。その際、ミ
トコンドリアのシグナルとして機能するアミノ末端部分
の32アミノ酸が除去され、501アミノ酸からなる成
熟型P450c25 (分子量約57kD)がミトコンドリ
ア膜に局在する。一方、P45017αはウシ副腎ミクロ
ソームの酵素で、N末端の疎水性アミノ酸配列がミクロ
ソームへの局在化シグナルとして機能する。そこで、本
発明者らは、本来ミトコンドリアに存在する酵素をミク
ロソームに局在化させることにより酵母内での産生量を
上昇させることを目的として、ラット肝P450c25 の
ミトコンドリア移行シグナル部分をミクロソーム膜への
挿入のためのシグナルと考えられるウシ副腎P45017
αのN末端15アミノ酸に置換したキメラP450c25
を酵母で発現させるプラスミドを構築した。また、キメ
ラP450c25 、ADXおよびADRがミクロソーム膜
上で電子伝達系を構築し、モノオキシゲナーゼ活性を発
揮することを目的としてキメラP450c25 、成熟型A
DXおよび成熟型ADRの3酵素を同時に発現するプラ
スミドを構築した。その際、同一のプロモーター、ター
ミネーターを用いると酵母の継代培養中にプラスミド内
での組み換えが起こることから、3酵素を別々のプロモ
ーター、ターミネーターにより発現させた。
【0006】
【発明の効果】発現された、ほとんどのキメラP450
c25 はミクロソーム画分に存在した。従って、P450
17α由来のN末端15アミノ酸残基が酵母内でミクロソ
ーム膜へのシグナルの役割を果たし、本来はミトコンド
リアの膜蛋白であるP450c25 を酵母ミクロソームで
発現させることに成功した。また、キメラP450c25
産生量は菌体当たり約2×105 分子であり、シグナル
の置換によりP450c25 の産生量を約10倍上昇させ
ることができた。さらに、ミクロソーム画分は、ADX
とADRを添加することにより、THC、ビタミンD3
、1α−ヒドロキシビタミンD3 に対し、高い水酸化
活性を示した。特に、1α−ビタミンD3 に対する水酸
化活性は元の501アミノ酸からなる成熟型P450C2
5 よりもはるかに高く、15アミノ酸残基の付加がP4
50C25 の膜における存在状態を変化させ、活性を上昇
させたと思われる。また、キメラP450C25 、ADX
およびADRの同時発現株はモノオキシゲナーゼ活性を
発揮しているので、本発明者らは、酵母ミクロソーム膜
上でADRからADXを経てキメラP450C25 という
電子伝達系を構築することに成功した。従って、この菌
株をステロイド化合物や活性型ビタミンD3 などの水酸
化反応に1ステップで行うことができる簡便なバイオリ
アクターとして利用できる。特に、菌体培養液中に基質
を添加し、一定時間後に有機溶媒等で抽出することによ
り容易に反応産物を回収することができるため、バイオ
リアクターとして有用である。
c25 はミクロソーム画分に存在した。従って、P450
17α由来のN末端15アミノ酸残基が酵母内でミクロソ
ーム膜へのシグナルの役割を果たし、本来はミトコンド
リアの膜蛋白であるP450c25 を酵母ミクロソームで
発現させることに成功した。また、キメラP450c25
産生量は菌体当たり約2×105 分子であり、シグナル
の置換によりP450c25 の産生量を約10倍上昇させ
ることができた。さらに、ミクロソーム画分は、ADX
とADRを添加することにより、THC、ビタミンD3
、1α−ヒドロキシビタミンD3 に対し、高い水酸化
活性を示した。特に、1α−ビタミンD3 に対する水酸
化活性は元の501アミノ酸からなる成熟型P450C2
5 よりもはるかに高く、15アミノ酸残基の付加がP4
50C25 の膜における存在状態を変化させ、活性を上昇
させたと思われる。また、キメラP450C25 、ADX
およびADRの同時発現株はモノオキシゲナーゼ活性を
発揮しているので、本発明者らは、酵母ミクロソーム膜
上でADRからADXを経てキメラP450C25 という
電子伝達系を構築することに成功した。従って、この菌
株をステロイド化合物や活性型ビタミンD3 などの水酸
化反応に1ステップで行うことができる簡便なバイオリ
アクターとして利用できる。特に、菌体培養液中に基質
を添加し、一定時間後に有機溶媒等で抽出することによ
り容易に反応産物を回収することができるため、バイオ
リアクターとして有用である。
【0007】以下、本発明をさらに詳細に説明する。本
発明のキメラP450がN末端に有するミクロソームへ
の移行シグナルとしては、ウシ副腎P45017αに限ら
ず、他のミクロソーム型P450の移行シグナルを用い
ることが可能である。さらに、本発明のキメラP450
がC末端に有する成熟型のミトコンドリア型P450と
しては、ラット肝P450c25 に限らず、他のミトコン
ドリア型P450を用いることが可能である。また、本
発明のウシ副腎P45017αおよびラット肝P450c2
5 をコードするcDNAはすでに公知であり、通常の操
作法でこれを単離することができる。本発明のキメラP
450c25 を発現する発現プラスミドはウシ副腎P45
017αのN末端アミノ酸配列に相当するcDNAを合成
し、成熟型ラット肝P450c25 をコードするcDNA
領域と連結した後、遺伝子を酵母アルコール脱水素酵素
(以下、ADHと略す。)遺伝子のプロモーターおよび
同ターミネーターを保持する酵母発現ベクターpAAH
5(Methods in Enzymology, 101, partC, p192-201 )
に挿入し構築することができる。また、この発現プラス
ミド上に成熟型ADRおよび成熟型ADXの発現ユニッ
トを挿入することにより、3酵素を同時に発現させるた
めのプラスミドを構築することができる。ただし、プロ
モーターおよびターミネーターはADHに限定されず、
酵母内で効率的に機能するものであればよい。また、3
酵素を同時に発現させるプラスミドのプロモーターおよ
びターミネーターは同一でなく、それぞれ異なっている
ほうが好ましい。その理由は、継代培養した場合、プラ
スミド上での組み換えば起こる可能性が低いからであ
る。また、3酵素の発現ユニットへの挿入位置、挿入方
向はそれぞれ酵素の発現量にほとんど影響を与えない。
宿主として酵母を用いることが好ましいが、さらに酵母
サッカロミセス・セレビシエAH22株が、望ましい。
キメラP450c25 遺伝子を含む発現プラスミドあるい
は3酵素同時発現プラスミドによる宿主酵母の形質転換
は、アルカリ金属(LiCl)を用いる方法、プロトプ
ラスト法など公知の方法で行うことができる。本発明に
より得られる形質転換酵母の培養は通常のグルコース、
窒素源などを含む培地において通常の培養方法により行
うことができる。このようにして得られた形質転換酵母
菌体を培養することによりキメラP450c25 を製造す
ることができる。
発明のキメラP450がN末端に有するミクロソームへ
の移行シグナルとしては、ウシ副腎P45017αに限ら
ず、他のミクロソーム型P450の移行シグナルを用い
ることが可能である。さらに、本発明のキメラP450
がC末端に有する成熟型のミトコンドリア型P450と
しては、ラット肝P450c25 に限らず、他のミトコン
ドリア型P450を用いることが可能である。また、本
発明のウシ副腎P45017αおよびラット肝P450c2
5 をコードするcDNAはすでに公知であり、通常の操
作法でこれを単離することができる。本発明のキメラP
450c25 を発現する発現プラスミドはウシ副腎P45
017αのN末端アミノ酸配列に相当するcDNAを合成
し、成熟型ラット肝P450c25 をコードするcDNA
領域と連結した後、遺伝子を酵母アルコール脱水素酵素
(以下、ADHと略す。)遺伝子のプロモーターおよび
同ターミネーターを保持する酵母発現ベクターpAAH
5(Methods in Enzymology, 101, partC, p192-201 )
に挿入し構築することができる。また、この発現プラス
ミド上に成熟型ADRおよび成熟型ADXの発現ユニッ
トを挿入することにより、3酵素を同時に発現させるた
めのプラスミドを構築することができる。ただし、プロ
モーターおよびターミネーターはADHに限定されず、
酵母内で効率的に機能するものであればよい。また、3
酵素を同時に発現させるプラスミドのプロモーターおよ
びターミネーターは同一でなく、それぞれ異なっている
ほうが好ましい。その理由は、継代培養した場合、プラ
スミド上での組み換えば起こる可能性が低いからであ
る。また、3酵素の発現ユニットへの挿入位置、挿入方
向はそれぞれ酵素の発現量にほとんど影響を与えない。
宿主として酵母を用いることが好ましいが、さらに酵母
サッカロミセス・セレビシエAH22株が、望ましい。
キメラP450c25 遺伝子を含む発現プラスミドあるい
は3酵素同時発現プラスミドによる宿主酵母の形質転換
は、アルカリ金属(LiCl)を用いる方法、プロトプ
ラスト法など公知の方法で行うことができる。本発明に
より得られる形質転換酵母の培養は通常のグルコース、
窒素源などを含む培地において通常の培養方法により行
うことができる。このようにして得られた形質転換酵母
菌体を培養することによりキメラP450c25 を製造す
ることができる。
【0008】
【実施例】以下、実施例に基づき、本発明を詳細に説明
する。しかし、本発明は本実施例にのみ限定されないこ
とはいうまでもない。 実施例1 発現プラスミドpAMS25および3酵素同
時発現プラスミドpRXMS25の構築 以下の実施例で、制限酵素によるDNAの切断、アルカ
リホスファターゼによるDNAの脱リン酸化、DNAリ
ガーゼによるDNAの結合などの反応は、通常20〜2
00μlの反応容積を用いて、これらの酵素類を市販す
るメーカー(例えば、宝酒造(株))が製品に添付した
反応条件で実施した。キメラ体P450 C25 発現プラス
ミドpAMS25を図1に従い構築した。ラット肝P4
50c25 発現プラスミドpAC25(特願平2−258
362)を構築した際、得られたプラスミドpUC25
NをPstIで部分消化した後EcoRI消化し、得ら
れたDNA断片に合成リンカー(配列番号1に示す。)
を挿入し、得られたプラスミドからHindIII −Sa
cI断片を調製した。一方、pUC25CH(特願平2
−258262)からSacI−HindIII 断片を調
製し、これら両断片をpUC19のHindIII 部位に
同時に挿入することによりプラスミドpUMS25を得
た。次に、pUMS25から得たHindIII 断片をベ
クターpAAH5N(特開平2−51525)のHin
dIII 部位に挿入することにより発現プラスミドpAM
S25を構築した。
する。しかし、本発明は本実施例にのみ限定されないこ
とはいうまでもない。 実施例1 発現プラスミドpAMS25および3酵素同
時発現プラスミドpRXMS25の構築 以下の実施例で、制限酵素によるDNAの切断、アルカ
リホスファターゼによるDNAの脱リン酸化、DNAリ
ガーゼによるDNAの結合などの反応は、通常20〜2
00μlの反応容積を用いて、これらの酵素類を市販す
るメーカー(例えば、宝酒造(株))が製品に添付した
反応条件で実施した。キメラ体P450 C25 発現プラス
ミドpAMS25を図1に従い構築した。ラット肝P4
50c25 発現プラスミドpAC25(特願平2−258
362)を構築した際、得られたプラスミドpUC25
NをPstIで部分消化した後EcoRI消化し、得ら
れたDNA断片に合成リンカー(配列番号1に示す。)
を挿入し、得られたプラスミドからHindIII −Sa
cI断片を調製した。一方、pUC25CH(特願平2
−258262)からSacI−HindIII 断片を調
製し、これら両断片をpUC19のHindIII 部位に
同時に挿入することによりプラスミドpUMS25を得
た。次に、pUMS25から得たHindIII 断片をベ
クターpAAH5N(特開平2−51525)のHin
dIII 部位に挿入することにより発現プラスミドpAM
S25を構築した。
【0009】成熟型ADX(特願平2−136496に
記載)をコードするHindIII 断片をベクターpGA
HN(ベクターpAAH5NのADHプロモーター、タ
ーミネーターのかわりにPGKプロモーター、ターミネ
ーターを含む)のPGKプロモーター、ターミネーター
(特願平2−136496に記載)の間に挿入すること
により発現プラスミドpGXを得た。また、成熟型AD
R(特開昭63−112986に記載)をコードするH
indIII 断片をベクターpPAHN(ベクターpAA
H5NのADHプロモーター、ターミネーターのかわり
にGAPプロモーター、ターミネーター(特開昭63−
112986に記載)を含む)のGAPプロモーター、
ターミネーターの間に挿入することによりpPRを得
た。pPRをNotIで部分消化して得られたDNA断
片とpGXから得られたNotI断片とのリガーゼ反応
を行うことによりADR、ADX同時発現プラスミドp
RX5を得た。次にpRX5をNotIで部分消化し、
pAMS25より得たNotI断片(3.7kb)を連
結することによりキメラP450c25 、ADXおよびA
DR同時発現プラスミドpRXMS25を得た。
記載)をコードするHindIII 断片をベクターpGA
HN(ベクターpAAH5NのADHプロモーター、タ
ーミネーターのかわりにPGKプロモーター、ターミネ
ーターを含む)のPGKプロモーター、ターミネーター
(特願平2−136496に記載)の間に挿入すること
により発現プラスミドpGXを得た。また、成熟型AD
R(特開昭63−112986に記載)をコードするH
indIII 断片をベクターpPAHN(ベクターpAA
H5NのADHプロモーター、ターミネーターのかわり
にGAPプロモーター、ターミネーター(特開昭63−
112986に記載)を含む)のGAPプロモーター、
ターミネーターの間に挿入することによりpPRを得
た。pPRをNotIで部分消化して得られたDNA断
片とpGXから得られたNotI断片とのリガーゼ反応
を行うことによりADR、ADX同時発現プラスミドp
RX5を得た。次にpRX5をNotIで部分消化し、
pAMS25より得たNotI断片(3.7kb)を連
結することによりキメラP450c25 、ADXおよびA
DR同時発現プラスミドpRXMS25を得た。
【0010】実施例2 発現プラスミドによる酵母の形
質転換 サッカロミセス・セレビシエAH22(ATCC 38
626)を、5mlのYPD培地(1%酵母エキス、2
%ポリペプトン、2%グルコース)中で30℃、18時
間培養したのち、1mlの酵母培養液を遠心分離し、集
菌した。菌体を、 0.2M LiCl溶液1mlで洗
浄したのち、1M LiCl溶液20μlに懸濁した。
これに、70%ポリエチレングリコール4000溶液3
0μl、発現プラスミドpAMS25溶液10μl(約
1μgDNA)を添加して、充分に混合したのち、30
℃で1時間インキュベートした。ついで、140μlの
水を加えSD合成培地プレート(2%グルコース、0.
67%酵母窒素源アミノ酸不含、20μg/mlヒスチ
ジン、2%寒天)上にまき、30℃で3日間インキュベ
ートすることにより、プラスミドを保持する形質転換体
を得た。
質転換 サッカロミセス・セレビシエAH22(ATCC 38
626)を、5mlのYPD培地(1%酵母エキス、2
%ポリペプトン、2%グルコース)中で30℃、18時
間培養したのち、1mlの酵母培養液を遠心分離し、集
菌した。菌体を、 0.2M LiCl溶液1mlで洗
浄したのち、1M LiCl溶液20μlに懸濁した。
これに、70%ポリエチレングリコール4000溶液3
0μl、発現プラスミドpAMS25溶液10μl(約
1μgDNA)を添加して、充分に混合したのち、30
℃で1時間インキュベートした。ついで、140μlの
水を加えSD合成培地プレート(2%グルコース、0.
67%酵母窒素源アミノ酸不含、20μg/mlヒスチ
ジン、2%寒天)上にまき、30℃で3日間インキュベ
ートすることにより、プラスミドを保持する形質転換体
を得た。
【0011】実施例3 キメラ体P450c25 の生産 実施例3で得たAH22/pAMS25株、AH22/
pRXMS25株およびコントロールAH22/pAA
H5株を合成培地(8% グルコース、5.4% 酵母
窒素源アミノ酸不含、160μg/ml ヒスチジン)
300mlでそれぞれ約2×107 細胞/mlまで培養
し、集菌後100mM リン酸カリウム(pH7.0)
で洗浄したのち、同緩衝液2mlに懸濁した。2本のキ
ュベットに菌懸濁液を1mlずつ分注し、サンプル側キ
ュベットに一酸化炭素を吹き込んだのち、両キュベット
にジチオナイト5〜10mgを添加した。よく攪拌した
のち400〜500nmの差スペクトルを測定し、Δε
(450nm-490nm) =91mM - 1 cm- 1 をもとにしてヘ
ム含有P450量を算出した。その結果、AH22/p
AMS25および、AH22/pRXMS25株は、そ
れぞれ菌体あたり2×105 分子および1×105 分子
のヘム含有P450を産生することが判明した。それに
対して、コントロールAH22/pAAH5株ではヘム
含有P450の産生は認められなかった。
pRXMS25株およびコントロールAH22/pAA
H5株を合成培地(8% グルコース、5.4% 酵母
窒素源アミノ酸不含、160μg/ml ヒスチジン)
300mlでそれぞれ約2×107 細胞/mlまで培養
し、集菌後100mM リン酸カリウム(pH7.0)
で洗浄したのち、同緩衝液2mlに懸濁した。2本のキ
ュベットに菌懸濁液を1mlずつ分注し、サンプル側キ
ュベットに一酸化炭素を吹き込んだのち、両キュベット
にジチオナイト5〜10mgを添加した。よく攪拌した
のち400〜500nmの差スペクトルを測定し、Δε
(450nm-490nm) =91mM - 1 cm- 1 をもとにしてヘ
ム含有P450量を算出した。その結果、AH22/p
AMS25および、AH22/pRXMS25株は、そ
れぞれ菌体あたり2×105 分子および1×105 分子
のヘム含有P450を産生することが判明した。それに
対して、コントロールAH22/pAAH5株ではヘム
含有P450の産生は認められなかった。
【0012】実施例4 酵母のミクロソーム画分におけ
るビタミンD3 、1α−ヒドロキシビタミンD3 25位
水酸化活性およびTHC27位水酸化活性の測定 AH22/pAMS25株菌体から調製したミクロソー
ム画分を用いて、活性を測定した。形質転換酵母菌株か
らの細胞分画は以下の方法に従った。形質転換体の約2
×107 菌体/ml培養液から約4×101 0 菌体分を
集菌し、ザイモアーゼ溶液(10mM トリス−塩酸
(pH7.5)、2.0Mソルビトール、0.1mM
ジチオスレイトール、0.1mM EDTA、0.3m
g/mlザイモリアーゼ100T)に懸濁し、30℃で
1時間インキュベートしてスフェロプラストを調製し
た。これをソニケーションバッファー(10mM トリ
ス−塩酸(pH7.5)、0.65M ソルビトール、
0.1mM ジチオスレイトール、0.1mM EDT
A、1μg/ml ロイペプチン、1μg/ml ペプ
スタチン)に懸濁し、テフロンホモジナイザーでホモジ
ナイズすることにより菌体を破砕した。
るビタミンD3 、1α−ヒドロキシビタミンD3 25位
水酸化活性およびTHC27位水酸化活性の測定 AH22/pAMS25株菌体から調製したミクロソー
ム画分を用いて、活性を測定した。形質転換酵母菌株か
らの細胞分画は以下の方法に従った。形質転換体の約2
×107 菌体/ml培養液から約4×101 0 菌体分を
集菌し、ザイモアーゼ溶液(10mM トリス−塩酸
(pH7.5)、2.0Mソルビトール、0.1mM
ジチオスレイトール、0.1mM EDTA、0.3m
g/mlザイモリアーゼ100T)に懸濁し、30℃で
1時間インキュベートしてスフェロプラストを調製し
た。これをソニケーションバッファー(10mM トリ
ス−塩酸(pH7.5)、0.65M ソルビトール、
0.1mM ジチオスレイトール、0.1mM EDT
A、1μg/ml ロイペプチン、1μg/ml ペプ
スタチン)に懸濁し、テフロンホモジナイザーでホモジ
ナイズすることにより菌体を破砕した。
【0013】3000×g、5分間の遠心分離により、
沈澱1を取り除き、上清1’を得た。沈澱1をソニケー
ションバッファーに懸濁し再度ホモジナイズしたのち、
3000×g、5分間遠心分離し沈澱1(未破砕菌体・
核画分)および上清1”を得た。上清1’および1”を
併せて上清1とし、10,000×g、20分間遠心分
離し、沈澱2(ミトコンドリア画分)と上清2を得た。
上清2をさらに120,000×g、70分間遠心分離
し、沈澱3(ミクロソーム画分)と上清3(細胞質画
分)に分けた。各画分の還元型CO結合差スペクトルを
測定したところ、約80%のキメラ体P450c25 がミ
クロソーム画分に存在したため、ミクロソーム画分を用
いて活性を測定した。以下に示す反応系(2ml)のう
ちNADPH以外を混合し、37℃で5分間インキュベ
ートした後、NADPHを添加し、反応を開始した。1
0、30分後、反応液 0.5 ml を分取し、5 mlのベンゼ
ンを添加し、遠心分離により得られたベンゼン層を乾固
し、以下に示した条件下でHPLCにより分析した。
沈澱1を取り除き、上清1’を得た。沈澱1をソニケー
ションバッファーに懸濁し再度ホモジナイズしたのち、
3000×g、5分間遠心分離し沈澱1(未破砕菌体・
核画分)および上清1”を得た。上清1’および1”を
併せて上清1とし、10,000×g、20分間遠心分
離し、沈澱2(ミトコンドリア画分)と上清2を得た。
上清2をさらに120,000×g、70分間遠心分離
し、沈澱3(ミクロソーム画分)と上清3(細胞質画
分)に分けた。各画分の還元型CO結合差スペクトルを
測定したところ、約80%のキメラ体P450c25 がミ
クロソーム画分に存在したため、ミクロソーム画分を用
いて活性を測定した。以下に示す反応系(2ml)のう
ちNADPH以外を混合し、37℃で5分間インキュベ
ートした後、NADPHを添加し、反応を開始した。1
0、30分後、反応液 0.5 ml を分取し、5 mlのベンゼ
ンを添加し、遠心分離により得られたベンゼン層を乾固
し、以下に示した条件下でHPLCにより分析した。
【0014】 [反応系] 1.ミクロソーム画分:AH22/pAMS25株(0.8 nmol キメラ体P450C25 /5 .3 mg 蛋白質を含む) AH22/pAAH5株 (5.3 mg 蛋白質を含む) 2.ウシ副腎アドレノドキシン還元酵素 0.8 nmol 3.アドレノドキシン 8.0 nmol 4.基質 終濃度 200 μM 5.NADPH 終濃度 1.0 〜2.0 mM 6.Tris-HCl (pH 7.8) 100.0 mM 7.EDTA 0.5 〜1.0 mM [HPLC分析条件] カラム :μBondapakC18 (φ 4 × 300 mm ) 検出 :A265 (ヒ゛タミン D 3 , 1 α-ヒト゛ロキシヒ゛タミンD 3
),放射性検出器 (3 H-THC) 流速 :1.0 ml/min 温度 :50 ℃ 溶出条件 0〜 5分 80 % 5〜15分 80 % 〜 100 %の直線濃度勾配 15〜25分 100 %
),放射性検出器 (3 H-THC) 流速 :1.0 ml/min 温度 :50 ℃ 溶出条件 0〜 5分 80 % 5〜15分 80 % 〜 100 %の直線濃度勾配 15〜25分 100 %
【0015】ビタミンD3 、および1α−ヒドロキシビ
タミンD3 を基質とした場合、AH22/pAMS25
株ミクロソーム画分において、25位水酸化物の産生が
認められた。コントロールAH22/pAAH5株では
25位水酸化物への変換は認められず、AH22/pA
MS25株における25位水酸化活性がキメラ体P45
0c25 に依存することが示唆された。ADR,ADX無
添加の場合、活性を示さないことから、ミクロソーム膜
に存在するNADPH−P450還元酵素からは電子が
伝達されないことがわかった。また、NADPH無添加
では活性を示さず、NADPH、ADX、ADR添加時
に形成されるNADPH→ADR→ADX→キメラ体P
450c25 という電子伝達系の構築にともなって、モノ
オキシゲナーゼ活性が発揮されたと思われる。
タミンD3 を基質とした場合、AH22/pAMS25
株ミクロソーム画分において、25位水酸化物の産生が
認められた。コントロールAH22/pAAH5株では
25位水酸化物への変換は認められず、AH22/pA
MS25株における25位水酸化活性がキメラ体P45
0c25 に依存することが示唆された。ADR,ADX無
添加の場合、活性を示さないことから、ミクロソーム膜
に存在するNADPH−P450還元酵素からは電子が
伝達されないことがわかった。また、NADPH無添加
では活性を示さず、NADPH、ADX、ADR添加時
に形成されるNADPH→ADR→ADX→キメラ体P
450c25 という電子伝達系の構築にともなって、モノ
オキシゲナーゼ活性が発揮されたと思われる。
【0016】反応時間10分において算出された代謝回
転速度は 7.4 mol/molP450/minであり、AH22/pA
C25株(特願2−258262)のミトコンドリア画
分において得られた代謝回転速度 0.14 mol/molP450/mi
n に比べて約50倍高いことがわかった。また、ビタミ
ンD3 に対する25位水酸化活性は 0.28 mol/molP450/
min であった。〔3 H〕−THCを基質とした場合、A
H22/pAMS25株ミクロソーム画分は、THC2
7位水酸化体(TeHC)への変換が検出された。コン
トロールAH22/pAAH5株では活性が認められ
ず、AH22/pAMS25株における活性がキメラ体
P450c25 に依存することが示唆された。反応時間1
0分において算出されたTHCに対する代謝回転速度は
23 mol/molP450/min であった。
転速度は 7.4 mol/molP450/minであり、AH22/pA
C25株(特願2−258262)のミトコンドリア画
分において得られた代謝回転速度 0.14 mol/molP450/mi
n に比べて約50倍高いことがわかった。また、ビタミ
ンD3 に対する25位水酸化活性は 0.28 mol/molP450/
min であった。〔3 H〕−THCを基質とした場合、A
H22/pAMS25株ミクロソーム画分は、THC2
7位水酸化体(TeHC)への変換が検出された。コン
トロールAH22/pAAH5株では活性が認められ
ず、AH22/pAMS25株における活性がキメラ体
P450c25 に依存することが示唆された。反応時間1
0分において算出されたTHCに対する代謝回転速度は
23 mol/molP450/min であった。
【0017】実施例5 3者同時発現株AH22/pR
XMS25株におけるTHC27位水酸化活性の測定 AH22/pRXMS25株の培養液 (1.6 × 107 菌
体/ml)に終濃度10μMになるように[2 H]−THC
を添加し、14時間後の培養液1mlを分取し、ジクロ
ロメタン2mlにより抽出し、ジクロロメタン層を乾固
した後80μlのアセトニトリルに溶解し、そのうち5
0μlをHPLCにより実施例4に記述した条件で分析
した。但し、検出は放射活性検出装置(パッカード社
TRACE7140)を用いた。その結果、添加した基
質THCの19%がTeHCに変換したことが分かっ
た。この変換はコントロールAH22/pAAH5株に
は見られなかったことから、AH22/pRXMS25
株においてキメラP450c25 、ADXおよびADRが
酵母細胞内で電子伝達系を構成し、モノオキシゲナーゼ
活性を発揮したことが分かった。
XMS25株におけるTHC27位水酸化活性の測定 AH22/pRXMS25株の培養液 (1.6 × 107 菌
体/ml)に終濃度10μMになるように[2 H]−THC
を添加し、14時間後の培養液1mlを分取し、ジクロ
ロメタン2mlにより抽出し、ジクロロメタン層を乾固
した後80μlのアセトニトリルに溶解し、そのうち5
0μlをHPLCにより実施例4に記述した条件で分析
した。但し、検出は放射活性検出装置(パッカード社
TRACE7140)を用いた。その結果、添加した基
質THCの19%がTeHCに変換したことが分かっ
た。この変換はコントロールAH22/pAAH5株に
は見られなかったことから、AH22/pRXMS25
株においてキメラP450c25 、ADXおよびADRが
酵母細胞内で電子伝達系を構成し、モノオキシゲナーゼ
活性を発揮したことが分かった。
【0018】本発明により提供される形質転換酵母は分
子内にヘムを含有するキメラ体P450c25 を産生す
る。キメラ体P450c25 は酵母のミクロソーム膜に局
在し、ウシ副腎ADXおよびADRの添加によりビタミ
ンD3 および1α−ヒドロキシビタミンD3 に対して2
5位水酸化活性を示し、THCに対し27位水酸化活性
を示した。本来、P450c25 はミトコンドリア内膜に
存在するタンパク質であるが、ミトコンドリアへの輸送
シグナルを除去し、ミクロソーム型P45017αのN末
端15アミノ酸残基(ミクロソーム膜へのシグナルとし
て機能する)を付加することにより、酵母細胞内局在性
をミトコンドリアからミクロソームへ変換することがで
きた。このような膜酵素の局在性の変換はこれまでに例
がない。P45017αのN末端15アミノ酸残基は疎水
性が高く、ミクロソーム膜へのシグナルの役割を果たし
ていると考えられるが、シグナルとしての特殊性はな
く、他のミクロソーム膜タンパク質のシグナルとの代替
も可能である。
子内にヘムを含有するキメラ体P450c25 を産生す
る。キメラ体P450c25 は酵母のミクロソーム膜に局
在し、ウシ副腎ADXおよびADRの添加によりビタミ
ンD3 および1α−ヒドロキシビタミンD3 に対して2
5位水酸化活性を示し、THCに対し27位水酸化活性
を示した。本来、P450c25 はミトコンドリア内膜に
存在するタンパク質であるが、ミトコンドリアへの輸送
シグナルを除去し、ミクロソーム型P45017αのN末
端15アミノ酸残基(ミクロソーム膜へのシグナルとし
て機能する)を付加することにより、酵母細胞内局在性
をミトコンドリアからミクロソームへ変換することがで
きた。このような膜酵素の局在性の変換はこれまでに例
がない。P45017αのN末端15アミノ酸残基は疎水
性が高く、ミクロソーム膜へのシグナルの役割を果たし
ていると考えられるが、シグナルとしての特殊性はな
く、他のミクロソーム膜タンパク質のシグナルとの代替
も可能である。
【0019】シグナルの置換に基づく膜酵素の局在性を
ミトコンドリアからミクロソームへ変化させることによ
り、酵母菌体あたりのP450c25 産生量は約10倍
に、またP450分子あたりの1α−ヒドロキシビタミ
ンD3 25位水酸化活性を約50倍に上昇させることが
できた。したがって、菌体あたりの1α−ヒドロキシビ
タミンD3 25位水酸化能は約500倍に上昇したこと
になる。キメラ体P450c25 をバイオリアクターとし
て用いることにより、カルシウムの代謝調節、細胞分化
促進や細胞性免疫機能を調節に重要な役割を果たし、骨
粗そう症、慢性腎不全、ビタミンD抵抗性クル病などの
治療に有効である1α,25−ジヒドロキシビタミンD
3 を製造することが可能である。
ミトコンドリアからミクロソームへ変化させることによ
り、酵母菌体あたりのP450c25 産生量は約10倍
に、またP450分子あたりの1α−ヒドロキシビタミ
ンD3 25位水酸化活性を約50倍に上昇させることが
できた。したがって、菌体あたりの1α−ヒドロキシビ
タミンD3 25位水酸化能は約500倍に上昇したこと
になる。キメラ体P450c25 をバイオリアクターとし
て用いることにより、カルシウムの代謝調節、細胞分化
促進や細胞性免疫機能を調節に重要な役割を果たし、骨
粗そう症、慢性腎不全、ビタミンD抵抗性クル病などの
治療に有効である1α,25−ジヒドロキシビタミンD
3 を製造することが可能である。
【0020】また、キメラ体P450c25 、ADXおよ
びADRの同時発現株菌体をバイオリアクターとして用
いることは現在行われている活性型ビタミンD3 の複雑
な化学合成法を単純化するのに有効な手段であると考え
られる。一方、大量に産生されるキメラP450c25 は
容易に精製することができ、これに対する抗体を脳腱黄
色腫症の診断薬として利用することができる。
びADRの同時発現株菌体をバイオリアクターとして用
いることは現在行われている活性型ビタミンD3 の複雑
な化学合成法を単純化するのに有効な手段であると考え
られる。一方、大量に産生されるキメラP450c25 は
容易に精製することができ、これに対する抗体を脳腱黄
色腫症の診断薬として利用することができる。
【0021】また、P450c25 だけではなく、他のミ
トコンドリア型P450をキメラP450として大量に
生産することも可能である。それにより、前記のP45
0c25 が示す25位水酸化活性だけでなく、他の部位を
水酸化することが可能となるので、そのようなキメラP
450は、バイオリアクターとして有用である。
トコンドリア型P450をキメラP450として大量に
生産することも可能である。それにより、前記のP45
0c25 が示す25位水酸化活性だけでなく、他の部位を
水酸化することが可能となるので、そのようなキメラP
450は、バイオリアクターとして有用である。
配列番号:1 配列の長さ: 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成リンカー 配列 1 AATTCAAGCT TAAAAAAATG TGGCTGCTCC TGGCTGTCTT TCTGCTCACC CTCGCCTATT 60 GTTCGA ATTTTTTTAC ACCGACGAGG ACCGACAGAA AGACGAGTGG GAGCGGATAA TAGCGATCCC TGCA 74 ATCGCTAGGG
【図1】本発明の発現プラスミドpAMS25の構築工
程の説明図である。制限酵素切断部位は、E:EcoR
I,Nc:NcoI,S:SacI,H:HindIII,
P:PstI,N:NotIを示す。
程の説明図である。制限酵素切断部位は、E:EcoR
I,Nc:NcoI,S:SacI,H:HindIII,
P:PstI,N:NotIを示す。
【図2】発現プラスミドpRXMS25の構築工程の説
明図である。制限酵素切断部位は、H:HindIII 、
N:NotIを示す。
明図である。制限酵素切断部位は、H:HindIII 、
N:NotIを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12N 1/19 C12R 1:865) (C12P 33/06 C12R 1:865) (C12N 9/04 C12R 1:865) (72)発明者 大川 秀郎 兵庫県宝塚市高司4丁目2番1号 住友化 学工業株式会社内
Claims (11)
- 【請求項1】N末端のミクロソームへの局在化シグナル
配列とC末端の成熟型のミトコンドリア型P450から
なるキメラP450、フェレドキシン及びフェレドキシ
ン還元酵素を同時に発現させるプラスミド - 【請求項2】ウシ副腎P45017αのN末端15アミノ
酸残基からなるシグナル配列とC末端の成熟型ミトコン
ドリア型P450からなるキメラP450、フェレドキ
シン及びフェレドキシン還元酵素を同時に発現させるプ
ラスミド - 【請求項3】N末端のミクロソームへの局在化シグナル
配列と501アミノ酸からなる成熟型のラット肝ミトコ
ンドリアP450c25 からなるキメラP450c25 、フ
ェレドキシン及びフェレドキシン還元酵素を同時に発現
させるプラスミド - 【請求項4】N末端のミクロソームへの局在化シグナル
配列と501アミノ酸からなる成熟型のラット肝ミトコ
ンドリアP450c25 からなるキメラP450c25 、ウ
シ副腎アドレノドキシン還元酵素およびウシ副腎アドレ
ノドキシンを同時に発現させるプラスミド - 【請求項5】下の制限酵素地図で表される発現プラスミ
ドpRXMS25 - 【請求項6】N末端のミクロソームへの局在化シグナル
配列とC末端の成熟型のミトコンドリア型P450から
なるキメラP450、フェレドキシン及びフェレドキシ
ン還元酵素を同時に発現する酵母菌株 - 【請求項7】ウシ副腎P45017αのN末端15アミノ
酸残基からなるシグナル配列とC末端の成熟型のミトコ
ンドリア型P450からなるキメラP450、フェレド
キシン及びフェレドキシン還元酵素を同時に発現する酵
母菌株 - 【請求項8】N末端のミクロソームへの局在化シグナル
配列と501アミノ酸からなる成熟型のラット肝ミトコ
ンドリアP450c25 からなるキメラP450c25 、フ
ェレドキシン及びフェレドキシン還元酵素を同時に発現
する酵母菌株 - 【請求項9】ウシ副腎P45017αのN末端15アミノ
酸残基からなるシグナル配列と501アミノ酸からなる
成熟型のラット肝ミトコンドリアP450c25 からなる
キメラP450c25 、フェレドキシン及びフェレドキシ
ン還元酵素を同時に発現する酵母菌株 - 【請求項10】ウシ副腎P45017αのN末端15アミ
ノ酸残基からなるシグナル配列と501アミノ酸からな
る成熟型のラット肝ミトコンドリアP450c25 からな
るキメラP450c25 、ウシ副腎アドレノドキシン還元
酵素、ウシ副腎アドレノドキシンを同時に発現する酵母
菌株 - 【請求項11】プラスミドpRXMS25を保持する酵
母菌株
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1994
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