JPH077884B2 - 同軸型誘電体共振装置及びそのインダクタンス調整方法 - Google Patents

同軸型誘電体共振装置及びそのインダクタンス調整方法

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JPH077884B2
JPH077884B2 JP1150555A JP15055589A JPH077884B2 JP H077884 B2 JPH077884 B2 JP H077884B2 JP 1150555 A JP1150555 A JP 1150555A JP 15055589 A JP15055589 A JP 15055589A JP H077884 B2 JPH077884 B2 JP H077884B2
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寛一 野村
健一 今野
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ノムラ電気株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、同軸型誘電体共振器または同軸型誘電体伝送
線路を有する同軸型誘電体共振装置に関し、特に、その
インダクタンスの調整を容易にするための装置的な改良
ないしは当該インダクタンスの調整方法に関する。
[従来の技術] 同軸型誘電体共振器は、従来からも特にマイクロ波以上
の高周波領域で種々の電子回路に良く採用されており、
その基本構造は、様々な構造的改変例共々、もとより周
知となっている。
そこで本書でも、こうした同軸型誘電体共振器自体に関
しては、第13図A,BにLC並列共振型の代表的な基本構成
例を挙げ、簡単な説明を施すに留めるが、図示されてい
る同軸型誘電体共振器10は、まず、軸方向両端面12,13
に抜ける透孔14を有する円柱状や角柱状(一般には角柱
が多い)の柱状誘電体11を有している。
この柱状誘電体11の四側の周壁面15には、銀その他、適
当なる金属性物質による導電層が蒸着ないし塗布され
て、いわゆる同軸型伝送線路構造における外部導体が構
成されており、また、軸方向に抜ける透孔14の内壁面16
にも、同様に適当なる導電層が付されて、内部導体ない
し中心導体が形成されている。
さらに、第13図Aにて見える方の軸方向端面12に対し、
隠れている軸方向端面13にも適当なる導電層が蒸着ない
し塗布され、したがって、外部導体と内部導体とは、第
13図Bの縦断面に良く示されるように、この一端部13に
おいては短絡される。
このような構造を採った上で、柱状誘電体11の長さを最
適に設定し、原理的には使用周波数に関して当該誘電体
を用いた場合の管内波長λgの四分の一(λg/4)に選
ぶと、等価的に当該使用周波数に関し、インダクタとキ
ャパシタの並列共振回路として働く同軸型誘電体共振器
10が得られる。
逆に、短絡端13を作ることなく、軸方向透孔の両端12,1
3側共、非短絡端(開放端)とすれば、LC直列共振回路
となり、さらに、管内波長の四分の一の長さにこだわら
なければ、一般的な同軸型誘電体伝送線路となる。換言
すると、四分の一管内波長の同軸型誘電体伝送線路は、
その一端のみを非短絡とするか、両端共に非短絡とする
かにより、LC並列共振となるかLC直列共振となるかの相
違はあっても、とにかくも共振回路として作用するの
で、特に同軸型誘電体共振器と呼ばれるのである。
もちろん、誘電体11を用いるのは、外部導体と内部導体
の間が空気になっている古くからの中空同軸線路構造に
比すと、それら両導体間にこの誘電体11が充填された格
好になるため、その比誘電率の平方根の逆数に応じ、管
内波長λgを短くすることができ、結局は共振器自体の
寸法を相当小型化できるからである。
なお、本書では以降、上記した柱状誘電体11の各面部分
13,15,16は、それらの上に形成される導電層の符号とし
ても用いることがあり、周壁面導電層15は単に外部導体
15、透孔内壁面に付された導電層16は内部導体16等と呼
ぶこともある。
また、一対の軸方向端面12,13の中、導電層が付されて
いる端面13は“短絡端”、付されていない端面12は“開
放端ないし非短絡端”と呼ぶ。
ただし、これも周知の通り、非短絡端12は、その全面に
おいて誘電体表面が露呈していなくとも、少なくとも内
部導体16の当該端部の周りに金属層がなく、外部導体15
との関係で等価的に開放端とみなせる距離が置かれてい
れば良い。
[発明が解決しようとする課題] 上記のような同軸型誘電体共振器は、本質的に共振尖鋭
度(Q)が高く、物理的にも電気的にも優れていること
が知られているが、最近では、高い比誘電率を持ち、物
理的安定性に優れた柱状誘電体材料が一層簡単に入手可
能になってきたこともあって、富にその使用量が増して
きている。
特に、従来ならば少しく贅沢であるとして使用されなか
ったような回路、例えば民生用の無線送受信機の局部発
振周波数源とか送信用の搬送波周波数発生源として、フ
ェイズ・ロックド・ループ(PLL)と組合せて用いられ
る電圧制御発振器(VCO)の共振回路等にも、こうした
同軸型誘電体共振器が好んで採用され始めてきており、
無線送受信機全体として高いC/N比や良好な周波数安定
度を得るに寄与している。
しかし一方、これと引き換えに、そのような電圧制御発
振器の自走周波数に関する初期調整は厄介になってき
た。
と言うのも、当該周波数を調整するには、主として、用
いている同軸型誘電体共振器自体のインダクタンスを調
整しなければならないが、この種の同軸型誘電体共振器
は、むしろ、ほぼ無調整でも設計値通りの再現性の良い
特性が得られることに特徴があり、実際上も、その特徴
を裏付けるかのように、特性を可変調整し得るような構
造部分はないに等しいからである。
そのため、あえて従来における特性調整法を探して見て
も、第9図Aに示されるように、適当なる回路基板21の
上に形成され、外部回路への接続部となる所定の導電パ
ターン部分22に対し、同軸型誘電体共振器10の内部導体
16の導通を採るためのリード23に並列し、仮想線で示さ
れるような追加のキャパシタCaを外付けするか、また
は、第9図B中にあって仮想線の切削線CLで示すよう
に、共振器自体の一部分を機械的に削り取るような手法
しかなかった。
明らかなように、このような調整法は望ましくない。第
9図Aに示す方法は、特性を実測しながら、際手なキャ
パシタンスに合致したキャパシタCaを個々の製品ごとに
一々選ばねばならないし、第9図Bに示す方法も、結局
は個々に削除量を決定しなければならない。当然、削り
過ぎれば元に戻すことはできない。
結局、このような方法は、いずれも余りに手間が掛か
り、量産品に関しては排斥されるべき手法であるし、特
に前述のように、この種の同軸型誘電体共振器を電圧制
御発振器の共振回路に用いるような場合には、共振周波
数よりも若干低い周波数領域で使用することにより、実
質的にこの誘電体共振器10をLC並列共振回路というより
もインダクタLとして取扱うので、少なくともそのイン
ダクタンスを調整しなければならないが、明らかなよう
に、第9図Aに示すような外付けキャパシタの追加方法
だけでは、それは不可能である。
本発明はこのような事情に基づいて成されたもので、同
軸型誘電体共振器や同軸型誘電体伝送線路を用いる場合
にも、簡単な追加の構成要素を付すだけで、少なくとも
そのインダクタンスに関してはこれを容易に調整可能と
するような構造、ないしはその方法を提供せんとするも
のである。
[課題を解決するための手段] 本発明は上記目的を達成するために、まず、従来からの
既存構造と同様な同軸型誘電体共振器(並列共振型でも
直列共振型でも可)を一つの主要な構成要素として用い
る場合においては、当該同軸型誘電体共振器の内部導体
を外部回路に電気的に接続するためのリード部に工夫を
施し、このリード部を、その長さの途中部分では互いに
電気的に接触し合うことがなくて、それぞれに自身のイ
ンダクタンス成分を持ち、かつ、互いの間では磁気誘導
結合による相互インダクタンス成分を生ずる複数本のリ
ード線により構成して、これをインダクタンス調整用リ
ード部とする。
そして、このように複数本のリード線構造を採用した場
合においてのインダクタンス調整方法としては、まず第
一に、当該複数本のリード線の中、少なくとも二本のリ
ード線間の空間的な間隔を広狭に可変調整することによ
り、上記した相互インダクタンスを減少方向あるいは増
大方向に可変調整するという手法を提案する。
さらに第二の手法としては、当該第一の手法に加え、あ
るいはこれに代えて、複数本のリード線の中の少なくと
も二本のリード線間を半田により短絡し、この半田によ
る短絡長さに応じ、それら二本のリード線の各実効長さ
を縮長方向に可変調整する(すなわち、実際のリード線
の長さに比し、半田の付いた距離分だけ、その実効的な
長さを縮める)ことで、各々自身に見込まれるインダク
タンス成分を減少方向に可変調整するという手法を開示
する。
ただし、本書で言う半田とは、明確に“半田”と銘打っ
て市場に提供されているものはもとより、溶融、固化す
ることで導電材料に付着可能な導電物質であれば、それ
ら全てを含む総称である。
一方、本発明装置における全体としてのインダクタンス
は、上記のインダクタンス調整用リード部に見込まれる
インダクタンスと誘電体共振器側に見込まれるインダク
タンスの直列合成により得られるので、上記において採
用を仮定していた通常の既存構成に従う誘電体共振器に
少し改変を施し、使用周波数の管内波長λgに対する基
準値λg/4よりもその長さを短くし、インダクタンス分
を小さくしても差支えない。
のみならず、λg/4よりも短い長さとした場合、さらに
軸方向両端面とも非短絡面とし、したがってこれまでの
同軸型誘電体共振器構造を、より一般的な意味での同軸
型誘電体伝送線路構造に代えた上で、一方の端部にはこ
れまで通りに単なるリード線を付し、他端部に上記して
きたどれかのインダクタンス調整用リード部ないし調整
手法を適用することもできる。もちろん原理的には、当
該同軸型誘電体伝送線路の両端に対し、本発明によって
採用されているインダクタンス調整用リード部を付して
も良いが、一般にはそこまでする必要はないことが多
い。
しかるに、上記をさらに推し進めれば、λg/4長または
上記のようにそれよりも短い長さの同軸型誘電体共振器
や同軸型誘電体伝送線路を、あたかも途中で二つ以上の
複数の部分に切断した格好にし、それら複数の部分の内
部導体同志を電気的に直列接続して行くに際して、その
少なくとも一個所に、上記してきた中、どれかのインダ
クタンス調整用リード部を組込んだ装置を提供すること
ができる。
[作用] 本発明の同軸型誘電体共振装置においては、当該装置と
してのインダクタンスLOは、使用周波数における管内波
長λgの四分の一(λg/4)ないしはほぼλg/4の長さを
持って構成された同軸型誘電共振器構造部分、またはよ
り一般的な構造としての同軸型誘電体伝送線路構造部分
の持つインダクタンス成分Lrとし、本発明により新たに
追加されたインダクタンス調整用リード部におけるイン
ダクタンス成分LTとの直列合成和(LO=Lr+LT)で表す
ことができる。もっとも、実際の装置では、単に両イン
ダクタンスLr,LTの数学的な単純加算では全体としての
合成インダクタンスLOが得られないこともあるが、逆
に、上記のように単純加算和として説明しても、本発明
の作用や効果の認識上は一般性を失わないので、そのよ
うにする。
すなわち、インダクタンス調整用リード部において、こ
の部分のインダクタンス成分LTを調整し得れば、他方の
誘電体構造部分のインダクタンス成分Lrが固定であって
も、本装置全体としてのインダクタンスLOを調整するこ
とができる。
こうした原理に従い、既述した本発明の各装置ないし各
方法の作用を検討するに、まず、インダクタンス調整用
リード部として、同軸型誘電体共振器の内部導体の非短
絡端に一端を接続した二本以上の複数本のリード線を用
いた装置にあっては、それら複数本の中、少なくとも二
本のリード線間の空間的な間隔を広狭に可変すると、そ
れら二本のリード線間に得られる相互インダクタンスを
増減いずれの方向にも可変にすることができるので、同
軸型誘電体共振器自身の持つインダクタンス成分Lrと直
列に入るこの調整可能なインダクタンス成分のLTの存在
により、結局、装置全体としてのインダクタンスLOを実
効的に増減いずれの方向にも可変調整することができ
る。
もっとも、三本以上のリード線を用いた場合には、その
中の二本に対し、上記調整を施すと、結果としてはそれ
ら三本以上の間での互いの相互インダクタスに影響が出
る。換言すれば、上記のように、少なくとも二本のリー
ド線間での空間的間隔を調整するということは、この場
合、実質的に三本以上のリード線間での空間的間隔、ひ
いてはそれらの間に得られる相互インダクタンスの合成
成分も調整していることになる。
このようなリード線間隔の広狭調整に対し、少なくとも
二本のリード線間を半田で短絡する部分の距離を可変に
することで、当該二本のリード線間の実行長さを縮長方
向に可変する場合には、それら各リード線自身に見込ま
れるインダクタンス成分を可変調整することになり、そ
れでもリード部全体としてのインダクタンスLTを可変調
整できるから、結果として本装置全体のインダクタンス
LOを可変調整できることになる。
ただし、上記のようにリード線間隔を狭めることにより
インダクタンスLTないしLOを増大方向にも調整できるの
とは異なり、一般には減少方向に沿ってのみの可変調整
となる。
また、半田を用いると、この半田を付した部分にもイン
ダクタンス成分が見込まれるが、実際にはこの半田量が
ある程度以上に多いと、実効的にリード線径がそこで太
くなった場合と等価となり、そのため、この部分でのイ
ンダクタンス成分は無視可能な程、小さな値に抑え込む
ことができるし、そうでない場合には逆に、この半田量
そのもので全体としてのインダクタンスを減少方向に調
整することもできる。
もちろん、上記したリード線間隔の調整手法と、この半
田による短絡距離調整手法とは共存させることができ、
例えば半田によって短絡距離を長くし過ぎ、リード部に
おけるインダクタンスLTが小さくなり過ぎてしまった場
合には、半田で短絡されていない部分のリード線間隔を
狭めることで相互インダクタンス成分を増し、当該イン
ダクタンスLTを再び増大方向に調整し直したり、あるい
はまた、その逆の作業が可能である。
一方で、上記のインダクタンス調整用リード部自体に大
きなインダクタンス成分LTが見込める場合には、同軸型
誘電体共振器自体のインダクタンス成分Lrを低減して
も、全体としてはそれらインダクタンス成分LT,Lrの直
列合成値によって目的のインダクタンスLOを稼げること
になるから、本発明のまた別な形態に認められるよう
に、当該誘電体共振器は、管内波長λg/4よりも短い長
さを持つものとして構成することもでき、当然、これは
装置の小型化を招く。
したがって、さらに一般的な意味で、誘電体内部導体と
外部導体の両端部分に関し、これらを共に非短絡面とし
た誘電体伝送線路構造を用いることもでき、その少なく
とも一端側にこれまで述べてきたようなインダクタンス
の調整手段ないし調整手法を適用すれば、上記してきた
所と全く同様の原理でインダクタンスの調整が可能であ
る。
のみならず、λg/4長またはそれよりもやや短い同軸型
誘電体共振器、あるいはλg/4よりも短い長さの同軸型
誘電体伝送線路をさらに途中で二つ以上に分割し、それ
ら複数の部分の内部導体同志を電気的に直列接続して行
くに際して、その少なくとも一個所に、上記してきた
中、どれかの構成のインダクタンス調整用リード部を組
込んでも、全く同様の作用を見込むことができる。
[実 施 例] 第1図A〜Dには、本発明による同軸型誘電体共振装置
の第一の実施例が示されている。
本装置は、主要な一構成要素として、第13図及び第9図
に示した従来例における同軸型誘電体共振器10と同様の
構造で、管内波長λgの四分の一の長さを基準に作られ
た並列共振タイプの同軸型誘電体共振器30を有してい
る。
したがって、この共振器30の構造については、すでに当
該従来例に関して説明した所を援用するが、符号上は、
第13図示従来例における10番台の符号が30番台の符号と
なっており、下一桁が対応する構成要素同志で同じとな
っている。例えば、従来例における柱状誘電体11は、こ
の実施例では柱状誘電体31として示されている。
しかるに、この実施例において特徴的なのは、この同軸
型誘電体共振器30の内部導体36を適当なる外部回路(図
示せず)へ接続するため、例えば基板21上に形成されて
いる導体パターン22との間で電気的な接続を採るリード
部40が、互いにその長さの途中では電気的に接触するこ
とのない二本のリード線41-1,41-2で構成されているこ
とである。
この構造を改めて言い直せば、これら二本のリード線41
-1,41-2は、それぞれ、その一端では同軸型誘電体共振
器30の内部導体36の非短絡端に対し、例えば半田42等に
より電気的、物理的に共通に固定され、全く同様に、そ
の他端側においても、基板21上の導電パターン22に対
し、半田等により電気的、物理的に共通に固定されてい
るが、少なくともその長さ途中の部分では、互いに電気
的に接触することがなく、特に第1図A,Bに示される状
態では、お互いの間に少しの離間距離を置いて平行に走
っている。
また、この実施例の場合、これら二本のリード線41-1,4
1-2は、元は一本の導電線を折り曲げ加工し、折り曲げ
た部分を導体パターン22の上に接触させるようにして形
成しているが、これは便利ではあっても必須のことでは
なく、一本一本、別途な線材を用いて良いことはもちろ
んである。
しかるに、このような構造による本装置の電気的な等価
回路は、第2図示のようになる。
同軸型誘電体共振器30の部分は、すでに説明したよう
に、原理的にはインダクタンスLrとキャパシタンスCrに
よる並列共振回路となるが、ここでは本装置を電圧制御
発振器用の共振回路へ応用する場合を想定し、共振周波
数よりも低い周波数での使用によりインダクタンスLrが
支配的になった状態で考えるので、キャパシタンスCrは
あえて仮想線で示した。この方が理解もし易い。
これに対し、この実施例では二本の平行リード線41-1,4
1-2で構成されたリード部40における等価回路を見る
と、それぞれのリード線41-1,41-2の各々に見込まれる
インダクタンスL1,L2の外、それらの間の磁気誘導結合
に基づいて発生する相互インダクタンスMを見込むこと
ができ、したががって、全体としてのリード部40のイン
ダクタンスLTは、簡単のため、L1=L2=Lとすると、 LT=(L+M)/2 ‥‥‥ となる。
そのため、第1図Aに示されるように、両リード線4
1-1,41-2がほぼ平行な状態から、第1図Cに示されるよ
うに、それらリード線41-1,41-2を互いに引き離す方向f
Wに押し広げると、相互インダクタンスMが低減し、し
たがって上記リード部40における合成インダクタンス成
分LTが減少方向に変化する。
逆に、第1図Dに示されるように、両リード線41-1,41
-2を押し狭める方向fNに偏倚させると、それらの間の相
互インダクタンスMが増し、リード部40としての合成イ
ンダクタンス成分LTが増加方向に変化する。
したがって明らかなように、本誘電体共振装置の全体と
してのインダクタンスLOは、第2図等価回路からして、 LO=LT+Lr ‥‥‥ であるから、例え公知構造部分である同軸型誘電体共振
器30におけるインダクタンス成分Lrを可変にできず、固
定のままにするしかなくても、リード部40における一対
の両リード線41-1,41-2間の間隔調整により、全体とし
てのインダクタンスLOを調整することができる。
このようなことからして、この実施例では一対の両リー
ド線41-1,41-2で構成されているリード部40を、インダ
クタンス調整用リード部40と呼ぶことができる。
ちなみに、第1図示の本発明誘電体共振装置をクラップ
型の発振器の共振回路に用いる場合の基本的な等価回路
を示すと、既述のように本装置はインダクタンス成分LO
のみで記すことができるから、第3図のようになり、結
合コンデンサ容量をCK、トランジスタQ1のベースとエミ
ッタ間のコンデンサ容量をCf、エミッタとコレクタ間の
コンデンサ容量をCeで表すと、発振周波数fOは次式で
表すことができる。
したがって、一般にLr>LTであるから、本装置をこうし
た発振器の共振回路中に用いると、両リード線41-1,41
-2間の間隔調整により、発振周波数fOを微調整でき、間
隔を広げて相互インダクタンスMを低減させれば発振周
波数fOは高い方に、逆に間隔を狭めて相互インダクタン
スMを増せば低い方に調整することができる。
もちろん、この原理は、図示されているタイプ以外の電
圧制御発振器においても全く同様に適用でき、また、同
軸型誘電体共振器自体、図示の並列共振型に代え、両端
非短絡のLC直列共振型が採用される場合にも、同様に適
用可能である。
いずれにしろこの実施例の同軸型誘電体共振装置は、以
上のように、極めて便利な特徴を数多く有している。構
造的には極めて簡単であるにもかかわらず、インダクタ
ンスの調整が容易であり、誘電体共振器30の部分には何
等、手を加える必要がない。しかも、リード線間隔を広
げたり狭めたりするので、何回かの調整にも耐え、一旦
調整手続を踏むと最早再調整が不可能となることもな
い。第9図Bに示されるような従来例と大いに異なる有
利な点である。
もちろん、図示実施例の場合には、インダクタンス調整
用リード部40に用いるリード線数は二本としたが、これ
をさらに三本以上の複数本に展開することができる。そ
の場合には、それら複数本の中で任意の本数のリード線
相互に対し、その間隔調整を施して良いが、もちろん、
少なくともその中の二本に対してだけでも、上記と同様
な間隔調整を施せば、所期の通りに全体としてのインダ
クタンスLOを調整(微調整)することができる。複数本
のリード線が平行に走っている中で、その中の二本の間
隔を調整すれば、結局は他のリード線との間隔も調整し
ていることになる。
以下述べる各実施例も、上記のような利点、特徴を同様
に有し、第3図示のような発振器に適用できるものであ
る。
例えば第1図示の実施例装置であっても、一対のリード
線41-1,41-2間の間隔調整に代え、第4図に示されてい
るように、半田51により、両リード線41-1,41-2間を短
絡する距離hを可変にすることでも、この一対のリード
線41-1,41-2により構成されているインダクタンス調整
用リード部40におけるインダクタンス成分LTを可変調整
することができる。
その場合の等価回路が第5図に示されているので、これ
につき説明すると、半田51の短絡長hが長くなれば、リ
ード部40においての各リード線41-1,41-2のそれら自身
の持つインダクタンス成分L1,L2が小さくなり、両者間
に例え同程度の磁気的な結合度が見込まれても、当該リ
ード部40におけるインダクタンスLTは減少方向に変化す
る。
ただ、図示の場合、半田51に見込まれるインダクタンス
成分LSも示されているように、厳密には短絡距離hが長
くなると、この半田51に見込まれるインダクタンス成分
LSは増加傾向となり、リード線41-1,41-2の各々のイン
ダクタンスL1,L2の低減方向とは逆方向となって、支障
があるかのように思われる。しかし、一般にこのような
半田51によるインダクタンス成分LSは、実効的にリード
線径を大幅に増したときと同様に、極めて小さな値に抑
えることができるので、その影響は無視可能であるし、
無視可能と考えない場合には、逆にこの半田51の付着量
により、このリード部40における全体としてのインダク
タンス成分LTを調整可能ということにもなる。
以下の実施例では、これと同様に半田51を用いることが
あっても、この点を踏まえた上で、半田51に見込まれる
インダクタンス成分LSは簡単のため、無視する。
第4図示の実施例においては、半田51は誘電共振器30の
非短絡端32に近い位置に付着させているが、もちろん、
一対のリード線41-1,41-2の長さ上のどこに対して付着
させても良い。インダクタンス調整用リード部40をさら
に多数本のリード線41-1,41-2,‥‥‥で構成した場合に
も、この半田による短絡距離調整手法は全く同様に採用
することができ、また、これと併せて、既述した各リー
ド線間の間隔調整を採用しても良い。そのようにすれ
ば、例えば半田51を付け過ぎ、リード部40のインダクタ
ンス成分LTを低下させ過ぎた場合にも、半田51の付いて
いない所で一対のリード線部分の間隔を押し狭めること
により、インダクタンス成分LTを再び増す方向に調整す
ることができる。
しかるに、上記したインダクタンス調整用リード部40に
見込まれるインダクタンス分LTが大きい場合には、共振
回路として動作する範囲内において、誘電体共振器の長
さを基準長λg/4よりも短か目にし、装置全体としてさ
らなる小型化を計ることができる。ただし、誘電体共振
器単体の場合に比し、どうしてもQ値は落ちるので、実
際の設計ではこの点を考慮に入れるのが良い。
このような考え方をさらに進めると、誘電体共振器30で
はなく、その基本形であって、長さ方向の両端が共に非
短絡端(開放端)となった誘電体伝送線路構造を利用す
る実施例にも至る。
第6図はそうした一実施例の概念構成を示しており、長
さがλg/4よりもずっと短くて良く、かつ、両端が共に
非短絡端32となった誘電体伝送線路60が採用されてい
る。この構造自体については、これもすでに従来例の説
明し即して述べた通りであり、周壁面に付された導電層
が外部導体35、軸方向透孔34の内壁面に付された導電層
が内部導体36として作用する。
しかるに、内部導体36の一端側では、第9図示の従来例
と同様に、適当なるリード線23の一端が半田42等により
固定され、このリード線23の他端が基板21に形成された
外部回路接続部ないし導体パターン22に電気的に接続し
ているが、他端側においては、これまで第1図から第5
図までに即して述べてきた本発明実施例のどれかで用い
られたインダクタンス調整用リード部40が設けられてい
る。
このリード部40の他端は、同様に基板21上に形成された
もう一つの外部回路接続部ないし導体パターン24に電気
的に接続されるが、実際には、基板上の導体パターン2
2,24の中、いずれか一方は接地に接続される。したがっ
て、本発明要旨構成上に言う外部回路とは、そうした接
地回路をも含む概念である。
このような構造であっても、インダクタンス調整用リー
ド部40として、すでに説明されたどれかの構造を採用
し、かつ、その構造に対して説明されたインダクタンス
調整方法を適用すれば、誘電体伝送線路60の持つインダ
クタンス成分Lrに対し、調整可能なインダクタンス成分
LTを直列に挿入した関係で、図示されてい装置全体とし
てのインダクタンスLOを可変調整することができる。
もちろん、本発明にて提示しているインダクタンス調整
用リード部40を、誘電体伝送線路60の両端に共に配して
も良いが、一般には図示されているように、一方にのみ
配せば事足りる。
さらに、上記してきた誘電体共振器30ないし誘電体伝送
線路60は、これを複数の部分に分割し、分割された部分
の内部導体相互を直列に接続して行く構造を採用するこ
とができ、その場合に、それら直列接続部分の少なくと
も一個所に、これまで述べてきたどれかの構造のインダ
クタンス調整用リード部40を挿入することもできる。
すなわち、第7図示のように、一対の部分誘電体共振器
30-1,30-2または誘電体伝送線路60-1,60-2の間に本発明
で提示するどれかのインダクタンス調整用リード部40が
電気的に直列に挿入されており、全体としての誘電体共
振装置の両端はそれぞれ、外部回路に接続されている。
外部回路はもちろん、仮想線のリード線23で示すよう
に、接地回路を含んで良い。なお当然、これら両端の部
分においても、本発明によるインダクタンス調整用リー
ド部40が採用されるようになっていても良いし、第一
に、誘電体共振器ないし誘電体伝送線路の分割数も任意
の問題である。
このように、誘電体共振器30または誘電率伝送線路60を
複数個の部分30-1,30-2,‥‥‥‥または60-1,60-2,‥‥
‥‥に分割すると、電気的な特性上の問題よりも、物と
しての取扱の自由度が生まれ、例えばこれら分割した部
分は空間的に並置の関係に置くことができ、かつ、その
長さは基準長λg/4に対し、これを分割数で割った長さ
以下に抑えることができるので、従来のように、徒らに
誘電体部分の長さのみが長くなって基板上の他の部品配
置関係に制約を生んでいたような不都合を回避すること
ができる。
[効果] 本発明においては、電気的な特性として極めて優れてい
る同軸型誘電体共振器ないしは同軸型誘電体伝送線路を
用いる場合に、欠点として残されていた特性調整の困難
さを合理的に解消することができる。
しかも、このインダクタンスの調整に供されるインダク
タンス調整用リード部は、いずれも極めて簡単な構造で
済み、かつ、調整作業が非常に簡単で済む外、一旦取付
ければ、別な値のものに付け換えたりする必要もない。
したがって、この種の誘電体共振原理を利用する各種電
子回路を市場に供給するに際し、その生産性を損うこと
がなく、結局はこの種の誘電体共振系の汎用性を益々も
って高めることができる。
実際上、本出願人においても、民生用無線送受信器に必
要な電圧制御発振器(VCO)の共振回路への応用を実験
した所、電気的な特性上はもちろん問題なく、調整作業
性や生産性に関し、大いなる合理化に成功した。この場
合、すでに何度か述べているように、本発明は装置とし
ては共振装置であるが、実際にはこれをインダクタとし
て利用した。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第一の実施例の装置としての概略構成
図と方法としてのインダクタンス調整手順を説明する説
明図, 第2図は第1図示実施例の等価回路に関する説明図, 第3図は本発明により提供される誘電体共振装置を電圧
制御発振器の共振回路に利用する場合の概念的な等価回
路の説明図, 第4図は本発明のインダクタンス調整方法の他の実施例
の説明図, 第5図は第4図によるインダクタンス調整方法の作用を
説明するための等価回路図, 第6図は長さ方向の両端が共に開放端ないし非短絡端と
なった同軸型誘電体伝送線路を使用する場合の実施例の
概略構成図, 第7図は同軸型誘電体共振器部分または同軸型誘電体伝
送線路部分を複数個の部分に分割した実施例であって、
その結合個所の少なくとも一つにインダクタンス調整用
リード部を組込んだ模様を示す説明図, 第8図は同軸型誘電体共振器自体の説明図, 第9図は従来における同軸型誘電体共振器の特性調整方
法の説明図,である。 図中、30は同軸型誘電体共振器、31は柱状誘電体、32は
非短絡端ないし開放端、33は短絡端、34は軸方向透孔、
35は誘電体周壁面ないし外部導体、36は透孔内壁面ない
し内部導体、40はインダクタンス調整用リード部、23,4
1,41-1,41-2はリード線、51はインダクタンス調整のた
めに用いられる半田、60は同軸型誘電体伝送線路、であ
る。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】管内波長の四分の一、またはほぼ四分の一
    に等しい長さで、その内部には軸方向に抜ける透孔を有
    する柱状誘電体と、該柱状誘電体の周壁面に付された外
    部導体と、上記軸方向透孔の内壁面に付された内部導体
    とを有し、該内部導体と外部導体とを少なくともその軸
    方向一端側では非短絡とした同軸型誘電体共振器と; 上記内部導体を外部回路に電気的に接続するためのリー
    ド部であって、それ自身のインダクタンス成分を調整可
    能なインダクタンス調整用リード部とから成り; 該インダクタンス調整用リード部は、その長さの途中部
    分では互いに電気的に接触し合うことがなく、それぞれ
    に自身のインダクタンス成分を持ち、かつ、互いの間で
    は磁気誘導結合による相互インダクタンス成分を生ずる
    複数本のリード線により構成されていること; を特徴とする同軸型誘電体共振装置。
  2. 【請求項2】管内波長の四分の一、またはほぼ四分の一
    に等しい長さの柱状誘電体を持つ同軸型誘電体共振器に
    代え、該管内波長の四分の一よりも短い長さの柱状誘電
    体を有し、かつ、該柱状誘電体の周壁面に付された外部
    導体と、該柱状誘電体に穿った軸方向透孔の内壁面に付
    された内部導体とを、該軸方向透孔の両端のいずれの側
    においても電気的に短絡させず、共に非短絡端とすると
    共に、該内部導体に対してはさらに、上記インダクタン
    ス調整用リード部が接続している端部と対向する端部の
    側に第二の外部回路に接続する第二のリード線を接続し
    て成る同軸型誘電体伝送線路を用い; 上記インダクタンス調整用リード部の接続している上記
    外部回路と上記第二のリード線の接続している上記第二
    の外部回路のいずれか一方を接地回路としたこと; を特徴とする請求項(1)に記載の装置。
  3. 【請求項3】上記インダクタンス調整用リード部を上記
    外部回路に接続するのに代え、上記柱状誘電体をその長
    さ方向に複数の部分に分割し、該複数の部分の各々の内
    部導体相互を電気的に直列に接続して行くに際し、該電
    気的な直列接続部分の少なくとも一つに上記インダクタ
    ンス調整用リード部を挿入したこと; を特徴とする請求項(1)または(2)に記載の装置。
  4. 【請求項4】管内波長の四分の一、またはほぼ四分の一
    に等しい長さで、その内部には軸方向に抜ける透孔を有
    する柱状誘電体と、該柱状誘電体の周壁面に付された外
    部導体と、上記軸方向透孔の内壁面に付された内部導体
    とを有し、該内部導体と外部導体とを少なくともその軸
    方向一端側では非短絡とした同軸型誘電体共振器と,上
    記内部導体を外部回路に電気的に接続するためのリード
    部であって、それ自身のインダクタンス成分を調整可能
    なインダクタンス調整用リード部と,から成る同軸型誘
    電体共振装置において; 該インダクタンス調整用リード部を、その長さの途中部
    分では互いに電気的に接触し合うことがなく、それぞれ
    に自身のインダクタンス成分を持ち、かつ、互いの間で
    は磁気誘導結合による相互インダクタンス成分を生ずる
    複数本のリード線により構成し; 該複数本のリード線の中、少なくとも二本のリード線間
    の空間的な間隔を広狭に可変調整することにより、上記
    相互インダクタンスを減少方向あるいは増大方向に可変
    調整すること; を特徴とする同軸型誘電体共振装置のインダクタンス調
    整方法。
  5. 【請求項5】上記複数本のリード線の中、少なくとも二
    本のリード線間の空間的な間隔を広狭に可変調整するに
    加え、またはこれに代え、該複数本のリード線の中の少
    なくとも二本のリード線間を半田により短絡し、該半田
    による短絡長さに応じ、該二本のリード線の各実効長さ
    を縮めるように可変調整することにより、該二本のリー
    ド線が各々有するインダクタンス成分を減少方向に可変
    調整すること; を特徴とする請求項(4)に記載の方法。
  6. 【請求項6】管内波長の四分の一、またはほぼ四分の一
    に等しい長さの柱状誘電体を持つ同軸型誘電体共振器に
    代え、該管内波長の四分の一よりも短い長さの柱状誘電
    体を有し、かつ、該柱状誘電体の周壁面に付された外部
    導体と、該柱状誘電体に穿った軸方向透孔の内壁面に付
    された内部導体とを、該軸方向透孔の両端のいずれの側
    においても電気的に短絡させず、共に非短絡端とすると
    共に、該内部導体に対してはさらに、上記インダクタン
    ス調整用リード部が接続している端部と対向する端部の
    側に第二の外部回路に接続する第二のリード線を接続し
    て成る同軸型誘電体伝送線路を用い; 上記インダクタンス調整用リード部の接続している上記
    外部回路と上記第二のリード線の接続している上記第二
    の外部回路のいずれか一方は接地回路であること; を特徴とする請求項(4)または(5)に記載の方法。
  7. 【請求項7】上記インダクタンス調整用リード部を上記
    外部回路に接続するのに代え、上記柱状誘電体をその長
    さ方向に複数の部分に分割し、該複数の部分の各々の内
    部導体相互を電気的に直列に接続して行くに際し、該電
    気的な直列接続部分の少なくとも一つに上記インダクタ
    ンス調整用リード部を挿入したこと; を特徴とする請求項(4)から(6)までのいずれか一
    つに記載の方法。
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