JPH08134100A - 糖鎖特異的抗体の製造方法 - Google Patents

糖鎖特異的抗体の製造方法

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JPH08134100A
JPH08134100A JP27475394A JP27475394A JPH08134100A JP H08134100 A JPH08134100 A JP H08134100A JP 27475394 A JP27475394 A JP 27475394A JP 27475394 A JP27475394 A JP 27475394A JP H08134100 A JPH08134100 A JP H08134100A
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JP
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sugar chain
fetoprotein
alpha
saccharide chain
bound
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JP27475394A
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Mitsuo Watanabe
光雄 渡辺
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Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 糖鎖の結合していない可溶性糖蛋白質に免疫
寛容になった動物を、糖鎖の結合した可溶性糖蛋白質で
免疫して可溶性糖蛋白質の糖鎖部分に特異的に作用する
糖鎖特異的抗体を製造することを特徴とする糖鎖特異的
抗体の製造方法。 【効果】 可溶性糖蛋白質の糖鎖部分に特異的に作用す
る抗体を容易に製造することができる。また、本発明に
よって製造された抗体を用いることにより、癌等の疾患
に特有の糖鎖構造を有する可溶性糖蛋白質を簡便に測定
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、可溶性糖蛋白質の糖鎖
部分に特異的に作用する糖鎖特異的抗体の製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】アルファフェトプロテイン(AFP)
や、癌胎児性抗原(CEA)、絨毛性ゴナドトロピン、
ガンマグルタミントランスフェラーゼ蛋白質等の可溶性
糖蛋白質では、細胞の癌化によって、糖鎖の構造が変化
することが知られている。
【0003】例えば、アルファフェトプロテインは、肝
臓癌等の肝臓疾患において、血中に放出されることが知
られている可溶性糖蛋白質の一種であり、肝臓癌の診断
において重要な測定項目となっている。近年、アルファ
フェトプロテインには、糖鎖構造が異なる分子種が存在
することが報告され、糖鎖構造の差異に基づく分画定量
が、黄疸等の良性疾患と肝細胞癌等との判別のため、有
用であることが知られるようになった。この目的のた
め、これまでに、1)固相に抗アルファフェトプロテイ
ン抗体を固定化してアルファフェトプロテインを捕捉
し、このうち特定のレクチンと結合するアルファフェト
プロテインのみを、酵素標識したレクチンで検出する方
法、2)レクチンを含むアガロースゲル電気泳動で、ア
ルファフェトプロテインを糖鎖に対する親和性の差に基
づいて分離し、ニトロセルロース膜等に転写した後、抗
アルファフェトプロテイン抗体を用いた免疫染色法によ
り検出する方法〔キャンサー レター(Cancer Lett.)
1986;31:325-331 〕が開発されてきた。ところが、1)
の方法はレクチンの糖鎖に対する親和性が低く、検出感
度が実用上臨床検査の場に供せるものではなかった。ま
た、2)の方法は、効率良く糖鎖の差異に基づいてアル
ファフェトプロテインを分離でき、臨床検査に十分使用
に耐えうる性能を有しているものの、蛋白質を分離する
のは煩雑で長時間を要し、さらに免疫染色後の発色強度
を測定するための特別な装置が必要であるという問題が
あった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、このような問
題を解決する方法して、癌等の疾患に特異的に出現する
糖鎖を含んだ可溶性糖蛋白質を特異的に認識する抗体を
用いた診断薬、治療薬の開発が望まれていた。
【0005】腫瘍に特異的な抗体を作製する方法として
は、例えば、特開昭60−190721号公報に、動物
にヒト正常細胞又は正常組織もしくはそれらの膜成分を
投与して免疫寛容(免疫的不応答状態)を誘導し、しか
る後にヒト腫瘍細胞又は腫瘍組織もしくはそれらの膜成
分で免疫し、腫瘍特異的なモノクローナル抗体を作製す
る方法が記載されている。しかし、この方法によれば、
腫瘍組織や腫瘍細胞の膜表面に存在し、かつ正常細胞が
腫瘍化する際に、発現量が増加するような抗原に対する
抗体を作製することは可能であるが、細胞から分泌さ
れ、かつ腫瘍化によって構造が変化するような糖鎖を含
有した可溶性糖蛋白質に特異的に作用する抗体を得るこ
とは困難であった。
【0006】本発明は、癌等の疾患に特異的な糖鎖構造
を有する可溶性糖蛋白質の糖鎖部分に特異的に作用する
糖鎖特異的抗体の製造方法を提供することを目的とする
ものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、このような
課題を解決するために鋭意検討の結果、糖鎖の結合して
いない可溶性糖蛋白質に免疫寛容になった動物を、糖鎖
の結合した可溶性糖蛋白質で免疫すると、可溶性糖蛋白
質の糖鎖部分を特異的に認識する抗体が得られるという
ことを見出し、本発明に到達した。
【0008】すなわち、本発明は糖鎖の結合していない
可溶性糖蛋白質に免疫寛容になった動物を、糖鎖の結合
した可溶性糖蛋白質で免疫して可溶性糖蛋白質の糖鎖部
分に特異的に作用する糖鎖特異的抗体を製造することを
特徴とする糖鎖特異的抗体の製造方法を要旨とするもの
である。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
用いられる可溶性糖蛋白質としては、例えば、アルファ
フェトプロテイン、癌胎児性抗原(CEA)、絨毛性ゴ
ナドトロピン、ガンマグルタミルトランスフェラーゼ蛋
白質等が挙げられる。
【0010】本発明においては、まず、これらの可溶性
糖蛋白質の糖鎖を除去した糖鎖の結合していない可溶性
糖蛋白質で免疫寛容を行う。これらの糖鎖の結合してい
ない可溶性糖蛋白質としては、例えば、ヒト血清中、あ
るいは、これらの可溶性糖蛋白質を産生する細胞から精
製した可溶性糖蛋白質をグリコペプチダーゼF(宝酒造
社製)等で処理して糖鎖部分を除去することによって得
ることができる。また、これらの糖鎖の結合していない
可溶性糖蛋白質は、遺伝子組換え技術を用いて大腸菌に
より産生させることも可能である。この場合、分子内の
ジスルフィド結合を維持し、天然物質に近い構造を持っ
た糖鎖の結合していない可溶性糖蛋白質を得るには、C
OS細胞やCHO細胞、L細胞等のような真核細胞を用
いることが望ましい。これらの細胞に、糖鎖の結合して
いない可溶性糖蛋白質を産生させるためには、ツニカマ
イシンのような糖鎖合成阻害剤の存在化で細胞を培養す
る方法や、糖鎖が結合するアミノ酸残基、例えば、アル
ファフェトプロテインのアスパラギン残基〔Asn232、プ
ロシーディング オブ ザ ナショナル アカデミー
オブ サイエンス ユーエスエー(Proc., Natl., Aca
d., Sci., USA. ),80: 4604-4608, 1983〕を酵素的D
NA増幅法(Polymerase chain reaction: PCR)等の手
法により他のアミノ酸に置換し、上記の様な細胞で発現
させる方法が挙げられる。
【0011】このようにして得られた糖鎖の結合してい
ない可溶性糖蛋白質又は糖鎖の結合していない可溶性糖
蛋白質を産生する細胞を、例えばマウス、ラット、ウサ
ギ、ヤギ等の新生児、好ましくは生後24時間以内の新
生児に注入することによって、動物に免疫寛容を誘導す
ることができる。また、前記のように、アミノ酸置換を
導入して糖鎖結合部位が変異を受けた可溶性糖蛋白質の
遺伝子を、ネオマイシン耐性遺伝子等のマーカー遺伝子
とともに従来の方法により動物の胚に導入し、トランス
ジェニック動物を作製することによっても免疫寛容を誘
導することができる。さらに、糖鎖の結合していない可
溶性糖蛋白質を経口投与することによっても免疫寛容を
誘導することができる。このようにして、糖鎖の結合し
ていない可溶性糖蛋白質に対して免疫寛容となった動物
は、その後に糖鎖の結合していない可溶性糖蛋白質で免
疫してもそれに対する抗体を産生する能力はない。
【0012】次に、このように糖鎖の結合していない可
溶性糖蛋白質に対して免疫寛容になった動物を、糖鎖の
結合した可溶性糖蛋白質で免疫すればよい。これらの可
溶性糖蛋白質としては、例えば、絨毛膜癌患者や肝細胞
癌患者の血清中あるいはこれらの可溶性糖蛋白質を産生
する細胞の培養液から精製することができ、例えば、ア
ルファフェトプロテインの場合には、タケタらの方法
〔キャンサー レター(Cancer Lett.),31:325-331, 1
986 〕により分画されるアルファフェトプロテインのL
3画分を用いることが好ましい。
【0013】これらの糖鎖の結合した可溶性糖蛋白質の
使用量、投与部位、アジュバントの使用等の免疫の方法
は、従来の抗血清を得る方法に準ずればよい。例えば、
マウスを用いる場合には、マウス1匹あたり、1回につ
き0.001〜10mg、好ましくは0.01〜1mg
の糖鎖の結合した可溶性糖蛋白質を、初回はアジュバン
ト(例えば、フロイントの完全アジュバント)とよく混
合して、皮下又は腹腔内に投与する。さらに、2週間以
上経過後、糖鎖の結合した可溶性糖蛋白質のみを静脈
内、皮下又は腹腔内に投与すればよい。
【0014】このようにして最終免疫した後、1〜4週
間後に動物から血清を採取する。この血清を、例えば、
プロテインAカラム、好ましくは免疫に用いた糖鎖の結
合した可溶性糖蛋白質、例えばアルファフェトプロテイ
ンのL3画分、を固定化した単体(例えば、セファロー
ス等)を充填したカラムに吸着させ、溶出することによ
り、可溶性糖蛋白質の糖鎖部分に特異的に作用する抗体
を得ることができる。また、上記のようにして免疫寛容
になった動物、好ましくはマウス又はラットを、糖鎖の
結合した可溶性蛋白質で免疫し、抗体の産生を確認した
後に、この動物から脾臓細胞あるいは腸骨リンパ節細胞
を調製し、公知の方法によりモノクローナル抗体を産生
するハイブリドーマを得ることも可能である。
【0015】このようにして得られた抗体は、可溶性糖
蛋白質の糖鎖部分に特異的に作用するため、例えば、可
溶性糖蛋白質として癌患者に特有の糖鎖構造を有するア
ルファフェトプロテインを用いた場合には、この抗体を
用いて、黄疸のような良性の肝臓疾患患者で見られるア
ルファフェトプロテインと、肝臓癌等の癌患者に特異的
に見られるアルファフェトプロテインとを選択的に検出
することができる。
【0016】
【実施例】次に、本発明を実施例によって具体的に説明
する。
【0017】参考例1(糖鎖の結合していないアルファ
フェトプロテインの作成) モリナガ等〔プロシーディング オブ ザ ナショナル
アカデミー オブサイエンス ユーエスエー(Proc. N
atl. Acad. Sci. USA) 80, 4606-4608, 1983〕に記載の
ヒト由来アルファフェトプロテインの塩基配列に基づい
て、5’及び3’領域のプライマーを合成して、 Hepat
oma cDNAライブラリー(東洋紡社製、コードNo.CLHL101
5b)からPCR法を用いてアルファフェトプロテインを
コードする遺伝子断片を増幅し、アガロースゲル電気泳
動で目的のサイズのDNA断片を分離精製した。得られ
たDNA断片をブランティングキット(宝酒造社製)を
用いて末端を平滑化した後、両末端にEcoRI リンカー
(宝酒造社製)をライゲーションキット(宝酒造社製)
を用いて結合させた。得られたアルファフェトプロテイ
ンのDNA断片をEcoRI (宝酒造社製)で一晩分解した
後、アガロースゲル電気泳動により分離精製した。この
断片をpCDM 8ベクター(フナコシ社製、IV−3082
−01)のHindIII 部位にライゲーションキット(宝酒
造社製)を用いて結合させ、E. coli HB101 株(宝酒造
社製)を形質転換した。得られたコロニーからアルファ
フェトプロテイン遺伝子が正方向に挿入されているプラ
スミドを選択し、pCDM 8-AFPと命名した。
【0018】次に、pCDM 8-AFPにコードされるアルファ
フェトプロテインのアミノ酸残基Asp232に相当するコド
ンAATをAGTに代えたプラスミドを、PCR法を用
いた突然変異導入法により作製し、pCDM 8-AFP(NS)と命
名した。得られたpCDM 8-AFP(NS)をサル腎臓由来のCOS7
細胞(ATCC CRL 1651 )にDEAEデキストラン法を用いて
導入した。導入後の細胞をCO2 インキュベーター内で培
養して、アルファフェトプロテインを培地中に産生させ
た。この培養上澄を電気泳動で解析したところ、培養し
た細胞からは糖鎖の結合していないアルファフェトプロ
テインが産生されていた。この培養上清を回収し、抗ア
ルファフェトプロテイン抗体 NO.5107〔メディッ
クス バイオケミカ(Medix Biochemica)社製〕を抗体
/抗原固定化キットNo.44895(ピアス社製)を用
いて固定化した抗アルファフェトプロテイン抗体カラム
を用いて精製を行ったところ、電気泳動的にほぼ単一な
糖鎖の結合していないアルファフェトプロテイン(1)
を得た。10cm径のシャーレ50枚分の培養上清から
約1250μgの糖鎖の結合していないアルファフェト
プロテイン(1)を回収した。
【0019】参考例2(糖鎖の結合したアルファフェト
プロテインの作成) ヒト肝癌由来のHepG2 細胞(ATCC HB 8065)を培養し
〔培地:ミニマム エッセンシャル培地(Minimum Essen
tial medium) 41500-034, ライフテックオリエンタル社
製〕、糖鎖が結合したアルファフェトプロテインを培養
液中に蓄積させ、これを参考例1と同様にカラムクロマ
トグラフィーを利用して精製することにより、SDS 電気
泳動的にほぼ均一な糖鎖の結合したアルファフェトプロ
テインを得た。10cm径のプレート10枚分の培養上
清あたり約1400μg回収した。これをさらにタケタ
らの方法〔キャンサー レター(Cancer Lett.)1986,3
1,325-331 〕、すなわち、レクチンを含んだアガロース
ゲル電気泳動で分離し、L3に相当する画分から、糖鎖
の結合したアルファフェトプロテイン(2)300μg
を回収した。
【0020】実施例1 参考例1で作製した糖鎖の結合していないアルファフェ
トプロテインを産生するCOS7細胞を、ウサギの新生児3
匹(生後24時間以内)の腹腔に1×105 細胞/匹と
なるよう投与した。1ヵ月後、このウサギの耳から血清
を採取し、この血清の糖鎖の結合していないアルファフ
ェトプロテイン(1)に対する抗体価を酵素免疫定量法
(ELISA )により測定した。すなわち、96穴マイクロ
タイタープレートに参考例1で作成した糖鎖の結合して
いないアルファフェトプロテイン(1)を物理的に吸着
させ、これに、上記の方法で採取した血清をホスフェー
トバッファードサリン(PBS)で50、500、50
00倍に希釈したものを、それぞれ1ウエルあたり10
0マイクロリットルずつ加え、2時間室温(25℃)で
放置した後、PBSで洗浄し、さらに西洋ワサビ由来ペ
ルオキシダーゼ標識ヤギ抗ウサギIgG 抗体(バイオラッ
ド社製)を加えて2時間放置した。このプレートをPB
Sで洗浄した後、3,3’,5,5’,テトラメチルベ
ンチヂンと過酸化水素を含む基質液を加えて発色反応を
行ったところ、糖鎖の結合していないアルファフェトプ
ロテイン(1)に対する抗体はいずれの血清中にも含ま
れていなかった。
【0021】次に、参考例1で作成した糖鎖の結合して
いないアルファフェトプロテイン(1)50μgを等容
量のフロイントの完全アジュバント(ナカライテクス社
製)と混合してエマルジョンを作製し、これを上記のウ
サギに皮下投与して免疫した。さらに2週間後に、参考
例1で作成した糖鎖の結合していないアルファフェトプ
ロテイン(1)100μgを等容量のフロイントの完全
アジュバント(ナカライテクス社製)とエマルジョン化
し、これを追加投与した。さらに3週間後に参考例1で
作成した糖鎖の結合していないアルファフェトプロテイ
ン(1)単独で最終免疫を行い、その2週間後に耳から
採血して血清を分離採取した。この血清の糖鎖の結合し
ていないアルファフェトプロテイン(1)に対する抗体
価を上記と同様にして測定した。
【0022】その結果を表1に示す。なお、抗体価は、
3匹のウサギの血清を用いて得られたELISA における発
色強度(OD405 )の平均値で表した。
【0023】
【表1】
【0024】表1に示すように、いずれのウサギの血清
からも糖鎖の結合していないアルファフェトプロテイン
(1)に対する抗体は検出されなかった。このことか
ら、新生児のうちに糖鎖の結合していないアルファフェ
トプロテイン(1)を投与することで、糖鎖の結合して
いないアルファフェトプロテイン(1)に対する免疫寛
容が誘導されたことがわかる。
【0025】次に、このようにして免疫寛容が誘導され
たウサギの新生児3匹に、1ヵ月後、参考例2で作製し
た糖鎖の結合したアルファフェトプロテイン(2)50
μgを等容量のフロイントの完全アジュバント(ナカラ
イテクス社製)と混合してエマルジョンを作製し、これ
を皮下投与して免疫した。さらに2週間後に、参考例2
で作製した糖鎖の結合したアルファフェトプロテイン
(2)100μgを等容量のフロイントの不完全アジュ
バント(ナカライテクス社製)とエマルジョン化して追
加投与した。さらに3週間後に、参考例2で作製した糖
鎖の結合したアルファフェトプロテイン(2)単独で最
終免疫を行い、その2週間後に採血して血清49ミリリ
ットルを分離採取した。
【0026】次に、この血清の糖鎖の結合していないア
ルファフェトプロテイン(1)に対する抗体価を上記の
方法で測定した。また、糖鎖の結合したアルファフェト
プロテイン(2)を固定化した96穴マイクロタイター
プレートを作製し、同様にして糖鎖の結合したアルファ
フェトプロテイン(2)に対する抗体価を測定した。さ
らに、糖鎖の結合したアルファフェトプロテイン(2)
をグリコペプチダーゼF(宝酒造社製)で処理して糖鎖
部分を除去し、糖鎖の結合していないアルファフェトプ
ロテイン(3)を作製し、これを96穴マイクロタイタ
ープレートに固定し、同様にして糖鎖の結合していない
アルファフェトプロテイン(3)に対する抗体価を測定
した。
【0027】その結果を表2に示す。
【0028】
【表2】
【0029】表2に示すように、糖鎖の結合していない
アルファフェトプロテイン(1)及び糖鎖の結合してい
ないアルファフェトプロテイン(3)に対する抗体はい
ずれの血清からも検出されなかったのに対して、糖鎖の
結合したアルファフェトプロテイン(2)に対する抗体
は、すべての血清から検出された。このことから、得ら
れた抗体が、糖鎖の結合したアルファフェトプロテイン
(2)の糖鎖部分を認識していることがわかる。
【0030】実施例2 参考例1で作製した糖鎖の結合していないアルファフェ
トプロテイン(1)を産生するCOS7細胞を、BALB/cマウ
スの新生児(生後24時間以内)の腹腔に1×105
胞/匹となるように投与した。6週間後、参考例2で作
製した糖鎖の結合したアルファフェトプロテイン(2)
を、等容量のフロイントの完全アジュバント(ナカライ
テクス社製)とエマルジョン化し、これを皮下投与し
た。さらに2週間後、参考例2で作製した糖鎖の結合し
たアルファフェトプロテイン(2)をフロイントの不完
全アジュバント(ナカライテクス社製)とエマルジョン
化し、これを追加投与した。さらに2週間後、参考例2
で作製した糖鎖の結合したアルファフェトプロテイン
(2)単独で最終免疫を行い、その3日後に尾から採血
して血清を得た。この血清の糖鎖の結合していないアル
ファフェトプロテイン(1)、糖鎖の結合したアルファ
フェトプロテイン(2)及び糖鎖の結合していないアル
ファフェトプロテイン(3)に対する抗体価を実施例1
と同様にして測定したところ、糖鎖の結合したアルファ
フェトプロテイン(2)に結合する抗体のみが検出され
た。
【0031】そこで、このマウスの脾臓を摘出し、その
細胞をRPMI1640培地(ギコブ社製)に懸濁して
あらかじめ培養しておいた骨髄腫細胞NS-1(ATCC TIB 1
8)と、マウス1匹から得られる脾細胞5に対して骨髄腫
細胞1の割合で混合し、これを50重量%のポリエチレ
ングリコール4000(シグマ社製)を用いて融合し
た。細胞融合後の細胞をHAT培地〔GIT培地(日本
製薬社製)にHAT−Midia Supplemen
t(ベーリンガーマンハイム社製)を添加したもの〕に
懸濁した後、96穴マイクロタイタープレートに分注し
て37℃で10日間培養した。培養上清の糖鎖の結合し
たアルファフェトプロテイン(2)に対する抗体価を実
施例1と同様にして測定して糖鎖の結合したアルファフ
ェトプロテインに対して抗体産生陽性を示す穴を選び、
限界希釈法を2回繰り返すことによりクローニングを行
った。その結果、糖鎖の結合したアルファフェトプロテ
イン(2)を認識する抗体を産生するハイブリドーマ
株、MAH1〜5が得られた。得られたハイブリドーマ
株を10ミリリットルのGIT培地(日本製薬社製)で
培養し、培養上清を粗モノクローナル抗体液とした。こ
の粗モノクローナル抗体液の糖鎖の結合していないアル
ファフェトプロテイン(1)、糖鎖の結合したアルファ
フェトプロテイン(2)及び糖鎖の結合していないアル
ファフェトプロテイン(3)に対する抗体価を実施例1
と同様にして測定した。また、対照として、癌胎児性抗
原(スクリプスラボラトリー社製、C0214)に対す
る抗体価を同様にして測定した。
【0032】その結果を表3に示す。
【0033】
【表3】
【0034】表3に示すように、得られたモノクローナ
ル抗体はいずれも糖鎖の結合したアルファフェトプロテ
イン(2)に対して特異的に反応した。
【0035】参考例3 抗体/抗原固定化キットNo.44895(ピアス社製)
を用いて、抗アルファフェトプロテイン抗体 No.51
07〔メディックス バイオケミカ(Medix Biochemic
a)社製〕を固定化した抗アルファフェトプロテイン抗
体カラムを作製した。次に、494.2ng/ミリリッ
トル〔エルジア-AFPキット(ミドリ十字社製)を用いて
測定〕のアルファフェトプロテイン値を示す肝臓癌患者
の血清500ミリリットルをPBSで5倍に希釈した
後、PBSで平衡化した抗アルファフェトプロテイン抗
体カラムに通液し、非吸着画分を回収して、これをサン
プルAとした。また、同じ肝臓癌患者の血清500ミリ
リットルをPBSで5倍に希釈した後、抗アルファフェ
トプロテイン抗体を固定化していないカラム〔抗体・抗
原固定化キットNo.44895(ピアス社製)に添付〕
に通液し、非吸着画分を前記と同様にして回収し、これ
をサンプルBとした。サンプルBのアルファフェトプロ
テイン値は83.1ng/ミリリットルであった。さら
に、92.3ng/ミリリットルのアルファフェトプロ
テイン値を示す慢性肝炎患者の血清サンプルをサンプル
Cとした。
【0036】次に、実施例1で分離採取した血清から、
プロテインAカラムにより抗体を精製した。すなわち、
採取した血清10ミリリットルを50mMの炭酸ナトリ
ウム緩衝液(pH9.6)で50倍に希釈した後、同緩
衝液で平衡化したプロテインAセファロースカラム(ピ
アス社製)に通液した。通液後、50mMのトリス塩酸
緩衝液(pH8.6)で洗浄し、グリシン塩酸緩衝液
(pH2.3)で溶出を行った。抗体を含む画分を集め
てPBSに透析したところ、抗アルファフェトプロテイ
ン抗体を含む抗体溶液(総蛋白量1.2mg)が得られ
た。得られた抗体溶液を50mMの炭酸ナトリウム緩衝
液(pH9.6)で希釈して96穴マイクロタイタープ
レートに100マイクロリットルずつ分注し、4℃で一
晩放置した。この液を除去した後、各穴にさらに1%
(W/V)の牛血清アルブミン(BSA)、0.15Mの塩
化ナトリウムを含むPBSを充満させ、室温(25℃)
で2時間放置した。さらにこの液を除去し、0.2%
(W/V)のトゥイーン20(Tween20)、0.2%(W/V)
のBSA、0.15Mの塩化ナトリウムを含む20mM
のリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.2)からなる洗浄
液で各穴を洗浄し、抗アルファフェトプロテイン固相化
抗体プレートを作製した。
【0037】このようにして得られた抗アルファフェト
プロテイン固定化抗体プレートに、サンプルA、B及び
Cを順次希釈して50マイクロリットルずつ加え、90
分間室温(25℃)に放置した。このプレートを先に示
した洗浄液で3回洗浄した後、抗アルファフェトプロテ
インモノクローナル抗体No.5108(メディックス社
製)をPBSで3000倍に希釈したものを加えて30
分間室温(25℃)で放置した。その後、PBSで3回
洗浄し、さらに西洋ワサビ由来ペルオキシダーゼで標識
したヤギ抗ウサギIgG抗体(バイオラッド社製)を3
00倍に希釈したものを各穴に50マイクロリットルず
つ加え、室温(25℃)で1時間放置した。その後、洗
浄液で5回洗浄し、発色基質液を100マイクロリット
ル加えて室温(25℃)で30分間放置した。10%
(W/V)のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)50マイク
ロリットルを加えて反応を停止し、415nmの吸光度
を測定した。その結果を図1に示す。
【0038】図1は、本発明によって製造された抗体を
用いてアルファフェトプロテインを検出したときの結果
を示す図であり、縦軸に吸光度(A460)を、横軸に
希釈倍率を示しており、この図1に示すように、実施例
1で作製した抗体は、抗アルファフェトプロテイン抗体
で処理した肝臓癌患者の血清(サンプルA)には反応し
ないのに対して、抗アルファフェトプロテイン抗体で処
理していない肝臓癌患者の血清(サンプルB)とは反応
していることから、この抗体はアルファフェトプロテイ
ンに対して特異的であることがわかる。さらに、肝臓癌
患者の血清(サンプルB)に対する特異性は、慢性肝炎
患者の血清(サンプルC)に対する特異性に比べて非常
に高いことがわかる。このことから、本発明によって得
られた抗体を用いた測定用試薬を使用すれば、肝臓癌に
伴う糖鎖構造を有するアルファフェトプロテインを特異
的に検出することができる。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、可溶性糖蛋白質の糖鎖
部分に特異的に作用する糖鎖特異的抗体を容易に製造す
ることができる。また、本発明によって製造された糖鎖
特異的抗体を用いることにより、癌等の疾患に特有の糖
鎖構造を有する可溶性糖蛋白質を簡便に測定することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によって製造された抗体を用いてアルフ
ァフェトプロテインを検出したときの結果を示す図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // A61K 39/395 B C12N 15/02 (C12P 21/08 C12R 1:91)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 糖鎖の結合していない可溶性糖蛋白質に
    免疫寛容になった動物を、糖鎖の結合した可溶性糖蛋白
    質で免疫して可溶性糖蛋白質の糖鎖部分に特異的に作用
    する糖鎖特異的抗体を製造することを特徴とする糖鎖特
    異的抗体の製造方法。
JP27475394A 1994-11-09 1994-11-09 糖鎖特異的抗体の製造方法 Pending JPH08134100A (ja)

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