JPH0774294B2 - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JPH0774294B2
JPH0774294B2 JP13001187A JP13001187A JPH0774294B2 JP H0774294 B2 JPH0774294 B2 JP H0774294B2 JP 13001187 A JP13001187 A JP 13001187A JP 13001187 A JP13001187 A JP 13001187A JP H0774294 B2 JPH0774294 B2 JP H0774294B2
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文利 池尻
修治 南
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三井石油化学工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、耐吸湿性に優れ、且つ低収縮率、低線膨張係
数、表面光沢を有する成形品を得るに好適な繊維強化熱
可塑性樹脂組成物に関する。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする問題点〕
熱可塑性樹脂は成形が容易であるので、既に日用雑貨、
包装材、工業用部品、電気器具部品を始め、あらゆる分
野で大量に使用されている。しかしながらかかる熱可塑
性樹脂にも短所がないわけではなく、例えば熱可塑性樹
脂は溶融時の比容と固化した時の比容の差が大きいの
で、得られる成形品は多かれ少なかれ収縮することは避
けられない。その為成形品の設計を行う前には、予め収
縮率を見込んで金型が製作されている。
一方、近年通信機器、OA機器、音響機器、光学機器等の
精密機器の発展には目覚ましいものがある。そして、か
かる精密機器用の部品は寸法精度(各種使用条件下での
長期を亙る寸法安定性へ)の要求が厳しく、成形時に収
縮率が大きい熱可塑性樹脂を用いることは困難である。
非晶性の熱可塑性樹脂は成形収縮率が比較的小さいの
で、かかる分野に適してはいるが、一般に耐熱性に劣
る。またかかる精密機器用部品は各種使用条件下での長
期に亙る寸法安定性、特に高温多湿雰囲気での吸湿によ
る寸法変化が問題とされている。それ故、かかる部品
は、通常ダイカストあるいは金属の切削により製造され
ている。
本出願人は耐熱性に優れた非晶性熱可塑性樹脂として、
先にエチレン・多環状オレフイン共重合体(特開昭60−
168708号公報、特開昭61−115916号公報)を見出した。
かかる熱可塑性樹脂は耐熱性に優れているばかりでな
く、耐吸湿性、耐薬品性、耐溶剤性等にも優れるので、
前記精密機器の部品の成形用材料として好適な樹脂の1
つである。
しかしながら、かかるエチレン・多環状オレフイン共重
合体もそれ単体では未だ成形収縮率、線膨張係数等が大
きく、そのままではかかる部品には用い得ない。成形収
縮率等を低減させる手段の1つに、改質剤としてガラス
繊維等の繊維状充填剤を添加する方法が知られており、
前記公報にも繊維状充填剤を添加しかつ得ることが提案
されているが、かかる繊維状充填剤を単に添加しても成
形収縮率等の改良は不充分である。
そこで本発明者は、エチレン、多環状オレフイン共重合
体を基に、成形収縮率、線膨張係数等を改良すべく種々
検討した結果、繊維状充填剤として、ガラス繊維とチタ
ン酸カリウム繊維とを特定の割合で併用することによ
り、上記特性が改良されることを見出し、本発明を完成
するに至つた。
〔問題点を解決するための手段〕
すなわち本発明は、 (A)エチレン含有率が40〜90モル%のエチレンと式
(1)で示されるモノマー成分とのランダム共重合体で
あつて、かつモノマー成分が式(2)で示される構造を
有するランダム共重合体30〜70重量%、 (式中R1〜R12は水素、アルキル基又はハロゲンであつ
て各々同一又は異なつていてもよく、更にR9又はR10とR
11又はR12は互いに環を形成していてもよい。nは0又
は1以上の正数であつて、R5〜R8が複数回繰り返される
場合にはこれらは各々同一又は異なつていてもよい。) (B)ガラス繊維20〜60重量%、及び (C)チタン酸カリウム繊維5〜20重量% からなることを特徴とする表面光沢、耐吸湿性に優れ、
低成形収縮率、低線膨張係数を有する成形品を得るに好
適な熱可塑性樹脂組成物を提供するものである。
〔作 用〕
本発明で用いるランダム共重合体(A)は、エチレン含
有率が40〜90モル%、好ましくは50〜85モル%のエチレ
ンと前記式(1)で示されるモノマー成分とのランダム
共重合体であつて、かつモノマー成分が前記式(2)で
示される構造を有するランダム共重合体である。
エチレン含有率が90モル%を越えるランダム共重合体は
耐熱性が低くなり精密機器部品等の用途には不適であ
る。
本発明で用いるランダム共重合体(A)は、好ましくは
デカリン溶媒中、135℃で測定した極限粘度〔η〕が0.0
3〜10dl/g、更には0.1〜5dl/g、X線回析による結晶化
度が10%以下、更には5%以下、沃素価が5以下、更に
は1以下、ガラス転移温度(Tg)が50〜250℃、更には6
0〜200℃の範囲のものである。
本発明のランダム共重合体(A)の共重合成分として用
いる式(1)で示されるモノマー成分としては、例え
ば、以下のものを上げることができるが、ここで示され
る例は極めて限定されたものであつて、式(1)で示さ
れるものであれば如何なるものも本発明のモノマー成分
になり得る。
これらの中では式(1)においてn=1のもの、すなわ
ち式(3)、 で示されるモノマー成分が、モノマーの入手し易さある
いはモノマー合成のし易い面で好ましい。さらにはR1
R12が水素であるものの方が耐熱性、耐溶剤性の面から
好ましい。
上述のモノマー成分を製造するには、たとえば米国特許
3557072号公報(特公昭46−14910号公報)や特開昭57−
154133号公報の方法を適用することができる。
前記式(1)のモノマー成分とエチレンとの共重合体に
は、その性質を損なわない範囲、たとえばエチレンと等
モル未満の他のモノマー成分を共重合させてもかまわな
い。具体的にはα−オレフインや環状オレフインなどが
挙げられ、通常炭素原子数3〜20、好適には3〜10のα
−オレフイン、たとえばプロピレン、1−ブテン、3−
メチル−1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−
ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、
1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラ
デセン、1−ヘキサデセン、1−エイコセンなどを例示
できる。環状オレフインは、架橋のないシクロオレフイ
ンやスチレン類があり、たとえばシクロペンテン、シク
ロヘキセン、3,4−ジメチルシクロペンテン、3−メチ
ルシクロヘキセン、2−(2−メチルブチル)−1−シ
クロヘキセン、スチレン、α−メチルスチレンなどを例
示できる。ジシクロペンタジエン、エチリデンノルボル
ネン、ビニルノルボルネン、といつたポリエンも同様に
共重合可能である。また(無水)マレイン酸等の不飽和
カルボン酸類も共重合可能である。
重合体は、周知のチーグラー触媒とくにバナジウム系の
チーグラー触媒を使用して重合することにより製造され
る。より詳しくは、出願人による先行特許出願(たとえ
ば特開昭60−168708号)に開示されている。重合体の特
徴は、式(1)のモノマー成分が重合体中において主と
して式(2)で示される構造をとつていることであり、
これにより重合体の沃素価は通常5以下、多くが1以下
である。またこの構成をとることは13C−NMRによつても
裏付けられる。
そして本構造をとることにより、重合体は化学的に安定
であつて、耐水性及びアルカリや酸などの耐薬品性に優
れ、更に耐溶剤性、耐熱性、耐候性にも優れる。また極
めて低含水率である。さらに寸法精度にも優れる。
本発明で用いるガラス繊維(B)は、熱可塑性樹脂の補
強材として用いられているものであり、通常繊維径が1
〜20μm、好ましくは6〜12μm、繊維長が1〜10mm、
好ましくは3〜6mmの範囲のものである。又、ガラス繊
維(B)の表面をシラン系化合物、例えばビニルトリエ
トキシシラン、2−アミノプロピルトリエトキシシラ
ン、2−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等で
処理しておいてもよい。
本発明で用いるチタン酸カリウム繊維(C)は、一般式
K2O・(TiO2で示される繊維状の結晶であり、通常
繊維径が0.1〜3μm、好ましくは0.2〜1μm、繊維長
が5〜100μm、好ましくは10〜50μmの範囲のもので
ある。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、前記ランダム共重合体
(A)30〜70重量%、好ましくは40〜60重量%、前記ガ
ラス繊維(B)20〜60重量%、好ましくは30〜50重量%
及び前記チタン酸カリウム繊維(C)5〜20重量%、好
ましくは10〜15重量%とから構成される。
ガラス繊維(B)が20重量%未満では、成形収縮率、線
膨張係数か改良されず、一方70重量%を越えると成形品
の外観が劣る傾向にある。
チタン酸カリウム繊維(C)が5重量%未満では、成形
品の外観が劣る傾向にあり、一方20重量%以上では、ガ
ラス繊維の使用量が限定されてくるため、成形収縮率、
線膨張係数が劣る傾向にある。
本発明の熱可塑性樹脂組成物には、前記(A)、(B)
及び(C)成分に加えて、更に炭素繊維(D)を10〜50
重量%、好ましくは10〜30重量%を添加すると、成形品
の線膨張係数、摺動特性等が改良される。かかる補強材
として用いる炭素繊維(D)は通常繊維径が3〜20μ
m、好ましくは7〜18μm、繊維長が0.1〜10mm、好ま
しくは0.3〜3mmの範囲のものである。
本発明の熱可塑性樹脂組成物には前記成分に加えて、各
繊維状補強材とランダム共重合体(A)との親和性、接
着性等を増すために、無水マレイン酸等の不飽和カルボ
ン酸でグラフト変性した変性ポリオレフイン、たとえば
エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・ブテン共重
合体および本発明の構成成分であるランダム共重合体
(A)などを無水マレイン酸等でグラフト変性した変性
ポリオレフインを添加しておいてもよい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物には、前記成分に加えて、
本発明の目的を損なわない範囲で、耐熱安定剤、耐候安
定剤、滑剤、核剤、帯電防止剤、染料、顔料、無機粉末
充填剤、(タルク、炭酸カルシウム、ワラストナイト、
マイカ、シリカ)等を添加しておいてもよい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は種々公知の成形方法、例
えば射出成形、押出成形、圧縮成形等により各種成形品
に加工し得る。
〔発明の効果〕
本発明の熱可塑性樹脂組成物は成形加工性が良好で、得
られる成形品は耐吸湿性、耐熱性、表面光沢に優れ、低
成形収縮率、低線膨張係数を有するので、かかる特性を
活かして、射出成形により、精密機器部品、例えば、コ
ンパクトデイスク、フロツピーデイスクドライブ、プリ
ンタのキヤリツジ類、光フアイバーコネクターおよびそ
のフエルールやスリーブ、VTRガイドローラ、時計の地
板、などの材料としてとくに好適である。
〔実施例〕
次に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本
発明はその要旨を越えない限りこれらの例に何ら制約さ
れるものではない。
参 考 例(エチレン多環状オレフイン共重合体の合
成) 撹拌翼を備えた2のガラス製重合器を用いて、連続的
に、エチレンと多環状オレフイン1,4,5,8−ジメタノ−
1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン 以下DMONと略す)の共重合反応を行つた。すなわち、重
合器上部から、DMONのシクロヘキサン溶液を、重合器内
でのDMON濃度を60g/触媒としてVO(OC2H5)Cl2のシク
ロヘキサン溶液を、重合器内でのバナジウム濃度が0.9m
mol/、エチルアルミニウムセスキクロリド(Al(C
2H51.5Cl1.5)のシクロヘキサン溶液を、重合器内で
のアルミニウム濃度が7.2mmol/となるようにそれぞれ
重合器内に連続的に供給し、一方、重合器下部から、重
合器内の重合液が常に1になるように連続的に抜き出
す。また、重合器上部から、エチレンを毎時85、水素
を毎時6、窒素を毎時45の速度で供給する。共重合
反応は、重合外部にとりつけられたジヤツケツトに冷媒
を循環させることにより10℃で行つた。
上記条件で共重合反応を行うと、エチレン多環状オレフ
イン(エチレン・DMON)共重合体を含む重合反応混合物
が得られる。重合器下部から抜き出した重合液に、イソ
プロピルアルコールを少量添加して重合反応を停止させ
た。この後重合液に対して約3倍量のアセトンが入れて
ある家庭用ミキサー中に、ミキサーを回転させながら重
合液を投入し、生成共重合体を析出させた。析出させた
共重合体は濾過により採取し、ポリマー濃度が約50g/
になるようにアセトン中に分散させ、アセトンの沸点で
約2時間共重合体を処理した。上記記載の処理後、濾過
により共重合体を採取し、120℃で一昼夜減圧乾燥し
た。
以上のようにして得られたエチレン・DMONランダム共重
合体(エチレン多環状オレフイン共重合体)の13C−NMR
分析で測定した共重合体中のエチレン組成は59mol%、1
35℃デカリン中で測定した極限粘度〔η〕は0.42dl/g、
ガラス転移温度は136℃であつた。
実施例 1 参考例で得たエチレン多環状オレフイン共重合体:50重
量%、ガラス繊維(径13μm、長3mm):40重量%及びチ
タン酸カリウム繊維(径1μm、長さ20〜50μ):10重
量%を45mmφベント付2軸押出機(設定温度:260℃)に
て溶融混練造粒後、該組成物を射出成形して物性評価用
試験片を得た。測定方法は以下の方法によつた。
外観:成形収縮率測定用の角板の表面を目視及び手ざわ
りで評価した。
◎:表面に光沢むらが認められず、前面が滑らかな状態 ○:表面の光沢はないが滑らかな状態 ×:表面の光沢がなく、ザラザラした状態 成形収縮率:90×100×2mm角板、サイドゲート。金型寸
法に対する成形品寸法の測定より収縮率を求めた。
吸湿寸法変化:上記角板を温度60℃、湿度90%の雰囲気
に250時間放置して、寸法変化を求めた。
線膨張係数:12.7×127×3.2mm試験片の中央部より約4
×6×3.2mmの試験片を切り出し、温度上昇による寸法
変化を測定し、40〜60℃の領域での寸法変化率として求
めた。
曲げ強度:ASTM D 790 曲げ弾性率:ASTM D 790 測定結果を表1に示す。表1より本組成物から得られる
成形品は成形収縮率、線膨張係数、吸湿寸法変化、外観
に優れ、精密機器用部品に適していることが分かる。
実施例 2 実施例1で用いた組成物の代わりにエチレン多環状ポリ
オレフイン共重合体:50重量%、ガラス繊維:20重量%、
炭素繊維:20重量%、チタン酸カリウム繊維:10重量%か
らなる組成物を用いる以外は、実施例1と同様に行つ
た。結果を表1に示す。表1から本組成物から得られる
成形品も成形収縮率、線膨張係数、吸湿寸法変化、外観
に優れることが分かる。
実施例 3 実施例2の処方にて、射出成形の金型温度を120℃に上
げた。実施例2より、さらに外観(光沢)の向上が認め
られた。
比較例 1 実施例1で用いた組成物の代わりにエチレン多環状オレ
フイン共重合体を単独使用する以外は実施例1と同様に
行つた。結果を表1に示す。
比較例 2 実施例1で用いた組成物の代わりにエチレン多環状オレ
フイン共重合体:50重量%、ガラス繊維:50重量%からな
る組成物を用いる以外は実施例1と同様に行つた。結果
を表1に示す。
比較例 3 実施例1で用いた組成物の代わりにエチレン多環状ポリ
オレフイン共重合体:50重量%、炭素繊維(ピツチ系、
径18μm、長0.37mm):50重量%からなる組成物を用い
る以外は実施例1と同様に行つた。結果を表1に示す。
比較例 4 実施例1で用いた組成物の代わりエチレン多環状ポリオ
レフイン共重合体:50重量%、チタン酸カリウム繊維:50
重量%からなる組成物を用いる以外は実施例1と同様に
行つた。結果を表1に示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)エチレン含有率が40〜90モル%のエ
    チレンと式(1)で示されるモノマー成分とのランダム
    共重合体であつて、かつモノマー成分が式(2)で示さ
    れる構造を有するランダム共重合体30〜70重量%、 (式中R1〜R12は水素、アルキル基又はハロゲンであつ
    て各々同一又は異なつていてもよく、更にR9又はR10とR
    11又はR12は互いに環を形成していてもよい。nは0又
    は1以上の正数であつて、R5〜R8が複数回繰り返される
    場合にはこれらは各同一又は異なつていてもよい。) (B)ガラス繊維20〜60重量%、及び (C)チタン酸カリウム繊維5〜20重量% からなることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
JP13001187A 1987-05-28 1987-05-28 熱可塑性樹脂組成物 Expired - Lifetime JPH0774294B2 (ja)

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