JPH0788277B2 - 半絶縁性ガリウム砒素単結晶 - Google Patents

半絶縁性ガリウム砒素単結晶

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JPH0788277B2
JPH0788277B2 JP62029756A JP2975687A JPH0788277B2 JP H0788277 B2 JPH0788277 B2 JP H0788277B2 JP 62029756 A JP62029756 A JP 62029756A JP 2975687 A JP2975687 A JP 2975687A JP H0788277 B2 JPH0788277 B2 JP H0788277B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は半絶縁性ガリウム砒素単結晶に関するものであ
る。
〔従来の技術〕
液体封止型チヨクラルスキー法による半絶縁性ガリウム
砒素(GaAs)単結晶の製造において、従来の技術として
例えば、 、PBNるつぼを用いて無添加で結晶引上を行う、ある
いは、 、PBNるつぼあるいは石英るつぼを用いて、クロム(C
r)を添加して結晶引上を行う、 などの方法があつた。方法においては炭素が主たる化
学的な残留不純物であり、浅いアクセプター型準位を形
成する。C濃度は5×1014〜1×1016cm-3程度である。
この浅いアクセプターは、深いドナー型準位を形成する
EL2により補償され、フエルミ準位が禁制帯幅の中央付
近に来ることにより、半絶縁化が実現される。方法に
おいては、炭素およびケイ素(Si)が主たる化学的な残
留不純物であり、炭素は前述の如く、浅いアクセプター
型準位を形成し、Siは浅いドナー型準位を形成する。石
英るつぼを用いた場合はSiの濃度は1×1014〜1×1016
cm-3程度含まれている。PBNるつぼを用いた場合のSi濃
度は1015cm-3以下になる。これら浅い準位を形成する不
純物が、前述の如く深いドナー型準位を形成するEL2、
および深いアクセプター型準位を形成するCrの適当な組
み合わせにより補償され、フエルミ準位が禁制帯幅の中
央付近に来ることにより半絶縁化が実現されている。
従来この種の方法では、例えば無添加半絶縁性GaAs結晶
においては炭素濃度が結晶フロント部で大きく、結晶テ
イル部で小さくなる様なインゴツト成長軸方向に分布を
持つている反面、EL2濃度は軸方向にはほぼ一定の分布
を持つために、補償比が軸方向に大きく変化して、この
結果としてフエルミ準位の位置が変化し、結晶の比抵抗
(ρ)、移動度(μn)等の電気的特性が軸方向に大き
く変化するという問題点があつた。また、例えばCr添加
半絶縁性GaAs結晶においては、補償中心となるCr自体の
偏析係数が1より小さい為に、結晶フロント部ではCr濃
度が少なく、結晶テイル部では大きくなる様な軸方向分
布を持つため、上述したのと同様な理由により結晶の電
気的特性が成長軸方向で大きな分布を持つという問題点
があつた。
またCr濃度が1×1016cm-3以上である結晶においては、
イオン注入によるデバイス作成時、Crの表面方向拡散
(言わゆるパイル・アツプ現象)により、熱変成を起こ
しやすいという問題点があつた。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明は、炭素を含有する半絶縁性ガリウム砒素単結晶
について、上記の問題点を解決し、成長軸方向に対して
電気的特性の均一性が優れた半絶縁性ガリウム砒素単結
晶を提供しようとするものである。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、炭素濃度が5×1014〜1×1016cm-3の範囲で
結晶のシード部からテイル部に向けて減少する、液体封
止チョクラルスキー法で製造したガリウム砒素結晶に対
し、アクセプター型準位を形成する不純物としてクロム
又は亜鉛を5×1014〜1×1016cm-3の濃度範囲で含有さ
せたことを特徴とする半絶縁性ガリウム砒素単結晶であ
る。
なお、アクセプター型準位を形成する不純物としてはCr
又はZnを、また、液体封止剤としてはB2O3を用いること
ができる。また、結晶原料は、金属ガリウムと金属砒素
を用いるつぼ内で直接合成してGaAs融液を形成してもよ
いし、予じめ調製したGaAs多結晶を用いることもでき
る。
結晶成長雰囲気の圧力は2〜50気圧に調整するのがよ
い。
〔作用〕
無添加半絶縁性GaAs結晶における半絶縁化のメカニズム
は、以下のとおりである。結晶成長中にGaAsメルト中に
混入した炭素(C)は、結晶固化時に、結晶中に取り込
まれる。この割合を通常偏析係数で表わすが、Cの原子
半径が小さい為に、Cの偏析係数は1より大きい。すな
わち固化結晶中のC濃度は結晶フロント部で大きく、結
晶テイル部で小さい傾向にある。Cの汚染源としては、
加熱用ヒータ、熱シールド用保温材がいずれもグラフア
イトでできているところからも最も可能性が高いがはつ
きりとした汚染源はわかつていない。CはB2O3等の液体
封止剤を通してGaAsメルト中に混入する。混入度合を制
御する方法としてはB2O3中のH2O量、結晶成長中の不活
性ガス圧力などがある。いずれにせよ通常の方法を用い
れば、結晶フロント部のC濃度として5×1014〜1×10
16cm-3程度のものが得られ、結晶テイル部に向かつて、
減少していく傾向にある。Cは前述の如く、禁制帯幅中
において浅いアクセプター準位を形成する。この浅いア
クセプター準位は、EL2と呼ばれる深いドナー準位によ
り補償され、半絶縁化が達成される。EL2の正体は定か
ではないが、化学的元素ではなく、内因性欠陥が関与し
ているのは事実である。濃度としては1〜2×1016cm-3
程度あり、結晶フロント部からテイル部にかけては大き
な分布は持たず、ほぼ一定である。ここで補償比β≡
〔EL2〕/〔C〕なるものを考える。〔EL2〕,〔C〕は
それぞれEL2,Cの濃度を表わす。ここでは浅いドナー準
位の濃度(NSD)を無視しているが、これを考慮する時
はβ≡〔EL2〕/(〔C〕−NSD)とすれば良い。通常の
引き上げにおいては〔C〕≫NSDとなつている。さて、
結晶の電気的性質はフエルミ準位EFによつて決定され
る。補償比βが大きくなるとフエルミ準位EFは伝導帯側
にシフトして、その結果比抵抗ρは小さくなり、ホール
移動度μHは大きくなる。逆に補償比βが小さくなる
と、フエルミ準位EFは価電子帯側にシフトして、その結
果比抵抗ρは大きくなり、ホール移動度μHは小さくな
る。さて、通常の無添加半絶縁性結晶の場合を考えてみ
ると、前述の如く〔EL2〕は結晶の軸方向でほぼ一定で
あるのに対して、〔C〕(あるいは〔C〕−NSDでも良
い)はフロント部で高く、テイル部で低い。すなわち補
償比βはフロント部で小さく、テイル部で大きい。この
事は、例えば比抵抗で言うなら、フロント部で高く、テ
イル部で低い。
さて問題点は浅いアクセプター準位を形成するCが結晶
の成長軸方向に大きな分布を持つていることにある。す
なわちフロント部で高く、テイル部で低くなることであ
る。そこで、これを解決する為の手段として、アクセプ
ター準位を形成する不純物元素の中でCと逆の分布傾向
をもつ、すなわち偏析係数が1より小さい元素を、意図
的に、微量に添加してやれば良いことがわかる。こうす
れば、アクセプター準位を形成する不純物の総量として
は、結晶フロント部とテイル部の差は緩和され、均一化
の方向に向う。勿論、半絶縁性を保つ為にはC濃度と、
意図的に添加された第2のアクセプター準位の濃度の総
和がEL2濃度より少ない事が必要である。第2の添加元
素のアクセプター準位は浅いものであつても、深いもの
であつても、同じ働きをする事は言うまでもない。
〔実施例〕
比較例 無添加の状態で液体封止形チヨクラルスキー法によりGa
As単結晶を引上げた。出発原料としては、HB法で作成し
たGaAsポリ結晶を用いた。GaとAsの組成比は1:1になる
様に、As部の温度を制御してある。このGaAsポリ結晶6k
gに対して、王水エツチングにより前処理を施し、PBN製
6インチるつぼに収納した。液体封止剤としては含有水
分量100wt ppm以下の酸化ポロン(B2O3)を用いた。こ
れを高圧容器内に収納し、昇温してメルトさせ、GaAs種
子結晶を用いて、単結晶を引上げた。結晶回転数は5rp
m、るつぼ回転数は20rpmとし、それぞれ反対方向に回転
させた。引上速度は8mm/Hとし、自動直径制御装置を用
いて、84±4mmφの結晶を作成した。得られた結晶はテ
イル部の一部を除き単結晶であり、直胴部の長さは170m
mであつた。この結晶に対して、EL2濃度、C濃度、比抵
抗を測定した。EL2濃度は、波長1.0μmの赤外吸収法に
より求め、C濃度は遠赤外吸収法(FTIR法)により求
め、比抵抗は、Van der Pauw型の4端子法により求め
た。結果を第3図、第4図に示す。EL2濃度はインゴツ
ト全長に渡りほぼ1.3×1016cm-3である。C濃度は結晶
フロント部で高く7×1015cm-3であるのに対し、結晶テ
イル部では2×1015cm-3となつている。この結果、電気
的は比抵抗は第4図の如くインゴツト軸方向に6.0×107
→1.5×107Ω・cmと大きく変化していることがわかる。
SIMS法によりSiの濃度を求めたが、いずれも検出限界以
下であつた。
実施例 この様な成長条件下で、第2のアクセプター型不純物と
してCrをドープした。濃度としては結晶フロント部で2
×1015cm-3となる様に設計した。他の結晶成長条件は、
すべて比較例と同じにした。得られた結晶に対しては比
較例と同様の評価を行つた。Cr濃度はGFA法で求めた。
結果を第1図,第2図に示す。GaAs結晶中のCrの偏析係
数は5.9×10-4と1に比べ非常に小さな為、ほぼ1/(1
−g)に比例して増加していく。ここでgは固化率を表
わす。GFA法で求めた結晶中のクロム濃度は第1図に示
した如く、ほぼ設計値通りにドープされていることがわ
かつた。第2図には電気的な比抵抗の軸方向分布を示し
てあるが、軸方向に対してほぼ一定になつていることが
わかる。
使用例 インゴツト成長軸方向の電気的特性の分布が均一化され
る事から、この基板を用いて作成した各種デバイスの諸
特性の軸方向分布も均一化されることが容易に予想され
る。これを実証するために、以下の実験を行つた。基板
性が最も良くそのデバイス特性に反映される例として、
イオン注入法により作成したFET(電界効果型トランジ
スタ)のVth(閾値電圧)がある。イオン注入法によ
り、能動層を基板表面内部に直接作るために、基板特性
が直接的に影響を与えるためである。前述した2本の半
絶縁性GaAs結晶、すなわち1本は無添加で作成した結晶
であり、他の1本は、Crを微量に意図的にドープして作
成した結晶を用いて、イオン注入法でFETを作成して、V
thを測定した。イオン注入条件はE=120Kev、Φ=1.5
×1012cm-228Siを打ち込んだ。活性化の為のアニール
は820℃、15minでアルシン雰囲気中で、面と面を対向配
置して行つた。FETは200μmピツチでウエハ全面に作成
した。ゲート長は、短チヤンネル効果を防ぐためにLg=
2μmとし、またソース・ドレイン間距離は5μmとし
た。結果を第5図に示す。無添加半絶縁性結晶の場合、
C濃度がフロントからテイルにかけて減少していくため
に、Vthは負側にずれていく(ONシフト)ことがわか
る。一方、微量にCrを添加した半絶縁性結晶ではVthの
そのようなずれはなく、フロントからテイルにかけて若
干正側にずれて(OFFシフト)いくものの、そのズレは
無添加の場合に比べて極めて小さいと言える。フロン
ト,テイル間でのVthの差△Vthをウエハ1枚当たりに換
算すると、無添加の場合4mV/枚であるのに対して、微量
にCrをドープした場合は0.7mV/枚となつている。ところ
でGaAs ICが工業的規模で生産される一つの前提とし
て、△Vthが1mV/枚以下であることが要求されている
が、今回の結果はこの基準をクリアしていることがわか
る。
一方、ウエハ面内でのVthのバラツキは、GaAs ICの集積
規模を決定する上で重要な因子である。Vthのバラツキ
をσVth(標準偏差)で表わした時、無添加結晶におい
ては、σVth=25〜100mV程度であつたのに対し、微量に
Crをドープした場合はσVth=10〜30mVとなつた。GaAs
LSIを実現するための1つの目安として、「σVthが30mV
より小さい事」と言われているが、今回この結果は、そ
の基準をクリアしていることがわかる。しかしながら、
現在のところ、σVthの改善の原因については定かでは
ない。
〔発明の効果〕
本発明は、上記構成を採用することにより、炭素含有半
絶縁性ガリウム砒素単結晶に対して、微量にCr等をドー
プして、軸方向の電気的特性の均一性を改善することが
でき、GaAs IC用基板として利用すると効果的であるこ
とがわかつた。
【図面の簡単な説明】
第1図は微量にCrを添加して作成された半絶縁性GaAs結
晶中の成長軸方向におけるEL2、炭素(C)、クロム(C
r)の濃度分布のグラフ、 第2図は第1図で示した結晶の電気的比抵抗(ρ)の成
長軸方向分布のグラフ、 第3図は従来の無添加で作成された半絶縁性GaAs結晶中
の成長軸方向におけるEL2と炭素(C)の濃度分布のグ
ラフ、 第4図は第3図で示した結晶の電気的比抵抗(ρ)の成
長軸方向分布のグラフ、 第5図はイオン注入法により作成されたFETのVth(閾値
電圧)の成長軸方向分布のグラフである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭素濃度が5×1014〜1×1016cm-3の範囲
    で結晶のシード部からテイル部に向けて減少する、液体
    封止チョクラルスキー法で製造したガリウム砒素結晶に
    対し、アクセプター型準位を形成する不純物としてクロ
    ム又は亜鉛を5×1014〜1×1016cm-3の濃度範囲で含有
    させたことを特徴とする半絶縁性ガリウム砒素単結晶。
JP62029756A 1987-02-13 1987-02-13 半絶縁性ガリウム砒素単結晶 Expired - Lifetime JPH0788277B2 (ja)

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