JPH0795936B2 - 保存料製剤及びその使用方法 - Google Patents

保存料製剤及びその使用方法

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JPH0795936B2
JPH0795936B2 JP2265848A JP26584890A JPH0795936B2 JP H0795936 B2 JPH0795936 B2 JP H0795936B2 JP 2265848 A JP2265848 A JP 2265848A JP 26584890 A JP26584890 A JP 26584890A JP H0795936 B2 JPH0795936 B2 JP H0795936B2
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玄道 澤田
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  • Food Preservation Except Freezing, Refrigeration, And Drying (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、D−ソルビトール水溶液中で分散する平均粒
子径10μm以下のソルビン酸を含有することを特徴とす
る水性懸濁性保存料製剤、並びにその保存料製剤の使用
方法の一つに関する。
ソルビン酸は、抗菌力があり、しかも安全性が高く低毒
性(LD5010.5g(ラット、経口))であるため、食品、
医薬品及び化粧品添加物の保存料として用いられてい
る。また、ソルビン酸は、特に、食品添加物としては最
高2g/kgまでの使用が認められ(食品衛生法)、安息香
酸類、パラオキシ安息香酸エステル類、デヒドロ酢酸類
やプロピオン酸類等の他の保存料に比べ広範囲に使用が
許可され繁用されているのが現状である。
〔従来の技術〕
現在、食品添加物として市販されているソルビン酸は、
粉末(平均粒子径が約180μm)の形で提供されてお
り、これを保存料として使用するには、いくらかの加工
又は工程が必要な場合があり、取扱い等が不便であっ
た。具体的には、水に難溶であるソルビン酸の粉末を水
に分散させたり、又は温度やpHを上げることにより若し
くはアルコール、プロピレングリコール、界面活性剤等
の可溶化剤で溶解させたりして使用しなければならなか
った。
しかしながら、かかるソルビン酸の抗菌力は、その非解
離型分子に由来するといわれており、温度やpHを上げソ
ルビン酸を溶解して用いたのでは、食品や製剤に均一に
行き渡るとしても充分な抗菌効果は期待できなかった。
即ち、ソルビン酸は、溶解性と抗菌力が相反していると
いう性質を有している。また、上記可溶化剤の使用は、
経済性、安全性、許容性等に問題がある。一方、上記市
販のソルビン酸の粉末を単に分散させただけでは充分な
抗菌効果は得られなかった。
また、ウインナーソーセージ等は、これまでいわゆるク
ッキング工程の後にソルビン酸等を含む溶液に浸す外浸
工程、そして、冷却工程、乾燥工程を経て製造されてき
た。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明者らは、上記ソルビン酸の性質を考慮して、抗菌
力の高い、安全で取扱いの容易な、しかも安定性に優れ
たソルビン酸の保存料製剤を提供することを主目的とし
て検討を行った。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、前述のソルビン酸の性質から、可能な限
り微小なソルビン酸粒子を均一安定に水に分散させるこ
とができれば上記目的を達成することができるのではな
いかという発想に基づいて鋭意検討を行った結果、後述
するように、D−ソルビトールを適当量配合することに
より、10μm以下のソルビン酸粒子を、水性懸濁液とし
て安定に保つことができることを見出し、本発明を完成
するに到った。
本発明において、ソルビン酸を水性懸濁液としたのは、
ソルビン酸の粒子径が数μm程度にもなると粉末状では
取扱いが困難となる等の理由からである。
従って、本発明の特徴は、平均粒子径が10μm以下とい
う微小なソルビン酸粒子を保存料として初めて用い、且
つ安定な水性懸濁液として使用性を高めたところにあ
る。
本発明に係る保存料製剤(以下「本発明製剤」という)
においては、前述したように可能な限り微小なソルビン
酸程、本発明の効果は大であると推測されるが、平均粒
子径にして10μm程度まで微小になれば充分に本発明の
効果が期待できる。それ以上、例えば、50μm程度でも
本発明の効果を期待することができる。
本発明製剤を調製するには、市販のソルビン酸の粉末を
最終濃度が15〜60%、好ましくは、25〜45%、D−ソル
ビトールを最終濃度が5〜40%、好ましくは、10〜20%
となるように常法により水に分散させる。食品添加物と
して常用される70%水溶液のD−ソルビトール液(以下
単に「ソルビトール液」という)を用いる場合は、ソル
ビン酸の濃度に対して、ソルビトール液の濃度が1/6〜
3倍、好ましくは、1/3〜2倍程度になるように仕込
む。また、上記分散液、即ち、ソルビン酸及びD−ソル
ビトール又はソルビン酸及びソルビトール液の混合液に
更に所望により、アラビアゴム、トラガントガム、寒
天、澱粉等の水溶性糊料、ソルビタン脂肪酸エステル、
グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、レ
シチン、大豆リン脂質等の乳化剤又は分散剤を1種以上
配合することもできる。これらの配合量は、0.5〜5.0%
程度が適当である。また、粉末の酸味料、例えば、フマ
ル酸、クエン酸、グルコノデルタラクトン、酒石酸、リ
ンゴ酸等、液体の酸味料、例えば、グルコン酸液、酢
酸、乳酸、リン酸等の1種以上を配合することもでき
る。これらの配合量は、5.0〜25.0%程度が適当であ
る。更に、プロピレングリコール等の可溶化剤も許容範
囲内で用いることができる。
次に、上述のソルビン酸及びD−ソルビトールを含む懸
濁分散混合液を湿式粉砕機、例えば、コボール・ミル
(CoBall−Mill)MS−50型(神鋼パンテック(株)製)
等で平均粒子径が10μm以下になるまで粉砕することに
よって、本発明製剤を得ることができる。
また、本発明者らは、本発明の通常の保存料としての使
用方法の他に、本発明をより有効に使用する方法がない
か検討を行った結果、例えば、ウインナーソーセージ等
の製造過程において通常行われる外浸工程を省略できる
ことを見出した。
即ち、ウインナーソーセージ等は、次のフローチャート
に示すような流れで一般に製造される。
このうち、外浸工程は、二次汚染した表面を清潔にして
更に保存性を高める工程であり、一般的には、温度70〜
75℃の水にソルビン酸を溶解させ、その溶液にクッキン
グしたウインナーソーセージ等を浸すことにより行われ
る。そして、その後、冷却(シャワーリング)工程に移
る。
本発明者らは、上記クッキング工程の後、外浸工程を省
略し、直ちに本発明製剤を含む冷却液で冷却を行っても
後述するように、従来の食品の保存性と同程度の保存性
を有することを見出し、本発明製剤の有効な使用方法の
一つを完成させた。
本発明製剤は、食品、特に魚肉練り製品、食肉製品、魚
介乾製品、鯨肉製品等のソルビン酸の使用が許可されて
いる対象食品について用いることができる。具体的に
は、かまぼこ、ソーセージ、ハム等を挙げることができ
る。また、医薬品、化粧品等の保存料としても用いるこ
とができる。
〔実施例〕
以下に本発明を参考例、実施例及び試験例により、更に
詳しく説明する。
参考例1 次の処方に従ってソルビン酸の懸濁液を常法により調製
し、コポール・ミル(CoBall−Mill)MS−50型(神鋼パ
ンテック(株)製、条件:粉砕メディア0.75〜1.00mm
φ)で1回処理し、粒子径が0.5〜2.0μm(顕微鏡測
定、以下同じ)のソルビン酸粒子を含む製剤を得た。
処方 ソルビン酸(平均粒子径180μm) 30% 水 70% 参考例2 次の処方に従って、参考例1と同様にして、粒子径が0.
5〜2.0μmのソルビン酸粒子を含む製剤を得た。
処方 ソルビン酸(平均粒子径180μm) 30% アラビアゴム 5% 水 65% 実施例1 次の処方に従って、参考例1と同様にして、粒子径が0.
5〜2.0μmのソルビン酸粒子を含む本発明製剤を得た。
処方 ソルビン酸(平均粒子径180μm) 30% ソルビトール液 15% 水 55% 実施例2 次の処方に従って、参考例1と同様にして、粒子径が0.
5〜2.0μmのソルビン酸粒子を含む本発明製剤を得た。
処方 ソルビン酸(平均粒子径180μm) 30% フマル酸(平均粒子径170μm) 10% ソルビトール液 60% 試験例1 かまぼこの保存性 常法に基づき次の処方のかまぼこベースを作成し、それ
に実施例1の本発明製剤をソルビン酸含量が1500ppmと
なるよう添加し、対照区としては、実施例1の粉砕処理
前の懸濁液を用い、ソルビン酸含量が2000ppmとなるよ
う添加した。
かまぼこベース処方 特級 助宗スリ身(無塩) 50 部 2級 助宗スリ身(無塩) 50 部 食塩 3 部 L−グルタミン酸ナトリウム 0.5部 砂糖 0.2部 馬鈴薯澱粉 8 部 氷水 60 部 そして、添加したものをそれぞれ塩化ビニリデンケーシ
ングに充填し、結紮後、90℃、40分間煮沸した。その
後、無菌的にケーシングを剥がし、無菌のシャーレに入
れ、20℃で保存し、経時的にネトの発生状況を観察し
た。
その結果を表1に示す。
表1から明らかなように、かまぼこの腐敗の指標となる
ネトの発生は、対照区よりもソルビン酸含量が500ppm少
ない実施例1の本発明製剤の方が3日遅延した。このこ
とは、本発明に係るソルビン酸の抗菌力が優れているこ
と、及びソルビン酸がかまぼこに均一に分散しているこ
とを示している。
試験例2 製剤の安定性 参考例1、参考例2及び本発明製剤である実施例1、実
施例2の各製剤をφ28mmの試験管に100gづつ充填し、20
℃の恒温下に保存して経時的に目視観察した。
その結果を表2に示す。
表2から明らかなように、本発明製剤は極めて安定であ
った。
参考例3 一般的製法によるウインナーソーセージの製
造(製法A) 常法により、まず、次のウインナーソーセージの処方の
ものをカッター(アレキサンダーベルク社製、西ドイ
ツ、回転速度:3300r.p.m.)で混合、乳化し、市販の羊
腸に充填した。
ウインナーソーセージの処方 豚もも肉 55 部 生豚脂 15 部 食塩 2.3部 香辛料 0.1部 L−グルタミン酸ナトリウム 0.5部 馬鈴薯澱粉 6 部 ネトキラー S25(日本新薬(株)製) 0.5部 エポナ N−100(日本新薬(株)製) 0.6部 水 20 部 次いで、クッキング、即ち、くん煙した後スチーミング
を行い、市販のソルビン酸(日本合成(株)製)を1500
ppm含む温度70〜75℃のソルビン酸水溶液に2分間浸し
た(いわゆる外浸工程)。そして、水でシャワーリング
を行い冷却した後、乾燥してウインナーソーセージを得
た。
実施例3 本発明製剤を用いた外浸工程を省略したウイ
ンナーソーセージの製法(製法B) 製法Aと同様にして、クッキング工程まで行ったウイン
ナーソーセージに対して、外浸工程を省略し、直ちに実
施例1の本発明製剤のソルビン酸を1500ppm含む水溶液
で2分間シャワーリングした後、乾燥してウインナーソ
ーセージを得た。
試験例3 製法Bで製造したウインナーソーセージの保
存性 製法A及び製法Bの2通りの方法で製造したウインナー
ソーセージを各々無菌シャーレに入れ、20℃で保存し
て、ネトの発生状況を観察した。
その結果を、表3に示す。
表3から明らかなように、製法Aと製法Bは、同程度の
保存性を示し、本発明製剤を用いることにより、外浸工
程を省略できることが示された。
なお、本発明製剤は、外浸工程を省略せず、外浸工程に
おいても使用できることはいうまでもない。
以上より、本発明製剤は、抗菌力、安定性に優れた取扱
いの容易なソルビン酸の保存料製剤であるといえる。ま
た、抗菌力の優れていることによる利点は、従来と同程
度の抗菌力で充分な場合、当然ソルビン酸の含量を減ら
して使用することができ、本発明製剤は、安全面におい
ても期待を高めることができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】D−ソルビトール水溶液中で分散する平均
    粒子径10μm以下のソルビン酸を含有することを特徴と
    する水性懸濁性保存料製剤。
  2. 【請求項2】クッキング工程の後、外浸工程を省略し、
    直ちに請求項(1)記載の水性懸濁性保存料製剤を含む
    溶液で冷却することを特徴とする請求項(1)記載の水
    性懸濁性保存料製剤の使用方法。
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