JPH0768255B2 - シリル不飽和カルボキシレートの製造方法 - Google Patents

シリル不飽和カルボキシレートの製造方法

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JPH0768255B2
JPH0768255B2 JP2280254A JP28025490A JPH0768255B2 JP H0768255 B2 JPH0768255 B2 JP H0768255B2 JP 2280254 A JP2280254 A JP 2280254A JP 28025490 A JP28025490 A JP 28025490A JP H0768255 B2 JPH0768255 B2 JP H0768255B2
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三千夫 善林
清明 周藤
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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明はシリル不飽和カルボキシレートの製造方法に関
する。更に詳しくは、不飽和カルボン酸とハイドロシラ
ンとを反応させ、シリル不飽和カルボキシレートを収率
よく製造する方法に関する。
〔発明の技術的背景とその問題点〕
シリル不飽和カルボキシレートの製造方法として、不飽
和カルボン酸の金属塩にクロロシランを反応させる方法
が知られている(D.N.Andreev.et al.CA No.55 1533
2)。しかしこの反応では、反応収率が低く、クロロシ
ランが残存し、目的生成物の純度を下げるという欠点が
あった。
また、不飽和カルボン酸とクロロシランをトリエチルア
ミンのような塩酸捕獲剤の存在下に反応させて、目的生
成物を得る方法もある。しかし、この反応では、副生す
る塩酸塩を除去しなければならず工程が繁雑になり、濾
過工程の際に目的生成物が塩酸酸に吸着して著しく収率
が低下し、更に、反応混合物を蒸留によって精製する場
合に塩酸塩が昇華・留出しやすく、目的生成物の純度下
げるなどの欠点があった。
他方、カルボン酸とハイドロシランをPd,Ni,Rh触媒の存
在下で反応させて、シリカルボキシレートを製造する方
法が知られている(L.H.Sommer,J.E.Lyons,J.Am.Chem.S
oc.,91 7061(1969))。
しかしこの反応を不飽和カルボン酸を用いて行うと、多
量の飽和カルボン酸シリルエステルが同時に生成する。
特にRh触媒を使用した場合は、カルボキシ基への付加反
応も生じる。一方、触媒としてPt触媒を使用した場合は
不飽和カルボン酸の二重結合への付加反応も生じる。特
に不飽和カルボン酸が(メタ)アクリル酸の場合は、こ
れらの副生成物の沸点が目的生成物の沸点に近いため、
蒸留による精製が難しく、高純度のシリル(メタ)アク
リレートを得るのは困難であった。
このような従来技術の欠点に鑑み、本発明者らは不飽和
カルボン酸とハイドロシランとを、パラジウム触媒と非
プロトン性極性溶媒の存在下で反応させる方法を提案し
た(本願と同日付けの特許願(1))。この方法によれ
ば、不飽和カルボン酸の不飽和基の還元反応を伴うこと
なくシリル不飽和カルボキシレートを高純度で効率よく
得ることができる。しかしながら、非プロトン性極性溶
媒は本質的に極めて吸湿性が高いため、これを主溶媒と
して用いた場合、相当するシラノール及びその加水分解
物が生成し易く、水分管理を厳重に行う必要があった。
〔発明の目的〕
本発明は、好ましくない副生成物を生成することなく、
シリル不飽和カルボキシレートを収率良く製造する方法
の提供を目的とする。
〔発明の構成〕
本発明者らは、かかる目的を達成するために鋭意検討し
た結果、不飽和カルボン酸とハイドロシランとを、パラ
ジウム触媒と配位子の存在下に反応させると、不飽和カ
ルボン酸の不飽和基の還元反応を伴うことなく、シリル
不飽和カルボキシレートを高純度で収率良く製造できる
こと見出し、本発明を成すに至った。
即ち、本発明は、一般式 (式中、R1,R2,R3は水素原子、ハロゲン原子又は置換も
しくは非置換の1価の炭化水素基を表す)で示される不
飽和カルボン酸と、 一般式 (式中、R4,R5,R6はアルコシキ基又は置換もしくは非置
換の1価炭化水素基を表す)で示されるハイドロシラン
とを、パラジウム触媒及び配位子の存在下に反応させる
ことを特徴とする、 一般式 (式中、R1〜R6は前述の通り) で示されるシリル不飽和カルボキシレートの製造方法に
関する。
本発明に使用される不飽和カルボン酸(1)において、
R1,R2,R3は水素原子、ハロゲン原子又は置換もしくは非
置換の1価炭化水素基を表す。例えばR1としては、水素
原子;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペ
ンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニ
ル基、デシル基、ドデシル基のようなアルキル基;シク
ロペンチル基、シクロヘキシル基のようなシクロアルキ
ル基;2−フェニルエチル基、2−フェニルプロピル基の
ようなアラルキル基;フェニル基、トリル基のようなア
リール基;カルボキシル基及びこれらの1価炭化水素基
の炭素原子に結合した水素原子が部分的にハロゲン原
子、アミノ基、シアノ基、アルコキシ基、水酸基などで
置換されたクロロメチル基、クロロフェニル基、3,3,3
−トリフルオロプロピル基、アミノエチル基、シアノエ
チル基、0−メトキシフェニル基、0−ヒドロキシフェ
ニル基のような置換炭化水素基が例示される。
これらの中でも原料の入手及び合成の容易なことから、
水素原子、アルキル基、アラルキル基及びアリール基が
好ましく、特に水素原子、アルキル基が好ましい。R2
してはR1と同様の置換基及び水素原子が例示され、同様
に水素原子、アルキル基、アラルキル基及びアリール基
が好ましく、特に水素原子、アルキル基が好ましい。ま
たR3としてはR1と同様の置換基及び水素原子が例示さ
れ、同様に水素原子、アルキル基、アラルキル基及びア
リール基が好ましく、特に水素原子、アルキル基が好ま
しい。
このような不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メ
タクリル酸、2−エチルアクリル酸、クロトン酸、イソ
クロトン酸、2−エチルクロトン酸、アンゲリカ酸、2
−クロロアクリル酸、3−クロロアクリル酸、ケイ皮
酸、α−メチルケイ皮酸、β−メチルケイ皮酸、o−メ
トキシケイ皮酸、マレイン酸、フマル酸などが例示され
るが、これらの中でも入手が容易なことから、アクリル
酸、メタクリル酸が好ましい。
本発明において使用されるハイドロシラン(2)におい
て、R4,R5,R6は、アルコキシ基又は置換もしくは非置換
の1価炭化水素基を表す。例えばR4としては、メトキシ
基、エトキシ基、ブトキシ基、フェノキシ基などのアル
コキシ基;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル
基、ノニル基、デシル基、ドデシル基のようなアルキル
基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基のようなシク
ロアルキル基;2−フェニルエチル基、2−フェニルプロ
ピル基のようなアラルキル基;フェニル基、トリル基の
ようなアリール基及びこれらの1価炭化水素基の炭素原
子に結合した水素原子が部分的にハロゲン原子、アミノ
基、シアノ基、アルコキシ基、水酸基などで置換された
クロロメチル基、クロロフェニル基、3,3,3−トリフル
オロプロピル基、アミノエチル基、シアノエチル基、o
−メトキシフェニル基、o−ヒドロキシフェニル基のよ
うな置換炭化水素基が例示される。これらの中でも原料
の入手及び合成が容易なことから、アルキル基及びアリ
ール基が好ましく、特にメチル基、エチル基、ブチル基
及びフェニル基が好ましい。R5としてはR4と同様の置換
基が例示され、同様にアルキル基及びアリール基が好ま
しく、特にメチル基、エチル基、ブチル基及びフェニル
基が好ましい。またR6としてはR4と同様の置換基が例示
され、同様にアルキル基及びアリール基が好ましく、特
にメチル基、エチル基、ブチル基及びフェニル基が好ま
しい。
このようなハイドロシランとしては、トリメチルシラ
ン、トリエチルシラン、トリブチルシラン、トリフェニ
ルシラン、メチルジエチルシラン、ジメチルエチルシラ
ン、メチルジブチルシラン、ジメチルブチルシラン、エ
チルジブチルシラン、ジエチルブチルシラン、メチルジ
フェニルシラン、ジメチルフェニルシラン、エチルジフ
ェニルシラン、ジエチルフェニルシラン、ブチルジフェ
ニルシラン、ジブチルフェニルシラン、メチルエチルブ
チルシラン、メチルエチルフェニルシラン、メチルブチ
ルフェニルシラン、エチルブチルフェニルシラン、メチ
ルジエトキシシラン、ジメチルエトキシシランなどが例
示されるが、これらの中でも入手及び合成が容易なこと
からトリメチルシラン、トリエチルシラン、トリブチル
シラン及びトリフェニルシランが好ましい。
本発明において使用されるパラジウム触媒としては、パ
ラジウム金属の配位化合物、パラジウム金属粉末、炭素
上に担持されたパラジウム金属及びパラジウム塩などが
挙げられ、配位化合物におけるパラジウムはいかなる原
子価を有していてもよい。これらの触媒としてはPdCl2,
PdCl2(PPh32,Pd(OCOCH32,PdCl2(PhCN)のよう
な均一系触媒、Pd−Cのような不均一系触媒などが例示
されるが、これらの中でも、回収、再生が可能な点か
ら、Pd−Cが好ましい。
パラジウム触媒の使用量は特に制限されず、原料の種
類、反応、温度、反応時間などを考慮して変えることが
できるが、反応性、経済性の点から、ハイドロシランに
対して、100〜300ppmが好ましい。
本発明において使用される配位子としては、一般に遷移
金属など、あるいはその化合物と錯化合物を形成し得る
配位子が挙げられ、例えばトリブチルホスフィンなどの
アルキルホスフィン、トリフェニルホスフィンなどのア
リールホスフィン等のホスフィン系化合物、及びベンゾ
ニトリル、オクタジエンなどが例示されるが、これらの
中でも比較的優れた効果を示すことから、ホスフィン系
化合物であることが好ましく、特にトリフェニルホスフ
ィンが好ましい。配位子の使用量は特に制限されず、配
位子の種類、パラジウム触媒の種類等によって変えるこ
とができるが、効果・経済性の点からパラジウム原子に
対して0.5〜1.5当量が好ましい。
本発明においては、更に非プロトン性極性溶媒の使用が
好ましく、前記のパラジウム触媒と組み合わせることに
より、優れた効果を示す。非プロトン性極性溶媒として
は、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N−ジメチルホ
ルムアミド(DMF)、ヘキサメチルホスホルアミド(HMP
A)、ニトロメタン、N−メチルピロリドン、アセトニ
トリル、アセトンなどが例示され、これらのうちのいく
つかを混合して使用してもよい。これらの中でも優れた
効果を示すことなどから、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミ
ドが好ましい。
反応温度の制御、原料の溶解などのために、他の溶媒を
併用して反応溶媒とすることは可能であり、そのような
溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、n−ヘキサン、シクロヘキサンなどが挙げられる
が、反応溶媒中に非プロトン性極性溶媒を1重量%以上
含有していることが好ましく、特に10重量%以上含有し
ていることが好ましい。
反応温度は40〜160℃、好ましくは80〜120℃の範囲であ
る。この温度範囲内で、不飽和カルボン酸をハイドロシ
ランに対して好ましくは当量(モル)以上、2倍当量
(モル)以下、更に好ましくは1.3倍当量(モル)以
上、1.8倍当量(モル)以下反応させることにより、副
生成物の発生を抑え、収率良く目的生成物を製造するこ
とができる。反応生成物からは、通常の精製方法、例え
ば蒸留などにより、純度の高い目的生成物を得ることが
できる。
また、本発明の製造方法においては、原料の不飽和カル
ボン酸や、生成物の不飽和カルボキシレートの重合を防
止するために、酸素、ヒドロキノン、P−メトキシフェ
ノールなどの重合防止剤を添加することが好ましい。
〔発明の効果〕
本発明の製造方法により、HClのような好ましくない副
生成物を発生することなく、目的とするシリル不飽和カ
ルボキシレートを製造することができる。また副生成物
の濾過工程なども不要であり、工程が簡略となり、また
不均一系の触媒を使用した場合は、回収・再生が可能と
なり、収率の良い触媒の使用ができる。また、加水分解
性の高いクロロシランのかわりにハイドシランを使用す
ることができ、水分の影響を受けることが少なくなり、
原料の取り扱い、反応工程の管理が容易となり、また原
料のシランに由来するシラノールやその加水分解物の発
生が抑えられるため、収率良く目的生成物を製造するこ
とができる。
〔実施例〕
以下に実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明す
る。尚、例中、%は重量%を示す。
実施例1 温度計、還流冷却器を取り付けたフラスコに、トルエン
700g、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)170g、パラジ
ウムを0.5重量%含有するPd−C触媒40g、トリフェニル
ホスフィン0.5gを入れ、撹拌しながら110℃まで加熱し
た。その後メタクリル酸560g、トリブチルシラン1000
g、P−メトキシフェノール2gの混合物を添加した。反
応中、水素が発生し、発熱が観察されるので反応温度11
0℃〜120℃に保って4時間撹拌した。
水素の発生が止まり反応が終了した後、室温まで冷却
し、Pd−C触媒を濾別した。次いで、減圧蒸留すること
によって115〜117℃/3Torrの留分を1210g得た。この留
分についてGC−Mass,NMR,IR分析を行ったところ、トリ
ブチルシリルメタクリレートが92%、及びその不飽和結
合の還元体であるトリブチルシリルイソブタノエートが
6%存在することがわかった。トリブチルシリルメタク
リレートの単離収率は85%であった。
比較例1 配位子として実施例1で用いたトリフェニルホスフィン
を使用しない以外は実施例1と同様に反応を行った。反
応終了後、反応混合物をGCで分析したところ、原料のト
リブチルシランのピークは消失し、シリル化物が90%の
収率で得られていたが、トリブチルシリルメタクリレー
トと、その還元体であるトリブチルシリルイソブタノエ
ートが約2:1の割合で生成していることがわかった。
実施例2 温度計、還流冷却器を取り付けたフラスコに、トルエン
700g、DMF170g、パラジウムを0.5重量%含有するPd−C
触媒40g、トリフェニルホスフィン0.5gを入れ、撹拌し
ながら110℃まで加熱した。その後、メタクリル酸560
g、ジフェニルメチルシラン990g、P−メトキシフェノ
ール2gの混合物を添加した。反応中、水素が発生し、発
熱が観察されるので反応温度を110℃〜120℃に保って4.
5時間撹拌した。
水素の発生が止まり反応が終了した後、室温まで冷却
し、Pd−C触媒を濾別した。次いで減圧蒸留することに
よって、140〜150℃/2Torrの留分を1128g得た。この留
分についてGC−Mass,NMR,IR分析を行ったところ、ジフ
ェニルメチルシリルメタクリレートが94%、及びその不
飽和結合の還元体であるジフェニルメチルシリルイソブ
タノエートが4%存在することがわかった。ジフェニル
メチルシリルメタクリレートの単離収率は80%であっ
た。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 (式中、R1,R2,R3は水素原子、ハロゲン原子又は置換も
    しくは非置換の1価の炭化水素基を表す)で示される不
    飽和カルボン酸と、 一般式 (式中、R4,R5,R6はアルコキシ基又は置換もしくは非置
    換の1価炭化水素基を表す)で示されるハイドロシラン
    とを、パラジウム触媒及び配位子の存在下に反応させる
    ことを特徴とする、 一般式 (式中、R1〜R6は前述の通り) で示されるシリル不飽和カルボキシレートの製造方法。
  2. 【請求項2】配位子がホスフィン系化合物である請求項
    1記載のシリル不飽和カルボキシレートの製造方法。
  3. 【請求項3】不飽和カルボン酸がアクリル酸又はメタク
    リル酸である請求項1記載のシリル不飽和カルボキシレ
    ートの製造方法。
  4. 【請求項4】ハイドロシランが、トリブチルシランであ
    る請求項1記載のシリル不飽和カルボキシレートの製造
    方法。
  5. 【請求項5】パラジウム触媒がPd−Cである請求項1記
    載のシリル不飽和カルボキシレートの製造方法。
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