JPH08164683A - 感熱孔版印刷用原紙 - Google Patents

感熱孔版印刷用原紙

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Publication number
JPH08164683A
JPH08164683A JP6312196A JP31219694A JPH08164683A JP H08164683 A JPH08164683 A JP H08164683A JP 6312196 A JP6312196 A JP 6312196A JP 31219694 A JP31219694 A JP 31219694A JP H08164683 A JPH08164683 A JP H08164683A
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JP
Japan
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film
base paper
fibers
fiber
support
Prior art date
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Application number
JP6312196A
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English (en)
Inventor
Yukio Kawazu
幸雄 河津
Kenji Kida
健次 喜田
Hideyuki Yamauchi
英幸 山内
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】ポリエステルフィルムと合成繊維からなる多孔
性支持体とを接着してなる感熱孔版印刷用原紙におい
て、レーザーラマン分光法により求めた支持体繊維との
接着部でのフィルム配向パラメータ(R1 )が、非接着
部でのフィルム配向パラメータ(R2 )よりも低く、か
つその差が0.10以上であることを特徴とする感熱孔
版印刷用原紙。 【効果】本発明の原紙を用いた孔版印刷では、サーマル
ヘッド等による穿孔製版性に優れるので、得られる印刷
物は高精細で高画像性を有し、また、搬送性に優れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、感熱孔版印刷用原紙に
関する。さらに詳しくはハロゲンランプ、キセノンラン
プ、フラッシュバルブなどによる閃光照射や赤外線照
射、あるいはレーザー光線等のパルス的照射、さらには
サーマルヘッド等によって穿孔製版される感熱孔版印刷
用原紙に関するものであり、特にサーマルヘッドによる
穿孔製版性と印刷性に優れ、かつ搬送性に優れた感熱孔
版印刷用原紙に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より複写機に代わる簡便な印刷方式
として、感熱孔版印刷がある。感熱孔版印刷は、インキ
透過性の多孔性支持体に熱可塑性樹脂フィルムを貼り合
わせたものを原紙として用い、センサーで読み取った原
稿の画像をデジタル信号としてサーマルヘッドに送り、
サーマルヘッドの発熱によって熱可塑性樹脂フィルムを
加熱溶融せしめて穿孔製版し、該穿孔部に多孔性支持体
側から印刷インキを浸出せしめて印刷用紙に印刷するも
のである。
【0003】近年、感熱孔版印刷はオフセット印刷なみ
の高画質で高精細な印刷性能が求められている。また、
製版時間の短縮、印刷速度の向上が求められている。
【0004】従来より感熱孔版印刷用原紙としては、ア
クリロニトリル系フィルム、ポリエステル系フィルム、
塩化ビニリデン系フィルム等の熱可塑性樹脂フィルム
に、天然繊維、化学繊維または合成繊維あるいはこれら
を混抄した薄葉紙、不織布、紗等によって構成された多
孔性支持体を接着剤で貼り合わせた構造のものが知られ
ている(例えば、特開昭51−2512号公報、特開昭
51−2513号公報、特開昭57−182495号公
報など)。
【0005】しかしながら、従来の感熱孔版印刷用原紙
は黒ベタ部に白抜けが発生したり、細字がかすれたりす
るという欠点があった。従来原紙の印刷性不良の原因と
しては、以下のことが考えられる。
【0006】(1)フィルムと多孔性支持体とを貼り合
わせている接着剤によってインキの透過が阻害される。
【0007】(2)支持体繊維が太いため、繊維によっ
てフィルムの穿孔部が閉塞されインキの透過が阻害され
る。
【0008】(3)フィルムの穿孔性が悪く、未穿孔部
が生成して原稿に忠実な製版ができない。
【0009】これらの欠点を改良するため、これまでに
種々の提案がなされている。例えば、特開昭58−14
7396号公報、特開平4−232790号公報では、
使用する接着剤の量をできるだけ少なくしたり、また接
着剤を用いない方法として、特開平4−212891号
公報においては、熱可塑性樹脂フィルムの片面に合成繊
維が散布され熱圧着されてなる感熱性孔版原紙が提案さ
れている。
【0010】また、特公昭63−59394号公報では
支持体の繊維量をできるだけ少なくしたり、繊維をでき
るだけ細くすることが提案されている。
【0011】さらにまた、特開平3−65280号公報
ではフィルムの厚さを特定し、サーマルヘッドによって
穿孔できる感熱孔版印刷用原紙が開示されている。
【0012】しかしながら、これら従来の原紙でオフセ
ット印刷なみの高精細で、高画質な印刷を行うにはいず
れも不満足なものであった。また、製版速度や印刷速度
を向上することにも限界があった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の感熱
孔版印刷用原紙では実現できなかったオフセット印刷な
みの高精細で、高画質な印刷性を有し、かつ搬送性に優
れた感熱孔版印刷用原紙を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究した結果、原紙を構成するフィル
ムの配向度を特定することにより従来原紙の欠点を改良
できることを見いだし、本発明を完成したものである。
【0015】すなわち本発明は、ポリエステルフィルム
と合成繊維からなる多孔性支持体とを接着してなる感熱
孔版印刷用原紙において、レーザーラマン分光法により
求めた支持体繊維との接着部でのフィルム配向パラメー
タ(R1 )が、非接着部でのフィルム配向パラメータ
(R2 )よりも低く、かつその差が0.10以上である
ことを特徴とする感熱孔版印刷用原紙とするものであ
る。
【0016】本発明におけるポリエステルフィルムに用
いられるポリエステルとして好ましくは、ポリエチレン
テレフタレート、エチレンテレフタレートとエチレンイ
ソフタレートとの共重合体、ヘキサメチレンテレフタレ
ートとシクロヘキサンジメチレンテレフタレートとの共
重合体等を挙げることができる。穿孔感度を向上するた
めに特に好ましくは、エチレンテレフタレートとエチレ
ンイソフタレートとの共重合体、ヘキサメチレンテレフ
タレートとシクロヘキサンジメチレンテレフタレートと
の共重合体等を挙げることができる。
【0017】本発明におけるポリエステルフィルムには
必要に応じて、難燃剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線
吸収剤、帯電防止剤、顔料、染料、脂肪酸エステル、ワ
ックス等の有機滑剤あるいはポリシロキサン等の消泡剤
等を配合することができる。さらには必要に応じて易滑
性を付与することもできる。易滑性付与方法としては特
に制限はないが、例えば、クレー、マイカ、酸化チタ
ン、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、湿式あるいは
乾式シリカなどの無機粒子、アクリル酸類、スチレン等
を構成成分とする有機粒子等を配合する方法、ポリエス
テル重合反応時に添加する触媒等を析出する、いわゆる
内部粒子による方法、界面活性剤を塗布する方法等があ
る。
【0018】本発明における合成繊維としては、例えば
ポリエステル、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイ
ド、ポリアクリロニトリル、ポリポロピレン、ポリエチ
レンまたはその共重合体など従来公知のものが用いられ
る。これらの合成繊維は単体で用いてもよいし、2種以
上を併用してもよく、また、天然繊維や再生繊維を含ん
でいてもよいが、支持体強度の点からポリエステル繊維
が特に好ましく用いられる。ポリエステル繊維に用いら
れるポリエステルとして好ましくは、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリシクロヘ
キサンジメチレンテレフタレート、エチレンテレフタレ
ートとエチレンイソフタレートとの共重合体等を挙げる
ことができる。熱寸法安定性の点から特に好ましくは、
ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレー
ト等を挙げることができる。
【0019】本発明における合成繊維には必要に応じ
て、難燃剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯
電防止剤、顔料、染料、脂肪酸エステル、ワックス等の
有機滑剤あるいはポリシロキサン等の消泡剤等を配合す
ることができる。
【0020】本発明のフィルムおよび支持体繊維に好ま
しく用いられるポリエステルとはいずれも、芳香族ジカ
ルボン酸、脂肪族ジカルボン酸または脂環族ジカルボン
酸とジオールを主たる構成成分とするポリエステルであ
る。ここで、芳香族ジカルボン酸成分としては例えば、
テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフ
タレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン
酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4′−ジフ
ェニルジカルボン酸、4,4′−ジフェニルエーテルジ
カルボン酸、4,4′−ジフェニルスルホンジカルボン
酸等を挙げることができ、中でも好ましくはテレフタル
酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等
を挙げる個とができる。脂肪族ジカルボン酸成分として
は例えば、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデ
カンジオン酸等を挙げることができ、中でも好ましくは
アジピン酸等を挙げることができる。また脂環族ジカル
ボン酸成分としては例えば、1,4−シクロヘキサンジ
カルボン酸等を挙げることができる。これらの酸成分は
1種のみ用いてもよく、2種以上併用してもよく、さら
には、ヒドロキシ安息香酸等のオキシ酸等を一部共重合
してもよい。また、ジオール成分としては例えば、エチ
レングリコール、1,2−プロパンジオール、1.3−
プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,3−
ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペ
ンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−
シクロヘキサンジメタノール、1.3−シクロヘキサン
ジメタノール、1.4−シクロヘキサンジメタノール、
ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリ
アルキレングリコール、2,2′ビス(4′−β−ヒド
ロキシエトキシフェニル)プロパン等を挙げることがで
きる。中でもエチレングリコールが好ましく用いられ
る。これらのジオール成分は1種のみ用いてもよく、2
種以上併用してもよい。
【0021】本発明に好ましく用いられるポリエステル
は従来公知の方法で製造することができる。例えば、酸
成分をジオール成分と直接エステル化反応させた後、こ
の反応の生成物を減圧下で加熱して余剰のジオール成分
を除去しつつ重縮合させることによって製造する方法
や、酸成分としてジアルキルエステルを用い、これとジ
オール成分とでエステル交換反応させた後、上記と同様
に重縮合させることによって製造する方法等がある。こ
の際、必要に応じて、反応触媒として従来公知のアルカ
リ金属、アルカリ土類金属、マンガン、コバルト、亜
鉛、アンチモン、ゲルマニウム、チタン化合物等を用い
ることもできる。
【0022】本発明におけるポリエステルフィルムは、
支持体繊維との接着部における配向パラメータ(R1 )
が支持体繊維と接着していない部分の配向パラメータ
(R2)より低く、その差が好ましくは0.10以上で
あり、より好ましくは0.20以上、特に好ましくは
0.50以上である。また、好ましくはその差の最大値
は5.0以下、より好ましくは3.0以下である。
【0023】本発明でいうフィルムの配向パラメータ
(R1 、R2 )とは、Jobin Yvon/愛宕物産
製“Ramanor”U−1000I(光源:NEC製
GLG3300 Ar+ レーザー 514.5nm、顕
微鏡:オリンパス製 BH−2型 対物レンズ×10
0)を用いてレーザーラマン分光法により求めた、フィ
ルムの断面方向の1615cm−1 バンドのピーク強度
(I)と、フィルムの厚さ方向の1615cm−1 バン
ドのピーク強度(IND)との比、I/INDをいう。配向
パラメータの値が大きいほどフィルムの配向度が高いこ
とを表す。
【0024】本発明のフィルムの配向パラメータは、本
発明の原紙をPMMA樹脂中に包埋して、断面を湿式研
磨し、上記の装置を用いて、支持体繊維との接着部およ
びその近傍の非接着部のフィルム部分についてラマンス
ペクトルを測定して求めた。R1 、R2 とも測定は一枚
の原紙について10箇所以上行い、その平均値を求め
た。
【0025】また、本発明のポリエステルフィルムは、
支持体繊維と接着していない部分の配向パラメータR2
は1.5以上であるのが好ましく、より好ましくはR2
が2.0以上である。R2 が1.5以上であれば、サー
マルヘッドの加熱穿孔によって、フィルムが十分に収縮
できる応力が発現される。
【0026】本発明におけるポリエステルフィルムの厚
さは、通常0.1〜10μmであり、好ましくは0.1
〜5.0μm、より好ましくは0.1〜3.0μmであ
る。厚さが10μm以下であれば穿孔感度が低下するこ
とがなく、0.1μm以上であれば製膜安定性が良好で
ある。
【0027】本発明におけるポリエステルフィルムは、
結晶融解エネルギー(ΔHu)が3〜11cal/gで
あるのが好ましく、より好ましくは5〜10cal/g
である。ΔHuが3cal/g以上あるとフィルムの穿
孔感度が安定であり、また、ΔHuが11cal/g以
下であるとフィルムに未穿孔を生じることがない。
【0028】本発明の原紙を構成する多孔性支持体の繊
維目付量は、通常2〜20g/m2であり、好ましくは
2〜16g/m2 、より好ましくは2〜14g/m2
ある。目付量が20g/m2 以下であれば、インキの透
過性が高く、画像鮮明性が良好である。また目付量が2
g/m2 以上であればインキの保持性が良好であり、ま
た支持体として十分な強度を得られるので、搬送性に優
れた原紙とすることができる。
【0029】本発明の多孔性支持体を構成する繊維の平
均直径は、通常0.5〜30μm、好ましくは1〜20
μm、より好ましくは1〜10μmである。平均直径が
30μm以下であると、支持体の厚みと目付量が均一に
なりやすく、インキの透過が均一になる。また、平均直
径が0.5μm以上であれば支持体として十分な強度が
得られるので、搬送性に優れた原紙とすることができ
る。
【0030】本発明の多孔性支持体を構成する繊維は全
て同一直径のものであってもよいし、異なる繊維径の繊
維が混繊されたものであってもよい。また、繊維径の異
なる繊維を段階的に積層した多層構造としてもよい。多
層構造の場合、少なくともフィルムに面した層を10μ
m以下の繊維で構成し、残りの層を10μm以上の繊維
で構成すると画像鮮明性と支持体強度とのバランスの点
でより好適である。多層構造の場合、フィルムに面した
層の繊維目付量は1〜5g/m2 とするのがより好まし
い。
【0031】本発明の多孔性支持体を構成する繊維は延
伸配向されているのが特に好ましい。繊維の配向度(Δ
n)は通常0.1以上、好ましくは0.12以上、より
好ましくは0.14以上である。配向度が0.1以上で
あると、繊維強度が高く、十分な支持体強度が得られる
ので、搬送性に優れたマスタとすることができる。
【0032】本発明の多孔性支持体を構成する繊維の結
晶化度は、通常好ましくは20%以上であり、より好ま
しくは30%以上、特に好ましくは35%以上である。
結晶化度が20%以上であると、支持体としての十分な
耐熱性が得られる。
【0033】本発明における支持体繊維は、インキとの
親和性を付与するために必要に応じて繊維の表面に酸、
アルカリ等の化学処理あるいはコロナ処理、低温プラズ
マ処理等を施してもよい。
【0034】本発明の原紙を上記範囲にするために任意
の方法が採用できるが、特に、未延伸のポリエステルフ
ィルムと未延伸の合成繊維からなる多孔性支持体とを熱
接着し、共延伸することにより最も好ましく達成でき
る。
【0035】本発明に用いられる合成繊維からなる多孔
性支持体は、従来公知のメルトブロー法やスパンボンド
法などの直接溶融紡糸法によって製造することができ
る。用いられるポリマーの固有粘度は、通常好ましくは
0.3以上、さらに好ましくは0.4以上である。
【0036】例えば、メルトブロー紡糸法では、溶融し
たポリマーを口金から吐出するに際して、口金周辺部か
ら熱風を吹き付け、該熱風によって吐出したポリマーを
細繊度化せしめ、ついで、しかるべき位置に配置したネ
ットコンベア上に吹き付けて捕集し、ウエブを形成して
製造される。該ウエブはネットコンベアに設けた吸引装
置によって熱風と一緒に吸引されるので、繊維が完全に
固化する前に補集される。つまり、ウエブの繊維は互い
に融着した状態で補集される。口金とネットコンベア間
の捕集距離を適宜設定することによって、繊維の融着度
合を調整することができる。また、ポリマー吐出量、熱
風温度、熱風流量を適宜設定することにより、ウエブの
繊維径を任意に設定でき、また、コンベア速度を適宜調
整することにより、ウエブの繊維目付量を任意に設定で
きる。メルトブロー紡糸された繊維は、熱風圧力で細繊
度化されるが延伸はされず、いわゆる無配向に近い状態
で固化される。
【0037】同様にスパンボンド法では、口金から吐出
したポリマーをエアエジェクターによって牽引し、得ら
れたフィラメントを衝突板に衝突させて繊維を開繊し、
コンベア状に捕集してウエブを形成して製造される。エ
ジェクターの圧力と流量を適宜設定することにより、繊
維の配向度を調整することができ、圧力と流量を絞って
紡糸速度を低くすることにより、配向度の低い繊維ウエ
ブを得ることができる。また、吐出したポリマーの冷却
速度を調整することにより、結晶性の異なる繊維ウエブ
を得ることができる。
【0038】例えば、本発明に好ましく用いられる未延
伸繊維の結晶化度は、フィルムとの接着を十分にするた
め、通常好ましくは20%以下、より好ましくは15%
以下、特に好ましくは10%以下である。また、未延伸
繊維の配向度は共延伸性の点から通常好ましくはΔn=
0.03以下、より好ましくは0.2以下、特に好まし
くは0.1以下である。
【0039】本発明におけるポリエステルフィルムは、
上記ポリエステルを用いて、従来公知のTダイ押し出し
法によってポリマーをキャストドラム上に押し出すこと
によって未延伸フィルムを製造できる。口金のスリット
幅、ポリマーの吐出量、キャストドラムの回転数を調整
することによって、所望の厚さの未延伸フィルムを作る
ことができる。ポリエステルの固有粘度は、通常好まし
くは0.5以上、より好ましくは0.6以上である。固
有粘度が0.5以上であれば、製膜安定性が良好で、特
に薄物のキャストが容易となる。
【0040】本発明におけるポリエステルフィルムと合
成繊維からなる多孔性支持体とは、互いに融着している
ことが望ましい。融着させるには通常、ポリエステルフ
ィルムと多孔性支持体とを加熱しつつ、加圧する熱圧着
により行うのが好ましい。熱圧着の方法は特に限定され
ないが、加熱ロールによる熱圧着がプロセス性の点から
特に好ましい。この場合、加熱ロールは金属ロールとシ
リコーンなどのゴムロールとを組み合わせたものが好ま
しい。熱圧着時の温度はポリエステルフィルムのガラス
転移点(Tg)と冷結晶化温度(Tcc)との間が好ま
しい。また、圧力はロール線圧で0.1〜10kg/c
mの範囲で行うのが好ましい。
【0041】本発明においては、上記未延伸ポリエステ
ルフィルムと未延伸多孔性支持体とを熱圧着した状態で
共延伸することが好ましい。熱圧着した状態で共延伸す
ることにより、フィルムと支持体とは、剥離することな
く好適に延伸される。この時、熱圧着条件と延伸条件を
適宜調整することにより、共延伸後のフィルムの配向度
は支持体繊維と接着した部分と非接着部分とで異なった
ものとなる。
【0042】また、この時、支持体の繊維は繊維同士の
接点の一部において互いに融着した網状体が形成され
る。さらに、これら融着点のうち、一部の融着点におい
て、繊維間にまたがる薄い膜が形成される。すなわち、
多孔性支持体をこのように形成せしめることによって、
支持体強度が安定する。さらにまた、両者を一体で共延
伸することにより、支持体の繊維が補強体の役目をする
ので、フィルムが破れたりすることがなく、極めて製膜
安定性に優れる。
【0043】共延伸の方法は特に限定されるものではな
く、一軸延伸、二軸延伸いずれの方法でもよいが、本発
明にあってはフィルムの配向度および支持体繊維の均一
分散性の点で二軸延伸がより好ましい。二軸延伸は逐次
二軸延伸法または同時二軸延伸法のいずれの方法であっ
てもよいが、本発明にあっては逐次二軸延伸が好まし
い。逐次二軸延伸の場合、通常加熱ロール群による縦延
伸の後、テンターにより横延伸を行うのが一般的である
が、逆に行ってもよい。加熱ロールには金属ロール、セ
ラミックロール、シリコーンゴムロールなどが用いられ
るが、延伸はセラミックロール間、セラミックとゴムロ
ール間またはゴムロール間で行うのが好ましい。また、
延伸時のニップ圧力は線圧で0.1〜10kg/cmの
範囲で行うのが好ましい。延伸温度はポリエステル樹脂
の場合、ガラス転移温度(Tg)と冷結晶化温度(Tc
c)との間であるのが好ましい。また、延伸時の加熱を
均一に行うため、支持体繊維のみを予熱してから供給し
てもよい。延伸倍率は特に限定されないが、ポリエステ
ルフィルムの場合、通常好ましくは縦、横それぞれ2〜
8倍、より好ましくは3〜8倍が適当である。また、二
軸延伸後、縦または横、あるいは縦横に再延伸してもか
まわない。
【0044】さらにその後、二軸延伸後の本発明原紙を
熱処理してもよい。熱処理温度は特に限定されるもので
はなく、用いるポリマーの種類によって適宜決定される
が、ポリエステルフィルムの場合、通常はポリマのガラ
ス転移温度(Tg)と融点(Tm)との間が好ましく、
処理時間は通常0.5〜60秒程度が適当である。
【0045】また、熱処理して得られた原紙を一旦室温
程度まで冷却した後、さらに40〜90℃の比較的低温
で、5分から1週間程度エージングすることもできる。
このようなエージングを採用すると、原紙の保管時ある
いは印刷機の中でのカール、シワの発生が少なく特に好
ましい。
【0046】本発明の原紙を構成する多孔性支持体は、
繊維同士がその交絡点や接点において互いに融着した融
着点を有する網状体を形成してなる。特徴的には、網状
体中の融着点のうちの一部の融着点において、2本以上
の繊維間にまたがる薄い膜を形成してなる。つまり、支
持体の繊維同士が、薄い膜を形成してなる融着点を持つ
た網状体とすることにより、支持体の強度が安定すると
ともに、均一な開孔形態を形成することができるので、
搬送性に優れ、かつ印刷インキの保持性と透過性のバラ
ンスのとれた原紙とすることができるものである。
【0047】本発明でいう融着点の薄い膜とは、いわゆ
る「あひるの足の水掻き」状、あるいは「蛙の足の水掻
き」状、または「ひだ」状のものを言い、通常2本以上
の繊維間にまたがって形成され、その厚さは繊維の平均
径より薄いものである。
【0048】本発明の原紙を構成する熱可塑性樹脂フィ
ルムの融点(Tm1 )と多孔性支持体を形成する熱可塑
性樹脂繊維の融点(Tm2 )とは、好ましくはTm1 ≦
Tm2 であり、より好ましくはその温度差が5℃以上、
特に好ましくは20℃以上である。Tm1 ≦Tm2 であ
ると、フィルムの穿孔性が良好であり、支持体の耐熱性
も十分である。
【0049】本発明の原紙を構成する熱可塑性樹脂フィ
ルムと多孔性支持体間の剥離強度は好ましくは1g/c
m以上、より好ましくは5g/cm以上、特に好ましく
は10g/cm以上である。剥離強度が1g/cm以上
であると、フィルム搬送時にシワや破れが生じにくく、
走行安定性に優れる。
【0050】本発明の原紙においては、サーマルヘッド
等との融着防止のため、フィルム面に、離型剤を塗布す
るのが好ましい。離型剤としては、シリコーンオイル、
シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、界面活性剤等からな
る従来公知のものを用いることができるが、以下に示す
離型剤が特に好ましい。
【0051】すなわち、水に溶解、乳化または懸濁する
石油系ワックス(A)、植物性ワックス(B)およびオ
イル状物質(C)の混合物を主成分とする離型剤が特に
好適である。ここで、主成分とは上記(A)、(B)お
よび(C)の混合物の占める重量比率が50%以上、好
ましくは60%以上であることを言う。
【0052】石油系ワックスとしてはパラフィンワック
ス、マイクロクリスタリンワックス、酸化ワックス等を
挙げることができる。中でも酸化ワックスの使用が特に
好ましい。
【0053】また、植物性ワックスとしてはキャンデラ
ワックス、カルナウパワックス、木ロウ、オリキューリ
ーワックス、さとうきびロウ等が挙げられるが、本発明
においては特に下記化合物からなる組成物が好ましい。
【0054】すなわち、{ロジンまたは不均化ロジン、
または水添ロジン・α、β置換エチレン(α置換基:カ
ルボキシル、β置換基:水素、メチルまたはカルボキシ
ル)添加物}・アルキルまたはアルケニル(各炭素数1
〜8)ポリ(繰り返し単位:1〜6)アルコールのエス
テル添加物を用いるのが特に好ましい。
【0055】石油系ワックスと植物性ワックスとの混合
比率は10/90〜90/10重量%、好ましくは20
/80〜80/20重量%、さらに好ましくは30/7
0〜70/30重量%とするのが好ましい。植物性ワッ
クスを10重量%以上とするのは、水に乳化あるいは懸
濁させる場合の均一分散性が良好で、均一な塗布膜を得
るのに好適であることによる。また、石油系ワックスを
10重量%以上とすると塗布膜の易滑性が良好で、高速
穿孔時の走行性がよい。
【0056】また、本発明においては上記石油系ワック
ス(A)と植物性ワックス(B)にさらにオイル状物質
を加えた混合物を用いるが、ここでオイル状物質とは常
温で液体あるいはペースト状のオイルであり、植物油、
油脂、鉱物油、合成潤滑油等を挙げることができる。植
物油としてはアマニ油、カヤ油、サフラー油、大豆油、
シナギリ油、ゴマ油、トウモロコシ油、ナタネ油、糠
油、綿実油、オリーブ油、サザンカ油、椿油、ヒマシ
油、落花生油、バーム油、椰子油等が挙げられる。油脂
としては、牛脂、豚油、羊油、カカオ油等、鉱物油とし
てはマシン油、絶縁油、タービン油、モーター油、ギヤ
油、切削油、流動パラフィン等を挙げることができる。
合成潤滑油としては、化学大事典(共立出版社)に記載
の要件を満たすものを任意に使用することができ、例え
ばオレフィン重合油、ジエステル油、ポリアルキレング
リコール油、シリコーン油等を挙げることができる。こ
れらの中でも鉱物油、合成潤滑油が好適である。また、
これらの混合系であっても良い。
【0057】上記オイル状物質(C)は前記石油系ワッ
クス(A)と植物性ワックス(B)の混合物100重量
部に対し1〜100重量部、好ましくは3〜50重量部
添加するのが好ましい。オイル状物質が1重量部以上で
あると、高印加エネルギー領域での走行性が良好であ
る。また、100重量部以下であると低印加エネルギー
領域での走行性が良好である。
【0058】植物性ワックス、石油系ワックスおよびオ
イル状物質の混合物を用いると、これらのいずれかを単
独で用いた場合に比べ、均一な塗布膜が得られやすく、
走行性が良好でスティックが発生しにくい。
【0059】上記組成物中には、本発明の効果を阻害し
ない範囲内で各種添加剤を併用することができる。例え
ば、帯電防止剤、耐熱剤、耐酸化防止剤、有機粒子、無
機粒子、顔料等が挙げられる。
【0060】また、塗剤中には水への分散性を向上させ
る目的で各種添加剤、例えば分散助剤、界面活性剤、防
腐剤、消泡剤等を添加しても良い。
【0061】離型剤層の厚みは好ましくは0.005μ
m以上0.4μm以下、より好ましくは0.01μm以
上0.4μm以下である。離型剤層の厚みが0.4μm
以下であれば穿孔時の走行性が良好でヘッドの汚染も少
ない。
【0062】本発明において離型剤層を塗布する場合に
は塗液は防爆性や環境汚染の点で水に溶解、乳化または
懸濁した塗液が好ましい。
【0063】離型剤の塗布は、フィルムの延伸前あるい
は延伸後、いずれの段階で行ってもよい。離型剤の効果
をより顕著に発現させるためには、延伸前に塗布するの
が特に好ましい。塗布方法は特に限定されないが、ロー
ルコーター、グラビアコーター、リバースコーター、バ
ーコーター等を用いて塗布するのが好ましい。
【0064】また、離型剤を塗布する前に必要に応じ
て、塗布面に空気中その他種々の雰囲気中でコロナ放電
処理を施しても良い。
【0065】
【特性の測定方法】 (1)フィルムの配向パラメータ(R1 、R2 ) フィルムの配向パラメータ(R1 、R2 )は、本発明の
原紙をPMMA樹脂中に包埋し、フィルムの断面方向を
研磨して、Jobin Yvon/愛宕物産製“Ram
anor”U−1000I(光源:NEC製GLG33
00 Ar+ レーザー 514.5nm、顕微鏡:オリ
ンパス製 BH−2型 対物レンズ×100)を用いて
レーザーラマン分光法により求めた。フィルムの断面方
向の1615cm−1 バンドのピーク強度(I)と、フ
ィルムの厚さ方向の1615cm−1 バンドのピーク強
度(IND)とから配向パラメータRを以下のように定義
した。
【0066】R=I/IND 配向パラメータRは、支持体繊維との接着部におけるフ
ィルムの配向パラメータをR1 、支持体繊維と接着して
いない部分でのフィルムの配向パラメータをR2 とし、
いずれも測定点10点以上の平均値で表した。
【0067】(2)融点(Tm、℃) セイコー電子工業(株)製示差走査熱量計RDC220
型を用い、試料5mgを採取し、室温より昇温速度20
℃/分で昇温した時の吸熱曲線のピークの温度より求め
た。
【0068】(3)結晶融解エネルギー(ΔHu) セイコー電子工業(株)製示差走査熱量計RDC220
型を用いて、フィルムの融解時の面積から求める。この
面積は、昇温することによりベースラインから吸収側に
ずれ、さらに昇温を続けるとベースラインの位置まで戻
るまでの面積であり、融解開始温度位置から終了位置ま
でを直線で結び、この面積(a)を求める。同じDSC
の条件でIn(インジウム)を測定し、この面積(b)
を6.8cal/gとして次式により求める。
【0069】6.8×a/b=ΔHu(cal/g)
【0070】(4)繊維径(μm) サンプルの任意の箇所を電子顕微鏡で倍率2000倍で
写真撮影を行い、1枚の写真につき任意の5本の繊維の
直径を測定し、合計150本の繊維径を測定して、その
平均値を求めた。
【0071】(5)繊維目付(g/m2 ) サンプルを20cm×20cmに裁断し、その重量を測
定してm2 当たりの重量に換算した。
【0072】(6)固有粘度[η] 試料を105℃×20分乾燥した後、6.8±0.00
5gを秤量し、o−クロロフェノール中で160℃×1
5分間撹拌して溶解した。冷却後、ヤマトラボティック
AVM−10S型自動粘度測定器により25℃における
粘度を測定した。
【0073】(7)結晶化度(%) n−ヘプタンと四塩化炭素の混合液からなる密度勾配管
に試料を投入し、10時間以上経過後の値を読んで密度
を求めた。結晶化度0%の密度を1.335g/c
3 、結晶化度100%の密度を1.455g/cm3
として、サンプルの結晶化度を算出した。
【0074】(8)剥離強度(g/cm) フィルム面にセロハンテープを貼って補強し、フィルム
と多孔性支持体間との剥離強度をJIS−K−6854
に準拠した180度剥離試験法により測定した。
【0075】(9)印刷性評価 作製した原紙を理想科学工業(株)製印刷機リソグラフ
(RA205)に供給して、サーマルヘッド式製版方式
により、一辺10mmの黒ベタ(■)を製版してマスタ
を作製した。該マスタにより印刷を行い、印刷物の濃度
をマクベス濃度計により測定し、つぎのように評価し
た。
【0076】濃度が1.2を超えたものを○、濃度が1
〜1.2のものを△、濃度が1未満のものを×とした。
【0077】(10)搬送性評価 上記の方法により製版したマスタを観察し、シワの程度
により次のように評価した。
【0078】まったくシワなく製版できたものを○、5
mm程度のシワが発生したものを△、5mm以上のシワ
が発生したものを×とした。
【0079】
【実施例】以下、本発明を実施例により、さらに詳細に
説明する。
【0080】実施例1 孔径0.3mm、孔数900個の矩形紡糸口金を用い
て、口金温度290℃、熱風温度295℃、熱風流量5
00Nm3 /hで、ポリエチレンテレフタレート原料
([η]=0.5、Tm=256℃)をメルトブロー法
にて紡出し、捕集距離15cmでコンベア上に繊維を捕
集して巻取り、繊維目付100g/m2 の未延伸不織布
を作製した。
【0081】次いで、ポリエチレンテレフタレート85
モル%、ポリエチレンイソフタレート15モル%からな
る共重合ポリエステル樹脂原料([η]=0.65、T
m=226℃)をスクリュ径40mmの押出機を用い
て、Tダイ口金温度270℃で押出し、直径300mm
の冷却ドラム上にキャストして未延伸フィルムを作製し
た。
【0082】該未延伸フィルム上に、前記の不織布を重
ね、加熱ロールに供給してロール温度75℃、線圧1k
g/cmで熱接着し、次いで90℃の加熱ロール(ゴム
ロール)間で、ニップ圧0.5kg/cmで長さ方向に
3.5倍延伸した後、テンター式延伸機に送り込み、9
5℃で幅方向に4.0倍延伸し、さらにテンター内で1
40℃で熱処理して、感熱孔版用原紙を作製した。該原
紙のフィルム面にはテンター入口部において、ワックス
系離型剤をグラビアコーターを用いて乾燥後の重さで
0.08g/m2 塗布した。得られた原紙の繊維目付量
は8.5g/m2、平均繊維径は4.5μm、フィルム
の厚さは1.8μmであった。また、該原紙の支持体繊
維と接着した部分のフィルムの配向パラメータ(R1 )
は4.12、支持体繊維と接着していない部分のフィル
ムの配向パラメータ(R2 )は6.23であり、その差
は2.11であった。
【0083】該原紙の印刷性、搬送性は○であった。
【0084】実施例2 実施例1で繊維目付140g/m2 の不織布を作製し
た。
【0085】次いで、ポリエチレンテレフタレート78
モル%、ポリエチレンイソフタレート22モル%からな
る共重合ポリエステル樹脂原料([η]=0.66、T
m=220℃)をスクリュ径40mmの押出機を用い
て、Tダイ口金温度270℃で押出し、直径300mm
の冷却ドラム上にキャストして未延伸フィルムを作製し
た。
【0086】該未延伸フィルム上に、前記の不織布を重
ね、加熱ロールに供給してロール温度75℃、線圧0.
5kg/cmで熱接着し、次いで90℃の加熱ロール
(ゴムロール)間で、ニップ圧1kg/cmで長さ方向
に3.6倍延伸した後、テンター式延伸機に送り込み、
95℃で幅方向に4.6倍延伸し、さらにテンター内で
120℃で熱処理して、感熱孔版用原紙を作製した。該
原紙のフィルム面にはテンター入口部において、ワック
ス系離型剤をグラビアコーターを用いて乾燥後の重さで
0.08g/m2 塗布した。得られた原紙の繊維目付量
は9.0g/m2、平均繊維径は5.2μm、フィルム
の厚さは1.2μmであった。また、該原紙の支持体繊
維と接着した部分のフィルムの配向パラメータ(R1 )
は5.0、支持体繊維と接着していない部分のフィルム
の配向パラメータ(R2 )は6.8であり、その差は
1.8であった。
【0087】該原紙の印刷性、搬送性は○であった。
【0088】比較例1 実施例1で作製した目付100g/m2 の不織布を準備
した。該不織布をストレッチャーで縦横3.5倍に延伸
して、160℃×1分熱処理し、平均繊維径7μm、繊
維目付量7.8g/m2 の多孔性支持体を作製した。
【0089】次に、実施例1と同じポリエチレンテレフ
タレート85モル%、ポリエチレンイソフタレート15
モル%からなる共重合ポリエステル樹脂を二軸延伸して
厚さ1.8μmのポリエステルフィルムを作製した。該
多孔性支持体と該ポリエステルフィルムとを酢酸ビニル
樹脂を用いて貼り合わせた。接着剤塗布量は1g/m2
とした。次に、フィルム面にシリコーン系離型剤を乾燥
後の重さで0.06g/m2 塗布し、感熱孔版用原紙を
作製した。
【0090】該原紙の支持体繊維と接着した部分のフィ
ルムの配向パラメータ(R1 )は5.81、支持体繊維
と接着していない部分のフィルムの配向パラメータ(R
2 )は5.78であった。
【0091】該原紙の印刷性、搬送性は×であった。
【0092】実施例3 孔径0.25mm、孔数100個の口金を用いて、ポリ
エチレンテレフタレート原料([η]=0.65、Tm
=254℃)を溶融温度290℃で紡出し、エアエジェ
クターにて、紡糸速度900m/分でコンベア上に分散
捕集して繊維目付100g/m2 の低配向不織布を作製
した。
【0093】次いで、実施例1と同じポリエチレンテレ
フタレート85モル%、ポリエチレンイソフタレート1
5モル%からなる共重合ポリエステル樹脂原料をスクリ
ュ径40mmの押出機を用いて、Tダイ口金温度280
℃で押出し、直径300mmの冷却ドラム上にキャスト
して未延伸フィルムを作製した。
【0094】該未延伸フィルム上に、前記の不織布を重
ね、加熱ロールに供給してロール温度80℃、線圧2k
g/cmで熱圧着して、積層シートを作製した。
【0095】該積層シートを95℃の加熱ロール(ゴム
ロール)間で、ニップ圧3kg/cmで長さ方向に3.
0倍延伸した後、テンタ式延伸機に送り込み、95℃で
幅方向に3.3倍延伸した。さらにテンター内部で15
0℃で熱処理し、感熱孔版用原紙を作製した。また、テ
ンター入口部において、フィルム面にワックス系離型剤
をグラビアコーターを用いて乾燥後の重さで0.08g
/m2 塗布した。
【0096】得られた原紙の繊維目付量は11.0g/
2 、平均繊維径は10μm、フィルムの厚さは2.0
μmであった。
【0097】また、該原紙の支持体繊維と接着した部分
のフィルムの配向パラメータ(R1)は3.54、支持
体繊維と接着していない部分のフィルムの配向パラメー
タ(R2 )は4.57であり、その差は1.03であっ
た。
【0098】該原紙の印刷性、搬送性は○であった。
【0099】実施例4 実施例3でコンベア速度を変更して繊維目付60g/m
2 の不織布を準備した。
【0100】次いで、ポリエチレンテレフタレート78
モル%、ポリエチレンイソフタレート22モル%からな
る共重合ポリエステル樹脂原料(〔η〕=0.66、T
m=220℃)をスクリュ径40mmの押出機を用い
て、Tダイ口金温度270℃で押出し、直径300mm
の冷却ドラム上にキャストして未延伸フィルムを作製し
た。
【0101】該未延伸フィルム上に、前記の不織布を重
ね、加熱ロールに供給してロール温度75℃、線圧0.
2kg/cmで熱接着し、次いで90℃の加熱ロール
(ゴムロール)間で、ニップ圧1.5kg/cmで長さ
方向に2.2倍延伸した後、テンター式延伸機に送り込
み、95℃で幅方向に2.5倍延伸し、さらにテンター
内で120℃で熱処理して、感熱孔版用原紙を作製し
た。該原紙のフィルム面にはテンター入口部において、
ワックス系離型剤をグラビアコーターを用いて乾燥後の
重さで0.08g/m2 塗布した。得られた原紙の繊維
目付量は12.0g/m2 、平均繊維径は16μm、フ
ィルムの厚さは2μmであった。また、該原紙の支持体
繊維と接着した部分のフィルムの配向パラメータ(R1
)は2.73、支持体繊維と接着していない部分のフ
ィルムの配向パラメータ(R2 )は3.21であり、そ
の差は0.48であった。
【0102】該原紙の印刷性、搬送性は○であった。
【0103】比較例2 実施例4で、縦、横の延伸倍率をそれぞれ1.7倍、
1.9倍として感熱孔版用原紙を作製した。
【0104】該原紙の支持体繊維と接着した部分のフィ
ルムの配向パラメータ(R1 )は1.35、支持体繊維
と接着していない部分のフィルムの配向パラメータ(R
2 )は1.40であった。
【0105】該原紙の印刷性、搬送性は×であった。
【0106】比較例3 実施例3で作製した目付100g/m2 の不織布を準備
した。該不織布をストレッチャーで縦横3倍に延伸し
て、160℃×1分熱処理し、平均繊維径12μm、繊
維目付量11g/m2 の多孔性支持体を作製した。
【0107】次に、実施例2と同じポリエチレンテレフ
タレート78モル%、ポリエチレンイソフタレート22
モル%からなる共重合ポリエステル樹脂を二軸延伸して
厚さ2.0μmのポリエステルフィルムを作製した。該
多孔性支持体と該ポリエステルフィルムとを酢酸ビニル
樹脂を用いて貼り合わせた。接着剤塗布量は1g/m2
とした。次に、フィルム面にシリコーン系離型剤を乾燥
後の重さで0.06g/m2 塗布し、感熱孔版用原紙を
作製した。
【0108】該原紙の支持体繊維と接着した部分のフィ
ルムの配向パラメータ(R1 )と支持体繊維と接着して
いない部分のフィルムの配向パラメータ(R2 )には差
がなく、ともに5.0であった。
【0109】該原紙の印刷性は×、搬送性は△であっ
た。
【0110】比較例4 比較例3において、多孔性支持体とポリエステルフィル
ムを接着剤を用いず、熱接着した。
【0111】該原紙の支持体繊維と接着した部分のフィ
ルムの配向パラメータ(R1 )は5.0、支持体繊維と
接着していない部分のフィルムの配向パラメータ(R2
)は4.9であった。
【0112】該原紙の印刷性、搬送性は×であった。
【0113】以上の結果からわかるように、支持体繊維
と接着した部分のフィルムの配向パラメータR1 が、支
持体繊維と接着していない部分でのフィルムの配向パラ
メータR2 より低い本発明の原紙は、印刷性と搬送性に
優れる。
【0114】
【発明の効果】本発明は、上記構成としたことにより、
次の効果を奏する。すなわち、サーマルヘッド等の製版
において、フィルムの穿孔部が均一な開孔形態を有した
ものとすることができるため、原稿に忠実な製版マスタ
が得られる。従って、この原紙を用いた孔版印刷で得ら
れる印刷物は高精細で高画像性を有し、印刷鮮明性に優
れる。また、印刷機内での穿孔製版においてシワ等を発
生することがなく、搬送性に優れる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルフィルムと合成繊維からな
    る多孔性支持体とを接着してなる感熱孔版印刷用原紙に
    おいて、レーザーラマン分光法により求めた支持体繊維
    との接着部でのフィルム配向パラメータ(R1 )が、非
    接着部でのフィルム配向パラメータ(R2 )よりも低
    く、かつその差が0.10以上であることを特徴とする
    感熱孔版印刷用原紙。
  2. 【請求項2】 非接着部でのフィルム配向パラメータ
    (R2 )が1.50以上であることを特徴とする請求項
    1に記載の感熱孔版印刷用原紙。
  3. 【請求項3】 多孔性支持体がポリエステルを主体とす
    る繊維からなることを特徴とする請求項1または請求項
    2に記載の感熱孔版印刷用原紙。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0806303A1 (en) * 1996-05-09 1997-11-12 Toray Industries, Inc. A heat-sensitive stencil sheet and a method of manufacturing it

Cited By (3)

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