JPH08125261A - 多重量子障壁、半導体レーザチップとその製造方法 - Google Patents

多重量子障壁、半導体レーザチップとその製造方法

Info

Publication number
JPH08125261A
JPH08125261A JP26225694A JP26225694A JPH08125261A JP H08125261 A JPH08125261 A JP H08125261A JP 26225694 A JP26225694 A JP 26225694A JP 26225694 A JP26225694 A JP 26225694A JP H08125261 A JPH08125261 A JP H08125261A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
barrier
semiconductor
barrier layer
forming
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP26225694A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Motoda
隆 元田
Manabu Kato
加藤  学
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP26225694A priority Critical patent/JPH08125261A/ja
Publication of JPH08125261A publication Critical patent/JPH08125261A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Semiconductor Lasers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 レーザダイオードの活性層とp型クラッド層
との間に設けられる多重量子障壁の抵抗を低減する。 【構成】 多重量子障壁を構成しているバリア層とウェ
ル層のうちバリア層に引っ張り歪みを入れることによっ
て、バリア層のバンド構造15cの価電子帯端とウェル
層のバンド構造15bの価電子帯端との差ΔEvが減少
する。また、バリア層の引っ張り歪みによって、ホール
の有効質量が減少し、ホールの移動度が増加する。 【効果】 ΔEvが小さくなることによって、ホールの
移動が容易になる。また、ホールの移動度が増加するこ
とによってバリア層の抵抗を低減することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、多重量子障壁に関
し、特に多重量子障壁を用いた半導体レーザダイオード
チップ及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体結晶中の電子波は、量子井戸(ウ
ェル)層と量子障壁(バリア)層で構成されている超格
子層のウェル層からバリア層へ入射したとき及びバリア
層からウェル層へ入射したときに界面で反射する。この
界面で反射する電子波の干渉を利用して実効的な障壁の
高さを大きくする多重量子障壁(以下MQBという。)
についての記載が、電子情報通信学会論文誌C Vol.J7
0.C.No6.pp851-857 1987年6月,2、1991年
電子情報通信学会春期全国大会 4-446,3、J.JAP.Vo
l.29 No11.1990.p L1997−1980にある。
【0003】図6は、MQB構造を導入したレーザダイ
オードの構造を示す断面図である。図6において、1は
n型GaAs基板、2はn型GaAs基板1上に形成さ
れたn型GaAsよりなるバッファ層、3はバッファ層
2上に形成されたn型AlGaInPよりなるクラッド
層、4はクラッド層3上に形成されn型GaInPより
なる活性層、5は活性層4上に形成されたp型MQB、
6はMQB5上に形成されたp型AlGaInPよりな
るクラッド層、7はクラッド層6上に形成されたp型G
aInPよりなるバンド不連続緩和層、8はバンド不連
続緩和層7上に形成されたキャップ層である。従来のレ
ーザダイオードにおいて、これらの半導体層は、全てn
型GaAs基板1に格子整合している。
【0004】そして、このMQB5を半導体レーザのク
ラッド層6に適用すると活性層4からのキャリア(電
子)のオーバーフローを抑制できる。なお、MQB5
は、複数のp型AlGaInPからなるバリア(ポテン
シャル障壁)層5cと、複数のp型GaInPからなる
ウェル(井戸)層5bとを交互に積層して構成されてい
る。従来のMQBの場合、電子のトンネリングを防ぐた
め第1層目のバリア層5a(以下ファーストバリア層と
いう。)の層厚は〜20nm程度必要で、他のバリア層
の10倍程度の厚みがある。
【0005】図7は、図6に示したレーザダイオードの
バンド構造を示す図である。図において、13はn型ク
ラッド層3のバンド構造、14はn型活性層4のバンド
構造、15はMQB5のバンド構造、16はp型クラッ
ド層6のバンド構造である。厚いバリア層のバンド構造
15a、ウェル層のバンド構造15b、バリア層のバン
ド構造15cからなっている。
【0006】また、図において、Ecは導電帯端エネル
ギー、Efnは電子の疑フェルミレベル、Evは価電子
帯端エネルギー、Efpはホールの疑フェルミレベル、
Uaは電子に対するポテンシャル障壁である。
【0007】半導体レーザの活性層中の電子が感じるバ
リアの高さ(Ua)は、通常のダブルへテロレーザにお
いては、ΔEg(Efp−Ev)で与えられ、pクラッ
ド層のフェルミレベル(Efp)に強く依存する。ここ
で、Uaは実際のバリアの高さ、ΔEgは活性層とクラ
ッド層のバンドギャップ差、Evはpクラッド層の価電
子帯端エネルギーである。
【0008】図7に示す様に多重量子障壁のバンド構造
15は、バンドギャップの小さいウェル層の影響を受け
てバルクのクラッド層のバンド構造16に比べ、フェル
ミレベルが禁制側にシフトする。その結果、バリア層の
価電子帯端がバルクのバリア層に比べて価電子端側に突
出した形になり、MQB5の価電子帯のホールが移動し
難くなる。
【0009】なお、上記と同じ理由から、図8に示すよ
うに、n型MQB9を活性層4とn型クラッド層3との
間に設ける場合もある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従来の多重量子障壁は
以上のように構成されているので、多重量子障壁5をn
型活性層4とp型クラッド層6との間に導入した場合、
図7に示す様に多重量子障壁の領域15はバンドギャッ
プの小さいウェル層の影響を受けてバルクのクラッド層
の領域16に比べ、フェルミレベルが禁制側にシフトす
る。このためMQBの価電子帯のホールが移動し難くな
り抵抗が高くなる。
【0011】この発明による多重量子障壁は、超格子層
に歪を導入することによりMQB領域中のホールを移動
し易くし、MQB領域の抵抗を低減することを目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係る多重量
子障壁は、異なる種類の半導体からなるバリア層とウェ
ル層とを積層した多層へテロ構造を有する多重量子障壁
において、少なくとも前記バリア層またはウェル層が歪
みを持つことを特徴とする。
【0013】第2の発明に係る半導体レーザチップは、
第1及び第2のクラッド層と、前記第1及び第2のクラ
ッド層に挟まれた活性層とを備える半導体レーザチップ
において、少なくとも前記第1のクラッド層と前記活性
層との間に、異なる種類の半導体からなるバリア層とウ
ェル層とを積層した多層へテロ構造を有する多重量子障
壁を備え、少なくとも前記バリア層またはウェル層が歪
みを持つことを特徴とする。
【0014】第3の発明に係る半導体レーザチップの製
造方法は、有機金属気相成長法を用いて第1の半導体か
らなる第1のクラッド層を形成する工程と、有機金属気
相成長法を用いて、前記第1のクラッド層上に、活性層
を形成する工程と、有機金属気相成長法を用いて、前記
活性層上に、前記第1の半導体と同じ成分で、組成が異
なる第2の半導体からなるバリア層と前記第2の半導体
と異なる第3の半導体からなるクラッド層とを積層して
多層ヘテロ構造を有する多重量子障壁を形成する工程
と、有機金属気相成長法を用いて、前記多重量子障壁上
に、第2のクラッド層を形成する工程とを備え、前記第
1のクラッド層を形成するときのガスの流量と前記バリ
ア層を形成するときのガスの流量とを異ならしめること
を特徴とする。
【0015】第4の発明に係る半導体レーザチップの製
造方法は、有機金属気相成長法を用いて第1のクラッド
層を形成する工程と、有機金属気相成長法を用いて、前
記第1のクラッド層上に第1の半導体からなる活性層を
形成する工程と、有機金属気相成長法を用いて、前記第
1の半導体と同じ成分で、組成が異なる第2の半導体か
らなるウェル層と前記第2の半導体と異なる第3の半導
体からなるバリア層とを積層して多層ヘテロ構造を有す
る多重量子障壁を形成する工程と、前記多重量子障壁上
に、有機金属気相成長法を用いて、第2のクラッド層を
形成する工程とを備え、前記活性層を形成するときのガ
スの流量と前記ウェル層を形成するときのガスの流量と
を異ならしめることを特徴とする。
【0016】第5の発明に係る多重量子障壁は、異なる
種類の半導体からなるバリア層とウェル層とを積層した
多層へテロ構造を有する多重量子障壁において、前記バ
リア層とウェル層の価電子帯側にホールに対するミニバ
ンドが形成されていることを特徴とする。
【0017】第6の発明に係る半導体レーザチップは、
第1及び第2のクラッド層と、前記第1及び第2のクラ
ッド層に挟まれた活性層とを備える半導体レーザチップ
において、少なくとも前記第1のクラッド層と前記活性
層との間に、異なる種類の半導体からなるバリア層とウ
ェル層とを積層した多層へテロ構造を有する多重量子障
壁を備え、前記バリア層とウェル層の価電子帯側にホー
ルに対するミニバンドが形成されていることを特徴とす
る。
【0018】
【作用】第1及び第2の発明におけるバリア層またはウ
ェル層は、歪みを持っているため、ホールの有効質量が
減少してホールの移動度が増加する。また、ウェル層の
価電子帯端のエネルギーレベルとバリア層の価電子帯端
のエネルギーレベルとの差が減少する。
【0019】第3の発明における第1のクラッド層を形
成する工程と、多重量子障壁を形成する工程のバリア層
を形成するときとは、同じ種類のガスを用いて有機金属
気相成長法を行うことができ、ガスの流量を調整すると
いう簡単な操作で歪みが入ったバリア層を容易に形成す
ることができる。
【0020】第4の発明における活性層を形成する工程
と、多重量子障壁を形成する工程のウェル層を形成する
ときとは、同じ種類のガスを用いて有機金属気相成長法
を行うことができ、ガスの流量を調整するという簡単な
操作で歪みが入ったウェル層を容易に形成することがで
きる。
【0021】第5及び第6の発明におけるバリア層とウ
ェル層とは、ホールに対するミニバンドを持っているの
で、ホールがミニバンドを通過することができ、従来に
比べてホールの移動が容易になる。
【0022】
【実施例】
実施例1.以下、この発明の第1実施例について図1乃
至図3を用いて説明する。図1は、この発明の第1実施
例によるMQBを導入したレーザダイオードのバンド構
造を示す図である。図1において、図7と同一符号のも
のは図7と同一または相当する部分を示す。図1に示し
たバンド構造は、MQBのバリア層に引っ張り歪みを入
れたレーザダイオードのものである。
【0023】図2は、歪みの入っていないバリア層とウ
ェル層とのバンド構造の関係を示す図である。図3は、
引っ張り歪みを入れたバリア層と引っ張り歪みの入って
いないウェル層とのバンド構造の関係を示す図である。
図2と図3とを比較すると、バリア層の導電帯端エネル
ギーとウェル層の導電帯端エネルギーとの差ΔEcが、
バリア層に引っ張り歪みを入れることによって増加して
いることがわかる。また、バリア層の価電子帯端エネル
ギーとウェル層の価電子帯端エネルギーとの差ΔEv
が、バリア層に圧縮歪みを入れることによって減少して
いることがわかる。
【0024】従来のMQBのバリア層に歪みのない場合
のバンド構造を示す図7とバリア層に歪みを有するMQ
Bのバンド構造を示す図1とを比較すると、MQBのバ
ンド構造15が異なっていることがわかる。
【0025】図2及び図3で示したように、p型MQB
のバリア層5aに引っ張り歪を導入すると、バリア層5
aとウェル層5bとの価電子帯端エネルギーの差ΔEv
が減少する。そのため、図1に示すように、p型MQB
の領域15におけるフェルミレベルの禁制帯内側へのシ
フトが小さくなる。そのため、MQB5の抵抗が小さく
なる。
【0026】また、p型MQBの場合、フェルミレベル
が禁制側にシフトするためMQBによる仮想的なバリア
の高さΔUeを反映できない。p型MQBのバリア層5
cに引っ張り歪を導入するとΔEvが減少し、フェルミ
レベルの禁制帯内側へのシフトが小さくなる。従って、
(Efp−Ev)が小さくなり活性層中の電子が感じる
バリアの高さUaは高くなる。
【0027】さらに、ΔEcが大きくなるため、ΔEc
の大きさに反映されるMQBの仮想的ポテンシャルバリ
アも高くすることもできる。
【0028】図4は、半導体のウェル層5bとバリア層
5cで構成されている超格子層において、バリア層5b
の歪とバリア層5c内のホールの有効質量との関係及び
バリア層の歪による伝導帯の底のエネルギーの変化を示
すグラフである。
【0029】半導体のウェル層5bとバリア層5cで構
成されている超格子層では、バリア層5cに引っ張り歪
を入れた場合(基板に対し格子常数が小さい結晶の場
合)、図2に示す様に、価電子帯のエネルギーレベルの
縮退が解けるためホールの有効質量が減少する。即ち、
バリア層5c内のホールの移動度が増加する。その結
果、バリア層5cの抵抗が減少する。
【0030】このようなMQBを用いたレーザダイオー
ドでは、バリア層5c内のホールの移動度の増加(ホー
ルの有効質量の減少)によるキャリア注入の不均一の改
善や吸収損失の低減等の特性の向上が見られる。また、
ΔEcの増加及びΔEvの減少により、MQB5で反射
できる電子のエネルギーが高くなり、キャリア注入の不
均一の改善や電子のオーバフローの抑制効果の向上が見
られる。MQB5で反射できる電子のエネルギーが高く
なることは、活性層4よりp型クラッド層へ漏れる電子
を少なくすることを意味しており、活性層4への電子の
閉じこめ効率を上げることになる。活性層4に電子を効
率的に閉じこめることができることにより少ない電子の
供給(電流量)でレーザダイオードを発振させることが
できる。また、レーザダイオードを高温で動作させる場
合、ボルツマン分布に従ってエネルギーの高い電子が多
くなるため、電子がクラッド層6へ漏れ易くなるが、反
射できる電子のエネルギーの高いMQB5でこれを防ぐ
ことができる。即ち、この発明の第1実施例によるMQ
Bを導入したレーザダイオードの特性として、閾値電流
や高温での動作特性の向上が見られる。
【0031】次に、この発明の第1実施例によるMQB
を導入したレーザダイオードの製造方法について図6を
用いて説明する。まず、n型GaAs基板1を準備し、
有機金属気相成長方法(以下MOCVD法という)を用
いてGaAsを結晶成長させ、n型GaAs基板1上に
n型GaAsバッファ層2を形成する。次に、バッファ
層2上に、MOCVD法を用いてAlGaInPを結晶
成長させ、n型AlGaInPクラッド層3を形成す
る。さらに、クラッド層3の上に、MOCVD法を用い
てGaInPを結晶成長させ、GaInP活性層4を形
成する。
【0032】そして、活性層4の上に、MOCVD法を
用いてAlGaInPを結晶成長させ、まず、バリア層
としては例えば20nm程度の比較的層の厚いAlGa
InPファーストバリア層5aを形成する。そして、そ
の上に、MOCVD法を用いて交互にGaInPとAl
GaInとを結晶成長させ、GaInPウェル層5bと
AlGaInPバリア層5bとを交互に積層する。
【0033】MOCVD法を用いてAlGaInPを結
晶成長させ、このp型MQB5の上に、p型AlGaI
nPクラッド層6を形成する。さらに、その上に、従来
と同様に、MOCVD法を用いて、p型GaInPバン
ド不連続緩和層7とキャップ層8を結晶成長させる。
【0034】ここで、p型MQB5のウェル層5bとバ
リア層5cを構成する結晶の組成を、それぞれGayI
n(1−y)Pと(AlxGa(1−x))yIn(1
−y)Pとする。GayIn(1−y)Pの結晶と(A
lxGa(1−x))yIn(1−y)Pの結晶の成分
比yが0.5の時に、共にGaAs基板1に格子整合す
る。
【0035】これらの結晶の成分比x,yは、成長中に
供給するAl,Ga,In材料の比率に依存する。In
材料の比率が大きくなると、結晶のIn組成が大きくな
る。例えば、MOCVD法において、GaAs基板に格
子整合するGayIn(1−y)Pの結晶と(AlxG
a(1−x))yIn(1−y)Pの結晶成長中に供給
するAl、Ga、In各々の材料であるトリメチルアル
ミニウム(以下TMAという。)、トリエチルガリウム
(以下TEGという。)、トリメチルインジウム(以下
TMEという。)の供給流量は、n型AlGaInPク
ラッド層3の結晶成長時において、TMA=25scc
m、TEG=80sccm、TME=180sccm、
活性層4の成長時において、TEG=200sccm、
TME=180sccmである。
【0036】GaInPウェル層5bを形成するとき
は、活性層4の結晶成長時と同じ流量設定とする。Al
GaInPバリア層5cを成長するときは、TMIの流
量を200sccmに増やし、In材料の比率が大きく
なるように材料の供給を行う。MOCVD法において、
TMIの流量を増やすことでバリア層5cを構成する
(AlxGa(1−x))yIn(1−y)P結晶中の
In組成(1−y)は大きくなり、MQBのバリア層5
cに引っ張り歪みを入れることができる。
【0037】実施例2.次に、この発明の第2実施例に
よるMQBを導入したレーザダイオードについて説明す
る。半導体超格子層において、バリア層5cに圧縮歪を
いれた場合(基板に対し格子常数が大きい結晶の場
合)、図4に示すように、価電子帯のエネルギーレベル
の縮退が解けるためホールの有効質量が減少する。即
ち、バリア層5c内のホールの移動度が増加する。さら
に、バリア層5cとウェル層5bの価電子帯端エネルギ
ーの差ΔEvも減少する。
【0038】p型MQBのバリア層5cに圧縮歪を導入
するとバリア層5cとウェル層5bの価電子帯端エネル
ギーの差ΔEvが減少し、フェルミレベルの禁制帯内側
へのシフトが小さくなる。さらに、有効質量が減少する
ため、バリア層5c内のホールの移動度が増加する。以
上の効果により、MQB5の抵抗が小さくなる。
【0039】また、p型MQBのバリア層に圧縮歪を導
入するとΔEvが減少しフェルミレベルの禁制帯内側へ
のシフトが小さくなる。従って、(Efp−Ev)小さ
くなり活性層4中の電子が感じるバリアの高さUaは高
くなる。MQB5で反射できる電子のエネルギーが高く
なる。
【0040】このようなバンド構造15を持ったMQB
5を用いたレーザダイオードでは、バリア層5c内のホ
ールの移動度の増加(ホールの有効質量の減少)による
キャリア注入の不均一の改善や吸収損失の低減等の特性
の向上が見られる。また、ΔEvの減少により、MQB
5で反射できる電子のエネルギーが高くなり、キャリア
注入の不均一の改善や電子のオーバフローの抑制効果の
向上が見られる。
【0041】次に、この発明の第2実施例によるMQB
を導入したレーザダイオードの製造方法について説明す
る。GaInPウェル層5bは、活性層4の結晶成長時
と同じ流量設定とし、AlGaInPバリア層5cを成
長する時に、TMIの流量を160sccmと減らし、
バリア層5cを成長するときにIn材料の比率が小さく
なるように材料を供給する。バリア層5cを構成する
(AlxGa(1−x))yIn(1−y)P結晶中の
In組成(1−y)は小さくなり、MQBのバリア層5
cに圧縮歪みを入れることができる。
【0042】実施例3.次に、この発明の第3実施例に
よるMQBを導入したレーザダイオードについて説明す
る。この発明の第3実施例によるMQBのウェル層に
は、引っ張り歪みが導入される。半導体のウェル層5b
とバリア層5cで構成されている超格子層において、ウ
ェル層5bに引っ張り歪を入れた場合(基板に対し格子
常数が小さい結晶の場合)、図4に示すように、価電子
帯のエネルギーレベルの縮退が解けるためホールの有効
質量が減少する。即ち、ウェル層5b内のホールの移動
度が増加し、MQBの抵抗が減少する。
【0043】このようなMQBを用いたレーザダイオー
ドでは、バリア層内のホールの移動度の増加(ホールの
有効質量の減少)によるキャリア注入の不均一の改善や
吸収損失の低減等の特性の向上が見られる。
【0044】次に、この発明の第3実施例によるMQB
を導入したレーザダイオードの製造方法について説明す
る。AlGaInPバリア層5cは、n型AlGaIn
Pクラッド層3の結晶成長時と同じ流量設定とし、Ga
InPウェル層5bを成長する時に、TMIの流量を2
00sccmと増やし、ウェル層5bを成長するときに
In材料の比率が大きくなるように材料を供給する。ウ
ェル層5bを構成するGayIn(1−y)P結晶中の
In組成(1−y)は大きくなり、MQBのバリア層5
cに引っ張り歪みを入れることができる。
【0045】実施例4.次に、この発明の第4実施例に
よるMQBを導入したレーザダイオードについて説明す
る。半導体のウェル層bとバリア層5cで構成されてい
る超格子層において、ウェル層5bに圧縮歪を入れた場
合(基板に対し格子常数が小さい結晶の場合)、図4に
示すように、価電子帯のエネルギーレベルの縮退が解け
るためホールの有効質量が減少する。即ち、ウェル層5
b内のホールの移動度が増加し、MQBの抵抗が減少す
る。
【0046】このようなMQB5を用いたレーザダイオ
ードでは、バリア層5c内のホールの移動度の増加(ホ
ールの有効質量の減少)によるキャリア注入の不均一の
改善や吸収損失の低減等の特性の向上が見られる。
【0047】次に、この発明の第4実施例によるMQB
を導入したレーザダイオードの製造方法について説明す
る。AlGaInPバリア層5cは、n型AlGaIn
Pクラッド層3の結晶成長時と同じ流量設定とし、Ga
InPウェル層5bを成長する時に、TMIの流量を1
60sccmと減らし、ウェル層5bを成長するときに
In材料の比率が小さくなるように材料を供給する。ウ
ェル層5bを構成するGayIn(1−y)P結晶中の
In組成(1−y)は小さくなり、MQBのバリア層5
cに圧縮歪みを入れることができる。
【0048】なお、上記各実施例において、MQBは2
0nm程度以下のファーストバリア層5aと1〜3nm
程度のバリア層5cとウェル層5bの超格子層を組み合
わせた構造であるから、ファーストバリア層5aはバリ
ア層5cとウェル層5bの超格子層とは異なる歪構造に
することも可能である。例えば、ファーストバリア層5
aは層厚が厚いため、フェルミレベルが禁制側にシフト
はしない。従って、ファーストバリア層5aに歪を導入
しない構造であっても良い。
【0049】また、上記各実施例を組み合わせても良
く、その場合でも上記と同様の効果を奏する。MQBの
バリア層5c及びウェル層5bに入れる歪の方向の組み
合わせ例を以下に示す。MQBのバリア層5cに圧縮歪
をウェル層5bに圧縮歪を入れる。MQBのバリア層5
cに圧縮歪をウェル層5bに引っ張り歪を入れる。MQ
Bのバリア層5cに圧縮歪をウェル層5bに歪を入れな
い。MQBのバリア層5cに引っ張り歪をウェル層5b
に圧縮歪を入れる。MQBのバリア層5cに引っ張り歪
をウェル層5bに引っ張り歪を入れる。MQBのバリア
層5cに引っ張り歪をウェル層5bに歪を入れない。M
QBのバリア層5cに歪なしでウェル層5bに圧縮歪を
入れる。MQBのバリア層5cに歪なしでウェル層5b
に引っ張り歪を入れる。
【0050】また、MQBのバリア層5cの歪とウェル
層5bの歪量と各層の層厚を調整してゼロネットにする
ことができる場合がある。バリア層5cに圧縮歪をウェ
ル層5bに圧縮歪を入れる量と層厚を調整してゼロネッ
トにすることができる。MQBのバリア層5cに圧縮歪
をウェル層5bに圧縮歪を入れる量と層厚を調整してゼ
ロネットにすることができる。
【0051】実施例5.次に、この発明の第5実施例に
よるMQBを導入したレーザダイオードについて説明す
る。図5は、この発明の第5実施例によるレーザダイオ
ードのバンド構造を示す図である。図5において、20
は価電子帯側に形成されたホールに対するミニバンドで
あり、その他図6と同一符号のものは図6と同一または
相当する部分を示す。この発明の第5実施例によるMQ
Bは、価電子帯側にホールに対するミニバンド20を有
している。
【0052】MQB5を活性層4とp型クラッド層6と
の間に導入した場合、MQB5はp型にドーピングして
あるが、図4に示すようにバンドギャップの小さいウェ
ル層5bのバンド構造15bの影響を受けフェルミレベ
ルが禁制側にシフトする。その結果、バリア層5cのバ
ンド構造15cの価電子帯端がバルクのバリア層5aの
バンド構造15aに比べ価電子端側に突出した形にな
り、MQB5の価電子帯をホールが移動し難くなる。そ
の結果、MQB5の抵抗が高くなる。価電子帯側にホー
ルに対するミニバンド20ができるようにウェル層5b
とバリア層5cの層厚を組み合わせる。このように価電
子帯側にミニバンド20を形成すると、ミニバンド20
をホールが通過するためウェル層5b及びバリア層5c
の抵抗が低減される。以上の効果により、MQB5の抵
抗が小さくなる。
【0053】このようなMQBを用いたレーザダイオー
ドでは、ウェル層5b及びバリア層5c内をホールが移
動し易くなるためキャリア注入の不均一の改善や吸収損
失の低減等の特性の向上が見られる。
【0054】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の発明の多
重量子障壁によれば、少なくともバリア層またはウェル
層が歪みを持っているので、バリア層またはウェル層に
おけるホールの移動度が向上して、多重量子障壁の抵抗
を小さくすることができるという効果がある。
【0055】請求項2記載の発明の半導体レーザチップ
によれば、少なくとも第1のクラッド層と活性層との間
に、異なる種類の半導体からなるバリア層とウェル層と
を積層した多層へテロ構造を有する多重量子障壁を備
え、少なくともバリア層またはウェル層が歪みを持つの
で、バリア層またはウェル層内のホールの移動度を増加
させることができ、半導体レーザチップのキャリア注入
の不均一の改善や吸収損失の低減等の特性の向上が図れ
るという効果がある。
【0056】請求項3記載の発明の半導体レーザチップ
の製造方法によれば、有機金属気相成長法を用いて第1
の半導体からなる第1のクラッド層を形成する工程と、
有機金属気相成長法を用いて、活性層上に、第1の半導
体と同じ成分で、組成が異なる第2の半導体からなるバ
リア層と第2の半導体と異なる第3の半導体からなるク
ラッド層とを積層して多層ヘテロ構造を有する多重量子
障壁を形成する工程とを備え、第1のクラッド層を形成
するときのガスの流量とバリア層を形成するときのガス
の流量とを異ならしめるので、歪みのはいったバリア層
を、ガスの流量を変えるという簡単な操作で第1のクラ
ッド層を形成するのと同じように形成することができ、
活性層と第2のクラッド層との間に抵抗値の低い多重量
子障壁を有する半導体レーザチップを容易に製造できる
という効果がある。
【0057】請求項4記載の発明の半導体レーザチップ
の製造方法によれば、有機金属気相成長法を用いて、第
1の半導体と同じ成分で、組成が異なる第2の半導体か
らなるウェル層と第2の半導体と異なる第3の半導体か
らなるバリア層とを積層して多層ヘテロ構造を有する多
重量子障壁を形成する工程を備え、活性層を形成すると
きのガスの流量とウェル層を形成するときのガスの流量
とを異ならしめるので、歪みのはいったウェル層を、ガ
スの流量を変えるという簡単な操作で活性層を形成する
のと同じように形成することができ、活性層と第2のク
ラッド層との間に抵抗値の低い多重量子障壁を有する半
導体レーザチップを容易に製造できるという効果があ
る。
【0058】請求項5記載の発明の多重量子障壁によれ
ば、バリア層とウェル層の価電子帯側にホールに対する
ミニバンドが形成されているので、多重量子障壁の抵抗
を小さくすることができるという効果がある。
【0059】請求項6記載の発明の半導体レーザチップ
によれば、バリア層とウェル層の価電子帯側にホールに
対するミニバンドが形成されているので、半導体レーザ
チップのキャリア注入の不均一の改善や吸収損失の低減
等の特性の向上が図れるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の第1実施例によるレーザダイオー
ドのバンド構造を示す図である。
【図2】 歪みの無いウェル層とバリア層とのバンド構
造を示す図である。
【図3】 歪みの無いウェル層と歪みのあるバリア層と
のバンド構造を示す図である。
【図4】 MQBを導入したレーザダイオードのバンド
図である。
【図5】 この発明の第5実施例によるレーザダイオー
ドのバンド構造を示す図である。
【図6】 MQBを導入したレーザダイオードの構造を
示す断面図である。
【図7】 従来のMQBを導入したレーザダイオードの
バンド構造を示す図である。
【図8】 MQBを導入した他のレーザダイオードの構
造を示す断面図である。
【符号の説明】
1 GaAs基板、2 バッファ層、3,6 クラッド
層、4 活性層、5多重量子障壁、5a,5c バリア
層、5b ウェル層。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 異なる種類の半導体からなるバリア層と
    ウェル層とを積層した多層へテロ構造を有する多重量子
    障壁において、 少なくとも前記バリア層またはウェル層が歪みを持つこ
    とを特徴とする、多重量子障壁。
  2. 【請求項2】 第1及び第2のクラッド層と、前記第1
    及び第2のクラッド層に挟まれた活性層とを備える半導
    体レーザチップにおいて、 少なくとも前記第1のクラッド層と前記活性層との間
    に、異なる種類の半導体からなるバリア層とウェル層と
    を積層した多層へテロ構造を有する多重量子障壁を備
    え、 少なくとも前記バリア層またはウェル層が歪みを持つこ
    とを特徴とする、半導体レーザチップ。
  3. 【請求項3】 有機金属気相成長法を用いて第1の半導
    体からなる第1のクラッド層を形成する工程と、 有機金属気相成長法を用いて、前記第1のクラッド層上
    に、活性層を形成する工程と、 有機金属気相成長法を用いて、前記活性層上に、前記第
    1の半導体と同じ成分で、組成が異なる第2の半導体か
    らなるバリア層と前記第2の半導体と異なる第3の半導
    体からなるクラッド層とを積層して多層ヘテロ構造を有
    する多重量子障壁を形成する工程と、 有機金属気相成長法を用いて、前記多重量子障壁上に、
    第2のクラッド層を形成する工程とを備え、 前記第1のクラッド層を形成するときのガスの流量と前
    記バリア層を形成するときのガスの流量とを異ならしめ
    ることを特徴とする、半導体レーザチップの製造方法。
  4. 【請求項4】 有機金属気相成長法を用いて第1のクラ
    ッド層を形成する工程と、 有機金属気相成長法を用いて、前記第1のクラッド層上
    に第1の半導体からなる活性層を形成する工程と、 有機金属気相成長法を用いて、前記第1の半導体と同じ
    成分で、組成が異なる第2の半導体からなるウェル層と
    前記第2の半導体と異なる第3の半導体からなるバリア
    層とを積層して多層ヘテロ構造を有する多重量子障壁を
    形成する工程と、 前記多重量子障壁上に、有機金属気相成長法を用いて、
    第2のクラッド層を形成する工程とを備え、 前記活性層を形成するときのガスの流量と前記ウェル層
    を形成するときのガスの流量とを異ならしめることを特
    徴とする、半導体レーザチップの製造方法。
  5. 【請求項5】 異なる種類の半導体からなるバリア層と
    ウェル層とを積層した多層へテロ構造を有する多重量子
    障壁において、 前記バリア層とウェル層の価電子帯側にホールに対する
    ミニバンドが形成されていることを特徴とする、多重量
    子障壁。
  6. 【請求項6】 第1及び第2のクラッド層と、前記第1
    及び第2のクラッド層に挟まれた活性層とを備える半導
    体レーザチップにおいて、 少なくとも前記第1のクラッド層と前記活性層との間
    に、異なる種類の半導体からなるバリア層とウェル層と
    を積層した多層へテロ構造を有する多重量子障壁を備
    え、 前記バリア層とウェル層の価電子帯側にホールに対する
    ミニバンドが形成されていることを特徴とする、半導体
    レーザチップ。
JP26225694A 1994-10-26 1994-10-26 多重量子障壁、半導体レーザチップとその製造方法 Pending JPH08125261A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26225694A JPH08125261A (ja) 1994-10-26 1994-10-26 多重量子障壁、半導体レーザチップとその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26225694A JPH08125261A (ja) 1994-10-26 1994-10-26 多重量子障壁、半導体レーザチップとその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08125261A true JPH08125261A (ja) 1996-05-17

Family

ID=17373258

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26225694A Pending JPH08125261A (ja) 1994-10-26 1994-10-26 多重量子障壁、半導体レーザチップとその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08125261A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013103035A1 (ja) * 2012-01-05 2013-07-11 住友電気工業株式会社 窒化物半導体レーザ、及びエピタキシャル基板

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013103035A1 (ja) * 2012-01-05 2013-07-11 住友電気工業株式会社 窒化物半導体レーザ、及びエピタキシャル基板
JP2013140896A (ja) * 2012-01-05 2013-07-18 Sumitomo Electric Ind Ltd 窒化物半導体レーザ、及びエピタキシャル基板
CN103999305A (zh) * 2012-01-05 2014-08-20 住友电气工业株式会社 氮化物半导体激光器以及外延基板
US8923354B2 (en) 2012-01-05 2014-12-30 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Nitride semiconductor laser, epitaxial substrate

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2273572B1 (en) A nitride semiconductor device
US9166102B2 (en) Group III nitride semiconductor light-emitting device including a superlatice layer
US6072196A (en) semiconductor light emitting devices
EP1721341B1 (en) Iii-nitride compound semiconductor light emitting device
JPH0661570A (ja) 歪多重量子井戸半導体レーザ
JP3589301B2 (ja) 量子層の構造
JP2933051B2 (ja) 多重量子井戸構造光半導体装置およびその製造方法
JP4554526B2 (ja) 半導体発光素子
JPH09298341A (ja) 半導体レーザ素子
US8890113B2 (en) Optoelectronic device with a wide bandgap and method of making same
EP0952645B1 (en) Semiconductor laser device
KR20200140978A (ko) AlGaAs-GaInP 변형 보상층을 가지는 적외선 발광 다이오드
US7358523B2 (en) Method and structure for deep well structures for long wavelength active regions
JPH08125261A (ja) 多重量子障壁、半導体レーザチップとその製造方法
JP2003514402A (ja) 相分離が抑制されたiii族窒化物材料系を用いた半導体構造及び製造方法
US5246878A (en) Capping layer preventing deleterious effects of As--P exchange
US6768755B2 (en) Semiconductor laser device
JPH11307880A (ja) 半導体発光装置
JPH10294524A (ja) 半導体レーザ
JP2780333B2 (ja) 半導体積層構造及びこれを有する半導体素子
JP4296435B2 (ja) 半導体レーザ
US7317202B2 (en) Method for manufacture of an epitaxial structural element layer sequence and optoelectronic semiconductor chip
Keller et al. Ga x In1− x As/AlAs resonant tunneling diodes grown by atmospheric pressure metalorganic chemical vapor deposition
US6636541B1 (en) Semiconductor laser device
JP3723129B2 (ja) 半導体レーザ装置