JPH0815550A - 光ファイバ位置決め部材とそれを用いた光ファイバの位置決め固定方法 - Google Patents

光ファイバ位置決め部材とそれを用いた光ファイバの位置決め固定方法

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JPH0815550A
JPH0815550A JP6150095A JP15009594A JPH0815550A JP H0815550 A JPH0815550 A JP H0815550A JP 6150095 A JP6150095 A JP 6150095A JP 15009594 A JP15009594 A JP 15009594A JP H0815550 A JPH0815550 A JP H0815550A
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groove
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Abstract

(57)【要約】 【構成】第2基板の接合面に半田との濡れ性の良い材質
からなる薄膜層を敷設するとともに、第1基板の凹部溝
を除く接合面にはAuからなる薄膜層を敷設し、上記第
1基板の凹部溝内に光ファイバを載置したあと、その上
方から第2基板により押圧して第1基板上の薄膜層を塑
性変形させて半田接合する。 【効果】半田により光ファイバを第1基板の凹部溝内に
押し付けることができるととに、凹部溝側に突出させた
Auからなる薄膜層により、半田の体積変化及び光ファ
イバの位置ずれを防止し、凹部溝の精度に光ファイバを
高精度に位置決め固定することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一方の基板に刻設した
凹部溝に光ファイバを載置し、他方の基板により光ファ
イバを挟持して位置決め固定する光ファイバ位置決め部
材とそれを用いた光ファイバの位置決め固定方法に関す
るものであり、具体的には、集積光部品をなす光導波
路、フォトダイオード、レーザーダイオード、集積光素
子などに光ファイバを接続するための光ファイバアレイ
や、光コネクタ、光スプライサーなどのフェルールに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、光導波路、フォトダイオー
ド、レーザーダイオード、集積光素子などの集積光部品
に複数の光ファイバを接続したり、光コネクタや光スプ
ライサーなどのように単数又は複数の光フィイバ同士を
接続する場合、接合面間での光の伝達損失を極力低減す
るために、整列させる複数の光ファイバには非常に高い
位置決め精度が要求されており、今日においては水平ピ
ッチ精度及び垂直ピッチ精度共に±0.5μm以下の精
度が要求されている。なお、水平ピッチ精度とは、水平
方向に並ぶ各光ファイバ間のずれ幅の平均値であり、垂
直ピッチ精度とは、基準となる水平線に対し垂直方向に
ずれた光ファイバのずれ幅の平均値を言う。
【0003】ところで、図8に示すように、光導波路3
0と複数の光ファイバ10とを接続する場合、光ファイ
バ10を上記位置決め精度に整列させるため、表面に複
数のV溝3を備えた光ファイバ位置決め部材11が用い
られており、上記光ファイバ位置決め部材11のV溝3
に各々の光ファイバ10を載置したあと、枝分かれした
光導波路30の光導波路通路31と各々の光ファイバ1
0を高精度に接続するようになっていた。
【0004】また、上記光ファイバ位置決め部材11
は、図6に示すように、接合面2aに8心のV溝3を高
精度に刻設してあり、その後端部に凹欠部4を備えた第
1基板2と、上記第1基板2より短い平板状の第2基板
5からなり、両基板2,5はプラスチックやガラス、あ
るいはセラミックスなどにより形成したものがあった。
そして、この光ファイバ位置決め部材11を用いてリボ
ン光ファイバ20内の各々の光ファイバ10を位置決め
固定する方法として、第1基板2のV溝3内に各々の光
ファイバ10を載置し、その上部に熱硬化性あるいは紫
外線硬化性を有するエポキシ系やアクリル系の接着剤1
5を塗布したあと、その上方から第2基板5を載置し、
熱を加えたり、光を当てて各々の接着剤15を硬化させ
ることにより第1基板2と第2基板5との間で各々の光
ファイバ10を挾持し、V溝3内に位置決め固定するよ
うにしたものがあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、一般的に接
着剤15は硬化する際に大きな体積変化を生じるという
問題があった。
【0006】その為、接着剤15でもって各々の光ファ
イバ10をV溝3内に位置決め固定した上記光ファイバ
位置決め部材11では、図7に示すように、接着剤15
の硬化に伴い第2基板5が横ずれを生じるとともに、光
ファイバ10が引っ張られてV溝3の側壁面3aから離
れてしまい、各々の光ファイバ10をV溝3内に位置決
め固定することができなかった。
【0007】また、接着剤15は環境変化によっても大
きな体積変化を生じるため、第1基板2のV溝3内に各
々の光ファイバ10を高精度に位置決め固定することが
できなかった。
【0008】即ち、接着剤15は大気中に存在する水分
を吸収するために体積膨張を生じ、その結果、光ファイ
バ10がV溝3の側壁面3aから離れてしまうといった
問題があった。また、高温下での使用時においても接着
剤15が体積変化を伴い、やはり光ファイバ10をV溝
3内に高精度に位置決め固定することができなかった。
【0009】本発明の目的は、長期にわたって環境変化
の影響を受けることなく、第1基板上に刻設した凹部溝
の精度に各々の光ファイバを位置決め固定することがで
きる光ファイバ位置決め部材を提供し、光ファイバを高
精度に位置決め固定することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は上記課
題に鑑み、第2基板の接合面に半田との濡れ性の良い材
質からなる薄膜層を敷設するとともに、第1基板の凹部
溝を除く接合面にはAuからなる薄膜層を膜厚2〜10
μmの範囲で敷設し、両基板を半田接合して光ファイバ
位置決め部材を構成したものである。
【0011】また、本発明は、上記第1基板の凹部溝内
に光ファイバを載置し、その上方を半田を塗布した上記
第2基板により押圧して前記第1基板のAuからなる薄
膜層を塑性変形させるとともに、半田接合することによ
り、前記第1基板の凹部溝内に光ファイバを高精度に位
置決め固定したものである。
【0012】
【作用】本発明によれば、第1基板と第2基板の接合面
にそれぞれ半田との濡れ性の良い薄膜層を敷設して半田
接合してあるため、両基板を強固に接合することができ
る。しかも、第1基板の凹部溝内には薄膜層を設けてい
ないため、光ファイバを凹部溝の精度に位置決め固定す
ることができる。
【0013】また、本発明によれば、第1基板に敷設す
る薄膜層として、環境変化に対して極めて高い安定性を
有するAuを用いていることから、長期使用において殆
ど変形を生じることがなく、第2基板の横ずれ及び第2
基板の横ずれに伴う光ファイバの位置ずれを防止するこ
とができる。
【0014】さらに、本発明によれば、第1基板に敷設
するAu薄膜層の膜厚を特定の範囲で設けるとともに、
光ファイバの固定時に上記第1基板の薄膜層を塑性変形
させてあることから、Auからなる薄膜層の一部が凹部
溝内の光ファイバを覆うように突出し、該薄膜層の突出
部により、光ファイバの位置ずれと、半田の体積変化を
抑えることができるため、光ファイバを凹部溝の側壁面
に強固に押さえ付けておくことができる。
【0015】
【実施例】以下に、本発明実施例を説明する。ただし、
従来例と同一部分については同一符号で示す。
【0016】図1(a)は本発明に係る光ファイバ位置
決め部材1を分解した斜視図で、図1(b)は(a)に
示す第2基板5の主要部を拡大した斜視図、図1(c)
は(a)に示す第1基板2の主要部を拡大した斜視図で
ある。
【0017】図1(a),(b),(c)に示すよう
に、本発明の光ファイバ位置決め部材1は、接合面2a
に高精度のV溝3を複数刻設してあり、その後端部に凹
欠部4を設けた第1基板2と、上記第1基板2より短い
平板状の第2基板5から構成してある。また、前記第2
基板5の接合面5aには、NiCr、Tiなどの金属や
TiN、CrN、TiCNなどの金属窒化物、あるいは
これらを積層した中間層9を介して半田との濡れ性の良
い材質からなる薄膜層8を敷設してあり、前記第1基板
2のV溝3を除く接合面2aには、上記第2基板5と同
様な中間層9を介して膜厚M2〜10μm、好ましくは
2〜7μmのAuからなる薄膜層7を敷設してある。な
お、半田との濡れ性の良い材質には、Au、Ni,S
n,Pb,Cu,及びAlなどの材質がある。
【0018】また、図2(a)は本発明に係る光ファイ
バ位置決め部材1により光ファイバ10を位置決め固定
した状態を示す斜視図で、リボン光ファイバ20の被覆
部21を第1基板2の凹欠部4に載置するとともに、被
覆部21を剥がした各々の光ファイバ10をそれぞれの
V溝3内に配置し、その上方から第2基板5を載置して
半田11で接合することにより、第1基板2と第2基板
5とで光ファイバ10を挾持し、V溝3内に位置決め固
定してある。
【0019】この時、図2(b)に示すように、各々の
光ファイバ10は、第1基板2に刻設したV溝3の側壁
面3aと完全に当接させて位置決めしてあり、光ファイ
バ10の上部は半田11により完全に覆ってあるため、
各々の光ファイバ10はV溝3の精度に高精度に位置決
め固定することができる。しかも、第1基板2の接合面
2a上に敷設したAuからなる薄膜層7の一部は、第2
基板5を押圧固定する際に塑性変形し、V溝3側に突出
することから、この薄膜層7の突出部7aにより、半田
11の体積変化を防止するとともに、光ファイバ10が
位置ずれを生じるのを阻止することができる。
【0020】このように、本発明の光ファイバ位置決め
部材1は、第1基板2及び第2基板5に半田11との濡
れ性の良い薄膜層7,8を敷設し、両基板2,5を半田
11で接合してあるため、従来の接着剤による接合と異
なり環境変化の影響を受け難く、また、第1基板2と第
2基板5を強固に接合することができる。しかも、第1
基板2の敷設する薄膜層7には、環境変化に対して極め
て高い安定性を有するAuを用いているため、長期使用
においても第2基板5が横ずれを生じることがなく、ま
た、前記第2基板5の横ずれに伴い光ファイバ10の位
置ずれを生じることもない。
【0021】なお、第1基板2に刻設する溝形状はV溝
3だけに限定するものではなく、光ファイバ10を正確
に、且つ高精度に位置決めできる形状であれば良く、こ
の他にU溝や半円溝、あるいは角溝などの凹部溝を形成
してあれば良い。また、上記第1基板2に刻設するV溝
3の数は8心に限定するものではない。
【0022】ところで、上記両基板2,5を構成する材
質としては、セラミックスやガラスにより形成すること
が好ましい。
【0023】例えば、セラミックスにおいてはアルミナ
セラミックスやジルコニアセラミックス、あるいは炭化
珪素質セラミックスや窒化珪素質セラミックスが良く、
さらにフォルステライト(2MgO・SiO2 )やマシ
ナブルセラミックス、あるいはサファイアなどにより形
成することもできる。特に、ジルコニアセラミックス、
炭化珪素質セラミックス、及び窒化珪素質セラミックス
は、結晶粒子が微細であるため、非常に高い面精度が得
られることから、高精度のV溝3を形成するのに最適で
ある。また、フォルステライト(2MgO・SiO2
やマシナブルセラミックスはガラス成分を含んでいるた
め、加工性に富み、高精度のV溝3を形成することがで
きる。さらに、ガラスにおいては特に結晶化ガラスが良
く、上記フォルステライト(2MgO・SiO2 )やマ
シナブルセラミックスと同様に、加工性に優れるとと
に、適度な硬度を備えているため、精度の高いV溝3を
容易に形成することができる。
【0024】一方、前記第1基板2に敷設するAuから
なる薄膜層7の膜厚Mを2〜10μmとしたのは、膜厚
Mが2μmより小さいと、膜厚Mが薄過ぎるために、第
2基板5により押圧して薄膜層7を塑性変形させても、
薄膜層7の一部をV溝3側に突出させることができない
からであり、逆に、膜厚Mが10μmより大きいと、塑
性変形した薄膜層7の突出部7aが光ファイバ10を覆
ってしまうために、光ファイバ11の上部に半田11を
充分充填することができず、光ファイバ11の位置ずれ
を生じるからである。
【0025】さらに、各基板2,5と薄膜層7,8との
間には、NiCr、Tiなどの金属やTiN、CrN、
TiCNなどの金属窒化物、あるいはこれらを積層した
中間層9を敷設してあり、これらの中間層9を設けるこ
とにより薄膜層7,8との密着強度を高めることができ
る。ただし、第1基板2に敷設する中間層9の膜厚Kが
厚くなりすぎると、薄膜層7の膜厚Mを薄くしなければ
ならず不都合を生じることから、膜厚Kの上限は0.3
μmとすることが望ましい。なお、可能であれば両基板
2,5に直接、Auからなる薄膜層7、及び半田11と
濡れ性の良い薄膜層8を敷設しても良い。
【0026】次に、図1に示す本発明に係る光ファイバ
位置決め部材1の製造方法を説明する。
【0027】図3(a)〜(c)は製造工程を示す図で
あり、まず、図3(a)に示すように、直方体をした第
2基板5の接合面5aに、NiCr、Tiなどの金属や
TiN、CrN、TiCNなどの金属窒化物、あるいは
これらを積層した中間層9を敷設したあと、その上面に
Au、Ni,Sn,Pb,Cu,及びAlのうち一種か
らなる薄膜層8を敷設し、さらに半田11を塗布する。
また、第1基板2には、図3(b)に示すように、後端
部に凹欠部4を形成するとともに、該凹欠部4以外の面
には第2基板5と同様な中間層9を敷設したあと、膜厚
Mが2〜10μm、好ましくは3〜7μmの範囲でAu
からなる薄膜層7を敷設する。
【0028】なお、両基板2,5に敷設する中間層9
は、イオンプレーティング法、スパッタリング法、真空
蒸着法やPVD(Physical Vayor Deposition)、CVD
(Chemical Vayor Deposition)等の薄膜成形手段により
形成することができ、さらに上記中間層9の上面に敷設
する薄膜層7,8も上記薄膜成形手段により形成すれば
良い。ただし、上記薄膜成形手段では、2〜10μmの
膜厚Mを有する薄膜層7を形成することは難しいため、
1μm以下の薄膜層7を前記薄膜成形手段により敷設し
たあと、メッキ処理を施すことにより、膜厚M2〜10
μmのAuからなる薄膜層7を設ければ良い。
【0029】次に、図3(c)に示すように、第1基板
2の薄膜層7の上方から切削加工を施して高精度のV溝
3を8心刻設する。ただし、図4に示すように、V溝3
を形成する際、光ファイバ10をV溝3に載置した時
に、光ファイバ10の上面が第1基板2の薄膜層7の上
面より低くなるように設けることが必要であり、好まし
くはその段差長Lが1μm以上となるようにすることが
好ましい。
【0030】即ち、光ファイバ10の上面が第1基板2
の薄膜層7の上面と同等高さ、あるいは薄膜層7の上面
から突出していると、第2基板5を押圧固定する際に光
ファイバ10を破損する恐れがあるためであり、また、
光ファイバ10を破損しなかったとしてもAuからなる
薄膜層7を塑性変形させることができず、V溝3側に薄
膜層7の一部を突出させることができないからである。
【0031】なお、第1基板2の他の製造方法として、
第1基板2の接合面2aに、前記中間層9を介し、前記
薄膜成形手段により1μm以下のAuからなる薄膜層を
敷設したあと、切削加工を施してV溝3を刻設し、その
後V溝3を除く面にAuメッキ処理して2〜10μmの
膜厚Mを有する薄膜層7を敷設することにより、図3
(c)に示すような第1基板2を製造することもでき
る。
【0032】以上のようにして形成した第1基板2上に
第2基板5を押圧し、半田11で接合すれば、本発明に
係る光ファイバ位置決め部材1を得ることができる。
【0033】次に、本発明の光ファイバ位置決め部材1
を用いた光ファイバ10の固定方法を説明する。
【0034】まず、第1基板2の凹欠部4にリボン光フ
ァイバ20の被覆部21を載置するとともに、被覆部2
1を剥がした各々の光ファイバ10をそれぞれのV溝3
内に配置し、光ファイバ10がV溝3の側壁面3aと当
接するように載置する。そして、光ファイバ10の上部
に半田11を塗布した第2基板5を載置して押圧し、第
1基板2上のAuからなる薄膜層7の一部がV溝3側に
突出するまで塑性変形させるとともに、半田11が溶融
する温度まで加熱して半田11で接合する。
【0035】このように形成すれば、図2(b)に示す
ように、光ファイバ10とV溝3、および第2基板5と
で形成される空間Aに半田11が完全に充填されるた
め、光ファイバ10をV溝3の側壁面3aと完全に当接
させることができるとともに、半田11がV溝3の底面
3bにまで流入することがないため、V溝3の精度に光
ファイバ10を位置決め固定することができる。しか
も、第1基板2に敷設するAuからなる薄膜層7を塑性
変形させて接合してあるため、薄膜層7の一部がV溝3
内の光ファイバ10を覆うように突出し、この突出部7
aにより半田11の体積変化を防止することができると
ともに、光ファイバ10の位置ずれを阻止することがで
きる。その為、長期使用においても各々の光ファイバ1
0を高精度に位置決め固定することができる。
【0036】また、本発明に係る光ファイバ位置決め部
材1の他の実施例として、図5に示すような第1基板と
同等の長さを有し、後端部に凹欠部6を備えた第2基板
を用意し、V溝3内に光ファイバ10を位置決めした第
1基板2と半田11で接合したものでも良く、このよう
な構造とすれば、リボン光ファイバ20の被覆部21
を、第1基板2の凹欠部4と第2基板5の凹欠部6とで
挾持することができるため、外部からリボン光ファイバ
20に応力が加わったとしても、V溝3内に位置決め固
定する光ファイバ10を破損させることがない。また、
図5に示すように、光ファイバ10を位置決め固定した
光ファイバ位置決め部材1の先端部を斜めに切除しても
よく、この場合、相手部材の当接部を光ファイバ位置決
め部材1の先端部と整合するように斜めに切除しておけ
ば、より高精度に接続することができる。
【0037】(実験例1)ここで、第1基板2に敷設す
るAuからなる薄膜層7の膜厚Mをそれぞれ変化させた
光ファイバ位置決め部材1を用意し、光ファイバ10を
位置決め固定した時の組み立て精度について測定した。
【0038】測定試料には、基板2,5材料としてアル
ミナセラミックスを用い、接合面5aに、Ta2 N層、
NiCr層の順で積層した中間層9を介してAuからな
る薄膜層8を敷設し、さらに半田11を塗布した第1基
板5と、接合面2aに第1基板5と同様な中間層9及び
Auからなる薄膜層7を敷設するとともに、上記第1基
板2に、溝深さが160±0.3μmで、且つ角度60
°±0.2°の精度を有するV溝3を、250±0.2
μmのピッチで8心刻設した光ファイバ位置決め部材1
を用意した。そして、上記第1基板2のV溝3に8本の
光ファイバ11をそれぞれ載置したあと、その上方から
第2基板5により押圧して半田11で接合した。また、
他の比較例として、アルミナセラミック製の第1基板2
上に、石英ガラス製の第2基板5を熱硬化性接着剤15
により接合した光ファイバ位置決め部材11の組み立て
精度についても同様に測定した。
【0039】なお、評価基準としては、水平方向のピッ
チ精度及び鉛直方向のピッチ精度が共に±0.5μm以
下のものを優れているとした。
【0040】それぞれの結果は表1に示す通りである。
【0041】
【表1】
【0042】表1より判るように、まず、試料8の接着
剤15によるものでは、接着剤15の硬化に伴い光ファ
イバ10が位置ずれを生じ、水平方向のピッチ精度を±
0.5以下とすることができなかった。
【0043】また、試料1では、第1基板2に敷設する
薄膜層7の膜厚Mが2μm以下と薄いため、薄膜層7を
塑性変形させてV溝3側に薄膜層7からなる突出部を形
成することができなかった。その結果、半田11のみの
固定となり、水平方向のピッチ精度及び鉛直方向のピッ
チ精度とも±0.5μm以下とすることができなかっ
た。さらに、試料7では、薄膜層7の膜厚Mが厚すぎる
ため、光ファイバ10の上部に半田11を充分充填する
ことができなかった。その結果、水平方向のピッチ精度
が±0.8μm、鉛直方向のピッチ精度が±0.9μm
と基準値から大きく外れた。
【0044】これに対し、本発明の範囲にある試料2〜
6は、薄膜層7の膜厚Mが2〜10μmの範囲にあるた
め、全て水平方向のピッチ精度及び鉛直方向のピッチ精
度を共に±0.5μm以下とすることができ、基準値を
満足することができた。
【0045】(実験例2)次に、上記表1に示す試料を
用いて、ヒートサイクル試験を行い、その時の各々の光
ファイバの位置決め精度について測定を行った。
【0046】ヒートサイクル試験の試験条件は、−40
℃から75℃まで3時間かけて昇温したあと、1時間そ
の温度を保持し、次に75℃から−40℃まで3時間か
けて降温したあと、その温度で1時間保持することを1
サイクルとして42サイクル行ったあとの光ファイバの
水平方向のピッチ精度及び鉛直方向のピッチ精度につい
て測定を行った。
【0047】ただし、評価基準としては、水平方向のピ
ッチ精度及び鉛直方向のピッチ精度が共に±0.6μm
以下のものを優れているとした。
【0048】それぞれの結果は表2に示す通りである。
【0049】
【表2】
【0050】表2より判るように、試料No.8の接着
剤15によるものでは、接着剤15の体積変化に伴い水
平方向のピッチ精度が±0.7、鉛直方向のピッチ精度
が±0.8と大きく位置ずれを生じ、基準値を満足する
ことができなかった。
【0051】また、試料No.1では、水平方向のピッ
チ精度及び垂直方向のピッチ精度とも組み立て時の精度
と同じであったが、組み立て時の精度が悪いため、垂直
方向のピッチ精度が基準値を満足しなかった。
【0052】さらに、試料No.7では、組み立て時の
精度よりさらに大きく外れ、基準値を全く満足すること
ができなかった。
【0053】これに対し、本発明の範囲にある試料N
o.2〜6のものは、薄膜層7の膜厚Mが2〜10μm
の範囲にあるため、全て水平方向のピッチ精度及び鉛直
方向のピッチ精度とも±0.6以下とすることができ
た。特に、試料No.2〜4のものは、薄膜層7の膜厚
Mが2〜7μmの範囲にあるため、優れた位置決め精度
を実現することができた。
【0054】
【発明の効果】以上のように、本発明の光ファイバ位置
決め部材は、第2基板の接合面に半田との濡れ性の良い
材質からなる薄膜層を敷設するとともに、第1基板の凹
部溝を除く接合面にはAuからなる薄膜層を敷設し、両
基板を半田接合して構成してあることから、第1基板と
第2基板を強固に接合できるとともに、光ファイバを第
1基板と第2基板との間で挾持し、凹部溝内で高精度に
位置決め固定することができる。
【0055】また、本発明は第1基板の凹部溝内に光フ
ァイバを載置したあと、その上方を第2基板により押圧
して第1基板上のAuからなる薄膜層を塑性変形させる
ことにより、薄膜層の一部を凹部溝側に突出させてある
ため、光ファイバの位置ずれを防止するとともに、半田
の体積変化も抑えることができるため、光ファイバを凹
部溝の側壁面に強固に当接させることができる。
【0056】その為、本発明の光ファイバ位置決め部材
を用いて光ファイバを位置決め固定すれば、集積光部品
あるいは複数の光ファイバ同士を高精度に接続すること
ができるため、光の伝達損失が極めて少ない接続が可能
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明に係る光ファイバ位置決め部材
を示す分解図であり、(b)は(a)に示す第2基板の
主要部を拡大した斜視図、(c)は(a)に示す第1基
板の主要部を拡大した斜視図である。
【図2】(a)は本発明に係る光ファイバ位置決め部材
により光ファイバを位置決め固定した状態を示す斜視図
であり、(b)はその主要部を拡大した断面図である。
【図3】(a)〜(c)は本発明に係る光ファイバ位置
決め部材の製造工程を示す図である。
【図4】本発明に係る光ファイバ位置決め部材を構成す
る第1基板の凹部溝に光ファイバを載置した状態を示す
部分断面図である。
【図5】本発明に係る光ファイバ位置決め部材の他の実
施例を示す斜視図である。
【図6】従来の光ファイバ位置決め部材により光ファイ
バを位置決め固定した状態を示す斜視図である。
【図7】図6の主要部を拡大した断面図である。
【図8】光導波路と複数の光ファイバを光ファイバ位置
決め部材により接続した状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…光ファイバ位置決め部材 2…第1基板 3…V溝 4…凹欠部 5…第2基板 7…Auからなる薄膜層 8…半田との濡れ性の良い材質からなる薄膜層 9…中間層 10…光ファイバ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1基板に刻設した凹部溝内に光ファイバ
    を載置し、第2基板により光ファイバを挟持して位置決
    め固定した光ファイバ位置決め部材において、前記第2
    基板の接合面には半田との濡れ性の良い材質からなる薄
    膜層を敷設するとともに、前記第1基板の凹部溝を除く
    接合面にはAuからなる薄膜層を膜厚2〜10μmの範
    囲で敷設し、両基板を半田接合してなる光ファイバ位置
    決め部材。
  2. 【請求項2】上記第1基板に刻設した凹部溝内に光ファ
    イバを載置し、その上方から半田を塗布した上記第2基
    板で押圧することにより、前記第1基板のAuからなる
    薄膜層を塑性変形させるとともに、加熱により半田接合
    してなる請求項1に記載の光ファイバ位置決め部材を用
    いた光ファイバの位置決め固定方法。
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