JPH08149991A - 脂肪族光学活性アルコールの生産方法 - Google Patents

脂肪族光学活性アルコールの生産方法

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JPH08149991A
JPH08149991A JP6317693A JP31769394A JPH08149991A JP H08149991 A JPH08149991 A JP H08149991A JP 6317693 A JP6317693 A JP 6317693A JP 31769394 A JP31769394 A JP 31769394A JP H08149991 A JPH08149991 A JP H08149991A
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alcohol
optically active
reaction
racemic
fatty acid
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JP6317693A
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Satoshi Negishi
聡 根岸
Junko Suzuki
順子 鈴木
Seiichi Shirasawa
聖一 白沢
Yukie Masuda
幸恵 増田
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Nisshin Oillio Group Ltd
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Nisshin Oil Mills Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 a)脂肪族ラセミ体アルコールと脂肪酸との
モノエステルおよびb)炭素数16以上の非光学活性か
つ非ラセミ体アルコールを、耐熱性リパーゼを用い、溶
媒を使用することなく、実質的に水分を含まない条件下
で、減圧状態かつ81℃以上にてエステル交換反応させ
ながら生成する光学活性アルコールを減圧蒸留して分離
する。 【効果】 耐熱性リパーゼを用いることにより、無溶媒
でも高融点の原料を使用でき、高温のエステル交換反応
が可能となり、該反応時間を短縮化できる。また高融
点、高沸点の原料を使用するため、エステル交換反応物
中の各成分の物理的性状の差を利用して、該反応物から
光学活性アルコールを高純度に、収率良く、簡便な手段
により分離できる。さらにエステル交換反応と光学活性
アルコールの分離、精製とを同時に行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は医薬品、農薬等の原料ま
たは中間原料、液晶等のファインケミカル分野の合成中
間体として重要な光学活性アルコールの製法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】光学活性アルコールは医薬品、農薬、強
誘電性液晶等のファインケミカル製品等の原料や合成中
間体として利用されており、近年、その需要の高まりと
ともに種々の化合物が開発されている。例えば脂肪族光
学活性アルコールでは、2−オクタノール、2−メチル
−1−ブタノール、1, 1, 1−トリフルオロ−2−ヘ
プタノール等の有用なものが多い。また光学活性アルコ
ールでは、その十分な機能発現のため、物質としての純
度のみならず光学的純度も高いものが要求される。
【0003】光学活性アルコールの物質純度を高めるた
めには溶剤抽出、分別、再結晶、単蒸留、共沸蒸留、分
子蒸留、カラムクロマトグラフィー等の公知の手段が利
用されている。一方、光学純度を高めるためにはラセミ
体アルコールからその鏡像異性体(対掌体)である光学
活性アルコールを酵素(リパーゼ、リポプロテインリパ
ーゼ、エステラーゼ、プロテアーゼ等)を用いて分割す
る方法が有効である。すなわち通常の高温をともなう化
学反応ではラセミ体アルコールから鏡像異性体を分離す
ることは困難であるが、前記酵素を用いる反応ではその
識別が可能となる。このためかかる酵素反応を利用した
光学活性アルコールの製造法が鋭意研究されている。
【0004】前記酵素を用いてラセミ体アルコールから
光学活性アルコールを分割する方法として、(i)ラセ
ミ体アルコールのエステルを加水分解する(特開平1−
137996号、特開平1−257484号各公報
等)、(ii)ラセミ体アルコールとトリグリセリドと
をエステル交換する(特開昭62−166898号、特
公平6−34752号公報)、(iii)ラセミ体アル
コールのエステルとアルコールとをエステル交換する
(特開昭63−173597号公報)等が提案されてい
る。
【0005】このうち(i)の方法は、多量の水を用い
る反応であるため、例えば低級2−アルカノールのよう
な水と親和性の高い脂肪族ラセミ体アルコールのエステ
ルを原料として所望の光学活性アルコールを高純度(物
質純度および光学純度ともに高いことを意味する。以下
同じ)で得ようとすれば、目的物に対して選択的溶解性
のある溶剤を大量に使用して抽出、分別等および/また
は共沸蒸留、分子蒸留あるいは分取液体クロマトグラフ
ィー等の、操作が煩雑かつ製造コストが高価になる精製
手段を用いなければならない。またこの方法では、水系
反応であること、反応副産物として例えばカルボン酸が
生成すること等により酵素が失活しやすく、粉末状酵素
を用いれば反応物から回収、再使用することは実際上困
難である。
【0006】(ii)および(iii)の方法では、反
応系中の水分量が微量であり、反応により酵素の失活の
原因となる物質も副生しないから、(i)のような水系
反応物から目的物を抽出、分離する操作は不要となり、
また酵素の回収、再使用も可能である。しかしながらか
かる酵素反応においてリパーゼを用いる場合、従来の反
応温度は通常20〜70℃程度、実質的には20〜50
℃であるため、原料はこの温度領域で液状となるものに
限定されるか、有機溶媒に溶解して反応させる必要があ
った。しかも反応時間は、前記のような低温反応では数
日間あるいはそれ以上の長期間を必要とするものであっ
た。
【0007】なお(ii)および(iii)のエステル
交換反応を従来法において無溶媒系で行う場合、前述の
ように実際上使用できる原料(ラセミ体アルコール、そ
のエステル、トリグリセリド、アルコール等)は、その
融点が酵素反応温度と同等もしくはそれ以下であること
を必要とし、したがって原料の融点や沸点、溶剤に対す
る溶解性等の物理的性状が相互に近似したものを採用せ
ざるを得ない。また(iii)の反応を有機溶媒系で行
う場合(例えば特開昭63−173597号公報)で
も、原料の一方であるアルコールは炭素数が1〜10の
ものであり、原料の他方であるラセミ体アルコールのエ
ステルと融点が近似している。このように物理的性状が
ほぼ近似する原料を使用すると、通常、原料成分と反応
成分とが複雑な平衡組成になるエステル交換反応物の中
から光学活性アルコールを効率良く分離回収し、その物
質的純度ならびに光学的純度を高めるための精製手段と
しては各成分の前記物性の差を利用し難く、結局(i
i)および(iii)の方法においても前記(i)の方
法と同様に煩雑かつ高価な精製方法、手段に依存しなけ
ればならないという問題点があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】かかる状況に鑑み、本
発明では、光学活性アルコールの製法において、酵素反
応を短時間で行い、なおかつ簡単な操作で目的物を高純
度に分離、精製できるような前記方法を開発することを
目的とした。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題点
を解決し、工業的に簡便かつ有利な方法で光学活性アル
コールを得るために鋭意研究を行った。その結果、特定
のラセミ体アルコールを脂肪酸でエステル化したモノエ
ステルと特定のアルコールとを原料とし、これを耐熱性
リパーゼを用いて減圧状態かつ高温でエステル交換反応
せしめることにより、該反応が短時間で完了し、かつ該
反応物から高純度の光学活性アルコールが簡単に高収率
で単離できることを見い出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0010】すなわち本発明の要旨は、a)脂肪族ラセ
ミ体アルコールと脂肪酸とのモノエステルおよびb)炭
素数16以上の非光学活性かつ非ラセミ体アルコールを
原料とし、耐熱性リパーゼを用い、前記原料の溶媒を使
用することなく、実質的に水分を含まない条件下で、減
圧状態かつ81℃以上にてエステル交換反応させながら
生成する光学活性アルコールを減圧蒸留して分離するこ
とを特徴とする光学活性アルコールの生産方法である。
【0011】以下に本発明を詳細に説明する。まず本発
明では、a)脂肪族ラセミ体アルコールと脂肪酸とのモ
ノエステルおよびb)炭素数16以上の非光学活性かつ
非ラセミ体アルコールを原料とする。a)のモノエステ
ルは脂肪族ラセミ体アルコールと脂肪酸とを公知の化学
的エステル合成法、例えば硫酸、塩酸、パラトルエンス
ルホン酸等の無機酸、亜鉛、スズ、ニッケル等の金属、
該金属の酸化物、塩化物等を触媒とし、脂肪族ラセミ体
アルコールと脂肪酸とを100〜250℃に加熱しなが
ら反応系から副生する水を除去してエステル化せしめ、
エステル化反応生成物を必要に応じてアルカリ(水酸化
ナトリウム、炭酸ナトリウム等)による脱酸処理、吸着
剤(活性炭、活性白土等)による脱色処理、減圧下に水
蒸気や窒素ガス吸込みによる脱臭処理を施して得ること
ができる。
【0012】ここに脂肪族ラセミ体アルコールとは、ラ
セミ体である直鎖状または側鎖状、飽和または不飽和
の、ハロゲン(塩素、臭素、フッ素)、酸素、窒素、リ
ン、イオウ等原子で置換されていてもよい脂肪族1級も
しくは2級アルコールをいう。かかる脂肪族ラセミ体ア
ルコールとしては、例えば2−ブタノール、2−ペンタ
ノール、2−ヘキサノール、2−ヘプタノール、2−オ
クタノール、2−ノナノール、2−デカノール、1−ペ
ンチン−3−オール、前記2−ブタノールから2−デカ
ノールまでの各2−アルカノールの1位炭素が塩素で置
換された1−クロロ−2−アルカノール、1, 1−ジク
ロロ−2−アルカノールおよび1, 1, 1−トリクロロ
−2−アルカノール、1−クロロ−2−プロパノール、
1, 1−ジクロロ−2−プロパノール、1, 1, 1−ト
リクロロ−2−プロパノール、前記2−ブタノールから
2−デカノールまでの各2−アルカノールの1位炭素が
臭素で置換された1−ブロモ−2−アルカノール、1,
1−ジブロモ−2−アルカノールおよび1, 1, 1−ト
リブロモ−2−アルカノール、1−ブロモ−2−プロパ
ノール、1, 1−ジブロモ−2−プロパノール、1,
1, 1−トリブロモ−2−プロパノール、前記2−ブタ
ノールから2−デカノールまでの各2−アルカノールの
1位炭素がフッ素で置換された1−フルオロ−2−アル
カノール、1, 1−ジフルオロ−2−アルカノールおよ
び1, 1, 1−トリフルオロ−2−アルカノール、1−
フルオロ−2−プロパノール、1, 1−ジフルオロ−2
−プロパノール、1, 1, 1−トリフルオロ−2−プロ
パノール等の2級アルコール、2,3−ジクロロ−1−
プロパノール、2, 3−ジブロモ−1−プロパノール、
2,3−ジフルオロ−1−プロパノール、3, 4−ジク
ロロ−1−ブタノール、3,4−ジブロモ−1−ブタノ
ール、3, 4−ジフルオロ−1−ブタノール、4, 5−
ジクロロ−1−ペンタノール、4, 5−ジブロモ−1−
ペンタノール、4,5−ジフルオロ−1−ペンタノー
ル、5, 6−ジクロロ−1−ヘキサノール、5,6−ジ
ブロモ−1−ヘキサノール、5, 6−ジフルオロ−1−
ヘキサノール、6,7−ジクロロ−1−ヘプタノール、
6, 7−ジブロモ−1−ヘプタノール、6, 7−ジフル
オロ−1−ヘプタノール、7, 8−ジクロロ−1−オク
タノール、7, 8−ジブロモ−1−オクタノール、7,
8−ジフルオロ−1−オクタノール、8, 9−ジクロロ
−1−ノナノール、8, 9−ジブロモ−1−ノナノー
ル、8, 9−ジフルオロ−1−ノナノール、9, 10−
ジクロロ−1−デカノール、9,10−ジブロモ−1−
デカノール、9,10−ジフルオロ−1−デカノール等
の1級アルコールをあげることができる。本発明では2
- アルカノールが好ましく、2- アルカノールの中でも
2- オクタノール、1, 1- ジフルオロ- 2- オクタノ
ール、1, 1, 1- トリフルオロ- 2- オクタノールが
より好ましい。
【0013】一方、脂肪酸としては直鎖状かつ飽和また
は不飽和のものを任意に使用でき、具体的にはn−ノナ
ン酸、カプリン酸、ラウリン酸、n−トリデカン酸、ミ
リスチン酸、n−ペンタデカン酸、パルミチン酸、n−
ヘプタデカン酸、パルミトオレイン酸、ステアリン酸、
オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、アラキジン酸
(20:0)、ベヘン酸(22:0)、エルシン酸(2
2:1)、リグノセリン酸(24:0)、セロチン酸
(26:0)、モンタン酸(28:0)、メリシン酸
(30:0)、ラクセロン酸(32:0)、ゲータ酸
(34:0)等を例示できる。なお前記( )内の数字
は各脂肪酸の総炭素数:炭素炭素間二重結合数を示す。
これらの脂肪酸は単独もしくは混合物として用いてよ
く、前記のほかには植物油脂、動物油脂、魚油、これら
の水素添加物の各加水分解脂肪酸あるいは前記油脂類の
各加水分解脂肪酸の水素添加物、モンタンワックス、カ
ルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワッ
クス、ひまわりワックス、ミツロウ、鯨ロウ、セラック
ロウ、虫白ロウ、さとうきびロウ、けしロウ、綿ロウ等
のワックス類の加水分解物から分離した高級ないし長鎖
脂肪酸等を用いてもよい。
【0014】なお本発明では、後述するようにエステル
交換反応温度が130℃を上限とするため、前記した脂
肪族ラセミ体アルコールと脂肪酸とは、そのモノエステ
ルが該温度において液状を呈するように組み合わせるこ
とが重要である。またエステル交換反応物から目的の光
学活性アルコールを分離する精製工程における簡便性の
点から、脂肪酸は前記のもののうち炭素数が16以上、
好ましくは18〜30、より好ましくは20〜28、最
も好ましくは22〜28の直鎖状飽和脂肪酸であること
が望ましい。炭素数が16未満の脂肪酸や側鎖状脂肪酸
等では光学活性アルコールを高純度かつ高収率で単離す
るための精製条件に厳密さを必要とする傾向が大きくな
る。炭素数が34を超える脂肪酸は工業的原料として入
手しにくい。本発明で用いる脂肪酸モノエステルは高融
点(好ましくは60℃以上、より好ましくは70℃以
上)であることが望ましい。
【0015】本発明のもう一方の原料であるb)炭素数
16以上の非光学活性かつ非ラセミ体アルコールの具体
例としては1−ヘキサデカノール(セタノール)、1−
ヘプタデカノール、1−オクタデカノール(ステアリル
アルコール)、オレイルアルコール、1−エイコサノー
ル、1−ドコサノール(ベヘニルアルコール)、1−テ
トラコサノール、1−ヘキサコサノール、1−オクタコ
サノール、1−ノナコサノール、ミリシルアルコール
(炭素数30)、メリシルアルコール(炭素数31)、
ラッセロール(炭素数32)等をあげることができる。
このうち炭素数が好ましくは16〜30、より好ましく
は18〜28の直鎖状飽和アルコールが望ましい。炭素
数が16未満のものでは精製工程において目的の光学活
性アルコールを分離しにくく、また炭素数が34を超え
るアルコールは工業的に入手しにくい。
【0016】本発明のエステル交換反応では耐熱性リパ
ーゼを用いることを特徴とする。これにより前記a)お
よびb)の原料を高温で液状に維持でき、従来法のよう
に原料を溶解させるための溶媒を必要とせず、またエス
テル交換反応を速やかに進行させることができ、さらに
高融点のエステル類およびアルコール類を使用すること
が可能となるため光学活性アルコールの分離、精製が容
易になる。
【0017】本発明の耐熱性リパーゼとは81℃以上で
もエステル交換活性を有するものをいい、例えば特公昭
58−36953号公報に記載のアルカリゲネス エス
ピー(Alcaligenes sp.PL−266)(微工研菌寄第
3187号)が生産するリパーゼPL−266、特公昭
60−15312号公報に記載のアルカリゲネス エス
ピー(Alcaligenes sp.PL−679)(微工研菌寄第
3783号)が生産するリパーゼPL−679、特公昭
59−156282号公報に記載のリゾプスキネンシス
(Rhizopus chinensis)を起源とするリパーゼ等をあげ
ることができ、このうち前二者が好ましい。本発明の実
施にあたっては、前記アルカリゲネスエスピー由来のリ
パーゼとして、名糖産業(株)製のリパーゼQLおよび
リパーゼPL(いずれも同社商品名)を用いるのが簡便
であり、とりわけリパーゼQLが望ましい。かかる耐熱
性リパーゼは活性炭、セライト、吸着性樹脂、イオン交
換樹脂、ガラスビーズ、セラミックス等の公知の担体に
固定化して用いてもよいが、後述するように粉末状態の
ままで原料に共存させることが望ましい。
【0018】エステル交換反応は、前記a)のラセミ体
アルコールのモノエステルとb)のアルコールとをa)
を基準にして1:5以下、好ましくは1:5〜3以下の
モル比率で混合して原料とし、該原料を溶解させるため
の有機溶媒を使用することなく、なおかつ実質的に水分
を含まない(すなわち原料中の平衡水分含量である約
0. 1重量%以下、望ましくは0. 05重量%以下の)
反応系に、好ましくは前記耐熱性リパーゼの粉末を分散
させ、攪拌もしくは振とうしながら反応を行う。このと
き耐熱性リパーゼ粉末の粒子の90%以上が1〜100
μm、好ましくは20〜50μmの大きさになるように
コントロールしてエステル交換反応を行うことが望まし
い。この粒子サイズをそろえる手段としては、必要に応
じて加温し溶解した原料に耐熱性リパーゼ粉末を分散さ
せた後、超音波処理、分散液の精密膜または限外ろ過膜
による濾過処理、遠心沈降処理等を施せばよいが、好ま
しくは反応温度以下、20〜150kHz 、100〜25
0Wの条件下で1〜30分間超音波を照射処理すること
が簡便である。
【0019】反応温度は81℃以上、より好ましくは9
1〜130℃、最も好ましくは101〜120℃に設定
し、減圧状態、好ましくは5〜1mmHgの減圧下で緩やか
に攪拌もしくは振とうしながら反応率を例えばガスクロ
マトグラフィーでチェックして、反応の進行にともない
生成してくるR体またはS体のいずれか一方に富む光学
活性アルコールを減圧蒸留させつつ所定の時間、望まし
くは数時間〜100時間エステル交換反応を行わせる。
反応温度が81℃を下回ると該反応の進行が遅くなり長
時間を必要とし、逆に130℃を超えると耐熱性リパー
ゼといえども失活する傾向が大きくなる。本発明におい
ては、とりわけ減圧状態でエステル交換反応させ、該反
応物中に生成、遊離してくる光学活性アルコールを減圧
留去させながら、前記エステル交換反応を行わせること
が重要である。この方法により該エステル交換反応が速
やかに進行する。
【0020】本発明のエステル交換反応物は、下記反応
【化1】 〔但し、(a):ラセミ体アルコールの脂肪酸モノエス
テル、(b):非光学活性かつ非ラセミ体アルコール、
(c):光学活性アルコールの脂肪酸モノエステル、
(d):非光学活性かつ非ラセミ体アルコールの脂肪酸
モノエステル、(e):光学活性アルコールである。〕
で示されるように、原料であるラセミ体アルコールのモ
ノエステルが非光学活性かつ非ラセミ体アルコールによ
っていわばアルコリシスされ、R体またはS体のいずれ
か一方の光学活性アルコールが遊離して生成するととも
に非光学活性かつ非ラセミ体アルコールの脂肪酸モノエ
ステルが新たに生成し、また未反応のR体またはS体の
いずれか一方の光学活性アルコールの脂肪酸モノエステ
ルも共存し、さらに未反応の原料成分をも含む多種成分
からなる組成物となる。しかも従来法ではこのような反
応物中の各成分の物理的性状が近似するため、光学活性
アルコールを回収するには複雑な精製工程を必要とした
が、本発明では原料として炭素数16以上の非光学活性
かつ非ラセミ体アルコールを用いることを特徴とし、こ
の物理的性状(融点、沸点、溶媒に対する溶解性等)が
前記ラセミ体アルコールとは大きく異なるため、光学活
性アルコールの単離が容易になる。
【0021】すなわち目的とするR体またはS体のいず
れか一方の光学活性アルコールは、前記減圧下に反応系
中の他成分とは十分に区別して容易に留去せしめて分離
でき、またこれにより反応平衡が前記反応式において右
側(生成物側)方向にずれるためエステル交換反応がさ
らに促進され、結果として高純度の光学活性アルコール
を高収率で単離することができる。なお本発明の方法で
はモノエステルのままで残存する未反応の鏡像異性体
は、反応物からカラムクロマトグラフィー等の公知方法
で分離し、酸(塩酸、硫酸等)またはアルカリ(水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム等)により加水分解すれば
同様に高純度で単離できる。また反応に使用した耐熱性
リパーゼは回収後、新たな同様のエステル交換反応に使
用できる。
【0022】
【実施例】以下の実施例および比較例において得られた
化合物の物質純度はガスクロマトグラフィー((株)島
津製作所製、GC−14A)を用いて、また光学純度は
旋光度計(日本分光(株)製、DIP−370)を用い
てそれぞれ測定し、その測定値を標準試料の値と比較す
ることにより算出した。
【0023】実施例1 アルカリゲネス エスピー(Alcaligenes sp. )由来の
リパーゼQL (名糖産業(株)製)10g、(R,S)
−2−オクタノールのステアリン酸モノエステル150
gおよびステアリルアルコール300gを500mlセパ
ラブルフラスコに入れ、80℃で超音波発生装置
((株)島津製作所製、SUS−103)を用いて45
kHz で1分間超音波を照射した。その後、95℃にて3
mmHgの減圧下で攪拌速度350rpm で攪拌し、15時間
エステル交換反応を行った。反応系の水分量(カールフ
ィッシャー法):0.04重量%、リパーゼ粒子のサイ
ズ(コールターエレクトロニクス社製の粒度分布測定装
置:マルチサイザーによる測定):95%以上が30〜
70μmであった。反応させながら減圧蒸留した留出物
をガスクロマトグラフィーで測定したところ、(R,
S)−2−オクタノールのステアリン酸モノエステルの
49モル%がエステル交換されており、(R)−(−)
−2−オクタノール(収率:90%、物質純度:99%
以上、光学純度:98%ee.)を得た。一方、反応終了
後、反応物からリパーゼをメンブレンフィルター0.5
μm(アドバンテック社製)を用いて濾過により取り除
いた後、残存する2−オクタノールのステアリン酸モノ
エステルをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離
し、アルカリ加水分解して(S)−(+)−2−オクタ
ノール(収率:90%、物質純度:99%以上、光学純
度:99%ee)を得た。
【0024】実施例2 アルカリゲネス エスピー(Alcaligenes sp. )由来の
リパーゼPL (名糖産業(株)製)10g、(R,S)
−2−デカノールのパルミチン酸モノエステル130g
およびn−ヘキサデカノール320gを500mlセパラ
ブルフラスコに入れ、実施例1と同様に超音波処理を行
った後、85℃にて1mmHgの減圧下で攪拌速度350rp
m で攪拌し、24時間エステル交換反応を行った。実施
例1に記載の方法で測定した反応系の水分量:0.03
重量%、リパーゼ粒子のサイズ:90%が20〜50μ
mであった。反応させながら減圧蒸留した留出物をガス
クロマトグラフィーで測定したところ、(R,S)−2
−デカノールのパルミチン酸モノエステルの50モル%
がエステル交換されており、(R)−2−デカノール
(収率:90%、物質純度:99%以上、光学純度:9
9%ee)を得た。一方、反応終了後、反応物からリパー
ゼを実施例1と同様に取り除いた後、残存する2−デカ
ノールのパルミチン酸モノエステルをシリカゲルカラム
クロマトグラフィーで分離し、アルカリ加水分解して
(S)−2−デカノール(収率:90%、物質純度:9
9%以上、光学純度:98%ee)を得た。
【0025】実施例3 実施例1に記載のリパーゼQL5g、(R,S)−1−
クロロ−2−オクタノールのモンタン酸モノエステル1
00gおよびベヘニルアルコール300gを500mlセ
パラブルフラスコに入れ、実施例1と同様に超音波処理
を行った後、110℃にて5mmHgの減圧下で攪拌速度2
50rpm で攪拌し、34時間エステル交換反応を行っ
た。実施例1に記載の方法で測定した反応系の水分量:
0.01重量%、リパーゼの粒子のサイズ:93%が2
0〜60μmであった。反応させながら減圧蒸留した留
出物をガスクロマトグラフィーで測定したところ、
(R,S)−1−クロロ−2−オクタノールのモンタン
酸モノエステルの50モル%がエステル交換されてお
り、(R)−1−クロロ−2−オクタノール(収率:8
1%、物質純度:99%以上、光学純度:99%ee)を
得た。一方、反応終了後、反応物からリパーゼを実施例
1と同様に取り除いた後、残存する1−クロロ−2−オ
クタノールのモンタン酸モノエステルをシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィーで分離し、アルカリ加水分解して
(S)−1−クロロ−2−オクタノール(収率:84
%、物質純度:99%以上、光学純度:99%ee)を得
た。
【0026】比較例1 実施例2において、n−ヘキサデカノールの代わりにミ
リスチルアルコール300gを用いて同様の条件で処理
したところ、(R,S)−2−デカノールのパルミチン
酸モノエステルの48モル%がエステル交換されてい
た。85℃、1mmHgの条件下で反応させながら蒸留を行
ったが、(R)−2−デカノールの収率:95%、物質
純度:89%、光学純度:76%eeであった。一方、反
応物中に残存する2−デカノールのパルミチン酸モノエ
ステルを同様にシリカゲルカラムクロマトグラフィーで
分離し、アルカリ加水分解して(S)−2−デカノール
(収率:60%、物質純度:93%、光学純度:98%
ee)を得た。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、ラセミ体アルコールの
エステルから光学活性アルコールを分割するにあたり、
耐熱性リパーゼを用いることにより、原料の溶媒を使用
することなく高融点の原料を使用でき、従来にはない高
温のエステル交換反応が可能となり、該反応時間を短縮
化できる。更に高融点、高沸点の長鎖アルコールを原料
として使用できるため、エステル交換反応物中の物理的
性状の差を利用して、該反応物からR体またはS体いず
れか一方の光学活性アルコールを、高純度に、収率良
く、簡便な精製手段により分離できる。本発明ではとり
わけエステル交換反応と光学活性アルコールの分離、精
製とを同時に行うことができる。また前記光学活性アル
コールとは対掌体のR体またはS体いずれか一方の光学
活性アルコールも容易に高純度に単離できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12N 9/20 C12R 1:05) C07M 7:00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 a)脂肪族ラセミ体アルコールと脂肪酸
    とのモノエステルおよびb)炭素数16以上の非光学活
    性かつ非ラセミ体アルコールを原料とし、耐熱性リパー
    ゼを用い、前記原料の溶媒を使用することなく、実質的
    に水分を含まない条件下で、減圧状態かつ81℃以上に
    てエステル交換反応させながら生成する光学活性アルコ
    ールを減圧蒸留して分離することを特徴とする脂肪族光
    学活性アルコールの生産方法。
  2. 【請求項2】 脂肪族ラセミ体アルコールが2- アルカ
    ノールである請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 脂肪酸が炭素数16以上の直鎖状飽和脂
    肪酸である請求項1または2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 耐熱性リパーゼがアルカリゲネス属に属
    する微生物から得られるものである請求項1〜3のいず
    れか1項に記載の方法。
  5. 【請求項5】 耐熱性リパーゼが粉末状であり、その粒
    子の90%以上が1〜100μmである請求項1〜4の
    いずれか1項に記載の方法。
  6. 【請求項6】 耐熱性リパーゼを用いるエステル交換反
    応温度が101〜120℃である請求項1〜5のいずれ
    か1項に記載の方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000003680A3 (en) * 1998-07-14 2000-03-30 Bernel Chemical Company Inc Emollient esters based upon capryl alcohol and isostearic acid
JP2012020984A (ja) * 2010-07-16 2012-02-02 Nippon Surfactant Kogyo Kk エステル誘導体並びに該エステル誘導体を含有する化粧料、外用剤、塗料及びインキ組成物

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000003680A3 (en) * 1998-07-14 2000-03-30 Bernel Chemical Company Inc Emollient esters based upon capryl alcohol and isostearic acid
US6126951A (en) * 1998-07-14 2000-10-03 Bernel Chemical Company, Inc. Emollient esters based upon capryl alcohol and isostearic acid
JP2012020984A (ja) * 2010-07-16 2012-02-02 Nippon Surfactant Kogyo Kk エステル誘導体並びに該エステル誘導体を含有する化粧料、外用剤、塗料及びインキ組成物

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