JPH0790204B2 - 鋼構造物の防食方法 - Google Patents

鋼構造物の防食方法

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JPH0790204B2
JPH0790204B2 JP61168600A JP16860086A JPH0790204B2 JP H0790204 B2 JPH0790204 B2 JP H0790204B2 JP 61168600 A JP61168600 A JP 61168600A JP 16860086 A JP16860086 A JP 16860086A JP H0790204 B2 JPH0790204 B2 JP H0790204B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、鋼構造物、特に海洋や河川等などの苛酷な腐
食環境で、かつ水の流れの早い水域に構築された鋼構造
物を能率的に防食被覆する方法に関する。
近来、各種の鋼構造物(例えば、長大橋、パイプライ
ン、海底基地、油田堀削設備、港湾施設など)が建設、
もしくは建設されようとしている。このような鋼構造物
は、常に水中に没している水没部、潮の干満等により水
中に没したり没しなかったりする干満部、水の波浪によ
り飛沫がふりかかる飛沫部、そしてさらに上部の大気暴
露部に大別できるが、それぞれの各部所での腐食環境が
同一でなく、これらに如何にすぐれた防食処理を施工す
るかが重要な問題となってくる。本発明は、かかる鋼構
造物の特に水没部から飛沫部に至るまでの部分(水中部
という)腐食施工に有用な方法に関するものである。特
に飛沫部は他に比べ腐食しやすく、かつ電気防食も困難
である。
従来、新設および既設の鋼構造物における水中部の腐食
施工は、例えばダイバーが潜水して、水中硬化型防食塗
料を手で塗り付けることによって行なわれていた。しか
しながら、該水中部は足場条件が極めて悪く、しかも水
の流れの早い水域では塗り付けた水中硬化型塗料が硬化
するまでに剥れることがしばしば生じており非能率的で
あった。これらを改良するために、防食施工部分に金網
などをあらかじめ固着させておき、この金網の編目を通
して鋼構造物表面に密着するように水中硬化型防食塗料
を塗り付けることをすでに提案したが、水流の激しい水
域における塗装作業性は実用的にみて、十分でなかっ
た。
かかる事実は、海洋構築物だけに限らず、河川、湖沼等
に建設される鋼構造物であっても、程度の差はあるが、
上述と同様な問題がある。従って、これらの鋼構造物の
水中部に対する能率的な防食施工方法の提供が強く求め
られている。
そこで、本発明者等は、現場施工でもって水中部に防食
処理を施す方法について検討を行なったところ、特定の
形状および内面処理した箱体に特定の防食塗料を充填
し、ついでそれを防食処理面に固定し、該防食塗料の硬
化後、箱体を除去することによって上記した欠陥をすべ
て解消できることを見い出し本発明を完成した。
すなわち、本発明は、防食施工する鋼構造物表面の表面
形状に合わせ、かつその内面を離型処理してなる箱体の
内部に、20000ポイズ(25℃)以上のエポキシ樹脂成分
と10000ポイズ(25℃)以上の硬化剤成分とを主成分と
する二液型の反応硬化型無溶剤エポキシ樹脂防食塗料を
充填し、次いでこの箱体を、該箱体に充填した防食塗料
が防食施工する鋼構造物表面と接するようにして該鋼構
造物に固定させ、該箱体中に充填した防食塗料を反応硬
化させた後、該箱体を取り除くことを特徴とする鋼構造
物の防食方法に関する。
本発明による防食処理を施す鋼構造物は主として水中部
(水没部から飛沫部に至る部分)、水(海水も含む)の
影響を受けるところである。そして、既設の鋼構造物の
補修であれ、新設であっても、防食施工箇所の前処理と
して、例えば虫、貝、藻等の付着物や錆の発生が認めら
れる場合はそれを除去しておくことが好ましい。
本発明の方法によって防食施工できる鋼構造物の表面形
状は特に制限されず、例えば、平坦面、ボルトやナット
などの突起部分、角部、隅部、球部、線状部、端面部な
どの1つもしくは2つ以上を組み合わせた形状があげら
れる。
本発明において箱体は、鋼構造物の水中部の防食施工部
分に防食塗料層を水の流れなどによって流失することな
く効率よく形成せしめるために使用する。すなわち、防
食塗料を充填した箱体を水中において、充填された防食
塗料が鋼構造物の防食処理表面に接するようにおしつ
け、固定すると、鋼構造物の防食処理面における平坦面
はもちろん、それ以外の形状面にも防食塗料を均一に隙
間なく能率よく被覆でき、しかも箱体は固定されている
ので、その内部に充填した防食塗料は流れの激しい水域
でも剥離流出することはない。そして、該紡織塗料がほ
ぼもしくは完全に硬化した後、箱体を取りはずすと、鋼
構造物の防食処理表面には防食塗料膜層が強固に付着し
て形成されている。
したがって、この箱体は、防食塗料を充填でき、かつ鋼
構造物の防食処理表面の一部もしくは全面を覆うことが
可能な形状および大きさであればよい。具体的には、防
食処理表面に厚さ1mm以上の防食塗料塗膜層を形成する
ことができるように、鋼構造物表面の凹凸に沿った形状
の箱体が防食塗料を有効に利用するという点から好まし
いが、本発明では、該箱体を覆った際、その部分の鋼構
造物の凸部の最頂部と箱体内面との間隔が1mm以上であ
る立方体もしくは直方体であってもさしつかえない。
また、この箱体は充填した防食塗料が硬化した後に取り
はずすので、該防食塗料が箱体内面に付着することは好
ましくなく、したがって、それらを防止するために箱体
内面を離型処理しておく必要がある。離型処理方法は、
特に制限されないが、具体的には次にあげる方法があ
る。
(1) シリコーン樹脂やワックスなどの離型剤で背面
処理した粘着テープを粘着する。
(2) シリコンオイル、オレフイン油、ジエステル
油、ポリエチレンワックス、流動パラフインなどの潤滑
剤を1〜60重量%含有せしめた塗料を塗装する。
(3) γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、
ビニルトリクロルシラン、N−β(アミノエチル)γ−
アミノプロピルトリメトキシシランなどのシランカップ
リング剤を塗装する。
(4) オルガノポリシロキサン樹脂とアルカリ金属化
合物とを主成分とし、さらに必要に応じて流動パラフイ
ンや固形パラフインを配合してなる組成物を塗装する
(特開昭59−25868、同60−206888号)。
(5) パ−フルオロアルキル基含有(メタ)アクリル
系単量体を含む重合体を主成分とし、さらに必要に応じ
アルカリ金属化合物を配合してなる組成物を塗装する
(特開61−23656、同−23657、同−95078、同−9507
7)。
(6) オルガノポリシロキサン樹脂とアルカリ金属化
合物とを主成分とする組成物(特開61−51069)。
(7) アルカリ金属化合物と疎水性シリコン化合物と
を含む組成物(特開61−57659)を塗装する。
(8) ポリエチレン、ビニルなどのフイルムもしくは
シートで覆っておく。
箱体の材質は特に制限されず、例えば金属、プラスチッ
ク、木などあげられる。また、防食塗料が硬化してから
箱体の取りはずしを容易に行なわしめるために、箱体の
1つ以上の側面を開閉自在にしておくことが好ましい。
次に、上記箱体に充填する防食塗料として、前記した苛
酷な環境下においてすぐれた防食性を発揮する水中硬化
型の二液型無溶剤エポキシ樹脂塗料を使用する。
これは、使用に際して樹脂成分と硬化剤成分とを均一に
混合せしめる二液型であって、可使時間に制限がある
(20℃で約2時間程度)ために、両成分混合後はすみや
かに充填することが好ましい。この塗料は、例えば樹脂
成分は20000ポイズ/25℃以上、硬化剤成分は10000ポイ
ズ/25℃以上であることが望ましい。樹脂成分のエポキ
シ樹脂としては、常温で半固形状または液状であって、
1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有し、エポキ
シ当量約140〜400、分子量約500以下が特に好ましい。
具体的には、芳香族系ジ−及びポリ−グリシジルエーテ
ルの1種又は2種以上が硬化性、付着性ならびに塗膜強
度を保持するのに適当とされ、必要に応じ脂肪族系エポ
キシド、脂環化合物系エポキシドなどを加えて塗膜の可
撓性、付着性などを調節する。芳香族系グリシジルエー
テルの具体例としては、ビスフエノールA型エポキシ樹
脂(たとえばシエル化学会社製エピコート828、エピコ
ート834、ダウ化学会社製DER331、DER337など)、ビス
フエノールF型エポキシ樹脂(たとえば大日本インキ化
学工業会社製エピクロン830、エピクロン850など)、芳
香族ポリグリシジルエーテルにはノボラック・エポキシ
樹脂(たとえばダウ化学会社製DEN431、DEN438)などが
挙げられる。硬化剤成分としては水溶性のポリアミン又
はアミン付加物を避け、常温でエポキシ基と反応するな
るべく疎水性のポリアミンまたはアミノポリアミド樹脂
などが使用でき、たとえば大日本インキ化学工業会社製
ラッカマイド9−263、富士化成工業会社製ト−マイド2
55、ト−マイド205L、複素環ジアミン変性物などがあ
る。さらに、水中における硬化反応を保進するために、
必要ならばトリフエニルホスフアイトおよびリン酸塩な
どを適宜使用でき、また、増粘付与剤(たとえば、アス
ベストなど)、体質顔料(たとえば、タルク、ケイ砂、
ケイ石粉、マイカなど)、着色顔料(黄鉛、ベンガラ、
カーボンブラックなど)などを粘度調整のために必要に
応じて用いられる。この塗料は水中で容易に硬化する。
本発明による防食方法は、まず、箱体内部に防食塗料を
充填する。箱体の大きさは防食処理する鋼構造物によっ
て異なるが、水中でかつ手作業で取り扱いやすい程度で
あることが好ましい。また、その形状も防食処理面の形
状によって異なるが、該処理面の凹凸部、隅部、端部な
どに均一に防食塗料層が形成されるものであればよい。
次に、防食塗料を充填した箱体を鋼構造物の水中部に防
食処理面に、主として水中において該防食塗料が防食処
理面に接触するように圧接すると、充填した防食塗料が
防食処理面の平坦面やその他の形状の表面を均一に被覆
し、そしてこのまま箱体を水中において固定しておく
と、その内部の防食塗料層は水の流れなどによって流出
することなく反応硬化する。箱体内面は離型処理してあ
るので、防食塗料が反応硬化した後は、箱体を容易に取
りはずすことができ、その結果、鋼構造物の防食処理面
には水などの流れなどによって剥離することなく、反応
硬化した防食塗料層が均一に形成される。
水中において箱体を固定する方法も特に制限されず、鋼
構造物や箱体の形状や大きさなどによって異なるが、例
えば、クランプやクサビなどを使って固定するか又はロ
ープや針金などでしばりつけることも可能である。
本発明の防食方法は、特に水の流れの早い水中で実施す
ることが好ましい。例えば、海洋域で橋脚などを構築す
ると、橋脚およびその周囲に設ける緩衝工などの水中部
を防食塗装するにあたり、その付近の潮流が9ノット
(時速約16.6km)に達し、かつうねりも加わるので、従
来の塗装法では水中で塗膜が硬化する以前に流されてし
まうことが多くあったが、本発明では防食塗料を箱体に
充填され、しかもこの箱体を該塗料が硬化するまで固定
しているので防食塗料が流出することは全くない。
また、本発明では固定に用いた箱体は取りはずし、防食
塗料のみで防食性を発現させているので、防食塗料層を
隙間なく連続膜状に形成することができ、しかも箱体を
くり返し使用できるので極めて経済的であった。
実施例1 海中に没しているH形鋼のボルト接合部(防食処理面積
30〜50cm、ボルト部の高さ2cm)に、水中硬化形二液形
エポキシ樹脂系防食塗料(樹脂性分35000ポイズ/25℃、
ポリアミド 16000ポイズ/25℃、関西ペイント社製、商
品名ナプコバリヤ−N相当品)を均一に混合分散したも
のを充填してなる箱体(内面は離型剤で背面処理した粘
着テープを粘着してある、大きさ35×35cm、深さは3.5c
m)を、防食塗料がボルト接合部に接するように圧着せ
しめてクランプで固定した。この海域の潮流は約9ノッ
トで、うねりも激しかったが、圧着した箱体が流出する
ことはなかった。約2時間後に箱体を取りはずすと、ボ
ルト接合部には防食性のすぐれたエポキシ樹脂塗料が肉
厚に硬化し、強固に接着しており、潮流によって剥離す
ることはなかった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】防食施工する鋼構造物表面の表面形状に合
    わせ、かつその内面を離型処理してなる箱体の内部に、
    20000ポイズ(25℃)以上のエポキシ樹脂成分と10000ポ
    イズ(25℃)以上の硬化剤成分とを主成分とする二液型
    の反応硬化型無溶剤エポキシ樹脂防食塗料を充填し、次
    いでこの箱体を、該箱体に充填した防食塗料が防食施工
    する鋼構造物表面と接するようにして該鋼構造物に固定
    させ、該箱体中に充填した防食塗料を反応硬化させた
    後、該箱体を取り除くことを特徴とする鋼構造物の防食
    方法。
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