JPH0798671B2 - 光フアイバ用プリフオ−ムの製造方法 - Google Patents

光フアイバ用プリフオ−ムの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は通信用石英系光フアイバの製造方法に関し、特
にF(ふつ素)を用いてその屈折率分布を形成する部分
を有する光フアイバ用プリフオームの製造方法に関す
る。
〔従来の技術〕
石英系光フアイバにおいてその最低損失波長領域である
1.5μm帯に零分散波長をシフトさせたシングルモード
・フアイバ(謂る分散シフトフアイバ)は、長距離かつ
大容量の光通信伝送路として実用化が進んでいる。分散
シフトフアイバの中でも、第2図に示すような階段型と
称せられる屈折率分布を有するものは単純なステツプ型
屈折率分布を有する分散シフトフアイバに比べて曲げ損
失が小さくなり、実用上の利点が大きく開発検討が進め
られている〔参考文献1:「ディスパージヨン−シフテツ
ド コンヴエツクス−インデツクス シングルモード
フアイバーズ(Dispersion−shisted convex−index si
nglemode fibers)」、エヌ.クワキ他、エレクトロニ
クス レターズ(N.Kuwaki et al,Electronics Letter
s)、1985.12.5 vol21 No.25/26 p.1186〜1187〕。
第2図に示した屈折率分布では、中央部の屈折率の最も
高い部分21(「内側コア」と称する)と該内側コア21を
囲み、内側コア21より低い屈折率を有する部分22(「外
側コア」と称する)、さらに該外側コア22を囲む最も屈
折率の低いクラツド部23から屈折率分布構造が形成され
ている。
このような階段型屈折率分布を有する分散シフトフアイ
バについて、その屈折率分布を形成するガラス組成とし
て第3図に示すように、内側コア31がGeO2−SiO2,外側
コア32がSiO2,クラツド部33がF−SiO2からなるものが
提案されている〔参考文献2:「デイスパージヨン−シフ
テツド フアイバーズ ウイズ フルオリン アツデツ
ド クラツデイング バイ ザ VAD メソツド(Dispe
rsion−shifted fibers with fluorine added cladding
by the VAD method)」エイチ.ヨコタ他、テクニカル
ダイジエスト オン ティピカル ミーテイング オ
ン オプテイカル フアイバー コミユニケイシヨン,
アトランタ(H.Yokota et al,Technical digest on Top
ical Meeting on Op−tical Fiber Communication Atla
nta)1986,ペーパーWF2〕 光フアイバの屈折率分布はSiO2ガラスにGeO2を屈折率増
加成分として添加することによつて得るという手段が一
般的である。しかしながら、GeO2添加量を多くしていく
とガラスのレイリー散乱が増加し伝送損失が高くなる、
或いはGeO2→GeOの還元に基づくと考えられる紫外域で
の電子遷移吸収が増加しやはり伝送損失が高くなると予
想される。そこで上記第3図のフアイバの組成ではクラ
ツド部33にFを添加することによりクラツド部33の屈折
率を下げ、内側コア31のみにGeO2を添加してGeO2の添加
量を下げ伝送損失の低減を図ろうとしている。これまで
本発明者らはこの考えに基づき、第2図第3図に示すよ
うな屈折率分布とガラス組成を有する分散シフトフアイ
バを作製し、波長1.55μmに於ける伝送損失を0.23dB/k
mまでに低減することができている。〔参考文献3:重松
他「1.5μm帯分散シフトシングルモードフアイバの伝
送特性」電子通信学会技術研究報告 OQE 86−99〕 〔発明が解決しようとする問題点〕 第3図に示した従来の構造のフアイバにおいて、さらな
る低損失化が困難である理由としては、内側コア31に
含有されるGeO2の存在により、通常4価であるGeが線引
等の高温加熱過程で還元されて、紫外域に吸収を有する
電子遷移の吸収中心となり、波長1.5μm帯にまでその
影響が及ぶこと、GeO2を含有する内側コア31とFを含
有するクラツド部33に挟まれたSiO2からなる外側コア32
の部分は、他の部分に比して線引時の高温加熱過程での
粘性が高くなり、線引時にかかる張力が外側コア32の部
分に集中して、外側コア32の部分にガラス欠陥を生じ、
やはり紫外域での吸収の原因になること、などが考えら
れる。
上記のような考察に基づき、Fを内側コア及び外側コア
の両方に添加することがより低損失化にとつて有効であ
ることが考えられる。即ち上記損失劣化要因に対して
は、内側コアのGeO2が添加されている部分にFを共存さ
せることにより、Geが還元されてもさらにGe−F結合を
作り、2価のGeに特徴的な紫外吸収が低減できる、或い
はGe−F結合そのものがGeの還元を抑制できる効果が期
待できる。また伝送損失要因に対しては、外側コアに
Fを添加することによりその粘性を下げ、内側コア及び
クラツド部に近づけることにより損失低減効果が期待で
きる。さらに、内側コアにFを添加することにより内側
コアの屈折率が低下するので、その屈折率低下分をGeO2
添加量を増加することなしに補償するためにも、外側コ
ア部にFを添加しその屈折率を下げる必要がある。但
し、外側コア部とクラツド部の屈折率差を所要分だけ保
つためには、外側コアにFを添加した場合、クラツド部
へのF添加量を増して、クラツド部の屈折率をより低減
しておく必要がある。
このような目的を達成するための階段型屈折率分布を有
する分散シフトフアイバの組成及び屈折率分布構造の例
を第1図に示す。第1図において内側コア11はGeO2−F
−SiO2、外側コア12はF−SiO2、クラツド部13はF−Si
O2からなり、クラツド部13に含有されるF量は外側コア
12に含まれるF量より多い。例えば第1図のような構造
の場合、クラツド部13の屈折率は純SiO2との比屈折率差
で−0.4%となる。ところがこのような場合、例えばMCV
D法で上記組成のプリフオームを形成しようとすると、
Fを多量に添加するクラツド部の形成が堆積速度の劣
化、Fが十分に添加されないなどの点で難しい。
またVAD法またはOVD法の場合Fは多孔質ガラス母材をF
を含有する雰囲気中で加熱処理することにより母材の半
径方向にFを均一に添加できるが母材の半径方向に第1
図のようなF濃度分布を形成する即ちFのみで屈折率分
布を形成することが難しい。
また上記組成、構造のものに限らず、Fで屈折率分布を
形成しかつFが比較的高濃度に添加される部分を有する
光フアイバにおいても同様の難しさがあつた。
以上のように、内側コアがGeO2−F−SiO2、外側コアが
F−SiO2、クラツド部がF−SiO2からなる階段型屈折率
分布を有する第1図の分散シフトフアイバのように実質
的にFのみにより屈折率分布の少なくとも一部が形成さ
れた光フアイバのプリフオームの製造方法には種々の困
難があつた。
本発明はこの現状に鑑みてなされたものであり、実質的
にFのみにより屈折率分布の少なくとも一部が形成され
た光フアイバの新規な製造方法を提供することを目的と
している。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは研究を重ねた結果、前記問題点を解決する
手段として、まずF−SiO2からなるクラツド層に相当す
るガラスパイプを作製し、これを出発材としてMDVD法に
より該出発材の内側に順次外側コア層,内側コア層を堆
積いてゆく方法を見出し、これにより得られたプリフオ
ームがその半径方向に均一に第1図の屈折率分布構造を
実現できること、さらに線引して得たフアイバは従来よ
りさらに低損失なものであることを確認できたのであ
る。
本発明はF(ふつ素)の添加量を径方向に変化させるこ
とにより屈折率分布の一部を形成して光フアイバを作製
するに当たり、VAD法又はOVD法によりF−SiO2からなる
ガラスパイプを作製してこれを出発材として、該ガラス
パイプ内面に出発材とは異なるF含有量のガラス層をMC
VD法により堆積した後に加熱中実化することを特徴とす
る光フアイバ用プリフオームの製造方法である。
本発明において出発材とするガラスパイプの作製方法と
して特に好ましい方法としては、VAD法により作製した
多孔質ガラス体を、Fを含有する雰囲気中で加熱処理す
ることによりFが添加された透明ガラス体とした後、該
ガラス体の中心部に穿孔加工してパイプ状とする方法
や、VAD法又はOVD法によりマンドレルを取り囲む多孔質
ガラス体を作製した後、該マンドレルを引抜くことによ
りパイプ状多孔質ガラス体を作製して、該ガラス体をF
を含有する雰囲気中で加熱処理してFが添加された透明
ガラスパイプを得る方法が挙げられる。
本発明においてVAD法(気相軸付法)とは、例えば第4
図に示すように、ガラス微粒子合成用バーナー4にH2
どの燃焼用ガス,O2などの助燃ガス,SiCl4等のガラス原
料ガスを供給し、火災内で火災加水分解反応によりガラ
ス微粒子を発生させこのガラス微粒子を回転する出発材
5の先端付近に堆積させ始め、ガラス微粒子堆積体6の
成長に伴い、出発材5を軸方向に移動し、ガラス微粒子
堆積体6を軸方向に形成し、しかるのち該ガラス微粒子
堆積体6(多孔質ガラス体)を加熱脱水処理及び加熱透
明化処理する方法である。この場合、出発棒5にかえて
第5図に示すようにマンドレル7を用いてもよい。第5
図中9は、ガラス微粒子堆積体8を形成後にマンドレル
7を引き抜いた後の多孔質母材支持に用いる石英パイプ
である。
本発明においてOVD法とは、VAD法と同じくガラス微粒子
を火災加水分解反応により発生させ、ガラス微粒子を回
転する出発材の側面に堆積させつつガラス微粒子合成用
バーナーを出発材の軸に平行に往復移動させ(或いはガ
ラス微粒子合成用バーナーを固定し出発材を往復移動さ
せ)出発材を取り囲むガラス微粒子堆積体を形成し、し
かるのちに出発材を除去し円筒状のガラス微粒子堆積体
とし加熱脱水、透明化処理をする方法である。
本発明においてMCVD法とは、出発ガラス管内にSiCl4
どのガラス原料とO2を供給して、該出発ガラス管の外部
より加熱することによりガラス原料を酸化させてガラス
微粒子を発生させ、このガラス微粒子を出発ガラス管内
面に堆積させるとともに、外部加熱源を出発ガラス管と
相対的に移動させることにより堆積したガラス微粒子層
を透明化させることをくり返し、出発ガラス管内面に透
明ガラス層を形成したのち、加熱中実化する方法であ
る。
〔作 用〕
従来のMCVD法では出発石英管内面にクラツド部を形成し
た後さらにコア部を形成していく訳であるが、本発明で
はクラツド部に相当するF−SiO2ガラスからなる出発石
英管を用いる。そのためF含有量が多くMCVD法による形
成が難しいクラツド部の形成の必要がなくなる。コア部
はMCVD法で形成するがF添加量が少なく、またF添加に
より多少堆積速度が劣化しても、その堆積量はごく僅か
ですむことから大きな問題を生じない。出発石英管とな
るF−SiO2ガラスからなるパイプの作製は、VAD法の応
用或いはOVD法で容易に可能である。即ち、VAD法では多
孔質ガラス体をFで含有する雰囲気中で加熱処理するこ
とにより、Fが均一に添加された透明ガラス体を容易に
得ることができる。この透明ガラス体をパイプ化加工す
る手段としては、中央部に穿孔加工し必要に応じて所定
径に延伸することにより作製できる。
或いはVAD法またはOVD法により中央のマンドレルを取り
囲む多孔質ガラス体を作製したのち、該マンドレルを引
き抜くことによりパイプ状多孔質ガラス体を作製し、こ
れをFを含有する雰囲気中で加熱処理することにより多
孔質ガラス体にFを添加し、これを透明ガラス化して出
発石英管となるF−SiO2ガラスパイプを作製できる。ど
ちらの方法によつてもMCVD法によるよりFの添加が容易
であり、生産性も高い。
〔実施例〕
実施例1 第4図に示すような構成でVAD法により多孔質ガラス体
を作成した。本実施例ではガラス微粒子合成用バーナー
4にH2 30/分、O2 25/分、Ar 15/分、SiCl4 1
600c.c./分を供給し、外径110mmφ長さ550mmの多孔質ガ
ラス体を得た。この多孔質ガラス体をCl2:He=6:100の
雰囲気を有する炉内に挿入し1050℃に加熱して脱水処理
を施したのち、SiF4:He=8:100の雰囲気中で1200℃に加
熱してF添加処理を施し、さらにSiF4:He=8:100の雰囲
気中で1600℃に加熱し透明ガラス化を行つた。その結果
外径50mmφ長さ270mmlの円柱状のF−SiO2からなる透明
ガラス体を得た。該透明ガラス体中央に超音波穿孔機を
用い12mmφの穴をあけ、パイプ状としたのち、25mmφま
で延伸した。次にこのパイプ状透明ガラス体をガラス旋
盤に装着し、内部にSF6ガス1/分を流しつつ外部よ
りH2/O2バーナーで加熱することにより、内径が約12mm
φになるまでガスエツチングした。このガスエツチング
により穿孔時に内面に生じた傷や凹凸などはなくなり平
滑な内面が得られた。次に、内部にSiF4,SiCl4,O2,Heガ
スを供給し、外部よりH2/O2バーナーに加熱することに
より、外側コアとなる部分をMCVD法により形成した。こ
の時SiCl4 300c.c./分、SiF4 600c.c./分、O2 600c.c./
分、He 1/分を流し15層の形成をした。次に内側コア
となる部分をMCVD法によりSiCl4 300c.c./分、SiF4 600
c.c./分、GeCl4 80c.c./分、O2 600c.c./分、He 1/
分を流し3層の形成を行つた。最後に本母材を加熱中実
化することにより、第6図に示すような階段型屈折率分
布を有する分散シフトフアイバ用中間プリフオームが得
られた。
実施例2 第5図に示すような構成でVAD法によりマンドレルを取
り囲む多孔質ガラス体を作成した。本実施例ではガラス
微粒子合成用バーナー4にH2 30/分、O2 25/
分、Ar 15/分、SiCl4 1600c.c./分を供給し、ZrO2
からなる円筒状マンドレル(外径17mmφ、内径13mmφ、
長さ600mm)7の上部付近より、該マンドレル7を取り
囲む多孔質ガラス体8、該マンドレル7を回転させつつ
上方に引上げていくことにより形成した。多孔質ガラス
体8を形成後該マンドレル7を引き抜きパイプ状とし
た。このパイプ状多孔質ガラス体に実施例1と同様の加
熱処理を施し、Fが添加された外径50mmφ内径8mmφの
パイプ状透明ガラス体を得たのち、外径25mmφにまで延
伸した。延伸後やはり実施例1と同様にガスエツチング
により内径を12mmφとしたのち実施例と同様の条件で:
該透明ガラス体を出発材としてMCVD法により第6図と同
様の屈折率分布を有する分散シフトフアイバ用プリフオ
ームが得られた。
〔発明の効果〕
本発明は以上説明したように、内側コアがGeO2−F−Si
O2,外側コアがF−SiO2,クラツドがF−SiO2からなるよ
うな階段型屈折率分布を有する分散シフトフアイバのよ
うに実質的にFのみより屈折率分布の少なくとも一部が
形成された光フアイバ用プリフオームを容易に作製でき
る効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図、第3図及び第6図はいずれも光フアイ
バ用プリフオームの階段型屈折率分布の説明図である。 第1図 本発明によるプリフオームのガラス組成と屈折
率分布を示す図、 第2図 一般的な階段型屈折率分布を示す図、 第3図 従来法によるプリフオームのガラス組成と屈折
率分布を示す図、 第6図 本発明の実施例で得られたプリフオームの屈折
率分布を示す図、 第4図及び第5図は本発明の実施例1及び実施例2にお
けるVAD法による出発材の作製の一工程を説明する概略
図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】F(ふつ素)の添加量を径方向に変化させ
    ることにより屈折率分布の一部を形成して光フアイバを
    作製するに当たり、VAD法又はOVD法によりF−SiO2から
    なるガラスパイプを作製してこれを出発材として、該ガ
    ラスパイプ内面に出発材とは異なるF含有量のガラス層
    をMCVD法により堆積した後に加熱中実化することを特徴
    とする光フアイバ用プリフオームの製造方法。
  2. 【請求項2】VAD法により作製した多孔質ガラス体を、
    Fを含有する雰囲気中で加熱処理することによりFが添
    加された透明ガラス体とした後、該ガラス体の中心部に
    穿孔加工してパイプ状としたものを出発材とする特許請
    求の範囲第1項に記載される光フアイバ用プリフオーム
    の製造方法。
  3. 【請求項3】VAD法又はOVD法によりマンドレルを取り囲
    む多孔質ガラス体を作製した後、該マンドレルを引抜く
    ことによりパイプ状多孔質ガラス体を作製して、該ガラ
    ス体をFを含有する雰囲気中で加熱処理することにより
    得られたFが添加された透明ガラスパイプを出発材とす
    る特許請求の範囲第1項に記載の光フアイバ用プリフオ
    ームの製造方法。
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