JPH0776187B2 - ジヒドロペルオキシドを酸化・分解してレゾルシノールを製造する方法 - Google Patents

ジヒドロペルオキシドを酸化・分解してレゾルシノールを製造する方法

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JPH0776187B2 JP63324710A JP32471088A JPH0776187B2 JP H0776187 B2 JPH0776187 B2 JP H0776187B2 JP 63324710 A JP63324710 A JP 63324710A JP 32471088 A JP32471088 A JP 32471088A JP H0776187 B2 JPH0776187 B2 JP H0776187B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 発明の分野 本発明は、ジヒドロペルオキシドを酸化し、その後分解
する優れた方法に関する。より詳細には、本発明は過酸
化水素を用いて酸化する方法に関する。
従来技術の説明 ジイソプロピルベンゼン(DIPB)を周知の方法で酸化し
て、とりわり、レゾルシノールの製造用のジイソプロピ
ルベンゼンのジヒドロペルオキシド(DHP)およびヒド
ロキシヒドロペルオキシド(HHP)を生成する。触媒と
して酸を用いるm−DHPのレゾルシノールへの分解はほ
とんどすべて純粋なm−DHPの使用を必要とする。たと
えば米国特許第3,928,469号には、m−ジイソプロピル
ベンゼンの酸化生成物から得られ、72%のm−DHP、20
%のm−HHP、および8%のそれ以外の成分からなる組
成を有する粗ヒドロペルオキシド混合物を鉱酸触媒を使
用することにより通常の方法で開裂させても、m−DHP
の使用モル数に基づいて約70−73%のレゾルシノールと
いう低い開裂収量しか得られないことが開示されてい
る。にもかかわらず、m−DIPBのヒドロペルオキシド化
によって純粋なDHPを製造する実用的な方法も、HHPおよ
び他の生成物をヒドロペルオキシド化生成物から分離し
て純粋なDHPを得る経済的な方法も存在しないのであ
る。
過酸化水素を用いた処理によってヒドロキシ化合物をヒ
ドロペルオキシ化合物に転化することは周知である。し
たがって、過酸化水素による酸化を用いたm−HHPのm
−DHPへの転化は困難でないはずだと予測される。しか
し、特にスタンフォード・リサーチ・インスティチュー
ト(Stanford Research Institute,SRI)によるレビュ
ーに示唆されたように反応を短い接触時間で完了させな
ければならない場合には、DHP/HHPサンプル中のHHPの大
半を転化して90%以上の純度のDHPを得ることは容易で
はない。
1972年にSRIの研究者がレゾルシノールのヒドロペルオ
キシド化を経た新たな製造経路を報告した。SRIの方法
では、ベンゼンおよび/またはクメンをプロピレンでア
ルキル化してm−DIPBを製造し、その後m−DIPBをDHP
に酸化し、このDHPを酸触媒を利用して分解してレゾル
シノールとアセトンに分解する。
SRIのレビューには、苛性抽出物が10%以下のHHPを含有
するという仮定のもとに過酸化水素を使用して分解供給
材料中の少量のHHPをDHPに転化してレゾルシノールの収
量を向上することも提唱されている。改善された技術に
よって苛性抽出物を分析したところ、HHP含量がこれよ
りはるかに多いことが明らかになった。
1983年に三井石油化学株式会社に発行された欧州特許第
0021848号には、α−ヒドロキシアルキル置換芳香族化
合物からフェノールを製造する方法および装置が開示さ
れている。実施例では、24%のp−DHPおよび9.5%のp
−HHP(DHP:HHPのモル比=7:3)を含有するp−DIPBの
酸化生成物のメチルイソブチルケトン(MIBK)溶液を、
60%過酸化水素(H2O2:OH基のモル比=0.92)および3
%硫酸とアセトン中、74℃、1気圧で、30分の滞留時間
にわたって連続的に反応させている。ヒドロキノンの収
量はp−DHPに基づいて141%、そしてp−DHP+p−HHP
に基づいて99.0%であったとされている。しかしこの特
許には、過酸化水素によってm−HHPをm−DHPに転化す
る実施例は開示されていない。
1981年に同じく三井石油化学株式会社に発行された中川
らの米国特許第4,283,570号には、m−DHP/m−HHP混合
物からレゾルシノールを製造する二工程法が開示されて
いる。第1工程では、m−DIPBのヒドロペルオキシド化
によって得られたm−DHP/m−HHP混合物を、DHPの分解
を実質的に生じることのない条件で水性芳香族炭化水素
溶剤の不均質系で、酸性触媒の存在下にて過酸化水素に
よって処理している。過酸化水素による酸化は、副生物
の水を共沸混合物として芳香族炭化水素を用いて除去し
ながら連続的に行われる。第二工程では、過酸化水素の
実質的な不在下で、第1工程の生成物が、酸で触媒して
分解される。この特許にはさらに、第二工程を固体触
媒、たとえば陽イオン変換樹脂またはシリカ−アルミ
ナ、または無機または有機酸との接触によって行うこと
も開示されている。第1工程のみについてのさらに詳細
な説明は、さらに別の三井石油化学株式会社の今井らの
米国特許第4,267,387号に報告されている。この特許で
は反応器の温度を芳香族炭化水素溶剤の蒸気を供給する
することによって保持している。この特許でも副生物で
ある水を共沸混合物として芳香族炭化水素溶剤を用いて
除去することの重要性が強調されている。
過酸化水素によって予備処理した反応生成物はまだ有意
な量の水分を含有しており、このような生成物を固形触
媒または無機酸触媒、たとえば硫酸を用いて分解する
と、大量のm−イソプロペニルフェノールが副生物とし
て形成することが観察されている。レゾルシノールに対
する選択性は約70%にとどまっており、これは過酸化水
素で予備処理していない反応生成物を使用した際に観察
される選択性と同じである。
m−DHPのレゾルシノールへの分解は通常液相で、実質
的に無水の有機溶剤、たとえばアセトン、MIBK、ベンゼ
ンまたはトルエン中で実施される。この分解は高度に発
熱性で、m−DHP1モルから1モルのレゾルシノールと2
モルのアセトンが生成する。少量の強酸、たとえば硫酸
またはo−燐酸(それぞれH2SO4およびH3PO4)が触媒と
して使用される。
DHPの分解速度は第1義的にはDHPに基づいており、酸お
よびレゾルシノールによって加速されるものの水によっ
て減速されると考えられる。供給材料中に存在するヒド
ロペルオキシドはすべてアセトンおよび対応するフェノ
ール性生成物に転化される。したがって、m−モノヒド
ロペルオキシド(m−MHP)はm−イソプロピルフェノ
ールを形成し、そしてm−HHPはm−(α−ヒドロキシ
イソプロピル)フェノールを形成し、これがただちに脱
水されてm−イソプロペニルフェノールとなる。
上掲のSRIのレビューでは、m−DHPのMIBK抽出物を蒸発
させてヒドロペルオキシドの50%溶液を生成している。
連続反応器中80℃で、この溶液に触媒としての濃硫酸
(0.2重量%)、およびHHPおよびジカルビノール(DC
L)を酸化するための70%過酸化水素(25%過剰)を添
加する。添加速度は8分間の滞留時間が達成されるもの
とする。開裂後、硫酸を消石灰のスラリーで中和し、固
形分を濾過によって除去する。濾過された開裂生成物を
蒸留してアセトンおよびMIBKを除去する。水性の蒸留残
留物をトルエンで抽出して、レゾルシノール水溶液から
不純物(イソプロピルフェノールおよび重質部分)を選
択的に除去する。精製した水性ラフィネートを蒸発させ
て水の一部を除去する。濃縮した水溶液から結晶を成長
させる。最後にレゾルシノールを遠心によって分離し、
乾燥させる。
しかし、1976年に公表された英国特許第1,455,450号に
よれば、酸で触媒した分解に純粋なm−DHPを使用する
ことによってはじめて比較的純粋なレゾルシノールが得
られる。
m−DIPBのヒドロペルオキシド化による生成物を分解に
直接使用すると、得られた反応生成物はレゾルシノール
および他のヒドロペルオキシドから生成した化合物だけ
でなく、酸触媒の作用により分解成分と生成物がその後
反応することによって形成した数多くの二次生成物も含
有する。すなわち、レゾルシノールとアセトンが反応し
て樹脂を形成し、レゾルシノールとイソプロペニルフェ
ノールが反応して高沸点のアダクトを形成する。また、
イソプロペニルフェノールは重合して液状および固体の
双方の重合体を生成する。DHP/HHP混合物が酸触媒の存
在下で分解する際に生じる化学反応を下記に示す。
同様に、住友化学株式会社に発行された須田らの米国特
許第3,923,908号には、DHPの純度と、その分解によって
得られるレゾルシノールの収量との関係が論じられてい
る。レゾルシノールの収量は、2−ヒドロキシ−2−プ
ロピル基を含む不純物、たとえばカルビノールおよびHH
Pの量に高度に左右される。これらの基対DHPの分子数の
比が0.16以下であると最良の結果(90−95%の収率)が
得られる。言いかえると、DHP/HHPサンプル中のHHPのモ
ル%は14%以上となることはできない。この特許では、
このような高純度のDHP/HHPサンプルを得る方法は言及
されていない。
1982年に三井石油化学株式会社に発行された今井らの米
国特許第4,339,615号には、純粋なm−DHPを、芳香族炭
化水素およびアセトンからなる混合溶剤中で、水溶性酸
触媒(アセトンに可溶な酸)の存在下で開裂させる工程
を含むレゾルシノールの製造方法が開示されている。3.
9モル%のHHPを含有するDHP/HHPサンプルを使用して、8
6%のレゾルシノール収量が得られたことが報告されて
いる。この特許のヒドロペルオキシド化生成物を過酸化
水素で処理することによって、おそらく純粋なDHPが得
られる。
英国特許出願第GB2 071 662 A号には、m−DIPBからレ
ゾルシノールを製造するのに超酸触媒、たとえば三フッ
化ホウ素−フッ化水素錯体を使用することが開示されて
いる。
多くの特許に、m−DHPを分解することによって得られ
た粗レゾルシノールを酸触媒によって精製することが開
示されている。たとえば住友化学株式会社に発行された
特許である特開昭53−53626号には、純粋なレゾルシノ
ールを得るための単純な蒸留方法がクレームされてい
る。
ここでは、DHPの分解によって得られた粗レゾルシノー
ルを210℃以下のポット温度で減圧蒸留して、酸で触媒
した分解で生成した不純物を効果的に除去している。
別の特許である、1980年に三井石油化学株式会社に発行
された橋本らの米国特許第4,239,921号には、溶剤の再
結晶化によるレゾルシノールの優れた精製が開示されて
いる。この特許には、特定の比の芳香族炭化水素、アル
キルフェノール、およびアシルフェノールからなる混合
溶剤を使用した再結晶化法によって、粗レゾルシノール
から低沸点不純物と高沸点不純物の両方を除去できるこ
とがクレームされている。たとえば、トルエンとイソプ
ロピルフェノールの混合物から再結晶させたレゾルシノ
ールは、30ppmの高沸点不純物および60ppmの低沸点不純
物のみを含有している。
本発明の目的はm−DHPの純度を向上させることにあ
る。本発明のさらなる目的は、レゾルシノールの収量を
その後のm−DHPの分解を通じて向上させることにあ
る。
発明の開示 本発明の目的は、m−HHPをm−DHPに転化する優れた方
法によって達成される。レゾルシノールを製造する際
に、DIPBの選ばれた酸化生成物をさらなる処理のために
抽出する方法において、DIPBの選ばれた酸化生成物の抽
出物を過酸化水素で処理してm−HHPをm−DHPに転化
し、そしてその後m−DHPを三フッ化ホウ素、塩化第二
鉄および塩化第二錫よりなる群から選ばれた有効量の触
媒の存在下で分解する。過酸化水素で処理した抽出物
は、m−DHPの触媒を介した分解に先立って乾燥し、好
ましくはトルエンと混合しておく。触媒は分触の後中和
するのが好ましい。
好適実施態様の詳細な説明 図面に図式的に示した本発明の方法では、ジイソプロピ
ルベンゼン(DIPB)を任意の適当な方法によって酸素ま
たは空気で酸化する。好ましくはm−DHPおよびm−HHP
を含有する選ばれた酸化生成物を希水酸化ナトリウムで
抽出する。有機溶剤による第二の抽出を使用してm−DH
Pおよびm−HHP生成物を回収する。その後m−DHP/m−H
HP分画を本発明の方法にしたがって過酸化水素で処理し
て、m−DHPを分解することなくm−HHPをm−DHPに転
化させる。酸化生成物を任意の適当で公知の方法、しか
し好ましくは分子ふるいで乾燥し、次にm−DHPを少量
の触媒、好ましくは三フッ化ホウ素エーテル錯化合物の
存在下でレゾルシノールとアセトンに分解する。分解工
程では、かわりに塩化第二錫または塩化第二鉄を用いる
こともできる。次に分解生成物を適当な公知の方法で精
製して、商業的に有利な収量のレゾルシノールを製造す
る。
m−HHPのm−DHPへの転化 m−DIPBのヒドロペルオキシド化を行うと約3:1のm−D
HP/m−HHP混合物が生成物する。残念なことに、p−DHP
/p−HHPからのヒドロキノンの製造とは異なり、m−DHP
/m−HHPを含有する生成物を使用して良好なレゾルシノ
ールの収量を得ることはできない。米国特許第3,928,46
9号によれば、m−DHPの開裂に際してp−DHPが存在す
ると、p−DHPはp−HHPおよびm−ケトペルオキシドの
生成したレゾルシノールの収量に対する悪影響を低減さ
せることができる。
ほぼすべての酸で触媒したm−DHPのレゾルシノールへ
の分解では純粋なDHPを使用することが必要である。HHP
をDHPから分離する実用的な方法がなく、HHPも酸性触媒
で分解されてしまうことから、酸で触媒した分解を行う
前にHHPをDHPに転化しておく方法を開発する必要があっ
た。米国特許第4,283,570号および第4,267,387号に記載
した方法を改良した方法が有利であると判断した。これ
らの従来技術の方法では芳香族炭化水素溶剤中で過酸化
水素の不均一系を使用し、副生物である水を共沸蒸留に
よって連続的に除去している。
本発明の過酸化水素による酸化工程では水を連続的に除
去することはない。MIBKが存在すると過剰量の過酸化水
素を使用してMIBKと過酸化水素の反応を完了させる必要
が生じるので、MIBKをm−DHP/m−HHP分画から蒸発させ
るのが有利であると判断した。MIBKを蒸発させた後、m
−DHP/m−HHP分画を好ましくは過剰な過酸化水素の使用
を必要としないトルエンに溶解する。本発明の方法で
は、化学量論的量の過酸化水素を使用することができ
る。13−18%のような低濃度の過酸化水素を用いても、
DHP+HHPに基づいて88.3%のレゾルシノールが得られ
た。以下の実施例に示すようにもっと高い濃度を使用す
ることも可能である。触媒として、少量の有効量の硫酸
を加えるのが好ましい。
実施例1 攪拌機、温度計、および還流冷却器を備えた100mlの三
つ口フラスコに、75mlのトルエンに溶解した7.5gのDHP/
HHP混合物を入れた。フラスコを40℃に保った水浴中で
かきまぜながら加熱した。2.55gの50%過酸化水素、0.9
53gの96%硫酸、および3.552gの水からなる水溶液(1.5
Mの〔H2SO4〕、6.0Mの〔H2O2〕、およびDHP/HHP混合物
中の21モル%のHHPに基づいて400%過剰な過酸化水素に
等しい)をフラスコに加え、そして混合物を40℃で1時
間激しくかきまぜた。混合物を室温に冷却し、分液濾斗
に移した。分解生成物を2mlの水で洗浄し、5滴の10%
炭酸ナトリウム(Na2CO3)で中和した。生成物を5gの4
Åの分子ふるいを用いて室温で45分間乾燥し、この分子
ふるいを濾過によって除去した。上記トルエン溶液を三
つ口フラスコに戻し、50℃に加熱した。水浴を取除き、
三フッ化ホウ素触媒を激しい発熱反応が生じるまで液面
下に導入した。必要に応じてフラスコを氷水浴で冷却し
て、温度を50℃に保った。反応が沈静化した後にフラス
コを水浴中で50℃に45分間加熱して分解を完了させた。
室温まで冷却した後、反応混合物を分液濾斗に移し、50
mlの水を加えた。10%の炭酸ナトリウム水溶液を、激し
い振盪の後に水性相が中性となるまで滴下して加えた。
トルエン相を分離し、水性相を1回につき50mlのエーテ
ルで3回抽出してレゾルシノールを回収した。エーテル
溶液とトルエン溶液を合わせ、この溶液を乾燥するまで
蒸発させ、残渣をHPLCで分析して、レゾルシノール含量
を測定した。
第1表の実験I(DHPに対する93.1%)は、DHP/HHPサン
プル中のHHP濃度が約零であるので、最大のレゾルシノ
ール収率を示す。第I表の結果から、過酸化水素による
処理を行うとレゾルシノールの収率が有意に増大するこ
とがわかる。DHP+HHPに対するレゾルシノールの収率は
79.5−92%の範囲であり、当初の供給材料中の70−95%
のHHPが過酸化水素により処理によってDHPに転化された
ことが示唆される。これらの実験の供給材料はm−DIPB
のヒドロペルオキシド化から直接得られ、DHPに酸化さ
れ得ない不純物も含有しているので(実験1の結果を参
照のこと)、これらのレゾルシノール収率は達成しうる
最大収率に近いと考えることができる。
回収された過酸化水素溶液を50%の過酸化水素原液と混
合して、DHP/HHP混合物の次の酸化に用いる6.0Mの過酸
化水素供給材料を調製した。トルエン中の酸化DHP/HHP
生成物は任意の適当な公知の方法、たとえば分子ふるい
を用いて乾燥することができる。水の除去が、次の実施
例での三フッ化ホウ素によるm−DHPの分解にとって重
要であることを見出した。
m−DHPのレゾルシノールへの分解 ヒドロペルオキシド化過程の最終工程は、m−DHPを酸
性触媒の存在下で分解して、レゾルシノールとアセトン
の両方を生成させる工程である。現在の商業的過程で
は、この工程は、パーセント組成範囲の少量は通常は鉱
酸、たとえば硫酸であるブレンステッド酸触媒の存在下
で行われる。通常は有機溶剤に溶解している分解生成物
を希アルカリで中和し、次に希釈して粗レゾルシノール
を得る。
本発明は、三フッ化ホウ素および塩化第二錫よりなる群
から選ばれたルイス酸触媒、好ましくは無水三フッ化ホ
ウ素またはその錯体を使用したm−DHPの優れた分触方
法を提供する。第II表に示した結果から、三フッ化ホウ
素触媒の活性が通常の触媒より高いことがわかる。この
ことはm−DHPの分解にBF3を使用することの確実な利点
である。m−DHPの分解は、有意に少なめの量の触媒、
たとえば10−100ppm、および10−50ppmという少量の触
媒を約50℃の温度で使用することによって達成される。
実施例2 攪拌機、温度計、および還流冷却器を備えた100mlの三
つ口フラスコに、75mlのMIBK(またはトルエン)に溶解
した15gのm−DHPを入れた。フラスコを50℃に保った水
浴中でかきまぜながら加熱した。μlシリンジを使用し
て25μlの三フッ化ホウ素エーテル錯化合物(BF3・Et2
O)をフラスコに入れて、m−DHPのレゾルシノールへの
分解を開始した。1時間反応させた後、反応混合物を室
温に冷却し、少量のサンプルをGLCで分析した。反応混
合物をすぐにリンコ(Rinco)蒸発器に移し、溶剤を40
℃および4mmの圧力(トルエンを溶剤として使用した場
合にはこれにより高い圧力)で蒸発させた。得られた固
形分を秤量し、HPLCで分析した。レゾルシノールの収量
をサンプルの重量およびHPLC分析でのレゾルシノールの
重量%から計算した。
第II表に低率のm−HHPを含有する m−DHPの分解によって得られたレゾルシノールの収量
を示す。
GLCまたはHPLCによる分解生成物の分析からレゾルシノ
ールの高い選択性が示唆される。従来のヒドロペルオキ
シド化過程ではレゾルシノールを高純度で得るのは困難
である。三フッ化ホウ素触媒を使用する利点が明白であ
る。純度がもっと低いm−DHP(他の成分はm−HHPおよ
びm−MHP)を使用した場合でさえ、レゾルシノールの
収量は、純度なm−DHP(90%)を硫酸触媒を用いて分
解した場合より良好である。
m−DHP分画は上述したように、三フッ化ホウ素を用い
た分解の前に乾燥しておく必要がある。水分含量が高い
ほど多量の触媒が必要なことが観察されている。水は、
望ましくない分解生成物を生成しやすい低活性の触媒種
を生成することによって、三フッ化ホウ素の活性を低減
する。水分含量のおおよその上限は0.1重量%であるこ
とがわかっている。
実施例3 200mlのフラスコに、75mlの溶剤(トルエンまたはMIB
K)と6MH2O2と1.5MH2SO4を含有する15mlの水溶液を入れ
た。室温で30分間攪拌した後、水性相を分離し、溶剤を
5gの乾燥剤(無水Na2SO4または4A分子ふるい)を用いて
50℃で30分間乾燥させた。DHPの分解を50℃で開始する
のに必要な量のBF3−Et2 O触媒を使用することにより、
溶剤を使用して7.5gのm−DHP(>90%の純度)を分解
した。1時間反応させた後、反応混合物を室温に冷却
し、溶剤をリンコ蒸発器を使用して40℃、および4mmの
圧力で蒸発させた。回収された固形分を秤量しHPLCによ
ってレゾルシノールについて分析した。レゾルシノール
の収量を、サンプルの重量およびHPLC分析でのレゾルシ
ノールの重量%から計算した。結果を第III表に示す。
第IV表に、m−DIPBヒドロペルオキシド化生成物の苛性
抽出から直接得られたm−DHP/m−HHP混合物の分解をま
とめる。存在するm−DHPに基づいたレゾルシノールの
収量は理論収率より2.7%−33.7%低かった。一般に、
低純度のm−DHPを分解するとレゾルシノールの収率は
低くなる。処理過程を完了するには通常2−3日かか
り、レゾルシノールは極めて反応性の化合物であって特
に酸性触媒の存在下ではおそらく二次生成物が形成する
ことから、このことは驚くには当たらない。
実施例4 以下の手順を使用して、三フッ化ホウ素触媒を使用した
m−DHP/m−HHP混合物の分解についてのさらに正確なデ
ータを得た。
攪拌機、温度計、および還流冷却器を備えた100mlの三
つ口フラスコに、75mlのトルエンに溶解した7.5gのm−
DHP/m−HHP混合物を入れた。フラスコをかきまぜながら
水浴中で50℃に加熱した。水浴を取除いた後、15−100
μlの三フッ化ホウ素エーテル錯化合物をμlシリンジ
と長い針を用いて液面下に導入した。フラスコを氷水浴
を用いて冷却して発熱反応によって生じた熱を除去し
た。フラスコを50℃で45分間保ち、室温に冷却した。内
容物を150mlの分液漏斗に移し、50mlの水を加えた。2
−3分振盪した後、10%炭酸ナトリウム水溶液を水性相
のpHが中性(pH=7)となるまで滴下して加えた。トル
エン相を分離し、水性相を各回につき50mlのエーテルで
3回抽出した。エーテル溶液とトルエン溶液を合わせ、
この溶液を乾燥するまで蒸発させ、残渣を秤量し、レゾ
ルシノールの分析用の標準的な方法を使用して、HPLCに
よって分析した。
第V表は、触媒として三フッ化ホウ素を使用した際のレ
ゾルシノールの収量に対する(10%Na2CO3水溶液を用い
た)触媒の中和の効果を示す。表には、m−DHPの分解
の直後に三フッ化ホウ素触媒を中和することによって収
量が増加することだけでなく、溶剤としてアセトンを使
用し分解後に三フッ化ホウ素触媒を除去しないとレゾル
シノールの収量が大きく低減することも示されており、
このことから、レゾルシノールとアセトンとの間に反応
が生じた可能性が示唆される。
m−DHP分解生成物の処理中のレゾルシノールの損失に
起因するレゾルシノールの収量の不確実性を低減するた
めに、以下のGLC分析法を使用してレゾルシノールの収
量を向上させた。結果を第VI表に示す。
実施例5 上述したのと同じ手順を使用することによって、75mlの
溶剤中の7.5gのm−DHP/m−HHPサンプルを、少量の三フ
ッ化ホウ素エーテル錯化合物を用いて分解した。分解
後、溶液を氷水浴を用いて室温に冷却した。生成物を25
0mlのメスフラスコに移し、トルエンで250mlに希釈し
た。秤量した特定量の純粋なレゾルシノール(通常1−
3.5g)を約10mlのアセトンに溶解し、これをトルエン25
0mlに希釈することによって外部標準を製造した。外部
標準の応答係数を使用し、GLCによって2種の溶液を分
析して、レゾルシノールの重量%を測定した。GLCによ
る分析では、10%のOV17を充填した210℃の10フィート
×1/8インチのSSカラムを使用した。
現在可能な技術と比べると、三フッ化ホウ素によって触
媒されたm−DHPの分解の結果(第VI表参照)は優れて
いる。サンプル中に存在するDHP(%)に基づいたレゾ
ルシノールの収量(%)は、m−DHPの純度に応じて70.
4%−96.6%であった。溶剤としてトルエンを用いると
収率はさらに高く、このことからレゾルシノールとMIBK
との間に反応が生じている可能性が示唆される。とはい
え、これらの収率は触媒として濃硫酸を使用した場合よ
り高い。25μlの三フッ化ホウ素を使用した場合の95.9
%の収率と比較して、第II表の実験5では触媒として96
%の硫酸を使用したときのレゾルシノールの収率は61.1
%であった。
比較の目的で、数種の異なったルイス酸触媒の存在下で
のm−DHPの分解を調べ、結果を第VII表に示す。三フッ
化ホウ素(BF3)と塩化第二錫(SnCl4)の双方で最良の
収率が得られた。塩化第二鉄(FeCl3)でも良好な収率
が得られた。塩化第二錫は環境問題を生ずる可能性があ
ることを考慮すると、三フッ化ホウ素が好ましい。塩化
アルミニウム(AlCl3)を用いた分解ではレゾルシノー
ルの収率は極めて低かった。したがって、すべてのルイ
ス酸がm−DHPの分解用に良好な触媒となるわけではな
い。
三フッ化ホウ素触媒の別の利点は、生成したレゾルシノ
ールの二次反応を促進する活性が低いことである。m−
DHPを分解させる使用したような少量の三フッ化ホウ素
では、レゾルシノールと、たとえばイソプロペニルフェ
ノールとの反応を促進するには不充分である。また、三
フッ化ホウ素触媒は少量の水酸化ナトリウム水溶液で洗
浄することによって有機相から容易に除去することがで
きる。したがって、三フッ化ホウ素によって触媒された
m−DHPの分解によって得られた粗レゾルシノールは特
定の精製過程を必要としない。このことは、本発明の方
法による、三フッ化ホウ素によって触媒されたm−DHP
の分解の利点であると考える。
【図面の簡単な説明】
添付図面は、本発明の方法の好適実施態様を示した図で
ある。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C07B 61/00 300

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】レゾルシノールを製造する際に、m−ジイ
    ソプロピルベンゼンの選ばれた酸化生成物をさらなる処
    理のために抽出する方法において、 m−ジイソプロピルベンゼンの選ばれた酸化生成物の抽
    出物を過酸化水素で処理して、m−ジイソプロピルベン
    ゼンヒドロキシヒドロペルオキシドをm−ジイソプロピ
    ルベンゼンヒドロペルオキシドに転化し、 過酸化水素で処理した抽出物を溶液の含水量が0.1重量
    %未満となるように乾燥し、 m−ジイソプロピルベンゼンジヒドロペルオキシドを三
    フッ化ホウ素、塩化第二鉄および塩化第二錫よりなる群
    から選択される触媒の10〜100ppmの存在下で分解する工
    程を含む方法。
  2. 【請求項2】m−ジイソプロピルベンゼンジヒドロペル
    オキシドの分解の後に、さらに上記触媒を中和する工程
    を含む請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】上記触媒が三フッ化ホウ素である請求項1
    記載の方法。
  4. 【請求項4】上記抽出物を、過酸化水素による処理の前
    にトルエンに溶解しておく請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】上記過酸化水素が少なくとも化学量論的量
    存在する請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】上記過酸化水素が過剰な量存在する請求項
    1記載の方法。
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