JPH0768192B2 - (2S,3R,4S)―α―(カルボキシシクロプロピル)グリシン及びその製造法 - Google Patents

(2S,3R,4S)―α―(カルボキシシクロプロピル)グリシン及びその製造法

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JPH0768192B2
JPH0768192B2 JP63129626A JP12962688A JPH0768192B2 JP H0768192 B2 JPH0768192 B2 JP H0768192B2 JP 63129626 A JP63129626 A JP 63129626A JP 12962688 A JP12962688 A JP 12962688A JP H0768192 B2 JPH0768192 B2 JP H0768192B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 L−α−(カルボキシシクロプロピル)グリシンには下
記式(1、1a、1b、1c) で表わされる4種の立体異性体が可能で、このうち1a及
び1cは、L.Fowdenらにより植物成分として報告されてい
るが、立体異性体である1についてはこれまで報告され
ていない。
本発明は、上記1すなわち式(1)で表わされる(2S,3
R,4S)−α−(カルボキシシクロプロピル)グリシン及
びその製造法に関するものである。
L−グルタミン酸は、中枢神経系に於ける神経伝達物質
として有力視されているが、本発明の(2S,3R,4S)−α
−(カルボキシシクロプロピル)グリシン(1)は、哺
乳動物の中枢神経系に於ける受容体の1つ、N−メチル
−D−アスパラギン酸(NMDA)タイプに特異的に結合す
ることより最強のアゴニスト活性を示す。本化合物の開
発は、グルタミン酸受容体の遮断薬の開発への糸口を提
供するものであり、その結果はてんかん、ハンチンソン
氏病、パーキンソン氏病等の神経障害、神経変異症の治
療への展開が期待される。
又、4種の立体異性体(1、1a、1b、1c)を提供するこ
とは、L−グルタミン酸及びその類縁化合物のコンホメ
ーシヨンと活性との相関から受容機構を解明する上で重
要な知見を与えるものと期待される。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
L−グルタミン酸は、哺乳動物の中枢神経系に於ける神
経伝達物質として注目を集めており、その受容機構の解
明は生命科学に於ける最重要課題の1つである。
1961年WatkinsらによるL−グルタミン酸関連アミノ酸
を用いたL−グルタミン酸増強剤(アゴニスト)の検索
(D.R.クルチス(Curtis)、J.W.フイリツプス(Philli
ps)、J.C.ワトキンス(Watkins)、ブリテイツシユ・
ジエイ・フアーマコロジー(British.J.Pharmacolog
y)、16、262〜283、1961)を端緒として現在まで数多
くのL−グルタミン酸類似の神経興奮作用を示す物質が
発見されている。
これらのアゴニストを用いたL−グルタミン酸受容細胞
に於ける作用機作の研究が近年活発に行なわれ、L−グ
ルタミン酸受容体が次の三種のサブタイプに分類される
事が示された(J.C.ワトキンス(Watkins)、R.H.エバ
ンス(Evans)、アニユ・レブ・フアーマコロル(Annu.
Rev.Pharmacol)、21、165〜204、1981)。
1.N−メチル−D−アスパラギン酸(NMDA)タイプ 2.カイニン酸(KA)タイプ 3.キスカル酸(QA)タイプ それぞれのサブタイプの受容細胞は、中枢神経系の対応
する特定部位に分布し、同時に対応する神経生理機能に
直結していることが示唆されている〔(a)D.T.モナハ
ン(Monaghan)、V.R.ホレツツ(Holets)、D.W.トイ
(Toy)、C.W.コツトマン(Cotman)、ネイチヤー(Nat
ure)、306、176〜179、1983;(b)D.T.モナハン(Mon
aghan)、D.ヤオ(Yao)、C.W.コツトマン(Cotman)、
ブレイン・レス(Brain Res)、324、160〜164、1984;
(c)H.J.オルベスマン(Olvesman)、D.T.モナハン
(Monaghan)、C.W.コツトマン(Cotman)、J.C.ワトキ
ンス(Watkins)、ユール・ジエイ・フアルマク(Eur.
J.Pharmac.)、131、161〜162、1986〕。その結果、ア
ゴニストと受容体との間の分子機構の解明は、その結果
もたらされるアンタゴニストの検索と同時にグルタミン
酸受容遮断系の開発に多大な貢献を果たすものと考えら
れている。即ち、臨床的にてんかん、運動障害、ハンチ
ンソン氏病、バーキンソン氏病等の神経障害、神経変異
症の治療への展開が待ち望まれている(B.メルドラム
(Meldrum)、ISIアトラス・オブ・サイエンス(Atlas
of Science)、228〜232、1987) L−グルタミン酸受容機構に関する以上の様な状況の下
で、拮抗剤開発に致るL−グルタミン酸アゴニストとL
−グルタミン酸との構造的関連は依然解明に至つていな
い。
L−グルタミン酸受容体を分類する上で重要な役割を果
している前記受容体のサブタイプNMDA、KA、QAとL−グ
ルタミン酸の間の構造的な関連は、L−グルタミン酸の
コンホメーション(立体配座)に起因するものと推定さ
れているのみであり(J.C.ワトキンス(Watkins)、H.
T.オルバーマン(Olverman)、トレンド・イン・ニユー
ロサイエンス(Trend in Neuroscience)、10、265〜27
2、1987)、分子レベルで受容機構を解明する上で立体
配座と活性の相関を明らかにすることは重要な課題であ
る。
一方、L.Fowdenらはトチノキ科又はカエデ科植物よりト
ランス及びシス−カルボキシシクロプロピル−L−グリ
シン(1a、1c)を単離、それらは低血糖や嘔吐などの作
用を示すことを報告している(L.Fowdenら、フイトケミ
ストリー(Phytochemistry)、8巻、437頁、1969
年)。又大船らはdl−β−アセトキシグリシンから出発
してトランス−カボキシシクログリシン(1a、1b)のラ
セミ体の合成について報告している(大船ら、Tetrahed
ron Lett.,26巻、83頁、1985年)。しかし前者は植物中
には微量しか含まれないうえ立体異性体1b,1が含まれて
いない。又後者の方法は、中間体である〔3,3〕−シグ
マトロピー転移生成物が不安定であること、シクロプロ
パン化での立体選択性が無く、かつそのジアステレオマ
ー間の分離が困難であることよりラセミ体として1a,1b
を与えるのみである。非天然型である(2S,3R,4S)−カ
ルボキシシクロプロピルグリシン(1)及びその製造法
はこれまで知られておらず、又光学活性体として4種の
立体異性体を合成する方法が現在まで報告されていな
い。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、L−グルタミン酸受容機構研究に関連し
て、L−グルタミン酸のコンホメーションと活性の関係
を明らかにすることを目的として、L−グルタミン酸の
立体配座が固定されたアナログの1つである新規立体異
性体、(2S,3R,4S)−α−(カルボキシシクロプロピ
ル)グリシン(1)の立体選択的合成法を開発すると共
に、(1)が受容体NMDAタイプに特異的に強力な脱分極
活性を示すことを認めて本発明を完成した。
本発明の新規化合物(2S,3R,4S)−α−(カルボキシシ
クロプロピル)グリシン(1)は以下の方法により製造
することができる。
まず、4種の立体異性体(1,1a,1b,1c)の一括合成は、
一般式(7) (式中、Bocはt−ブトキシカルボニル基を示し、R2
水素原子、R3は水素原子又はt−ブチルジメチルシリル
基を示すか、R2とR3が互いに結合してジメチルメチレン
基を形成する基を示す。以後の式に於いても同じであ
る) で表わされる(2S)−2−アミノブテノール誘導体にパ
ラジウム塩、好ましくは酢酸パラジウム(II)の存在下
ジアゾ酢酸エチルを作用させて一般式(8) で表わされるカルボキシシクロプロピルグルシノール誘
導体の4種の立体異性体の混合物とする。この混合物に
酸又は(n−Bu)4NFを作用させてアルコール体とした
後シリカゲルカラムクロマトグラフイーに付すことによ
り式(9b)及び(9c) で表わされるカルボキシシクロプロパン誘導体を分離す
ることができる。残る2異性体は分離できないので、混
合物のままDL−シヨウノウ−10−スルホン酸と共に加熱
し、再びシリカゲルカラムクロマトグラフイーに付す
と、式(9a)及び(5) で表わされるカルボキシシクロプロパン誘導体及びラク
トンを分離することができる。この様にして得られる化
合物9a,9b,9cを夫々通常の方法によりジヨーンズ酸化、
続いてアルカリ加水分解、最後にトリフロロ酢酸で処理
することにより目的とするα−(カルボキシシクロプロ
ピル)グリシン1a,1b及び1cを得ることができる。
又式5で表わされるラクトンをアルカリと処理すること
によりラクトンを開環、ジアゾメタンを処理してメチル
エステルとしたのち前記と同様にジヨーンズ酸化、アル
カリ加水分解及びトリフロロ酢酸処理することにより式
1で表わされるα−(カルボキシシクロプロピル)グリ
シンを得ることができる。又、式(1)で表わされる
(2S,3R,4S)−α−(カルボキシシクロプロピル)グリ
シンは、次の方法により立体選択的に合成することがで
きる。即ち、式(2) (式中、R1はt−ブチルジメチルシリル基を、Bocはt
−ブトキシカルボニル基を示す。以後の式に於いても同
じ基を示す。) で表わされるブテノール誘導体を反応に関与しない溶
媒、例えばメタノール中、0℃以下の温度でオゾン酸
化、オゾニドを常法により還元分解してアルデヒド誘導
体とする。次に、ビス−2,2,2−トリフロロエチルホス
ホリル酢酸メチルエステルを溶媒、例えばテトラヒドロ
フラン中、不活性ガス雰囲気下に水素化ナトリウムを作
用させ、生成するイリド溶液に上記アルデヒド誘導体を
加えて反応、式(3) で表わされるペンテン酸エステルとする。
この様にして得られるペンテン酸エステル(3)を反応
に関与しない溶媒、例えばメタノール中酸、好ましくは
DL−シヨウノウ−10−スルホン酸を作用させると容易に
閉環して式(4) で表わされるラクトンを得ることができる。
このラクトン(4)を溶媒、例えばエーテルに溶かし、
ジアゾメタン溶液を作用させると式(5) で表わされるビシクロラクトンを85%以上の立体選択性
で得ることができる。
このビシクロラクトン(5)は、前記合成法と同様にし
て容易に本発明の(2S,3R,4S)−α−(カルボキシシク
ロプロピル)グリシンに高収率で導くことができる。
〔作用〕
L−グルタメート受容体がL−グルタミン酸の特殊な立
体配座を受容すると仮定すると、伸長形(extended con
formation)と折り畳み形(folded conformation)の2
者に分けられる。本発明により得られる4種のカルボキ
シシクロプロピルグリシンのうち、化合物1aと1bは前者
の伸長形を、1と1cは後者の折り畳み形を模擬してお
り、β位の立体配置の違いは受容体との相互作用に於け
る立体的な要素を説明する上で重要な鍵を与えるものと
考えられる。
例えば、アフリカマイマイ(Achatina fulica Ferussa
c)の神経細胞にはβ−ヒドロキシ−L−グルタミン酸
(L−BHGA)に対して強い感受性を示す数種の神経細胞
が見い出されているが、その1つであるPeriodically o
scillating neuron(PON)に対する活性を、BHGAを指標
として化合物1、1a、1b及び1cを比較すると、BHGA
(1)、1(3)、1a(30)、1b(−)、1c(0.03)、
であつた。又rat spinal cordでの生理活性試験の結果
は、化合物1aがカイニン酸(KA)タイプの活性を示し、
又1はN−メチル−D−アスパラギン酸(NMDA)タイプ
の活性増強作用を示し、特にその活性はL−グルタミン
酸の100倍とNMDAを凌ぎ最強のものである。
以下、実施例を以つて本発明をより詳細に説明する。
実施例1 2S−α−(カルボキキシクロプロピル)グリ
シンの一括合成 工程1: (2S)−N−t−ブトキシカルボニル−2−(エトキシ
カルボニルシクロプロピル)グリシノール t−ブチル
ジメチルシリルエーテル (2S)−N−t−ブトキシカルボニル−2−アミノ−3
−ブテノール t−ブチルジメチルシリルエーテル4.20
g(14.5ミリモル)のエーテル溶液50mlに酢酸パラジウ
ム(II)163mg(0.72ミリモル)をとかし、ジアゾ酢酸
エチル17.1g(150ミリモル)のエーテル溶液(300ml)
を4時間かけて加えた。不溶物を除き、液を減圧濃縮
して得られる油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフ
イー(20%エーテル/ヘキサン)で精製し、目的物を4
種の立体異性体の混合物として得た。収量1.96g(36.1
%) 性状 無色油状物質 工程2: N−t−ブトキシカルボニル−2−(エトキシカルボニ
ルシクロプロピル)グリシノール シリルエーテル体(8)1.90g(4.9ミリモル)をエタノ
ール30mlにとかし、DL−シヨウノウ−10−スルホン酸5m
gを加え、室温で16時間撹拌した。溶媒を減圧留去し残
渣を中圧シリカゲルカラムクロマトグラフイー(50%エ
ーテル/ヘキサン)に付し、(2S,3R,4R)体(9b)418m
g、(2S,3S,4R)体(9c)124mg、(2S,3S,4S)体(9a)
と(2S,3R,4S)体の混合物156mg、混合物342mgを得た
〔収量合計1.04g(77.7%)〕。(2S,3S,4S)体(9a)
と(2S,3R,4S)体の混合物414mgを塩化メチレンにとか
し、DL−シヨウノウ−10−スルホン酸3mgを加えて18時
間撹拌した。反応溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液
で洗浄後、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥、減圧濃縮
して得られた残渣を中圧シリカゲルカラムクロマトグラ
フイー(75%エーテル/ヘキサン)に付し、(2S,3S,4
S)体(9a)230mg、(2S,3S,4S)体のラクトン体(5)
80mgを分離した。
(2S,3S,4S)体(9a) 性状;無色油状物質1 H−NMR(360MHz,CDCl3,δppm);0.94(1H,m)、1.20
(1H,m)、1.28(3H,t,J=7.5Hz)、1.45(9H,s)、1.5
5(1H,m)、1.77(1H,m)、2.65(1H,s)、3.17(1H,
m)、3.60−3.80(2H,m)、4.13(2H,dq,J=7.5,13H
z)、4.96(1H,d,J=9Hz) IRスペクトル(νcm-1):3372、2984、1712 〔α〕▲25 D▼+72.9゜(c0.50,CHCl3) (2S,3R,4R)体(9b) 性状;無色針状晶(エーテル−ヘキサンから再結晶) 融点;88.0−89.0℃1 H−NMR(360MHz,CDCl3δppm);1.03(1H,m)、1.17
(1H,m)、1.25(3H,t,J=7Hz)、1.44(9H,s)、1.57
(2H,m)、2.74(1H,s)、3.22(1H,m)、3.60−3.77
(2H,m)、4.11(2H,dq,J=7.14Hz)、4.96(1H,d,J=8
Hz) IRスペクトル(フイルム,νcm-1):3460、3028、171
2 〔α〕▲25 D▼−47.2゜(c0.55,CHCl3) (2S,3S,4R)体(9c) 性状;無色針状晶(エーテル−ヘキサンから再結晶) 融点;94.0−95.0℃1 H−NMR(360MHz,CDCl3,δppm);1.15(2H,m)、1.27
(3H,t,J=7Hz)、1.53(1H,m)、1.77(1H,m)、3.02
(1H,bs)、3.61(1H,m)、3.65−3.90(2H,m)、4.15
(2H,dq,J=7,14Hz)、4.95(1H,s) IRスペクトル(フイルム,νcm-1)3392、2984、1716 〔α〕▲25 D▼−56.0゜(c0.48,CHCl3) (1S,5S,6R)ラクトン体(5) 性状;無色結晶(エーテル−ヘキサンから再結晶) 融点;152−154℃1 H−NMR(360MHz,CDCl3,δppm);1.30(1H,m)、1.40
(1H,m)、1.43(9H,s)、1.85(1H,m)、1.95(1H,
m)、4.1−4.3(3H,m)、5.00(1H,bs) IRスペクトル(フイルム,νcm-1);3328 2984、173
4、1710 〔α〕▲25 D▼−59.4゜(c0.46,CHCl3) 工程3: (A);(2S,3R,4R)−α−(カルボキシシクロプロピ
ル)グリシン(1b) (2S)−N−t−ブトキシカルボニル−エトキシシクロ
プロピルグリシノール(9b)200mg(0.73ミリモル)を
アセトン10mlにとかし、氷冷下にジヨーンズ(Jone′
s)試薬を加えて3時間撹拌した。室温でさらに1.5時
間撹拌した後氷冷下でイソプロパノールを加えて過剰の
試薬を分解した。炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、エ
ーテルで洗浄して未反応の原料を除いた後、水層をクエ
ン酸でpH2に調整して酢酸エチルで抽出した。有機層を
水洗、硫酸マグネシウムで乾燥後溶媒を減圧留去し、残
渣をテトラヒドロフラン3mlに溶かし、氷冷下で0.5N水
酸化ナトリウム水溶液1.5mlを加えて19時間撹拌した。
反応溶液を1N塩酸でpH2に調整し、飽和食塩水、酢酸エ
チルを加えて抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾
燥した後溶媒を減圧留去し、油状のN−t−ブトキシカ
ルボニル−α−(カルボキシシクロプロピル)グリシン
152mg(80.0%)を得た。これを塩化メチレン2mlにとか
し、氷冷下でトリフルオロ酢酸2mlを加えて30分間撹拌
し、減圧濃縮して得られた残渣をダウエツク(Dowex)5
0W×4イオン交換樹脂カラムに付し、水洗後1Nアンモニ
ア水で溶出し目的物のアンモニウム塩を得た。これを水
にとかして1N塩酸でpH3に調整して得られた結晶を取
し、水から再結晶して、標題化合物の塩酸塩75.2mgを白
色結晶として得た。
融点255−258℃1 H−NMR(360MHz,D2O,δppm);1.15(1H,m)、1.32
(1H,m)、1.76(1H,m)、1.95(1H,m)、3.40(1H,d,J
=9.0Hz) 〔α〕▲25 D▼−20.2゜(c0.51,H2O) (B);(2S,3S,4S)−α−(カルボキシシクロプロピ
ル)グリシン(1a) 工程3(A)と同様にして前記化合物(9a)230mgより
標記化合物24.1mgを得た(無色結晶)。
融点243−247℃(発泡分解)1 H−NMR(360MHz,D2O,δppm);1.25(1H,ddd,J=9.1,
5.7,5.1Hz)、1.34(1H,ddd,J=9.1,9.1,5.1Hz)、1.71
(1H,m)、1.78(1H,ddd,J=9.1,5.1,4.0Hz)、3.23(1
H,d,J=9.8Hz) 〔α〕▲21 D▼+102.0゜(c0.50,H2O)〔文献上
〔α〕▲20 D▼+107゜(c2,H2O)〕 (C);(2S,3S,4R)−α−(カルボキシシクロプロピ
ル)グリシン(1c) 工程(A)と同様にして前記化合物(9c)100mgより標
記化合物16.1mgを得た(無色結晶)。
融点178−180℃1 H−NMR(360MHz,D2O,δppm);1.18(1H,ddd,J=6,6,
5Hz)、1.46(1H,ddd,J=8.5,8.5,5Hz)、1.68(1H,
m)、1.92(1H,ddd,J=8.5,6.6Hz)、3.94(1H,d,J=10
Hz) 〔α〕▲22 D▼+20.8゜(c0.52,H2O)〔文献上〔α〕
20 D▼+25゜(c1,H2O)〕 (D);(2S,3R,4S)−α−(カルボキシシクロプロピ
ル)グリシン(1) 工程2で得たラクトン体(5)80mg(0.35ミリモル)を
テトラヒドロフラン1mlにとかし氷冷下で0.5N水酸化カ
リウム水溶液を加えて14時間撹拌した。氷冷下1N塩酸で
pH1に調整し酢酸エチルで抽出した。有機層を水洗、乾
燥後溶媒を減圧留去し、残渣をメタノールにとかしてジ
アゾメタンのエーテル溶液を加えてメチルエステル体と
した。以下工程(A)と同様に処理して標記化合物14.4
mgを得た(無色結晶)。
融点178−180℃1 H−NMR(360MHz,D2O,δppm);1.06(1H,ddd,J=8.5,
7,5Hz)、1.22(1H,ddd,J=8.5,8.5,5Hz)、1.61(1H,d
ddd,J=9,8.5,7.7Hz)、1.94(1H,ddd,J=8.5,8.5,7H
z)、3.89(1H,d,J=9Hz) 〔α〕▲26 D▼+97.1゜(c0.52,H2O) 実施例2 (2S,3R,4S)−α−(カルボキシシクロプロ
ピル)グリシンの立体選択的合成 工程1: (4S)−4−(N−t−ブトキシカルボニル)アミノ−
5−t−ブチルジメチルシリルオキシ−3−(Z)−ペ
ンテン酸メチルエステル(3) (2S)−2−(N−t−ブトキシカルボニル)アミノ−
3−ブテノールシリルエーテル600mg(1.95mmol)を10m
lのメタノールに溶かし−78℃でオゾン酸化に付した。
生成するオゾン酸化生成物溶液中に5mlのジメチルスル
フイドを加え還元分解を行い二重結合の切断したアルデ
ヒド体を得た。溶媒を減圧留去、10gのシリカゲルを用
いた過クロマトにより564mg(収率95%)のアルデヒ
ド体を得た。本化合物を更に精製する事なく次の反応に
用いた。水素化ナトリウム111mg(2.77mmol)のテトラ
ヒドロフラン(10ml)懸濁液中、窒素気流下0℃でビス
−2,2,2−トリフロロエチルホスホリル酢酸メチルエス
テル881mg(2.77mmol)のテトラヒドロフラン(5ml)溶
液を滴下し30分撹拌した。反応液を−78℃に冷却し、18
−クラウン−6 3.65g(13.85mmol)のTHF(10ml)溶
液、次いでアルデヒド564mg(1.85mmol)のTHF(5ml)
溶液を順次滴下し2時間撹拌した。反応混合物に−78℃
で飽和塩化アンモニウム水溶液を10ml加え徐々に室温ま
で昇温し、次いで水50mlを加えエーテルで抽出(3回)
を行つた。有機層に無水硫酸マグネシウム(5g)を加え
乾燥、溶媒を減圧留去、次いでシリカゲルカラムクロマ
トに付し、495mg(74%収率)の標記化合物を得た。
性状;油状物質 IRスペクトル(フイルム,νcm-1):3464、3388、296
0、2936、1724、1652cm-1 1 H−NMR(CDCl3,δppm):0.08(3H,s)、0.09(3H,
s)、0.92(9H,s)、1.48(9H,s)、3.76(3H,s)、3.8
0(3H,m)5.87(1H,d,J=11.5Hz)、6.20(1H,dd,J=8.
0,11.5Hz) 〔α〕▲22 D▼−12.4゜(c=1.00,CHCl3) 工程2: (4S)−4−(N−t−ブトキシカルボニル)アミノ−
2−ペンテン−5−オリド(4) (4S)−4−(N−t−ブトキシカルボニル)アミノ−
5−t−ブチルジメチルシリルオキシ−3(Z)−ペン
テン酸メチルエステル(3)330mg(0.918mmol)を5ml
のメタノールに溶かし10mgのDL−シヨウノウ−10−スル
ホン酸を加えて16時間撹拌した。酢酸エチル、炭酸水素
ナトリウム水溶液を加えて抽出し、有機層を水洗した後
硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をクロ
ロホルム5mlにとかし、更に濃縮し無色の結晶180mg(9
2.3%)の標記ラクトン体を得た。
性状;無色結晶 融点121.5−122.5℃ 〔α〕▲23 D▼+62.5゜(c1.01,CHCl31 H−NMR(100MHz,CDCl3,δppm):1.47(9H,s)、4.2−
4.6(3H,m)、4.80(1H,b)、6.07(1H,d,J=10Hz)、
6.86(1H、dd,J=5,10Hz) IRスペクトル(νcm-1):3340、2988、1724、1686 工程3: (1S,5S,6R)−5−(N−t−ブトキシカルボニル)ア
ミノ−3−オキサ−ビシクロ〔4.1.0〕ヘペタ−2−オ
ン(5) 不飽和ラクトン(4)100mg(0.469mmol)のエーテル溶
液10mlに酢酸パラジウム(II)116mg(0.516mmol)をと
かし、ジアゾメタンのエーテル溶液をTLC上で原料が消
失するまで加えた。不溶物を除き液を減圧濃縮して得
られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフイー(90
%エーテル/ヘキサン)で精製し、標記化合物33mg(3
1.1%)をスレオ体(1S,5S,6R):エリスロ体(1R,5S,6
S)=6:1の混合物として得た。
スレオ体(5)の物理化学的性質は、実施例1、工程2
で得たラクトン体と完全に一致するものであった。この
スレオ体(5)から実施例1の工程3(D)と同様にし
て標題化合物(1)が得られた。
試 験 例 R.H.Evansらの方法(Evans R.H.,Watkins,J.C.European
J.Pharmac.50、123−129(1978))に従い、新生ラツ
ト脊椎摘出標本(Rat New Born Spinal Cord)を用い、
人工生理液(脊椎液)還流下にその運動神経細胞(Moto
neuron)前根からの脱分極(depolarization:excitatio
n)活性を、L−グルタミン酸、本発明化合物1、1a、1
b及び1cの濃度10-3M〜10-6Mに於ける最少有効濃度(ME
C)を細胞外記録として測定した。
〔結果〕
試験結果は、表−1に示した通りである。
哺乳動物の中枢神経系に於けるグルタミン酸受容体は、
3つのサブタイプ、即ち1)NMDAタイプ、2)KAタイ
プ、3)QAタイプに分類されているが、本発明の化合物
1はMg++イオン存在下でその活性を消失することからNM
DAタイプ受容体に作用するものと考えられる。又その活
性は、表−1から判る様にL−グルタミン酸の100倍、
又これまでに最強と考えられているN−メチル−D−ア
スパラギン酸(活性:2×10-5)よりも更に5倍と強力な
もので、神経伝達試験薬としてその有用性が期待され
る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/195 AAF 9454−4C AAM AED (72)発明者 渡辺 和子 岐阜県岐阜市司町40番地 岐阜大学医学部 第一生理学教室内 (72)発明者 フィリップ・エヌ・リ 岐阜県岐阜市司町40番地 岐阜大学医学部 第一生理学教室内 (72)発明者 篠崎 温彦 東京都文京区本駒込3丁目18番22号

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(1) で表わされる(2S,3R,4S)−α−(カルボキシシクロプ
    ロピル)グリシン。
  2. 【請求項2】式(2) で表わされる2−アミノブテノール誘導体をオゾン酸化
    し、生成するアルデヒドにビス−2,2,2−トリクロロエ
    チルホスホリル酢酸メチルエステルのイリドを作用させ
    て式(3) で表わされるペンテン酸エステルとし、続いてこのペン
    テン酸エステルに酸を作用させることにより式(4) で表わされるラクトンとしたのちジアゾメタンを作用さ
    せて式(5) で表わされるビシクロラクトンとし、続いてこれをアル
    カリ処理後ジアゾメタンを作用させて式(6) で表わされるアルコールとし、このアルコールをジョー
    ンズ酸化後アルカリ加水分解及びトリフロロ酢酸処理す
    ることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の(2S,3
    R,4S)−α−(カルボキシシクロプロピル)グリシンの
    製造法。(上記各式中、Bocはt−ブトキシカルボニル
    基を、R1はt−ブチルジメチルシリル基を示す。)
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