JPH0795169B2 - 光学装置 - Google Patents

光学装置

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JPH0795169B2
JPH0795169B2 JP62194161A JP19416187A JPH0795169B2 JP H0795169 B2 JPH0795169 B2 JP H0795169B2 JP 62194161 A JP62194161 A JP 62194161A JP 19416187 A JP19416187 A JP 19416187A JP H0795169 B2 JPH0795169 B2 JP H0795169B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、第1のπ−共役系高分子を半導体層とした
電界効果型トランジスタ(以下FET素子と略称する)か
らなる駆動部と、第2のπ−共役系高分子で被覆したド
レイン電極を作用極とする電気化学セルからなる表示部
とにより構成した光学装置、特に表示装置および光学シ
ャッタに関するものである。
〔従来の技術〕
本発明と類似した従来の光学装置としては、FET素子を
内蔵した液晶表示装置の他にエレクトロクロミックディ
スプレイ(以下ECD素子と略称する)があった。まず、F
ET素子を内蔵した液晶表示装置では、駆動部のFET素子
と表示部の液晶を無機と有機の異なった材料を用いて構
成していた。例えば、FET素子の半導体層を無機の単結
晶シリコン,多結晶シリコン,あるいはアモルファスシ
リコンとし、表示部を有機のネマチック液晶として光学
装置を構成していた。すなわち、第2図の断面側面図に
示すように、基板1上のゲート電極2に印加する電圧に
よって絶縁膜3を介して電界をかけ、ソース電極4とド
レイン電極5間の無機半導体層6の抵抗を変化させ、相
互に対向し、かつ配向処理を施した1組の透明電極11に
電荷を蓄積させたり放出させたりして液晶15の配向を変
化させて表示を行わせていた。このとき、表示は液晶分
子の配向により、偏光板付ガラス板16を透過した偏光が
液晶15を透過できるかできないかによってなされた。17
は上記ドレイン電極5と透明電極11の一方とを電気的に
接続する配線である。このFET素子を内蔵した液晶表示
装置の場合、液晶表示部14の透明電極11の電荷の蓄積と
放出がゲート電圧とドレイン電極5と接続していない方
の透明電極11の電圧で制御できるため、単純マトリクス
駆動による液晶表示装置に比べてクロストークを少なく
でき、多素子化を可能にする利点がある(「液晶−応用
編」,岡野光治・小林駿介編,培風館)。なお、第2図
において、7は保護膜、13と14はそれぞれFET素子部と
表示部である。
次にECD素子について説明する。第3図の断面側面図で
示すように、ECD素子は電気化学的な酸化還元反応によ
って変色反応を行う化学物質18によって被覆された作用
電極8と、これと対向する透明電極11、および支持電解
質や酸化還元剤を含む電解液10から構成されている。ま
たこの第3図中、1は基板、12はガラス板である。この
ECD素子では作用極8と対極11の間に電圧をかけて電流
を流すことにより化学物質18に変色を伴う酸化還元反応
を行わせて表示を行う(「エレクトロクロミック素
子」,野村健次著,工業材料,第35巻,第3号,63
頁)。このECD素子は構造が簡単であるため、大面積化
が容易である。
〔発明が解決しようとする問題点〕
従来のFET素子を内蔵した液晶表示装置はFET素子部と表
示部が無機と有機の異なった材料で構成されているの
で、作製するための工程が複雑になり、また、装置の構
造自体も複雑になるため、製造コストが高くなる問題が
あった。また、FET素子部分に無機半導体の単結晶板や
多結晶板を用いた場合、基板の大きさに制約されるため
光学装置の多素子化および大面積化が困難であった。た
とえ、プラズマCVD(Chemical Vapor D−eposition)法
によるアモルファスシリコンを半導体層として用いた場
合でも、アモルファスシリコンを均質に作ることが難し
いためやはり多素子化および大面積化が困難であった。
また、液晶表示部は偏光板を用いているため視野角が狭
く見にくいという問題もあった。
一方、従来のECD素子は視野角が広く見やすいものの、F
ET素子を内蔵していないため多素子化が困難であった。
本発明は上記のような問題点を解消するためになされた
もので、その基本構造が簡単であり、装置の製造プロセ
スが簡略化でき、製造コストを低減化でき、また同時に
装置の多素子化と大面積化をも可能にする光学装置を得
ることを目的としたものである。
〔問題点を解決するための手段〕
この発明に係る光学装置は、FET素子部の半導体層と電
気化学セル部の変色反応を起こす部分とにπ−共役系高
分子を用いると共に、FET素子部のゲートと電気化学セ
ル部の対極とに印加する電圧により上記変色反応を制御
するようにしたものである。
〔作用〕
この発明においては、FET素子部の半導体層と表示部の
着色材料を有機のπ−共役系高分子で構成したことによ
り、一般にπ−共役系高分子は無機半導体の単結晶板や
多結晶板、およびアモルファスシリコンと異なり、容易
に均一な薄膜を得やすいことからFET素子部の半導体層
の形成が容易となり、また、表示部でもπ−共役系高分
子を用いるため基本素子構造も簡単になる。従って、装
置の多素子化および大面積化が容易になり、装置を安価
に製造できる。
また、本発明においては表示部に液晶表示素子を用いず
にπ−共役系高分子を用いた電気化学的な表示素子すな
わちECD素子を用いており、かつFET素子を付属させてい
ることから、視野角が広く見やすく、またマトリクス駆
動が可能であり、多素子化が容易である。
すなわち、本発明においてはFET素子を内蔵した液晶表
示装置とECD素子との両者の長所が取り入れられると共
に、基本素子構造が簡単化し、製造コストが低減する。
〔実施例〕
第1図はこの発明の一実施例による光学装置の断面図で
あり、図において、1は基板、2は基板1の片面に設け
られたゲート電極、3は基板1およびゲート電極2上に
設けられた絶縁膜、4は絶縁膜3上に設けられたソース
電極、5は同じく絶縁膜3上にソース電極4と分離して
設けられたドレイン電極、6は絶縁膜3,ソース電極4お
よびドレイン電極5上に設けられたπ−共役系高分子か
らなる半導体層である。これらのうち、2ないし6はFE
T素子の部分13を構成し、また7はFET素子の部分13を被
覆し後述する表示部と分離する保護膜である。また、8
はFET素子13のドレイン電極5を延長して形成した作用
極、9は電気化学的な変色反応を行うπ−共役系高分子
層、10は電解質を含む電解液、11は作用極8と対向する
透明電極、12はガラス板である。これら8ないし12は本
光学装置の表示部14を構成している。
ここで、この実施例による装置に用いる材料としては以
下に述べるものがある。
基板1としてはガラスが一般に用いられるが、ポリエス
テルフィルム等の高分子膜を用いることもできる。FET
素子部13において、ゲート電極2としては、金,白金,
クロム,パラジウム,アルミニウム,インジウム等の金
属や、錫酸化物,酸化インジウム,インジウム・錫酸化
物(ITO)等を用いるのが一般的であるが、これら材料
を2つ以上あわせて用いてもよい。また、p型シリコン
やn型シリコン、あるいは導電性を有する有機系高分子
を用いてもよく、これらを利用する場合には基板1を省
略することができる。絶縁膜3および保護膜7として
は、酸化シリコン(SiO2),窒化シリコン,酸化アルミ
ニウム等の無機絶縁膜や、ポリエチレンやポリビリカル
バゾール,ポリフェニレンスルフィド,ポリパラキシレ
ン等の絶縁性高分子を用いるが、もちろんこれら材料を
2つ以上あわせて用いてもよい。
また、FET素子部13の半導体層6を形成するπ−共役系
高分子および表示部14の変色部9を形成するπ−共役系
高分子としては、ポリピロール,ポリ(N−置換ピロー
ル),ポリ(3,4−二置換ピロール),ポリチオフェ
ン,ポリ(3−置換チオフェン),ポリ(3,4−二置換
チオフェン),ポリアニリン,ポリアズレン,ポリピレ
ン,ポリカルバゾール,ポリ(N−置換カルバゾー
ル),ポリセレノフェン,ポリフラン,ポリベンゾチオ
フェン,ポリ(フェニレンビニレン),ポリベンゾフラ
ン,ポリ(パラフェニレン),ポリインドール,ポリイ
ソチオナフテン,ポリピリダジン,ポリジアセチレン類
のいずれも使用可能であるが、特性上は複素五員環を有
するπ−共役系高分子が良く、一般式 (ただし、XはSおよびO原子の内の一種、R1およびR2
は−H,−COOH,−CmH2m+1,−OCmH2m+1,および−COOCmH
2m+1基の内から選ばれる一種、mは1ないし10の整数、
nは整数) 並びに一般式 (ただし、R1およびR2は−H,−COOH,−CmH2m+1,−OCmH
2m+1,および−COOCmH2m+1基の内から選ばれる一種、R3
は−H,−CH3,−C2H5,−C3H7および の内から選ばれる一種、mは1ないし10の整数、nは整
数) で示されるものが好んで用いられ、これらを2つ以上あ
わせても用いられる。
π−共役系高分子はそれ自身では通常絶縁体であるが、
適当な電子受容体、例えば過塩素酸イオンやテトラフル
オロボレートイオン,スルホン酸イオンなどをドーピン
グすることによってp型半導体にすることができ、その
電導度も絶縁体領域から金属領域まで幅広く制御するこ
とができる(工業材料,第34巻,第4号,55頁,1986
年)。この実施例のFET素子部13においては、π−共役
系高分子に極く少量のドーピングをしてp型半導体性を
付与したものが好ましく用いられる。
ソース電極4およびドレイン電極5としては、金,白
金,クロム,パラジウム等が一般的に用いられるが、も
ちろんこれらに限られるものではなく、場合によっては
錫酸化物,酸化インジウム,インジウム・錫酸化物(IT
O)や導電性を有する有機系高分子を用いてもよい。
上記FET素子部13のπ−共役系高分子の薄膜6をゲート
電極2,絶縁膜3,ソース電極4,ドレイン電極5により構成
された中間部材の上に形成する方法としては、電気化学
的重合法(電解重合法),化学的重合法(化学酸化重合
法),スピンコート法、蒸着法,または触媒を用いた気
相重合法を用いる。
例えば、電解重合法で複素五員環を有するπ−共役系高
分子膜を形成するには、この複素五員環を有するπ−共
役系高分子に相当するモノマーおよび支持電解質を有機
溶媒または水に溶かし反応溶液とし、上記ソース電極4
およびドレイン電極5(作用極8)の内の少なくとも一
方を作用電極とし、例えば白金などの対極との間に電流
を通じて重合反応を起こさせて作用電極近傍上に所望の
複素五員環を有するπ−共役系高分子を析出させ、析出
した複素五員環を有するπ−共役系高分子膜をよく洗浄
した後、窒素雰囲気中で乾燥するという方法を用いる。
この場合、析出した複素五員環を有するπ−共役系高分
子膜6は反応時に支持電解質のアニオンがドーピングさ
れてp型有機半導体となり、またソース電極4およびド
レイン電極5間の距離は充分短いため、両電極間の絶縁
膜3も複素五員環を有するπ−共役系高分子膜6によっ
て被覆され、両電極はp型有機半導体膜6によって電気
的につながる。またこのp型有機半導体膜6は、電解重
合後に電気化学的にドーピング量をコントロールしてFE
T素子に適した電導度に変化させることができる。ここ
で、有機溶媒としては、支持電解質および上記モノマー
を溶解させるものならよく、例えばアセトニトリル、ニ
トロベンゼン、ベンゾニトリル、ニトロメタン、N,N−
ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド
(DMSO)、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、エチ
ルアルコール、およびメチルアルコール等の極性溶媒が
単独にまたは2種以上の混合溶媒として好ましく用いら
れる。また、上記溶媒と水との混合溶媒でも使用可能で
ある。支持電解質は、電解重合時にそれ自身が酸化また
は還元反応を受けず、かつ溶媒中に溶解させることによ
って溶液に電導性を付与することのできる物質であり、
例えば、過塩素酸テトラアルキルアンモニウム塩,テト
ラアルキルアンモニウムテトラフルオロボレート塩,テ
トラアルキルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート
塩,テトラアルキルアンモニウムパラトルエンスルホネ
ート塩,および水酸化ナトリウム等が用いられるが、も
ちろん2種以上を併用しても構わない。
次に、化学酸化重合法で複素五員環を有するπ−共役系
高分子膜を形成するには、脱イオン水または脱イオン水
と有機溶媒との混合溶媒または有機溶媒に開始剤として
所定量の酸化剤を溶解させ、これを充分脱酸素した溶液
を準備した後に、この溶液中に上記複素五員環を有する
π−共役系高分子に相当するモノマーを所定量添加し、
モノマーの重合を行う。このとき、あらかじめゲート電
極2,絶縁膜3,ソース電極4,ドレイン電極5,および作用電
極8を設けておいた基板1、すなわち中間部材をこの溶
液中に少なくとも5分以上浸し、複素五員環を有するπ
−共役系高分子の重合膜6および9をFET素子部13上お
よび表示部14上に形成させる。この際、少量の酸化剤ま
たはアニオンが複素五員環を有するπ−共役系高分子膜
6および9中にドーピングされ、この後必要に応じ適当
なドーピング法または電気化学的ドーピングによって所
望の電導度を有するp型のπ−共役系高分子膜とするこ
ともできる。なお、上記溶液中にモノマーを添加した後
直ちに、あるいは同時に、上記中間部材をこの溶液中に
浸してもよい。この方法は、膜厚制御性や膜の均一性に
優れ、かつ膜形成と同時にFETに適した電導度が得られ
易い。ここで開始剤としては塩化第二鉄,フェリシアン
化カリウム等が用いられるが、もちろんこれらに限るわ
けではない。開始剤の酸化還元電位がモノマーの重合開
始電位より高いすべての酸化剤を用いることができる。
この他、スピンコート法では可溶性π−共役系ポリマー
を溶媒に溶かし、上記中間部材上にスピンコートするだ
けで均一なπ−共役系ポリマー膜6および9が作製でき
る。また、蒸着法では可蒸着性π−共役系ポリマーを蒸
着源として上記中間部材上に蒸着するだけで均一なπ−
共役系ポリマー膜6および9が作製できる。さらに、あ
らかじめ触媒を塗布した上記中間部材上へモノマーガス
を導入して、重合させるという気相重合法も用いられ
る。
また、表示部14においてFET素子のドレイン電極5を延
長した電極8は、充分な電導度を有し電解液10に不溶で
あるものならば何でも良く、金,白金,クロム,アルミ
ニウムなどの金属や、錫酸化物,酸化インジウム,イン
ジウム・錫酸化物(ITO)などの透明電極、p型シリコ
ンやn型シリコン、あるいは導電性を有する有機系高分
子などを用いる。もちろんこれら材料を2つ以上組み合
せて用いてもよい。ガラス板12上の電極11としては、錫
酸化物,酸化インジウム,インジウム・錫酸化物(IT
O)などの透明電極を用いるのが一般的である。また、
適度の透明度を有する導電性有機系高分子を用いてもよ
い。あるいはこれら材料を2つ以上あわせて用いてもよ
い。電解液10としては、表示部14のπ−共役系高分子9
に電気化学的な変色反応を起こさせられるものなら何で
も良く、例えば上記π−共役系高分子6および9の電解
重合に用いることのできる溶液でモノマーを含まないも
のや、ナフィオンなどのイオン交換膜からなる固体電解
質でドーパントとして機能するイオン種を含むものなど
が使用できる。
以上は、FET素子部13と表示部14に同一のπ−共役系高
分子を用いる場合を説明したが、FET素子部13で用いる
π−共役系高分子と表示部14で用いるπ−共役系高分子
は異なっていても良く、FET素子特性,表示特性の観点
から、種々のπ−共役系高分子の中から適宜選択でき
る。FET素子部13と表示部14に異なるπ−共役系高分子
(A)および(B)を用いる場合にも、上記π−共役系
高分子膜の作製法すなわち電解重合法,化学酸化重合
法,スピンコート法,蒸着法,気相重合法等が用いられ
る。FET素子部13と表示部14に同一のπ−共役系高分子
を用いる場合は、電気化学的に変色反応を起こすπ−共
役系高分子を用いる必要がある。これに対し、FET素子
部13と表示部14に異なるπ−共役系高分子を用いる場合
には、表示部14に用いるπ−共役系高分子は電気化学的
に変色反応を起こす必要があるが、FET素子部13に用い
られるπ−共役系高分子にはこの特性は特に要求されな
い。
上記のように構成された光学装置のFET素子13において
その動作機構は不明な点が多いが、π−共役系高分子6
がp型の時にはπ−共役系高分子膜6と絶縁膜3の界面
において、π−共役系高分子膜6側に形成するホールの
蓄積層の幅がゲート電極2とソース電極4との間にかけ
た電圧で制御され、従って実効的なホールのチャネル断
面積が変化するためにソース電極4とドレイン電極5の
間の抵抗が変化すると考えられる。また、π−共役系高
分子膜6がn型の時には、π−共役系高分子膜6と絶縁
膜3の界面においてπ−共役系高分子膜6側に形成する
電子の蓄積層の幅がゲート電極2とソース電極4との間
にかけた電圧で制御され、従って実効的な電子のチャネ
ル断面積が変化するためにソース電極4とドレイン電極
5の間の抵抗が変化すると考えられる。また、FET素子1
3に用いられるπ−共役系高分子膜6として電導度の低
い半導体性しか持たせていない場合には、ゲート電極2
としては金属電極以外にp型シリコンやn型シリコン、
あるいは導電性を有する有機系高分子等の電導度の大き
い材料を用いても、π−共役系高分子膜6中にチャネル
が形成されて電界効果が現れると考えられる。
この実施例においては、上記FET素子13と表示部14は直
列に接続されている。FET素子部13におけるπ−共役系
高分子6がp型である時を例に、以下動作を説明する。
ソース電極4を基準としてゲート電極2に負電圧を印加
しておき、透明電極11に正または負の電圧を印加する
と、表示部14のπ−共役系高分子9が変色反応を起こ
す。これは第4図にその特性の一例を示す(図中、実線
はゲート電圧が負の場合、破線はゲート電圧が正の場合
を示す)ように、FET素子13のソース・ドレイン電極4
・5間の抵抗がゲート電極2への負電圧印加により減少
し、FET素子13と直列につながった表示部14の作用極8
と対極11の間に電圧がかかってπ−共役系高分子9が電
気化学的酸化還元反応を起こすためである。一般に、π
−共役系高分子は電気化学的な酸化還元反応に伴って変
色反応を起こす。色を元に戻すためにはゲート電極2に
負電圧を印加しておき、透明電極11に変色時とは逆向き
の電圧を印加すれば良い。一方、ソース電極4を基準と
してゲート電極2に正電圧を印加したまま、透明電極11
に正または負の電圧を印加しても表示部14のπ−共役系
高分子9の色は変化しない。これは第4図に示すように
FET素子13のソース・ドレイン電極4・5間の抵抗が高
まり、電圧降下によってFET素子13と直列につながった
表示部14の作用極8と対極11の間に電圧がかからなくな
り、電気化学的な酸化還元反応が起こらなくなるためで
あると考えられる。
以上のように、この実施例による光学装置はFET素子部1
3のゲート電圧を変えることにより表示部14の変色反応
の可否を制御できる。従って、本光学素子はいわゆるマ
トリクス駆動が可能になり、多素子化および大面積化が
可能になる。また、表示部14にπ−共役系高分子を用い
た電気化学的な表示素子すなわちECD素子を用いている
ことにより基本素子構造も簡単になり、安価に製造で
き、視野角が広く見やすくなる。
なお、上記実施例では基板1上にゲート電極2が設けら
れているが、基板上にπ−共役系高分子膜を設け、その
上にソース電極およびこのソース電極と分離してドレイ
ン電極を設け、このソース電極とドレイン電極との間に
絶縁膜を介在させてゲート電極を設けてもよい。もちろ
ん、FET素子部は保護膜で電解液と分離する必要があ
る。
あるいは、基板上にゲート電極を設け、絶縁膜を介在さ
せて、その上にπ−共役系高分子膜を設け、さらにその
上にソース電極およびこのソース電極と分離してドレイ
ン電極を設けてもよい。あるいはまた、基板上にソース
電極およびこのソース電極と分離してドレイン電極を設
け、この上にπ−共役系高分子膜を設け、さらに絶縁膜
を介在させてゲート電極を設けてもよい。いずれの場合
もやはりFET素子部は保護膜で電解液と分離する必要が
ある。
また、上記実施例による光学装置は、表示部14の色が変
化することによる表示装置として用いることができるほ
か、この表示部14の変色が無色透明と着色との間の変色
である場合は光学シャッタとして用いることもできる。
〔発明の効果〕
以上のように、この発明に係る光学装置によれば、FET
素子部の半導体層と表示部の変色層をπ−共役系高分子
で構成し、FET素子部と表示部とを一体化させたので、
基本単位構造が簡単になり安価に作製でき、しかも多素
子化や大面積化が可能となる効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例による光学装置を示す断面
側面図、第2図は従来のFET素子を内蔵した液晶表示装
置を示す断面側面図、第3図は従来のECD素子を示す断
面側面図、第4図はp型のπ−共役系高分子膜を用いた
FET素子の電流−電圧特性図である。 1は基板、2はゲート電極、3はゲート絶縁膜、4はソ
ース電極、5はドレイン電極、6はFET素子の半導体
層、7はFET素子の保護膜、8は表示部の作用極、9は
π−共役系高分子からなる変色層、10は電解液、11は透
明電極、12はガラス板、13はFET素子部、14は表示部、1
5は液晶表示素子の液晶層、16は偏光板付ガラス板、17
はドレイン電極と透明電極の一方を電気的に接続する配
線、18はECD素子の変色反応を起こす化学物質である。 なお、図中同一符号は同一又は相当部分を示す。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ソース電極とドレイン電極間の電流通路で
    あり、第1のπ−共役系高分子からなる半導体層の電導
    度を絶縁薄膜を介してゲート電圧によって制御する電界
    効果型トランジスタ部と、 上記電界効果型トランジスタ部のドレイン電極より延長
    して形成される作用極と、該作用極の対極と、該2極間
    の電解液層と、上記作用極を被覆して形成され電気化学
    的に変色反応を行う第2のπ−共役系高分子とからなる
    電気化学セル部との2つの部分から構成される光学装置
    であって、 上記電界効果型トランジスタ部のゲートに印加する電圧
    と上記電気化学セル部の対極に印加する電圧をそれぞれ
    変化させて、上記第2のπ−共役系高分子の電気化学的
    変色反応を制御することを特徴とする光学装置。
  2. 【請求項2】上記第1のπ−共役系高分子と上記第2の
    π−共役系高分子とが異なることを特徴とする特許請求
    の範囲第1項記載の光学装置。
  3. 【請求項3】上記第1のπ−共役系高分子と上記第2の
    π−共役系高分子とが同じであることを特徴とする特許
    請求の範囲第1項記載の光学装置。
  4. 【請求項4】上記第1および第2のπ−共役系高分子の
    少なくとも一方が複素五員環を有するπ−共役系高分子
    であることを特徴とする特許請求の範囲第1項ないし第
    3項のいずれかに記載の光学装置。
  5. 【請求項5】上記複素五員環を有するπ−共役系高分子
    が一般式 (ただし、XはSおよびO原子の内の一種、R1およびR2
    は−H,−COOH,−CmH2m+1,−OCmH2m+1,および−COOCmH
    2m+1の内の一種、mは1ないし10の整数、nは整数であ
    る)で示されるものであることを特徴とする特許請求の
    範囲第4項記載の光学装置。
  6. 【請求項6】上記複素五員環を有するπ−共役系高分子
    が、一般式 (ただし、R1およびR2は−H,−COOH,−CmH2m+1,−OCmH
    2m+1,および−COOCmH2m+1の内の一種、R3は−H,−C
    H3,−C2H5,−C3H7の内の一種、mは1ないし10の整数、nは整数である)
    で示されるものであることを特徴とする特許請求の範囲
    第4項記載の光学装置。
  7. 【請求項7】上記π−共役系高分子が可溶性π−共役系
    高分子であることを特徴とする特許請求の範囲第1項な
    いし第6項のいずれかに記載の光学装置。
  8. 【請求項8】上記π−共役系高分子が可蒸着性π−共役
    系高分子であることを特徴とする特許請求の範囲第1項
    ないし第6項のいずれかに記載の光学装置。
  9. 【請求項9】上記π−共役系高分子が電界重合により形
    成されたπ−共役系高分子であることを特徴とする特許
    請求の範囲第1項ないし第6項のいずれかに記載の光学
    装置。
  10. 【請求項10】上記電気化学セル部の電解液層が電解質
    を含む有機溶媒からなることを特徴とする特許請求の範
    囲第1項ないし第9項のいずれかに記載の光学装置。
  11. 【請求項11】上記電気化学セル部の電解液層が電解質
    を含む水溶液からなることを特徴とする特許請求の範囲
    第1項ないし第9項のいずれかに記載の光学装置。
  12. 【請求項12】上記電気化学セル部の電解液層が固体電
    解質からなることを特徴とする特許請求の範囲第1項な
    いし第9項のいずれかに記載の光学装置。
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