JPH08133762A - 光学素子成形用型およびその製造方法 - Google Patents

光学素子成形用型およびその製造方法

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JPH08133762A
JPH08133762A JP27807294A JP27807294A JPH08133762A JP H08133762 A JPH08133762 A JP H08133762A JP 27807294 A JP27807294 A JP 27807294A JP 27807294 A JP27807294 A JP 27807294A JP H08133762 A JPH08133762 A JP H08133762A
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JP
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film
die
face
molding die
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Yasuhiro Yoneda
靖弘 米田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 良好な離型性が得られ、かつ離型時の引張応
力に対して十分な耐久性をもつ光学素子成形用型とその
製造方法を提供することを目的とする。 【構成】 加熱軟化したガラスをプレス成形して光学素
子を製造するのに用いる光学素子成形用型の少なくとも
光学素子成形面に厚さ3μm以上のCr窒化物被膜を形
成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加熱軟化したガラスを
プレス成形して光学素子を製造するのに用いる光学素子
成形用型に関し、より詳しくは、良好な離型性を得るた
めに成形面に被膜を形成した光学素子成形用型に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の成形型としては、例えば
特開平2−221131号公報に開示されたものが知ら
れている。これは成形面にCrおよび窒素を主成分とす
る化合物を被膜することによって、ガラスに対する剥離
性を向上させた成形型である。そして被膜と型基材との
界面に、線膨張係数の値が型基材を形成する材料と被膜
を形成する材料との間の材料からなる中間層を介在さ
せ、被膜と型基材との間で生じる熱応力を緩和して被膜
の剥離を防いでいる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが上述の従来技
術では、前記公報の実施例に記載されているように被膜
の厚さが0.3μmと薄かったため、次のような強度上
の問題点があった。
【0004】成形品を離型するとき被膜に引張応力が作
用するが、0.3μmの膜厚では応力に対抗できず、被
膜が破損することがある。
【0005】被膜を成形型基材表面に形成する際、基材
表面に微小な汚れ,欠陥があると被膜が基材から浮いた
状態になる。汚れを完全に洗浄し、表面を無欠陥にする
ことは困難である。このような浮いた部分に離型力が作
用したとき、膜剥離が生ずるか否かは被膜自体の結合強
度に依存するが、被膜が薄いために強度は小さく剥離し
易いことになる。
【0006】以上のような理由から、上述の従来技術で
は被膜の剥離を防止すべく中間層を設けたものの、十分
に満足できる耐久性を得ることはできなかった。
【0007】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもの
で、良好な離型性が得られ、かつ離型時の引張応力に対
して十分な耐久性をもつ光学素子成形用型とその製造方
法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1に係る本発明の光学素子成形用型は、加熱軟
化したガラスをプレス成形して光学素子を製造するのに
用いる光学素子成形用型であって、少なくとも光学素子
成形面に厚さ3μm以上のCr窒化物被膜を形成したこ
とを特徴としている。
【0009】この場合、請求項2に記載したように、前
記Cr窒化物被膜の表層部にCr23 を形成するとよ
い。
【0010】このような光学素子成形用型を製造するに
際しては、請求項3に記載したように、アーク放電によ
り金属Crをイオン化するイオンプレーティング法によ
って前記Cr窒化物被膜を形成するとよい。
【0011】
【作用】上記構成からなる本発明のうち、請求項1に記
載した光学素子成形用型では、Cr窒化物という高硬度
で耐熱耐酸化性を有し離型性に優れた被膜を成形用型基
材の光学素子成形面に3μm以上の厚さで形成している
ために成形時に良好な離型性を有し、成形型基材の被膜
を被覆される面に欠陥や洗浄液残りがあっても、被膜自
体の結合力が大きいので剥離に至らない。
【0012】また請求項2では、成形面の表層部にCr
窒化物よりも標準生成自由エネルギーが小さいCr2
3 を形成したので、軟化したガラスをプレスしても融着
や反応は起こらず良好な離型性が得られる。
【0013】また請求項3では、アーク放電により金属
をイオン化しているのでイオン化率が極めて高く結晶性
が極めて良好なCr窒化物の被膜が形成される。
【0014】
【実施例】以下、添付図面を参照して本発明に係る光学
素子成形用型の実施例を説明する。
【0015】(実施例1)図1は本発明の実施例1の光
学素子成形用型の構成を示す断面図である。
【0016】(構成)図において、型基材1はWC−N
i−Crからなる超硬合金を素材とし、大径の円板上に
小径の円筒を載せた形状に一体形成されたものであっ
て、前記円筒部分の上端面には所望のレンズ形状を転写
した形状の光学素子成形面2が鏡面加工され、前記大径
の円板周辺部は成形機(図示せず)に取付けるための段
部3となっている。側面4は成形型のシフト方向の位置
を規制する面で、底面5は成形型の中心軸に対する傾き
を規制する面である。本実施例では光学素子成形面2は
曲率15mmの凹面でその外径はφ8mmとし、面粗度はR
max =0.06μm以下に加工した。
【0017】このように加工した型基材1をアセトンお
よび界面活性剤および純水などで洗浄した後、真空チャ
ンバ内に載置する。その後、イオンビームスパッタ法に
よりCr−Nの被膜6を形成した。このときの条件を表
1に示す。
【0018】
【表1】
【0019】本実施例ではCr−Nの結晶性が良好な膜
として成膜条件を以下のようにした。
【0020】ガス圧力(ArとN2 の混合ガス) Ar:1.0(×10-2(Pa)) N2 :7.0(×10-2(Pa)) イオンビーム加速電圧:0.9(KV) アノード電流 :3.0(A)
【0021】成膜時間は5時間で膜厚は5μmであっ
た。結晶性は図2のX線回折法による分析結果のように
CrNの結晶ピークがでている。
【0022】また、Cr−N膜6を被覆した面の面粗度
は光学素子成形面2と同じであった。
【0023】尚、Cr−N膜6は光学素子成形面2だけ
ではなく図1のように光学素子成形面2以外の面にも被
覆した。このようにして得られた成形型を大気中で60
0℃に2時間保持した。これにより、図3のX線回折に
よる分析結果のようにCr23 が形成される。このC
2 3 は膜の最表面に形成されている。また、このと
きの成形面7の面粗度はRmax =0.08μmとなって
いた。
【0024】(作用)上記のような構成の光学素子成形
用型は表面にCr2 3 が形成されているためにガラス
とは濡れにくく軟化したガラス素材をプレス成形しても
焼付くようなことはない。また、Cr−Nは高硬度で本
実施例の成形型ではマイクロビッカース硬度計で測定す
ると10g荷重下で1800kgf/mm2 あった。このよう
な高硬度の表面を有しているため成形時にガラスが固化
した状態でのプレス荷重でも成形面7には全く損傷はな
く、また、プレス時に金属粉などの異物を挟んでプレス
しても成形面7には圧痕が形成されず光学素子の連続成
形を行っても外観品質が良好な光学素子の製造を行うこ
とができた。
【0025】また、膜厚が5μmあるので膜剥離の発生
を抑制できる。本実施例では膜厚を1μmとしたCr−
N膜6を被覆した光学素子成形用型との膜剥離の比較試
験を実際の光学素子の成形で行った。成形した硝材はB
SL7(小原(株)製)でこの硝材を770℃まで加熱
した後、一対の成形型で4.2kgf/mm2 のプレス圧力で
成形した。膜剥離の発生の確認は成形された光学素子に
付着したCr−N膜を実体顕微鏡で観察して行った。試
験結果は表2のようになった。
【0026】
【表2】
【0027】ここで表2のNoは試験した光学素子成形
型が各3本なのでそれぞれに付けたナンバーである。表
2の結果からも明らかなように膜厚5μmの型では約3
0000ショットで膜剥離が発生するのに対して、膜厚
1μmの型では最高でも7800ショットでしかもばら
ついている。従って、本実施例の光学素子成形用型は長
寿命で品質も安定したものである。
【0028】(効果)以上のように本実施例の光学素子
成形用型は膜剥離に対して長寿命で外観品質が良好であ
る。
【0029】尚、本実施例において型基材1は超硬合金
以外の合金や、サイアロンなどのサーメット、SiC焼
結体やCr−C焼結体やAlN焼結体などのセラミック
スでも同様の効果が得られる。この場合、セラミックス
にTiO2 やY2 3 やZrO2 などの添加物を含有さ
せると耐熱性や靭性が向上する。
【0030】また、Cr−N膜はCrNだけでもCrN
とCr2 Nの両方が含有していても良く、さらにこれに
Crが含有していても良い。Cr−N膜を成膜した後に
大気中で加熱した後の表面には本実施例ではCr2 3
が形成されたが、酸化クロムであればCr5 12などの
別の結晶が混在していても良い。
【0031】また、本実施例ではCr−N膜6を成形型
基材1の全面に成膜したが成形型基材1の材質の耐熱耐
酸化性が良いものであれば光学素子成形面2のみでも良
いし光学素子成形面2以外の面の一部にも成膜しても良
い。耐熱耐酸化性が良い材料としてはSiC,AlNな
どのセラミックスやサーメットが挙げられる。さらにC
r−N膜6の膜厚は5μmとしたが光学素子成形面2に
3μm以上あれば良く、本実施例のイオンビームスパッ
タ法では、成膜速度がおよそ8nm/minなので光学素子成
形用型の生産性を考慮すると膜厚は3μm〜5μmが好
ましい。
【0032】また、本実施例ではイオンビームスパッタ
法によりCr−N膜を成膜したが他のPVD法による成
膜方法でも良く、その方法としてマグネトロンスパッタ
法やイオンプレーティング法やホロカソード法などでも
イオンビームスパッタ法と同様の作用効果が得られる。
【0033】(実施例2) (構成)本発明の実施例2の光学素子成形用型の型基材
1の構成は図1の構成と同じである。本実施例において
はCr−N膜6をアーク放電により金属をイオン化する
イオンプレーティング法(アークイオンプレーティング
法)により形成した。この方法は以下のようである。図
4に示すように真空チャンバ8内を図示しない真空ポン
プにより排気口9から排気する。真空度は本実施例では
8.0×10-4(Pa)になるまで排気した。この真空度
は高いほど良いが、排気時間を考慮して1.0×10-3
(Pa)以下であれば良い。型基材1はターンテーブル1
0上にセットされていて図示しないヒータにより加熱さ
れている。加熱温度は600℃とした。ターンテーブル
10は図示しない駆動部により回転できるようになって
いる。本実施例で使用した型基材1の材質は実施例1と
同じ材質である。
【0034】この状態でアーク電源12からCrからな
る蒸発源14に150(A)の電流(アーク電流)を流
し放電させる。同時にバイアス電源13によりターンテ
ーブル10を介して型基材1に−700Vの電圧(バイ
アス電圧)をかけた。この工程により蒸発源14からC
rがイオン化されて蒸発し型基材1をCrイオン21に
より60秒間ボンバードする。この後、N2 ガスを導入
口11から図示しないバルブにより流量を調整しつつ導
入し、真空チャンバ8内の真空度を1.0(Pa)で一定
になるようにした。ここで、アーク電源12からCrか
らなる蒸発源14に100(A)の電流を流し放電させ
る。同時にバイアス電源13によりターンテーブル10
を介して型基材1に−50Vのバイアス電圧をかけた。
この状態を80分続けてCr−N膜6を形成した。膜厚
は6μmであった。このようにして得られた成形型を大
気中で600℃に2時間保持し最表面にCr2 3 を形
成した。
【0035】(作用)上記のアークイオンプレーティン
グ法によれば、最初のCrイオン21によるボンバード
ではアーク電流がCrからなる蒸発源のアークスポット
に集中し、そのエネルギーによりCrがイオン化して蒸
発して型基材1にかけられたバイアス電圧により型基材
1の表面がCrイオン21によりボンバードされる。こ
れにより型基材1の表面は洗浄され、場合によっては表
面に形成された薄い酸化層が除去され、膜の密着性を向
上させることができる。この後に行われる成膜工程では
2 ガス22もイオン化され、さらにバイアス電圧を−
50VにしているのでCrイオン21とN(窒素)イオ
ン23とが型基材表面に付着しCr−N膜が形成され
る。このようにして形成されたCr−N膜6はX線回折
法で分析したところ実施例1とほとんど同じ結晶ピーク
を示した。
【0036】さらに、ESCAで組成分析を行ったとこ
ろ表面から深さ0.1μmでCrとN(窒素)の組成比
(元素数)はCr:N=1:0.88でありCrはほと
んど窒化していることになる。膜の硬度も実施例1と同
様マイクロビッカース硬度計で測定すると10g荷重下
で1900kgf/mm2 であった。この作用は実施例1と同
様である。
【0037】このようにして製造した光学素子成形用型
を実施例1と同様の試験を実際の光学素子の成形で行っ
た。その結果、膜剥離が発生した成形数は45000シ
ョットであった。これは、本実施例の成膜前のイオンボ
ンバードによる洗浄効果によりCr−N膜6の密着性が
向上したことによる。比較例としてイオンボンバードの
工程を省略すると膜剥離が発生した成形数は30000
ショットで実施例1のCr−N膜とほぼ同レベルの耐久
性であった。
【0038】(効果)本実施例においては、アークイオ
ンプレーティング法によりCr−N膜を形成したのでC
rとN(窒素)がほぼ1:1に近い元素数比のCr−N
膜となり、ほぼ完全なCrN多結晶体膜が形成できるの
で、膜の硬度が高い高耐久性を有する光学素子成形用型
を提供することができると共に、成膜前のボンバードに
より膜剥離に対して高い耐久性の光学素子成形用型を提
供することができる。
【0039】尚、本実施例において型基材1は超硬合金
以外の材料として実施例1と同様の材料を選択できる。
【0040】また、Cr−N膜6はCrNだけでもCr
NとCr2 Nの両方が含有していても良く、さらにこれ
にCrが含有していても良い。Cr−N膜を成膜した後
に大気中で加熱した後の表面には本実施例ではCr2
3 が形成されたが、酸化クロムであればCr5 7 など
の別の結晶が混在していても良い。
【0041】また、本実施例ではCr−N膜6を成形型
基材1の全面に成膜したが、成形型基材1の材質の耐熱
耐酸化性が良いものであれば光学素子成形面2のみでも
良いし光学素子成形面2以外の面の一部にも成膜しても
良い。耐熱耐酸化性が良い材料としてはSiC,AlN
などのセラミックスやサーメットが挙げられる。
【0042】また、本実施例ではアークイオンプレーテ
ィング法の各条件を上記の条件で行ったが、各条件は下
記の範囲であれば光学素子成形用型としての性能を満足
する。
【0043】 アーク電流 :70〜200(A) (ボンバード時) アーク電流 :30〜200(A) (成膜時) バイアス電圧:−600〜−1000(V) (ボンバード時) バイアス電圧: −10〜 −600(V) (成膜時) N2 ガス圧力:6.0×10-3〜6.0(Pa)(成膜時)
【0044】特に好ましい範囲としては以下のようにな
る。これは、ボンバード時に型基材の表面形状や粗さを
劣化させない範囲で、成膜時には膜の硬度が比較的高く
強度も大きい条件である。
【0045】 アーク電流 :70〜100(A) (ボンバード時) アーク電流 :30〜100(A) (成膜時) バイアス電圧:−700〜−800(V) (ボンバード時) バイアス電圧: −30〜−300(V) (成膜時) N2 ガス圧力:0.1〜6.0(Pa) (成膜時)
【0046】(実施例3) (構成)本発明の実施例3の光学素子成形用型の断面図
を図5に示す。型基材15はCr3 2 を主成分とした
焼結体で平均粒径は3μmでこれを実施例1と同様の形
状に加工した後、成形加工面の面粗度がRmax =0.0
5μmになるまで鏡面加工を施した。この成形加工面に
実施例2のアークイオンプレーティング法によりCr−
N膜17を厚さ60μm成膜した。成膜時間は実施例2
の条件で13時間20分であった。Cr−N膜を被覆し
た表面は面粗度がRmax =0.16μmとなっていたの
で#14000のダイヤモンドペーストで研磨加工して
表面粗度を0.05μmにした。本実施例では型基材1
5の底部側面18および底面19にはCr−N膜17が
被覆されないようにこの部分をマスクしてCr−N膜1
7を成膜した。
【0047】(作用)上記の構成の光学素子成形用型は
Cr3 2 を主成分とした焼結体のような型基材15の
場合には軟化したガラスを成形した後の離型時に粒の脱
落が発生することがある。これはCr−N膜17を3μ
m以下の膜厚で被覆した場合に膜の結合力が弱いために
粒子脱落の影響でその部分がCr−N膜ごと脱落するの
でその部分に穴があき、このような成形面20で成形す
ると外観不良の光学素子を製造することになるのであ
る。しかし本実施例のCr−N膜17は膜厚が60μm
もあるのでCr−N膜17の結合力がその膜厚分強いの
で型基材の粒子脱落が発生しなくなる。
【0048】(効果)本実施例の効果は焼結体のような
粉末を焼固めた材料で型基材を構成した場合にも粒子脱
落を発生させずに外観が良好な光学素子を製造すること
ができる。
【0049】尚、本実施例では型基材15をCr3 2
を主成分とする焼結体としたが、他のセラミックス材料
でも良く、例えばAlNを主成分にしたもの(Y
2 3 ,CaO2 ,YF3 ,CaCOなどの添加物を含
有させても良い)やZrO2 を主成分にしたものやAl
2 3 を主成分にしたものやSiCを主成分にしたもの
などのセラミックスやサイアロンなどのサーメットでも
同様の作用効果が得られる。また、Cr−N膜17の膜
厚は3μm以上あれば基本的に同様の作用効果が得られ
るが、好ましくは8μm以上あると、より粒子脱落は抑
制できる。ただし、3μm程度の膜厚の場合、成形面を
成膜後に研磨するとCr−N膜17が薄くなるので研磨
しない方が良い。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光学素子
成形用型によれば、次のような効果がある。
【0051】請求項1によれば、Cr−Nという高硬度
で耐熱性に優れた材料の被膜で成形面を形成しているの
で繰返し光学素子を成形する場合に長寿命の光学素子成
形用型が得られる。また膜厚を3μm以上としているの
で膜剥離を防止でき、型基材の粒子脱落による光学素子
の外観不良を防止することができる。
【0052】請求項2によれば、成形面の表面に酸化ク
ロムを形成しているので成形後の離型性をより向上させ
ることができ、焼付きを防止できる。
【0053】請求項3によれば、アークイオンプレーテ
ィング法によりCr−N膜を形成したのでCrとN窒素
がほぼ1:1に近い元素数比のCr−N膜となり、ほぼ
完全なCrN多結晶体膜が形成できるので膜の硬度が高
い高耐久性を有する光学素子成形用型を提供することが
できると共に、成膜前のボンバードにより膜剥離に対し
て高い耐久性の光学素子成形用型を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1による光学素子成形用型を模
式的に示す縦断面図である。
【図2】実施例1の光学素子成形用型の成膜直後の状態
をX線回折法により分析した結果を示すグラフである。
【図3】実施例1の光学素子成形用型の酸化後の状態を
X線回折法により分析した結果を示すグラフである。
【図4】実施例2の光学素子成形用型の製造に使用する
真空チャンバを示す断面図である。
【図5】本発明の実施例3による光学素子成形用型を模
式的に示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 型基材 2 光学素子成形面 3 段部 4 底部側面 5 底面 6 Cr−N膜 7 成形面 8 真空チャンバ 9 排気口 10 ターンテーブル 11 導入口 12 アーク電源 13 バイアス電源 14 蒸発源 15 型基材 16 成形加工面 17 Cr−N膜 18 底部側面 19 底面 20 成形面 21 Crイオン 22 N2 ガス 23 Nイオン

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱軟化したガラスをプレス成形して光
    学素子を製造するのに用いる光学素子成形用型であっ
    て、少なくとも光学素子成形面に厚さ3μm以上のCr
    窒化物被膜を形成したことを特徴とする光学素子成形用
    型。
  2. 【請求項2】 前記Cr窒化物被膜の表層部にCr2
    3 が形成されていることを特徴とする請求項1記載の光
    学素子成形用型。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の光学素子成形用型を製造
    するに際し、アーク放電により金属Crをイオン化する
    イオンプレーティング法によって前記Cr窒化物被膜を
    形成することを特徴とする光学素子成形用型の製造方
    法。
JP27807294A 1994-11-11 1994-11-11 光学素子成形用型およびその製造方法 Withdrawn JPH08133762A (ja)

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