JPH0794583B2 - 高含水高分子ゲル - Google Patents

高含水高分子ゲル

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JPH0794583B2 JP32680289A JP32680289A JPH0794583B2 JP H0794583 B2 JPH0794583 B2 JP H0794583B2 JP 32680289 A JP32680289 A JP 32680289A JP 32680289 A JP32680289 A JP 32680289A JP H0794583 B2 JPH0794583 B2 JP H0794583B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は新規な高含水高分子ゲル、より詳しくは優れた
保水作用、吸水作用、粘着性、保形性等を有すると共
に、殊に皮膚に対する冷感作用を著しく向上させた高含
水高分子ゲルに関する。
従来の技術 従来より皮膚貼付剤は、パップ剤、シップ剤、ドレッシ
ング等と呼ばれ、例えば打ち身、捻挫等の部位の冷却
に、まめ、たこ、靴擦れ、外傷等の被覆保護に、更には
膿等の滲出液の吸収、乾燥皮膚への水分の補給等の広範
囲の用途に汎用されている。
しかして、従来知られている上記皮膚貼付剤は、水溶性
高分子ゲル体を基本ベースとしたものが一般的であり、
該ゲル体としては例えばポリアクリル酸ナトリウム、ポ
リビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキ
シメチルセルロースナトリウム塩、イソブチレン−無水
マレイン酸共重合体、ゼラチン、デンプン等を素材とし
て水の存在下に硬化剤等により硬化させたり、放射線照
射により架橋させて得られるものがよく知られている。
また、上記皮膚貼付剤には目的に応じて上記ゲル体に薬
物を添加したものも知られている。之等公知技術はより
詳細には例えば次の通りである。即ち、特公昭61-41926
号公報には、ポリアクリル酸ナトリウム、乳酸及び水酸
化アルミニウムからなるゲルが開示され、該ゲルには必
要に応じて他の成分、例えばサリチル酸メチル等が添加
され得る。特開昭60-99180号公報には、ポリアクリル
酸、ポリアクリル酸塩、セルロース誘導体、多価アルコ
ール及び多価金属化合物からなる水性貼着剤組成物が開
示されている。特開昭62-111918号公報には、ポリアク
リル酸一価塩、カルボキシル基を有する親水性ポリマ
ー、アルミニウム塩及び多価アルコールからなる含水貼
付剤が開示されている。また特開昭60-60854号公報に
は、多価アルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、カル
ボキシメチルセルロースナトリウム、アルミニウム化合
物及びポリアクリル酸エステルからなる貼付剤用基剤が
開示されている。
発明が解決しようとする課題 しかしながら、上記従来技術ではそれらの実施に当り以
下のような課題がある。
即ち、従来のゲル体はポリマー、硬化剤等の固形成分の
配合量が少なくとも10重量%以上と高濃度であるため、
含水率が低く、皮膚に対する著しい冷感作用を充分に奏
し得るものではない。あるいは含水率が充分に高いもの
であってもゲル形成ポリマーとしてポリアクリル酸ナト
リウム等を単独で使用するため、又はカオリン、酸化チ
タン、アルミナ等のような非貼着性成分の配合量が多い
ため、皮膚に対する持続性のある良好な貼着性に乏し
く、実用的ではない。更に製造段階において、水に溶解
・分解させる工程でかなりの困難を伴い均一なものが得
られ難い欠点がある。
一方、上記問題を回避するために非貼着性成分の配合量
を少なくしようとすると、今度はゲル体の保形性がなく
なり、外形を保たない軟弱なものしかできなくなる問題
が生じる。
課題を解決するための手段 本発明者らは上記現状に鑑み従来のこの種ゲル体に見ら
れる欠点を全て解消することを目的として鋭意研究を重
ねた。その結果、特定の成分を用いる場合には水分含量
を90重量%以上とした場合にも充分な保形性を有し、且
つ著しい冷感作用を有するゲル体が製造でき、かくして
上記目的を達成できることを見出だし、ここに本発明を
完成するに至った。
即ち、本発明は主成分としてポリアクリル酸ナトリウ
ム、ポリアクリル酸、グリセリン及び塩化アルミニウム
を含有し、且つ含水率が90〜98重量%であることを特徴
とする高含水高分子ゲルに係る。
本発明高含水高分子ゲルは、上記主成分を用い、且つ含
水率を90〜98重量%とすることにより、殊に皮膚に対し
て著しい冷感作用を示し、皮膚に対する良好な粘着性を
有し、且つ充分な保形性を有するゲル体とすることがで
きる。従って本発明高含水高分子ゲルは、貼付剤として
打ち身、捻挫、まめ、たこ、靴擦れ、外傷、火傷、虫刺
され、床ずれ、化膿性皮膚炎症、日焼け等の被覆保護に
用いて、患部を充分に冷却することができ、症状の改善
に極めて効果的である。
また本発明ゲルは皮膚に対する良好な粘着性を有し、充
分な保形性を保持しているので、皮膚にフィットし易
く、剥離、脱落し難く且つ外部からの衝撃吸収に優れた
貼付剤とすることができる。
更に本発明ゲルは高含水量であるので、乾燥した皮膚に
対しては水分を補給して潤いを与えることができる一
方、膿等の滲出する炎症皮膚に対してはポリマーの吸水
能力により滲出液を吸収する効果をも併せ持ち、極めて
有用である。
本発明ゲルの基本ベースとなるポリアクリル酸ナトリウ
ムとしては、一般に広く用いられている各種のものをい
ずれも使用できる。
上記ポリアクリル酸ナトリウムと共に本発明ゲルの基本
ベースとなるポリアクリル酸としては、一般にカルボキ
シビニルポリマーと呼ばれる各種のものを利用でき、こ
れは殊に粘着付与剤としての役割をはたす。
上記両成分の配合比率は、ポリアクリル酸ナトリウム1
重量部に対して、通常ポリアクリル酸を0.3〜0.5重量部
程度とするのが、ゲルの粘着性を皮膚に対して良好なも
のとするために好ましい。また両成分の合計量は、ゲル
の保形性を貼付剤として好ましいものとするためには、
一般に約1〜6重量%とするのがよい。
特に本発明ゲル体は上記ポリアクリル酸ナトリウムとポ
リアクリル酸とを併用することに基づいて、粘着性と再
粘着性とが非常に優れたものとなる利点があり、しかも
ポリアクリル酸の配合率を上記範囲に設定することによ
り、剥離性の面においても実用的なものとなる利点があ
る。
本発明ゲルの主成分の一つであるグリセリンとしては一
般的な市販品を使用できる。これは保水剤やポリアクリ
ル酸ナトリウムを水に溶解又は分散させる時の溶解剤又
は分散剤として機能する。該グリセリンの添加量は特に
制限はないが、製造時における成分の混合作業の負担を
軽減し、またゲルの保水性を充分保つためには、ポリア
クリル酸ナトリウム1重量部に対して通常約0.25〜1.5
重量部程度の範囲とするのが好ましい。尚、上記グリセ
リンはその本来の作用及び本発明所期の効果を阻害しな
い範囲で、例えばメタノール、エタノール、プロパノー
ルやエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエ
チレングリコール等の多価アルコール等と併用してもよ
い。
本発明において塩化アルミニウムとしては、無水物及び
含水物のいずれをも使用できる。これはポリアクリル酸
ナトリウム及びポリアクリル酸の架橋剤として機能し、
その配合により系全体をゲル化に至らしめる作用を奏す
る。該塩化アルミニウムの添加量は特に制限はないが、
ポリアクリル酸ナトリウム1重量部に対して一般に0.02
5〜0.5重量部程度の範囲とすればよく、この範囲での利
用によりゲル化状態を良好にすることができる。尚、上
記塩化アルミニウムは、その本来の作用及び本発明所期
の効果を阻害しない範囲で、例えば水酸化アルミニウ
ム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、塩化カル
シウム、塩化マグネシウム、硫酸アルミニウム、酸化マ
グネシウム等を併用してもよい。
本発明ゲルには、上記必須成分に加えて、種々の添加剤
を配合することができる。該添加剤としては、例えばエ
チレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩(EDTA)、酢酸、
クエン酸、ホウ酸、フマル酸、炭酸水素ナトリウム等の
ゲル化速度調節剤を例示できる。それらの内でも特にED
TAは好ましい。該EDTAは、所謂ゲル化速度遅延剤として
機能し、製造過程においてゲル化反応が速すぎて均一な
ゲルが得られにくく作業性が低下するような場合には、
これを用いることにより系全体のゲル化反応速度を遅延
させ、作業能率を適切にすることができる。その添加量
は塩化アルミニウム1重量部に対して約10重量部まで、
好ましくは約0.01〜10重量部とするのがよい。
本発明ゲルの含水率は、上記添加剤を配合するか否かに
かかわらず、90〜98重量%、好ましくは92〜96重量%の
範囲に設定することができ、この範囲の含水率を設定す
ることにより本発明ゲルに所期の効果を付与できる。し
かるに、この含水率が90重量%未満であると、皮膚に対
する著しい冷感作用、即ちひんやりとした独特の感触は
得られず、98重量%を越えると著しい冷感作用は得られ
るものの、ポリマー濃度が低すぎる為に剥離性、保形
性、抱水性、衝撃吸収性が不良となり充分実用に耐える
ゲルは得られない。
尚、本発明ゲルには、使用目的に応じて各種の薬物、例
えば止血剤、殺菌剤、抗生物質、消炎剤等を、主成分、
水分及び添加剤が上記範囲となるように添加することも
可能である。
本発明ゲルは種々の方法により製造できる。その好まし
い一例としては下記の方法を例示できる。即ちまず塩化
アルミニウム0.1〜1g、必要ならばEDTA0.01〜1g、を水5
0〜70gに予め混合・溶解させてA液を調製し、別途にポ
リアクリル酸ナトリウム2〜4gとグリセリン1〜3gとを
混合・膨潤させてB液を調製し、更にポリアクリル酸0.
6〜2gを水10〜30gに混合・溶解させてC液を調製する。
次いで之等三液を混合することにより本発明ゲルを調製
できる。上記三液の混合は、より好ましくはまずA液50
〜70gをB液4〜6gに投入して充分膨潤させた後、これ
をC液20〜40gに投入して10〜20分間混練することによ
り実施できる。
発明の効果 本発明高含水高分子ゲルは貼付剤として、打ち身、捻
挫、まめ、たこ、靴擦れ、外傷、火傷、虫刺され、床ず
れ、化膿性皮膚炎症、日焼け、乾燥した肌等の被覆保護
等に適用できる。これにより、患部を冷却して発熱・炎
症を押えたり、皮膚に水分を補給したり、滲出液を吸収
したり、外力の衝撃を吸収することができ、症状の改善
に極めて有効である。
また、本発明の高含水高分子ゲルは、適度な粘着性を有
するので、使用感の優れた貼付剤を得ることができる。
実施例 以下、本発明を更に詳しく説明するため、本発明の高含
水高分子ゲルの製造例を実施例として挙げ、また比較試
験のためのゲルの製造例を比較例として挙げる。
実施例1 塩化アルミニウム0.4g、EDTA0.1g及び水62.7gを混合・
溶解させてA液を得た。ポリアクリル酸ナトリウム(ア
ロンビスS:日本純薬)2.8g及びグリセリン2.0gを混合・
膨潤させてB液を得た。更にポリアクリル酸10%液(ジ
ュリマーAC-10SH:日本純薬)12g及び水20gを混合・溶解
させてC液を得た。A液をB液に投入して充分膨潤させ
て得られた液をC液に投入して10分間混練して本発明の
高含水高分子ゲルを得た。
実施例2〜5及び比較例1〜5 実施例1と同様にして第1表に示す処方の本発明の高含
水高分子ゲル及び比較ゲルを得た。尚、第1表には実施
例1で得たゲルの処方も併記する。
評価試験 実施例及び比較例で得たゲルをポリエチレンフィルムに
厚さ3mmに塗布し、10×10cmの大きさに切断して評価試
験用サンプルとした。
評価方法は、上記サンプルを手の甲に貼付し、下記項目
について評価した。
(1) 冷感作用:皮膚に貼付した時の著しい冷感作
用、即ちひんやり感 (2) 粘着性:皮膚への適度の接着性 (3) 剥離性:皮膚からサンプルを剥がす時ゲルの一
部が皮膚に残存せず容易に剥離できるか否か (4) 再粘着性:一度剥離させたサンプルが再度皮膚
に貼付できるかどうか (5) 保形性:皮膚への貼付時、形くずれの有無 (6) 抱水性:保存時、加圧時又は皮膚への貼付時の
水の遊離の有無 (7) 衝撃吸収性:皮膚への貼付時、30cm上方より20
gの錘を落下させた時の衝撃緩和の有無上記評価結果を
第2表に示す。
第2表より、本発明高含水高分子ゲルは皮膚に貼付した
時、冷感作用に著しく優れ且つ適度の粘着性を持つと共
に、剥離も容易で、再度貼付可能であることが明らかで
ある。また本発明ゲルは流動することもなく保形性が良
好で、ゲル中に含まれる水が遊離せず、抱水性にも優れ
ている。
尚、実施例1及び実施例5はEDTA以外は全て同一処方で
あり、評価試験でも同一結果が得られたが、実施例1で
はゲル化速度遅延剤としてEDTAを添加したことにより、
A液、B液及びC液の三液を混合・混練する工程におい
て、ゆっくりした混練作業でも均一なゲル体が得られ、
この点においてEDTAを添加しない実施例5よりも作業性
が良好であった。
一方、比較例1及び2のゲルは含水率が90重量%未満の
ため、冷感作用が極めて悪く、更に比較例2のゲルでは
ポリアクリル酸が配合されていないため粘着性及び再粘
着性の点でも極めて悪い。比較例3のゲルは含水率が98
%を越えるため、ゲルの機械的強度、即ち剥離性、保形
性、衝撃吸収性及び抱水性が悪く、比較例4のゲルはポ
リアクリル酸ナトリウムとポリアクリル酸との重量比率
が1:0.3未満であるため、粘着性及び再粘着性が弱す
ぎ、また比較例5のゲルはポリアクリル酸ナトリウムと
ポリアクリル酸との重量比率が1:0.5を越えているた
め、粘着性及び再粘着性が強すぎ、しかも剥離性も極め
て悪かった。
次に、本発明ゲルを用いた貼付剤の製造例を応用例とし
て示す。
応用例1 実施例1で得た本発明ゲルを用いて、第1図に模式的に
示した構成の貼付剤を作成した。即ち、模式的に示した
構成の貼付剤を作成した。即ち、ゲル(2)をポリプロ
ピレン製不織布(4)の中央にゲルの粘着性を利用して
貼り合わせた後、ゲル周辺の不織布上にポリアクリレー
ト系エマルジョン粘着剤(3)を塗工し、エマルジョン
中の水分を風乾後、ゲル中の水分の蒸発防止の為にポリ
エチレンフィルム(1)を貼り合わせた。更に同様の目
的により、ゲルの反対側の不織布中央部分にもポリアク
リレート系エマルジョン粘着剤を介してポリエチレンフ
ィルムを貼り合わせて貼付剤を得た。
応用例2 実施例2で得た本発明ゲルを用いて、第2図に模式的に
示した構成の貼付剤を作成した。即ち、ゲル(2)をポ
リプロピレン製不織布(4)とをゲルの粘着性を利用し
て貼り合わせ、ポリアクリレート系粘着剤(3)を介し
てポリ塩化ビニルフィルム(5)に貼り合わせ、更にゲ
ル側全面にポリエチエンフィルム(1)を貼り合わせて
貼付剤を得た。
【図面の簡単な説明】
第1図は応用例1において本発明ゲルを用いて製造した
貼付剤の断面図、第2図は同じく応用例2で製造した貼
付剤の断面図である。 (1)……ポリエチレンフィルム (2)……本発明高含水高分子ゲル (3)……粘着剤 (4)……ポリプロピレン製不織布 (5)……ポリ塩化ビニルフィルム

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主成分としてポリアクリル酸ナトリウム、
    ポリアクリル酸、グリセリン及び塩化アルミニウムを含
    有し、且つ含水率が90〜98重量%であることを特徴とす
    る高含水高分子ゲル。
  2. 【請求項2】ポリアクリル酸ナトリウムとポリアクリル
    酸との重量比が1:0.3〜0.5である請求項記載の高含水
    高分子ゲル。
  3. 【請求項3】ゲル化速度遅延剤としてエチレンジアミン
    四酢酸二ナトリウム塩を塩化アルミニウム1重量部に対
    して0.01〜10重量部添加して得られる請求項又は記
    載の高含水高分子ゲル。
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