JPH0812876A - ポリフェニレンエーテル系難燃樹脂組成物 - Google Patents

ポリフェニレンエーテル系難燃樹脂組成物

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JPH0812876A
JPH0812876A JP15196094A JP15196094A JPH0812876A JP H0812876 A JPH0812876 A JP H0812876A JP 15196094 A JP15196094 A JP 15196094A JP 15196094 A JP15196094 A JP 15196094A JP H0812876 A JPH0812876 A JP H0812876A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 (A−1)ポリフェニレンエーテル樹脂10
0重量部、または(A−1)ポリフェニレンエーテル樹
脂10〜99重量部と(A−2)ポリスチレン系樹脂9
0〜1重量部の合計100重量部に対して、特定の二官
能フエノールによる結合構造と特定の単官能フエノール
による末端構造を有する2種のリン酸エステル化合物の
合計が0.1〜30重量部からなるポリフェニレンエー
テル系難燃樹脂組成物。 【効果】 本発明のポリフェニレンエーテル系難燃樹脂
組成物は従来の難燃性樹脂組成物に比べ、成形加工時に
難燃剤の発煙、揮発、ブリードがなく、且つ取扱性に優
れ、成形品の変色、ふくれ、電気的特性等の悪化のない
非ハロゲン難燃樹脂組成物を提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリフェニレンエーテ
ル系樹脂に特定のリン酸エステル化合物を2種を配合す
ることにより得られる、難燃性に優れた樹脂組成物に関
する。本発明の樹脂組成物は、成形加工時に難燃剤の揮
発、発煙、ブリードがなく、かつ取扱性に優れる。この
樹脂組成物の成形品は変色、ふくれがなく、吸水により
電気的特性等が悪化することもない。
【0002】
【従来の技術】合成樹脂は一般に軽く、耐水性、耐薬品
性、電気絶縁性、機械的諸性質が優れ、成形加工が容易
であるため、建築材料、電気機器用材料、自動車用材
料、繊維材料などとして広範囲に使用されている。しか
し、合成樹脂は金属材料及び無機材料に比べて燃焼し易
いという欠点がある。このため合成樹脂を難燃化するた
めの方法が多数提案されている。これら従来の難燃化方
法のうち、ハロゲン化合物、リン化合物、無機水和物等
を合成樹脂に配合する方法が最も広く行われている。特
に有機リン酸エステル化合物、例えばトリフェニルホス
フェート、クレジルジフェニルホスフェート、トリクレ
ジルホスフェート等は工業的に広く用いられている。し
かし、従来使用されているこのような難燃剤は成形加工
の際に発煙の原因となったり、揮発したり、成形品表面
にブリードする等の欠点があった。
【0003】上記の欠点を解決するために難燃剤として
分子量の大きい有機リン酸エステル化合物の実用化が試
みられている。例えば、欧州特許出願公開明細書第74
60号にはトリ(2,6−ジメチルフェニル)ホスフェ
ート化合物、欧州特許出願公開明細書第129824
号、同第129825号、同第135726号、英国特
許出願公開明細書第2043083号にはレゾルシノー
ル・ビスジフェニルホスフェート化合物等、米国特許発
明明細書第4683255号にはトリビフェニルホスフ
ェート化合物が開示されている。しかしながら、これら
のリン酸エステル化合物は樹脂の難燃化のためには多量
に用いなければならない。また、我々の研究解析によれ
ば、これらリン酸エステル化合物を用いることにより難
燃化された樹脂組成物は成形時に金型を腐食させたり、
成形加工の際や成形品が長期間使用されている間に難燃
剤が変性したり、あるいは成形品が変色やふくれを起こ
したり、吸水等により成形品の電気的特性、難燃特性が
悪化するため、最近の厳しい要求特性を満足するもので
はないことが判った。また、リン化合物の製造上の問題
から高粘度のリン化合物の使用により取扱性が低下する
等の問題があった。
【0004】このように従来は十分な難燃性と製品とし
ての要求性能、取扱性を同時に満足する樹脂組成物を提
供することはできなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、成形加工時
に難燃剤の発煙、揮発、ブリードがなく、且つ取扱性に
優れ、成形品の変色、ふくれ、電気的特性等の悪化のな
い樹脂組成物を提供する。本発明は、優れた特性の樹脂
組成物を提供するだけでなく、近年環境への影響、安全
性の観点から市場要求の高まっているハロゲンを含まな
い難燃剤による樹脂の難燃化を達成することにより、地
球環境問題の技術的な解決に寄与することができる。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の目的
を達成するために鋭意検討を重ねた結果、ポニフエニレ
ンエーテル系樹脂と特定の結合構造を有する(B)成分
のリン酸エステル化合物、及び(B)成分とは異なる結
合構造を有する(C)成分のリン酸エステル化合物を組
み合わせた組成物が、成形加工時の難燃剤の発煙、揮
発、ブリードがなく、且つ取扱性に優れ、成形品の変
色、ふくれ、電気的特性が悪化しないことを見いだし、
本発明に至った。
【0007】すなわち、本発明は(A−1)ポリフェニ
レンエーテル樹脂100重量部、または(A−1)ポリ
フェニレンエーテル樹脂10〜99重量部と(A−2)
ポリスチレン系樹脂90〜1重量部の合計100重量部
に対して、(B)一般式(I)
【0008】
【化3】
【0009】(ここで、Q1、Q2、Q3、Q4は、独
立に炭素数1から6のアルキル基を表す。R1、R2は
メチル基を、R3、R4は独立にメチル基または水素を
表す。nは1以上の整数を表す。n1、n2は独立に0
から2の整数を表す。m1、m2、m3、m4は、独立
に0から3の整数を示す。)で表されるリン酸エステル
化合物、及び(C)一般式(II)
【0010】
【化4】
【0011】(ここで、Qはハイドロキノン、レゾルシ
ノールに対応する2価の残基を表す。Q5、Q6、Q
7、Q8は、独立に炭素数1から6のアルキル基を表
す。nは1以上の整数を表す。m5、m6、m7、m8
は、独立に0から3の整数を表す。)で、表されるリン
酸エステル化合物を、(B)と(C)の合計が0.1〜
30重量部、かつ(B)と(C)の合計に対して(B)
成分が99〜20重量%、(C)成分が1〜80重量%
からなるポリフェニレンエーテル系難燃樹脂組成物であ
る。
【0012】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
(A−1)成分として用いるポリフェニレンエーテル樹
脂とは、一般式(III−1)及び/又は(III−
2)で表される繰り返し単位を有する単独重合体あるい
は共重合体である。
【0013】
【化5】
【0014】(ここで、R5、R6、R7、R8、R
9、R10は独立に炭素1〜4のアルキル基、アリール
基、ハロゲン、水素を表す。但し、R9、R10は同時
に水素ではない。) ポリフェニレンエーテル樹脂の単独重合体の代表例とし
ては、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)
エーテル、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フ
ェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジエチル−1,4
−フェニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−n−
プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,
6−ジ−n−プロピル−1,4−フェニレン)エーテ
ル、ポリ(2−メチル−6−n−ブチル−1,4−フェ
ニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−イソプロピ
ル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル
−6−ヒドロキシエチル−1,4−フェニレン)エーテ
ル、ポリ(2−メチル−6−クロロエチル−1,4−フ
ェニレン)エーテル等が挙げられる。
【0015】この中で、ポリ(2,6−ジメチル−1,
4−フェニレン)エーテルが特に好ましい。ポリフェニ
レンエーテル共重合体とは、フェニレンエーテル構造を
主単量単位とする共重合体である。その例としては、
2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチル
フェノールとの共重合体、2,6−ジメチルフェノール
とo−クレゾールとの共重合体あるいは2,6−ジメチ
ルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノール及び
o−クレゾールとの共重合体等がある。
【0016】また、本発明のポリフェニレンエーテル系
樹脂中には、本発明の主旨に反しない限り、従来ポリフ
ェニレンエーテル樹脂中に存在させてもよいことが提案
されている他の種々のフェニレンエーテルユニットを部
分構造として含んでいても構わない。少量共存させるこ
とが提案されているものの例としては、特開平1−29
7428号公報及び特開昭63−301222号公報に
記載されている、2−(ジアルキルアミノメチル)−6
−メチルフェニレンエーテルユニットや、2−(N−ア
ルキル−N−フェニルアミノメチル)−6−メチルフェ
ニレンエーテルユニット等が挙げられる。
【0017】また、ポリフェニレンエーテル樹脂の主鎖
中にジフェノキノン等が少量結合したものも含まれる。
さらに、例えば特開平2−276823号公報、特開昭
63−108059号公報、特開昭59−59724号
公報等に記載されている、炭素−炭素二重結合を持つ化
合物により変性されたポリフェニレンエーテルも含む。
【0018】本発明に用いるポリフェニレンエーテル系
樹脂の製造方法は特に限定されるものではないが、例え
ば特公平5−13966号公報に記載されている方法に
従って、ジブチルアミンの存在下に、2,6−キシレノ
ールを酸化カップリング重合して製造することができ
る。また、分子量および分子量分布は特に限定されるも
のではない。
【0019】本発明の(A−2)成分として用いるポリ
スチレン系樹脂とは、ビニル芳香族重合体、ゴム変性ビ
ニル芳香族重合体である。ビニル芳香族重合体として
は、スチレンのほか、o−メチルスチレン、p−メチル
スチレン、m−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチ
レン、エチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン
などの核アルキル置換スチレン、α−メチルスチレン、
α−メチル−p−メチルスチレンなどのα−アルキル置
換スチレン等の重合体、及びこれら1種以上と他のビニ
ル化合物の少なくとも1種以上との共重合体、これら2
種以上の共重合体が挙げられる。ビニル芳香族化合物と
共重合可能な化合物としては、メチルメタクリレート、
エチルメタクリレートなどのメタクリル酸エステル類、
アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどの不飽和ニ
トリル化合物類、無水マレイン酸等の酸無水物などが挙
げられる。これらの重合体の中で特に好ましい重合体
は、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合
体(AS樹脂)である。
【0020】また、ゴム変性ビニル芳香族重合体に用い
るゴムとしては、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエ
ン共重合体、ポリイソプレン、ブタジエン−イソプレン
共重合体、天然ゴム、エチレン−プロピレン共重合体な
どを挙げることができる。特に、ポリブタジエン、スチ
レン−ブタジエン共重合体が好ましく、ゴム変性芳香族
重合体としては、ゴム変性ポリスチレン(HIPS)、
ゴム変性スチレン−アクリロニトリル共重合体(ABS
樹脂)が好ましい。
【0021】本発明の(B)成分として用いるリン酸エ
ステル化合物は、一般式(I)
【0022】
【化6】
【0023】(ここで、Q1、Q2、Q3、Q4は、独
立に炭素数1から6のアルキル基を表す。R1、R2は
メチル基を、R3、R4は独立にメチル基または水素を
表す。nは1以上の整数を表す。n1、n2は独立に0
から2の整数を表す。m1、m2、m3、m4は、独立
に0から3の整数を示す。)で表される。一般式(I)
においてn1、n2が0で、R3、R4がメチル基であ
ることが好ましい。
【0024】また、一般式(I)においてm1、m2、
m3、m4が0である、つまり、末端のフェニル基への
アルキル基の置換がないか、またはQ1、Q2、Q3、
Q4が、メチル基であるつまり末端フェニル基へメチル
基が置換されている場合が最も好ましい。一般式(I)
におけるnは1以上の整数であってその数により耐熱
性、加工性が異なってくる。好ましいnの範囲は1〜1
0である。また(B)成分はn量体の混合物であっても
かまわない。
【0025】本発明の(B)成分のリン酸エステル化合
物は、特定の二官能フェノールによる結合構造と、特定
の単官能フェノールによる末端構造を有す。二官能フェ
ノールとしては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン〔通称ビスフェノールA〕、2,2−ビス
(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒド
ロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、1,1−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタンなどのビスフェ
ノール類が挙げられるが、これに限定されない。特にビ
スフェノールAが好ましい。
【0026】単官能フェノールとしては、無置換フェノ
ール、モノアルキルフェノール、ジアルキルフェノー
ル、トリアルキルフェノールを単独または2種以上の混
合物として使用できる。特にフェノール、クレゾール、
ジメチルフェノール(混合キシレノール)、2,6−ジ
メチルフェノール、トリメチルフェノールが好ましい。
(B)成分のリン酸エステル化合物は揮発性が大幅に抑
制されており、安定性、耐加水分解性にも優れている。
また、ポリフェニレンエーテル樹脂との間で反応を起こ
してゲル化のような問題を起こすこともなく、ポリフェ
ニレンエーテル樹脂の分解を促進することもないし、成
形加工機等の金属部分を腐食させることもない。
【0027】また、本発明では上記(B)成分のリン酸
エステル化合物と併用して、(C)成分一般式(II)
【0028】
【化7】
【0029】(ここで、Qはハイドロキノン、レゾルシ
ノールに対応する2価の残基を表す。Q5、Q6、Q
7、Q8は、独立に炭素数1から6のアルキル基を表
す。nは1以上の整数を表す。m5、m6、m7、m8
は、独立に0から3の整数を表す。)で、表されるリン
酸エステル化合物を用いることができる。一般式(I
I)においてm5、m6、m7、m8が0、すなわち末
端のフェニル基へのアルキル基の置換がないか、または
Q5、Q6、Q7、Q8がメチル基であるつまり末端フ
ェニル基へメチル基が置換されている場合が好ましい。
【0030】一般式(II)におけるnは1以上の整数
であってその数により耐熱性、加工性が異なってくる。
好ましいnの範囲は1〜10である。また(C)成分は
n量体の混合物であってもかまわない。本発明の(C)
成分のリン酸エステル化合物は、特定の二官能フェノー
ルによる結合構造と、特定の単官能フェノールによる末
端構造を有す。
【0031】二官能フェノールとしては、ハイドロキノ
ン、レゾルシノールを用いることができる。単官能フェ
ノールとしては、(B)成分のリン酸エステル化合物の
構成単官能フェノールを同様に用いることができる。特
にフェノール、クレゾール、ジメチルフェノール(混合
キシレノール)、2,6−ジメチルフェノール、トリメ
チルフェノールが好ましい。
【0032】(B)成分のリン酸エステル化合物に
(C)成分のリン酸エステル化合物を併用すると、各々
単独で使用する場合と比較して難燃性を損なうことな
く、効果的に成形加工時の発煙、ブリードを低減するこ
とができる。一般的に(B)成分、(C)成分とも室温
付近で液状の物質であるが、(B)成分は極めて粘度の
高い粘稠液であり計量、混合時の取扱性が悪いが、粘度
が低い(C)成分を併せて用いることで混合したリン酸
エステル化合物の粘度が低下し取扱いが容易となる。ま
た、(C)成分は(B)成分に比べて耐加水分解性に劣
るという欠点があるが、(B)成分と併用して用いた本
発明の樹脂組成物では、単に(C)成分を減量するより
も効果的に耐加水分解性を改良し、高温高湿条件での暴
露試験で発生する成形品の変色やふくれ、あるいは吸水
による絶縁破壊を抑制することができる。
【0033】(B)成分、及び(C)成分のリン酸エス
テル化合物は、上記の二官能フェノールと単官能フェノ
ールをオキシ塩化リンと反応させることにより得ること
ができるが、この製法になんら制約されることはない。
本発明の樹脂組成物は(A−1)成分のポリフェニレン
エーテル樹脂100重量部、または(A−1)成分のポ
リフェニレンエーテル樹脂10〜99重量部と(A−
2)成分のポリスチレン系樹脂90〜1重量部の合計1
00重量部に対して、(B)成分のリン酸エステル化合
物、及び(C)成分のリン酸エステル化合物の合計が
0.1〜30重量部、かつ(B)と(C)の合計に対し
て(B)成分が99〜20重量%、(C)成分が1〜8
0重量%、さらに好ましくは(B)成分が90〜35重
量%、(C)成分が10〜65重量%である。(B)成
分及び(C)成分の配合割合が少な過ぎると、すなわち
樹脂100重量部に対し0.1重量部未満では難燃性が
不十分であり、多すぎると、すなわち樹脂100重量部
に対し30重量部以上であると樹脂の耐熱性などが損な
われる。また、(B)と(C)の合計に対して、(C)
成分が多すぎると耐加水分解性が損なわれ、(C)成分
が少なすぎると取扱性が充分改良されない。
【0034】本発明で用いる(B)成分、及び(C)成
分のリン酸エステルの他に、発明の効果を損なわない範
囲で一般的に用いられるリン酸エステル、例えば、トリ
フェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、ト
リキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフ
ェート、ジクレジルフェニルホスフェート、ヒドロキシ
フェニルジフェニルホスフェート等のリン酸エステルや
これらを各種置換基で変性した化合物、各種の縮合タイ
プのリン酸エステル化合物などを含有していてもよい。
【0035】本発明の樹脂組成物に本発明の効果を損な
わない範囲で他の添加剤、例えば可塑剤、他の難燃剤、
酸化防止剤及び紫外線吸収剤などの安定剤、離型剤、染
顔料、あるいはガラス繊維、炭素繊維等の繊維状補強
剤、更にはガラスビーズ、炭酸カルシウム、タルク等の
充填剤を添加することができる。本発明の組成物の製造
方法は、特に規定するものではなく、押出機、加熱ロー
ル、ニーダー、バンバリーミキサー等の混練機を用いて
混練製造することができる。
【0036】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。
組成物の評価は以下の方法及び条件で行った。 ・難燃性:UL規格94垂直燃焼試験方法に基づき、8
分の1インチ試験片を用いて行い、ランク付けをした。
【0037】・発煙量:樹脂組成物をパージする際の射
出成形機のノズル部から発生する発煙量を目視で観察し
た。 ・取扱性:混合リン酸エステル化合物の粘度を取扱性の
指標とした。リン酸エステル化合物の粘度は25℃にて
ウベローデ粘度計を用いて流下時間を測定し、これに粘
度計の定数を乗じて動粘度を求め、さらに動粘度に試料
の密度を乗じて算出した。
【0038】・組成物の加水分解性:熱水浸漬試験後
(80℃、10Hr)の試験片の光沢変化△G(試験前
の光沢−試験後の光沢)によって評価した。光沢の測定
はJISーZ8741に基づき、ダンベル試験片を用い
て入射角60°で行った。また、実施例及び比較例にお
いて用いた耐衝撃性ポリスチレン樹脂は次の製造方法に
よって調整した。
【0039】(製造例1:部分水添共役ジエンゴムの製
造)実施例で用いる部分水添共役ジエン系ゴムは、次に
述べる方法で製造した。内容積10リットルの撹拌機、
ジャケット付きオートクレーブを反応機として用いて、
ブタジエン/n−ヘキサン混合液(ブタジエン濃度20
%)を20リットル/hrで、n−ブチルリチウム/n
−ヘキサン溶液(濃度5%)を70ミリリットル/hr
で導入し、重合温度110℃でブタジエンの連続重合を
実施した。得られた活性重合体をメタノールで失活、別
の内容積10リットルの撹拌機、ジャケット付きの反応
機に重合体溶液8リットルを移し、温度60℃にて、水
添触媒としてジ−p−トリル−ビス(1−シクロペンタ
ジエニル)チタニウム/シクロヘキサン溶液(濃度1.
2ミリモル/リットル)250ミリリットルと、n−ブ
チルリチウム溶液(濃度6ミリモル/リットル)50ミ
リリットルとを0℃、2.0kg/cm2 の水素圧下で
混合したものを添加、水素分圧3.0kg/cm 2 にて
60分間反応させた。得られた部分水添重合体溶液は酸
化防止剤として、2,6−ジ−t−ブチルヒドロキシト
ルエンを重合体当たり0.5部添加して溶剤を除去し
た。メタノール失活後にサンプリングして得た部分水添
共役ジエンゴムの分析値は表1に示す通りであった。
【0040】
【表1】
【0041】(製造例2:(耐衝撃性ポリスチレン樹脂
の製造)実施例で用いる耐衝撃性スチレン系樹脂は塊状
重合法によって製造した。製造例1の部分水添共役ジエ
ンゴム10部をスチレン90部とエチルベンゼン8部に
溶解し、更にスチレンに対して0.05部のベンゾイル
パーオキサイドと0.10部のα−メチルスチレン2量
体を添加し、80℃で4時間、110℃で4時間、15
0℃で4時間撹拌下に重合を行った。更に230℃前後
30分間加熱処理を行い、その後、未反応スチレン及び
エチルベンゼンの真空除去を行い、耐衝撃性ポリスチレ
ン系樹脂を得た。得られた耐衝撃性ポリスチレン系樹脂
中の部分水添ポリブタジエンの含有量は11%であり、
ポリスチレンの分散粒子を含んだ状態での部分水添ポリ
ブタジエンの平均粒子径は1.3μmであった。また、
トルエン中30℃にて測定した還元粘度は0.65であ
った。
【0042】(リン酸エステル化合物)実施例及び比較
例で用いたリン酸エステル化合物を表2に示した。
【0043】
【表2】
【0044】
【実施例1】クロロホルム中30℃で測定した極限粘度
[η]が0.52であるポリ2,6−ジメチル−1,4
−フェニレンエーテル(以下PPEと略称する)65重
量部、製造例2で作成した耐衝撃性ポリスチレン樹脂
(以下HIPSと略称する)23重量部、ポリスチレン
樹脂〔旭化成工業(株)製:旭化成ポリスチレン68
5〕(以下GPPSと略称する)12重量部の樹脂組成
物の合計100重量部に対して、リン酸エステルAを6
重量部と、リン酸エステルCを6重量部および安定剤と
してオクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを0.3重量部
を混合し、シリンダー温度300℃に設定した二軸押出
機にて溶融混練しペレットを得た。このペレットを用い
て射出成形を行い、評価した。その結果を表3に示し
た。
【0045】
【実施例2〜4、比較例1〜3】各成分を表3に示す組
成で混合し、実施例1と同様に評価を行い、その結果を
表3に示した。
【0046】
【表3】
【0047】
【発明の効果】本発明のポリフェニレンエーテル系難燃
樹脂組成物は従来の難燃性樹脂組成物に比べ、成形加工
時に難燃剤の発煙、揮発、ブリードがなく、且つ取扱性
に優れ、成形品の変色、ふくれ、電気的特性等の悪化の
ない非ハロゲン難燃樹脂組成物を提供することができ
る。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A−1)ポリフェニレンエーテル樹脂
    100重量部に対して、(B)一般式(I) 【化1】 (ここで、Q1、Q2、Q3、Q4は、独立に炭素数1
    から6のアルキル基を表す。R1、R2はメチル基を、
    R3、R4は独立にメチル基または水素を表す。nは1
    以上の整数を表す。n1、n2は独立に0から2の整数
    を表す。m1、m2、m3、m4は、独立に0から3の
    整数を示す。)で表されるリン酸エステル化合物、及び
    (C)一般式(II) 【化2】 (ここで、Qはハイドロキノン、レゾルシノールに対応
    する2価の残基を表す。Q5、Q6、Q7、Q8は、独
    立に炭素数1から6のアルキル基を表す。nは1以上の
    整数を表す。m5、m6、m7、m8は、独立に0から
    3の整数を表す。)で、表されるリン酸エステル化合物
    を、(B)と(C)の合計が0.1〜30重量部、かつ
    (B)と(C)の合計に対して(B)成分が99〜20
    重量%、(C)成分が1〜80重量%からなるポリフェ
    ニレンエーテル系難燃樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (A−1)ポリフェニレンエーテル樹脂
    100重量部が、(A−1)ポリフェニレンエーテル樹
    脂10〜99重量部と(A−2)ポリスチレン系樹脂9
    0〜1重量部の合計100重量部である請求項1記載の
    ポリフェニレンエーテル系難燃樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (B)成分のリン酸エステル化合物を表
    す一般式(I)において、n1、n2が0で、R3、R
    4がメチル基である請求項1及び2記載のポリフェニレ
    ンエーテル系難燃樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 (B)成分のリン酸エステル化合物を表
    す一般式(I)において、m1、m2、m3、m4が、
    0である請求項1及び2記載のポリフェニレンエーテル
    系難燃樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 (B)成分のリン酸エステル化合物を表
    す一般式(I)において、Q1、Q2、Q3、Q4が、
    メチル基である請求項1及び2記載のポリフェニレンエ
    ーテル系難燃樹脂組成物。
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