JPH0782010B2 - 粒子分析装置用シース液 - Google Patents

粒子分析装置用シース液

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JPH0782010B2 JP62261386A JP26138687A JPH0782010B2 JP H0782010 B2 JPH0782010 B2 JP H0782010B2 JP 62261386 A JP62261386 A JP 62261386A JP 26138687 A JP26138687 A JP 26138687A JP H0782010 B2 JPH0782010 B2 JP H0782010B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、臨床検査分野等において血球等の粒子計数お
よび分類を目的とした粒子分析装置に使用される試薬
(シース液)、さらに詳しくは緩衝剤、浸透圧調整用添
加剤および水溶性界面活性剤を含有する水溶液からなる
シース液に関する。
〔従来の技術〕
血液中に存在する血球は白血球、赤血球および血小板か
らなり、特に赤血球の測定においては赤血球の個数のみ
ならず、赤血球の大小を計数することによって、先天的
異常や後天的異常を判定する材料を得ることができる。
近年、この血球計数の分野においてはシースフローシス
テムを用いた機器が出現し、血球計数の自動化・高速化
が進んでいる。シースフローシステムとは細管中を最適
流量・最適流速で粒子懸濁試料を通過させ、細管中の検
出部を粒子が通過するとき発生する電気的あるいは光学
的パルスを検出することによって粒子の計数を行う方法
である。このシースフローシステムでは粒子を一列に並
べて細管中を通過させる必要から、粒子懸濁試料を「さ
や状」に包んで流す。この「さや状」に包む液をシース
液と呼んでいる。
シースフローシステムを利用した装置は厳密に調製・構
成されねばならず、そのため目的に応じて種々の材質か
らなる部品が使用されている。しかしながら種々の部品
のある材質のものはそれ自体が単独で、あるいは種々の
材質の相互作用によって水溶液中に含有される空気を部
品表面に気泡として発生・付着させ、さらに大きな気泡
となるまで保持する。発生した気泡がシース液の流れに
のってフローセル(細管)を通過すると、正常な流れを
乱し、したがって粒子検出における異常の原因となる。
また誤って気泡が粒子として検知されることもある。
一方、シース液は前述のように粒子懸濁試料を包むもの
であり、粒子を懸濁させる希釈液を介して粒子に接す
る。希釈液自体は粒子を保護する機能を有するが、この
保護機能がシース液の組成物によって妨害されると、粒
子の変形・破壊がひき起される。一般に、鉄欠乏性の貧
血の場合には、赤血球粒子の小球化が起ることが観察さ
れ、悪性貧血の場合には、赤血球粒子の大球化が起るこ
とが観察されている。したがって赤血球粒子の大きさを
正確に測定することは、病気の診断上重要である。とこ
ろが、一般に赤血球粒子では液の浸透圧等が低下した場
合には、赤血球粒子の膨化(大球化)が起り、浸透圧等
が増大した場合には、赤血球粒子の小球化が起ることが
知られている。したがって浸透圧等が適正に調整されて
いない場合には、赤血球粒子の正確な大きさを測定でき
ないことになる。これらのことはシース液の性能におい
て粒子自体の性質を正しく保持できることが、極めて重
要な要素として要求されることを意味する。したがっ
て、粒子の影響せず、かつ、気泡を発生しないシース液
が必要である。
ところで、界面活性剤はその界面活性効果により気泡の
発生を抑えることが知られている。一般に水溶性界面活
性剤は、その特性としてミセル形成臨界濃度(CMC)以
下では、溶液中に「つぶ」を形成し、かつ壜点以上の温
度では、「濁り」を生じることが知られている。粒子分
析装置では「つぶ」および「濁り」は検出異常の原因と
なる。特開昭62−87233号公報には気泡の発生を抑える
ため界面活性剤を添加したシース液を調製することが記
載されている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
界面活性剤をシース液に添加することにより、気泡の発
生を抑制することは有用であるが、シース液は蒸留水に
比べはるかに浸透圧が高いため、一般に明示されている
各種界面活性剤の壜点よりかなり低い温度で濁りを生
じ、粒子分析装置においてノイズとして計数されるとい
う問題が生じている。例えば前記公報に界面活性剤とし
て開示されたポリオキシエチレンポリオキシプロピレン
ブロックポリマーのうち、あるものは壜点よりはるかに
低い温度においても目に見えない「濁り」が発生し、粒
子分析装置においてノイズとして検出され、正常な粒子
計数を行えないという不具合が生じている。
本発明者は前記問題点を解決するため鋭意検討した結
果、流体系内において気泡の発生を抑制し、かつ粒子に
影響を与えず、さらには、また、粒子分析装置用シース
液の含有物質として使用した場合において「濁り」を発
生させない水溶性界面活性剤が存在することを見い出
し、本発明に到達したものである。
本発明は上記の諸点に鑑みなされたもので、粒子に影響
を与えず、かつ正確に粒子計数を行うのに役立つ粒子分
析装置用シース液の組成物の提供を目的とするものであ
る。
〔問題点を解決するための手段および作用〕
本発明の粒子分析装置用シース液は、つぎの(a)〜
(d)の4成分、すなわち、 (a) 緩衝剤、 (b) 浸透圧調整用添加剤、 (c) ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステ
ル系界面活性剤、 (ただし、アルキル基の炭素原子数は16個以上であり、
オキシエチレンの付加モル数は15〜40である。) (d) 水、 を含有することを特徴としている。
また本発明の粒子分析装置用シース液の各組成の割合
は、 (a) 緩衝剤:0.01〜3.0wt%、望ましくは0.017〜1.0
wt% (b) 浸透圧調製用添加剤:0.25〜2.5wt%、望ましく
は0.58〜1.12wt% (c) ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステ
ル系界面活性剤:0.01〜1.0wt%、望ましくは0.01〜0.5w
t% (2) 水:93.50〜99.73wt%、望ましくは97.38〜99.3
9wt% である。
本発明のシース液に有用な緩衝剤はリン酸、炭酸、ホウ
酸、有機酸および/またはそれらの金属塩が含まれ、そ
れらの1つあるいは2つ以上の混合物である。好ましい
緩衝剤濃度は5〜30mMである。緩衝剤はpHを6.0〜8.5、
より好ましくは7.0〜8.5に維持するのに適した組成であ
ることが好ましい。
本発明のシース液の調製に有用な浸透圧調整用添加剤は
アルカリ金属塩であり、好ましくはNaClおよび/または
KClである。浸透圧調整用添加剤は浸透圧を245〜330mOs
m/kgとなるよう添加する。このときの添加物の濃度は10
0〜150mMである。
本発明に用いることのできる水溶性界面活性剤はオキシ
エチレン、ソルビトールおよび脂肪酸からなる共重合体
である。
オキシエチレン、ソルビトールおよび脂肪酸からなる共
重合体は、一般に「ポリオキシエチレンソルビタンアル
キルエステル」と称されている。本発明が有用とするポ
リオキシエチレンソルビタンアルキルエステル系界面活
性剤は、脂肪酸(アルキル)基の炭素原子が16個以上か
らなり、オキシエチレンの付加モル数(n)が15〜40の
ものであり、特に脂肪酸炭素原子が16個または18個から
なりオキシエチレンの付加モル数が17〜23であるポリオ
キシエチレンソルビタンモノパルミテートまたはポリオ
キシエチレンソルビタンモノオレートが好ましい。脂肪
酸炭素原子が14個以下の場合には、界面活性剤が水に溶
解しにくくなり、界面活性作用も落ちる。またnが15未
満では、界面活性剤が水に溶解しにくくなり、nが40を
越えると赤血球等に対して溶血性を示す。上記界面活性
剤は当業者周知の方法によって製造されているが、当業
者が示す化学構造式は若干異なるので、一例として花王
株式会社が示すレオドールTW−0120(登録商標)の化学
構造式を下記に示す。
R:炭素原子18個からなる脂肪酸であって不飽和結合1個
を含む。
n:17〜23である。
ただし、n=n1+n2+n3 ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテートおよび
ポリオキシエチレンソルビタンモノオレートは当業者周
知の方法によって製造され、国内においては日本油脂
(株)、花王(株)、松本油脂(株)、三洋化成工業
(株)、ライオン油脂(株)、第一工業(株)等から市
販されているのでこれらを利用できる。本発明に使用さ
れる界面活性剤のうち、特にポリオキシエチレンソルビ
タンモノパルミテートおよびポリオキシエチレンソルビ
タンモノオレートは、オキシエチレン重合度が約20と低
く、生物分解性の面において優れ、公害防止上の効果が
期待できる。本発明における最も好ましい界面活性剤
は、花王(株)社製のレオドールTW−0120(登録商標)
である。
本発明においてシース液に含まれる界面活性剤濃度は0.
1〜5.0g/が好ましく、これらの濃度では、本発明に使
用される界面活性剤は、シース液のpHおよび浸透圧に影
響をおよぼさない。したがって、粒子、特に赤血球の大
球化あるいは小球化等の変形がひき起されることなく、
粒子分析装置内の流体系を湿潤させ、気泡の発生・保持
をかなりの程度阻止することができる。
本発明のシース液には、防菌剤を含有することもでき
る。適当な防菌剤には2−ピリヂオ−1−オキシドナト
リウム、8−ヒドロキシキノリンおよびその誘導体、イ
ソチアゼノン誘導体が挙げられる。これらの防菌剤の濃
度は0.01〜0.1%容量/容量が好ましく、より好ましく
は0.02〜0.04%容量/容量である。
また本発明においては、組成物の金属イオンの自動酸化
を防止するため、抗酸化剤としキレート剤を添加するこ
ともできる。キレート剤にはo−ベンゼンジスルホン酸
またはそのジナトリウム塩あるいはジカリウム塩、およ
び/またはエチレンジアミン4酢酸またはそのジナトリ
ウム塩あるいはジカリウム塩がある。最も好ましくはエ
チレンジアミン4酢酸ジカリウム(EDTA・2K)であり、
0.2〜0.4g/の濃度で使用することが好ましい。
既述のように、本発明のシース液は水溶液である。した
がって溶液の残部は水であり、好ましくは脱イオン化し
た水である。
〔実施例〕
以下、実施例を挙げて本発明をさらに説明する。
実施例1 本発明の粒子分析装置用シース液のpH、浸透圧および電
気伝導度を調べるため、下記の組成でシース液を調製し
た。
組成 NaCl 6.38 g KCl 1.00 g Na2HPO4 0.275 g NaH2PO4・H2O 0.18 g EDTA・2K 0.20 g レオドールTW−0120(登録商標)※1 0.75 g トミサイド−S(登録商標)※2 0.2 ml 脱イオン水 残部 計 1 ※1:界面活性剤(ポリオキシエチレンソルビタンモノオ
レート)、花王(株)社製。
※2:防菌剤(2−ピリヂオ−1−オキシドナトリウ
ム)、吉富製薬(株)社製。
調製したシース液はpH7.20、浸透圧260mOsm/kg、電気伝
導度13.40mS/cmであった。自動血小板計数装置PL−100
(東亜医用電子(株)社製)により、上記シース液を測
定したときの計数値は0であり、調製したシース液にノ
イズの発生はなかった。
実施例2 本発明による粒子分析装置用シース液が、赤血球に影響
するか否かを調べるため、赤血球を本発明シース液中に
浸漬し、赤血球の大きさの変化を調べた。
すなわち、抗凝固剤としてEDTAを添加した正常人血(1m
l)に実施例1と同様にして調製したシース液9mlを加
え、撹拌し、遠心分離(3000回転、10分間)した。上澄
を除くことによって血漿成分を除去した後、シース液を
加えて再び1mlとした。以上の操作によって得たシース
液に浸漬された血球と、何も処理しない正常人血(血漿
を含む)との平均赤血球容積(MCV)および赤血球分布
幅(RDW)を比較するため、全自動血球計数装置E−400
0(東亜医用電子(株)社製)を用いて測定を行った。
結果を第1表に示す。
実施例3 粒子分析装置において、ノイズが発生するか否かを判定
するため、実施例1と全く同様にして調製したシース液
を用いて、温度負荷条件下でブランク計数を行った。温
度条件は35℃および40℃で行い、計数には全自動血球計
数装置E−4000(東亜医用電子(株)社製)を用いた。
対照として下記に示す化学構造および性状をもつ界面活
性剤(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロッ
クポリマー)を使用した。
構造式: HO−(CH2CH2O)−(CH2CH2CH2O)−H n:オキシエチレン鎖、約22 m:オキシプロピレン鎖、約37 名称:ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロッ
クポリマー(三洋化成(株) PE−75(登録商標)を使
用) 壜点:66〜72℃ 結果を第2表に示す。なおノイズ測定値として、各20回
測定した平均値を示している。
実施例4 粒子分析装置に使用される各材質の部品と、本発明によ
るシース液との湿潤性および気泡発生抑制力を調べるた
め、実施例1と全く同じ方法で調製したシース液中にテ
フロン、ポリアスタール樹脂、ポリカーボネート樹脂に
より成型された粒子分析装置部品を浸漬し、60℃で1時
間加熱処理した。対照として界面活性剤を添加しないこ
と以外は実施例1と全く同様にして調製したシース液を
使用した。
その結果、対照として用いた界面活性剤無添加のシース
液では、各材質の粒子分析装置部品の表面に多数の気泡
の付着が観察されるとともに、これらの気泡は振盪処理
しても部品表面よりはがれにくかった。しかしながら、
本発明による界面活性剤添加シース液では、気泡そのも
のの発生がないか、または発生しても極めてわずかであ
り、気泡自体の大きさも小さいことが観察された。さら
に粒子分析装置部品表面に発生した気泡は軽度の振盪処
理によっても容易に剥離した。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明の粒子分析装置用シース液
は、粒子分析装置内の流体系において、気泡の発生・保
持を抑制し、かつ特に粒子が赤血球である場合には、赤
血球粒子を変形させることなく測定することができる。
さらにシース液の温度が40℃以下においては、シース液
組成物による濁りの発生が防止され、粒子分析装置にお
いてノイズが検出されることがないなどの効果を有して
いる。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】つぎの(a)〜(d)の4成分、すなわ
    ち、 (a) 緩衝剤、 (b) 浸透圧調整用添加剤、 (c) ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステ
    ル系界面活性剤、 (ただし、アルキル基の炭素原子数は16個以上であり、
    オキシエチレンの付加モル数は15〜40である。) (d) 水、 を含有することを特徴とする粒子分析装置用シース液。
  2. 【請求項2】ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエ
    ステル系界面活性剤のアルキル基の炭素原子数が16また
    は18であり、オキシエチレンの付加モル数が17〜23であ
    る特許請求の範囲第1項記載の粒子分析装置用シース
    液。
  3. 【請求項3】緩衝剤がリン酸、炭酸、ホウ酸、有機酸お
    よびそれらの金属塩からなる群から選ばれる1種または
    2種以上の物質である特許請求の範囲第1項または第2
    項記載の粒子分析装置用シース液。
  4. 【請求項4】浸透圧調整用添加剤がアルカリ金属塩であ
    る特許請求の範囲第1項〜第3項のいずれかに記載の粒
    子分析装置用シース液。
  5. 【請求項5】アルカリ金属塩がKClおよび/またはNaCl
    である特許請求の範囲第4項記載の粒子分析装置用シー
    ス液。
  6. 【請求項6】緩衝剤の濃度が5〜30mMであり、浸透圧調
    整用添加剤の濃度が100〜150mMであり、さらに界面活性
    剤の量が0.1〜5.0g/である特許請求の範囲第1項〜第
    5項のいずれかに記載の粒子分析装置用シース液。
  7. 【請求項7】液のpHが6.0〜8.5であり、浸透圧が245〜3
    30mOsm/kgである特許請求の範囲第1項〜第6項のいず
    れかに記載の粒子分析装置用シース液。
  8. 【請求項8】液のpHが7.0〜8.5である特許請求の範囲第
    7項記載の粒子分析装置用シース液。
  9. 【請求項9】抗酸化剤および/または防菌剤を含有する
    特許請求の範囲第1項〜第8項のいずれかに記載の粒子
    分析装置用シース液。
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