JPH0796647B2 - 水性分散体及びその製法 - Google Patents

水性分散体及びその製法

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JPH0796647B2
JPH0796647B2 JP62069178A JP6917887A JPH0796647B2 JP H0796647 B2 JPH0796647 B2 JP H0796647B2 JP 62069178 A JP62069178 A JP 62069178A JP 6917887 A JP6917887 A JP 6917887A JP H0796647 B2 JPH0796647 B2 JP H0796647B2
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睦浩 田中
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、樹脂の水性分散体及びその製法に関するもの
で、より詳細には、見掛上固体の極めて水分量の少ない
状態の組成物でありながら、樹脂が微細粒子の形で水相
中に均一分散する特性を有する水性分散体並びにその製
法に関する。
(従来の技術) 従来より種々の重合体の水性分散物が知られている。た
とえば水分含有量が約30重量%以上のような流動性のあ
る水性分散物(以下本明細書においては水性分散液とい
う)は、紙や繊維あるいはプラスチック成型品、木材、
金属などの表面に塗布乾燥させて樹脂皮膜を形成させ、
基材に耐水性、耐油性、耐薬品性を付与したり、ヒート
シール剤として使用されたりする。かかる水性分散液
は、分散媒として水を使用しているので、引火性の問題
や作業環境上の問題、取扱い性などの面から溶剤型のも
のに比べて非常に有利であって巾広い分野で利用されて
いる。
また上記の水性分散液とは別に、流動性がなく見掛け上
固体のような水性分散物(以下本明細書においては水性
分散体という)も知られている。すなわち粉末エマルジ
ョンとして知られる粉状体のものであって、水を加える
ことによって再分散化し、水性分散液となるものであ
り、その組成中には水分を全く含有しないか含有したと
してもせいぜい2〜3重量%のものであり、そのため低
温になっても凍結の心配がなく包装や輸送が簡単にすみ
また貯蔵場所も狭くてすむという利点がある。さらに水
性分散液では困難であったセメント、モルタル、石こう
など水との接触をきらう粉粒体との混合も直接行なうこ
とができ、加工度の高い調合品の製造が可能であるとい
う特長を有している。
後者の水性分散体を製造するには、一度公知の種々の方
法によって水分含有量の多い水性分散液を製造し、その
後この水性分散液を噴霧機によって炉内の熱風中に噴霧
し、水分を蒸発させて粉末状としている。
また、本発明者等の提案に係る特開昭59−153039号に
は、(i)疎水性の熱可塑性樹脂、(ii)重合体鎖に結
合したカルボン酸塩の基を重合体1グラム当り 換算で0.1〜5ミリモル当量の濃度で含む水不溶性及び
非水膨潤性の熱可塑性重合体及び(iii)水を含有し、
見掛上固体で水の量が3乃至25重量%であり、加水によ
り固形分が水相中に均一に分散する特性を有する水性分
散体が記載され、この水性分散体は上記成分或いはその
場で上記成分となる前駆体の組合せを、押出機内で溶融
混練することにより製造されることが記載されている。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、水性分散体を製造する前者の方法、即ち
乾燥法は、噴霧時に重合体粒子の塊状化が起こったり、
生じた粉末エマルジョンが熱や圧力の作用下に塊状に凝
集するという傾向がある。このような粉末エマルジョン
は、加水して再分散化を行なってもうまく分散しなかっ
たり、あるいは分散化できても粘度が高くなったり塗膜
物性が悪くなったりする。このため通常は噴霧前の水性
分散液や乾燥前の粉末物に各種の添加剤たとえば抗粘結
剤や保護コロイドを添加しているが、添加量を多くしな
いとききめがなく、その結果塗膜物性が悪化するという
問題があり、さらに含有量の多い水を蒸発させるのでエ
ネルギーロスが大きく経済性でない。そこでできる限り
添加剤を加えないでかつエネルギーロスの少ない方法で
粉末エマルジョンのような水性分散体を製造する技術の
開発が望まれている。
また、後者の方法は比較的少ない水量で且つ乾燥等の操
作を必要とせずに直接水性分散体を製造し得るという利
点が達成されるが、樹脂固形分の分散粒径がミクロンオ
ーダーと比較的大である点で未だ十分満足し得るもので
はなかった。
かくして、当業者においては、組成物全体中の含有水分
量が可及的に少なく、しかも加水したとき水相中に樹脂
固形分が可及的微細にしかも均一に容易に分散するよう
な水性分散体の出現が望まれている。更に、上述した水
性分散体を、濃縮、乾燥等の手段を必要とせずに、直接
製造し得る方法の出現も望まれている。
(問題を解決するための手段) 本発明者等は、前に述べた(i)疎水性の熱可塑性重合
体、(ii)重合体鎖に結合したカルボン酸乃至その誘導
体の基又はカルボン酸塩の基を含む非水溶性及び非水膨
潤性の熱可塑性重合体、及び(iii)水を溶融状態で混
練する際、前記重合体(i)及び重合体(ii)を予じめ
溶融混練し、この溶融物で押出機スクリューとバレルの
空間部が満された部分に、水或いは更に塩基性物質を添
加し、更に添加混合物の溶融混練を続けるときには、3
重量%未満という著しく少ない水分量で、水が連続相及
び重合体類が分散粒子相として存在する水性分散体が得
られることを予想外に見出した。
即ち、本発明によれば、 (i) 疎水性の熱可塑性重合体、 (ii) 重合体鎖に結合したカルボン酸塩の基を該重合
体1g当り−COO−基換算で0.1〜5ミリモル当量の濃度で
含む水不溶性の熱可塑性重合体、 (iii) 水、 (iv) 必要に応じてアニオン界面活性剤、ノニオン界
面活性剤、有機溶剤及び油から成る群から選ばれた少な
くとも1種、 を含有して成り、水分含有量が0.5重量%以上、3重量
%未満の見掛上固体であり、電気抵抗値が106Ωcm以下
であり、且つ加水によって固形分が微細粒子として水相
中に均一に分散する特性を有することを特徴とする水性
分散体が提供される。
本発明によればまた、押出機中で、(i)疎水性の熱可
塑性重合体、 (ii) 重合体鎖に結合したカルボン酸又はカルボン酸
塩の基を重合体1g当り−COO−基換算で0.1〜5ミリモル
当量の濃度で含むか、もしくは塩基処理によって前記基
を濃度が前記範囲内となるように生成し得るカルボン酸
誘導体を含む水不溶性の熱可塑性重合体、 及び (iii) 必要に応じて、アニオン界面活性剤または塩
基処理によってアニオン界面活性剤となる有機化合物、
ノニオン界面活性剤、有機溶剤及び油から成る群より選
ばれた少なくとも1種、 の溶融物に (iv) 水 及び (v) 塩基処理を必要とする熱可塑性重合体もしくは
有機化合物が存在する場合には塩基性物質を、背圧を受
ける状態で連続して添加し引き続き溶融混練し、樹脂固
形分を水性分散物に転相させることを特徴とする水性分
散体の製法が提供される。
(作用) 本発明は、疎水性重合体(i)とカルボキシル基含有重
合体(ii)とを予じめ溶融混練し、この溶融物で押出機
のスクリューとバレルとの空隙が略満たされる部分の溶
融物に水或いは更に塩基性物質を添加し、溶融混練を続
行すると、水の量が全体当り0.5重量%以上、3重量%
未満と著しく少ない場合にも、水が連続相及び重合体が
分散粒子相となった水性分散体への転相が生じるという
発見に基づくものである。
前述した先行技術の方法では、水が連続相及び樹脂が分
散粒子相となった水性分散体を形成させるためには少な
くとも3重量%以上、一般には5重量%以上の水の添加
が必要であり、これよりも少ない量の水では水性分散体
を形成することはできなかった。これは、先行技術の方
法では、二軸スクリュー押出機の出口を開放した状態で
溶融混練を行っていたため、溶融樹脂圧がたたず、溶融
混練された重合体スクリューとバレルとの空隙部に充満
されないまま押出されていたことに原因する。
本発明においては、押出機のスクリューとバレルとの空
隙部が重合体組成物の溶融物で略満たされた状態で水を
添加し、溶融混練を続行すると、水−溶融物の系に直接
的にしかも有効にスクリュー及びバレル間の剪断力乃至
混練力が作用して溶融物に先ず水が分散し、続いて転相
が有効に生じるものと認められる。この場合、本発明の
組成物における熱可塑性重合体(ii)のカルボン酸塩の
基が水(iii)に強い親和性を示し、熱可塑性重合体(i
i)の重合体鎖が疎水性熱可塑性重合体(i)に対して
親和性を示す。しかして、この組成物を本発明の溶融混
練条件下に混練すると、水分は熱可塑性重合体(ii)の
カルボン酸塩の基に引込まれて樹脂中に分散し、溶融樹
脂の表面張力によって樹脂中にはカルボン酸塩の基が外
表面に配向し、その上に水が単分子層或いはそれに近い
薄層の形で付着した粒状物の形成が行われるものと信じ
られる。
本発明によれば、以上のように樹脂固形分の水性分散体
への転相が行われるが、この水性分散体を外部へ取出す
ためには、形成される水性分散体を水の沸点より低い温
度、一般に70乃至90℃の温度とする必要がある。即ち、
一般に溶融混練物の温度は水の沸点よりかなり高温であ
るから、形成された水性分散体をそのまま押出したので
は、この水性分散体から水がフラッシュして、本発明の
水性分散体は得られない。押出機の先端に冷却装置を設
置して、水性分散体がこの冷却装置で水の沸点より低い
温度に冷却された後、系外へ取出されるようにすること
により、水のフラッシュが防止され、少ない水の添加量
にもかかわらず、安定な水性分散体が得られることにな
る。しかも、押出機の先端で水性分散体が冷却されるこ
とにより、溶融物の流動性が低下して、その圧力が例え
ば5乃至20kg/cm2ゲージに上昇し、バレルとスクリュー
との空隙に溶融樹脂が充満されるようになる。本発明の
好適態様に従い、押出機先端で水性分散体を冷却するこ
とは、水のフラッシュ防止とスクリュー及びバレル間の
空隙部を溶融物を充満させることとの二重の作用をもた
らすのである。
本発明の組成物において、疎水性の熱可塑性重合体を水
中油型(O/W)型の分散粒子に転相させる主作用を有す
るのは、前記(ii)のカルボン酸塩の基含有熱可塑性重
合体であり、またこの際必要により前記(iv)のアニオ
ン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、有機溶剤或いは油
の少なくとも1種を併用すればこの転相作用が一層促進
されるが、本発明は、上述した各成分と水とを含有する
溶融混練系において、水分の量を0.5重量%以上、3重
量%未満と従来の量に比してむしろ少なくし、且つ溶融
混練を前記条件下で行うことにより、重合体固形分の分
散粒径を0.5μ以下に微細化することができる。尚、水
性分散体における分散粒径とは、この分散体に加水を行
った際、格別の剪断等を行わずに形成される重合体固形
分分散粒子の径として定義される。
本発明の水性分散体では、前述した3重量%未満という
著しく低い水分量においても、水が連続相、重合体固形
分が独立した微細な分散粒子相として存在することは、
その電気抵抗値が106Ωcm以下、その多くは105Ωcm以下
と低く、しかもこの水性分散体に加水すると固形分が水
相中に微粒子として均一に分散することから確認され
る。
(発明の好適態様の説明) 本発明を以下に詳細に説明する。
配合成分 本発明の水性分散体を構成する成分の一つである熱可塑
性重合体(i)は、水不溶性、水非膨潤性であるのは勿
論のこと、それ自体水中への分散性にも欠ける実質上カ
ルボキシ基を含まない樹脂であり、例えば低密度ポリエ
チレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1
−プテン、ポリ4−メチル−1−ペンテンあるいはエチ
レン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペン
テン等のα−オレフィン同志のランダムあるいはブロッ
ク共重合体のポリオレフィン、エチレン・酢酸ビニル共
重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・ビ
ニルアルコール共重合体、エチレン・塩化ビニル共重合
体等のエチレン・ビニル化合物共重合体、ポリスチレ
ン、アクリロニトリル・スチレン共重合体、ABS、α−
メチルスチレン・スチレン共重合体等のスチレン系樹
脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル
・塩化ビニリデン共重合体、ポリアクリル酸メチル、ポ
リメタクリル酸メチル等のポリビニル化合物、ナイロン
6、ナイロン6−6、ナイロン6−10、ナイロン11、ナ
イロン12等のポリアミド、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート等の熱可塑性ポリエス
テル、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキサイド等
あるいはそれらの混合物のいずれの重合体でもよい。
これらの熱可塑性重合体の中ではとくにオレフィン系重
合体が好ましく、すなわちポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリ−1−ブテン、ポリ−3−メチル−1−ブテ
ン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、ポリ−3−メチ
ル−1−ペンテン、エチレン・プロピレン共重合体、エ
チレン・1−ブテン共重合体、プロピレン・1−ブテン
共重合体で代表されるエチレン、プロピレン、1−ブテ
ン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテ
ン、3−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−ヘ
キセン、1−デセン、1−ドデセン等のα−オレフィン
の単独または共重合体、またはエチレン・ブタジエン共
重合体、エチレン・エチリデンノルボルネン共重合体で
代表されるα−オレフィンと共役ジエンまたは非共役ジ
エンとの共重合体、あるいはエチレン・プロピレン・ブ
タジエン3元共重合体、エチレン・プロピレン・ジシク
ロペンタジエン3元共重合体、エチレン・プロピレン・
エチリデンノルボルネン3元共重合体、エチレン・プロ
ピレン・1,5−ヘキサジエン3元共重合体等で代表され
るα−オレフィンの2種以上と共役ジエンまたは非共役
ジエンとの共重合体が挙げられる。中でも取り分けて好
適なものは、α−オレフィンの単独または共重合体であ
る。
熱可塑性重合体(i)のメルトフローレート(ASTMD123
8、MFR)が1g/10min以上、好ましくは5g/10min以上のも
のが良い。MFRが1g/10min未満であるものは、溶融粘度
が大きくなりすぎて溶融混練しにくくなり、好適な水性
分散体が得られにくい。
本発明の別の好適態様では、熱可塑性重合体(i)とし
て、エチレン−プロピレン共重合体エラストマー又はエ
チレン−プロピレン−ジエン共重合体エラストマーを用
いる。
また、更に別の態様では、後述する通り、アニオン及び
/又はノニオン界面活性剤と有機溶剤との組合せを使用
することにより、メルトフローレートが実質上ゼロの樹
脂、例えば重量平均分子量()が50万以上の超高分
子量オレフィン樹脂の水性分散体を製造することが可能
となる。
本発明の水性分散体を構成する別成分である熱可塑性重
合体(ii)は、前述の熱可塑性重合体(i)、またはそ
れを構成する単量体に中和されているか中和されていな
いカルボン酸基を有する単量体あるいはケン化されてい
るかケン化されていないカルボン酸エステル基を有する
単量体を、グラフト共重合、ブロック共重合、ランダム
共重合等の手段で導入し、場合によっては塩基性物質に
より中和反応またはケン化反応を行なって、該重合体中
に生じたカルボン酸塩の合計が重合体1グラム中に 基換算で0.1〜5mmol当量とくに0.2〜4mmol当量含有する
ように調整されたものである。この際重合体中には中和
もしくはケン化されていないカルボン酸基またはカルボ
ン酸エステル基が共存した部分中和物ないし部分ケン化
物であってもよい。また本熱可塑性重合体(ii)は水溶
性または水膨潤性であってはならない。中和されたカル
ボン酸基および/またはケン化されたカルボン酸エステ
ル基の合計量が上記の範囲外のものは、熱可塑性重合体
(i)の分散化を助ける働きを示さず、良好な分散体と
することができない。また水溶性あるいは水膨潤性であ
ると、塗膜物性が悪化する。
上記熱可塑性重合体(ii)を後中和または後ケン化によ
り得る場合の原料となる重合体は、たとえば前述の熱可
塑性重合体(i)を構成する単量体と共通する単量体、
特にα−オレフィンとエチレン系不飽和カルボン酸また
はそのエステルとを共重合したものであって、不飽和カ
ルボン酸として(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマ
ール酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコ
ン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ナジック酸 (エ
ンドシス−ビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−5−エン−2,3−
ジカルボン酸)、無水マレイン酸、無水シトラコン酸
等、不飽和カルボン酸エステルとして上記の不飽和カル
ボン酸のメチル、エチル、プロピル等のモノエステル、
ジエステル等が例示できる。勿論、複数の単量体成分を
共重合する代りに、熱可塑性重合体(i)、例えばオレ
フィン系重合体に、エチレン系不飽和カルボン酸、その
無水物或いはそのエステル等の単量体をグラフト重合す
ることにより、後中和または後ケン化用の熱可塑性重合
体が得られることは当業者には自明であろう。
これらのエチレン系不飽和カルボン酸、その無水物、或
いはそのエステルの単量体の導入される量は、当然のこ
とながら、前に規定したカルボン酸塩の濃度を与えるに
十分にものでなければならず、 基として最低限0.1ミリモル/1g重合体の濃度を有してい
なければならず、好適には0.1〜5ミリモル/1g重合体の
範囲である。
また中和およびケン化に用いる塩基性物質としては、ア
ルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニアおよびアミ
ン等の水中で塩基として作用する物質、アルカリ金属の
酸化物、水酸化物、弱酸塩、水素化物、アルカリ土類金
属の酸化物、水酸化物、弱酸塩、水素化物等の水中で塩
基として作用する物質、これら金属のアルコキシドなど
を挙げることができる。このような物質の例を以下に示
す。
(1) アルカリ金属としては、たとえばナトリウム、
カリウム、アルカリ土類金属としては、たとえば、カル
シウム、ストロンチウム、バリウム、 (2) アミンとしてはヒドロキシルアミン、ヒドラジ
ン等の無機アミン、メチルアミン、エチルアミン、エタ
ノールアミン、シクロヘキシルアミン、 (3) アルカリ金属およびアルカリ土類金属の酸化
物、水酸化物、水素化物としては、たとえば酸化ナトリ
ウム、過酸化ナトリウム、酸化カルウム、過酸化カリウ
ム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウ
ム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシ
ウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、水素化カルシウム、 (4) アルカリ金属およびアルカリ土類金属の弱酸塩
としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナ
トリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素カルシウム、酢
酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、 (5) アンモニアおよびアミンの化合物としては、た
とえば水酸化アンモニウム、四級アンモニウム化合物た
とえばテトラメチルアンモニウムヒドロキシド、ヒドラ
ジン水分物等を挙げることができる。
塩基性物質により中和またはケン化されたカルボン酸塩
あるいはカルボン酸エステル基としては、カルボン酸ナ
トリウム、カルボン酸カリウム等のカルボン酸アルカリ
金属塩、カルボン酸アンモニウムが好適であり、中でも
カルボン酸カリウムが好ましい。
熱可塑性重合体(ii)は対称となる熱可塑性重合体
(i)に対して相溶性の良好なものを選ぶのがよい。す
なわちオレフィン系樹脂の水性分散体を目的とする場合
には、オレフィン系単量体を主鎖中に含む重合体を選ぶ
べきである。たとえばポリエチレンやポリオレフィン、
エチレン・酢酸ビニル共重合体などを使用するときに
は、これらのマレイン酸グラフト物あるいはエチレン・
(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン・(メタ)アク
リル酸メチル共重合体などの中和物ないしケン化物を用
いるのが好ましい。適切な熱可塑性重合体を選ぶに際し
−つの目安となる指標は溶解度パラメーター(Sp値)で
ある。すなわち中和ないしケン化される前の原料重合体
と熱可塑性重合体(i)との溶解度パラメーターの差が
2〔cal/cm31/2以内、特に1〔cal/cm31/2以内にあ
るものが好ましい。
本明細書において、溶解度パラメーター(Sp値)とは、
普通の意味、即ち凝集エネルギー密度の1/2乗値として
定義される値である。この溶解度パラメーターは、原子
団のモル容への寄与値Vi及び原子団の凝集エネルギーEn
を、D.W.Van Klevelen “Properties of Polymers"(El
sevier,1972)記載の値を用い、式 から計算した。
任意成分として用いるアニオン界面活性値(iv−a)と
してはたとえば第1級高級脂肪酸塩、第2級高級脂肪酸
塩、第1級高級アルコール硫酸エステル塩、第2級高級
アルコール硫酸エステル塩、第1級高級アルキルスルホ
ン酸塩、第2級高級アルキルスルホン酸塩、高級アルキ
ルジスルホン酸塩、スルホン化高級脂肪酸塩、高級脂肪
酸硫酸エステル塩、高級脂肪酸エステルスルホン酸塩、
高級アルコールエーテルの硫酸エステル塩、高級アルコ
ールエーテルのスルホン酸塩、高級脂肪酸アミドのアル
キロール化硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン
酸塩、アルキルフェノールスルホン酸塩、アルキルナフ
タリンスルホン酸塩、アルキルベンゾイルイミダゾール
スルホン酸塩等塩基性物質と反応してアニオン界面活性
剤となったものなら如何なるものでもよい。これらの界
面活性剤のより具体的な化合物名は、たとえば堀口博著
「合成界面活性剤」(昭41三共出版)に開示してある。
これらの中でも取り分けて好適なものとして高級脂肪酸
類とくに炭素原子数10〜20の飽和または不飽和の高級脂
肪酸のアルカリ金属塩が好適であり、より具体的にはカ
プリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、
パルミチン酸、マーガリン酸、ステアリン酸、アラキン
酸等の飽和脂肪酸、リンデル酸、ツズ酸、ペトロセリン
酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン
酸等の不飽和脂肪酸、あるいはこれらの混合物などのア
ルカリ金属塩が挙げられる。
任意成分として使用するノニオン界面活性剤としては、
HLBが10以上、特に好適にはHLBが13以上のノニオン界面
活性剤が使用される。ノニオン界面活性剤は単独でも、
2種以上の組合せでも使用することができ、2種以上の
組合せの場合は、混合物のHLBが上記範囲内となってい
ればよい。ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシエ
チレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキル
フェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステ
ル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミドエーテル、多価ア
ルコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン多価アル
コール脂肪酸エステル、脂肪酸ショ糖エステル、アルキ
ロールアミド、ポリオキシアルキレンブロックコポリマ
ー等の内からHLBが上記範囲内にあるものを使用する。
例えば、これらのノニオン界面活性剤では一般に、ポリ
オキシエチレン単位の含有量が増大するとHLBが増大す
るので、エチレンオキサイドの付加モル数を調節するこ
とにより、所望のHLBのノニオン界面活性剤を入手する
ことができる。
任意成分としての有機溶剤(iv−c)は、熱可塑性重合
体(i)および熱可塑性重合体(ii)を溶解(膨潤)で
きるものであればよく、たとえばベンゼン、トルエン、
キシレン、スチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベ
ンゼン等の芳香族炭化水素、ヘキサン、ヘプタン等の脂
肪族炭化水素、トリクロロエチレン等のハロゲン化炭化
水素が例示できる。この有機溶剤は、最終水性分散体中
に含有されるものでよく、また最終水性分散体から、蒸
留、共沸蒸留等の手段で除去されるものでもよい。たと
えば蒸留によって除去する場合には、溶剤の沸点は100
℃以下であることが望ましい。
この有機溶媒は、熱可塑性重合体(i)を膨潤乃至部分
的に溶解させるものであり、従来の溶媒法と異なり著し
く少量でよい。
任意成分として用いられる天然油乃至合成油(iv−d)
としては、スピンドル油、マシン油等の鉱物系潤滑油、
流動パラフィン、電気絶縁油、プロセスオイル等の鉱物
油;アルキルベンゼン油、ジオレフィン油、ジエステル
油、アルキルナフテネート油等の合成油;ヒマシ油、ア
マニ油、ナタネ油、ヤシ油、トール油等の植物油等が使
用される。これらの油剤は、樹脂固形分中に安定保持さ
れる上で、200以上の数平均分子量を有するべきであ
る。
水性分散体の組成及び製法 前述(i)の熱可塑性重合体と(ii)の熱可塑性重合体
との割合は、熱可塑性重合体(i)100重量部に対し
て、熱可塑性重合体(ii)が1〜60重量部、特に2〜50
重量部となる割合がよい。(ii)がこの割合を下廻る時
は熱可塑性重合体(i)の分散が充分ではなく、又この
割合を上廻る時は目的とする熱可塑性重合体(i)本来
の性質とは異なる分散体となる。
本発明の水性分散体は、上記成分に加えて、水(iii)
を含有するが、この水の含有量は0.5重量%以上、3重
量%未満の量、特に好適には1.0乃至2.5重量%の範囲で
ある。勿論、本発明の水性分散体に対しては追加量の水
を添加することができるが、この後者の場合でも、水性
分散体への転相そのものは、前述した少ない量の水分で
行われていることが了解されるべきである。
本発明の水性分散体は、上記3成分を必須成分として含
有するが、所望により、アニオン界面活性剤、ノニオン
界面活性剤及び油の1種又は2種以上を製造時に配合す
ることができる。
アニオン系(iv−a)及び/またはノニオン系(iv−
b)の界面活性剤は、重合体(i)100重量部当り0.1乃
至40重量部、特に0.2乃至20重量部の量で配合するのが
よい。一方、有機溶剤(iv−c)の配合量は、重合体
(i)100重量部当り10乃至1000重量部、特に20乃至700
重量部の範囲が望ましい。また油剤(iv−a)は、重合
体(i)100重量部当り10乃至500重量部、特に20乃至30
0重量部の量比で存在させるのがよい。
塩基処理を必要とする熱可塑性重合体(ii)やアニオン
界面活性剤前駆物質が含まれている場合には、反応に必
要な塩基物質(v)を配合する。
本発明方法の実施に好適に使用される装置を示す第1図
において、押出機1はバレル2とバレル内に設けられた
二軸スクリュー3a,3bとを備えており、その一方の端部
には熱可塑性重合体(i)及び熱可塑性重合体(ii)或
いは更に必要あれば界面活性剤、有機溶媒或いは油剤を
供給するためのホッパー4が設けられ、また押出機1の
途中には水或いは塩基性物質の水溶液を供給するための
供給口5が設けられている。更に、押出機1の他方の端
部、即ち押出口には冷却装置6が設けられている。冷却
装置6は例えば冷却用媒体を通すためのジャケットを備
えたスタティックミキサーであってよい。
水性分散体の製造に当っては、まず疎水性の熱可塑性重
合体(i)及びカルボン酸誘導体の基を含む熱可塑性重
合体(ii)或いは更に必要に反じアニオン界面活性剤、
ノニオン界面活性剤、有機溶剤、油剤等をホッパー4か
ら供給し、これらの成分を溶融混練する。溶融混練時の
温度は使用する重合体のうち高いものの方の融点もしく
は軟化点以上好ましくは溶融粘度が106ポイズ以下、特
に105poise以下になる温度以上である。また成分(iv−
c)や(iv−d)を併用する場合には重合体の融点もし
くは軟化点以上の温度である必要はなく、組成物と粘度
が上記範囲となる条件下であればよい。
次いで、押出機1内のバレル2とスクリュー3a,3bとの
空隙部に溶融物が充満されている部分にある溶融物に、
供給口5から水或いは塩基性物質の水溶液を添加する。
バレル2とスクリュー3a,3bとの空隙部の溶融物が略満
たされているかは、その部分の背圧を測定することによ
り確認することができ、この圧力は、重合体溶融物の流
動特性や溶融混練時の温度によつても相違するが、この
圧力が一般に0.5乃至300kg/cm2ゲージ、特に1.0乃至200
kg/cm2ゲージの範囲にあれば、略満たされているという
ことができる。
また、このように水を添加する部分において、バレル2
とスクリュー3a,3bとの空隙部に溶融物が満たされてい
る場合には樹脂押出量当りの押出機の動力も増加してお
り、比エネルギーの値は0.3kWH/kg以上となっている。
本明細書において、比エネルギーとは、連続混練装置の
モーター消費動力を一定時間内に押し出される重合体量
で除した値として定義される。
水を供給する部分において、スクリューとバレルとの空
隙部を重合体溶融物で満たすには、押出機の先端に冷却
装置6を設ける方法の他に、押出機の先端にスクリーン
・パック等を装着して、背圧をたてる方法等が採用され
る。要するに、本発明においては、水を添加する部分に
おける背圧が前述した範囲内となるものであれば、任意
の手段を採用し得る。
水或いは塩基性物質の水溶液を添加した後、添加混合物
の溶融混練を続行し、水性分散体への転相を行わせる。
形成される水性分散体は冷却装置6で水の沸点よりも低
い温度に冷却され、外部に安定な水性分散体の形で取出
される。尚、水性分散体の冷却は、これを系外に取出す
場合にのみ必要であり、この水性分散体を系外に取出す
ことなく、引続き後処理、化学反応等の用途に使用する
場合には不必要であることが理解されるべきである。
また得られる水性分散体には、追加量の水分を逐次添加
し得ることは勿論である。
溶融混練し製造された水性分散体は、その後室温下まで
自然にまたは人工的に冷却される。この時に分散粒子は
固化し、安定な分散物となる。溶剤を用いた場合には必
要により蒸発等の手段でこれを除去する。
この分散体或いはその加水物の製造にあたっては、通常
水性分散物に使用することのできる各種副資材たとえば
アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤などの分散
剤、乳化剤、安定化剤、湿潤剤、増粘剤、起泡剤、消泡
剤、凝固剤、ゲル化剤、老化防止剤、軟化剤、可塑剤、
充填剤、着色剤、付香剤、粘着防止剤、離型剤などを併
用してよいことは勿論のことである。
水性分散体 本発明による水性分散体は、見掛上固体でありながら、
水が連続相、樹脂が分散粒子相となった油中水型(O/
W)の分散構造を有している。この固体状水性分散体の
電子顕微鏡写真から、本発明の固体水性分散体の二次粒
子は、やや変形した微細な一次粒子がかなり密に凝集し
た構造となっていることが理解される。しかしながら、
この一次粒子がオイル・イン・ウォーター型の分散形態
をとっている事実は次に述べる種々の事実から証明され
る。
水性分散体の別の性質は、その電気抵抗値が106Ωcm以
下その多くは105Ωcm以下を示すことである。このよう
な低い電気抵抗値を示すのは、分散体の連続相が水であ
り不連続相が樹脂になっているためだと推定される。す
なわち連続相が樹脂であるようなものや樹脂粉末が単に
3重量%未満の水分を含んだものでは、その電気抵抗値
は樹脂が本来有している値(一般に1010Ωcm)を示す。
また別の性質として水性分散体に加水すると固型分が水
相中に均一に分散する。このことからも連続相が水であ
る分散体だと推定される。
尚ここで電気抵抗値の測定は、1cm立方の絶縁体容器中
の向い合う両内側に1cmの電極を貼り分散体を圧入した
後に電極間の抵抗値を交流式抵抗測定器の60Hzを用いて
測定する方法にある。加水による分散状態の測定は、分
散体を冷水中に投じ、タービン翼を有する通常の撹拌機
で撹拌した後に、分散液を100mesh程度の金網でロ過す
ることと分散液中の粒子を顕微鏡で観察することによっ
て確認できる。
本発明の分散体は、加水により水に分散させた状態で
は、実質的に球状粒子であり、その平均粒径は0.5μ以
下の範囲にある。
この粒径はコールターカウンターを用いて測定できる。
(発明の作用効果) 本発明の固体型の水性分散体は水分含有量が著しく低く
見掛け上固体であり、また加水によって容易に水性分散
液となるので、凍結の虞がなく、貯蔵場所のスペース節
約、運搬のし易さ、包装のし易さなどの特徴がある。さ
らにセメントやモルタル、石こうなどの水との接触をき
らう粉粒体に直接混入することもでき、再水分散液で各
種材料に耐水性、耐油性、耐薬品性の皮膜を形成させた
り、ヒートシール材として用いたりすることもできる。
また本発明の水性分散体の別の利用態様として、極めて
小さい剪断力を加えたり、極めて緩和な温度条件で乾燥
したりして微粉化や水分含有量を低減したりすることも
できる。ほかにもニューセラミックス用バインダーやポ
リマー改質剤、例えばAS樹脂、スチレン樹脂等の改質な
どの用途にも使用できる。
(実施例) 実施例1 熱可塑性重合体(i)として低密度ポリエチレン(密度
=0.915g/cm3、MFR=70g/10分、Sp値=7.80(cal/cm3
1/2)100部と、熱可塑性重合体(ii)として、無水マレ
イン酸グラフトポリエチレン(無水マレイン酸含量=3.
3wt%、−COO−基=0.67mmol当量/g、密度=0.94g/c
m3、Sp値=8.06(cal/cm31/2)10部、と塩基性物質と
反応してアニオン界面活性剤になる有機化合物として、
オレイン酸2部を第1図に示した同方向回転噛合型2軸
スクリュー押出機(池貝鉄工製PCM−30L/C=20)のホッ
パーより、112重量部/時間の速度で供給し、同押出機
の中間部に設けた供給口より水酸化カリウムの23%水溶
液を3.5重量部/時間の割合で連続的に供給し、加熱温
度160℃で連続的に押し出した。押し出された樹脂等混
合物は同押出機出口に設置した、ジャケット付きスタテ
ィックミキサーで90℃まで冷却し取り出した。取りだし
た物は白色の固体であった。また水溶液供給の際の背圧
は6.0kg/cm2Gであり、押出機スクリュー先端圧力は10.0
kg/cm2Gであった。押出量及び消費電力より計算された
比エネルギーは0.32kW・hr/kgであった。この白色固体
を1cm立方の容器に充填し、その電気抵抗を測定したと
ころ8×103Ωcmであった。またこの固体を水中に分散
し形状を顕微鏡で観察した所真球状の微粒子で、又、分
散粒子の大きさをマイクロトラックで測定したところ、
平均粒径0.45μであった。
実施例2 熱可塑性重合体(i)としてエチレン−酢酸ビニル共重
合樹脂(酢酸ビニル含量19wt%密度=0.97g/cm3、MFR=
150g/10分、Sp値=8.06(cal/cm31/2)100部と、熱可
塑性重合体(ii)として、実施例1で用いたと同じ無水
マレイン酸グラフトポリエチレン10部と、アニオン性界
面活性剤としてオレイン酸カリウム3部を実施例1と同
じ同方向回転噛合型2軸スクリュー押出機のホッパーよ
り、113重量部/時間の速度で供給し、同押出機の中間
部に設けた供給口より水酸化カリウムの13%水溶液を2.
9重量部/時間の割合で連続的に供給し、加熱温度140℃
で連続的に押し出した。押し出された樹脂等混合物は同
押出機出口に設置した、ジャケット付きスタティックミ
キサーで90℃まで冷却し取り出した。取りだした物は白
色の固体であった。また水溶液供給に際しての背圧は5.
0kg/cm2Gであり、押出機スクリュー先端圧は8.0kg/cm2G
であった。押出量及び消費電力より計算された比エネル
ギーは0.31KW,hr/kgであった。この固体を実施例1と同
じ方法で電気抵抗を測定したところ、8×103Ωcmであ
った。また、この固体を水中に分散し形状を顕微鏡で観
察した所真球状の微粒子で、又、分散粒子の大きさをマ
イクロトラックで測定したところ、平均粒径0.48μであ
った。
参考例1 実施例1で用いたと同じ無水マレイン酸グラフトポリエ
チレン100重量部を常圧型ニーダー中に投入し、140℃で
溶融混練する。次に水酸化カリウム3.76重量部(−COO
−基に対し1.0化学当量)を溶解したアルカリ水40重量
部を徐々に滴下し、水が蒸発した後更に30分間混練を行
い冷却する。
実施例3 熱可塑性重合体(i)としてエチレン−プロピレンター
ポリマー(エチレン含量65mol%密度=0.87g/cm3、MFR
=0.4g/10分、Sp値=8.03(cal/cm31/2)100部と、参
考例1にて得た熱可塑性重合体(ii)のアルカリ塩100
部、アニオン性界面活性剤としてオレイン酸カリウム3
部を、実施例1と同じ同方向回転噛合型2軸スクリュー
押出機のホッパーより、113重量部/時間の速度で供給
し、同押出機の中間部に設けた供給口より蒸留水を1.2
重量部/時間の割合で連続的に供給し、加熱温度200℃
で連続的に押し出した。押し出された樹脂等混合物は同
押出機出口に設置した、ジャケット付きスタティックミ
キサーで90℃まで冷却し取り出した。取り出した物は白
色の固体であった。蒸留水供給に際しての背圧は20.0kg
/cm2Gであり、押出機スクリュー先端圧は20.0kg/cm2Gで
あった。押出量及び消費電力より計算された比エネルギ
ーは0.39kW・hr/kgであった。この固体を実施例1と同
じ方法で電気抵抗を測定したところ、8×103Ωcmであ
った。また、この固体を水中に分散し形状を顕微鏡で観
察した所真球状の微粒子で、又、分散粒子の大きさをマ
イクロトラックで測定したところ、平均粒径0.37μであ
った。
実施例4 実施例2で用いたと同じエチレン−酢酸ビニル共重合樹
脂100部と、熱可塑性重合体(ii)として、実施例1で
用いた無水マレイン酸グラフトポリエチレン10部、エチ
レン−アクリル酸共重合樹脂(アライドケミカル(株)
製A−Cポリエチレン5120、アクリル酸含量15wt%、−
COO−基=2.14mmol当量/g、粘度(140℃)=650cps、密
度=0.93g/cm3、Sp値=8.58(cal/cm31/2)10部を実
施例1と同じ同方向回転噛合型2軸スクリュー押出機の
ホッパーより、120重量部/時間の速度で供給し、同押
出機の中間部に設けた供給口より水酸化カリウムの35%
水溶液を4.5重量部/時間の割合で連続的に供給し、加
熱温度160℃で連続的に押し出した。押し出された樹脂
等混合物は同押出機出口に設置した、ジャケット付きス
タティックミキサーで90℃まで冷却し取り出した。取り
だした物は白色の固体であった。水溶液供給に際しての
背圧は7.0kg/cm2Gであり、押出機スクリュー先端の圧力
は10.0kg/cm2Gであった。押出量及び消費電力より計算
された比エネルギーは0.33kW・hr/kgであった。この固
体を実施例1と同じ方法で電気抵抗を測定したところ、
9×103Ωcmであった。また、この固体を水中に分散
し、顕微鏡で観察した所真球状の微粒子で、又、分散粒
子の大きさをマイクロトラックで測定したところ、平均
粒径0.47μであった。
実施例5 熱可塑性重合体(i)として実施例3で用いたと同じエ
チレン−プロピレンターポリマー100部と、熱可塑性重
合体(ii)として、実施例1で用いたと同じ無水マレイ
ン酸グラフトポリエチレン10部を実施例1と同じ同方向
回転噛合型2軸スクリュー押出機のホッパーより、112
重量部/時間の速度で供給し、同押出機のホッパーとベ
ント部の中間に設けた注入ノズルより塩基性物質と反応
してアニオン界面活性剤になる有機化合物として、オレ
イン酸を2重量部/時間の割合で連続的に供給し、ベッ
ト部と先端との中間に設けた供給口より水酸化カリウム
の23%水溶液を3.5重量部/時間の割合で連続的に供給
し、加熱温度140℃で連続的に押し出した。押し出され
た樹脂等混合物は同押出機出口に設置した、ジャケット
付きスタティックミキサーで90℃まで冷却し取り出し
た。取り出した物は白色の固体であった。また水溶液供
給に際しての背圧は5.0kg/cm2Gであり、押出機スクリュ
ー先端圧は8.0kg/cm2Gであった。押出量及び消費電力よ
り計算された比エネルギーは0.38kW・hr/kgであった。
この固体を実施例1と同じ方法で電気抵抗を測定したと
ころ、8×103Ωcmであった。また、この固体を水中に
分散し形状を顕微鏡で観察した所真球状の微粒子で、
又、分散粒子の大きさをマイクロトラックで測定したと
ころ、平均粒径0.48μであった。
実施例6 熱可塑性重合体(i)として実施例1で用いた低密度ポ
リエチレン100部と、熱可塑性重合体(ii)として、実
施例1で用いたと同じ無水マレイン酸グラフトポリエチ
レン10部、ノニオン界面活性剤として、エマルゲン430
(花王(株)製)5重量部を実施例1と同じ同方向回転
噛合型2軸スクリュー押出機のホッパーより、115重量
部/時間の速度で供給し、中間部に設けた供給口より水
酸化カリウムの17%水溶液を2.3重量部/時間の割合で
連続的に供給し、加熱温度160℃で連続的に押し出し
た。押し出された樹脂等混合物は同押出機出口に設置し
た、ジャケット付きスタティックミキサーで90℃まで冷
却し取り出した。取りだした物は白色の固体であった。
また水溶液供給に際しての背圧は6.0kg/cm2Gであり、押
出機スクリュー先端圧は10.0kg/cm2Gであった。押出量
及び消費電力より計算された比エネルギーは0.35kW・hr
/kgであった。この固体を実施例1と同じ方法で電気抵
抗を測定したところ、9×103Ωcmであった。また、こ
の固体を水中に分散し形状を顕微鏡で観察した所真球状
の微粒子で、又、分散粒子の大きさをマイクロトラック
で測定したところ、平均粒径0.40μであった。
実施例7 熱可塑性重合体(i)として実施例1で用いた低密度ポ
リエチレン100部と、参考例1の重合体アルカリ塩とノ
ニオン界面活性剤として、エマルゲン430(花王(株)
製)10重量部を実施例1と同じ同方向回転噛合型2軸ス
クリュー押出機のホッパーより、110重量部/時間の速
度で供給し、中間部に設けた供給口より蒸留水を2.7重
量部/時間の割合で連続的に供給し、加熱温度160℃で
連続的に押し出した。押し出された樹脂等混合物は同押
出機出口に設置した、ジャケット付きスタティックミキ
サーで90℃まで冷却し取り出した。取りだした物は白色
の固体であった。また水供給に際しての背圧は13.5kg/c
m2Gであり、押出機スクリュー先端圧は12.5kg/cm2Gであ
った。押出量及び消費電力より計算された比エネルギー
は0.34kW・hr/kgであった。この固体を実施例1と同じ
方法で電気抵抗を測定したところ、1×104Ωcmであっ
た。また、この固体を水中に分散し形状を顕微鏡で観察
した所真球状の微粒子で、又、分散粒子の大きさをマイ
クロトラックで測定したところ、平均粒径0.43μであっ
た。
実施例8 実施例3で用いたと同じエチレン−プロピレンターポリ
マー100部と、熱可塑性重合体(ii)として、実施例1
で用いたと同じ無水マレイン酸グラフトポリエチレン10
部、アニオン性界面活性剤としてオレイン酸カリウム2
部を、実施例1と同じ同方向回転噛合型2軸スクリュー
押出機のホッパーより、112重量部/時間の速度で供給
し、同押出機のホッパーとベント部の中間に設けた注入
ノズルより有機溶剤としてパークロルエチレンを10重量
部/時間の速度で供給し、同押出機のベント部と先端と
の間に設けた供給口より水酸化カリウムの18%水溶液を
2.2重量部/時間の割合で連続的に供給し、加熱温度200
℃で連続的に押し出した。押し出された樹脂等混合物は
同押出機出口に設置した、ジャケット付きスタティック
ミキサーで90℃まで冷却し取り出した。取りだした物は
白色の固体であった。水溶液供給に際しての背圧は12.0
kg/cm2Gであり、押出機スクリュー先端圧は12.5kg/cm2G
であった。押出量及び消費電力より計算された比エネル
ギーは0.32kW・hr/kgであった。この固体を実施例1と
同じ方法で電気抵抗を測定したところ、9×103Ωcmで
あった。また、この固体を水中に分散し形状を顕微鏡で
観察した所真球状の微粒子で、又、分散粒子の大きさを
マイクロトラックで測定したところ、平均粒径0.30μで
あった。
比較例1 実施例1において、中間部より供給する水酸化カリウム
水溶液の濃度を8%、供給量を10重量部/時間に変更し
た以外は、実施例1と同様にした。取り出した固体は白
色の固体で、この固体を実施例1と同じ方法で電気抵抗
を測定したところ、2×103Ωcmであった。水溶液供給
に際しての背圧は6.0kg/cm2Gであり、押出機スクリュー
先端圧は8.0kg/cm2Gであった。また、この固体を水中に
分散し形状を顕微鏡で観察した所真球状の微粒子であっ
たが、分散粒子の大きさをマイクロトラックで測定した
ところ、平均粒径1.21μであった。
実施例9 熱可塑性重合体(i)としてスチレン−エチレン−ブチ
レン−スチレン共重合体(クレイトンG1657(Shell
製)、密度=0.90g/cm3、Sp値=8.33(cal/cm31/2)1
00部と、熱可塑性重合体(ii)として、無水マレイン酸
グラフトポリエチレン(無水マレイン酸含量=3.3wt
%、−COO−基=0.67mmol当量/g、密度=0.94g/cm3、Sp
値=8.06(cal/cm31/2)10部と、塩基性物質と反応し
てアニオン界面活性剤になる有機化合物としてオレチン
酸2部を、実施例1と同じ同方向回転噛合型2軸スクリ
ュー押出機のホッパーより、112重量部/時間の速度で
供給し、同押出機のベント部に設けた供給口(フィード
ポンプ2)より水酸化カリウムの19%水溶液を14.0kg/c
m2Gの背圧を受ける状態で3.0重量部/時間の割合で連続
的に供給し、加熱温度200℃で連続的に押し出した。
〔このとき二軸押出機のスクリュー先端圧力は12.5kg/c
m2Gであった。〕押し出された重合体等混合物は同押出
機出口に設置したジャケット付きスタティックミキサー
で90℃まで冷却して取り出した。取り出したものは白色
の固体であった。押出量及び消費電力より計算された比
エネルギーは0.35kW・hr/kgであった。この固体を実施
例1と同じ方法で電気抵抗を測定したところ、5×103
Ωcmであった。また、この固体を水中に分散し形状を顕
微鏡で観察したところ真球状の微粒子で、また分散粒子
の大きさをマイクロトラックで測定したところ、平均粒
径0.45μであった。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明方法の実施に使用される混練装置の側面
配置図である。 1は押出機、2はバレル、3a及び3bはスクリュー、4は
ホッパー、6は水の供給口、7は冷却装置である。

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(i) 疎水性の熱可塑性重合体、 (ii) 重合体鎖に結合したカルボン酸塩の基を該重合
    体1g当り−COO−基換算で0.1〜5ミリモル当量の濃度で
    含む水不溶性の熱可塑性重合体、 (iii) 水、 (iv) 必要に応じてアニオン界面活性剤、ノニオン界
    面活性剤、有機溶剤及び油から成る群から選ばれた少な
    くとも1種、 を含有して成り、水分含有量が0.5重量%以上、3重量
    %未満の見掛上固体であり、電気抵抗値が106Ωcm以下
    であり、且つ加水によって固形分が微細粒子として水相
    中に均一に分散する特性を有することを特徴とする水性
    分散体。
  2. 【請求項2】加水によって分散する微細粒子径が0.5μ
    以下である特許請求の範囲第1項記載の水性分散体。
  3. 【請求項3】熱可塑性重合体(i)がα−オレフィンの
    単独重合体又は共重合体である特許請求の範囲第1項記
    載の水性分散体。
  4. 【請求項4】熱可塑性重合体(i)がエチレン−ビニル
    化合物共重合体である特許請求の範囲第1項記載の水性
    分散体。
  5. 【請求項5】熱可塑性重合体(i)がエチレン−プロピ
    レン共重合体エラストマー又はエチレン−プロピレン−
    ジエン三元共重合体エラストマーである特許請求の範囲
    第1項記載の水性分散体。
  6. 【請求項6】熱可塑性重合体(i)が1g/10min以上のメ
    ルトフローレート(ASTM D1238)を有するものである特
    許請求の範囲第1項記載の水性分散体。
  7. 【請求項7】熱可塑性重合体(i)が重量平均分子量
    (w)が50万以上の超高分子量オレフィン樹脂である
    特許請求の範囲第1項記載の水性分散体。
  8. 【請求項8】熱可塑性重合体(ii)が熱可塑性重合体
    (i)を構成する単量体を主たる単量体とし、エチレン
    系不飽和カルボン酸塩の単位を含む共重合体である特許
    請求の範囲第1項記載の水性分散体。
  9. 【請求項9】熱可塑性重合体(ii)がα−オレフィンと
    エチレン系不飽和カルボン酸との共重合体の塩である特
    許請求の範囲第1項記載の水性分散体。
  10. 【請求項10】熱可塑性重合体(i)と熱可塑性重合体
    (ii)との溶解度パラメーターの差が熱可塑性重合体
    (ii)が中和前の状態において、2〔cal/cm31/2以内
    にある特許請求の範囲第1項記載の水性分散体。
  11. 【請求項11】熱可塑性重合体(i)100重量部に対し
    て熱可塑性重合体(ii)が1〜60重量部となる割合いで
    存在する特許請求の範囲第1項記載の水性分散体。
  12. 【請求項12】水が1.0乃至2.5重量%の量で存在する特
    許請求の範囲第1項記載の水性分散体。
  13. 【請求項13】アニオン系及び/又はノニオン系の界面
    活性剤が、重合体(i)100重量部当り0.1乃至40重量部
    の量で存在する特許請求の範囲第1項記載の水性分散
    体。
  14. 【請求項14】有機溶剤が重合体(i)100重量部当り1
    0乃至1000重量部の量で存在する特許請求の範囲第1項
    記載の水性分散体。
  15. 【請求項15】油剤が重合体(i)100重量部当り10乃
    至500重量部の量で存在する特許請求の範囲第1項記載
    の水性分散体。
  16. 【請求項16】水性分散体が105Ωcm以下の電気抵抗値
    を示すものである特許請求の範囲第1項記載の水性分散
    体。
  17. 【請求項17】押出機中で、 (i) 疎水性の熱可塑性重合体、 (ii) 重合体鎖に結合したカルボン酸又はカルボン酸
    塩の基を重合体1g当り−COO−基換算で0.1〜5ミリモル
    当量の濃度で含むか、もしくは塩基処理によって前記基
    を濃度が前記範囲内となるように生成し得るカルボン酸
    誘導体基を含む水不溶性の熱可塑性重合体、 及び (iii) 必要に応じて、アニオン界面活性剤または塩
    基処理によってアニオン界面活性剤となる有機化合物、
    ノニオン界面活性剤、有機溶剤及び油から成る群より選
    ばれた少なくとも1種、 の溶融物に (iv) 水 及び (v) 塩基処理を必要とする熱可塑性重合体もしくは
    有機化合物が存在する場合には塩基性物質を、背圧を受
    ける状態で連続して添加し引き続き溶融混練し、樹脂固
    形分を水性分散物に転相させることを特徴とする水性分
    散体の製法。
  18. 【請求項18】水を全体当り0.5重量%以上3重量%未
    満の温度で配合する特許請求の範囲第17項記載の製法。
  19. 【請求項19】転相された水性分散体を水の沸点よりも
    低い温度で外部に押出すことを特徴とする特許請求の範
    囲第17項記載の製法。
  20. 【請求項20】溶融混練を比エネルギーが0.3kWH/kg以
    上となる条件下で行う特許請求の範囲第17項記載の製
    法。
  21. 【請求項21】水を添加する際に受ける背圧が、0.5乃
    至300kg/cm2G、好ましくは1.0乃至200kg/cm2G、更に好
    ましくは5.0乃至100kg/cm2Gの範囲にある特許請求の範
    囲第17項記載の製法。
  22. 【請求項22】水性分散体の押出を、先端に冷却装置を
    設置した押出機を用いて行なう特許請求の範囲第17項記
    載の製法。
  23. 【請求項23】押出機スクリューとバレルの空間部にお
    いて、前記(i)、(ii)及び(iii)の溶融混合物が
    充たされている部分に、前記(iv)及び(v)の物質を
    添加する特許請求の範囲第17項記載の製法。
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