JPH0816264B2 - エレクトロンビームアシスト成膜装置 - Google Patents

エレクトロンビームアシスト成膜装置

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JPH0816264B2
JPH0816264B2 JP60048378A JP4837885A JPH0816264B2 JP H0816264 B2 JPH0816264 B2 JP H0816264B2 JP 60048378 A JP60048378 A JP 60048378A JP 4837885 A JP4837885 A JP 4837885A JP H0816264 B2 JPH0816264 B2 JP H0816264B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は光学用薄膜の成膜に関するものであり、詳し
くは高精度レンズのコーティング薄膜用の成膜装置に関
する。
〔従来技術〕
レンズ表面等に設けられる反射防止膜などの薄膜は、
レンズの組立時および使用時にキズがつかないように、
成膜時においてレンズとの接着性および膜の硬度の向上
のためにさまざまな方法がとられている。
特に成膜時に加熱処理によって膜の機械的性質を強く
する蒸着法(ハードコーティング)はその有力な方法の
1つである。この蒸着法によってレンズを成膜するに
は、250℃以上の高温で加熱を行うのが一般的である。
しかしながら、半導体機器の光学系に使われる高精度
レンズやビデオ光学系または一般撮影系に使われる貼合
せレンズへの成膜は、高温加熱による面精度、屈折率の
微小変化および貼合せ破壊が問題になる。
このため、従来では精度維持および貼合せ破壊防止の
ため、成膜時にレンズ加熱を150℃以下にして単層また
は多層膜を真空蒸着により成膜していたが、定温成膜の
ための薄膜の密着性および膜自体の硬度の低下を生じ、
光学系の組立時などにおいて膜キズ、膜ハガレ等の不良
が起きやすいという問題点があった。
また、他の成膜方法としては、蒸発粒子をイオン化し
た後に加速させることで蒸発粒子に高エネルギーを与
え、基板上に成膜される薄膜の密着性を向上させるイオ
ンプレーティング法と呼ばれる方法も知られている。イ
オンプレーティング法は、基板を陰極にすると共に蒸発
源を陽極にし、成膜室内に導入されたガスに電界を印加
してプラズマを形成させ、蒸発源から蒸発させた粒子を
イオン化するものである。この方法によると、イオンに
よる基板表面のクリーニング効果や蒸発粒子への運動エ
ネルギーの付与により薄膜と基板との密着性は向上する
が、イオンが基板に付着して形成された膜をスパッタし
て破損すると同時に基板温度を上昇させてしまう。この
ため、従来の蒸着法(ハードコーティング法)と同様に
面精度や屈折率の微小変化が問題となる。
〔発明の目的〕
本発明は上記の如き従来技術の問題点に鑑み、低温で
従来の基板加熱方法によって成膜された膜と同じ光学特
性を維持し、なおかつ高密着、高硬度の膜を形成できる
成膜装置を提供することにある。
〔発明の要旨〕
本発明によれば、上述の目的は、 成膜室内で蒸着源から蒸着分子を発生させ基板上に光
学用薄膜を成膜する際、正電圧の印加された蒸着ドーム
に前記基板を支持させ、前記基板に向けてエレクトロン
放射用フィラメントからエレクトロンを放射することを
特徴とするエレクトロンビームアシスト成膜装置、 を提供することで達成される。
〔実施例〕
以下、図面を用いて本発明の具体的実施例を説明す
る。
第1図は本発明の低温蒸着多層膜を成膜するエレクト
ロンビームアシスト成膜装置(以下、単に成膜装置と称
す)の概略図である。該成膜装置は成膜室1を有し、こ
の成膜室1は排気導管2を通じて真空源(図示せず)に
接続されている。
成膜室1の底部には、蒸着源3が配置されており、該
蒸着源3上には蒸発物質4が収容される。蒸着源3とし
ては電子ビーム方式を採用している。
成膜室1内の頂部付近には、基板支持用ドーム(蒸着
ドーム)5が設けられており、該ドーム5上にレンズな
どの基板6が支持固定される。この基板支持用ドーム5
は成膜室1の外のバイアス電源7に接続されており、正
電圧が印加されるようになっている。
また基板支持用ドーム5の下には、エレクトロン放射
用電源8に接続されているエレクトロン放射用フィラメ
ント9が取りつけられ、該フィラメント9からエレクト
ロン10を放射する。
この成膜装置は蒸着源3から蒸発した蒸着分子がエレ
クトロン放射用フィラメント9から発生したエレクトロ
ン10により加速され正電圧が印加された基板支持用ドー
ム5上の基板6に被膜を形成する装置である。
次に、本発明のエレクトロンビームアシスト成膜装置
による成膜例を多層反射防止膜を例にとり説明する。
実施例1 成膜に際しては成膜室1の圧力を1.0×10-5Torrまで
排気し、しかる後基板6の表面をきれいにするためエレ
クトロン放射用熱フィラメント9に加速電圧2〜4kV
印加し、30Aの電流を流す。一方バイアス電源7によっ
てバイアス電圧200〜500voltを印加し4〜5分清浄処
理した後上記操作を停止すること無く、上記の操作と並
行して徐々に加熱された蒸着源3の5酸化タンタル(Ta
2O5)を蒸発させ前述の熱フィラメント9から放射され
るエレクトロン10のアシストにより、光学的膜厚0.05λ
(λ=500nm)の5酸化タンタル(Ta2O5)膜の第1層を
基板6上に形成させる。このエレクトロンビームアシス
トにより形成されたTa2O5は基板に固着され高密度、高
硬度の成膜を可能にする。
次に下記の手順で第1層と同じ方法で第2層以後を形
成する。
1) 第1層の上に第1層と同じ方法でアルミナ(Al2O
3)を蒸着源3で蒸着し前述のエレクトロン10のアシス
トにより、光学的膜厚0.14λのアルミナ(Al2O3)膜の
第2層を形成させる。
2) 第2層の上に第1層と同じ方法で5酸化タンタル
(Ta2O5)を蒸着源3で蒸着し前述のエレクトロン10の
アシストにより光学的膜厚0.3λの5酸化タンタル(Ta2
O5)膜の第3層を形成させる。
3) 第3層の上に第1層と同じ方法で、アルミナ(Al
2O3)を蒸着源3で蒸着し前述のエレクトロン10のアシ
ストにより光学的膜厚0.02λのアルミナ(Al2O3)膜の
第4層を形成させる。
4) 第4層の上に第1層と同じ方法で、5酸化タンタ
ル(Ta2O5)を蒸着源3で蒸着し前述のエレクトロン10
のアシストにより、光学的膜厚0.2λの5酸化タンタル
(Ta2O5)膜の第5層を形成させる。
5) 第5層の上に、第1層と同じ方法で弗化マグネシ
ウム(MgF2)を蒸着源3で蒸着し前述のエレクトロン10
のアシストにより光学的膜厚0.2λの弗化マグネシウム
(MgF2)膜の第6層を形成させる。
6) 第6層の上に第1層と同じ方法で2酸化珪素(Si
O2)を蒸着源3で蒸着し前述のエレクトロン10のアシス
トにより光学的膜厚0.04λの2酸化珪素(SiO2)膜を第
7層を形成させる。
このようなエレクトロンビームアシスト成膜法によれ
ば成膜蒸着源により輻射熱とエレクトロンビーム放射熱
合わせても60℃程度しかならず高温による面精度及び屈
折率の変化をなくすことができる。
第2図は上記の7層反射防止膜の拡大概略図を示した
もので、第2図において6は硝子等の基板、11はTa2O5
膜の第1層、12はAl2O3膜の第2層、13はTa2O5膜の第3
層、14はAl2O3膜の第4層、15はTa2O5膜の第5層、16は
MgF2膜の第6層、17はSiO2膜の第7層である。
第3図は第2図の反射防止膜の分光反射率特性を示し
た図であり、横軸は波長(nm)、縦軸は反射率(%)を
示している。第3図から明らかなように該反射防止膜は
可視域において反射率が0.5%以下の良好な分光反射率
特性を有している。
実施例2 第4図は、第2実施例であり本発明のエレクトロンビ
ームアシスト成膜装置により成膜された低温蒸着反射防
止膜の拡大断面図を示したものである。
その構成は、第1実施例において第1層11、第3層1
3、第5層15の構成物質である5酸化タンタル(Ta2O5
に代えて、酸化ジルコニウム(ZrO2)/2酸化チタン(Ti
O2)=6/1(モル比)を使用し、第1層、第3層、第5
層を形成した7層構成の反射防止膜である。
すなわち、第4図において、6は硝子等の基板、18は
ZrO2/TiO2膜の第1層、19はAl2O3膜の第2層、20はZrO2
/TiO2膜の第3層、21はAl2O3膜の第4層、22はZrO2/TiO
2膜の第5層、23はMgF2膜の第6層、24はSiO2膜の第7
層である。
この第2実施例の分光反射率特性も第3図に示した第
1実施例の分光反射率特性とまったく同じ特性を示す。
以上述べてきたような本発明のエレクトロンビームア
シスト成膜装置によって作られた2つの低温蒸着反射防
止膜の強度を調べるために、密着性テスト、耐溶剤性テ
スト、耐摩耗テスト、耐環境テストの4つのテストを行
った。各テストの内容は以下に示すとおりである。
1) 密着性テスト;上記反射防止膜の表面にセロハン
テープ(ニチバン)を接着させた後この表面にほぼ垂直
な角度で、すばやくとりのぞくテストを50回繰返し、蒸
着膜の剥離が生ずるか調べる。
2) 耐溶剤性テスト;上記反射防止膜の表面の1ケ所
をエーテル、アルコール混合液をふくんだレンズ拭き紙
(シルボン紙)で2.5〜3kg/cm2圧で50往復こすり、異常
が生じるか調べる。
3) 耐摩耗テスト;上記反射防止膜の表面をレンズ拭
き紙(シルボン紙)を包んだ測定子で耐摩耗往復動試験
機を用い5kg/cm2の圧で50往復こすり、異常が生ずるか
調べる。
4) 耐環境テスト;上記反射防止膜の成膜基板を温度
45℃、相対湿度95%の恒温恒湿槽中に1000時間放置し、
異常が生ずるか調べる。
この4テストの結果は、どのテストにおいても異状が
みられず、従来の低温成膜法で作られた膜に比べて、本
発明の成膜装置により成膜された膜は極めて強い膜であ
ることが判明した。
〔発明の効果〕
以上、詳細に述べてきたように、本発明のエレクトロ
ンビームアシスト成膜装置は、60℃の低温で成膜でき、
従来の250℃以上の高温加熱によって得られた膜と同等
の光学特性と密着性、硬度をもち、高温加熱ができなか
った高精度レンズ、貼合せレンズの成膜に非常に有効で
ある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のエレクトロンビームアシスト成膜装置
の概略図である。 第2図、第4図はそれぞれ本発明のエレクトロンビーム
アシスト成膜装置によって成膜された多層構成の反射防
止膜の拡大図であり、第3図はそれらの分光反射率特性
である。 1……成膜室、3……蒸着源、4……蒸着物質、6……
基板、7……バイアス電源、9……エレクトロン放射用
フィラメント。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】成膜室内で蒸着源から蒸着分子を発生させ
    基板上に光学用薄膜を成膜する際、正電圧の印加された
    蒸着ドームに前記基板を支持させ、前記基板に向けてエ
    レクトロン放射用フィラメントからエレクトロンを放射
    することを特徴とするエレクトロンビームアシスト成膜
    装置。
JP60048378A 1985-03-13 1985-03-13 エレクトロンビームアシスト成膜装置 Expired - Fee Related JPH0816264B2 (ja)

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